JP2018073661A - 照明装置及び照明制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】照射方向ごとに出射光量を設定することができる照明装置及び照明制御システムを提供する。【解決手段】照明装置A1は、光を出射する発光部100と、発光部100を覆うように配置された液晶部200と、液晶部200における光の透過率を、発光部100の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部500とを有する。また、照明装置A1及び照明制御システムは、外部から設定情報D1を取得する通信部300と、マップ情報D4が記憶された記憶部400と、ユーザー操作部600とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エリアごとに異なる照度を設定することができる照明装置及び照明制御システムに関し、特に、施設照明に用いられる照明装置及び照明制御システムに関する。
体育館又は競技場等の施設では、複数種の競技を同時に行う場面が多々あるが、競技毎に適正照度は異なる。このような施設の照明システムでは、適正照度が異なる競技を同時に実施する場合、一般的に、予め競技で使用する床面エリアの直上に位置する複数の照明器具をグループ化し、各グループに競技毎の照度を設定しておき、使用時は、スイッチ又はリモコン操作により、当該グループの照度を設定された照度に調整する。例えば、天井を見上げながら行う第1の競技と、手元を見ながら行う第2の競技を同時に行う場合、一般的に第2の競技の方の適正照度が高いため、第1の競技の行われる床面エリアの真上に位置する照明器具(照明器具のグループ)の照度を低く、第2の競技の行われる床面エリアの真上に位置する照明器具(照明器具のグループ)の照度を高く設定する。特許文献1には、グループ毎に点灯制御を行う照明制御システムに関する技術が記載されている。
特開2014−192005号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、照明装置の照射方向ごとに出射光量を設定することができない。このため、例えば、適正照度が高い第2の競技の床面エリアの真上に位置する照明装置から出射された光が、適正照度が低い第1の競技の競技者の視界に入ることがあり、この場合に、適正照度が低い第1の競技の競技者はまぶしさを感じる問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、照射方向ごとに出射光量を設定することができる照明装置及びエリアごとに異なる照度を設定することができる照明制御システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る照明装置は、光を出射する発光部と、前記発光部を覆うように配置された液晶部と、前記液晶部における前記光の透過率を、前記発光部の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部とを有する。
本発明によれば、照射方向ごとに照明装置の出射光量を設定することができるので、照明装置によって照明されるエリアごとに異なる照度を設定することができる。
本発明の実施の形態に係る照明装置及び照明制御システムの概略的な構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る照明装置の外観図である。 (a)及び(b)は、実施の形態における液晶部の概略的な構成を示す図である。 実施の形態に係る照明制御システムにおける設定情報を概略的に示す図である。 実施の形態に係る照明制御システムにおけるマップ情報を概略的に示す図である。 実施の形態に係る照明制御システムにおける処理部により算出された方角と、この方角に面したY電極及びX電極の交点とを示す図である。 実施の形態に係る照明制御システムにおける処理部により抽出された電極(電極の交点)と、電極における印加電圧のマトリックス情報を示す図である。 実施の形態に係る照明装置及び照明制御システムを適用した場合の各エリアにおける照度を示す図である。 実施の形態に係る照明装置及び照明制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
実施の形態.
