JP2018075290A - 空気供給装置 - Google Patents

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早苗 三木
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Abstract

【課題】ニオイを用いて睡眠又は起床を促進する装置を提供する。
【解決手段】ニオイ調整装置100は、睡眠時に用いられる空気供給装置であって、ファンユニット30と、睡眠状態判定部74(コントローラ70)と、ニオイ調整ユニット40と、を備える。ファンユニット30は、睡眠者PSの顔周辺に空気を供給する。睡眠状態判定部74は、睡眠者PSがレム睡眠状態にあるか否かを特定する睡眠状態情報を、生体情報に基づき抽出して取得する。ニオイ調整ユニット40は、コントローラ70によって制御され、ファンユニット30によって供給される空気のニオイを調整する(ニオイを除去する又は香りを付与する)。ニオイ調整ユニット40は、睡眠状態判定部74が取得した睡眠状態情報に基づいて、睡眠者PSの睡眠又は覚醒が促進されるように、ファンユニット30から供給される空気のニオイを調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気供給装置に関する。
従来、生体センサにより取得した生体情報に基づき、睡眠者の睡眠段階を特定する方法が知られている。例えば、特許文献1(特許4390535号公報)には、流速センサ、赤外線カメラ、及びマイク等の生体センサを用いて得られる、睡眠者の心拍、呼吸、いびき、又は体動等の生体情報に基づき、所定の計算式やアルゴリズムを用いて睡眠者の睡眠段階を特定する睡眠段階推定装置が開示されている。特許文献1では、睡眠段階推定装置と空気調和機、オーディオ機器又は目覚まし機器等の各種機器とが電気的に接続され、生体情報が検出されない時(すなわち睡眠者が不在の時)に、係る各種機器の動作を停止等させることで、省エネルギーが図られている。
昨今、リラクゼーション効果や覚醒効果等、人間が知覚するニオイによって人体に与えられる影響が知られるようになってきた。この点、特許文献1では、睡眠者が不在のときに各種機器(例えば脱臭機器及び香り発生器)の動作を停止する又は出力を弱めることで省エネルギーを図る思想について開示されている一方で、睡眠者が知覚するニオイが睡眠導入・維持又は覚醒に作用する点を考慮した思想については特に開示されていない。すなわち、特許文献1では、睡眠者が知覚するニオイに関し、睡眠段階に応じて快適な睡眠又は起床を促進する点については何ら考慮されていない。
そこで、本発明の課題は、ニオイを用いて睡眠又は起床を促進する装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る空気供給装置は、睡眠時に用いられる空気供給装置であって、空気供給部と、睡眠状態情報取得部と、ニオイ調整部と、を備える。空気供給部は、睡眠者の顔周辺に空気を供給する。ここでの「睡眠者」には、睡眠状態にある者、及び睡眠状態に入るべく就寝状態にある者が含まれる。睡眠状態情報取得部は、睡眠状態情報を取得する。睡眠状態情報は、睡眠者がレム睡眠状態にあるか否かを特定する情報である。ニオイ調整部は、空気供給部によって供給される空気のニオイを調整する。ニオイ調整部は、睡眠状態情報取得部が取得した睡眠状態情報に基づいて、睡眠者の睡眠又は覚醒が促進されるように、空気供給部によって供給される空気のニオイを調整する。ここでの「ニオイを調整する」ことには、例えば脱臭フィルタや消臭剤等のニオイ除去手段によってニオイを除去すること、又は芳香剤やディフューザ等の香り付与手段によって香りを付与することが含まれる。
本発明の第1観点に係る空気供給装置では、ニオイ調整部は、睡眠状態情報取得部が取得した睡眠状態情報に基づいて、睡眠者の睡眠又は覚醒が促進されるように、空気供給部によって供給される空気のニオイを調整する。すなわち、睡眠状態情報に基づいて、睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者の顔周辺の空気のニオイが調整される。これにより、睡眠又は覚醒を促進するニオイを睡眠者に対して供給すること、又は睡眠者の睡眠又は覚醒を阻害するニオイを睡眠者の顔周辺から除去することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第2観点に係る空気供給装置は、第1観点に係る空気供給装置であって、ニオイ調整部は、ニオイ除去部を含む。ここでの「ニオイ除去部」は、例えば、脱臭フィルタ、消臭剤、又は脱臭効果のあるイオンを生じさせるイオン発生器等、脱臭機能を有するユニットである。ニオイ除去部は、空気供給部によって供給される空気のニオイを除去する。これにより、睡眠状態情報に基づいて、睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者の顔周辺に送られる空気のニオイが除去される。その結果、睡眠者の睡眠又は覚醒を阻害するニオイを除去することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第3観点に係る空気供給装置は、第2観点に係る空気供給装置であって、ニオイ調整部は、睡眠者がレム睡眠状態にある場合に、睡眠者の睡眠が促進されるように、ニオイ除去部により、空気供給部によって供給される空気のニオイを除去する。これにより、睡眠者が、知覚するニオイに因って睡眠が阻害されやすいレム睡眠状態にある場合に、睡眠を阻害するニオイを睡眠者の顔周辺から除去することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠が特に促進される。
本発明の第4観点に係る空気供給装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る空気供給装置であって、ニオイ調整部は、香り付与部を含む。ここでの「香り付与部」は、例えば、香り成分を含む固体、液状や半固体状の香料によって空気供給部によって供給される空気に香りを付与する機能を有するユニットであり、香料を蒸発・拡散させる加熱部や超音波の振動により微粒子にしてミスト状に拡散させる超音波発生部を有するもの等も含まれる。香り付与部は、空気供給部によって供給される空気に香りを付与する。これにより、睡眠状態情報に基づいて、睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者の顔周辺に送られる空気に香りが付与される。その結果、睡眠者の睡眠状態に応じて、睡眠又は覚醒を促進するニオイを睡眠者に供給することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第5観点に係る空気供給装置は、第4観点に係る空気供給装置であって、ニオイ調整部は、睡眠者がレム睡眠状態にある場合に、香り付与部により、空気供給部によって供給される空気に香りを付与する。これにより、睡眠者が覚醒しやすいレム睡眠状態にある場合に、睡眠を促進するニオイを睡眠者に供給することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠が特に促進される。また、睡眠者が覚醒しやすいレム睡眠状態にある場合に、覚醒効果の高いニオイを睡眠者に供給することが可能となる。よって、睡眠者の快適な起床が特に促進される。
本発明の第6観点に係る空気供給装置は、第4観点又は第5観点に係る空気供給装置であって、起床時刻取得部をさらに備える。起床時刻取得部は、起床予定時刻を取得する。起床予定時刻は、睡眠者が起床する予定時刻である。ニオイ調整部は、起床予定時刻から現在時刻を減じた時間が第1閾値以下となった場合に、睡眠者の覚醒が促進されるように、香り付与部により、空気供給部によって供給される空気に香りを付与する。
これにより、起床予定時刻となった場合又は起床予定時刻に近づいた場合であって、睡眠者が覚醒しやすいレム睡眠状態にある時に、覚醒が促進されるように睡眠者の顔周辺に送られる空気に香りが付与される。その結果、起床予定時刻に合わせて、睡眠者が覚醒しやすいタイミングで覚醒効果の高いニオイを睡眠者に供給することが可能となる。よって、睡眠者の起床予定時刻に応じて睡眠者の快適な起床が特に促進される。
本発明の第7観点に係る空気供給装置は、第6観点に係る空気供給装置であって、睡眠状態情報は、睡眠者がノンレム睡眠状態にあるか否かを特定する情報を含む。ニオイ調整部は、睡眠者がノンレム睡眠状態にある時に、香り付与部によって付与される香りの濃度を睡眠者がレム睡眠状態にある時よりも大きくする。
これにより、睡眠者が覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある時に、睡眠者の顔周辺に送られる空気に関して、睡眠者がレム睡眠状態にある時よりも香りの濃度が大きくなる(すなわちニオイが強くなる)ように調整される。その結果、睡眠者が覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある時にも、睡眠者の覚醒を促進することが可能となる。
本発明の第8観点に係る空気供給装置は、第5観点から第7観点のいずれかに係る空気供給装置であって、嗅覚疲労判定部をさらに備える。嗅覚疲労判定部は、睡眠者の香りに対する感度の経時的な変化の度合いを判定する。ニオイ調整部は、嗅覚疲労判定部の判定結果に基づき、香り付与部において付与する香りの濃度を調整する。
これにより、睡眠者の香りに対する感度の経時的な変化(具体的にはニオイに対する慣れ)を加味して香り付与部において付与する香りの濃度が調整される。その結果、睡眠者の顔周辺に送られる空気の香り(ニオイ)に関して、睡眠者が時間経過に伴い慣れ知覚しにくい状態となることが抑制される。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が精度よく促進される。
本発明の第9観点に係る空気供給装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る空気供給装置であって、空気供給部は、送風機を含む。送風機は、駆動することで空気流を生成する。空気供給部は、睡眠状態情報又は睡眠者の周囲におけるニオイの状態に基づき、送風機の回転数を制御する。
これにより、睡眠状態情報又は睡眠者の周囲におけるニオイの状態に基づき、睡眠者の顔周辺に送られる、ニオイ調整された空気の流量を調整することが可能となる。その結果、睡眠者の顔周辺に送られる空気のニオイの程度を、状況に応じて適宜調整することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が精度よく促進される。
本発明の第10観点に係る空気供給装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係る空気供給装置であって、生体センサをさらに備える。生体センサは、睡眠状態情報を取得するための睡眠者の生体情報を検出するセンサである。ここでの「生体情報」は、例えば、睡眠者のいびき、呼吸、心拍、体温又は体動等を特定する情報である。また、「生体センサ」は、カメラ、マイク、温度センサ、圧力センサ、ドップラーセンサ又は速度センサ等である。
