JP2018071738A - 密封構造 - Google Patents

密封構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2018071738A
JP2018071738A JP2016215229A JP2016215229A JP2018071738A JP 2018071738 A JP2018071738 A JP 2018071738A JP 2016215229 A JP2016215229 A JP 2016215229A JP 2016215229 A JP2016215229 A JP 2016215229A JP 2018071738 A JP2018071738 A JP 2018071738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
lip
annular
sealing structure
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016215229A
Other languages
English (en)
Inventor
善久 山口
Yoshihisa Yamaguchi
善久 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2016215229A priority Critical patent/JP2018071738A/ja
Publication of JP2018071738A publication Critical patent/JP2018071738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】耐泥水性を向上させることができる密封構造を提供する。【解決手段】密封構造1は、回転軸53と貫通穴52との間の空間に取り付けられる密封装置2と、回転軸53に取り付けられる環状の部材である鍔部材3とを備えている。密封装置2は、環状の補強環10と補強環10に取り付けられている環状の弾性体から形成された弾性体部20とを備え、弾性体部20は、シールリップ21、ダストリップ22、サイドリップ23を備えている。鍔部材3は、回転軸53に取り付けられた使用状態においてハウジング51と対向して環状の間隙である外周間隙g1を形成する環状の面である間隙形成面31を有している。サイドリップ23は、先端23aが間隙形成面31よりも内周側において使用状態における鍔部材3との間に環状の間隙である内周間隙g2を形成するように延びている。外周間隙g1及び内周間隙g2は夫々ラビリンスシールを形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、密封構造に関し、特に、自動車や汎用機械等において貫通穴が形成された部材とこの貫通穴に通された回転軸との間の密封のために用いられる密封構造に関する。
従来から、例えば車両等のディファレンシャル装置において、回転軸とこの回転軸が通されたハウジングの貫通穴との間を密封するために密封構造が用いられている。図8は、従来の密封構造の一例の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。従来の密封構造100は、図8に示すように、密封装置101と、デフレクタ102とを備えている。密封装置101は、金属製の補強環111に一体的に弾性体から成る弾性体部112が形成されており、弾性体部112には、シールリップ113と、ダストリップ114と、サイドリップ115とが形成されている。図8に示すように、シールリップ113は、ディファレンシャル装置130の車軸である回転軸131に回転軸131が摺動可能に当接しており、ディファレンシャル装置130のハウジング132内の潤滑油の漏洩を抑制する。ダストリップ114は、シールリップ113よりも外側に形成されており、回転軸131に回転軸131が摺動可能に当接して、ハウジング132内に外部から泥水や雨水、ダスト等の異物が侵入することを抑制する。図8に示すように、サイドリップ115は、ダストリップ114よりも外周側において外側に向かって延出しており、一定の角度で外側に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。サイドリップ115は、先端縁において、回転軸131に固定された環状のデフレクタ102の円盤状の内側に面する摺動面121にデフレクタ102が摺動可能に接触し、外部からの異物の侵入を抑制する。サイドリップ115は、デフレクタ102に接触する状態において弾性変形して湾曲し、先端縁の内周面がデフレクタ102の摺動面121に接触るように形成されている。
密封装置101は、ディファレンシャル装置130のハウジング132の貫通孔133と貫通孔133に通された回転軸131との間に取り付けられて、貫通孔133の密封を図り、ハウジング132内に貯留されている潤滑油の外部への漏洩の防止を図ると共に、デフレクタ102と協働して異物の内部への侵入の防止を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−148331号公報
しかしながら、車両等の使用環境の多様化により、密封構造100は水没する等の一段と苛酷な環境において使用されるようになっており、密封構造100が水没した状態で使用される場合は、泥水等がサイドリップ115及びダストリップ114を超えて内部に侵入してしまう場合がある。泥水等が内部に侵入しシールリップ113のシール部に至るとシールリップ113がシール部において異物を噛み込みシール部の磨耗が促進され、ハウジング132内の潤滑油の漏洩に至る場合がある。
