JP2018073934A - スピン軌道トルク型磁化反転素子及び磁気メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に磁化反転できるスピン軌道トルク型磁化反転素子を提供することを目的とする。
【解決手段】このスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁化方向が変化する強磁性金属層と、前記第1強磁性金属層と接合するスピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線の前記強磁性金属層と反対側の面に接合する界面歪み供給層と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピン軌道トルク型磁化反転素子及び磁気メモリに関するものである。
強磁性層と非磁性層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)素子、及び、非磁性層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)を用いたトンネル磁気抵抗(TMR)素子が知られている。一般に、TMR素子は、GMR素子と比較して素子抵抗が高いものの、TMR素子の磁気抵抗(MR)比は、GMR素子のMR比より大きい。そのため、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)用の素子として、TMR素子に注目が集まっている。
MRAMは、絶縁層を挟む二つの強磁性層の互いの磁化の向きが変化するとTMR素子の素子抵抗が変化するという特性を利用してデータを読み書きする。MRAMの書き込み方式としては、電流が作る磁場を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式や磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流して生ずるスピントランスファートルク(STT)を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式が知られている。
STTを用いたTMR素子の磁化反転はエネルギーの効率の視点から考えると効率的ではあるが、磁化反転をさせるための反転電流密度が高い。TMR素子の長寿命の観点からはこの反転電流密度は低いことが望ましい。この点は、GMR素子についても同様である。
そこで近年、反転電流を低減する手段としてスピン軌道相互作用により生成された純スピン流を利用した磁化反転に注目が集まっている(例えば、非特許文献1)。このメカニズムはまだ十分には明らかになっていないが、スピン軌道相互作用又は異種材料の界面におけるラシュバ効果によって生じた純スピン流が、スピン軌道トルク(SOT)を誘起し、磁化反転が生じると考えられている。
純スピン流は上向きスピンの電子と下向きスピン電子が同数で互いに逆向きに流れることで生み出されるものであり、電荷の流れは相殺されている。そのため磁気抵抗効果素子に流れる電流はゼロであり、磁気抵抗効果素子の長寿命化が期待されている。
またSOTによる磁化反転は、ラシュバ効果に起因して、必要とする電流密度もSTTによる磁化反転に必要な反転電流密度と同等であると言われている(例えば、非特許文献2)。
S.Fukami, T.Anekawa, C.Zhang and H.Ohno, Nature Nanotechnology,DOI:10.1038/NNANO.2016.29. S.Emori, T.Nan, A.M.Belkessam, X.Wang, A.D.Matyushov, C.J.Babroski, Y.Gao, H.Lin and N.X.Sun, Physical Review B (2016).DOI:10.1103/Phys Rev B.93.180402. 国立研究開発法人物質・材料研究機構、"AtomWork"、[平成28年10月13日検索]、インターネット <URL:http://crystdb.nims.go.jp/>. Yibin Xu, Masayoshi Yamazaki, and Pierre Villars. Inorganic Materials Database for Exploring the Nature of Material. Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 11RH02.
しかしながら、SOTのみで磁化反転を行うためには、外部から磁場等を印加して磁化反転のきっかけを与える必要があると考えられている。これは、発現するSOTのみでは、磁化に十分なトルクを与えることが難しいためである。そのため、より大きなSOTを発現することが求められている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、容易に磁化反転できるスピン軌道トルク型磁化反転素子を提供することを目的とする。
SOTの発現原因はまだ十分明確になっていないが、大きく分けて内的要因と、外的要因があると考えられている。
内的要因は、スピン軌道トルク配線を構成する材料そのものに起因する。例えば、スピン軌道トルク配線に用いられる材料種に起因するもの、スピン軌道トルク配線の結晶構造に起因するもの等がある。
一方で、外的要因は外部から加えられた作用に起因し、内的要因以外のものである。例えば、スピン軌道トルク配線が含む不純物等の散乱因子に起因するもの、スピン軌道トルク配線とその他の層の界面に起因するもの等がある。
本発明者らは、種々の発現原因の中で、スピン軌道トルク配線とその他の層の界面に起因する原因に着目した。界面に歪を与えることで、スピン軌道トルク配線内に「歪から生じる内場」を生み出し、より大きなSOTを発現できることを見出した。
STTを用いたTMR素子等では、結晶界面では歪が生じないように結晶成長を行うのが通常である。TMR素子の積層方向の抵抗値を小さくし、TMR素子に印加するバイアス電圧を小さくするためである。このように、結晶界面に歪を与えることは、スピンを利用した素子においては通常避けられる構成であり、スピン軌道トルク型磁化反転素子の新しい方向性を開くものである。
(1)第1の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁化方向が変化する強磁性金属層と、前記強磁性金属層と接合するスピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線の前記強磁性金属層と反対側の面に接合する界面歪み供給層と、を有する。
