バッテリなどの蓄電器から給電されるモータを有し、ペダルに加えられる踏力からなる人力駆動力をトルクセンサにより検出し、人力駆動力に対応したモータの補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行できる電動アシスト自転車は既に知られている。
例えば、図14に示すように、電動アシスト自転車において、モータ101などが内蔵されたモータ駆動ユニット102を、クランク軸103が設けられている箇所に配設したものがある(特許文献1等)。このような配置構成の電動アシスト自転車100は、重量が比較的大きいモータ駆動ユニット102が、電動アシスト自転車100の前後方向中央(すなわち、前輪と後輪との間の中間)の低い位置に配置される。したがって、この配置構成の電動アシスト自転車100は、モータが前輪のハブや後輪のハブに内蔵されているものと比較して、前輪110や後輪111を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、車体113の取り回しがよく、また、走行安定性も良好である。
また、このようなモータ駆動ユニット102において、図15、図16に示すように、クランク軸103からの人力駆動力が伝達される人力伝達体(中間軸)104の外周面とその対向部分に、人力駆動力を検出する磁歪式のトルクセンサ105が設けられる構造のものがある。すなわち、人力伝達体104の外周面に磁歪発生部105aが形成されているとともに、この磁歪発生部105aに対向するように、磁気の変動を検出するコイル105bが非接触状態で配設されている。そして、左右のペダル112(図14参照)を踏み込んだ際にクランク軸103が踏力(人力駆動力)により捩れるため、クランク軸103からの人力駆動力が伝達される人力伝達体104の捩れ状態を、トルクセンサ105により検出している。
なお、図15、図16において、106は、一方向クラッチ(爪部材)107を介して人力伝達体104に嵌合された筒体(アウター部)109と連結されている連動体(インナー部)、108は、連動体106の端部に取り付けられた駆動力出力輪体としての駆動スプロケットである。
ここで、電動アシスト自転車のモータ駆動ユニットにおいては、例えば特許文献2に開示されているように、トルク(人力駆動力)を機械的に検出する構造のものもある。しかし、このような構造のものでは、トルクを検出する箇所で部品同士が互いに当接するなどして機械的な抵抗を生じるため、電池の出力用残量がなくなって補助駆動力を付加できなくなった場合などに、搭乗者に対する負担が大きくなる短所がある。
これに対して、図14〜図16に示すような磁歪式のトルクセンサ105によりトルク(人力駆動力)を検出するモータ駆動ユニット102では、トルク(人力駆動力)を検出するコイル105bが磁歪発生部105aに対して非接触状態で配設されている。したがって、電池の出力用残量がなくなって補助駆動力を付加できなくなった場合でも、搭乗者に対する負担が殆どない。
また、前記モータ駆動ユニット102では、磁歪発生部105aが、クランク軸103とは別体の人力伝達体104に形成されているため、以下の利点もある。すなわち、クランク軸103の両端部には、回転方向に対するトルク(人力駆動力)だけでなく、ペダル112を介して搭乗者の足から体重の一部が下方に加えられてクランク軸103を湾曲させようとする曲げ応力が作用する。したがって、クランク軸に磁歪発生部を形成すると、この曲げ応力が、トルク(人力駆動力)を検出する際の外乱要因やノイズとなってトルクの検出能力が低下するおそれがある。また、クランク軸は、大きな曲げ応力に対しても十分対応できるような材料を選定しなければならないため、材料が極めて限定されてしまい、場合によっては、トルクの検出能力が低いものを用いざるを得ない場合がある。
これに対して、図14〜図16に示すモータ駆動ユニット102では、磁歪発生部105aが、クランク軸103とは別体の人力伝達体104に形成されているため、曲げ応力が、クランク軸103よりも作用し難く、クランク軸に磁歪発生部を形成する場合と比較して、トルクの検出能力を向上させることができる。また、人力伝達体104としてその外周面に磁歪発生部105aを形成するに適した材料を用いることができるので、これによっても、トルクの検出能力を向上させることができる。
また、モータ駆動ユニット102に設けられた一方向クラッチ(爪部材)107は、以下の理由で設けられている。すなわち、従来のこの種の電動アシスト自転車では、搭乗者がペダル112を漕ぐことを止めても、しばらくの間だけ、モータ101が回転し続けるように制御する場合(いわゆる遅れ制御を行う場合)があり、この場合には、一方向クラッチ107が設けられていないと、モータ101からの補助駆動力がクランク軸103に伝達されて、ペダル112が勝手に回転し続けようとする。したがって、このような力が、クランク軸103やペダル112に作用しないように、一方向クラッチ107により、モータ101からの補助駆動力を切断させている。