《1》構成
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムの概略的な構成を示すブロック図であり、図2は、実施の形態に係る照明装置A1の外観図である。
図1に示されるように、実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムは、光を出射する光源としての発光部100と、発光部100を覆うように配置された液晶部200と、液晶部200における光の透過率を、発光部100の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部としての処理部500とを有している。また、照明装置A1及び照明制御システムは、通信部300と、記憶部400と、ユーザー指示が入力されるユーザー操作部600とを有してもよい。
図2に示されるように、実施の形態に係る照明装置A1は、例えば光源として機能する発光部100に、半球状(すなわち、半球面)の液晶部200が発光部100を覆うカバーとして装着された外観を有する。なお、発光部100に供給される電力は、コンセントによる外部給電により供給してもよいし、蓄電池などの電池による内部給電により供給してもよい。
発光部100は、例えば、LED(発光ダイオード)素子で構成される光源である。実施の形態では、発光部100は、LED素子に限定されるものではなく、白熱球又は蛍光灯などのような他の発光手段であってもよい。
液晶部200は、印加電圧に応じて液晶の配列方向を変えて(その結果、透過光の偏光方向をねじ曲げて)、透過光量を調節する機能を有する。液晶部200は、後述するように、より広範囲のエリアの照度を設定できるようにするため、できるだけ正半球(すなわち、正半球面)に近い形状を有することが望ましい。ただし、液晶部200の形状は半球状又は正半球には限定されない。液晶部200の形状は、例えば、平面形状であってもよい。また、液晶部200の形状は、発光部100と反対側を凸状にした曲面であってもよい。また、液晶部200の形状は、発光部100の発光中心を中心とする球状(すなわち、球面)であってもよい。液晶部200の形状が半球状又は球状である場合には、発光部100の発光中心と、液晶部200の半球又は球の中心とは一致することが望ましい。
実施の形態に係る照明制御システムにおいて、通信部300は、外部(例えば、ユーザー操作部600)から設定情報D1を取得する。通信部300は、例えば、ユーザーにより設定された情報を設定情報D1として取得する。通信部300が取得した設定情報D1は、処理部500に入力される。
記憶部400には、照明装置A1の位置情報D5及びエリア情報D2を含むマップ情報D4が予め記憶されている。記憶部400に記憶された情報は、処理部500による処理の際に参照される。
処理部500は、通信部300から取得された設定情報D1と、記憶部400に記憶されている照明装置A1の位置情報D5及びマップ情報D4とを参照することにより、電圧を印加する液晶部200の電極の決定及び、液晶部200の電極に印加する電圧の算出を行う。処理部500は、液晶部200における光の透過率を、発光部100の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部としての機能を有する。
なお、記憶部400及び処理部500は、必ずしも照明装置A1の発光部100と同じ位置に備えられる必要はない。例えば、照明装置A1と通信可能であるリモコンなどのようなユーザー操作部600が、記憶部400と処理部500とを備えていてもよい。この場合には、照明装置A1と、記憶部400と処理部500を含むユーザー操作部600とが、照明制御システムを構成する。なお、複数の照明装置A1と、1つのユーザー操作部600とで、1つの照明制御システムを構成することも可能である。
図3(a)及び(b)は、実施の形態における液晶部200の概略的な構成を示す図である。図3(a)には、電極間に電圧を印加していない場合が示されており、図3(b)には電極間に電圧を印加している場合が示されている。図3(a)及び(b)に示される液晶部200は、例えば、TN(Twisted Nematic)液晶である。
図3(a)及び(b)に示されるように、液晶部200は、偏光フィルター211と、偏光フィルター212と、配向膜221と、配向膜222とを有する。偏光フィルターは、特定方向に偏光した光のみを通過させるフィルターである。偏光フィルター211が通過させる光の偏光方向(a方向)と偏光フィルター212が通過させる光の偏向方向(b方向)とは、互いに直交する。つまり、偏光フィルター211を通過する光は、a方向の偏光方向を有し、偏光フィルター212を通過する光は、a方向とは直交するb方向の偏光方向を有する。配向膜221は、複数のY電極231を有し、配向膜222は、複数のX電極232を有する。