(2)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線と前記界面歪み供給層との格子不整合度が、5%以上であってもよい。
(3)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線と前記界面歪み供給層との格子不整合度が、5%以上10%以下であってもよい。
(4)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、fcc構造を有し、前記界面歪み供給層は、NaCl構造、コランダム構造、又はルチル構造のいずれかを有してもよい。
(5)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、bcc構造を有し、前記界面歪み供給層は、NaCl構造、コランダム構造、ルチル構造又はスピネル構造のいずれかを有してもよい。
(6)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、hcp構造を有し、前記界面歪み供給層は、コランダム構造を有してもよい。
(7)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記界面歪み供給層が絶縁体であってもよい。
(8)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記界面歪み供給層が厚み1nm以下の導体であってもよい。
(9)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線の厚みが、スピン軌道トルク配線を構成する材料のスピン拡散長の2倍以下の厚みであってもよい。
(10)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記強磁性金属層の前記スピン軌道トルク配線と反対側の面に、非磁性層と、磁化方向が固定された固定層とをさらに有する構成でもよい。
(11)第2の態様にかかる磁気メモリは、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子を有する。
本発明によれば、強磁性層の磁化の向きを容易に反転できるスピン軌道トルク型磁化反転素子を提供することができる。
本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の模式図である。 スピンホール効果について説明するための模式図である。 本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子をy方向に沿って切断した断面模式図である。 NaCl構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 NaCl構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 ルチル構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 ルチル構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 コランダム構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 コランダム構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 コランダム構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 スピネル構造を有する界面歪み供給層とスピン軌道トルク配線の接合界面を模式的に示した図である。 本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の別の例の模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(スピン軌道トルク型磁化反転素子)
図1は、第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。
第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、磁気抵抗効果素子10と、スピン軌道トルク配線20と、界面歪み供給層30と、を有する。
以下、磁気抵抗効果素子10の積層方向をz方向、スピン軌道トルク配線20が延在する第1の方向をx方向、z方向及びx方向のいずれにも直交する第2の方向をy方向とする。
<磁気抵抗効果素子>
磁気抵抗効果素子10は、磁化方向が変化する第1強磁性金属層1と、磁化方向が固定された第2強磁性金属層2と、第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2に挟持された非磁性層3とを有する。
磁気抵抗効果素子10は、第2強磁性金属層2の磁化が一方向に固定され、第1強磁性金属層1の磁化の向きが相対的に変化することで機能する。保磁力差型(擬似スピンバルブ型;Pseudo spin valve 型)のMRAMに適用する場合には、第1強磁性金属層の保磁力は第2強磁性金属層の保磁力よりも大きいものであり、また、交換バイアス型(スピンバルブ;spin valve型)のMRAMに適用する場合には、第1強磁性金属層は反強磁性層との交換結合によって磁化方向が固定される。
また、磁気抵抗効果素子10は、非磁性層3が絶縁体からなる場合は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子であり、非磁性層3が金属からなる場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子である。
磁気抵抗効果素子の積層構成は、公知の磁気抵抗効果素子の積層構成を採用できる。例えば、各層は複数の層からなるものでもよいし、第2強磁性金属層2の磁化方向を固定するための反強磁性層等の他の層を備えてもよい。第2強磁性金属層2は固定層や参照層、第1強磁性金属層1は自由層や記憶層などと呼ばれる。
第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2の材料として、強磁性材料が適用される。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの群から選択される金属を1種以上含む合金、又は、これらのから選択される1又は複数の金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金が挙げられる。具体的には、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Feが例示できる。
