JP2018075325A - 注射針先端溶断装置 - Google Patents

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徹 神門
Toru Kamikado
徹 神門
慶三 湶
Keizo Abara
慶三 湶
栗原 公郷
Kimisato Kurihara
公郷 栗原
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Kurihara Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】注射針を廃棄する際に、先端の尖った部分で誤って刺すことによる怪我や感染等の危険を排除する装置を、簡便な方法で実現し、提供すること。【解決手段】注射針に電流を流し発生するジュール熱で先端の尖った部分を丸め、かつ滅菌する方法において、動作を確実にするために、注射針に当接する一対の電極をひとつの回動部材に固定し、下側電極が押される動きで上側電極を注射針側面に当接させる構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、使用済みの注射針の廃棄に際し先端の鋭利な角をジュール熱により丸めて誤刺し事故等の危険を排除する装置に関するものである。
注射針をシリンジに刺して中の薬液を患者に注入する医療行為は一般的であるが、感染の危険性から注射針を一回だけの使用に限り使い捨てにすることが必須である。この場合、シリンジに刺さったままの使用済みの注射針は、先端が鋭利なので誤刺しの危険性が大きく、再使用が出来ず誤刺しのない安全な状態で専用の容器に封入して回収されることが望ましい。そのためには、針部分にキャップを被せたり針を変形させたり種々の方法があるが、針を一対の電極に接触させ電流を流して発生するジュール熱で先端の鋭利な角を丸める方法も知られている。この方法ではステンレススティール等の金属材料を溶かす約1000℃の熱が発生し同時に滅菌も行われる。電気的に絶縁材料であるPPやガラスでできたシリンジを手で持って装置の穴に注射針を挿入する使用方法が主となっている。
この方法に於いては装置内に一対の電極を配置し、挿入された注射針がその先端と先端以外の他の部分で電極に当接した状態が維持されなければならない。維持の保持時間は流す電圧電流で決まるが、一般的には一秒間から数秒間程度である。この際に手で保持されているシリンジが動かず確実に注射針に通電されることが肝要である。このための装置が種々知られている。
特開平6−125945号公報 特開平7−222774号公報 特開平8−131492号公報 特開2002−85490号公報
しかしながら特許文献1から特許文献4までのすべての提案では、注射針先端が当接する電極の片方あるいは双方を可動とし専用の可動機構によって当接あるいはチャッキングをさせることが必要であり、処理後の注射針あるいはシリンジの取り出しのために、また次の処理のためには可動機構の復元が必要で、そのための操作あるいは機構シークエンスなどにより構造が複雑になる。
発明の目的
本発明は、このような専用の可動機構を排し、シリンジを押し込む操作だけで簡単確実に一対の電極を注射針に当接させ、かつ処理後に装置から抜く際にも何らの操作も必要が無い方法を実現させるものである。
課題を解決するための手段
本発明は、一対の電極が絶縁ブッシュを介して同一の部材に固定され、下側電極を注射針の先端で押すことにより、回動可能に軸支された部材が回動して、上側電極が注射針の側面に当接するように構成した。
さらに、電極の上方の本体カバーに絶縁性の材料でできたガイドプレートを設け注射針の位置決めを確実にした。ガイドプレートにはスリットがありスリットの止まり側に注射針を上から挿入し、注射針を抜くときにはスリットの開放側にスライドさせて抜くようにしたので注射針先端が丸まって膨らんだり、曲げられて変形していても容易に抜くことができる。またスリット幅を注射針太さより若干広い幅に制限し、挿入時、注射針のハブの先端がガイドプレート上面に当たるようにして挿入時の深さ方向を規制した。さらに電極が固定された部材を上下方向に移動可能にして圧縮バネで付勢し、注射針が挿入された時、最初に先端が下側に電極にあたるよう、また長さの異なる注射針にも対応可能にした。
発明の効果
本発明によれば、電極を確実に注射針に当接させるための可動及び駆動機構を必要とせず、使用者はシリンジを手に持って上から押し込むだけで確実に先端の溶断がなされる。
さらにガイドプレートにより注射針と電極の相互関係の位置決めが確実で、一対の電極が上下にスライドすることにより、長さの異なる種々の注射針に確実に対応可能である。以上のように本発明の効果は明らかなものである。
本装置の外観斜視図である。(a)は装置単体、(b)は使用時の状態を示す。 本装置の本体カバーを外した状態の斜視図である。(a)は組み立てられた状態を示し(b)は分解した状態を示す。なお、電極に係わる構造以外の電源、基板、配線その他の部品は省略している。 図1の左手前側面からみた動作の説明図である。(a)は注射針挿入前、(b)は挿入後の状態である。
以下、本発明の実施の形態を、図を基に説明する。
図1は本発明による注射針先端溶断装置10の外観斜視図である。本体カバー1には窪み1aが設けられている。注射針を先端に付けたシリンジ4が使用者の手5に保持されてガイドプレート2のスリット2aの一端に上から挿入されるが、窪み1aによって使用者の手5の指先と注射針との距離を保ち感電事故の危険性を防ぐ。さらに挿入途中では針ガイド2bによって注射針が傾かないように案内される。
図2は本体カバー1を外した状態の斜視図である。尚、本発明に係わる電極周辺以外の電源、基板、配線等の部品は省略している。例えばセラミックのような電気的絶縁性と耐熱性を有する材料で作られるガイドプレート2にはスリット2aが設けられ、かつそのスリット幅が注射針4aより若干広いだけで、ハブ4bは通過できない。また注射針を上から挿入するときに傾かないように一部を厚くして針ガイド2bを構成している。上側電極3jと下側電極3kは一対の絶縁ブッシュ3gを介し端子3hを挟んで固定ネジ3iによって部材3fに固定される。上側電極3jと下側電極3kはもちろん導電材料であり注射針との接触面に流れる電流による酸化を防ぎ、かつ耐熱性が必要なので、一般にはカーボンを焼成した材料が使用される。絶縁ブッシュ3gは絶縁性と耐熱性を有した材料である。端子3hにはリード線が連接され固定ネジ3iを通じてそれぞれの電極に電圧が加圧される。絶縁ブッシュ3gによって上側電極3jと下側電極3kは電気的に絶縁される。部材3fは回動軸3dで上下摺動筒3cに対して回動可能に軸支される。上下摺動筒3cは上下動案内軸3aに案内されて上下方向にスライド可能である。尚軸断面形状により回転方向は規制されている。上下案内軸3aはベース板3に固定される。部材3fには回動バネ3eが作用し、また上下摺動筒3cには圧縮バネ3bが作用してそれぞれ図2(a)の位置に保たれている。
図3(a)は注射針4aを挿入する前の状態である。図2(a)と同じ状態である。図3(b)に示すように注射針4aを上から挿入すると、その先端が下側電極3kの斜面を押し部材3fが時計方向に回動し上側電極3jの側面が注射針4aの側面に当接する。この状態で電流が流れる。回動バネ3eと圧縮バネ3bも注射針4aの押し付け操作によりチャージされるが、部材3fが確実に回動するためには、前者の力量を後者の力量より低く設定することが必要である。
注射針4aの先端が丸められた後には、図3(b)の右方向にシリンジ4を動かして装置本体から抜けるように切り欠き1bが設けられている。さらにスリット2aと切り欠き1bから異物の混入が予想され点検口3lを設けた。
本発明により低いコストで確実な動作を実現でき、注射針廃棄の安全性を広く普及させうるものである。
1 本体カバー 1a 窪み 1b 切り欠き
2 ガイドプレート 2a スリット 2b 針ガイド
3 ベース板 3a 上下動案内軸 3b 圧縮バネ
3c 上下摺動筒 3d 回動軸
3e 回動バネ 3f 部材
3g 絶縁ブッシュ 3h 端子
3i 固定ネジ 3j 上側電極
3k 下側電極 3l 点検口
4 シリンジ 4a 注射針 4b ハブ
5 使用者の手

