JPH0565325U - 注射針処理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用済み注射針を通電によりは針材の軟化点
まで発熱させ、取扱い上安全な形状に変形する手段に於
いて、注射針の挿入領域を拡大し、該領域の任意の箇所
で容易に処理が可能なものとすると共に、針先が衝接す
る電極上を、発熱変形を行いつつ針体を摺動させて、該
電極上の付着物を除去できるようにした注射針の処理器
を提供する。 【構成】 注射針を圧接する弾性電極を２０ｍｍ以上の
摺接可能長とし、その下部に少なくとも前記摺接可能長
と同等の長さを有するＶ条形電極を設けてなる電極構造
としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は医療等に使用される注射針の安全な廃棄処理に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

医療等に使用された使用済みの注射針を現形のまま廃棄すると、取り扱いに当 たって誤刺の原因となり、二次感染等の危険を伴うため、焼却、粉砕、及び熔融 等の一括処理する大型装置と、小型のものとしては、放電作用により注射針を熔 融焼損させる特開昭６０−５１５５号の方法があリ、特開平１−２０４６７１号 の如く、通電発熱作用により、注射針を軟化点まで発熱させ、安全形状に変形処 理する方法が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は小型で簡易な注射針の処理器に関するもので、前記方法の従来技術に 於いては、注射針の挿入孔及び、注射針を処理する電極が特定の定点に限定され ることになるので、電極に熔融付着物や、洩液が推積固化し、最悪の場合には電 気接点が絶縁されるに至り、常時適当に清掃する必要があった。 更に注射針の挿入孔が小径且つ限定されていたため、誤挿入による処理ミスを 起こす等の欠点があった。 又注射針を熔融焼損する方法に於いては、不快音、火花の発生、発煙、発臭等 が伴う上、処理後の針先形状が安全性に欠ける等の問題等があった。

【０００４】

【課題が解決するための手段】

本考案は前記従来技術による問題点を次のような技術的手段を構じることによ り、従来技術の欠点を解決したものである。特開平１−２０４６７１号による注 射針の処理手段に於いて、注射針を圧接する如く配置した弾性電極を、２０ｍｍ 以上の摺接可能長とし、該弾性電極の接線部の下部に、少なくとも前記摺接可能 長と同等の長さを有するＶ条形電極を配置してなる電極構造とする。かかる電極 構造とすることにより、注射針の挿入領域は拡大し、該領域内の任意の箇所に挿 入して処理できるようにすると供に、注射針をＶ条形電極上を摺動させながら取 り出しができる開溝を設け、処理及び付着物の除去が容易且つ確実なものとする ものである。

【０００５】

【作用】

注射針に通電して軟化点まで発熱させる電極構造に於いて、前記注射針を圧接 するための弾性電極と、Ｖ条形電極を各々２０ｍｍ以上の摺接可能長としたので 、注射針の挿入可能領域及び通電可能領域が拡大する。従って該領域内の任意の 箇所に注射針を挿入することができ、針先は必ずＶ条形電極の谷部によって調芯 されるので、前記注射針の処理が容易且つ確実なものとなる。 注射針はＶ条形電極の谷部を摺動させて取りだす構造であるから、注射針の発 熱は持続して行われ、滅菌効果が向上することとなり、更に注射針は同一平面を 有する渦巻状に変形する。注射針の摺動部分は常にＶ条形電極谷部の同一径路を 摺動するので、該Ｖ条形電極に付着物等が推積して電気的絶縁不良を起こす恐れ もない。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面を用いて詳述する。 （イ）弾性電極（１）（１′）は長さ５０ｍｍ、扇形状に配置した角度を約８ ０度とし、接線部（２）で注射針（１５）を圧接する如く電極取付け金具（３） （３′）に取付け、該金具（３）（３′）を絶縁体（４）上に配置する。前記接 線部（２）の下部に、折曲角度を約９０度に成形した長さ６０ｍｍを有するＶ状 形電極（５）を、絶縁体（４）上に設置してなる電極構造とした。 （ロ）ケース（６）の天井板（７）には、接線部（２）の直上に開溝（８）と ケース側板（９）には、Ｖ条形電極（５）の谷部レベルより約５ｍｍ下になる位 置まで、開溝（８′）を前記開溝（８）と連設して設けた。 （ハ）電源には１、２ｖ電池（１０）２ケを用い、Ｖ条形電極（５）には ０、１オームの抵抗（１２）を介して図３に示す如く電気回路を構成した。（充 電回路は図示せず）。

【０００７】 本案は以上のような構成で、これを使用する時は注射器（１４）を保持し、注 射針（１５）を開溝（８）の適当な箇所に挿入すると、該注射針（１５）は弾性 電極（１）（１′）に圧接され、Ｖ条形電極（５）の谷部に調芯されつつ衝接し 注射針（１５）は通電される。注射針（１５）は瞬時に発熱し軟化温度に達し、 更に押圧すると針先から変形し、そのままＶ条形電極（５）の谷部にそうて摺動 すると、発熱、軟化作用は持続し、該注射針（１５）の変形が更に進行する。こ のまま開溝（８′）を通過させてケース（６）外に取り出す。かくすることによ り使用状態を図示した図４に示す形状の如く、同一平面の渦巻状に変形して、誤 刺の恐れが全くない、取り扱い上安全な処理針を得た。

【０００８】

【考案の効果】

（イ）注射針が２０ｍｍ以上電極に摺接する挿入領域を有するので、注射針の 挿入は弾性電極の任意の箇所を使用できて作業性がよい。 （ロ）挿入された注射針は、Ｖ条形電極の谷部により調芯されるので処理ミス が発生しない。 （ハ）注射針はＶ条形電極の谷部を摺動する間、通電されるので、発熱時間の 増加と共に変形が確実且つ容易となる。 （ニ）注射針をＶ条形電極の谷部に押圧しながら摺動させるので、該Ｖ条形電 極上に熔融物または洩液等に起因する固化や付着物が推積されない。 （ホ）針材は電極に確実に摺接し、通電時間を持続させる方法であるから、印 加電圧は低電圧とすることができ、電源に低電圧電池を使用することができる。 （へ）構造簡単で小型、低コストにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による実施例のＡ断面の正面図である。

【図２】本考案による実施例のＢ断面の側面図である。

【図３】本考案による実施例の電気回路図である。

【図４】本考案による実施例の使用状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１、１′ 弾性電極 ２ 接線部 ３、３′ 電極取付金具 ４ 絶縁体 ５ Ｖ条形電極 ６ ケース ７ 天井板 ８、８′ 開溝 ９ 側板 １０ 電池 １１ 電池スタンド １２ 抵抗 １３ スタンド １４ 注射器 １５ 注射針

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 注射針の先端尖鋭部から針体の中間付近
   に至る間に、通電させることによって、通電部を該針材
   の軟化点まで発熱させると同時に、再使用不能で、取り
   扱い処理上、安全な形状に注射針を変形することを特徴
   とする注射針の処理方法（特開平１−２０４６７１号）
   に於て、注射針を圧接する如く配置した弾性電極を２０
   ｍｍ以上の摺接可能長とし、その下部に少なくとも前記
   摺接可能長と同等の長さを有するＶ条形電極を設けたこ
   とを特徴とする注射針処理器。