これにより、睡眠者の生体情報に基づき、睡眠状態情報が取得される。その結果、精度の高い睡眠状態情報を取得可能となる。これに関連して、睡眠者の睡眠状態に応じて、睡眠者の顔周辺に送られる空気のニオイを目的に沿って高精度に調整することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が精度よく促進される。
本発明の第11観点に係る空気供給装置は、第1観点から第10観点のいずれかに係る空気供給装置であって、枕部をさらに備える。枕部は、睡眠者の頭部を支持する。枕部には、空気供給口が形成される。空気供給口からは、空気供給部によって供給される空気が流出する。これにより、睡眠時に一般的に用いられる枕から、ニオイ調整された空気を睡眠者の顔周辺に供給することが可能となる。よって、汎用性又は利便性が向上する。
本発明の第1観点に係る空気供給装置では、睡眠又は覚醒を促進するニオイを睡眠者に対して供給すること、又は睡眠者の睡眠又は覚醒を阻害するニオイを睡眠者の顔周辺から除去することが可能となる。よって、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第2観点に係る空気供給装置では、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第3観点に係る空気供給装置では、睡眠者の快適な睡眠が特に促進される。
本発明の第4観点に係る空気供給装置では、睡眠者の快適な睡眠又は起床が促進される。
本発明の第5観点に係る空気供給装置では、睡眠者の快適な起床が特に促進される。
本発明の第6観点に係る空気供給装置では、睡眠者の起床予定時刻に応じて睡眠者の快適な起床が特に促進される。
本発明の第7観点に係る空気供給装置では、睡眠者が覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある時にも、睡眠者の覚醒を促進することが可能となる。
本発明の第8観点、第9観点、又は第10観点に係る空気供給装置では、睡眠者の快適な睡眠又は起床が精度よく促進される。
本発明の第11観点に係る空気供給装置では、汎用性又は利便性が向上する。
ニオイ調整装置の概略構成図。 枕部の一例を示した模式図。 枕部の他の一例を示した模式図。 本体ケーシング内における各機器の配置態様、並びに形成される空気流路の一例について概略的に示した模式図。 本体ケーシング内における各機器の配置態様、並びに形成される空気流路の他の一例について概略的に示した模式図。 本体ケーシング内における各機器の配置態様、並びに形成される空気流路の他の一例について概略的に示した模式図。 本体ケーシング内において空気流の流れる態様を示した模式図。 コントローラの概略構成及びコントローラに接続される機能部を概略的に示した模式図。 状況毎の制御モードの切替えを定義したモードテーブルの一例を示した模式図。 状況毎のアクチュエータ制御部の処理を定義した処理テーブルの一例を示した模式図。 運転中、コントローラによって行われる各アクチュエータの制御の流れの一例について示したフローチャート。 運転中、コントローラによって行われる各アクチュエータの制御の流れの一例について示したフローチャート。 変形例Bに係る香りカプセル補充容器を含むニオイ調整装置の概略構成図。
以下、本発明の一実施形態に係るニオイ調整装置100(空気供給装置)について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)ニオイ調整装置100の概要
図1は、ニオイ調整装置100の概略構成図である。ニオイ調整装置100は、主として、睡眠状態或いは就寝状態にあるユーザ(睡眠者PS)の睡眠時に用いられ、睡眠者PSの顔周辺のニオイを調整する装置である。具体的に、ニオイ調整装置100は、睡眠者PSの顔周辺の空気のニオイを除去する、又は睡眠者PSの顔周辺の空気に香りを付与することで、睡眠者PSの顔周辺のニオイを調整し、睡眠者PSの睡眠又は覚醒を促進する。
ニオイ調整装置100の使用環境については特に限定されないが、例えば、住居等のプライベート空間や、オフィスや休憩室等、外出先において休憩可能な空間で使用される。特に、ニオイ調整装置100は持ち運び可能であり、飛行機・電車・バス等の交通機関内での移動中における使用についても想定される。ニオイ調整装置100の駆動電源については、例えばコンセントを介して供給される商用電源や、内蔵される或いは外部に配置される電池やバッテリー等の蓄電部から供給される。
(2)ニオイ調整装置100の詳細
ニオイ調整装置100は、主として、枕部10と、本体ケーシング20と、ファンユニット30と、ニオイ調整ユニット40と、生体センサ60と、ニオイセンサ65と、コントローラ70と、入力部80と、表示部90と、を有している。ファンユニット30、ニオイ調整ユニット40及びコントローラ70は、本体ケーシング20内に配置されている(図4−6を参照)。生体センサ60及びニオイセンサ65は、枕部10内に配置されている(図2及び図3を参照)。枕部10と本体ケーシング20とは、空気流路を形成する部材であるダクトD1と、生体センサ60及びニオイセンサ65とコントローラ70とを電気的に接続するための配線C1と、で接続されている。ダクトD1は、例えば合成樹脂等、可撓性を有する素材で構成される。配線C1は、金属製の導体が絶縁体で被覆されたものである。
(2−1)枕部10
図2又は図3は枕部10の一例を示した模式図である。枕部10は、睡眠者PSの頭部(特に首周辺部分、又は顔若しくは頭部分)を支持するユニットである。枕部10の型式については特に限定されないが、例えば図1及び図2に示されるような、寝台や床に置かれた状態で睡眠者PSの頭部を載置される置き型枕である。或いは、枕部10は、例えば図3に示されるような、睡眠者PSの首周辺に巻きつけられた状態で睡眠者PSの頭部を支持するネックピロー型等である。
枕部10は、睡眠者PSの頭部を支持可能な寸法の外形を有している。枕部10は、クッション性や弾性を有する物質(例えば、ゴムやスポンジ等の合成樹脂、空気やジェル等の流体、若しくは木材や穀物等の自然素材等)を内包している。枕部10の型や内包される物質については使用環境や設計仕様に応じて適宜選定される。
枕部10の外面には、ファンユニット30によって供給される空気流AF(後述)を流入させるための給気口11が形成されている。給気口11にはダクトD1の一端が接続されており、給気口11は、ダクトD1を介して本体ケーシング20の排気口22(後述)と連通している。
また、枕部10の外面には、給気口11から流入した空気流AFを流出させるための送風口12(特許請求の範囲記載の「空気供給口」に相当)が複数(ここでは3つ)形成されている。送風口12は、ファンユニット30が駆動することによって生成される空気流AFを、睡眠者PSの顔周辺に供給するための開口として機能する。
また、枕部10の内部には、給気口11と送風口12とを連通させる空気流路13が形成されている。これにより、給気口11から流入した空気流AFは、空気流路13を経て送風口12から流出するようになっている。
また、枕部10の外面には、配線C1を貫通するための貫通口14が形成されている。
(2−2)本体ケーシング20
図4、図5及び図6は、本体ケーシング20内における各機器の配置態様、並びに形成される空気流路23の一例について概略的に示した模式図である。
本体ケーシング20は、ファンユニット30、ニオイ調整ユニット40及びコントローラ70を収容する筐体である。本体ケーシング20の寸法は、使用環境や設計仕様に応じて適宜決定され、ファンユニット30、ニオイ調整ユニット40及びコントローラ70を収容するのに適した容量を有しつつ、コンパクトな外形を実現する寸法に構成される。
本体ケーシング20には、ファンユニット30が駆動することによって生成される空気流AFを流入させるための吸込口21、及び吸込口21を介して流入した空気流AFを流出させるための排気口22が形成されている。排気口22にはダクトD1の他端が接続されている。
また、本体ケーシング20には、吸込口21と排気口22とを連通させる空気流路23が形成されている。空気流路23は、互いに仕切られた第1空気流路231及び第2空気流路232を含んでいる。第2空気流路232上にはニオイ調整ユニット40の香り付加ユニット50(後述)が配置されている。第1空気流路231は、香り付加ユニット50とは隔離されている。
本体ケーシング20には、第1空気流路231と第2空気流路232とを仕切るための仕切板24と、ダンパ25と、が配置されている。仕切板24及びダンパ25は、例えば合成樹脂や金属で構成される部材であり、本体ケーシング20の底面から天面にかけて、或いは側面の一面から対向する他の側面にかけて延びている。延びている。
ダンパ25は、水平方向或いは鉛直方向から見て弧を描くように移動可能に、仕切板24に固定されている。ダンパ25は、例えばステッピングモータ等で構成されるダンパモータ(図示省略)を含み、ダンパモータの駆動に連動して、第1空気流路231及び第2空気流路232の開通及び遮断を切り替えるように位置が切り換わる。
ダンパ25の動作は、コントローラ70によって制御される。ダンパ25は、空気流AFに対して、第1空気流路231を開通させるとともに第2空気流路232を遮断させる第1状態(図4参照)と、第1空気流路231及び第2空気流路232を共に開通させる第2状態(図5参照)と、第1空気流路231を遮断させるとともに第2空気流路232を遮断させる第3状態(図6参照)と、を切り換えられる。
(2−3)ファンユニット30(空気供給部)
ファンユニット30は、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気流AFを生成するユニットである。具体的に、空気流AFは、吸込口21から本体ケーシング20に流入し空気流路23を経て排気口22から流出した後、ダクトD1を通過して、給気口11から枕部10内に流入し空気流路13を経て送風口12から流出する空気の流れである。
ファンユニット30は、空気流AFを生成する送風ファン31(特許請求の範囲記載の「送風機」に相当)を有している。送風ファン31は、特に限定されないが、本実施形態ではシロッコファンやターボファン等の遠心ファンである。但し、送風ファン31は、プロペラファン等の他のファンであってもよい。送風ファン31は、ファンロータ32と、ファンモータ33と、を含んでいる。ファンロータ32は、ファンモータ33の出力軸に接続されており、ファンモータ33に連動して回転する。
ファンユニット30は、コントローラ70によってファンモータ33の回転数を状況に応じて制御され、ファンモータ33の回転数に応じた風量の空気流AFを生成する。本実施形態において、ファンユニット30によって生成される空気流AFの風量は、弱・中・強の3段階で切り換えられる。特に、本実施形態において、ファンユニット30は、睡眠者PSの睡眠状態情報(後述)及び睡眠者PS周辺のニオイレベル(後述)の状態に基づいて、回転数を調整される。なお、ファンユニット30は、ダクトD1及びコントローラ70とともに特許請求の範囲記載の「空気供給部」を構成する。
