JP2018072298A - トルク検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で収容室内への水の侵入を抑制するトルク検出装置を提供する。
【解決手段】ハウジング12の上部開口18に挿通された入力軸13と、下部開口19に挿通された筒状の出力軸14とが、出力軸14に挿通されたトーションバー15を介して連結される。トーションバー15の下端部15Lと出力軸14との嵌合部である第1嵌合部51が、外部空間100に連通する第1嵌合隙間51Sを有する。出力軸14の内側で第1嵌合隙間51Sから出力軸14の軸方向上方YUに延在する延在空間53Sが、トルクセンサ67の収容室60に連通する。ハウジング12内で出力軸14を支持する第2軸受17と出力軸14との嵌合部である第2嵌合部52が、外部空間100と収容室60とを連通する第2嵌合隙間52Sを有する。第1嵌合隙間51Sの断面積が、第2嵌合隙間52Sの断面積よりも大きい。
【選択図】図1
【解決手段】ハウジング12の上部開口18に挿通された入力軸13と、下部開口19に挿通された筒状の出力軸14とが、出力軸14に挿通されたトーションバー15を介して連結される。トーションバー15の下端部15Lと出力軸14との嵌合部である第1嵌合部51が、外部空間100に連通する第1嵌合隙間51Sを有する。出力軸14の内側で第1嵌合隙間51Sから出力軸14の軸方向上方YUに延在する延在空間53Sが、トルクセンサ67の収容室60に連通する。ハウジング12内で出力軸14を支持する第2軸受17と出力軸14との嵌合部である第2嵌合部52が、外部空間100と収容室60とを連通する第2嵌合隙間52Sを有する。第1嵌合隙間51Sの断面積が、第2嵌合隙間52Sの断面積よりも大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、トルク検出装置に関する。
通例、電動パワーステアリング装置は、ハンドル側に連なる入力軸と、車輪側に連なる出力軸と、入力軸および出力軸を同軸上に相対回転可能に連結するトーションバーと、入力軸と出力軸との相対回転に応じて操舵トルクを検出するトルク検出部とが収容されたハウジングを備えている。トルク検出部により検出された操舵トルクに基づいて、アシスト用の電動モータが駆動され、運転者の操舵操作が補助される。ハウジング内には、出力軸を取り囲むようにして、トルク検出部の電子部品を収容する収容室が形成されている。
出力軸は、ハウジングの下部開口から突出しており、出力軸は、下側開口付近でハウジング内に保持された軸受によって支持されている。ハウジングが急冷される等してハウジング内に負圧が発生したときに、前記軸受の内輪と出力軸との嵌合部付近に水分が付着していると、その水分が、前記嵌合部の嵌合隙間を通して、ハウジング内に吸い込まれ、前記収容室に達するおそれがある。
一方、水の侵入を防止する技術として、特許文献1〜3の技術が提案されている。まず、特許文献1には、下記の技術が開示されている。すなわち、電動パワーステアリング装置において、制御装置のハウジングと接合されたカバーの穴に、蓋が取り付けられている。前記蓋に、内部と外部とを連通する通気穴が形成されており、前記通気穴に、空気を通すが水は通さないフィルタが装着されている。このため、呼吸作用により制御装置の内部と外部との圧力差が低減され、また、制御装置内への水の侵入が防止される。
また、特許文献2には、下記の技術が開示されている。すなわち、電動パワーステアリング装置において、軸支持体の外周面と鍔輪との間をシールするシール体が、減速装置のハウジングに嵌合保持されており、減速装置のハウジングとシール体との嵌合部に、空気通路が形成されている。電動モータに水がかかってモータハウジング内が負圧になるようなことがあっても、前記空気通路を介して減速装置のハウジング内からモータハウジング内に空気が導入されることにより、外部からモータハウジング内への水の吸い込みが防止される。
また、特許文献3には、下記の技術が提案されている。すなわち、電動パワーステアリング装置において、ハウジングに設けられる電気回路を収容する収容凹部が、ハウジングに結合されるカバーで閉塞された状態で、チェック孔を通して収容凹部内に空気圧を作用させて収容凹部の防水チェックが行われる。防水チェックの完了後に、チェック孔が閉塞部材で閉塞される。
特許文献1では、制御装置の内部は、モータハウジングの内部や、ギヤハウジングの内部とは、連通しておらず、特許文献1のフィルタで覆われた通気穴には、トルク検出部の電子部品を収容する収容室内へ空気供給する機能はない。
特許文献2の空気通路は、減速機を収容するハウジングの内部とモータハウジングの内部とを連通するものであり、特許文献2の空気通路には、トルク検出部の電子部品を収容する収容室内へ空気供給する機能はない。
特許文献2の空気通路は、減速機を収容するハウジングの内部とモータハウジングの内部とを連通するものであり、特許文献2の空気通路には、トルク検出部の電子部品を収容する収容室内へ空気供給する機能はない。
特許文献3において防水性チェックに用いられるチェック孔は、実際の使用状態では、閉塞部材で閉塞されているため、特許文献3のチェック孔には、電気回路を収容する収容凹部(収容室)内へ空気供給する機能はない。
そこで、前記収容室を区画するハウジングに、貫通穴を形成し、該貫通穴に、収容室と外部とを連通するブリーザ通路を有するブリーザプラグを装着することが考えられる。しかしながら、その場合、部品点数や加工工数が多くなり、構造が複雑になる。
そこで、前記収容室を区画するハウジングに、貫通穴を形成し、該貫通穴に、収容室と外部とを連通するブリーザ通路を有するブリーザプラグを装着することが考えられる。しかしながら、その場合、部品点数や加工工数が多くなり、構造が複雑になる。
本発明の目的は、簡単な構造で収容室内への水の侵入を抑制することができるトルク検出装置を提供することである。
