JP2018072257A - 検査システム、及び画像処理装置、並びに検査システムの画像処理方法 - Google Patents

検査システム、及び画像処理装置、並びに検査システムの画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲットの貼り付けを簡便にし、かつ、速やかに塗装マーキングの不備の有無を判定すること。【解決手段】被写体3を撮像する撮像装置2と、撮像装置2と被写体3との間に設けられ、光透過性を有する透過部材21と、透過部材21に設けられ、長さの基準を示す基準部材23と、透過部材21に設けられ、被写体3上の所定位置を示す第1ターゲット部材24と、透過部材21に対して被写体3が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、透過部材21を介して被写体3が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する取得部11と、少なくとも3つの撮像データに基づいて、被写体3を基準として、被写体3上の所定位置間の距離を測定する測定部12とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、検査システム、及び画像処理装置、並びに検査システムの画像処理方法に関するものである。
例えば、航空機等の機体表面は塗装がされており、各機体を識別するための機種番号や文字等の塗装マーキングが施されている。各機体の塗装マーキング箇所については、文字の寸法や配置位置が図面で定められているが、機体の顧客領収検査時には、実際の機体が、図面で定められた寸法や配置位置で適切にマーキングされていることを客観的に示すことが必要とされている。
従来、検査員が鋼尺を用い、目視検査によって機体の塗装マーキング箇所の寸法や配置位置の不備の有無を判断していたが、機体全体に設けられた全ての塗装マーキングの寸法や配置位置を計測するには時間がかかるという課題があった。そのため、塗装マーキング箇所をカメラによって撮影し、取得された撮影画像を解析することによって塗装マーキングの寸法を計測する技術が用いられるようになった。
特許文献1では、反射材を備えるターゲットが複数設置された車両をカメラにより撮影した画像に基づいて車両の寸法を計測する技術が開示されている。
特開2012−7972号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、測定対象となる被写体に直接ターゲットを貼り付ける必要があるため、被写体に対するターゲットの貼り付け作業の時間が必要となる。特に、航空機等の被写体が大規模なものの場合には、被写体にターゲットを貼り付ける作業時間が長く必要となり、結果として、鋼尺を用いて目視検査を行う場合よりさらに検査時間がかかるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ターゲットの貼り付けを簡便にし、かつ、速やかに塗装マーキングの不備の有無を判定できる検査システム、及び画像処理装置、並びに検査システムの画像処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、被写体を撮像する撮像装置と、前記撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有する透過部材と、前記透過部材に設けられ、長さの基準を示す基準部材と、前記透過部材に設けられ、前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材と、前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、前記透過部材を介して前記被写体が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する取得手段と、少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体を基準として、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する測定手段とを具備する検査システムを提供する。
本発明によれば、透過部材を介して被写体を撮像すると、被写体とともに、透過部材に設けられた基準部材及び第1ターゲット部材が撮像データに含まれる。被写体が配置されている側とは反対側の3地点から被写体が撮像されることにより得られた少なくとも3つの撮像データは、被写体と、基準部材と、被写体に対応する第1ターゲット部材とを移動させずに、被写体に対する撮像装置の位置関係を異ならせて取得した三次元データである。少なくとも3つの撮像データにおいて、被写体を基準にすると共通する所定位置を示す第1ターゲット部材はそれぞれ異なる位置で表示され、撮像データに応じて基準部材の長さも異なって表示されるので、これにより所定位置間の距離が測定できる。
このように、透過部材に第1ターゲット部材を設けることにより、透過部材を介して被写体を撮像することにより得られる撮像データでは、所定位置と第1ターゲット部材が重なるように表示される。被写体に対して疑似的に所定位置を示す印を設けることができるので、被写体上に直接印を設ける場合と比較して、速やかに三次元データを取得するための準備を行うことができ、所定位置間の距離を簡便に測定できる。