図3(a)及び(b)に示されるように、配向膜221及び配向膜222は、配向膜にある溝の向きが90度異なるように構成され、配向膜221及び配向膜222の内側にあるY電極231及びX電極232もまた、向きが90度異なるように構成される。Y電極231とX電極232との間には、液晶層240が配置される。液晶層240は、液晶分子241を内包する。
実施の形態における液晶部200では、Y軸方向に延びる複数のY電極231及びX軸方向に延びる複数のX電極232は、長手方向の向きが互いに90度異なるため、Y電極231及びX電極232に電圧を印加した場合、電圧が印加されたY電極231及びX電極232の交点に位置する液晶分子241のみに、電圧が印加される。
ここで、直交する電極の交点のみに電圧を印加して液晶分子の向きを変える方式は、単純マトリックス駆動方式(パッシブマトリックス駆動方式)と呼ばれるが、本発明に適用可能な液晶駆動方式は、液晶層240の任意の位置に電圧を印加できる方式であれば他の駆動方式であってもよい。
まず、図3(a)に示される電極間に電圧を印加していない場合について説明する。図3(a)に示されるように、偏光フィルター211には、発光部100から出射された光が入射される。偏光フィルター211は、入射光の偏光成分のうち、図3(a)におけるa方向の偏光成分のみを通過させる機能を有する。したがって、偏光フィルター211を通過した光は、a方向の偏光方向の光となる。偏光フィルター211を通過した光は、配向膜221に入射される。
ここで、液晶分子241は、電極の溝の向きに沿うように並ぶ。したがって、Y電極231付近の液晶分子241は、a方向を向いて並ぶ。また、X電極232付近の液晶分子241は、b方向を向いて並ぶ。Y電極231とX電極232との間の液晶分子241は、Y電極231からX電極232に近づくに従い、a方向から次第にb方向を向くようにねじれながら並ぶ。
ここで、電極間を進む光は、液晶分子241の隙間に沿って進むため、偏光フィルター211によりa方向の偏光方向となった光は、液晶分子241のねじれに影響されて、電極間を通過する際に、偏光方向が90度回転する。したがって、配向膜222に入射する光は、b方向の偏光方向の光となる。このため、X電極232及び配向膜222を通過し、偏光フィルター212に入射した光は、b方向の偏光方向の光を通過させる偏光フィルター212を通過する。
一方、図3(b)に示される電極間に電圧が印加された場合においては、電圧が印加されると液晶分子241は垂直方向の電界に沿って並ぶため、液晶分子241は垂直方向を向いて並ぶ。液晶層240を通過する光は垂直方向に並んだ液晶分子241の並びに沿って、直進する。したがって、液晶層240に入射したa方向の偏光方向を有する光は、偏光方向が回転せず、a方向の偏光方向のまま偏光フィルター212に入射する。よって、偏光フィルター212に入射した光は、偏光フィルター212を通過することができない。
図4は、実施の形態に係る照明制御システムにおける設定情報D1を概略的に示す図である。設定情報D1は、照明装置A1を使用するユーザーが、例えば、ユーザー操作部600で設定する情報である。ユーザーによって設定された設定情報D1は、通信部300に対して送信され、通信部300によって取得される。以下の説明では、ユーザーが照度を設定したいエリアが、例えば、後述するAエリアであるものとして説明する。
図4に示されるように、設定情報D1は、エリア情報D2と、照度情報D3とを有する。エリア情報D2は、ユーザーが照度を設定したいエリア(被照明領域)の範囲を示す情報であり、例えば、照度を設定したいエリアが四角形の場合、四角形の隅の4つの座標により示される。図4には、一例として、Aエリアの座標に関する情報が示されている。照度情報D3は、照度を設定したいエリアに設定する照度を示す情報であり、例えば、ルクス(lx)の単位により示される。
図5は、実施の形態に係る照明制御システムにおけるマップ情報D4を概略的に示す図である。図5には、XYZ直交座標系の座標軸が矢印X、Y、Zで示されている。図5に示されるように、実施の形態におけるマップ情報D4は、実施の形態に係る照明装置A1が使用される施設における照明エリアの分布に関する6つのエリア情報D2(AエリアからFエリア)を含む。また、実施の形態におけるマップ情報D4は、照明装置A1が設置される位置に関する位置情報D5を含む。図5においては、照明装置A1は、6つのエリアの中央(XY座標面における中央)に配置されている。位置情報D5は、例えば、(X,Y,Z)座標により示される。