請求項1の発明は、上部開口(18)および下部開口(19)を有する筒状のハウジング(12)と、前記上部開口に挿通され前記ハウジング内で第1軸受(16)を介して支持された入力軸(13)と、前記下部開口に挿通され前記ハウジング内で第2軸受(17)を介して支持された筒状の出力軸(14)と、前記出力軸内に挿通され、前記入力軸に固定された一端部(15U)と前記出力軸に固定された他端部(15L)とを含むトーションバーと、前記第1軸受と前記第2軸受との間で前記出力軸の外側に前記ハウジングによって少なくとも一部が区画され、電子部品(67,68)が収容された収容室(60)と、前記出力軸の軸方向下部と前記トーションバーの他端部との嵌合部である第1嵌合部(51)に設けられ前記ハウジングの外部(100)に連通された第1嵌合隙間(51S)と、前記出力軸の内周面(14b)と前記トーションバーの外周面(15a)との間に形成され前記第1嵌合隙間から前記出力軸の軸方向上方(YU)に延在し前記収容室に連通する延在空間(53S)と、前記出力軸と前記第2軸受との嵌合部である第2嵌合部(52)に設けられ前記収容室を前記ハウジングの外部に連通させる第2嵌合隙間(52S)と、を備え、前記延在空間は、毛細管現象を生じない大きさの断面積を有し、前記第1嵌合隙間の断面積が、前記第2嵌合隙間の断面積よりも大きくされている、トルク検出装置(6;6R)を提供する。
請求項2の発明は、前記第1嵌合部において、前記トーションバーの外周面および前記出力軸の内周面が、互いに当接する当接部(P1)と、互いに当接しない非当接部(P2)とを有する、請求項1に記載のトルク検出装置である。
請求項3の発明は、上部開口および下部開口を有する筒状のハウジングと、前記上部開口に挿通され前記ハウジング内で第1軸受を介して支持された入力軸と、前記下部開口に挿通され前記ハウジング内で第2軸受を介して支持された筒状の出力軸と、前記出力軸内に挿通され、前記入力軸に固定された一端部と前記出力軸に固定された他端部とを含むトーションバーと、前記第1軸受と前記第2軸受との間で前記出力軸の外側に前記ハウジングによって少なくとも一部が区画され、電子部品が収容された収容室と、前記出力軸の軸方向下部と前記トーションバーの他端部との嵌合部である第1嵌合部と、前記出力軸の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成され前記第1嵌合部から前記出力軸の軸方向上方に延在し前記収容室に連通する延在空間と、前記出力軸の外周面および内周面を貫通し前記延在空間を前記ハウジングの外部に連通させる貫通孔(43)と、前記出力軸と前記第2軸受との嵌合部である第2嵌合部に設けられ前記収容室を前記ハウジングの外部に連通させる嵌合隙間(52S)と、を備え、前記延在空間は、毛細管現象を生じない大きさの断面積を有し、前記貫通孔の断面積が、前記嵌合隙間の断面積よりも大きくされている、トルク検出装置を提供する。
請求項3の発明は、上部開口および下部開口を有する筒状のハウジングと、前記上部開口に挿通され前記ハウジング内で第1軸受を介して支持された入力軸と、前記下部開口に挿通され前記ハウジング内で第2軸受を介して支持された筒状の出力軸と、前記出力軸内に挿通され、前記入力軸に固定された一端部と前記出力軸に固定された他端部とを含むトーションバーと、前記第1軸受と前記第2軸受との間で前記出力軸の外側に前記ハウジングによって少なくとも一部が区画され、電子部品が収容された収容室と、前記出力軸の軸方向下部と前記トーションバーの他端部との嵌合部である第1嵌合部と、前記出力軸の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成され前記第1嵌合部から前記出力軸の軸方向上方に延在し前記収容室に連通する延在空間と、前記出力軸の外周面および内周面を貫通し前記延在空間を前記ハウジングの外部に連通させる貫通孔(43)と、前記出力軸と前記第2軸受との嵌合部である第2嵌合部に設けられ前記収容室を前記ハウジングの外部に連通させる嵌合隙間(52S)と、を備え、前記延在空間は、毛細管現象を生じない大きさの断面積を有し、前記貫通孔の断面積が、前記嵌合隙間の断面積よりも大きくされている、トルク検出装置を提供する。
請求項4の発明は、前記延在空間は、前記延在空間内の水を水の自重により前記延在空間から排出可能な断面積を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置である。
請求項1の発明では、収容室内に負圧が発生した場合において、第1嵌合隙間および第2嵌合隙間の何れか一方に水分が付着し、他方に水分が付着していなときには、前記他方を介して収容室内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。一方、収容室内に負圧が発生した場合において、第1嵌合隙間および第2嵌合隙間の双方に水分が付着しているときには、第2嵌合隙間よりも断面積の大きい第1嵌合隙間から延在空間の下部に水分が吸い込まれ、延在空間の上部の空気が、収容室内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間に侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸とトーションバーとの間の延在空間を用いる簡単な構造で、収容室内への水の侵入を抑制することができる。
請求項2の発明では、当接部の働きでトーションバーと出力軸とを精度良く芯合わせしつつ、トーションバーの外周面および出力軸の内周面の非当接部どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間を形成することができる。
請求項3の発明では、収容室内に負圧が発生した場合において、貫通孔および第2嵌合隙間の何れか一方に水分が付着し、他方に水分が付着していなときには、前記他方を介して収容室内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。一方、収容室内に負圧が発生した場合において、貫通孔および第2嵌合隙間の双方に水分が付着しているときには、第2嵌合隙間よりも断面積の大きい貫通孔を通して延在空間の下部に水分が吸い込まれ、延在空間の上部の空気が収容室内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間に侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸とトーションバーとの間の延在空間を用いる簡単な構造で、収容室内への水の侵入を抑制することができる。