ところで、このように、磁歪式のトルクセンサ105を備えたモータ駆動ユニット102において、クランク軸103などの回転を検出する回転センサ115(図16参照)が設けられているものがある。このモータ駆動ユニット102では、人力伝達体104に係合されている筒体(アウター部)109の外周部に外側から臨むように配設されている。筒体(アウター部)109の外周部には、回転検出用の歯や、永久磁石などが固着され、回転検出用の歯が形成される場合には、回転センサ115として、永久磁石とコイルを備えたいわゆるピックアップセンサ(磁気センサ)が設けられる。
しかしながら、図14〜図16に示すモータ駆動ユニット102では、磁歪式のトルクセンサ105の近傍に、回転センサ115や筒体(アウター部)109に永久磁石などを配設することとなるため、トルク(人力駆動力)を検出する際の外乱要因やノイズとなってトルクの検出能力が低下するおそれがある。
本発明は上記課題を解決するもので、磁歪式のトルクセンサによりトルクを検出でき、かつクランク軸などの回転を検出することができながら、搭乗者がペダルを漕ぐことを止めた際に、モータからの補助駆動力がクランク軸に伝達されることがなく、トルクの検出能力を良好に維持することができるモータ駆動ユニット及び電動アシスト自転車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のモータ駆動ユニットは、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に用いられるモータ駆動ユニットであって、前記モータ駆動ユニットの外殻部を構成するユニットケースを貫通するクランク軸と、前記クランク軸と平行な回転軸を有するモータと、前記クランク軸の外周に配設された筒状の人力伝達体と、前記クランク軸の外周に配設され、大径歯車部を有し、前記人力伝達体を介して伝達された人力駆動力と前記モータからの補助駆動力とが合成される合力体と、前記モータの回転軸の回転を減速して前記大径歯車部に伝えるとともに、前記クランク軸と平行な回転軸を有する減速機構と、前記ユニットケース内に配置される制御用プリント基板を有し、前記モータを制御する制御部と、前記モータの回転軸が貫通するとともに、前記ユニットケース内であって、前記モータのロータ部に対して、前記モータの回転軸に設けられた歯部側に配置され、前記モータの回転軸と直交する方向に伸びる第1の壁部と、前記ユニットケース内であって、前記モータの回転軸の軸方向に前記歯部に沿うように伸び、前記回転軸の歯部と前記制御用プリント基板との間に配設されている第2の壁部とを備える。
また、本発明は、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に用いられるモータ駆動ユニットであって、前記モータ駆動ユニットの外殻部を構成するユニットケースを貫通するクランク軸と、前記クランク軸と平行な回転軸を有するモータと、前記クランク軸の外周に配設された筒状の人力伝達体と、前記クランク軸の外周に配設され、大径歯車部を有し、前記人力伝達体を介して伝達された人力駆動力と前記モータからの補助駆動力とが合成される合力体と、前記モータの回転軸の回転を減速して前記大径歯車部に伝えるとともに、前記クランク軸と平行な回転軸を有する減速機構と、前記ユニットケース内に配置される制御用プリント基板を有し、前記モータを制御する制御部と、前記モータの回転軸が貫通するとともに、前記ユニットケース内であって、前記モータの回転軸と略直交する方向に視て、前記モータのロータ部と前記制御用プリント基板との間に配置され、前記モータの回転軸と直交する方向に伸びる第1の壁部と、前記ユニットケース内であって、前記モータの回転軸の軸方向に、前記モータの回転軸の歯部に沿うように伸び、前記回転軸の歯部と前記制御用プリント基板との間に配設されている第2の壁部とを備える。
また、本発明は、前記減速機構は、前記大径歯車部と噛み合う小径歯車部と、前記小径歯車部の回転軸と略直交する方向に視て、前記モータのロータ部側に配設され、前記モータの回転軸の歯部と噛み合う減速用大径歯車部と、を含む減速用歯車を有する。
また、本発明は、前記減速用大径歯車部と、前記減速用大径歯車部を支持する大径支持軸部との間に、前記合力体からの回転駆動力を前記モータ側に伝達しないための一方向クラッチが配設されている。
また、本発明は、前記制御部は、制御用プリント基板に接続され、前記制御用プリント基板から前記モータ側に伸びる接続部材を有し、前記接続部材は、前記第1の壁部を貫通して、前記モータ側に伸びる。
また、本発明は、前記接続部材は、前記第2の壁部に対して前記モータの回転軸と反対側に位置する部分において、前記前記第1の壁部を貫通する。
また、本発明は、前記人力伝達体または前記合力体の回転を検出する回転センサと、前記クランク軸の外周に配設されたトルクセンサとをさらに備え、前記回転センサは、前記クランク軸方向と略直交する方向に視て、前記減速用大径歯車部と重なる位置に配置されるとともに、前記トルクセンサと前記大径歯車部との間に配設される。
また、本発明の電動アシスト自転車は、モータ駆動ユニットを搭載している。