Claims (4)

  1. 注射針に通電することによって生じるジュール熱で該注射針の先端の鋭利な角を溶かして丸める注射針先端溶断装置に於いて、該注射針の先端に当接する一方の電極と該注射針の先端以外の部分に当接するもう一方の電極を同一の部材で支持し、さらに該部材が回動可能に軸支され一方の回動方向にバネで付勢されている構造であって、該注射針の先端で該一方の電極を押すことにより、該部材が回動し該もう一方の電極を該注射針に当接させることを特徴とする注射針先端溶断装置。
  2. 前記注射針の挿入位置を規制するガイドプレートを有し、該ガイドプレートには前記注射針の該挿入位置から該ガイドプレートの外形の一辺に向かってスリットが形成されており、前記注射針を該外形の一辺に向かって動かすことで、前記注射針が前記注射針先端溶断装置から離れて取り外せることを特徴とする請求項1項記載の注射針先端溶断装置。
  3. 前記ガイドプレートの前記スリット幅は前記注射針の外径よりわずかに大きい幅で該注射針のハブ端面が該ガイドプレートの上面に当接することを特徴とする請求項1項記載の注射針先端溶断装置。
  4. 一対の前記電極が固定される前記部材は高さ方向に移動可能で圧縮バネにより上方向に付勢されていることを特徴とする請求項1項記載の注射針先端溶断装置。
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