請求項3の発明では、収容室内に負圧が発生した場合において、貫通孔および第2嵌合隙間の何れか一方に水分が付着し、他方に水分が付着していなときには、前記他方を介して収容室内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。一方、収容室内に負圧が発生した場合において、貫通孔および第2嵌合隙間の双方に水分が付着しているときには、第2嵌合隙間よりも断面積の大きい貫通孔を通して延在空間の下部に水分が吸い込まれ、延在空間の上部の空気が収容室内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間に侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸とトーションバーとの間の延在空間を用いる簡単な構造で、収容室内への水の侵入を抑制することができる。
請求項4の発明では、延在空間内に侵入した水分を、当該水分の自重により排出することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るトルク検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略断面図である。図1に示すように電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の回転軸となるステアリングシャフト3と、運転者によるステアリングホイール2の回転操作に基づいて転舵輪4を転舵させる転舵機構5と、運転者による操舵トルクを検出するトルク検出装置6と、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構7を備えている。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るトルク検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略断面図である。図1に示すように電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の回転軸となるステアリングシャフト3と、運転者によるステアリングホイール2の回転操作に基づいて転舵輪4を転舵させる転舵機構5と、運転者による操舵トルクを検出するトルク検出装置6と、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構7を備えている。
アシスト機構7は、トルク検出装置6と転舵機構5とを接続する操舵伝達軸8(例えばインターミディエイトシャフト)に一体回転可能に連結された被動ギヤ9と、被動ギヤ9と噛み合う駆動ギヤ10と、駆動ギヤ10を回転駆動する電動モータ11とを含む。
トルク検出装置6は、ハウジング12と、入力軸13と、出力軸14と、トーションバー15と、第1軸受16と、第2軸受17と、収容室60と、保持筒61と、多極磁石62と、保持筒63と、一対の磁気ヨーク64と、保持筒65と、一対の集磁要素66と、電子部品としてのトルクセンサ67と、電子部品としての信号処理部68とを主要部として含む。収容室60には、少なくとも電子部品が収容されている。
トルク検出装置6は、ハウジング12と、入力軸13と、出力軸14と、トーションバー15と、第1軸受16と、第2軸受17と、収容室60と、保持筒61と、多極磁石62と、保持筒63と、一対の磁気ヨーク64と、保持筒65と、一対の集磁要素66と、電子部品としてのトルクセンサ67と、電子部品としての信号処理部68とを主要部として含む。収容室60には、少なくとも電子部品が収容されている。
入力軸13と出力軸14とはトーションバー15を介して同軸上に相対回転可能に連結されている。すなわち、入力軸13の軸方向Xと出力軸14の軸方向Yとは一致している。
ハウジング12は、車体(図示せず)に固定されている。ハウジング12は、筒状をなし、外周面12aと、内周面12bと、上端部12Uと、下端部12Lとを有している。鉛直方向に関して、上端部12Uは、下端部12Lよりも上方に配置されている。上端部12Uに、上部開口18が形成され、下端部12Lに下部開口19が形成されている。
ハウジング12は、車体(図示せず)に固定されている。ハウジング12は、筒状をなし、外周面12aと、内周面12bと、上端部12Uと、下端部12Lとを有している。鉛直方向に関して、上端部12Uは、下端部12Lよりも上方に配置されている。上端部12Uに、上部開口18が形成され、下端部12Lに下部開口19が形成されている。
入力軸13は、ステアリングシャフト3を介してステアリングホイール2と連結されている。入力軸13は、ハウジング12の上部開口18に挿通されている。入力軸13が挿通された状態で、上部開口18が、カバー部材20により覆われている。すなわち、カバー部材20によって、ハウジング12の上端部12Uにおける内周面12bと入力軸13の外周面13aとの間が封止されている。
カバー部材20は、例えばゴム等の弾性部材からなる。カバー部材20は、環状の固定側嵌合部21と、環状の可動側嵌合部22と、固定側嵌合部21と可動側嵌合部22とを連結する円錐テーパ状の連結部23とを含む。固定側嵌合部21は、ハウジング12の上端部12Uにおける外周面12aに外嵌固定されている。可動側嵌合部22は、入力軸13の外周面13aに摺接可能に外嵌されている。可動側嵌合部22には、入力軸13を取り囲んで入力軸13の外周面13aに摺接する1ないし複数の環状のシールリップが設けられていてもよい。
入力軸13は、ハウジング12内で第1軸受16を介して回転可能に支持されている。第1軸受16は、例えば転がり軸受であり、外輪24と、内輪25と、転動体26とを含む。第1軸受16の外輪24は、ハウジング12の内周面12bに圧入固定されている。外輪24は、ハウジング12の内周面12bに設けられた雌ねじ部に螺合された環状のプラグ27とハウジング12の内周面12bに設けられた位置決め段部28との間に挟持されて、ハウジング12に対して入力軸13の軸方向Xへの移動が規制されるように位置決めされている。