また、本発明の電動アシスト自転車は、モータを備えたモータ駆動ユニットが前輪と後輪との間の中間位置に配設され、ペダルからの踏力による人力駆動力に、前記モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車であって、ペダルからの人力駆動力が伝達されるクランク軸の外周に、前記人力駆動力が伝達されて、前記人力駆動力を検出するためのトルクセンサの磁歪発生部が形成された筒状の人力伝達体が配設され、クランク軸の外周に、一端側から前記人力伝達体からの人力駆動力が伝達され、他端側に、クランク軸と同軸心の駆動力出力輪体が取り付けられた連動体が配設され、前記連動体からの駆動力が、前記駆動力出力輪体と、この人力駆動力出力輪体に掛け渡された無端状駆動力伝達体とを介して、後輪に伝達されるよう構成され、クランク軸の外周に、前記人力伝達体に係合された中間筒体が設けられ、この中間筒体と前記連動体との間に、一方向クラッチが配設され、前記中間筒体または前記人力伝達体の回転を検出する回転検出器が設けられ、前記回転検出器として光センサが用いられ、前記中間筒体または前記人力伝達体の外周における前記回転検出器に対応する位置に、光センサの光を遮断または反射する1つの回転体が取り付けられ、前記回転検出器は、光センサが、回転体の回転方向にその出力信号の位相が90度異なる位置に2つ並べられて設けられ、前記中間筒体が、前記一方向クラッチの内側に取り付けられ、前記回転体が取り付けられている位置が、クランク軸の軸心を中心とした径方向に対して、前記一方向クラッチと前記連動体との係合離脱する位置、もしくは、この位置よりも内側となる位置であることを特徴としてもよい。
この構成により、磁歪式のトルクセンサによりトルクを検出でき、かつ回転検出器により、前記中間筒体または前記人力伝達体の回転を検出でき、ひいてはクランク軸やペダルの回転を検出できる。また、前記中間筒体と前記連動体との間に配設した一方向クラッチにより、搭乗者がペダルを漕ぐことを止めた際に、モータからの補助駆動力がクランク軸に伝達しないよう構成できる。また、前記中間筒体または前記人力伝達体の回転を検出する回転検出器として光センサを用いているので、回転検出器として磁気センサを用いたように、トルク(人力駆動力)を検出する際の外乱要因やノイズとなってトルクの検出能力が低下することを防止できて、トルクを良好に検出することができる。
また、本発明は、前記中間筒体または前記人力伝達体の外周における前記回転検出器に対応する位置に、光センサの光を遮断または反射する回転体を取り付けたことを特徴としてもよい。ここで、クランク軸の回転を検知する方法としては、クランク軸に、光センサの光を遮断または反射する回転体をクランク軸に設けて、前記回転体に照射した光を検知することが考えられる。しかし、本構成のように、前記中間筒体または前記人力伝達体の外周に、光センサの光を遮断または反射する回転体を取り付けることにより、光センサの光を遮断または反射する回転体をクランク軸に設けている場合よりも、大径の部分に配設することとなるため、回転検出器の分解能を向上させることができる。また、回転体の具体例としては、全周にわたって歯部を形成した円板や円筒などで回転体を構成し、前記歯部を挟むように出射部と受光部を設けることが考えられるが、この場合に、歯部を形成した円板や円筒などを、クランク軸よりも比較的大径の中間筒体または人力伝達体に取り付けることとなるため、歯部を形成した円板や円筒などとして、内径部から外径部までの径方向の寸法をあまり大きくしなくても、歯部を比較的大きい径の位置に、より多く形成できて、歯部が比較的小さい径の位置に形成されているものと比較して、回転検出器の分解能を向上させることができる。また、前記回転体をクランク軸に取り付けた場合において同様な回転検出器の分解能を得ようとすると、歯部を形成した円板や円筒などを内径部から外径部までの径方向の寸法を大きくすることが考えられるが、この場合には、歯部を形成した円板や円筒などが変形しやすくなるおそれがある。これに対して、前記回転体を、クランク軸の外周に配設されている前記中間筒体または前記人力伝達体に取り付けることで、内径部から外径部までの径方向の寸法をあまり大きくしなくても済むので、前記回転体が変形する可能性を最小限に抑えることができる。
また、本発明は、上記したように前記中間筒体または前記人力伝達体の外周における前記回転検出器に対応する位置に、光センサの光を遮断または反射する1つの回転体が取り付けられ、前記回転検出器は、光センサが、回転体の回転方向にその出力信号の位相が90度異なる位置に2つ並べられて設けられていることを特徴としてもよい。この構成により、ペダルが停止または逆方向に回転されたことを検出できる。
また、本発明は、前記連動体により、前記人力伝達体を介して伝達された人力駆動力とモータからの補助駆動力とが合成されることを特徴としてもよい。また、これに代えて、無端状駆動力伝達体に係合して、モータから出力される補助駆動力を出力する補助駆動力出力輪体を設けてもよい。
また、本発明は、補助駆動力の伝達経路に、減速用歯車部とこの減速用歯車部を支持する減速用歯車支持軸とを有する減速機構が配設され、減速用歯車部と前記減速用歯車支持軸との間に、人力駆動力をモータ側に伝達しない人力駆動力切断用の一方向クラッチが配設されていることを特徴としてもよい。
この構成により、バッテリの残容量が無くなった際にペダルを漕いで回転させた場合でも、減速用歯車部と減速用歯車支持軸との間に配設された人力駆動力切断用の一方向クラッチによって、減速用歯車やモータを回転しなくても済み、ペダルに余分な力をかけなくて済む。