(2−4)ニオイ調整ユニット40
ニオイ調整ユニット40(特許請求の範囲記載の「ニオイ調整部」に相当)は、ファンユニット30によって生成された空気流AFのニオイを調整する。ニオイ調整ユニット40は、空気清浄ユニット45と、香り付加ユニット50と、を含んでいる。
(2−4―1)空気清浄ユニット45
空気清浄ユニット45(特許請求の範囲記載の「ニオイ除去部」に相当)は、空気流AFに含まれる塵埃及びニオイを除去し、空気流AFの清浄化及び脱臭を行うためのユニットである。空気清浄ユニット45は、空気流AFの流れ方向から見て、香り付加ユニット50の上流側に配置されている。
空気清浄ユニット45は、空気流AFに含まれる塵埃を除去するための空気清浄フィルタ(より詳細には、プレフィルタ46及びHEPAフィルタ47(High Efficiency Particulate Air Filter))を有している(図7参照)。プレフィルタ46は、空気流AFに含まれる大きな塵埃を取り除くフィルタである。HEPAフィルタ47は、プレフィルタ46よりも目の細かいフィルタであり、プレフィルタ46によって除去できない微細な塵埃を取り除く。
また、空気清浄ユニット45は、空気流AFに含まれるニオイを除去するための脱臭エレメント48を含んでいる(図7参照)。脱臭エレメント48は、通気性を有する袋またはケース内に、活性炭などの消臭部材を充填された部材である。脱臭エレメント48は、通過される空気流AFに含まれるニオイ成分やホルムアルデヒド等を吸着或いは分解する。
(2−4−2)香り付加ユニット50
香り付加ユニット50(特許請求の範囲記載の「香り付与部」に相当)は、空気流AFに香りを付与するためのユニットである。香り付加ユニット50は、所定容量のユニットケーシング51を含み、ユニットケーシング51内に所定量の香りカプセル52を収容している。香りカプセル52は、香り成分を有する物質がカプセル状に成形されたものである。本実施形態において、ユニットケーシング51内には、覚醒を促進する香り成分を有する香りカプセル52が充填されている。覚醒を促進する香り成分としては、特に限定されないが、例えばミント、ジャスミン、柑橘類及びシナモン等、覚醒作用のある香りである。
香り付加ユニット50には、香りカプセル52に含まれる香りを放出する香り放出穴(図示省略)が形成されている。第2空気流路232を通過する空気流AF(第2空気流AF2)は、香り放出穴から放出された香り成分を含んで下流側へと流れる。
(2−5)生体センサ60、ニオイセンサ65
生体センサ60は、睡眠状態情報を取得するために必要となる睡眠者PSの生体情報を検出するためのセンサである。生体情報は、睡眠者PSの睡眠段階を特定するための情報であり、睡眠状態情報を抽出するうえでベースとなる情報である。生体情報は、特に限定されないが、例えば、睡眠者PSのいびき、呼吸、心拍、体温又は体動等を特定する情報である。生体センサ60は、検出するべき睡眠者PSの生体情報に合わせて選択され、例えばカメラ、マイク、温度センサ、圧力センサ、ドップラーセンサ又は速度センサ等である。生体センサ60は、使用環境や設計仕様に応じて適宜選択される。生体センサ60は、コントローラ70と電気的に接続されており、検出結果に相当する信号をコントローラ70に対して適宜出力する。
ニオイセンサ65は、睡眠者PSの顔周辺付近のニオイのレベル(ニオイレベル)を検出するためのセンサである。本実施形態において、ニオイセンサ65は、公知の汎用品が用いられる。ニオイセンサ65は、コントローラ70と電気的に接続されており、検出結果に相当する信号をコントローラ70に対して適宜出力する。本実施形態において、ニオイレベルは小・中・大の3段階が設定されており、ニオイセンサ65は、検出結果に応じてニオイレベルを特定する信号を出力する。
(2−6)コントローラ70
コントローラ70は、ニオイ調整装置100の動作を制御するためのユニットである。コントローラ70は、RAMやROM等のメモリや、CPU(Central Processing Unit)等で構成されるマイクロコンピュータを含み、プリント基板に実装されている。コントローラ70の詳細については、後述の「(4)コントローラ70の詳細」において説明する。
(2−7)入力部80
入力部80は、ユーザ(睡眠者PS)が所定のコマンドを入力するためのユーザインターフェースである。例えば、入力部80は、ニオイ調整装置100の発停に係るコマンドを入力される。また、例えば、入力部80は、ユーザが起床する予定時刻(起床予定時刻)を入力するためのコマンドを入力される。入力部80は、ユーザに押下される入力キー(図示省略)を含む。入力部80は、入力キーが外部に露出する態様で本体ケーシング20に内蔵されている。
(2−8)表示部90
表示部90は、ユーザ(睡眠者PS)に対して所定の情報を出力するためのユーザインターフェースである。例えば、表示部90は、ニオイ調整装置100の発停に係る情報を表示する。また、例えば、表示部90は、ユーザによって入力された起床予定時刻を表示する。表示部90は、ユーザに情報を出力するための液晶表示部やLEDランプを含み、これらが外部に露出する態様で本体ケーシング20に内蔵されている。
(3)空気流AFの流れる態様
図7は、本体ケーシング20内において空気流AFの流れる態様を示した模式図である。図7に示されるように、空気流AFは、第1空気流路231を通過する第1空気流AF1と、第2空気流路232(香り付加ユニット50)を通過する第2空気流AF2と、を含む。
第1空気流AF1は、ニオイ調整ユニット40の空気清浄ユニット45を通過して塵埃及びニオイを除去された後、ニオイ調整ユニット40の香り付加ユニット50をバイパスしてファンユニット30のファンロータ32に吸い込まれて排気口22へと向かう空気の流れである。第1空気流AF1は、ダンパ25が第1状態又は第2状態にある場合に生成される。
第2空気流AF2は、ニオイ調整ユニット40の空気清浄ユニット45を通過して塵埃及びニオイを除去された後、ニオイ調整ユニット40の香り付加ユニット50を通過して香りを付与されてから、ファンユニット30のファンロータ32に吸い込まれて排気口22へと向かう空気の流れである。第2空気流AF2は、ダンパ25が第2状態又は第3状態にある場合に生成される。
すなわち、ファンユニット30によって生成される空気流AFは、ダンパ25が第1状態、第2状態及び第3状態のいずれの状態にある場合でも(すなわち、第1空気流路231及び第2空気流路232のいずれを通過する場合でも)、ニオイ調整ユニット40の空気清浄ユニット45を通過して塵埃及びニオイを除去され清浄化された状態で枕部10側へと送られる。一方で、空気流AFは、ダンパ25が第1状態にある場合(すなわち、第1空気流路231を通過する場合)には、香り付加ユニット50をバイパスして香り成分を含まない状態で枕部10側へと送られる。空気流AFは、ダンパ25が第2状態又は第3状態にある場合(すなわち、第2空気流路232を通過する場合)には、香り付加ユニット50を通過して香り成分を含んだ状態で枕部10側へと送られる。なお、ダンパ25が第3状態にある場合(すなわち、空気流AFが第1空気流路231を通過しない場合)には、第2状態にある場合(すなわち、空気流AFが第1空気流路231及び第2空気流路232の双方を通過する場合)と比較して、より多くの香り成分を含んだ状態で枕部10側へと送られることとなり、空気流AFに含まれるニオイ成分の濃度が大きくなる。
(4)コントローラ70の詳細
図8は、コントローラ70の概略構成及びコントローラ70に接続される機能部を概略的に示した模式図である。コントローラ70は、ダンパ25、ファンユニット30、生体センサ60、入力部80、及び表示部90と所定のインターフェースを介して電気的に接続されており、互いに信号の送受信を行っている。
コントローラ70は、複数の制御モードを有しており、状況に応じていずれかの制御モードに遷移し所定の処理を実行する。本実施形態において、コントローラ70は、制御モードとして、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード及び第4制御モードを有している。
コントローラ70は、主として、記憶部71、入力制御部72、時刻管理部73、睡眠状態判定部74、起床制御部75、モード制御部76、嗅覚疲労判定部77、アクチュエータ制御部78、及び表示制御部79を含んでいる。
(4−1)記憶部71
記憶部71は、RAMやROM等のメモリを含み、各種情報を保持するための記憶領域又はフラグを有している。記憶部71には、主として、プログラム記憶領域71a、時刻記憶領域71b、生体情報記憶領域71c、コマンド記憶領域71d、制御モード判別フラグ71e、レム睡眠フラグ71f、ノンレム睡眠フラグ71g、嗅覚疲労フラグ71h、ニオイフラグ71i、起床フラグ71j、及び起床予定時刻到達フラグ71kが含まれている。
プログラム記憶領域71aには、コントローラ70の処理を定義した制御プログラムが格納されている。
時刻記憶領域71bは、現在時刻を特定する情報が記憶されている。
生体情報記憶領域71cは、生体センサ60から出力される信号(すなわち生体情報)を記憶するための記憶領域である。生体情報記憶領域71cに記憶される生体情報は、入力制御部72によって最新の状態に適宜更新される。
コマンド記憶領域71dは、入力部80によってユーザに入力されたコマンドを記憶するための記憶領域である。コマンド記憶領域71dには、例えば入力部80においてユーザによって入力された起床予定時刻に係るコマンドが記憶されている。すなわち、コマンド記憶領域71dには、設定されている起床予定時刻が記憶されている。
制御モード判別フラグ71eは、遷移している制御モードを判別するためのフラグである。制御モード判別フラグ71eは、所定のビット数を含み、遷移している制御モードに対応するビットを立てられる。
レム睡眠フラグ71fは、睡眠者PSがレム睡眠状態にあることを判別するためのフラグである。
ノンレム睡眠フラグ71gは、睡眠者PSがノンレム睡眠状態にあることを判別するためのフラグである。
嗅覚疲労フラグ71hは、睡眠者PSの嗅覚疲労度を判別するためのフラグである。嗅覚疲労度は、香り(ニオイ)に対する睡眠者PSの感度の経時的変化(慣れ)の度合いであり、睡眠者PSに対するニオイの供給時間が長いほどレベルが増大するように、段階的に設定されている。嗅覚疲労フラグ71hは、所定のビット数を含み、嗅覚疲労度に対応するビットを立てられる。
ニオイフラグ71iは、ニオイセンサ65の検出結果(すなわち睡眠者PSの周辺のニオイレベル)を判別するためのフラグである。ニオイフラグ71iは、所定のビット数を含み、ニオイレベルに対応するビットを立てられる。
起床フラグ71jは、起床予定時刻に所定の割合で近づいたことを判別するためのフラグである。起床フラグ71jは、起床予定時刻から現在時刻を減じた時間が第1閾値ΔTh1以下となった時(すなわち、起床予定時刻に所定の割合で近づいた時)に立てられる。第1閾値ΔTh1は、使用環境や設計仕様に応じて適宜設定され、ここでは10分に設定されている。