プラグ27の内周面27aと入力軸13の外周面13aとの間は、環状のシール部材29によって封止されている。シール部材29は、プラグ27に固定されて入力軸13の外周面13aに摺接するオイルシールであってもよい。
第1軸受の内輪25は、入力軸13の外周面13aに嵌合固定されている。内輪25は、入力軸13の外周面13aに設けられた位置決め段部30に当接することにより、入力軸13に対して軸方向Xに位置決めされている。
第1軸受の内輪25は、入力軸13の外周面13aに嵌合固定されている。内輪25は、入力軸13の外周面13aに設けられた位置決め段部30に当接することにより、入力軸13に対して軸方向Xに位置決めされている。
入力軸13は、軸方向下部13Lに、出力軸14の軸方向上部14Uが挿通される挿通部31を形成している。挿通部31の内周面と出力軸14の軸方向上端部14UUとの間に、ブッシュ32が介在している。ブッシュ32は、挿通部31に保持された状態で出力軸14の軸方向上端部14UUを回転可能に支持する。
出力軸14は、筒状に形成されており、外周面14aと、内周面14bとを有している。出力軸14は、ハウジング12の下部開口19に挿通され、ハウジング12内で第2軸受17を介して回転可能に支持されている。第2軸受17は、例えば転がり軸受からなり、外輪33と、内輪34と、転動体35とを含む。第2軸受17は、外輪33と内輪34と間がシール部材により封止された密封軸受からなる。
出力軸14は、筒状に形成されており、外周面14aと、内周面14bとを有している。出力軸14は、ハウジング12の下部開口19に挿通され、ハウジング12内で第2軸受17を介して回転可能に支持されている。第2軸受17は、例えば転がり軸受からなり、外輪33と、内輪34と、転動体35とを含む。第2軸受17は、外輪33と内輪34と間がシール部材により封止された密封軸受からなる。
第2軸受17の外輪33は、ハウジング12の下端部12Lにおける内周面12bに圧入固定されている。外輪33は、ハウジング12の下端部12Lに設けられた内向きフランジ36の端面によって形成される位置決め部37に当接することにより、ハウジング12に対して、出力軸14の軸方向下方YLへの移動が規制されるように位置決めされている。
第2軸受17の内輪34は、出力軸14の外周面14aに隙間嵌めにより嵌合されている。隙間嵌めにより嵌合された内輪34の内周面34aと出力軸14の外周面14aとによって、第2嵌合部52が構成されている。
トーションバー15は、出力軸14内に挿通されている。トーションバー15は、出力軸14の軸方向Yに関して、上端部15U(一端部)と、下端部15L(他端部)と、上端部15Uと下端部15Lの間に配置された中間部15Mと、外周面15aとを含む。
トーションバー15は、出力軸14内に挿通されている。トーションバー15は、出力軸14の軸方向Yに関して、上端部15U(一端部)と、下端部15L(他端部)と、上端部15Uと下端部15Lの間に配置された中間部15Mと、外周面15aとを含む。
トーションバー15の上端部15Uは、入力軸13に固定されている。具体的には、上端部15Uは、出力軸14の軸方向上端部14UUから突出しており、入力軸13に挿通部31の底に形成された固定孔38に圧入固定されている。固定孔38に圧入される上端部15Uにおける外周面15aに、雄セレーションが形成されていてもよい。
トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aと、出力軸14の軸方向下部14Lにおける内周面14bとは、隙間嵌めにより嵌合されて第1嵌合部51を構成している。第1嵌合部51を貫通するように出力軸14に設けられた径方向孔39とトーションバー15に設けられた径方向孔40とに対して、連結ピン41が圧入嵌合されている。これにより、トーションバー15の下端部15Lと出力軸14とが一体回転可能に連結されている。
トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aと、出力軸14の軸方向下部14Lにおける内周面14bとは、隙間嵌めにより嵌合されて第1嵌合部51を構成している。第1嵌合部51を貫通するように出力軸14に設けられた径方向孔39とトーションバー15に設けられた径方向孔40とに対して、連結ピン41が圧入嵌合されている。これにより、トーションバー15の下端部15Lと出力軸14とが一体回転可能に連結されている。
模式的断面図である図2に示すように、第1嵌合部51には、所定の断面積を有する第1嵌合隙間51Sが設けられている。理解を容易にするため、図2では、第1嵌合隙間51Sが強調的に大きく示されているが、実際には、嵌め合いレベルの大きさであり、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aと出力軸14の内周面14bとは、互いに当接する当接部(図示せず)と、当接しない非当接部とを含んでいる。
図1に示すように、トーションバー15の中間部15Mは、上端部15Uおよび下端部15Lの外径より細い外径を有する縮径部に形成されている。図1および概略断面図である図3に示すように、中間部15Mにおける外周面15aと出力軸14の内周面14bとの間に、第1嵌合隙間51Sから出力軸14の軸方向上方XUに長手に延びる環状の延在空間53Sが形成されている。
延在空間53Sの断面積は、第1嵌合隙間51Sの断面積よりも大きくされている。また、延在空間53Sの断面積は、毛細管現象を生じない大きさの断面積に設定されている。図1に示すように、延在空間53Sを形成する出力軸14の内周面14bは、軸方向上方YUに向かうにしたがって拡径されるテーパ面を含んでいてもよい。これにより、延在空間53Sの断面積を大きくすることができる。