上記検査システムにおいて、各前記撮像データはそれぞれ、前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側に設けられ、前記被写体と前記撮像装置との距離及び角度のうち少なくとも一方が異なる撮像位置で撮像された画像とするのが好ましい。
各撮像データ間で、被写体と撮像装置間の距離及び角度のうち少なくとも一方を異ならせることによって撮影要素が変更されるので、撮像装置から被写体に対する目線が変化する。これにより、少なくとも3つの撮像データ間において、同一第1ターゲット部材の撮像位置は異なっており、所定位置間の距離の測定に役立てられる。
上記検査システムは、前記撮像データにおいて前記第1ターゲット部材を識別可能に撮像させるための光源手段を備えてもよい。
これにより、撮像データ上で第1ターゲット部材を確実に識別可能にさせることができる。
上記検査システムにおいて、前記被写体は、前記被写体上の所定位置を示す第2ターゲット部材を備えてもよい。
被写体に直接第2ターゲット部材を設けることにより、撮像データに所定位置を示す印を確実に含めることができる。
上記検査システムは、少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置が、所望の位置に配置されているか否かを判定する判定手段を具備してもよい。
これにより、所定位置に設けられる部品等が正しい位置に取り付けられているか否かを判定できる。
本発明は、被写体を撮像する撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有し、長さの基準を示す基準部材及び前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材を備える透過部材を介して、少なくとも3地点において前記撮像装置から前記被写体を撮像して得られた少なくとも3つの撮像データを取得する取得手段と、少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する測定手段とを備える画像処理装置を提供する。
本発明によれば、透過部材を介して被写体を撮像すると、被写体とともに、透過部材に設けられた基準部材及び第1ターゲット部材が撮像データに含まれる。透過部材を介して、少なくとも3地点から被写体が撮像されることにより得られた少なくとも3つの撮像データにより、被写体と、基準部材、第1ターゲット部材とを含む三次元データが取得され、少なくとも3つの撮像データの三次元データに基づいて、被写体上の所定位置間の距離が測定できる。
このように、第1ターゲット部材を設けた透過部材を介して被写体を撮像することにより、被写体に対して疑似的に所定位置を示す印が設けられるので、被写体に直接所定位置を示す印が設けられる場合と同様の画像が得られ、所定位置間の距離を簡便に測定できる。
本発明は、被写体を撮像する撮像装置と、前記撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有する透過部材と、前記透過部材に設けられ、長さの基準を示す基準部材と、前記透過部材に設けられ、前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材と、を有する検査システムの画像処理方法であって、前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、前記透過部材を介して前記被写体が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する第1過程と、少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する第2過程とを有する検査システムの画像処理方法を提供する。
本発明は、ターゲットの貼り付けを簡便にし、かつ、速やかに塗装マーキングの不備の有無を判定できるという効果を奏する。
本発明に係る検査システムを示した概略構成図である。 第1ターゲット部材及び第2ターゲット部材の一例を示した図である。 撮像装置と被写体と透過部材との位置関係の一例を示した図である。 エピポーラ幾何を説明するための図である。 本発明に係る検査システムの動作フローである。
以下に、本発明にかかる検査システム、及び画像処理装置、並びに検査システムの画像処理方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、検査対象(被写体)が塗装マーキングの施されている航空機である場合を一例に挙げて説明するが、本発明における検査対象(被写体)は特に限定されない。塗装マーキングとは、各機体を識別するための機種番号や文字等が塗装によってマーキングされる箇所を示す。
図1は、本実施形態に係る検査システム1の概略構成図である。
検査システム1は、撮像装置2と、検査パネル20と、検査装置(画像処理装置)10と、光源(光源手段)8とを備えている。
撮像装置2は、被写体3を撮像し、撮像データを取得する。撮像装置2と検査装置10とを撮像データの授受可能に接続することにより、取得された撮像データは撮像装置2から検査装置10に送ることができるようになっている。なお、撮像装置2と検査装置10との間における撮像データの受け渡し方法は、有線、無線等の各種ネットワーク通信を介して行ってもよいし、コンピュータ読取可能な記録媒体を介して行ってもよく、特に限定されない。