処理部500は、ユーザーが照度を設定したいエリアに関するエリア情報D2(例えば、Aエリア)と、照明装置A1の位置を示す位置情報D5とから、照明装置A1からユーザーが設定したエリアまでの方角Pを算出する。方角Pは、照明装置A1の発光部100の発光中心から見た各エリアへの方角を示す。
図6は、実施の形態に係る照明制御システムにおける処理部500により算出された方角Pと、方角Pに面したY電極231及びX電極232の交点とを示す図である。図6の液晶部200における横線には、X電極232が示されており、図6の液晶部200における縦線には、Y電極231が示されている。また、図6の液晶部200における縦線と横線との交点は、Y電極231とX電極232との交点である。
処理部500により、図6における矢印方向の方角Pにあるエリアの照度を調整したい場合には、方角Pに面したY電極231及びX電極232の交点は、図6に示される範囲T内にある交点となる。図6における範囲T内にある交点に対して、設定したい照度に応じた電圧を印加することにより、方角Pの方向における照度を調整することができる。
図7は、実施の形態に係る照明制御システムにおける処理部500により抽出された照明装置A1の電極(電極の交点)と、電極における印加電圧のマトリックス情報D6を示す図である。図7は、例えば、処理部500により算出された方角Pに面したY電極231及びX電極232の交点に印加される電圧の値を示している。図7に示されるように、例えば、X電極1とY電極1の交点(X1、Y1)における印加電圧は、3.1Vである。方角Pの方向における照度を下げたい場合には印加電圧を増加させる。方角Pにおける照度を上げたい場合には、印加電圧を減少させる。
図8は、実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムを適用した場合の各エリアにおける照度を示す図である。図8には、照明装置として、照明装置A1,A2,B1,B2が示されており、また、競技施設における床面エリアとしてAエリアとBエリアが例示されている。照明装置A1,A2はAエリアの真上に位置する照明装置であり、照明装置B1,B2は、Bエリアの真上に位置する照明装置である。図8において、Aエリアは照度を低く設定したいエリアであり、Bエリアは照度を高く設定したいエリアである。また、図8における点線は、照度が低いエリアを照明する弱い光を示しており、図8における実線は、照度が高いエリアを照明する強い光を示している。
図8に示されるように、Aエリアには各照明装置A1,A2,B1,B2からの照明光が照射されるが、照明装置A1,A2から真下に向かう光の光量を低く設定することにより、照明装置A1,A2は、Aエリアの照度を低くするように、弱い光をAエリアに向けて照射する。また、照明装置B1,B2から斜め下方向(Aエリアに向かう方向)へ向かう光の光量を低く設定することにより、照明装置B1,B2は、Aエリアの照度を低くするように、弱い光をAエリアに向けて照射する。したがって、各照明装置A1,A2,B1,B2からAエリアに照射される光は一様に弱い光となり、Aエリアの照度を一様に低く設定することができる。これにより、Aエリアから見て、全ての照明装置の明るさが均一に低くなるように設定することができる。
図8に示されるように、Bエリアには各照明装置A1,A2,B1,B2からの照明光が照射されるが、照明装置B1,B2から真下に向かう光の光量を高く設定することにより、照明装置B1,B2は、Bエリアの照度を高くするように、強い光をBエリアに向けて照射する。また、照明装置A1,A2から斜め下方向(Bエリアに向かう方向)へ向かう光の光量を高く設定することにより、照明装置A1,A2は、Bエリアの照度を高くするように、強い光をBエリアに向けて照射する。したがって、各照明装置B1,B2,A1,A2からBエリアに照射される光は一様に強い光となり、Bエリアの照度を一様に高く設定することができる。これにより、Bエリアから見て、全ての照明装置の明るさが均一に高くなるように設定することができる。
したがって、照明装置A1〜B2に対し、Aエリアにおける照度と、Bエリアにおける照度を、同時且つ別々に設定できるため、各エリアから見て全ての照明装置(A1〜B2)の明るさが均一となるように設定することができる。言い換えれば、照明制御システムにおいて、液晶制御部としての処理部500は、エリアの位置を示すエリア情報と照明装置A1〜B2の位置を示す位置情報とユーザーが設定した設定情報とから、照明装置A1〜B2の各々の発光部100から複数のエリアのうちの設定情報で指定されたエリアに向かう方角を算出し、照明装置A1〜B2の各々の液晶部200のうちの発光部100から見て算出された方角に配置されている領域の光の透過率を調整する。また、この調整は、ユーザーが設定した設定情報に含まれる照度情報に応じて行われる。