起床予定時刻到達フラグ71kは、睡眠者PSの起床予定時刻に到達したことを判別するためのフラグである。起床予定時刻到達フラグ71kは、現在時刻が起床予定時刻に到達した時に立てられる。
(4−2)入力制御部72
入力制御部72は、コントローラ70に入力された信号を管理する機能部である。入力制御部72は、生体センサ60から信号を入力されると、当該信号から特定される生体情報を、生体情報記憶領域71cに記憶する。すなわち、入力制御部72は、生体センサ60とともに、生体情報を取得するための「生体情報取得部」を構成する。
また、入力制御部72は、ニオイセンサ65からの信号を入力されると、ニオイフラグ71iにおいて、当該信号から特定されるニオイレベルに対応するビットを立てる。
また、入力制御部72は、入力部80に新たなコマンド(例えば、発停を切り換えるコマンドや、起床予定時刻を指示するコマンド)が入力されると、当該コマンドをコマンド記憶領域71dに格納する。すなわち、入力制御部72は、入力部80とともに起床予定時刻を取得するための「起床時刻取得部」を構成する。
また、入力制御部72は、現在時刻を設定するコマンドを入力された場合には、当該コマンドにおいて特定される現在時刻を時刻記憶領域71bに格納する。
(4−3)時刻管理部73
時刻管理部73は、現在時刻を管理する機能部である。時刻管理部73は、時間を計測可能なカウンタを含む。時刻管理部73は、時間の経過に応じて時刻記憶領域71bに記憶される現在時刻を更新する。
(4−4)睡眠状態判定部74
睡眠状態判定部74(特許請求の範囲記載の「睡眠状態情報取得部」に相当)は、睡眠者PSの睡眠状態(睡眠の段階)を判定する機能部である。睡眠状態判定部74は、生体情報記憶領域71cに記憶されている生体情報を用いて、所定の計算式又はアルゴリズムに基づいて、睡眠状態を特定する睡眠状態情報を抽出して取得し、取得した睡眠状態情報に基づき睡眠者PSの睡眠状態を判定する。睡眠状態情報は、睡眠者PSが睡眠度の浅いレム睡眠状態にあるか否か、睡眠度の深いノンレム睡眠状態にあるか否かを特定する情報である。睡眠状態判定部74は、生体情報を用いて、公知の計算式やアルゴリズムに基づき、睡眠状態情報を抽出する。例えば、睡眠状態情報は、特許文献1(特許4390535号公報)に開示されているような計算式やアルゴリズムに沿って抽出される。
睡眠状態判定部74は、抽出した睡眠状態情報から睡眠者PSがレム睡眠状態にあると判定した場合には、レム睡眠フラグ71fを立てるとともにノンレム睡眠フラグ71gをクリアする。睡眠状態判定部74は、抽出した睡眠状態情報から睡眠者PSがノンレム睡眠状態にあると判定した場合には、ノンレム睡眠フラグ71gを立てるとともにレム睡眠フラグ71fをクリアする。睡眠状態判定部74は、抽出した睡眠状態情報から睡眠者PSがレム睡眠状態及びノンレム睡眠状態のいずれでもない(すなわちユーザが睡眠状態にない)と判定した場合には、レム睡眠フラグ71f及びノンレム睡眠フラグ71gの双方をクリアする。
(4−5)起床制御部75
起床制御部75は、起床予定時刻に関連して、起床フラグ71j又は起床予定時刻到達フラグ71kの状態を切り換える機能部である。起床制御部75は、時刻記憶領域71b及びコマンド記憶領域71dを適宜参照し、コマンド記憶領域71dに記憶されている起床予定時刻から時刻記憶領域71bに記憶されている現在時刻を減じた時間が第1閾値ΔTh1(ここでは10分)以下となった時に起床フラグ71jを立てる。また、起床制御部75は、現在時刻が、コマンド記憶領域71dに記憶されている起床予定時刻に到達した時に起床予定時刻到達フラグ71kを立てる。起床制御部75は、ニオイ調整装置100を停止させる或いはリセットさせるコマンドが入力された時に、起床フラグ71j及び起床予定時刻到達フラグ71kをクリアする。
(4−6)モード制御部76
モード制御部76は、状況に応じて、制御モードを切り替える機能部である。本実施形態において、モード制御部76は、図9のモードテーブルTB1に示すような態様で制御モードを切り替える。図9は、状況毎の制御モードの切替えを定義したモードテーブルTB1の一例を示した模式図である。モード制御部76は、記憶部71の状態を適宜参照し、睡眠者PSの睡眠状態及び時刻に応じて、モードテーブルTB1に基づき制御モードを切り替える。
例えば、モード制御部76は、起床予定時刻に近い状態(起床フラグ71jが立てられている状態)において、睡眠者PSがレム睡眠状態(レム睡眠フラグ71fが立てられている状態)にある時には制御モードを第2制御モードに切り換え、睡眠者PSがノンレム睡眠状態(ノンレム睡眠フラグ71gが立てられている状態)にある時には制御モードを第3制御モードに切り換え、睡眠者PSが非睡眠状態(レム睡眠フラグ71f及びノンレム睡眠フラグ71gのいずれも立てられていない状態)にある時には制御モードを第2制御モードに切り換える。
また、例えば、モード制御部76は、起床予定時刻に到達した状態においては、睡眠者PSの睡眠状態に関わらず、制御モードを第4制御モードに切り換える。
また、例えば、モード制御部76は、起床予定時刻に未到達の状態であって起床予定時刻に近くない状態(起床フラグ71j及び起床予定時刻到達フラグ71kのいずれも立てられていない状態)にある場合には、睡眠者PSの睡眠状態に関わらず、制御モードを第1制御モードに切り換える。
(4−7)嗅覚疲労判定部77
嗅覚疲労判定部77は、睡眠者PSの嗅覚疲労度(香りに対する感度の経時的変化)を判定する機能部である。本実施形態において嗅覚疲労度は、睡眠者PSが特定のニオイを供給されている状態において所定時間t1経過する毎に段階(レベル)が1つずつ増加するように、制御プログラムにおいて設定されている。所定時間t1は、使用環境や設計仕様に応じて適宜設定され、ここでは1分に設定されている。
具体的に、嗅覚疲労判定部77は、時刻記憶領域71b及び制御モード判別フラグ71eを適宜参照し、制御モードが第2制御モード、第3制御モード又は第4制御モードに切り換えられたタイミングを嗅覚疲労度のレベル1(最も小さいレベル)と判定し、所定時間t1が経過する毎に嗅覚疲労度のレベルが1段階ずつ増加するような態様で嗅覚疲労度を判定する。嗅覚疲労判定部77は、判定結果に応じて嗅覚疲労フラグ71hを立てる。
(4−8)アクチュエータ制御部78
アクチュエータ制御部78は、状況に応じて各アクチュエータ(ダンパ25や送風ファン31)の状態を制御する機能部である。アクチュエータ制御部78は、遷移している制御モードに応じて各アクチュエータの状態を決定し、各アクチュエータに対して所定の駆動信号を出力する。
本実施形態において、アクチュエータ制御部78は、図10に示すような態様で各アクチュエータの状態を制御する。図10は、状況毎のアクチュエータ制御部78の処理を定義した処理テーブルTB2の一例を示した模式図である。アクチュエータ制御部78は、記憶部71の状態を適宜参照し、遷移している制御モードや、ニオイレベル又は嗅覚疲労度に応じて、処理テーブルTB2に基づく処理を実行する。
図10の(a)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第1制御モードにおいて、ニオイレベルが小の時には、第1睡眠促進処理を実行する。第1睡眠促進処理は、ダンパ25を第1状態(図6で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(b)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第1制御モードにおいて、ニオイレベルが中の時には、第2睡眠促進処理を実行する。第2睡眠促進処理は、ダンパ25を第1状態(図6で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が中となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(c)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第1制御モードにおいて、ニオイレベルが大の時には、第3睡眠促進処理を実行する。第3睡眠促進処理は、ダンパ25を第1状態(図6で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が強となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(d)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第2制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル1の時には、第1覚醒促進処理を実行する。第1覚醒促進処理は、ダンパ25を第2状態(図7で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(e)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第2制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル2の時には、第2覚醒促進処理を実行する。第2覚醒促進処理は、ダンパ25を第3状態(図8で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(f)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第2制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル3の時には、第3覚醒促進処理を実行する。第3覚醒促進処理は、ダンパ25を第3状態(図8で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が中となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(g)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第3制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル1の時には、第2覚醒促進処理を実行する。
図10の(h)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第3制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル2の時には、第3覚醒促進処理を実行する。
図10の(i)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第3制御モードにおいて、嗅覚疲労度がレベル3の時には、第4覚醒促進処理を実行する。第4覚醒促進処理は、ダンパ25を第3状態(図8で示される状態)に制御するとともに空気流AFの風量が強となるように送風ファン31の回転数を制御する処理である。
図10の(j)に示されるように、アクチュエータ制御部78は、第4制御モードにおいては、嗅覚疲労度に関わらず第4覚醒促進処理を実行する。