撮像装置2が被写体3を撮像する撮像位置は、n個の測定位置A1,A2,・・・Anとし、測定位置A1,A2・・・Anで撮像された画像をそれぞれ撮像データM1,M2・・Mnとする。
測定位置A1,A2・・・Anは、透過部材21に対して被写体3が配置されている側と反対側に設けられる位置とする。各測定位置A1,A2・・・Anは、それぞれ被写体3と撮像装置2との配置の距離及び角度のうち少なくとも一方を異ならせた位置とする。
撮像装置2は、塗装マーキング等の検査対象領域の少なくとも一部が含まれるように、被写体3を撮像し、塗装マーキング等の検査対象領域の少なくとも一部が含まれる撮像データが得られるようになっている。
撮像装置2は、被写体3を撮像する撮像条件を異ならせ、検査パネル20を介して被写体3を撮像した撮像データを複数取得する。撮像条件は、例えば、被写体3と撮像装置2との距離である撮影距離、被写体3と撮像装置2との撮影角度とする。
具体的には、撮像装置2を操作する検査員30は、検査パネル20に対して被写体3が配置されている側と反対側のn個の測定地点ならば測定位置A1,A2・・・An(例えば、3地点ならば測定位置A1,A2,A3)を選定し、選定した各測定位置Aは、それぞれ被写体3と撮像装置2との距離L及び角度θのうち少なくとも一方を異ならせる。
なお、撮像装置2による撮像位置(測定位置)は、第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26(詳細は後述する)に設けられる被写体3の所定位置Pを識別させる識別情報が撮像データ内に記録できる位置とし、検査パネル20から所定距離(例えば、1〜30[m])の範囲内で設定するとよい。これは、検査パネル20から撮像装置2までの距離が離れすぎると、被写体3上の所定位置Pを識別する識別情報を撮像データに正しく、或いは明瞭に残せなくなる虞があるからである。
検査パネル20は、透過部材21と、支持具22と、基準部材23と、第1ターゲット部材24とを備えている。検査パネル20は、被写体3と撮像装置2との間に設けられ、撮像したときに背後の被写体3の検査対象部分をカバーできる大きさとする。検査パネル20と被写体3との間隔は特に限定されないが、本実施形態においては、検査パネル20は、被写体3の近傍位置として被写体3から所定間隔(例えば、10〜100[cm])の位置に設ける場合を一例として説明する。検査パネル20が、被写体3の近傍位置に設けられることにより、被写体3の実際の部材(所定位置P)と、それを示す第1ターゲットとの空間が小さくなるので、実際値と求められる位置の誤差が小さくなる。
透過部材21は、支持具22によって支持され、床等に配置可能にされている。透過部材21は、光透過性を有する治具であり、例えば、アクリルパネルが用いられる。
基準部材23は、透過部材21に設けられ、長さの基準を示す。本実施形態では、基準部材23は、所定長さ(例えば、50[cm])の棒形状とし、撮像データ内に含まれる位置に配置する。また、基準部材23の所定長さの情報は、検査装置10に予め記憶させておくものとする。
第1ターゲット部材24は、透過部材21に設けられ、被写体3上の所定位置Pを示す。本実施形態において第1ターゲット部材24は、透過部材21に複数設けられ、被写体3と撮像装置2間の距離や角度を異ならせた複数の撮像データに記録されるものである。被写体3上の同一の所定位置(塗装マーキング、部材等)Pに対応する第1ターゲット部材24は、複数の撮像データM間で共通のものとして扱われ、かつ、他の所定位置Pに設けられた第1ターゲット部材24とは明確に区別される必要がある。そのため、第1ターゲット部材24は、被写体3の所定位置Pの箇所数(例えば、n箇所)に対応して、撮像データで記録される第1ターゲット部材24の表し方も同じ種類数(例えば、n種類)を用意する。
本実施形態においては、一例として図2に示されるような、コードターゲットC及びシールターゲットSを用いて第1ターゲット部材24を構成する場合として説明する。図2に示される第1ターゲット部材24は、ベースとなる色(例えば、黒色)の板状部材のコードターゲットCに対し、撮像データ間で共通のものと識別可能にさせるための識別情報がベース色とは相違する色(例えば、白色)のシールターゲットSで表されている。識別情報は、例えば、5列×5行の配列で、コードターゲットC1枚1枚に対して、シールターゲットSの配置を異ならせて表す。
本実施形態においては、第1ターゲット部材24を含めて被写体3を撮像し、複数の撮像データ間でシールターゲットSの識別情報に応じて同一の第1ターゲット部材24を特定するので、第1ターゲット部材24は、識別情報が撮像データに確実に記録されるような素材(例えば、反射する素材)が用いられることが好ましい。
このような第1ターゲット部材24を用い、複数の撮像データを参照し、複数の撮像データから同一のコードターゲットを抽出することで、立体形状を推定して再現することができる。
図3は、撮像装置2と被写体3と検査パネル20との位置関係の一例を示した図である。図3は、検査システム1を上面から見た図であり、被写体3に対して、検査パネル20、撮像装置2の順で配置されおり、3つの測定位置A1,A2,A3から撮像装置2により被写体3を撮像するイメージ図を示している。図3は、被写体3を撮像する角度θ1、θ2、θ3と、距離L1、L2、L3がそれぞれ異なるように測定位置Aが決められる場合の一例が示されているが、複数の撮像データを取得する測定位置Aは、撮像する角度θまたは距離Lの少なくとも一方が異なるような位置とされていればよい。