また第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2の材料として、CoFeSiなどのホイスラー合金を用いることができる。ホイスラー合金はスピン分極率が高く、高いMR比を実現できる。ホイスラー合金は、XYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、またはCu族の遷移金属元素または貴金属元素である。Yは、Mn、V、CrまたTi族の遷移金属であり、Xの元素種をとることもできる。Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−bなどが挙げられる。
第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、強磁性材料を3nm以下とすることが好ましい。非磁性層3との界面で、第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2に垂直磁気異方性を付加することができる。また、垂直磁気異方性は第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2の膜厚を厚くすることによって効果が減衰するため、第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2の膜厚は薄い方が好ましい。
また、第2強磁性金属層2の第1強磁性金属層1に対する保磁力をより大きくするために、第2強磁性金属層2と接する材料としてIrMn,PtMnなどの反強磁性材料を用いてもよい。さらに、第2強磁性金属層2の漏れ磁場を第1強磁性金属層1に影響させないようにするため、シンセティック強磁性結合の構造としてもよい。
さらに第2強磁性金属層2の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、CoとPtの積層膜を用いることが好ましい。具体的には、第2強磁性金属層2は、非磁性層3側から順にFeB(1.0nm)/Ta(0.2nm)/[Pt(0.16nm)/Co(0.16nm)]/Ru(0.9nm)/[Co(0.24nm)/Pt(0.16nm)]とすることができる。
非磁性層3には、公知の材料を用いることができる。
例えば、非磁性層3が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、Al、SiO、MgO、及び、MgAl等を用いることができる。またこれらの他にも、Al,Si,Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAlはコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。
非磁性層3が金属からなる場合、その材料としては、Cu、Au、Ag等を用いることができる。
また、磁気抵抗効果素子10は、その他の層を有していてもよい。例えば、第2強磁性金属層2の非磁性層3と反対側の面にキャップ層を有していてもよいし、第1強磁性金属層1の非磁性層3と反対側の面に下地層を有していてもよい。
スピン軌道トルク配線20と磁気抵抗効果素子10との間に配設される層は、スピン軌道トルク配線20から伝播するスピンを散逸しないことが好ましい。例えば、銀、銅、マグネシウム、及び、アルミニウム等は、スピン拡散長が100nm以上と長く、スピンが散逸しにくいことが知られている。
またこの層の厚みは、層を構成する物質のスピン拡散長以下であることが好ましい。層の厚みがスピン拡散長以下であれば、スピン軌道トルク配線20から伝播するスピンを磁気抵抗効果素子10に十分伝えることができる。
磁気抵抗効果素子10を構成する第1強磁性金属層1、非磁性層3及び第2強磁性金属層2からなる積層体は柱状の形状である。積層体を平面視した形状は、円形、四角形、三角形、多角形等の種々の形状をとることができる。磁化の熱安定性の面からは、対称性に優れる円形が好ましく、磁化反転のし易さの面では一方向に異方性を有する楕円、長方形等が好ましい。
積層体の最大径は、80nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。ここで最大径とは、積層体が平面視円形の場合は直径であり、異方性を有する場合は長軸径である。
最大径が80nm以下であると、強磁性金属層中にドメイン構造ができにくくなり、強磁性金属層におけるスピン分極と異なる成分を考慮する必要が無くなる。さらに、30nm以下であると、強磁性金属層中に単一ドメイン構造となり、磁化反転速度や確率が改善する。また小型化された磁気抵抗効果素子において、特に低抵抗化の要望が強い。
<スピン軌道トルク配線>
スピン軌道トルク配線20は、第1強磁性金属層1のz方向の一面に接続されている。スピン軌道トルク配線20は、第1強磁性金属層1に直接接続されていてもよいし、他の層を介して接続されていてもよい。
スピン軌道トルク配線20は、電流が流れるとスピンホール効果によって純スピン流が生成される材料からなる。かかる材料としては、スピン軌道トルク配線20中に純スピン流が生成される構成のものであれば足りる。従って、単体の元素からなる材料に限らないし、純スピン流が生成される材料で構成される部分と純スピン流が生成されない材料で構成される部分とからなるもの等であってもよい。
スピンホール効果とは、材料に電流を流した場合にスピン軌道相互作用に基づき、電流の向きに直交する方向に純スピン流が誘起される現象である。
図2は、スピンホール効果について説明するための模式図である。図2は、図1に示すスピン軌道トルク配線20をx方向に沿って切断した断面図である。図2に基づいてスピンホール効果により純スピン流が生み出されるメカニズムを説明する。
図2に示すように、スピン軌道トルク配線20の延在方向に電流Iを流すと、紙面奥側に配向した第1スピンS1と紙面手前側に配向した第2スピンS2はそれぞれ電流と直交する方向に曲げられる。通常のホール効果とスピンホール効果とは運動(移動)する電荷(電子)が運動(移動)方向を曲げられる点で共通するが、通常のホール効果は磁場中で運動する荷電粒子がローレンツ力を受けて運動方向を曲げられるのに対して、スピンホール効果では磁場が存在しないのに電子が移動するだけ(電流が流れるだけ)で移動方向が曲げられる点で大きく異なる。