このように、従来の密封構造100に対しては、泥水や雨水等の侵入を防止する性能である耐泥水性の向上が求められていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐泥水性を向上させることができる密封構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封構造は、貫通穴が形成されたカバー部材と前記貫通穴に回動自在に通される回転軸との間の密封を図るための密封構造であって、前記回転軸と前記貫通穴との間の空間に取り付けられる密封装置と、前記回転軸に取り付けられる環状の部材である鍔部材とを備え、前記密封装置は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、前記弾性体部は、前記回転軸に該回転軸が摺動可能に当接可能に形成された環状のシールリップと、該シールリップよりも外側に設けられた環状のダストリップと、前記ダストリップよりも外周側において前記外側に向かって延びる環状のサイドリップとを有しており、前記鍔部材は、前記回転軸に取り付けられた状態において、前記カバー部材と対向して前記軸線周りに環状の間隙である外周間隙を形成する環状の面である間隙形成面を有しており、前記サイドリップは該サイドリップの先端が、前記間隙形成面よりも内周側において前記回転軸に取り付けられた状態における前記鍔部材との間に環状の間隙である内周間隙を形成するように延びており、前記外周間隙及び前記内周間隙は夫々ラビリンスシールを形成することを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封構造において、前記外周間隙の幅は3mm以下である。
本発明の一態様に係る密封構造において、前記鍔部材の前記間隙形成面は、平面に沿って延びている。
本発明の一態様に係る密封構造において、前記鍔部材は、前記間隙形成面よりも内周側に、前記間隙形成面が面する方向とは反対方向に凹む環状の凹部を有しており、前記サイドリップは、先端側の部分が前記凹部の中に入り込んでおり、前記凹部との間に前記内周間隙を形成する。
本発明の一態様に係る密封構造において、前記凹部は外周側に円筒面状の面である外周円筒面を有しており、前記サイドリップは、前記凹部の前記外周円筒面との間に前記内周間隙を形成する。
本発明に係る密封構造によれば、耐泥水性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る密封構造の備える密封装置の概略構成を示すための、軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封構造の備える鍔部材の概略構成を示すための、軸線に沿う断面における断面図である。 使用状態における本発明の実施の形態に係る密封構造の様子を示す軸線xに沿う断面における部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封構造における外周間隙の耐泥水性の試験に用いる試験装置の概略構成を示す断面図である。 図4に示す試験装置による外周間隙の耐泥水性の試験方法を説明するための図である。 図4に示す試験装置による試験の結果を示すための図である。 本発明の実施の形態に係る密封構造における鍔部材の変形例としての鍔部材の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。 従来の密封構造の一例の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封構造1の備える密封装置2の概略構成を示すための、軸線x1に沿う断面における断面図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る密封構造1の備える鍔部材3の概略構成を示すための、軸線x2に沿う断面における断面図である。また、図3は、使用状態における本発明の実施の形態に係る密封構造1の様子を示す軸線xに沿う断面における部分拡大断面図である。本発明の実施の形態に係る密封構造1は、自動車や汎用機械等において回転軸とこの回転軸が挿通される貫通穴を有する部材であるカバー部材との間を密封を図るために用いられる。カバー部材は、回転軸を有する機構を覆うための部材である。密封構造1は、例えば、図3に示すように、自動車や汎用機械等のディファレンシャル装置50において用いられ、カバー部材としてのハウジング51の貫通穴52に回動自在に通された回転軸53とハウジング51との間の密封が図られる。以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1〜3参照)方向を外側とし、軸線x方向において矢印b(図1〜3参照)方向を内側とする。より具体的には、外側とは、密封構造1の使用状態において、泥水や雨水、ダスト等の異物が存在する外部側であり、内側とは、グリース等の潤滑剤が存在するハウジング51の内部側である。また、軸線x,x1,x2に垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線x,x1,x2から離れる方向(図1〜3の矢印c方向)を外周側とし、軸線x,x1,x2に近づく方向(図1〜3の矢印d方向)を内周側とする。