また、本発明は、モータと減速機構と制御部とがモータ駆動ユニット内に組み込まれ、モータと制御部とが側面視して重なり、かつ幅方向の互いに反対側に配設されていることを特徴としてもよい。
この構成により、モータ駆動ユニットの側面視した状態での面積(横方向からの投影面積)を小さくできる(コンパクト化できる)。また、モータと制御部とはモータ駆動ユニットにおいて幅方向の反対側に配設したので、制御部がモータの熱の影響を受け難くなり、良好な信頼性を保持することができる。
本発明によれば、クランク軸の外周に、人力駆動力を検出するためのトルクセンサの磁歪発生部が形成された筒状の人力伝達体と、この人力伝達体に係合された中間筒体とを設け、前記中間筒体または前記人力伝達体の回転を検出する回転検出器として光センサを用いることにより、トルクセンサに磁気の影響を与えることなく、クランク軸と一体的に回転する中間筒体や人力伝達体部材の回転を容易かつ確実に検知することができる。また、回転検出器として、トルクセンサを兼用することが考えられるが、このようにトルクセンサを兼用する場合と比較すると、回転を容易かつ確実に検出できるとともに制御が簡単であるため迅速に検出できる利点がある。
また、前記中間筒体または前記人力伝達体の外周における前記回転検出器に対応する位置に、光センサの光を遮断または反射する回転体を取り付けることにより、回転検出器として比較的分解能のよいものを得ることができる。また、回転体として、全周にわたって歯部を形成した円板や円筒などを前記中間筒体または前記人力伝達体の外周に取り付けた場合でも前記回転体の内径部から外径部までの径方向の寸法をあまり大きくしなくて済むので、歯部などが変形する可能性を最小限に抑えることができて良好な信頼性を維持できる。
また、補助駆動力の伝達経路に、減速用歯車部とこの減速用歯車部を支持する減速用歯車支持軸とを有する減速機構を配設し、減速用歯車部と前記減速用歯車支持軸との間に、人力駆動力をモータ側に伝達しない人力駆動力切断用の一方向クラッチを配設することにより、バッテリの残容量が無くなった際にペダルを漕いで回転させた場合でも、減速用歯車やモータを回転しなくても済んで、ペダルに余分な力をかけなくて済む(いわゆる引きずり抵抗を極めて減少させることができる)。
また、モータと減速機構と制御部とをモータ駆動ユニット内に組み込み、モータと制御部とを、側面視して重なり、かつ正面視(または平面視)して幅方向の互いに反対側に配設しることで、モータ駆動ユニットの側面視した状態での面積(横方向からの投影面積)を、一軸式のモータ駆動ユニットとして特に小さくできる(コンパクト化できる)とともに、制御部がモータの熱の影響を受け難くなって、良好な信頼性を保持することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るモータ駆動ユニット及び電動アシスト自転車について図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向および前後方向とは、進行方向に向って当該電動アシスト自転車1に搭乗した状態での方向を言う。また、この発明の構成が以下で述べる構成に限定されるものではない。
図1、図2における1は本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車である。図1、図2などに示すように、この電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、メインパイプ2c、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製のフレーム2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、サドル6と、踏力からなる人力駆動力がかけられるクランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動のモータ21(図4参照)およびこのモータ21を含めた各種の電気的制御を行う制御部24(図4参照)などが設けられたモータ駆動ユニット20と、モータ21に駆動用の電力を供給する二次電池からなるバッテリ12と、ハンドル5などに取り付けられて、搭乗者などが操作可能な手元操作部(図示せず)と、クランク軸7aと同軸心で一体的に回転するように取り付けられ、人力駆動力および補助駆動力が合わされた合力を出力する駆動力出力輪体としての駆動スプロケット(前スプロケット、クランクスプロケットや前ギヤとも称せられる)13と、後輪4のハブ(後ハブとも称する)9に取り付けられた後部輪体としての後スプロケット(後ギヤとも称せられることがある)14と、駆動スプロケット13と後スプロケット14とにわたって回転可能な状態で無端状に巻回された無端状駆動力伝達体としてのチェーン15と、チェーン15などを側方から覆うチェーンカバー17と、などを備えている。なお、バッテリ12は蓄電器の一例であり、二次電池が好適であるが、蓄電器の他の例としてはキャパシタなどであってもよい。なお、クランク7は左右にそれぞれ設けられるクランクアーム7bと、左右のクランクアーム7b同士を連結するクランク軸7aとからなる。