非磁性体(強磁性体ではない材料)では第1スピンS1の電子数と第2スピンS2の電子数とが等しいので、図中で上方向に向かう第1スピンS1の電子数と下方向に向かう第2スピンS2の電子数が等しい。そのため、電荷の正味の流れとしての電流はゼロである。この電流を伴わないスピン流は特に純スピン流と呼ばれる。
強磁性体中に電流を流した場合は、第1スピンS1と第2スピンS2が互いに反対方向に曲げられる点は同じである。一方で、強磁性体中では第1スピンS1と第2スピンS2のいずれかが多い状態であり、結果として電荷の正味の流れが生じてしまう(電圧が発生してしまう)点が異なる。従って、スピン軌道トルク配線20の材料としては、強磁性体だけからなる材料は含まれない。
ここで、第1スピンS1の電子の流れをJ、第2スピンS2の電子の流れをJ、スピン流をJと表すと、J=J−Jで定義される。図2においては、純スピン流としてJが図中の上方向に流れる。ここで、Jは分極率が100%の電子の流れである。
図1において、スピン軌道トルク配線20の上面に強磁性体を接触させると、純スピン流は強磁性体中に拡散して流れ込む。すなわち、磁気抵抗効果素子10にスピンが注入される。
スピン軌道トルク配線20は、非磁性の重金属を含んでもよい。ここで、重金属とは、イットリウム以上の比重を有する金属の意味で用いている。スピン軌道トルク配線20は、非磁性の重金属だけからなってもよい。
この場合、非磁性の重金属は最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属であることが好ましい。かかる非磁性金属は、スピンホール効果を生じさせるスピン軌道相互作用が大きいからである。スピン軌道トルク配線20は、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属だけからなってもよい。
通常、金属に電流を流すとすべての電子はそのスピンの向きに関わりなく、電流とは逆向きに動くのに対して、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号が大きい非磁性金属はスピン軌道相互作用が大きいためにスピンホール効果によって電子の動く方向が電子のスピンの向きに依存し、純スピン流Jが発生しやすい。
また、スピン軌道トルク配線20は、磁性金属や重金属等の不純物を含んでもよい。磁性金属とは、強磁性金属、あるいは、反強磁性金属を指す。非磁性金属に微量な不純物が含まれるとスピン軌道相互作用が増強され、スピン軌道トルク配線20に流す電流に対するスピン流生成効率を高くできるからである。スピン軌道トルク配線20は、反強磁性金属だけからなってもよい。
スピン軌道相互作用はスピン軌道トルク配線材料の物質の固有の内場によって生じるため、非磁性材料でも純スピン流が生じる。スピン軌道トルク配線材料に微量の不純物を添加すると、磁性金属自体が流れる電子スピンを散乱するためにスピン流生成効率が向上する。ただし、磁性金属の添加量が増大し過ぎると、発生した純スピン流が添加された磁性金属によって散乱されるため、結果としてスピン流が減少する作用が強くなる。したがって、添加される磁性金属のモル比はスピン軌道トルク配線における純スピン生成部の主成分のモル比よりも十分小さい方が好ましい。目安で言えば、添加される磁性金属のモル比は3%以下であることが好ましい。
また、スピン軌道トルク配線20は、トポロジカル絶縁体を含んでもよい。スピン軌道トルク配線20は、トポロジカル絶縁体だけからなってもよい。トポロジカル絶縁体とは、物質内部が絶縁体、あるいは、高抵抗体であるが、その表面にスピン偏極した金属状態が生じている物質である。物質にはスピン軌道相互作用という内部磁場のようなものがある。そこで外部磁場が無くてもスピン軌道相互作用の効果で新たなトポロジカル相が発現する。これがトポロジカル絶縁体であり、強いスピン軌道相互作用とエッジにおける反転対称性の破れにより純スピン流を高効率に生成することができる。
トポロジカル絶縁体としては例えば、SnTe,Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3,TlBiSe,BiTe,(Bi1−xSbTeなどが好ましい。これらのトポロジカル絶縁体は、高効率にスピン流を生成することが可能である。
スピン軌道トルク配線20の厚みは、スピン軌道トルク配線を構成する材料のスピン拡散長の2倍以下の厚みであることが好ましい。スピン拡散長の2倍程度であれば、スピンはその情報を維持することができる。すなわち、後述する界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20との界面で生じたスピンも第1強磁性金属層の磁化反転に寄与できる。
<界面歪み供給層>
界面歪み供給層30は、スピン軌道トルク配線20を構成する結晶の結晶構造に歪みを与える層である。界面歪み供給層30は、スピン軌道トルク配線20の磁気抵抗効果素子10と反対側に設けられている。界面歪み供給層30は、z方向から見て磁気抵抗効果素子10と少なくとも一部で重畳している。界面歪み供給層30に対してスピン軌道トルク配線20は、ヘテロエピタキシャル成長する。
図3は、スピン軌道トルク型磁化反転素子100をy方向に沿って切断面において、磁気抵抗効果素子10の第1強磁性金属層1と界面歪み供給層30とのz方向の原子の並びLを模式的に示した図である。
磁気抵抗効果素子10とスピン軌道トルク配線20との界面は、互いの結晶構造が整合している。そのため、磁気抵抗効果素子10の第1強磁性金属層1と非磁性層3の格子整合させることができ、磁気抵抗効果素子10のMR比を大きくできる。
これに対し、界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20との界面では、互いの結晶構造に不整合を設けている。そのため、スピン軌道トルク配線20内で、この格子歪を緩和するように結晶構造が乱れ、スピン軌道トルク配線20内に内場が形成される。
SOTを引き起こすラシュバ効果は、界面及びスピン軌道トルク配線20内部における空間対称性の破れによって生じる現象である。そのため、界面に歪みを設け、スピン軌道トルク配線20内に内場を形成すると、スピンホール効果が増大する。すなわち、第1強磁性金属層1に注入されるスピン量が増大し、第1強磁性金属層1の磁化が反転しやすくなる。
界面歪み供給層30は、スピン軌道トルク配線20との格子不整合度が、5%以上であることが好ましく、5%以上10%以下であることがより好ましい。