延在空間53Sは、挿通部31の内面と出力軸14の軸方向上部14Uにおける外周面14aとの間の空間54Sを介して、収容室60に連通されている。すなわち、ブロック図である図5に示すように、収容室60は、空間54S、延在空間53Sおよび第1嵌合隙間51Sを介して、ハウジング12の外部としての外部空間100に連通されている。換言すると、第1嵌合隙間51Sと、延在空間53Sと、空間54Sとによって、ハウジング12の外部空間100と収容室60とを連通させる第1連通路91が形成されている。
模式的断面図である図4に示すように、第2嵌合部52には、所定の断面積を有する第2嵌合隙間52Sが設けられている。図4では、理解を容易にするため、第2嵌合隙間52Sが、強調的に大きく示されているが、実際には、嵌め合いレベルの大きさである。
図1に示すように、第2嵌合隙間52Sによって、収容室60とハウジング12の外部とが連通されている。すなわち、ブロック図である図5に示すように、第2嵌合隙間52Sによって、収容室60とハウジング12の外部空間100とを連通させる第2連通路92が形成されている。
図1に示すように、第2嵌合隙間52Sによって、収容室60とハウジング12の外部とが連通されている。すなわち、ブロック図である図5に示すように、第2嵌合隙間52Sによって、収容室60とハウジング12の外部空間100とを連通させる第2連通路92が形成されている。
図1を参照して、前述したように、トルク検出装置6は、収容室60と、保持筒61と、多極磁石62と、保持筒63と、一対の磁気ヨーク64と、保持筒65と、一対の集磁要素66と、トルクセンサ67と、電子部品としての信号処理部68とを含む。
収容室60は、第1軸受16と第2軸受17との間で出力軸14の外側にハウジング12によって少なくとも一部が区画されている。すなわち、収容室60は、ハウジング12内の空間である第1室81Sと、ハウジング12外の空間であって第1室81Sに連通する第2室82Sとを含む。
収容室60は、第1軸受16と第2軸受17との間で出力軸14の外側にハウジング12によって少なくとも一部が区画されている。すなわち、収容室60は、ハウジング12内の空間である第1室81Sと、ハウジング12外の空間であって第1室81Sに連通する第2室82Sとを含む。
具体的には、ハウジング12は、側方に開放する開口部83を形成している。開口部83に、中空のアダプタ部材84が嵌合固定されている。開口部83とアダプタ部材84との間は、シール部材85を用いて封止されている。アダプタ部材84内に、コネクタ部材86が嵌合固定されている。アダプタ部材84とコネクタ部材86との間は、シール部材87を用いて封止されている。アダプタ部材84内の空間が第2室82Sに相当する。トルクセンサ67と、電子部品としての信号処理部68とは、コネクタ部材86に保持された状態で、第2室82Sに収容されている。
保持筒61は、樹脂製である。保持筒61は、出力軸14の外周面14aに圧入嵌合により固定されている。保持筒61は、出力軸14の外周面14aに設けられた位置決め段部42に当接することにより、出力軸14の軸方向Yに位置決めされている。
多極磁石62は、N極とS極とを周方向の交互に配置した円筒状の多極磁石である。多極磁石62は、保持筒61を介して出力軸14に一体回転可能に結合されている。すなわち、多極磁石62は、保持筒61の外周面に保持され、保持筒61を介して出力軸14の軸方向Yに位置決めされている。
多極磁石62は、N極とS極とを周方向の交互に配置した円筒状の多極磁石である。多極磁石62は、保持筒61を介して出力軸14に一体回転可能に結合されている。すなわち、多極磁石62は、保持筒61の外周面に保持され、保持筒61を介して出力軸14の軸方向Yに位置決めされている。
保持筒63は、樹脂製である。保持筒63は、入力軸13の外周面13aに圧入嵌合された金属製のカラー69の外周面に圧入嵌合されている。一対の磁気ヨーク64は、保持筒63にモールドされて保持されている。一対の磁気ヨーク64は、多極磁石62の径方向外方に配置された軟磁性体からなり、多極磁石62の磁界内に配置されている。一対の磁気ヨーク64は、入力軸13と一体回転可能に結合されて、多極磁石62に対して相対回転する。
保持筒65は、ハウジング12の内周面12bに嵌合固定されている。一対の集磁要素66は、保持筒65にモールドされて保持されている。一対の集磁要素66は、対応する磁気ヨーク64を取り囲むように配置された軟磁性体からなり、それぞれ対応する磁気ヨーク64と磁気的に結合されている。トルクセンサ67は、一対の集磁要素66間の磁束を検出する例えば、ホールICであり、一対の集磁要素66の集磁突起間に配置されている。
入力軸13に操舵トルクが入力されて入力軸13と出力軸14との間に相対回転が生ずると、多極磁石62と一対の磁気ヨーク64との位置関係が変化し、対応する磁気ヨーク64を介して一対の集磁要素66に集磁される磁気が変化する。これにより、トルクセンサ67に付与される磁気の強度が変化する。
信号処理部68は、図示していないが、回路が実装された基板その他の電子部品を含む。信号処理部68は、トルクセンサ67から入力した信号を処理し、入力軸13と出力軸14との間の相対回転量に応じた信号をトルク検出信号としてECU70に出力する。ECU70では、入力されたトルク検出信号に基づいて、操舵トルクを算出する。
信号処理部68は、図示していないが、回路が実装された基板その他の電子部品を含む。信号処理部68は、トルクセンサ67から入力した信号を処理し、入力軸13と出力軸14との間の相対回転量に応じた信号をトルク検出信号としてECU70に出力する。ECU70では、入力されたトルク検出信号に基づいて、操舵トルクを算出する。
ECU70は、検出された操舵トルクと、図示しない車速センサにより検出された車速とに基づいて、電動モータ11を操舵補助制御する。
トーションバー15と出力軸14との嵌合部である第1嵌合部51が隙間嵌めとされている理由は、磁気ヨーク64に対する多極磁石62の位相合わせ工程において、トーションバー15の下端部15Lに対して出力軸14の軸方向下部14Lが、回転位置調整されるからである。
トーションバー15と出力軸14との嵌合部である第1嵌合部51が隙間嵌めとされている理由は、磁気ヨーク64に対する多極磁石62の位相合わせ工程において、トーションバー15の下端部15Lに対して出力軸14の軸方向下部14Lが、回転位置調整されるからである。