検査員30は、被写体3の所定位置Pを示す第1ターゲット部材24を検査パネル20の透過部材21の面に貼り付けることで、透過部材21上に被写体3の所定位置Pに対応した第1ターゲット部材24が設けられる。
このように被写体3、検査パネル20、撮像装置2の順で配置されて撮像装置2から被写体3が撮像されることにより、撮像データでは、被写体3の所定位置Pと第1ターゲット部材24が重なるように表示されるので、被写体3に第1ターゲット部材24を貼り付けている状態を疑似的に作り出すことができる。
なお、被写体3上の所定位置Pを示す印として、検査パネル20に設けるものは第1ターゲット部材24とするが、被写体3の所定位置Pに直接、第2ターゲット部材26を設けてもよい。例えば、航空機の主翼上面や尾翼にある塗装マーキングに対しては、ステップや高所作業車等を用いて、直接第2ターゲット部材26を設ける。
第2ターゲット部材26の構成は、第1ターゲット部材24(例えば、コードターゲット及びシールターゲットを含む)と共通としてもよいし、被写体3の面に沿って直接貼り付けられ、撮像データに記録される素材のシールや部材であってもよく、測定する所定位置Pが明確に示せるものとする。
被写体3上に第2ターゲット部材26を設けることにより、検査パネル20上で示すことが困難な位置にある所定位置Pであっても、正確に所定位置Pを示すことができ、そうした所定位置Pも検査対象として撮像データに残すことができる。また、被写体3と検査パネル20との空間がなくなるので、所望の所定位置Pの間隔を計測するのにより正確な結果が得られる。
また、第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26の大きさは、被写体3の大きさに応じて決めるとよい。例えば、大型構造物を被写体3とする場合には、被写体3を撮像データ内に収めるために被写体3から離れた位置から撮像することになるので、第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26の大きさを、被写体3が小さい場合より大きくするとよい。
光源8は、撮像データにおいて第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26を識別可能に撮像させるために用いられる。第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26は、撮像装置2によって撮像可能な素材が用いられているが、光源8を用いることにより、被写体3が置かれる撮影環境に適した光量を適宜与えるようにしてもよい。これにより、昼夜を問わず、室内外を問わず、所望の撮像データを取得できるようになる。
なお、光源8の位置は、撮像装置2と同じ位置にあってもよいし、撮像装置2の位置とは異なる位置であっても良く、被写体3と、第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26で示される所定位置Pとが明瞭に撮像データMに記録される位置にするとよい。
検査装置10は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
具体的には、検査装置10は、取得部(取得手段)11と、測定部(測定手段)12と、判定部(判定手段)13とを備えている。
取得部11は、透過部材21に対して被写体3が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、透過部材21を介して被写体3が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する。本実施形態における少なくとも3つの撮像データのそれぞれには、共通する第1ターゲット部材24が少なくとも1つ撮像されているものとする。
測定部12は、少なくとも3つの撮像データに基づいて、被写体3を基準として、被写体3上の所定位置間の距離を測定する。具体的には、測定部12は、3次元空間において少なくとも3つの視点から取得された撮像データに基づいて、同一の所定位置P1,P2,P3を見ているときの位置関係を、公知のエピポーラ幾何(エピポーラ方程式)を用いた算出方法により推定する。図4に示されるように、複数の測定位置A1,A2,・・An(例えば、カメラ視点O1,O2,O3)で撮像された複数の撮像データM1,M2,M3は、撮像データ間の第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26の識別情報に基づいて同一の所定位置P1,P2,P3を同じ位置と認識することで、合成して所定位置P1,P2,P3を推定できる。
判定部13は、少なくとも3つの撮像データに基づいて、被写体3上の特定の部品を示す所定位置Pが、所望の位置に配置されているか否かを判定する。
本実施形態においては、被写体3と第1ターゲット部材24とが所定間隔空いているが、複数の撮像データを得る場合に、検査パネル20や検査パネル20に設けられる第1ターゲット部材24等は移動させずに撮像装置2の測定位置A1,A2,・・・Anのみ移動させている。すなわち、被写体3の所定位置Pに対して、所定間隔空いた(所定位置から浮いた)状態で当該所定位置Pを示す第1ターゲット部材24が設けられているが、それぞれの所定間隔は固定されたものである。そのため、検査装置10の演算によって得られる被写体3の所定位置Pの情報は、被写体3と第1ターゲット部材24の間隔を含めて三次元的に位置が決まるものであり、被写体3に直接第2ターゲット部材26を設けるのと略同様に、被写体3上の所定位置Pとして求められるものである。