(4−9)表示制御部79
表示制御部79は、表示部90の状態を制御する機能部である。表示制御部79は、表示部90において状況に応じた情報が表示されるように、表示部90に対して所定の信号を出力する。
(5)コントローラ70の処理の流れ
以下、運転中、コントローラ70が状況に応じて行う各アクチュエータの制御の流れの一例について説明する。図11及び図12は、運転中、コントローラ70によって行われる各アクチュエータの制御の流れの一例について示したフローチャートである。コントローラ70は、運転中、図11及び図12に示すステップS101からS125に示すような流れで処理を実行する。なお、図11及び図12に示される処理の流れは、一例であり、適宜変更可能である。例えば、矛盾のない範囲でステップの順序が変更されてもよいし、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよいし、図示されない他のステップが適宜追加されてもよい。
ステップS101において、コントローラ70は、生体情報を取得していない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS101に留まる。一方、生体情報を取得している場合(すなわちYESの場合)には、ステップS102へ進む。
ステップS102において、コントローラ70は、取得している生体情報に基づき睡眠状態情報を抽出して取得する。その後、ステップS103へ進む。
ステップS103において、コントローラ70は、抽出した睡眠状態情報に基づき、睡眠者PSがレム睡眠状態にないと判断した場合(すなわちNOの場合)には、ステップS114へ進む。一方、睡眠者PSがレム睡眠状態にあると判断した場合(すなわちYESの場合)には、ステップS104へ進む。
ステップS104において、コントローラ70は、起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1以下(起床予定時刻に近い状態)でない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS120へ進む。一方、起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1以下の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS105へ進む。
ステップS105において、コントローラ70は、起床予定時刻に到達していない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS108へ進む。一方、起床予定時刻に到達している場合(すなわちYESの場合)には、ステップS106へ進む。
ステップS106において、コントローラ70は、第4制御モードに遷移する。その後、ステップS107へ進む。
ステップS107において、コントローラ70は、第4覚醒促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第3状態に制御して第2空気流路232を開通させるとともに第1空気流路231を遮断させ、風量が強となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS108において、コントローラ70は、第2制御モードに遷移する。その後、ステップS109へ進む。
ステップS109において、コントローラ70は、嗅覚疲労度がレベル1でない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS111へ進む。一方、嗅覚疲労度がレベル1の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS110へ進む。
ステップS110において、コントローラ70は、第1覚醒促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第2状態に制御して第1空気流路231及び第2空気流路232を開通させるとともに、風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS111において、コントローラ70は、嗅覚疲労度がレベル2でない場合(すなわちレベル3以上の場合、ここではNOの場合)には、ステップS113へ進む。一方、嗅覚疲労度がレベル2の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS112へ進む。
ステップS112において、コントローラ70は、第2覚醒促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第3状態に制御して第2空気流路232を開通させるとともに第1空気流路231を遮断させ、風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS113において、コントローラ70は、第3覚醒促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第3状態に制御して第2空気流路232を開通させるとともに第1空気流路231を遮断させ、風量が中となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS114において、コントローラ70は、抽出した睡眠状態情報に基づき、睡眠者PSがノンレム睡眠状態にないと判断した場合(すなわち非睡眠状態にある場合、ここではNOの場合)には、ステップS104に戻る。一方、睡眠者PSがノンレム睡眠状態にあると判断した場合(すなわちYESの場合)には、ステップS116へ進む。
ステップS115において、コントローラ70は、起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1以下(起床予定時刻に近い状態)でない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS120へ進む。一方、起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1以下の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS116へ進む。
ステップS116において、コントローラ70は、起床予定時刻に到達していない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS117へ進む。一方、起床予定時刻に到達している場合(すなわちYESの場合)には、ステップS106に戻る。
ステップS117において、コントローラ70は、第3制御モードに遷移する。その後、ステップS118へ進む。
ステップS118において、コントローラ70は、嗅覚疲労度がレベル1でない場合(すなわちNOの場合)には、ステップS119へ進む。一方、嗅覚疲労度がレベル1の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS112に戻る。
ステップS119において、コントローラ70は、嗅覚疲労度がレベル2でない場合(すなわちレベル3以上の場合、ここではNOの場合)には、ステップS107に戻る。一方、嗅覚疲労度がレベル2の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS113に戻る。
ステップS120において、コントローラ70は、第1制御モードに遷移する。その後、ステップS121へ進む。
ステップS121において、コントローラ70は、ニオイセンサ65によって検出されたニオイレベルが小でない場合(ここではNOの場合)には、ステップS123へ進む。一方、ニオイセンサ65によって検出されたニオイレベルが小の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS122へ進む。
ステップS122において、コントローラ70は、第1睡眠促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第1状態に制御して第1空気流路231を開通させるとともに第2空気流路232を遮断させ、風量が弱となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS123において、コントローラ70は、ニオイセンサ65によって検出されたニオイレベルが中でない場合(すなわちニオイレベルが大の場合、ここではNOの場合)には、ステップS125へ進む。一方、ニオイセンサ65によって検出されたニオイレベルが中の場合(すなわちYESの場合)には、ステップS124へ進む。
ステップS124において、コントローラ70は、第2睡眠促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第1状態に制御して第1空気流路231を開通させるとともに第2空気流路232を遮断させ、風量が中となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
ステップS125において、コントローラ70は、第3睡眠促進処理を実行する。具体的に、コントローラ70は、ダンパ25を第1状態に制御して第1空気流路231を開通させるとともに第2空気流路232を遮断させ、風量が強となるように送風ファン31の回転数を制御する。その後、ステップS101に戻る。
(6)睡眠促進機能・覚醒促進機能
ニオイ調整装置100では、主として、睡眠者PSの睡眠状態(レム睡眠状態、ノンレム睡眠状態及び非睡眠状態のいずれか)、起床予定時刻と現在時刻との関係、及びニオイセンサ65の検出結果(ニオイレベル)、及び睡眠者PSの嗅覚疲労度に基づき、睡眠者PSの睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者PSに顔周辺に供給する空気流AFのニオイをニオイ調整ユニット40によって以下の態様で調整している。
(6−1)起床予定時刻に未到達であって起床予定時刻に所定の割合で近くない状態にある場合(起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1より大きい場合)
ニオイ調整装置100では、起床予定時刻に未到達で起床予定時刻に所定の割合で近くない状態にある場合には、より睡眠が促進されるように、ニオイ除去された空気流AFが睡眠者PSの顔周辺に供給されている。すなわち、空気清浄ユニット45(脱臭エレメント48)を通過することでニオイが除去され且つ香り付加ユニット50をバイパスすることで香り成分を含まない状態の空気流AFが、睡眠者PSの顔周辺に送られるように各部が制御されている(図10の第1睡眠促進処理、第2睡眠促進処理、及び第3睡眠促進処理を参照)。これにより、睡眠者PSの睡眠を阻害するニオイが睡眠者PSに送られることが抑制されており、睡眠者PSの睡眠が促進されている。