すなわち、トーションバーの上端部15Uが入力軸13に固定された状態で、多極磁石62の位相調整のために、入力軸13およびトーションバー15に対して出力軸14が回転位置調整される。多極磁石62が位相調整された状態で、出力軸14およびトーションバー15にそれぞれ径方向孔39および径方向孔40が加工され、これらの径方向孔39,40に連結ピン41を圧入嵌合されて、トーションバー15の下端部15Lと出力軸14の軸方向下部14Lとが固定される。
また、第2軸受17の内輪34と出力軸14との嵌合部である第2嵌合部52が隙間嵌めとされている理由は、磁気ヨーク64に対する多極磁石62の軸方向Yの位相合わせ工程において、予め、ハウジング12に入力軸13、磁気ヨーク64および第2軸受17等が保持された状態で、出力軸14に固定された多極磁石62を軸方向Yに位置調整するために、第2軸受17に対して出力軸14が軸方向Yに位置調整されるからである。
本実施形態では、収容室60内に負圧が発生した場合において、第1嵌合隙間51Sに水分が付着し、第2嵌合隙間52Sに水分が付着していなときには、第2嵌合隙間52Sを介して収容室60内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。
また、収容室60内に負圧が発生した場合において、第2嵌合隙間52Sに水分が付着し、第1嵌合隙間51Sに水分が付着していなときには、第1嵌合隙間51Sを介して収容室60内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。
また、収容室60内に負圧が発生した場合において、第2嵌合隙間52Sに水分が付着し、第1嵌合隙間51Sに水分が付着していなときには、第1嵌合隙間51Sを介して収容室60内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。
一方、収容室60内に負圧が発生した場合において、第1嵌合隙間51Sおよび第2嵌合隙間52Sの双方に水分が付着しているときには、断面積の大きい側の第1嵌合隙間51Sから延在空間53Sの下部に水分が吸い込まれ、延在空間53Sの上部の空気が、収容室60内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間53Sに侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸14とトーションバー15との間の延在空間53Sを用いる簡単な構造で、収容室60内への水の侵入を抑制することができる。
(第2実施形態および第3実施形態)
図6(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第2実施形態および第3実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
(第2実施形態および第3実施形態)
図6(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第2実施形態および第3実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
前述の図2の第1実施形態では、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aの断面と、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面とは、同心的な円形に形成されている。
これに対して、図6(a)に示される第2実施形態では、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面が円形に形成される一方、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aの断面が、出力軸14の内周面14bに内接する、例えば楕円形または長円からなる異形形状に形成されている。これにより、トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bは、互いに当接する当接部P1と、互いに当接しない非当接部P2とを形成している。トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bの非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
これに対して、図6(a)に示される第2実施形態では、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面が円形に形成される一方、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aの断面が、出力軸14の内周面14bに内接する、例えば楕円形または長円からなる異形形状に形成されている。これにより、トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bは、互いに当接する当接部P1と、互いに当接しない非当接部P2とを形成している。トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bの非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
図6(b)に示される第3実施形態では、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aの断面が円形に形成される一方、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面がトーションバー15の外周面15aに外接する、例えば楕円形または長円からなる異形形状に形成されている。
第2実施形態および第3実施形態では、当接部P1の働きでトーションバー15と出力軸14とを精度良く芯合わせしつつ、トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bの非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