以下に、本実施形態に係る検査システム1の作用について図1から図5を用いて説明する。ここでは、被写体3を航空機とし、航空機の塗装マーキングの位置や大きさが所望の位置や大きさになっているかどうかを検査する場合に検査システム1を利用することを一例として説明するが、本発明はこの用途に限定するものでない。
検査員30により、検査パネル20、撮像装置2、光源8、及び検査装置10が準備される。
検査を開始するには、検査員30によって、航空機(被写体3)の近傍に検査パネル20が配置され、航空機の塗装マーキングされている箇所である第1所定位置、航空機に設けられる部材の配置位置の不備を判断する第2所定位置、測定したい間隔(寸法)を示す各位置である第3所定位置等の測定する各種所定位置が選定される。検査員30により、選定された各種所定位置に対応する検査パネル20の透過部材21の面に第1ターゲット部材24が貼り付けられる。また、検査パネル20に長さの基準となる基準部材23が貼り付けられる。検査パネル20上で所定位置Pを表せられない場合には、第2ターゲット部材26が航空機に貼り付けられる(図5のステップSA1)。
被写体3となる航空機と、撮像装置2との位置(基準に対する角度θ、被写体との距離L等)が撮像データ毎に異なるように検査員30により測定位置Aが決められる。決められた測定位置Aで検査員30によって撮像装置2から被写体3が撮像される。撮像データは少なくとも3つあればよいが、所定の精度を得るために、本実施形態においては20枚の撮像データを取得することとする。撮像装置2は、記憶部(図示略)が設けられており、20枚の撮像データは記憶部に記憶される(図5のステップSA2)。
撮像装置2から検査装置10に対して、記憶部の20枚の撮像データが出力され、検査装置10では20枚の撮像データが取得される(図5のステップSA3)。
検査装置10において、PIXXIS(Introduction of Three-dimensional Measurement System with a Digital Camera(三次元部材計測システム))等のソフトウェアを用いて画像データ解析を行い、3次元座標値計算処理を行う(図5のステップSA4)。なお、PIXXISは菱日エンジニアリング社が開発したソフトウェアであり、本実施形態ではこれを用いることとして説明しているが、本発明はこれに限定されず、3次元座標値計算処理を行えるソフトウェアであればよい。
3次元座標値計算処理の結果に基づいて、3D計測値の評価が行われ、再度撮像が必要か否かを判定し(図5のステップSA5)、撮像が必要とされる場合には、図5のステップSA2に戻る。再度撮像が必要でないと判定された場合にはステップSA6に進む。
複数の撮像データを参照し、複数の撮像データから同一の第1ターゲット部材24及び第2ターゲット部材26を抽出することで、航空機の立体形状を推定して再現される。
検査員30により、検査箇所が指定されると、指定された塗装マーキング位置である第1所定位置、航空機の部材位置である第2所定位置等の位置が所望の位置となっているか否かが判断され、寸法を示す第3所定位置の測定間隔が測定される(図5のステップSA6)。検査装置10に予め被写体3の図面情報が入力されていれば、図面上に示された塗装マーキングの位置や寸法と、演算により得られた検査結果との相違の有無を判定することができる。
演算により得られた検査結果は、検査装置10に設けられる表示装置(図示略)に表示され、検査員30に提示される。また、測定結果は、検査装置10の記録媒体に保存される(図5のステップSA7)。
以上説明してきたように、本実施形態に係る検査システム1、及び検査装置10、並びに検査システム1の画像処理方法によれば、透過部材21を介して被写体3を撮像すると、被写体3とともに、透過部材21に設けられた基準部材23及び第1ターゲット部材24が撮像データに含まれる。被写体3が配置されている側とは反対側の3地点から被写体3が撮像されることにより得られた少なくとも3つの撮像データは、被写体3と、基準部材23と、第1ターゲット部材24とを移動させずに、被写体3に対する撮像装置の位置関係を異ならせて取得した三次元データである。少なくとも3つの撮像データにおいて、被写体3を基準にすると共通する所定位置Pを示す第1ターゲット部材24はそれぞれ異なる位置で表示され、撮像データに応じて基準部材23の長さも異なって表示されるので、画像解析により所定位置間の距離が測定できる。
このように、透過部材21に第1ターゲット部材24を設けることにより、被写体3に対して疑似的に所定位置Pを示すターゲットを設けることができるので、大規模な寸法の被写体3であっても、被写体3上に直接ターゲットを設ける場合と比較して、速やかに三次元データを取得することができ、所定位置間の距離を簡便に測定できる。また、測定結果を電子データで残すことができるので、適宜読み出して所望のタイミングで所定位置Pの確認ができる。
検査システム1における少なくとも3つの撮像データ(本実施形態ではn個の撮像データ)は、それぞれ被写体3と撮像装置2との距離及び角度のうち少なくとも一方を異ならせた測定位置A1,A2・・・Anで取得した撮像データM1,M2・・・Mnとする。被写体3と撮像装置2間の距離及び角度のうち少なくとも一方を、各撮像データM1,M2・・・Mn間で異ならせることによって、撮影要素が変更されるので、撮像装置2から被写体3に対する目線が変化する。複数の撮像データに、異なる測定位置から撮像された同一の第1ターゲット部材24を含ませることにより、所定位置間の距離の測定に役立てられる。