より詳細には、ニオイセンサ65の検出結果(すなわち睡眠者PSの顔周辺のニオイ)のニオイレベルが小の時には空気流AFの風量が弱に制御され、中の時には空気流AFの風量が中に制御され、大の時には空気流AFの風量が強に制御されている。すなわち、ニオイ調整装置100では、ニオイレベルの大きさに応じて最適な風量が選択されて、睡眠者PSの顔周辺のニオイが適切に除去されるようになっている。換言すると、睡眠者PSの周囲におけるニオイの状態に基づき、送風ファン31の回転数が制御されており、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気のニオイの程度が状況に応じて適宜調整されている。
これにより、睡眠者PSの睡眠を阻害するニオイが睡眠者PSに送られることが精度よく抑制されており、睡眠者PSの睡眠が高精度に促進されている。特に、睡眠者PSが非睡眠状態にある場合や、覚醒しやすいレム睡眠状態にある場合において、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気流AFに含まれるニオイが空気清浄ユニット45によって除去され、睡眠者PSの睡眠が促進されている。
(6−2)起床予定時刻に未到達であって起床予定時刻に所定の割合で近い状態にある場合(起床予定時刻から現在時刻を減じた値が第1閾値ΔTh1以下の場合)
ニオイ調整装置100では、起床予定時刻に未到達で起床予定時刻に所定の割合で近い状態にある場合には、覚醒が促進されるように、覚醒作用のあるニオイ(香り成分)を含んだ空気流AFを睡眠者PSの顔周辺に送られている。すなわち、空気清浄ユニット45(脱臭エレメント48)を通過することでニオイが除去され且つ香り付加ユニット50を通過することで香り成分を含んだ状態の空気流AFが、睡眠者PSの顔周辺に送られるように各部が制御されている(図10の第1覚醒促進処理、第2覚醒促進処理、第3覚醒促進処理及び第4覚醒促進処理を参照)。これにより、睡眠者PSの覚醒を促進するニオイ(香り)が睡眠者PSに送られるようになっており、睡眠者PSの覚醒が促進されている。
より詳細には、睡眠者PSがレム睡眠状態、ノンレム睡眠状態及び非睡眠状態のいずれにあるかに応じて、睡眠者PSに供給されるニオイの強さ(香りの濃度)が増減するように、ダンパ25及び送風ファン31の回転数が制御されている。例えば、睡眠者PSが覚醒しやすいレム睡眠状態にある場合、又は非睡眠状態にある場合には、快適な起床が促されるように、香り付加ユニット50によって適切な濃度の香りが空気流AFに付与されるようになっている。
また例えば、睡眠者PSが覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある場合には、レム睡眠状態及び非睡眠状態にある場合と比較して、香りの濃度が増大するように、空気流AFの進路、及び風量が制御されている。換言すると、起床予定時刻が所定の割合で近づいている場合であって睡眠者PSがノンレム睡眠状態にある時には、より強いニオイが睡眠者PSに送られるようになっている。
また、嗅覚疲労度(睡眠者PSのニオイに対する慣れ)が加味されて、嗅覚疲労度の変化(ここでは時間の経過)とともに香りの濃度が増大するように、空気流AFの進路、及び風量が制御されている。これにより、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気の香り(ニオイ)に関して、睡眠者PSが時間経過に伴い慣れて知覚しにくい状態となることが抑制されている。
(6−3)起床予定時刻に到達した場合
ニオイ調整装置100では、起床予定時刻に到達した場合には、起床予定時刻に未到達の場合と比較して、空気流AFに含まれる香りの濃度が増大するように、空気流AFの進路、及び風量が制御されている。換言すると、起床予定時刻に到達した場合には、特に強いニオイ(香りの濃度が特に大きい空気流AF)が睡眠者PSに送られるようになっている。これにより、起床予定時刻において睡眠者PSの覚醒が特に促進されている。
(7)特徴
(7−1)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、コントローラ70が生体情報に基づいて抽出し取得した睡眠状態情報に基づいて、睡眠者PSの睡眠又は覚醒が促進されるように、ファンユニット30によって供給される空気のニオイが調整されている。すなわち、睡眠状態情報に基づいて、睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者PSの顔周辺の空気のニオイが調整されるように構成されている。これにより、睡眠又は覚醒を促進するニオイ(香り)を睡眠者PSに対して供給すること、又は睡眠者PSの睡眠又は覚醒を阻害するニオイを睡眠者PSの顔周辺から除去することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な睡眠又は起床が促進されるようになっている。
(7−2)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、空気清浄ユニット45(脱臭エレメント48)を含み、空気清浄ユニット45は、ファンユニット30によって供給される空気流AFのニオイを除去している。これにより、睡眠状態情報に基づいて、睡眠又は覚醒が促進されるように、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気のニオイが除去されるようになっている。その結果、睡眠者PSの睡眠を阻害するニオイを除去することが可能となっている。
(7−3)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、睡眠者PSがレム睡眠状態にある場合に、睡眠者PSの睡眠が促進されるように、空気清浄ユニット45によりファンユニット30によって供給される空気流AFのニオイを除去している。これにより、睡眠者PSが、知覚するニオイに因って睡眠が阻害されやすいレム睡眠状態にある場合に、睡眠を阻害するニオイを睡眠者PSの顔周辺から除去することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な睡眠が特に促進されるようになっている。
(7−4)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、ファンユニット30によって供給される空気流AFに香りを付与する香り付加ユニット50を含んでいる。これにより、睡眠状態情報に基づいて、覚醒が促進されるように、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気流AFに香りが付与されるようになっている。その結果、睡眠者PSの睡眠状態に応じて、覚醒を促進するニオイ(香り)を睡眠者PSに供給することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な起床が促進されるようになっている。
(7−5)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、睡眠者PSがレム睡眠状態にある場合に、香り付加ユニット50によりファンユニット30によって供給される空気流AFに香りを付与している。これにより、睡眠者PSが覚醒しやすいレム睡眠状態にある場合に、覚醒効果の高いニオイを睡眠者PSに供給することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な起床が特に促進されるようになっている。
(7−6)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、起床予定時刻から現在時刻を減じた時間が第1閾値ΔTh1以下となった場合に、睡眠者PSの覚醒が促進されるように、香り付加ユニット50によりファンユニット30によって供給される空気流AFに香りを付与している。これにより、起床予定時刻となった場合又は起床予定時刻に近づいた場合であって、睡眠者PSが覚醒しやすいレム睡眠状態にある時に、覚醒が促進されるように睡眠者PSの顔周辺に送られる空気に香りが付与されている。その結果、起床予定時刻に合わせて、睡眠者PSが覚醒しやすいタイミングで覚醒効果の高いニオイを睡眠者PSに供給することが可能となっている。よって、睡眠者PSの起床予定時刻に応じて睡眠者PSの快適な起床が特に促進されるようになっている。
(7−7)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40は、睡眠者PSがノンレム睡眠状態にある時に、香り付加ユニット50によって付与される香りの濃度が、睡眠者PSがレム睡眠状態にある時よりも大きくなるように、空気流AFのニオイを調整している。これにより、睡眠者PSが覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある時に、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気に関して、香り成分の濃度が大きくなる(すなわちニオイが強くなる)ようになっている。その結果、睡眠者PSが覚醒しにくいノンレム睡眠状態にある時にも、睡眠者PSの覚醒を促進することが可能となっている。
(7−8)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、嗅覚疲労判定部77は睡眠者PSの嗅覚疲労度(ニオイに対する慣れ)を判定し、ニオイ調整ユニット40は嗅覚疲労判定部77の判定結果に基づき香り付加ユニット50において空気流AFに付与される香りの濃度を調整している。これにより、睡眠者PSの嗅覚疲労度を加味して香り付加ユニット50において付与する香りの濃度が調整されるようになっている。その結果、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気の香り(ニオイ)に関して、睡眠者PSが時間経過に伴い慣れて知覚しにくい状態となることが抑制される。よって、睡眠者PSの快適な起床が精度よく促進されている。
(7−9)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、ファンユニット30は空気流AFを生成する送風ファン31を含み、コントローラ70は睡眠状態情報又は睡眠者PSの周囲におけるニオイの状態に基づき、送風ファン31の回転数を制御している。これにより、睡眠状態情報又は睡眠者PSの周囲におけるニオイの状態に基づき、睡眠者PSの顔周辺に送られる、ニオイ調整された空気流AFの流量(風量)を調整することが可能となっている。その結果、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気のニオイの程度を、状況に応じて適宜調整することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な睡眠又は起床が精度よく促進されている。
(7−10)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、生体センサ60によって検出された睡眠者PSの生体情報に基づき睡眠状態情報が取得されている。その結果、精度の高い睡眠状態情報を取得可能となっている。これに関連して、睡眠者PSの睡眠状態に応じて、睡眠者PSの顔周辺に送られる空気のニオイを目的に沿って高精度に調整することが可能となっている。よって、睡眠者PSの快適な睡眠又は起床が精度よく促進されている。