(第4実施形態および第5実施形態)
図7(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第4実施形態および第5実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
第2実施形態および第3実施形態では、当接部P1の働きでトーションバー15と出力軸14とを精度良く芯合わせしつつ、トーションバー15の外周面15aおよび出力軸14の内周面14bの非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
(第4実施形態および第5実施形態)
図7(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第4実施形態および第5実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
図7(a)に示される第4実施形態では、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面形状が円形とされ、トーションバー15の下端部15Lの外周面15aの断面形状が、前記円形に内接する多角形(例えば四角形)からなる異形形状とされている。
図7(b)に示される第5実施形態では、トーションバー15の下端部15Lの外周面15aの断面形状が円形とされ、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面形状が、前記円形に外接する多角形(例えば四角形)からなる異形形状とされている。
図7(b)に示される第5実施形態では、トーションバー15の下端部15Lの外周面15aの断面形状が円形とされ、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面形状が、前記円形に外接する多角形(例えば四角形)からなる異形形状とされている。
第4実施形態および第5実施形態では、当接部P1の働きでトーションバー15と出力軸14とを精度良く芯合わせしつつ、非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
(第6実施形態および第7実施形態)
図8(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第6実施形態および第7実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
(第6実施形態および第7実施形態)
図8(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第6実施形態および第7実施形態における、第1嵌合部51を形成するトーションバー15の下端部15Lおよび出力軸14の軸方向下部14Lの断面図である。
図8(a)の第6実施形態および図8(b)の第7実施形態では、トーションバー15の下端部15Lにおける外周面15aの断面と、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bの断面とは、同心的な円形に形成されている。
図8(a)の第6実施形態では、トーションバー15の下端部15Lの外周面15aに、軸方向Yに延びる溝44が形成され、溝44内の空間によって第1嵌合隙間51Sが形成されている。溝44の内面と該内面に対向する出力軸14の内周面14bの部分とが非当接部P2である。
図8(a)の第6実施形態では、トーションバー15の下端部15Lの外周面15aに、軸方向Yに延びる溝44が形成され、溝44内の空間によって第1嵌合隙間51Sが形成されている。溝44の内面と該内面に対向する出力軸14の内周面14bの部分とが非当接部P2である。
図8(b)の第7実施形態では、出力軸14の軸方向下部14Lの内周面14bに、軸方向Yに延びる溝45が形成され、溝45内の空間によって第1嵌合隙間51Sが形成されている。溝45の内面と該内面に対向するトーションバー15の外周面15aの部分とが非当接部P2である。
第6実施形態および第7実施形態では、当接部P1の働きでトーションバー15と出力軸14とを精度良く芯合わせしつつ、非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
(第8実施形態)
図9は、本発明の第8実施形態に係るトルク検出装置6Rが適用された電動パワーステアリング装置1の概略断面図である。
第6実施形態および第7実施形態では、当接部P1の働きでトーションバー15と出力軸14とを精度良く芯合わせしつつ、非当接部P2どうしの隙間を用いて、所要の断面積を有する第1嵌合隙間51Sを形成することができる。
(第8実施形態)
図9は、本発明の第8実施形態に係るトルク検出装置6Rが適用された電動パワーステアリング装置1の概略断面図である。
図9の第8実施形態のトルク検出装置6Rが、図1の第1実施形態のトルク検出装置6と異なるのは、下記である。すなわち、出力軸14の外周面14aおよび内周面14bを貫通し、延在空間53Sをハウジング12の外部空間100に連通させる貫通孔43が形成されている。貫通孔43の断面積が、第2嵌合隙間52Sの断面積よりも大きくされている。出力軸14の外周面14aにおける貫通孔43の開口位置は、第2軸受17よりも軸方向下方YLであればよい。
第8実施形態によれば、収容室60内に負圧が発生した場合において、貫通孔43および第2嵌合隙間52Sの何れか一方に水分が付着し、他方に水分が付着していなときには、前記他方を介して収容室60内に空気が供給されるため、負圧の発生が解消される。
一方、収容室60内に負圧が発生した場合において、貫通孔43および第2嵌合隙間52Sの双方に水分が付着しているときには、第2嵌合隙間52Sよりも断面積の大きい貫通孔43を通して延在空間53Sの下部に水分が吸い込まれ、延在空間53Sの上部の空気が収容室60内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間53Sに侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸14とトーションバー15との間の延在空間53Sを用いる簡単な構造で、収容室60内への水の侵入を抑制することができる。