「格子不整合度」は、結晶界面において二つの結晶の整合状態の指標である。格子不整合度が大きくなればなるほど、互いの結晶が整合しておらず、結晶界面で互いの結晶格子が歪む。一般に、格子不整合度が5%未満であると、結晶界面を有していても下の層の結晶構造に合わせたエピタキシャル成長が起こると言われている。
格子不整合度は、界面歪み供給層30及びスピン軌道トルク配線20がどのような結晶構造をとっているかによって算出の仕方が異なる。
例えば、界面歪み供給層30がNaCl構造を有する場合、界面歪みを発生させつつ結晶成長するスピン軌道トルク配線20の結晶構造としては、fcc構造、bcc構造が考えられる。
図4及び図5は、界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20の接合界面を模式的に示した図である。図4及び図5に示すように界面歪み供給層30がNaCl構造を有する場合、AサイトとBサイトが交互に正方形を作るように配列する。すなわち、界面歪み供給層30の格子定数はaNaClとなる。
図4に示すようにスピン軌道トルク配線20がfcc構造の場合、立方晶であるNaCl構造上に、立方晶であるfcc構造が、互いの単位格子の辺を一致させるように成長する。図4において、スピン軌道トルク配線20の単位格子は点線で図示している。このような結晶成長を、以下「Cubic on Cbic(ConC)成長」という。
ConC成長では、互いの単位格子の辺を一致させるように成長しているため、格子不整合度は以下の式(1)で表される。なお、式(1)においてafccは、fcc構造を有する界面歪み供給層30の格子定数である。
Figure 2018073934
これに対し図5に示すようにスピン軌道トルク配線20がbcc構造の場合、立方晶であるNaCl構造上に、立方晶であるbcc構造が、互いの単位格子を45°面内回転するように成長する。図5において、スピン軌道トルク配線20の単位格子は点線で図示している。このような結晶成長を、以下「Rotate45(R45)成長」という。
R45成長では、界面歪み供給層30の単位格子の辺が、スピン軌道トルク配線20の単位格子の対角線と対応する。そのため、格子不整合度は以下の式(2)で表される。なお、式(2)においてabccは、bcc構造を有する界面歪み供給層30の格子定数である。
Figure 2018073934
NaCl構造をとる界面歪み供給層30を構成する材料としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化鉄(FeO)、酸化バナジウム(VO)、酸化マンガン(MnO)、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)等がある。
fcc構造をとるスピン軌道トルク配線20としては、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)等が挙げられる。またbccをとるスピン軌道トルク配線20としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等が挙げられる。これらの材料は、例えば第1強磁性金属層1に鉄(Fe)を用いた場合に、いずれも第1強磁性金属層1との格子整合性に優れている。
また、界面歪み供給層30がルチル構造を有する場合もNaCl構造と同様の式で格子不整合度を表すことができる。界面歪み供給層30がルチル構造を有する場合も、界面歪みを発生させつつ結晶成長するスピン軌道トルク配線20の結晶構造としては、fcc構造、bcc構造が考えられる。
図6及び図7は、界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20の接合界面を模式的に示した図である。図6及び図7に示すように界面歪み供給層30がルチル構造を有する場合、z方向から見て正方形の各頂点及び中央に配置されたAサイトと、中央のAサイトを取り囲む4つのBサイトによって一つの単位格子が形成される。すなわち、界面歪み供給層30の格子定数はarutiとなる。
図6に示すようにスピン軌道トルク配線20がfcc構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上にConC成長する。
そのため、fcc構造を有する界面歪み供給層30の格子定数をafccとすると、以下の式(3)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
また図7に示すようにスピン軌道トルク配線20がbcc構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上にR45成長する。
そのため、bcc構造を有する界面歪み供給層30の格子定数をabccとすると、以下の式(4)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
ルチル構造をとる界面歪み供給層30を構成する材料としては、二酸化チタン(TiO)、二酸化マンガン(MnO)、二酸化ルテニウム(RuO)、二酸化スズ(SnO)等がある。これらの中でも二酸化マンガン(MnO)は、格子不整合度が適切な範囲にあり、適度な格子歪みを生み出すことができる。
また、界面歪み供給層30はコランダム構造を有する場合がある。コランダム構造上に界面歪みを発生させつつ結晶成長するスピン軌道トルク配線20の結晶構造としては、fcc構造、bcc構造、hcp構造が考えられる。
図8、図9及び図10は、界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20の接合界面を模式的に示した図である。図8、図9及び図10に示すように界面歪み供給層30がコランダム構造を有する場合、単位格子は4つのAサイトを結ぶ平行四辺形となる。すなわち、界面歪み供給層30の格子定数はacorとなる。
図8に示すようにスピン軌道トルク配線20がfcc構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上に<111>方向に結晶成長する。そのため、スピン軌道トルク配線20の界面歪み供給層30と整合する面は、(111)面である。
fcc構造の(111)面は、三角形状に配置された原子が最密状態で配列している。この三角形の1辺は、単位格子afccの対角線の長さと等しい。そのため、fcc構造の(111)面における三角形と、コランダム構造の周期性を有する構造と、の対応関係が格子不整合度となる。コランダム構造では、図8に示すように、Aサイトを繋ぐ三角形が周期性を有する。すなわち、以下の式(5)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