(7−11)
上記実施形態に係るニオイ調整装置100では、睡眠者PSの頭部を支持する枕部10を備え、枕部10には送風口12が形成され、送風口12からはファンユニット30によって供給される空気流AFが流出するようになっている。これにより、睡眠時に一般的に用いられる枕から、ニオイ調整された空気を睡眠者PSの顔周辺に供給することが可能となっている。よって、汎用性又は利便性が向上している。
(8)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
(8−1)変形例A
上記実施形態では、香り付加ユニット50には、覚醒作用のある香り成分を有する香りカプセル52を含み、第1覚醒促進処理から第4覚醒促進処理において、空気流AFに覚醒促進効果のある香りを付与していた。しかし、香り付加ユニット50には、覚醒作用のある香り成分を有する香りカプセル52とは別に/覚醒作用のある香り成分を有する香りカプセル52に代えて、睡眠促進作用やリラクゼーション作用のある香り成分を有する香りカプセルを含んでいてもよい。係る香り成分としては、特に限定されないが、例えば白檀、沈香及びラベンダー等の香り等、鎮静作用のある香り成分である。
係る場合、本体ケーシング20内に第1空気流路231及び第2空気流路232とは別に、睡眠促進作用・リラクゼーション作用のある香り成分を有する香りカプセルが配置される第3空気流路を形成するとともに、第1睡眠促進処理―第3睡眠促進処理において第3空気流路が開通するようにダンパ25や送風ファン31を制御されてもよい。これにより、第1睡眠促進処理―第3睡眠促進処理において睡眠を促進するうえで、さらに詳細なニオイ調整が可能となり、睡眠者PSの睡眠促進効果がさらに期待できる。
(8−2)変形例B
上記実施形態では、香り付加ユニット50に香り成分を有する香りカプセル52がユニットケーシング51内に充填され、係る香りカプセル52から放出された香り成分によって、空気流AFに香りが付与されていた。しかし、香り付加ユニット50の構成態様については、適宜変更が可能である。
例えば、図13に示すように、香りカプセル52を補充するための香りカプセル補充容器53を別途設け、香りカプセル補充容器53から香り付加ユニット50のユニットケーシング51内に香りカプセル52が適宜送られるように構成されてもよい。係る場合、香りカプセル補充容器53は、ニオイ調整装置100が使用される空間の壁や床に固定された状態で設置され、使用時に本体ケーシング20が香りカプセル補充容器53に連結されることでニオイ調整装置100が駆動可能となるように構成されてもよい。
また、例えば、香り付加ユニット50においては、香りカプセル52に代えて、液状や半固体状の香料が充填され、係る香料によって空気流AFに付与する香りを生じさせてもよい。係る場合、香料を蒸発・拡散させる加熱部や超音波の振動により微粒子にしてミスト状に拡散させる超音波発生部を設けられ、コントローラ70によって加熱器や超音波発生部の動作が制御されることで空気流AFに付与される香りの濃度が調整されてもよい。係る場合、ダンパ25については適宜省略が可能である。
(8−3)変形例C
上記実施形態は、ニオイ調整ユニット40は、空気清浄ユニット45(脱臭エレメント48)及び香り付加ユニット50を含み、空気清浄ユニット45により空気流AFからニオイを除去する、又は香り付加ユニット50により空気流AFに香りを付与することで、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイが調整されていた。この点、ニオイ調整装置100では、ニオイ調整ユニット40の空気清浄ユニット45及び香り付加ユニット50の一方を省略し、空気清浄ユニット45により空気流AFからニオイを除去する、又は香り付加ユニット50により空気流AFに香りを付与することのいずれかにより、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイを調整するように構成されてもよい。係る場合においても、睡眠者PSの顔周辺の空気からニオイを除去することによる睡眠促進効果、及び睡眠者PSの顔周辺の空気に香りを付与することによる覚醒促進効果の一方については実現可能である。
係る場合における、コントローラ70の制御の流れについては、睡眠者PSの睡眠促進効果又は覚醒促進効果が実現されるように、適宜調整される。例えば、ニオイ調整ユニット40において空気清浄ユニット45が省略される場合には、図10及び図11における第1制御モード及び第1−3睡眠促進処理が省略されるとともに、図12におけるステップS120−S125に係る処理が省略される。また、例えば、ニオイ調整ユニット40において香り付加ユニット50が省略される場合には、図10及び図11における第2−第4制御モード及び第1−4覚醒促進処理が省略されるとともに、図11及び図12におけるステップS105−S113、及びステップS116−S119に係る処理が省略される。
(8−4)変形例D
上記実施形態では、睡眠者PSの覚醒を促進する処理(第1−第4覚醒促進処理)において、睡眠者PSに供給される空気流AFに覚醒効果のある香りを付与することで睡眠者PSの覚醒を促進していた。しかし、睡眠者PSの覚醒を促進する方法については、必ずしもこれに限定されず、他の方法によって睡眠者PSの覚醒が促進されてもよい。
例えば、睡眠者PSの顔周辺において覚醒を阻害するニオイ(例えば白檀、沈香及びラベンダー等の香り等、鎮静作用のある香り成分)が存在する場合には、脱臭エレメント48等を用いて係るニオイを除去した空気流AFを睡眠者PSの顔周辺に供給することで、係るニオイによって睡眠者PSの覚醒が妨げられることを抑制し、睡眠が促進されるように構成されてもよい。係る場合には、睡眠者PSに対して供給される空気流AFに関して、ニオイが除去されることによりニオイ調整され、これにより睡眠者PSの睡眠促進効果が実現される。
(8−5)変形例E
上記実施形態では、生体センサ60及びニオイセンサ65は、枕部10内に配置されていた。しかし、生体センサ60及びニオイセンサ65の配置態様については、必ずしもこれに限定されず、使用環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。すなわち、生体センサ60又はニオイセンサ65は、生体情報又はニオイレベルを適切に検出可能でありコントローラ70と通信可能に配置される限り、枕部10の外部に配置されてもよい。例えば、生体センサ60又はニオイセンサ65は、本体ケーシング20内に配置されてもよいし、他の装置内に配置されてもよいし、独立して配置されてもよい。
(8−6)変形例F
上記実施形態では、ニオイ調整装置100に枕部10が含まれていた。しかし、枕部10については、本発明の効果を実現するうえで必ずしも必要ではない。すなわち、ニオイ調整された空気流AFが睡眠者PSの顔周辺に送ることが可能な限り、枕部10については適宜省略されてもよい。係る場合、空気流AFは、例えば、本体ケーシング20に形成された排気口22から睡眠者PSの顔周辺に直接送られてもよいし、ダクトD1等の流路形成部材を介して送られてもよい。また、生体センサ60又はニオイセンサ65は、例えば、本体ケーシング20内に配置されてもよいし、他の装置内に配置されてもよいし、独立して配置されてもよい。すなわち、枕部10については本発明の必須構成要素ではない。
(8−7)変形例G
上記実施形態では、第1制御モード(第1―3睡眠促進処理)において、睡眠者PSの顔周辺におけるニオイレベルを加味して、各アクチュエータの制御が行われ、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイが調整されていた。睡眠者PSの睡眠を精度よく促進すべく、睡眠者PSに供給される空気流AFのニオイを詳細に調整する、という観点によれば、睡眠者PSの顔周辺におけるニオイレベルを加味して、各アクチュエータの制御が行われることが好ましい。しかし、必ずしも、睡眠者PSの顔周辺におけるニオイレベルを加味して、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイが調整される必要はない。係る場合、ニオイセンサ65については、適宜省略が可能である。
(8−8)変形例H
上記実施形態では、第2―3制御モード(第1―3覚醒促進処理)において、睡眠者PSの嗅覚疲労度を加味して、各アクチュエータの制御が行われ、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイ(香りの濃度)が調整されていた。睡眠者PSの覚醒を精度よく促進すべく、睡眠者PSに供給される空気流AFのニオイを詳細に調整する、という観点によれば、睡眠者PSの顔周辺における嗅覚疲労度を加味して、各アクチュエータの制御が行われることが好ましい。しかし、必ずしも、睡眠者PSの嗅覚疲労度を加味して、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイ(香りの濃度)が調整される必要はない。
(8−9)変形例I
上記実施形態では、図6―8に示されるように、ダンパ25の位置を状況に応じて3段階に変更されることで、本体ケーシング20内において異なる空気流路が形成され、これにより睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイが調整される場合について説明した。しかし、ダンパ25の制御方法(本体ケーシング20内における空気流路の形成態様)については、必ずしもこれに限定されず、空気流AFに関するニオイ調整の程度に応じて、図6―8とは異なる態様で空気流路が形成されるように、ダンパ25の位置をさらに微細に変更してもよい。
例えば、図5に示される状態(すなわち、ダンパ25が第2状態にある場合)よりも空気流AFに含まれる香りの濃度を小さくしたい場合には、空気流AFに占める香り付加ユニット50をバイパスする第1空気流AF1の割合が、香り付加ユニット50を通過する第2空気流AF2の割合よりも大きくなるように、ダンパ25の位置が第2状態よりも香り付加ユニット50方向に傾斜して位置する(すなわち空気流AFに対して香り付加ユニット50を遮蔽する)ように制御されてもよい。
また、例えば、図5に示される状態(すなわち、ダンパ25が第2状態にある場合)よりも空気流AFに含まれる香りの濃度を大きくしたい場合には、空気流AFに占める香り付加ユニット50を通過する第2空気流AF2の割合が、香り付加ユニット50をバイパスする第1空気流AF1の割合よりも大きくなるように、ダンパ25の位置が第2状態よりも香り付加ユニット50とは反対方向に傾斜して位置する(すなわち空気流AFに対して香り付加ユニット50を露出させる)ように制御されてもよい。
(8−10)変形例J