図1、図2に示すように、この電動アシスト自転車1においても、モータ駆動ユニット20が、クランク軸7aの略後方など、前輪3と後輪4との間の中間位置(より詳しくは中間位置の下部)に配置されている。そして、このような配置構成にすることで、重量が比較的大きいモータ駆動ユニット20が、電動アシスト自転車1の前後方向中央に配置されるため、前輪3や後輪4を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、電動アシスト自転車1の車体(フレーム2など)の取り回しがよく、また、走行安定性も良好となる。
図3はモータ駆動ユニット20の側面図(駆動スプロケット13は省いている)、図4はモータ駆動ユニット20の平面横断面図である。図3、図4に示すように、モータ駆動ユニット20は、モータケース22a、左側ケース22b、右側ケース22cからなるユニットケース22により外殻部などが構成され、モータ駆動ユニット20の前部をクランク軸7aが左右に貫通している。また、クランク軸7aの外周に、クランク軸7aからの人力駆動力が伝達される略筒状の人力伝達体28と、人力伝達体28からの人力駆動力が伝達される中間筒体23と、中間筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して伝達され、かつ人力伝達体28などを介して伝達された人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とを合成する合力体として機能する連動体29とが配設されている。さらに、ユニットケース22の前後方向中央部に、減速用歯車36などを有する減速機構25が配設され、ユニットケース22内の後部左側にモータ21が配設され、ユニットケース22内の後部右側に、各種の電気的制御を行う電子部品が設けられた制御用プリント基板24aや各種情報の記憶部などを有する制御部24が配設されている。
詳しくは、図4、図5に示すように、クランク軸7aが、モータ駆動ユニット20の前部を左右に貫通した状態で軸受26、27により回転自在に配設され、このクランク軸7aにおける左側寄り部分の外周に、セレーション部(またはスプライン部)7cを介して、筒状の人力伝達体28が一体的に回転する状態で嵌め込まれている。なお、人力伝達体28の内周におけるクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cに対応する箇所にもセレーション部(またはスプライン部)28bが形成されてクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cと噛み合っている。
人力伝達体28の外周表面には、磁気異方性を付与した磁歪発生部31bが形成されているとともに、その外周に一定の隙間(空間)を介してコイル31aが配設され、これらの磁歪発生部31bおよびコイル31aにより磁歪式のトルクセンサ(人力検知部)31が構成されている。これにより、クランク軸7aからの人力駆動力が人力伝達体28に伝達されるとともに、トルクセンサ31により人力駆動力が検出される。また、この磁歪式のトルクセンサ31では、磁歪発生部31bが、人力伝達体28の軸心方向に対して例えば+45度と−45度とをなす螺旋形状に形成されており、人力伝達体28に人力駆動力が伝達されると人力伝達体28の表面の磁歪発生部31bに歪みが発生して透磁率の増加部分と減少部分とが発生するため、コイル31aのインダクタンス差を測定することでトルク(人力駆動力)の大きさを検出できるよう構成されている。なお、この実施の形態では、上記構成により、クランク軸7aが反対方向に回転されたことをも検出可能に構成されているがこれに限るものではない。
中間筒体23は、クランク軸7aの外周における人力伝達体28の右側に隣接した箇所で、クランク軸7aに対しては回転自在の状態で配設されているが、人力伝達体28の右端部外周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)28aと、中間筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aとで嵌合されている。なお、この実施の形態では、人力伝達体28のセレーション部(またはスプライン部)28aに、中間筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aが外側から嵌合されている。
また、上述したように、中間筒体23と連動体29との間に、一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30が配設されており、一方向クラッチ30の内側に中間筒体23が取り付けれ、一方向クラッチ30の外側に連動体29が取り付けられている。連動体29は、クランク軸7aの外周において、クランク軸7aに対して回転自在の状態で配設され、モータ21からの補助駆動力が伝達される。一方、前記一方向クラッチ30は、中間筒体23からの前進方向への人力駆動力は連動体29に伝達するが、連動体29からの前進方向への補助駆動力は中間筒体23を介してクランク軸7aやペダル8側に伝達されないよう構成されている。つまり、この電動アシスト自転車1でも、搭乗者がペダル8を漕ぐことを止めても、しばらくの間だけ、モータ21が回転し続けるように、いわゆる遅れ制御を行うが、前記一方向クラッチ30により補助駆動力を切断させて、クランク軸7aやペダル8が勝手に回転し続けることが阻止されている。