一方で、図9に示すようにスピン軌道トルク配線20がbcc構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上に<110>方向に結晶成長する。そのため、スピン軌道トルク配線20の界面歪み供給層30と整合する面は、(110)面である。
bcc構造の(110)面は、長方形状に原子が配列する。この長方形の長辺は、単位格子abccの対角線の長さと等しい。そのため、bcc構造の(110)面における長方形と、コランダム構造の周期性を有する構造と、の対応関係が格子不整合度となる。図9に示すように、コランダム構造では、中央にAサイトを有する4つのAサイトを繋ぐ長方形が周期性を有する。すなわち、以下の式(6)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
また、図10に示すようにスピン軌道トルク配線20がhcp構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上に<0001>方向に結晶成長する。そのため、スピン軌道トルク配線20の界面歪み供給層30と整合する面は、(0001)面である。
hcp構造の(0001)面は、原子が六方最密状に配列する。この六角形の一辺が、単位格子ahcpである。一方で、コランダム構造においてAサイトを繋いで作る六角形は、周期性を有する。そのため、hcp構造の(0001)面における六角形と、コランダム構造において周期性を有する六角形と、の一致度が格子不整合度となる。すなわち、以下の式(7)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
hcp構造をとるスピン軌道トルク配線20としては、チタン(Ti)等が挙げられる。コランダム構造をとる界面歪み供給層30を構成する材料としては、酸化アルミニウム(Al)、三酸化二チタン(Ti)、三酸化二バナジウム(V)、三酸化二クロム(Cr)、三酸化二鉄(Fe)、三酸化二ガリウム(Ga)、三酸化二ルテニウム(Rh)等がある。
また、界面歪み供給層30はスピネル構造を有する場合がある。スピネル構造上に界面歪みを発生させつつ結晶成長するスピン軌道トルク配線20の結晶構造としては、bcc構造が考えられる。
図11は、界面歪み供給層30とスピン軌道トルク配線20の接合界面を模式的に示した図である。図11に示すように界面歪み供給層30がスピネル構造を有する場合、単位格子は4つのAサイトを結ぶ四角形となる。界面歪み供給層30の格子定数はaspinelである。
図11に示すようにスピン軌道トルク配線20がbcc構造の場合、スピン軌道トルク配線20は、界面歪み供給層30上にR45成長する。スピネル構造の場合、単位格子は、単位格子の4分の1の大きさの正方形が繰り返されて形成されているため、単位格子の4分の1の大きさの正方形と、界面歪み供給層30と一致度が格子不整合度となる。すなわち、以下の式(8)が格子不整合度を示す式となる。
Figure 2018073934
界面歪み供給層30は、絶縁体であることが好ましい。界面歪み供給層30が絶縁体であれば、スピン軌道トルク配線20に流した電流が界面歪み供給層30に漏れることが無い。純スピン流は、スピン軌道トルク配線20内を流れる電流によって生じる。界面歪み供給層30を絶縁体とすることで、スピン軌道トルク配線20に十分な電流を印加できる。
一方で、界面歪み供給層30の厚みが1nm以下であれば、界面歪み供給層30は導体でもよい。ここで、導体とは、1mΩcm以下の抵抗率を有するものを意味する。界面歪み供給層30の厚みが十分薄ければ、界面歪み供給層30に多くの電流を流すことはできず、十分な量の電流をスピン軌道トルク配線20に流すことができる。
界面歪み供給層30に用いることができる導体としては、窒化物等が挙げられる。例えばヘキサゴナル構造を有するTaN、NaCl構造を有するTaN等を用いることができる。例えば、TaNの抵抗率は198μΩcm(0.198mΩcm)である。
上述のように、本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、界面歪み供給層30を設けることで、スピン軌道トルク配線20内に内場を形成できる。すなわち、ラシュバ効果により、スピンホール効果を増大させ、第1強磁性金属層1に注入されるスピン量を増やすことができる。つまり、少ない反転電流密度でも、十分なスピンを供給することができ、第1強磁性金属層1の磁化を反転できる。
このようなスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、磁気メモリ、高周波磁気デバイス等に用いることができる。
(製造方法)
スピン軌道トルク型磁化反転素子は、スパッタリング法等の成膜技術と、フォトリソグラフィー等の形状加工技術を用いて得ることができる。
まず支持体となる基板上に、界面歪み供給層、及びスピン軌道トルク配線を作製する。スピン軌道トルク配線を構成する金属を、スパッタリング等の公知の成膜手段で成膜する。次いで、フォトリソグラフィー等の技術を用いて、スピン軌道トルク配線を所定の形状に加工する。
そして、スピン軌道トルク配線以外の部分は、酸化膜等の絶縁膜で覆う。スピン軌道トルク配線及び絶縁膜の露出面は、化学機械研磨(CMP)により研磨することが好ましい。
次いで、磁気抵抗効果素子を作製する。磁気抵抗効果素子はスパッタリング等の公知の成膜手段を用いて作製できる。磁気抵抗効果素子がTMR素子の場合、例えば、トンネルバリア層は第1強磁性金属層上に最初に0.4〜2.0nm程度のマグネシウム、アルミニウム、及び複数の非磁性元素の二価の陽イオンとなる金属薄膜をスパッタリングし、プラズマ酸化あるいは酸素導入による自然酸化を行い、その後の熱処理によって形成される。成膜法としてはスパッタリング法のほか、蒸着法、レーザアブレーション法、MBE法等が挙げられる。
得られた積層膜は、アニール処理することが好ましい。反応性スパッタで形成した層は、アモルファスであり結晶化する必要がある。例えば、強磁性金属層としてCo−Fe−Bを用いる場合は、Bの一部がアニール処理により抜けて結晶化する。
アニール処理して製造した磁気抵抗効果素子10は、アニール処理しないで製造した磁気抵抗効果素子10と比較して、MR比が向上する。アニール処理によって、非磁性層3のトンネルバリア層の結晶サイズの均一性および配向性が向上するためであると考えられる。