検査システム1は、撮像データにおいて第1ターゲット部材24を識別可能に撮像させるための光源8を備えてもよく、光源8があることにより、撮像データ上で第1ターゲット部材24を確実に識別可能にさせることができる。
また、検査システム1において、被写体3は、被写体3上の所定位置Pを示す第2ターゲット部材26を備えてもよい。被写体3に直接第2ターゲット部材26を設けることにより、検査パネル20に貼り付けることができない位置の所定位置Pであっても、検査対象とすることができる。
検査システム1は、少なくとも3つの撮像データに基づいて、被写体3上の所定位置Pが、所望の位置に配置されているか否かを判定する判定部13を具備してもよい。これにより、所定位置Pに設けられる部品等が正しい位置に取り付けられているか否かを判定できる。
本実施形態においては、航空機の塗装マーキングされた箇所の位置やその間隔の正誤を判断することを例に挙げて説明していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種設備の配管や大型構造物等を被写体とし、被写体に設けられる所定の部材が正しい位置や間隔で配置されているか否かを判断したり、三次元角度や長さを求めたりする用途で本発明を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
1 検査システム
2 撮像装置
3 被写体
8 光源
10 検査装置
11 取得部
12 測定部
13 判定部
20 検査パネル
21 透過部材
23 基準部材
24 第1ターゲット部材
26 第2ターゲット部材

Claims (7)

  1. 被写体を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有する透過部材と、
    前記透過部材に設けられ、長さの基準を示す基準部材と、
    前記透過部材に設けられ、前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材と、
    前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、前記透過部材を介して前記被写体が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する取得手段と、
    少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体を基準として、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する測定手段と
    を具備する検査システム。
  2. 各前記撮像データはそれぞれ、前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側に設けられ、前記被写体と前記撮像装置との距離及び角度のうち少なくとも一方が異なる撮像位置で撮像された画像とする請求項1に記載の検査システム。
  3. 前記撮像データにおいて前記第1ターゲット部材を識別可能に撮像させるための光源手段を備える請求項1または請求項2に記載の検査システム。
  4. 前記被写体は、前記被写体上の所定位置を示す第2ターゲット部材を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の検査システム。
  5. 少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置が、所望の位置に配置されているか否かを判定する判定手段を具備する請求項1から請求項4のいずれかに記載の検査システム。
  6. 被写体を撮像する撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有し、長さの基準を示す基準部材及び前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材を備える透過部材を介して、少なくとも3地点において前記撮像装置から前記被写体を撮像して得られた少なくとも3つの撮像データを取得する取得手段と、
    少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する測定手段と
    を備える画像処理装置。
  7. 被写体を撮像する撮像装置と、前記撮像装置と前記被写体との間に設けられ、光透過性を有する透過部材と、前記透過部材に設けられ、長さの基準を示す基準部材と、前記透過部材に設けられ、前記被写体上の所定位置を示す第1ターゲット部材と、を有する検査システムの画像処理方法であって、
    前記透過部材に対して前記被写体が配置されている側と反対側の少なくとも3地点から、前記透過部材を介して前記被写体が撮像された少なくとも3つの撮像データを取得する第1過程と、
    少なくとも3つの前記撮像データに基づいて、前記被写体上の前記所定位置間の距離を測定する第2過程と
    を有する検査システムの画像処理方法。
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