さらに、図5、図6に示すように、モータ駆動ユニット20には、クランク軸7aと一体的に回転する部材である中間筒体23、ひいては、クランク軸7aやペダル8の回転を検出する2つの回転検出器10(10A、10B)が設けられている。この実施の形態では、出射部10aと受光部10bとからなる対となった光センサが横方向(詳しくは、後述する回転体11の歯部11bの回転方向)に2つ並べられて、回転検出器10(10A、10B)が構成されている(図6〜図8参照)。また、中間筒体23における左端部の外周に、回転検出器10(10A、10B)の光を遮断したり通過させたりする回転体11が取り付けられている。回転体11は、略筒状で中間筒体23の左端部外周に取り付けられて固定された取付部11aと、この取付部11aの左端部からくし(櫛)歯状に外周方向に延びる歯部(遮光部)11bとを有している。そして、回転検出器10(10A、10B)の出射部10aと受光部10bとの間の光出射路を、歯部11bや、これらの歯部11bの間の歯溝部(通光部)11cが通過することにより、回転検出器10により中間筒体23、ひいては、クランク軸7aやペダル8の回転数(回転量)を検出するよう構成されている。また、図7、図8に示すように(図面の配置上、図6と逆の配置状態で示している)、2つの回転検出器10A、10Bはそれぞれ出力信号の位相が90度異なる位置に配設されており、これにより、回転検出器10A、10Bの回転方向により入力信号が異なるため、入力信号に基づいて、中間筒体23、ひいては、クランク軸7aやペダル8の正方向および逆方向の各回転方向についても検出できるようになっている。なお、図4、図5に示すように、この実施の形態では、回転検出器10は、ユニットケース22の前端部内側から後方に延びる支持部材18を介して、回転体11が配設される箇所に向けて取り付けられている。
また、連動体29の左寄り箇所外周にはモータ21からの補助駆動力を入力するための大径歯車部29bが一体形成されており、連動体29の右端部外周には、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13が嵌め込まれて、連動体29と駆動スプロケット13とは一体的に回転する。なお、連動体29に外嵌された軸受27により、クランク軸7aが連動体29を介して回転自在に支持されている。なお、連動体29とクランク軸7aとの間や、中間筒体23とクランク軸7aとの間や、人力伝達体28の右側内周面とクランク軸7aとの間に、それぞれ薄肉の軸受などを配設してもよい。
図4に示すように、モータ21は軸受32、33によりその回転軸21aおよびロータ部21bが回転自在に支持されている。また、モータ21の回転軸21aが右側方に突出され、この突出部の外周に歯部21cが形成されている。減速機構25は、減速用歯車36を介することにより、モータ21の回転トルク(補助駆動力)が増幅されて連動体29の大径歯車部29bに伝達するよう構成されている。ここで、減速用歯車36の支持軸(減速用歯車支持軸)には、軸受34、35により回転自在に支持された減速用歯車小径支持軸部(減速用歯車支持軸の一例であり、以下、単に小径支持軸部と略す)36aと、これよりも大径の減速用歯車大径支持軸部(減速用歯車支持軸の他の例であり、以下、単に大径支持軸部と略す)36bとが一体形成されている。また、小径支持軸部36aの外周に、小径支持軸部36aとは別体の減速用小径歯車部(減速用歯車部の一例であり、以下、単に小径歯車部と略す)36cが、圧入またはセレーション部(あるいはスプライン部)などを介して、一体的に回転するように組みつけられている。そして、小径歯車部36cが連動体29の大径歯車部29bに噛み合わされている。一方、減速用歯車36の大径支持軸部36bの外周に減速用大径歯車部(減速用歯車部の他の例であり、以下、単に大径歯車部と略す)36dが配設されているととともに、この大径歯車部36dがモータ21の回転軸21aの歯部21cに噛み合わされているが、減速用歯車36における大径支持軸部36bと大径歯車部36dとの間には、連動体29からの回転駆動力をモータ21側に伝達しないための、人力駆動力切断用の一方向クラッチ37が配設されている。
この一方向クラッチ37は、走行中にある程度の補助駆動力が出力されるなど、モータ出力(補助駆動力)に基づく減速用歯車36の大径歯車部36dの内周部分が、これに対向する大径支持軸部36bの外周部分に対して、相対的に駆動スプロケット13を前進させる方向に回転する場合(すなわち、減速用歯車36の大径歯車部36dの内周の前進方向への回転数が、これに対向する大径支持軸部36bの外周の前進方向への回転数よりも大きい場合)には、減速用歯車36の大径歯車部36dに伝達された補助駆動力を、そのまま大径支持軸部36bに伝達するように動作する。そして、補助駆動力が、小径支持軸部36aと小径歯部36cとを介して、連動体29の大径歯車部29bに伝達される。これにより、連動体29において、人力駆動力と補助駆動力とが合成され、これらの合成された合力が、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13から、チェーン15を介して、後輪4に伝達される。