アニール処理としては、Arなどの不活性雰囲気中で、300℃以上500℃以下の温度で、5分以上100分以下の時間加熱した後、2kOe以上10kOe以下の磁場を印加した状態で、100℃以上500℃以下の温度で、1時間以上10時間以下の時間加熱することが好ましい。
磁気抵抗効果素子を所定の形状にする方法としては、フォトリソグラフィー等の加工手段を利用できる。まず磁気抵抗効果素子を積層した後、磁気抵抗効果素子のスピン軌道トルク配線と反対側の面に、レジストを塗工する。そして、所定の部分のレジストを硬化し、不要部のレジストを除去する。レジストが硬化した部分は、磁気抵抗効果素子の保護膜となる。レジストが硬化した部分は、最終的に得られる磁気抵抗効果素子の形状と一致する。
そして、保護膜が形成された面に、イオンミリング、反応性イオンエッチング(RIE)等の処理を施す。保護膜が形成されていない部分は除去され、所定の形状の磁気抵抗効果素子が得られる。
本発明は、上記実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の構成及び製造方法に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、スピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁気抵抗効果素子10を必ずしも有する必要はなく、強磁性金属層単体がスピン軌道トルク配線20上に設けられた構成でもよい。
図12は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の別の例を模式的に示した図である。図12に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子101は、磁化方向が変化する第1強磁性金属層1と、スピン軌道トルク配線20と、界面歪み供給層30と、を有する。
スピン軌道トルク型磁化反転素子101の第1強磁性金属層1の磁化は、スピン軌道トルク配線20から供給される純スピン流により生じるSOTにより磁化反転する。また界面歪み供給層30が、スピン軌道トルク配線20の第1強磁性金属層1と反対側の面に設けられているため、より多くのスピンを第1強磁性金属層1に注入できる。つまり、少ない反転電流密度で、第1強磁性金属層1の磁化を反転できる。
図12に示すようなスピン軌道トルク型磁化反転素子101は、カー効果やファラデー効果を利用した磁気光学素子として用いることができる。
また界面歪み供給層は、スピン軌道トルク配線の強磁性金属層と反対側に設けなくてもよい。例えば、第1強磁性金属層の磁化の向きが歪んでもよいのであれば、スピン軌道トルク配線と第1強磁性金属層の間に界面歪み供給層を設けてもよい。また界面歪み供給層を設けずに、スピン軌道トルク配線と第1強磁性金属層の間の界面を単に歪ませてもよい。ただしこの場合、カー効果等の磁気光学効果及び磁気抵抗効果素子のMR比は低下する。
(格子不整合度の算出)
スピン軌道トルク配線に用いる材料と界面歪み供給層に用いる材料をそれぞれ変更して、材料毎で格子不整合度を求めた。
それぞれの材料の格子定数は、実測及び計算により求めた。計算には、非特許文献3のサイトを用いて求めた。なお、非特許文献3のサイトは非特許文献4に基づいて作成されている。
まず界面歪み供給層としてNaCl構造を有する材料を選択した。これに対するスピン軌道トルク配線を変更し、それぞれの格子不整合度を式(1)及び式(2)に基づき求めた。スピン軌道トルク配線がfcc構造の場合はConC成長しているものとし、bcc構造の場合はR45成長しているものとした。その結果を表1に示す。
Figure 2018073934
次いで界面歪み供給層としてルチル構造を有する材料を選択した。これに対するスピン軌道トルク配線を変更し、それぞれの格子不整合度を式(3)及び式(4)に基づき求めた。スピン軌道トルク配線がfcc構造の場合はConC成長しているものとし、bcc構造の場合はR45成長しているものとした。その結果を表2に示す。
Figure 2018073934
次いで界面歪み供給層としてコランダム構造を有する材料を選択した。これに対するスピン軌道トルク配線を変更し、それぞれの格子不整合度を式(5)、式(6)及び式(7)に基づき求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2018073934
次いで界面歪み供給層としてスピネル構造、ウルツ鉱型構造、ヘキサゴナル構造を有する材料を選択した。これに対するスピン軌道トルク配線を変更した。スピネル構造については、格子不整合度を式(8)に基づき求めた。
ウルツ鉱型構造及びヘキサゴナル構造は、原子が平面視六角形状に配置している。そのため、その格子定数と、fcc構造の(111)面における周期構造を有する六角形の1辺、bcc構造の(110)面における周期構造を有する六角形の1辺又はhcp構造の格子定数と、が一致するとして、格子不整合度を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2018073934
(反転電流密度の測定)
表1〜表4に示す材料種の組合せからいくつかの組合せの反転電流密度を測定した。反転電流密度は、磁気抵抗効果素子の抵抗値が変化した際の電流を、スピン軌道トルク配線をy方向に切断した際の断面積で割って求めた。反転電流密度は、磁化が平行状態から反平行状態に変わる際の値と、反平行状態から平行状態に変わる際の値の絶対値の平均値で求めた。
電流はスピン軌道トルク配線の両端に直流電流源を接続して流した。電流はパルス幅が0.5秒のパルス電流とした。電流量はスピン軌道トルク配線の両端に接続した直流電流計によって測定した。磁気抵抗効果素子の抵抗値変化は、磁気抵抗効果素子に対してスピン軌道トルク配線を下部電極とし、スピン軌道トルク配線と反対側に上部電極を設け、4端子法にて測定した。上部電極と下部電極間には直流電流源と、直流電圧計を接続した。
反転電流密度を測定するスピン軌道トルク型磁化反転素子は以下のような構成とした。
まず、基板上に界面歪み供給層を20nm成長させた。なお。界面歪み供給層が導体の場合は、膜厚を変化させたTaN又はTaNを成長させた。基板は、界面歪み供給層がエピタキシャル成長できるように単結晶基板とした。単結晶の種類は、表5に示すように界面歪み供給層に用いる材料にあわせて選択した。
次いで、界面歪み供給層上に、スピン軌道トルク配線を構成する材料を10nm成膜した。その後、フォトリソグラフィーを用いて成膜した膜を幅200nm長さ1000nmの長方形状に加工し、スピン軌道トルク配線を作製した。フォトリソグラフィーで削除した部分には絶縁体としてSiOを形成し、スピン軌道トルク配線及び絶縁体をCMP研磨して平坦面を作製した。