《2》動作
次に、以上のように構成された実施の形態に係る照明装置A1の動作について説明する。
図9は、実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図9に示されるように、照明装置A1及び照明制御システムの動作が開始されると、まず、ユーザーは、照度を設定したいエリアの範囲を示すエリア情報D2と、エリアに設定する照度を示す照度情報D3を、設定情報D1として照明装置A1に送信する(ステップS101)。
続いて、通信部300は、ユーザーから送信された設定情報D1を取得する(ステップS102)。
続いて、処理部500は、通信部300が設定情報D1を取得すると、予め記憶部400に記憶された図6に示すような施設内のマップ情報D4から、エリア情報D2に対応する設定エリアを抽出する(ステップS103)。
続いて、処理部500は、予め記憶部400に記憶された照明装置A1の位置情報D5と、抽出したエリア情報D2に対応する設定エリアに基づき、照明装置A1からユーザーが設定した設定エリアに向かう方角Pを算出する(ステップS104)。
続いて、処理部500は、図6に示すように、ステップS104において算出された方角Pに面した液晶部200の領域を駆動させるために、この領域に交点を有するY電極231及びX電極232を全て抽出する(ステップS105)。
続いて、処理部500は、設定情報D1に含まれる照度情報D3に基づき、ステップS105で抽出した前記Y電極231及びX電極232に印加する印加電圧を決定する(ステップS106)。
続いて、処理部500は、抽出したY電極231及びX電極232及び印加電圧を図8に示すようなマトリックス情報D6として生成する(ステップS107)。
続いて、処理部500は、生成したマトリックス情報D6を設定情報D1と紐付けして記憶部400に記憶する(ステップS108)。
続いて、液晶部200は、マトリックス情報D6に基づき、ステップS105で抽出したY電極231及びX電極232に、ステップS107で決定された電圧を印加することにより、ステップS105で抽出したY電極231及びX電極232の交点が位置する領域(液晶部200の領域)の光(発光部100から出射され液晶部200の内面に入射した光)の透過率を調整する(ステップS109)。
このように、例えば、処理部500が生成したマトリックス情報D6に含まれる、液晶部200の特定の領域の透過率を調整するための電極(Y電極231及びX電極232)の印加電圧を大きくし、前記特定の領域以外の領域の電極の印加電圧を小さくすることにより、算出した方角に対してのみ、偏光フィルター212を通過する光の量(透過率)を小さくできるため、算出した方角から見た場合は液晶部200全体が暗く見えるが、他の方角から見た場合は液晶部200全体が明るく見えるという状況を作り出すことができる。
《3》効果
以上のように、実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムによれば、液晶部200が、ユーザーが任意に設定した複数のエリア及び照度に応じて、各エリアの方角へ異なる透過率で発光部100から入射した光を透過させる。これにより、照射方向ごとに出射光量を設定することができる。
実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムによれば、照明装置A1が、液晶部200の電極に印加する電圧を調整することにより、ユーザーが任意に設定した複数のエリアに対して、同時且つ別々に照度を設定できる。したがって、ユーザーは、各エリア(例えば、図9のAエリア及びBエリア)における全ての照明装置(例えば、図9のA1〜B2)による照度が均一となるように設定することができる。
実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムによれば、液晶部200のY電極231及びX電極232に印加する電圧の大小により透過率を調整することにより、ユーザーは各エリアにおける照度を任意の照度に可変調整することができる。
実施の形態に係る照明装置A1及び照明制御システムによれば、液晶部200が、発光部100に対して半球状に形成されることにより、各エリアから見た液晶部200の面積が広がるため、より広範囲のエリアの照度を設定することができる。