一方、バッテリ12の残容量が無くなって、モータ21から補助駆動力が出力されない状態でペダル8を漕いだ場合など、モータ出力(補助駆動力)に基づく減速用歯車36の大径歯車部36dの内周部分が、これに対向する大径支持軸部36bの外周部分に対して、相対的に駆動スプロケット13を前進させる方向とは逆方向に回転する場合(減速用歯車36の大径歯車部36dの内周の前進方向への回転数が、これに対向する大径支持軸部36bの外周の前進方向への回転数よりも小さい場合)には、減速用歯車36の大径歯車部36dに伝達された補助駆動力が一方向クラッチ37により切断されて、大径支持軸部36bに伝達されないよう構成されている。
これにより、バッテリ12の残容量が無くなって、モータ21から補助駆動力が出力されない状態でペダル8を漕いだ場合などには、人力駆動力によって小径歯車部36cおよび小径支持軸部36aや大径支持軸部36bは回転されるが、大径歯車部36dやモータ21の回転軸21aおよびロータ部21bは回転されない。
上記構成において、前進走行時にペダル8を踏み込むと、このペダル8にかけられた踏力に基づく人力駆動力が、クランク軸7aから人力伝達体28および中間筒体23、連動体29に伝達され、前記人力駆動力が、人力伝達体28に設けられたトルクセンサ31により検出される。そして、前記人力駆動力に対応する補助駆動力が減速機構25の減速用歯車36などを介して、連動体29に伝達され、連動体29で合わされた合力が、駆動スプロケット13から、チェーン15を介して、後輪4に伝達される。これにより、人力駆動力に対応したモータ21の補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行できる。
一方、走行中に搭乗者がペダル8を漕ぐことを止めると、これに伴ってクランク軸7aおよび中間筒体23の回転も停止するため、この停止状態が回転検出器10により検出され、モータ21が停止または制動される。このように、走行中に搭乗者がペダル8を漕ぐことを止めると、モータ21が直ぐに停止または制動されるので、無駄にモータ21が駆動されて、バッテリ12の消耗を抑えることができる。
また、上記構成によれば、回転検出器10(10A、10B)として、光センサを用いることにより、トルクセンサ31に磁気の影響を与えることなく、中間筒体23の回転を容易かつ確実に検知することができる。つまり、回転検出器10として、磁気センサを別途に設けるとともに、中間筒体の一部に磁石を埋め込んだり、磁石を有する磁気センサを用いたりした場合には、磁歪発生部31bにより発生される磁界の変動など、トルク検出時のノイズを生じて、トルクの検出能力が低下するおそれがある。これに対して、回転検出器10として光センサを用いているため、トルクの検出能力を良好に維持した状態で中間筒体23の回転を容易かつ確実に検知することができる。また、回転検出器10として光センサを用いることで、回転を容易かつ確実に検出できるとともに制御が簡単であるため迅速に検出でき、ペダル8やクランク軸7aの回転が停止または逆回転されたことを迅速に検知して、モータ21を素早く停止できる利点もある。
また、上記構成においては、中間筒体23の外周に回転体11を取り付けている。この構成により、中間筒体23はクランク軸7aの外周に配設されているので、回転体11をクランク軸7aに設けている場合よりも、大径の部分に回転体11を配設することとなるため、径方向の高さが同様な寸法の回転体11を組み付けた場合でも、回転体11において、より多くの歯部11bを形成できるとともに回転検出器10で支障なく検出できて、回転検出器10の分解能を向上させることができる。
また、光センサからなる回転検出器10をクランク軸7aに取り付けた場合において同様な回転検出器10の分解能を得ようとすると、歯部を形成した円板などを内径部から外径部までの径方向の寸法を大きくすることが考えられるが、この場合には、歯部を形成した円板や円筒などが変形しやすくなるおそれがある。これに対して、上記のように、回転体11を、クランク軸7aの外周に配設されている中間筒体23に取り付けることで、回転体11の内径部から外径部までの径方向の寸法をあまり大きくしなくても済み、回転体11の歯部11bなどが変形する可能性を最小限に抑えることができる。
また、回転体11を中間筒体23に取り付ける代わりに、図9に示すように、クランク軸7aの外周に配設されている人力伝達体28に取り付けてもよい。この構成によれば、回転体11の取り付け箇所の径が、中間筒体23よりも若干小さくなるため、分解能が若干低下する場合があるものの、人力伝達体28もクランク軸7aと一体的に回転するため、人力伝達体28、ひいてはクランク軸7aやペダル8の回転を良好に検知できる。なお、回転体11を中間筒体23に取り付けた場合には、中間筒体23に補助駆動力切断用の一方向クラッチ30からの振動などの影響を受け易いが、回転体11を人力伝達体28に取り付けた場合には、一方向クラッチ30からの振動などの影響を受け難い利点がある。