次いで、作製した平坦面上に第1強磁性金属層として0.9nm厚のFe、非磁性層として1.6nm厚のMgO、第2強磁性金属層として1.3nm厚のCoFeB、キャップ層として3nm厚のRuと5nm厚のTaを順に成膜した。その後、フォトリソグラフィーとArイオンミリングを用いて、直径100nmの円柱状の磁気抵抗効果素子を作製した。
スピン軌道トルク型磁化反転素子の界面歪供給層及びスピン軌道トルク配線の材料を表1〜4に示す組合せからいくつか選択して反転電流密度を測定した結果を表5に示す。また比較例1として、界面歪み供給層を有していない場合の反転電流密度も測定した結果も同時に表5に示す。
Figure 2018073934
表5に示すように界面歪み供給層を導入した実施例1〜22はいずれも、界面歪み供給層を有していない比較例1よりも反転電流密度が小さかった。すなわち、界面歪み供給層を導入することで、第1強磁性金属層の磁化が反転しやすくなっている。この傾向は、界面歪み供給層及びスピン軌道トルク配線の結晶構造によらず確認された。
また実施例6、実施例14、実施例18、実施例21及び実施例22に示すように、格子不整合度が大きい(格子が大きく歪んでいる)場合は、反転電流密度は実施例1の場合より大きい。また実施例7に示すように、格子不整合度が小さい(格子が比較的整合している)場合も、実施例1の場合より反転電流密度が大きい。すなわち、格子不整合度は5%以上10%以下の範囲であることが特に好ましいと言える。
また実施例8〜12を比較すると、導電性を有するTaNの厚みが1.0nmを超えた辺りから反転電流密度が大きくなっている。界面歪み供給層の厚みが増すにつれて界面歪み供給層に流れる電流量が増え、相対的にスピン軌道トルク配線に流れる電流量が低下したためと考えられる。
(結晶構造の測定)
スピン軌道トルク配線及び磁気抵抗効果素子を界面歪み供給層上に形成すると、結晶構造を確認できないため、界面歪み供給層の結晶構造は別途試料を作製して確認した。
結晶構造確認用の試料としては、表5に示す各単結晶基板上に、界面歪み供給層を20nm、Ta層を10nm順に積層したものを準備した。そしてこの試料のX線回折(XRD)を測定して結晶構造を測定した。XRDは、面直測定(out of plane XRD)と面内測定(in plane XRD)を行った。
また同時に、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて原子配列を直接確認した。透過型電子顕微鏡(TEM)像では、スピン軌道トルク配線及び界面歪み供給層の結晶を構成する原子が確認でき、原子の並びからヘテロエピタキシャル成長していることを確認した。
またヘテロエピタキシャル成長していることから、スピン軌道トルク配線と界面歪み供給層の格子は理論的な格子定数からずれ、歪んでいることがわかる。TEM像からはどの程度の歪みが生じているか定量的に判断することは困難であるが、スピン軌道トルク配線と界面歪み供給層との格子定数の違いから判断して界面で結晶が歪んでいることを確認した。さらに、TEM像のフーリエ変換により得られるスポット像に対して、面直方向の原子配列のスポットのみを残し逆フーリエ変換した像では、原子が連続して並ぶとスピン軌道トルク配線と界面歪み供給層で線が繋がる像が得られる。しかし、本実施例で得られたTEM像ではスピン軌道トルク配線と界面歪み供給層の界面の一部で線が断線していることが確認でき、これは歪みを示すミスフィット転位であることを確認することができた。
1…第1強磁性金属層、2…第2強磁性金属層、3…非磁性層、10…磁気抵抗効果素子、20…スピン軌道トルク配線、30…界面歪み供給層、100,101…スピン軌道トルク型磁化反転素子、S1…第1スピン、S2…第2スピン、I…電流、Js…純スピン流、A…Aサイト、B…Bサイト

Claims (11)

  1. 磁化方向が変化する強磁性金属層と、
    前記強磁性金属層と接合するスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記強磁性金属層と反対側の面に接合する界面歪み供給層と、を有するスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  2. 前記スピン軌道トルク配線と前記界面歪み供給層との格子不整合度が、5%以上である、請求項1に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  3. 前記スピン軌道トルク配線と前記界面歪み供給層との格子不整合度が、5%以上10%以下である、請求項2に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  4. 前記スピン軌道トルク配線は、fcc構造を有し、
    前記界面歪み供給層は、NaCl構造、コランダム構造又はルチル構造のいずれかを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  5. 前記スピン軌道トルク配線は、bcc構造を有し、
    前記界面歪み供給層は、NaCl構造、コランダム構造、ルチル構造又はスピネル構造のいずれかを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  6. 前記スピン軌道トルク配線は、hcp構造を有し、
    前記界面歪み供給層は、コランダム構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  7. 前記界面歪み供給層が絶縁体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  8. 前記界面歪み供給層が厚み1nm以下の導体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  9. 前記スピン軌道トルク配線の厚みが、スピン軌道トルク配線を構成する材料のスピン拡散長の2倍以下の厚みである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  10. 前記強磁性金属層の前記スピン軌道トルク配線と反対側の面に、非磁性層と、磁化方向が固定された固定層とをさらに有する請求項1〜9のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子を用いた磁気メモリ。
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