本発明は、体育館又は競技場等の競技施設に導入される照明制御システムにおいて、施設の天井などに設置された複数の照明装置の全ての照度を、施設の床面上で行われる複数の競技の各々に適した照度に設定する場合に活用できる。
また、本発明は、体育館又は競技場等の競技施設において、各エリアに異なる照度で光を照射する照明装置について記載したが、前記競技施設に限らず、例えば舞台用の演出照明としても活用できる。
舞台では、観客席の照度は低く、舞台上の照度は高く設定する必要があり、照明装置が観客席を直接照らさぬよう、施工時に専門業者が設置位置を工夫する必要があった。また、施工後に光の向きを変えようとした場合、再度設置位置を見直す必要があり、施工に関する作業負荷が大きかった。
本発明では、一般のユーザーでも光の向きと照度を、目視で確認しながら設定できるため、施工時及び施工後の作業負荷を軽減することができる。
A1、A2、B1、B2 照明装置、 100 発光部、 200 液晶部、 211,212 偏光フィルター、 221,222 配向膜、 231 Y電極、 232 X電極、 240 液晶層、 241 液晶分子、 300 通信部、 400 記憶部、 500 処理部、 600 ユーザー操作部、 D1 設定情報、 D2 エリア情報、 D3 照度情報、 D4 マップ情報、 D5 位置情報、 D6 マトリックス情報。

Claims (10)

  1. 光を出射する発光部と、
    前記発光部を覆うように配置された液晶部と、
    前記液晶部における前記光の透過率を、前記発光部の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部と
    を有する照明装置。
  2. 前記液晶部は、前記発光部と反対側を凸状にした曲面である請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記液晶部は、前記発光部と反対側を凸状にした半球面である請求項1に記載の照明装置。
  4. 前記発光部の発光中心は、前記半球面の中心に一致する請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記液晶部は、前記発光部の発光中心を中心とする球面である請求項1に記載の照明装置。
  6. 前記液晶部に電圧を印加する電極をさらに有し、
    前記液晶制御部は、前記電極に印加する電圧を制御することによって前記透過率を変更する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 外部からの設定情報を取得する通信部と、
    前記照明装置が使用される施設における照明エリアの位置を示すエリア情報と、前記照明装置の前記施設における位置を示す位置情報とが記憶された記憶部と
    をさらに有し、
    前記液晶制御部は、前記設定情報と、前記エリア情報と、前記位置情報とに基づいて前記液晶部における光の透過率を変更する
    請求項1から6のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 前記液晶部は、TN液晶である請求項1から7のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 施設内の複数のエリアを照明する照明制御システムであって、
    光を出射する発光部と前記発光部を覆うように配置された液晶部とを具備する照明装置と、
    前記液晶部における前記光の透過率を、前記発光部の発光中心から見た方角に応じて変更する液晶制御部と、
    前記複数のエリアの位置を示すエリア情報と前記照明装置の位置を示す位置情報とが記憶された記憶部と、
    を有し、
    前記液晶制御部は、
    前記エリア情報と前記位置情報とユーザーが設定した設定情報とから、前記発光部から前記複数のエリアのうちの前記設定情報で指定されたエリアに向かう方角を算出し、
    前記液晶部のうちの、前記発光部から見て前記算出された方角に配置されている領域の光の透過率を調整する
    照明制御システム。
  10. 前記設定情報は、前記設定情報で指定されたエリアにおける照度を指定する照度情報を含み、
    前記液晶制御部は、前記液晶部のうちの前記発光部から見て前記算出された方角に配置されている領域の光の透過率を、前記照度情報に応じて調整する
    請求項9に記載の照明制御システム。
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