また、回転体11の人力伝達体28への取付方法としては、接着や圧入の方法があるが、回転体11を人力伝達体28に圧入して組付けると、人力伝達体28に圧入力に起因する歪を生じて、トルクセンサ31に悪影響を及ぼす恐れがある。これに対して、回転体11を中間筒体23に取り付ける場合には、このような不具合を生じることがないため、回転体11を、中間筒体23に容易かつ確実に、またトルクセンサ31に悪影響を及ぼすことなく、取り付けて固定できる。
なお、上記実施の形態では、光を遮断する歯部11bを有する回転体11を設け、歯部11bの間の歯溝部11cを通った光を検出するように構成した場合を述べたが、これに限るものではなく、例えば、同様の回転体を設けるとともに光を反射する位置に受光部を設けて、反射光を入力することで回転位置や回転数を検出するようにしてもよい。
また、上記構成において、連動体29、人力伝達体28やクランク軸7aの回転を検出する回転検出器10を設けて、制御部24により、連動体29、人力伝達体28やクランク軸7aが正方向(当該電動アシスト自転車1が前進する方向)に回転していることを検出した場合は、一時的に力を抜いて走行した場合や、ペダル8が上死点や下死点位置となって踏み込む力が一時的に弱くなるなどしてトルクが変動した場合でも、補助駆動力の変動を抑えるように制御してもよい。この構成によれば、走行している際での補助駆動力の変動を抑えることができて、乗り心地の向上を図ることができる。
また、上記構成においては、モータ21と連動体29とにわたる補助駆動力の伝達経路に、複数の減速用歯車部としての小径歯車部36cおよび大径歯車部36dと、これらの小径歯車部36cおよび大径歯車部36dを支持する減速用歯車支持軸としての小径支持軸部36aおよび大径支持軸部36bとを有する減速機構25の減速用歯車36を配設している。そして、この実施の形態では、大径歯車部36dと大径支持軸部36bとの間に、連動体29側からの人力駆動力をモータ21側に伝達しない人力駆動力切断用の一方向クラッチ37を配設している。
これにより、バッテリ12の残容量が無くなって、モータ21から補助駆動力が出力されない状態でペダル8を漕いだ場合などには、人力駆動力によって小径歯車部36cおよび小径支持軸部36aや大径支持軸部36bは回転されるが、大径歯車部36dやモータ21の回転軸21aおよびロータ部21bは回転されず、ペダル8に余分な力をかけなくて済む(いわゆる引きずり抵抗を極めて減少させることができる)。
また、本実施の形態では、図3に示すように、側面視して、モータ21と制御部24とがほぼ重なるように配置している。これにより、モータ駆動ユニット20の側面視した状態での面積(横方向からの投影面積)を、人力駆動力と補助駆動力とを1つの軸(この実施の形態では、駆動スプロケット13)から出力する、いわゆる一軸式のモータ駆動ユニット20として小さくできる(コンパクト化できる)利点がある。そして、モータ21と制御部24とはモータ駆動ユニット20において正面視や平面視して幅方向の反対側に配設している(モータ21を左側、制御部24を右側に配設している)。これにより、制御部24がモータ21の熱の影響を受け難くなり、良好な信頼性を保持することができる。
なお、上記実施の形態では、人力駆動力切断用の一方向クラッチ37を大径歯車部36dと大径支持軸部36bとの間に配設した場合を述べたが、これに代えて、人力駆動力切断用の一方向クラッチ37を小径歯車部36cと小径支持軸部36aとの間に配設してもよい。
また、上記実施の形態では、電動アシスト自転車1が、人力駆動力と補助駆動力とを1つの軸から出力する、いわゆる一軸式のモータ駆動ユニット20を備えている場合を述べたが、これに限るものではない。図10に示す電動アシスト自転車40では、図11〜図13に示すように、クランク軸7aの一端部に配設された人力駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13とは別に、モータ21からの補助駆動力を出力する補助駆動力出力輪体としての補助駆動力出力スプロケット51を備えた、いわゆる二軸式とも称せられるモータ駆動ユニット50を備えている。そして、このモータ駆動ユニット50において、クランク軸7aと一体的に回転する中間筒体23または人力伝達体28の回転を検出する光センサからなる回転検出器10を設けている。
図11、図12に示すように、この実施の形態では、モータ21からの補助駆動力が、減速機構25を介して、補助駆動力出力スプロケット51から出力され、補助駆動力が無端状駆動力伝達体としてのチェーン15で合成されて、後輪4に伝達される。そして、上記実施の形態と同様に、図12、図13に示すように、中間筒体23や人力伝達体28に回転体11が取り付けられ、光センサからなる回転検出器10によって、中間筒体23または人力伝達体28の回転を検出し、ひいては、クランク軸7aやペダル8の回転を検出するよう構成されている。この実施の形態によっても、上記実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。