上記実施形態では、コントローラ70は、本体ケーシング20内に配置された。しかし、コントローラ70に含まれる各機能部(71−79)のうち、一部又は全部については、必ずしも本体ケーシング20内に配置される必要はない。すなわち、コントローラ70の一部又は全部については、各接続機器(25、30、60、65、80、90)と通信可能である限り、本体ケーシング20以外の筐体や装置内に配置されてもよいし、独立して配置されてもよい。例えば、コントローラ70の一部/全部は、枕部10内に配置されてもよいし、通信ネットワークを介して接続された遠隔地に配置されてもよい。係る場合、各接続機器や他の機能部との間における通信は、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等を用いる無線通信によって行われてもよい。
(8−11)変形例K
上記実施形態では、第1閾値ΔTh1が10分に設定され、所定時間t1が1分に設定される場合について説明したが、第1閾値ΔTh1及び所定時間t1については、使用環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。すなわち、第1閾値ΔTh1は、10分より大きい値(例えば30分)に設定されてもよいし、10分より小さい値(例えば5分)に設定されてもよい。また、例えば、所定時間t1は、1分より大きい値(例えば3分)に設定されてもよいし、1分より小さい値(例えば30秒)に設定されてもよい。
(8−12)変形例L
上記実施形態において、ニオイ調整装置100は、生体情報を取得する生体センサ60、及びニオイレベルを検出するニオイセンサ65を有していた。しかし、生体センサ60又はニオイセンサ65は、ニオイ調整装置100に必ずしも含まれる必要はなく、適宜省略されてもよい。係る場合、コントローラ70(睡眠状態判定部74)は、他の装置や他のセンサ等から、睡眠者PSの生体情報又はニオイレベルを特定する情報を取得してもよい。また、係る場合、コントローラ70(睡眠状態判定部74)は、他の装置や他のセンサ等から睡眠者PSの睡眠状態情報を取得してもよい。
(8−13)変形例M
上記実施形態では、空気清浄ユニット45の脱臭エレメント48が「ニオイ除去部」として機能していた。しかし、脱臭エレメント48以外のユニットを配置して「ニオイ除去部」として機能させてもよい。例えば、脱臭エレメント48に代えて/脱臭エレメント48とともに、消臭効果のあるイオンを生じさせるイオン発生器や消臭作用のある消臭剤が第1空気流路231上に配置されてもよい。
(8−14)変形例N
上記実施形態では、枕部10と本体ケーシング20とは別体に構成された。しかし、本体ケーシング20は、枕部10と一体に構成されてもよい。係る場合、ニオイ調整装置100の持ち運びがさらに容易となり、利便性及び汎用性が向上する。なお、本体ケーシング20内に含まれる機器が、枕部10内に配置される場合には、本体ケーシング20については適宜省略可能である。
(8−15)変形例O
上記実施形態では、ファンユニット30によって生成される空気流AFの風量が、弱・中・強の3段階で切り換えられるように送風ファン31の回転数が制御されていた。しかし、ファンユニット30によって生成される空気流AFの風量が、3段階以上のバリエーションで切り換えられるように送風ファン31の回転数が制御されてもよい。係る場合、空気流AFの風量をさらに詳細に切り換えることが可能となり、睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイ調整をさらに詳細に行うことが可能となる。また、睡眠者PSに対して間欠的に空気流AFが送られるように送風ファン31を間欠運転させることで、ニオイ調整がさらに詳細に行われてもよい。
(8−16)変形例P
空気清浄ユニット45は、空気流AFから塵埃を除去するフィルタ(プレフィルタ46及びHEPAフィルタ47)を含んでいたが、係るフィルタについては適宜省略されてもよい。すなわち、空気清浄ユニット45に脱臭エレメント48が含まれていれば、空気流AFからニオイを除去することで睡眠者PSに送られる空気流AFのニオイを調整することが可能であり、睡眠促進効果が実現されうる。
(8−17)変形例Q
上記実施形態では、ファンユニット30は、本体ケーシング20内に配置された。しかし、ファンユニット30は、必ずしも本体ケーシング20内に配置される必要はなく他の装置内に配置されてもよい。例えば、ファンユニット30は、枕部10内に配置されてもよいし、独立して配置されてもよい。
(8−18)変形例R
上記実施形態において、ニオイ調整装置100は、入力部80及び表示部90を有していた。しかし、入力部80及び表示部90については、ニオイ調整装置100に必ずしも含まれる必要はなく、適宜省略されてもよい。係る場合、ユーザが所有する機器(例えばスマートフォンやタブレットPC等)を入力部80又は表示部90として機能させてもよい。
(8−19)変形例S
上記実施形態において、枕部10の外面には、給気口11から流入した空気流AFを流出させるための送風口12が3つ形成されていた。係る送風口12の数は、設計仕様に応じて適宜変更が可能であり、4個以上であってもよいし、2個以下であってもよい。
(8−20)変形例T
上記実施形態において、嗅覚疲労判定部77は、睡眠者PSが特定のニオイを供給されている状態において所定時間t1経過する毎に段階(レベル)が1つずつ増加するように、睡眠者PSの嗅覚疲労度(香りに対する感度の経時的変化)を判定していた。すなわち、嗅覚疲労判定部77は、睡眠者PSの嗅覚疲労度をリアルタイムに判定(推定)していた。しかし、嗅覚疲労判定部77が睡眠者PSの嗅覚疲労を判定する方法については、必ずしも係る態様には限定されず、使用環境や設置環境に応じて適宜変更が可能である。
例えば、嗅覚疲労判定部77は、睡眠者PSが所定の香りを供給されている状態において所定時間が経過した場合に、睡眠者PSの嗅覚疲労が生じていると判定してもよい。係る場合、所定時間は、実験や公知文献に基づく値に設定されればよい。
本発明は、睡眠時に使用される空気供給装置に適用可能である。
10 :枕部
11 :給気口
12 :送風口(空気供給口)
13 :空気流路
14 :貫通口
20 :本体ケーシング
21 :吸込口
22 :排気口
23 :空気流路
24 :仕切板
25 :ダンパ
30 :ファンユニット(空気供給部)
31 :送風ファン(送風機)
32 :ファンロータ
33 :ファンモータ
40 :ニオイ調整ユニット(ニオイ調整部)
45 :空気清浄ユニット(ニオイ除去部)
46 :プレフィルタ
47 :HEPAフィルタ
48 :脱臭エレメント
50 :香り付加ユニット(香り付与部)
51 :ユニットケーシング
52 :香りカプセル
53 :香りカプセル補充容器
60 :生体センサ
65 :ニオイセンサ
70 :コントローラ(空気供給部)
71 :記憶部
72 :入力制御部(起床時刻取得部)
73 :時刻管理部
74 :睡眠状態判定部(睡眠状態情報取得部)
75 :起床制御部
76 :モード制御部
77 :嗅覚疲労判定部
78 :アクチュエータ制御部
79 :表示制御部
80 :入力部(起床時刻取得部)
90 :表示部
100 :ニオイ調整装置
231 :第1空気流路
232 :第2空気流路
AF :空気流
AF1 :第1空気流
AF2 :第2空気流
C1 :配線
D1 :ダクト(空気供給部)
PS :睡眠者
TB1 :モードテーブル
TB2 :処理テーブル
ΔTh1 :第1閾値
特許4390535号公報

Claims (11)

  1. 睡眠時に用いられる空気供給装置(100)であって、
    睡眠者(PS)の顔周辺に空気を供給する空気供給部(30、70、D1)と、
    睡眠者がレム睡眠状態にあるか否かを特定する睡眠状態情報を取得する睡眠状態情報取得部(74)と、
    前記空気供給部によって供給される空気のニオイを調整するニオイ調整部(40)と、
    を備え、
    前記ニオイ調整部は、前記睡眠状態情報取得部が取得した前記睡眠状態情報に基づいて、前記睡眠者の睡眠又は覚醒が促進されるように、前記空気供給部によって供給される空気(AF)のニオイを調整する、
    空気供給装置(100)。
  2. 前記ニオイ調整部は、前記空気供給部によって供給される空気のニオイを除去するニオイ除去部(45)を含む、
    請求項1に記載の空気供給装置(100)。
  3. 前記ニオイ調整部は、前記睡眠者がレム睡眠状態にある場合に、前記睡眠者の睡眠が促進されるように、前記ニオイ除去部により前記空気供給部によって供給される空気のニオイを除去する、
    請求項2に記載の空気供給装置(100)。
  4. 前記ニオイ調整部は、前記空気供給部によって供給される空気に香りを付与する香り付与部(50)を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の空気供給装置(100)。
  5. 前記ニオイ調整部は、前記睡眠者がレム睡眠状態にある場合に、前記香り付与部により前記空気供給部によって供給される空気に香りを付与する、
    請求項4に記載の空気供給装置(100)。
  6. 睡眠者が起床する予定時刻である起床予定時刻を取得する起床時刻取得部(72、80)をさらに備え、
    前記ニオイ調整部は、前記起床予定時刻から現在時刻を減じた時間が第1閾値(ΔTh1)以下となった場合に、前記睡眠者の覚醒が促進されるように、前記香り付与部により前記空気供給部によって供給される空気に香りを付与する、
    請求項4又は5に記載の空気供給装置(100)。
  7. 前記睡眠状態情報は、睡眠者がノンレム睡眠状態にあるか否かを特定する情報を含み、
    前記ニオイ調整部は、前記睡眠者がノンレム睡眠状態にある時に、前記香り付与部によって付与される香りの濃度を、前記睡眠者がレム睡眠状態にある時よりも大きくする、
    請求項6に記載の空気供給装置(100)。
  8. 前記睡眠者の前記香りに対する感度の経時的な変化の度合いを判定する嗅覚疲労判定部(77)をさらに備え、
    前記ニオイ調整部は、前記嗅覚疲労判定部の判定結果に基づき、前記香り付与部において付与する香りの濃度を調整する、
    請求項5から7のいずれか1項に記載の空気供給装置(100)。
  9. 前記空気供給部は、駆動することで空気流を生成する送風機(31)を含み、前記睡眠状態情報又は前記睡眠者の周囲におけるニオイの状態に基づき、前記送風機の回転数を制御する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の空気供給装置(100)。
  10. 前記睡眠状態情報を取得するための前記睡眠者の生体情報を検出する生体センサ(60)をさらに備える、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の空気供給装置(100)。
  11. 前記睡眠者の頭部を支持する枕部(10)をさらに備え、
    前記枕部には、前記空気供給部によって供給される空気が流出する空気供給口(12)が形成される、
    請求項1から10のいずれか1項に空気供給装置(100)。
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