一方、収容室60内に負圧が発生した場合において、貫通孔43および第2嵌合隙間52Sの双方に水分が付着しているときには、第2嵌合隙間52Sよりも断面積の大きい貫通孔43を通して延在空間53Sの下部に水分が吸い込まれ、延在空間53Sの上部の空気が収容室60内に供給されて負圧が解消される。このとき、延在空間53Sに侵入した水が、毛細管現象で上方に吸い上げられるようなことがない。出力軸14とトーションバー15との間の延在空間53Sを用いる簡単な構造で、収容室60内への水の侵入を抑制することができる。
第8実施形態では、第1嵌合隙間51Sの断面積は、第2嵌合隙間52Sの断面積よりも大きくされていることが好ましいが、第1嵌合隙間51Sの断面積が第2嵌合隙間52Sの断面積と同等または同等以下であってもよい。また、第1嵌合隙間51Sを設けない構成であってもよい。
本発明は、各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば図1および図9において、ブッシュ32が、トーションバー15の外周面15aと出力軸14の内周面14bと間に配置されてもよい。その他、本発明は、特許請求記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明は、各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば図1および図9において、ブッシュ32が、トーションバー15の外周面15aと出力軸14の内周面14bと間に配置されてもよい。その他、本発明は、特許請求記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール、4…転舵輪、3…ステアリングシャフト、5…転舵機構、6;6R…トルク検出装置、7…アシスト機構、11…電動モータ、12…ハウジング、12L…下端部、12U…上端部、13…入力軸、14…出力軸、14L…軸方向下部、14U…軸方向上部、14UU…軸方向上端部、14a…外周面、14b…内周面、15…トーションバー、15U…上端部(一端部)、15L…下端部、15M…中間部、15a…外周面、16…第1軸受、17…第2軸受、18…上部開口、19…下部開口、31…挿通部、32…ブッシュ、38…固定孔、39…径方向孔、40…径方向孔、41…連結ピン、43…貫通孔、44;45…溝、51…第1嵌合部、51S…第1嵌合隙間、52…第2嵌合部、52S…第2嵌合隙間、53S…延在空間、54S…空間、60…収容室、62…多極磁石、64…磁気ヨーク、66…集磁要素、67…トルクセンサ(電子部品)、68…信号処理部(電子部品)、70…ECU、81S…第1室、82S…第2室、84…アダプタ部材、86…コネクタ部材、100…外部空間(外部)、P1…当接部、P2…非当接部、X…(入力軸の)軸方向、XU…軸方向上方、Y…(出力軸の)軸方向、YL…軸方向下方
Claims (4)
- 上部開口および下部開口を有する筒状のハウジングと、
前記上部開口に挿通され前記ハウジング内で第1軸受を介して支持された入力軸と、
前記下部開口に挿通され前記ハウジング内で第2軸受を介して支持された筒状の出力軸と、
前記出力軸内に挿通され、前記入力軸に固定された一端部と前記出力軸に固定された他端部とを含むトーションバーと、
前記第1軸受と前記第2軸受との間で前記出力軸の外側に前記ハウジングによって少なくとも一部が区画され、電子部品が収容された収容室と、
前記出力軸の軸方向下部と前記トーションバーの他端部との嵌合部である第1嵌合部に設けられ前記ハウジングの外部に連通された第1嵌合隙間と、
前記出力軸の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成され前記第1嵌合隙間から前記出力軸の軸方向上方に延在し前記収容室に連通する延在空間と、
前記出力軸と前記第2軸受との嵌合部である第2嵌合部に設けられ前記収容室を前記ハウジングの外部に連通させる第2嵌合隙間と、を備え、
前記延在空間は、毛細管現象を生じない大きさの断面積を有し、
前記第1嵌合隙間の断面積が、前記第2嵌合隙間の断面積よりも大きくされている、トルク検出装置。 - 前記第1嵌合部において、前記トーションバーの外周面および前記出力軸の内周面が、互いに当接する当接部と、互いに当接しない非当接部とを有する、請求項1に記載のトルク検出装置。
- 上部開口および下部開口を有する筒状のハウジングと、
前記上部開口に挿通され前記ハウジング内で第1軸受を介して支持された入力軸と、
前記下部開口に挿通され前記ハウジング内で第2軸受を介して支持された筒状の出力軸と、
前記出力軸内に挿通され、前記入力軸に固定された一端部と前記出力軸に固定された他端部とを含むトーションバーと、
前記第1軸受と前記第2軸受との間で前記出力軸の外側に前記ハウジングによって少なくとも一部が区画され、電子部品が収容された収容室と、
前記出力軸の軸方向下部と前記トーションバーの他端部との嵌合部である第1嵌合部と、
前記出力軸の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成され前記第1嵌合部から前記出力軸の軸方向上方に延在し前記収容室に連通する延在空間と、
前記出力軸の外周面および内周面を貫通し前記延在空間を前記ハウジングの外部に連通させる貫通孔と、
前記出力軸と前記第2軸受との嵌合部である第2嵌合部に設けられ前記収容室を前記ハウジングの外部に連通させる嵌合隙間と、を備え、
前記延在空間は、毛細管現象を生じない大きさの断面積を有し、
前記貫通孔の断面積が、前記嵌合隙間の断面積よりも大きくされている、トルク検出装置。 - 前記延在空間は、前記延在空間内の水を水の自重により前記延在空間から排出可能な断面積を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置。
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