密封構造1は、図1〜3に示すように、回転軸53と貫通穴52との間の空間に取り付けられる密封装置2と、回転軸53に取り付けられる環状の部材である鍔部材3とを備えている。密封装置2は、図1に示すように、軸線x1周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられている軸線x1周りに環状の弾性体から形成された弾性体部20とを備えている。弾性体部20は、シールリップ21と、ダストリップ22と、サイドリップ23とを備えている。シールリップ21は、図3に示すように使用状態において回転軸53に回転軸53が摺動可能に当接可能に形成された環状のリップである。ダストリップ22は、シールリップ21よりも外側に設けられている環状のリップである。サイドリップ23は、ダストリップ22よりも外周側において外側に向かって延びる環状のリップである。鍔部材3は、図3に示すように回転軸53に取り付けられた使用状態においてハウジング51と対向して軸線x周りに環状の間隙である外周間隙g1を形成する環状の面である間隙形成面31を有している。また、サイドリップ23は、サイドリップ23の先端(先端23a)が、間隙形成面31よりも内周側において回転軸53に取り付けられた使用状態における鍔部材3との間に環状の間隙である内周間隙g2を形成するように延びている。そして、外周間隙g1及び内周間隙g2は夫々ラビリンスシールを形成する。
補強環10は、例えば金属製であり、補強環10の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。弾性体部20の弾性体としは、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20が補強環10と一体的に成形される。
補強環10は、例えば、図1に示すように、軸線x1を中心とする円環状に形成されており、軸線x1に沿う断面(以下、単に「x1断面」ともいう。)が略L字状の形状を呈しており、軸線x方向に延びる円筒状又は略円筒状の部分である円筒部11と、円筒部11の外側の端部から内周側に向かって広がる中空円盤状の部分であるフランジ部12とを有している。また、補強環10は、断面において、その厚さが一定又は略一定となっている。
弾性体部20は、補強環10に取り付けられており、補強環10を全体又は略全体を覆うように補強環10と一体的に形成されている。弾性体部20は補強環10を外側及び外周側から覆うように形成されていてもよい。シールリップ21は、具体的には、図1に示すように、リップ腰部24を有しており、リップ腰部24は、弾性体部20において、補強環10のフランジ部12における内周側の端部の近傍に位置する環状の部分である。シールリップ21は、外側の端部においてリップ腰部24に繋がっており、リップ腰部24から内側に向かって延びる部分であり、補強環10の円筒部11に対向して配置されている。また、シールリップ21は、内周側において軸線x1に向かって凸の環状の部分であるリップ先端部25と、外周側においてリップ先端部25に背向して形成された環状の溝であるスプリング収容溝26とを有している。
リップ先端部25は、具体的には、シールリップ21の内側の端部に形成されて環状のリップ部分であり、x1断面形状が内周側に向かって凸の楔形状を呈している。リップ先端部25は、使用状態において(図3参照)、内周側の尖端部分が、回転軸53の外周面53aに密接するように形成されている。また、リップ先端部25の外側の円錐面状のテーパ面25aには、リップ先端部25の先端に対して斜めに延びる内周方向に突き出した突起であるネジ突起25bが複数、周方向に等角度間隔で螺旋状に形成されている。ネジ突起25bは、回転軸53が摺動する際に、外側から内側に向かう気流を発生させ、内側からの潤滑油の漏洩の防止を図る。なお、リップ先端部25は、ネジ突起25bを有していなくてもよい。
ダストリップ22は、具体的には図1に示すように、リップ腰部24から延びる部位であり、リップ腰部24から外側且つ内周側の方向に延出している。ダストリップ22により、使用状態において(図3参照)、外側からリップ先端部25方向への、泥水や砂、ダスト等の異物の侵入の防止が図られている。ダストリップ22は、後述するように、その先端部分が使用状態において回転軸53との間にラビリンスシールを形成するように回転軸53に接触しないようにその延び方向の長さが設定されている。
サイドリップ23は、具体的には、図1に示すように、リップ腰部24から外側及び外周側に向かって斜めに延びる環状の部分であり、軸線x1を中心とする外側に向かうに連れて拡径する円錐筒状又は略円錐筒状の形状を有している。サイドリップ23は、リップ腰部24において、ダストリップ22が接続する部分よりも外周側から延びている。また、サイドリップ23は、図3に示すように、回転軸53に取り付けられた鍔部材3の内側の面に間隙形成面31よりも内周側において、先端23aが対向するように、その延び方向の長さや軸線x1に対する角度が設定されている。
また、弾性体部20は、ガスケット部27と、後方カバー28とを有している。ガスケット部27は、補強環10の円筒部11を外周側から覆う部分であり、後方カバー28は、補強環10のフランジ部12を外側から覆う部分である。ガスケット部27は、図3に示すように使用状態において、ハウジング51の貫通穴52に密封装置2を固定させるための部分であり、密封装置2が上述の貫通穴52に圧入された際に、この貫通穴52と補強環10の円筒部11との間において径方向に圧縮されて、径方向に向かう力である嵌合力を発生する。ガスケット部27は、貫通穴52に圧入された際に、所定の大きさの嵌合力が発生するように、径方向の厚さが設定されている。
上述のように、弾性体部20は、シールリップ21、ダストリップ22、サイドリップ23、リップ腰部24、ガスケット部27、及び後方カバー28の各部分を有しており、弾性体から一体に形成されている。
また、密封装置2は、ガータスプリング29を有している。ガータスプリング29は、環状のコイルバネであり、例えば、線状のコイルバネの端部同士が繋ぎ合わされて形成されている。ガータスプリング29は、シールリップ21のスプリング収容溝26内に嵌め込まれている。ガータスプリング29は、使用状態において、シールリップ21のリップ先端部25を径方向において内周側に押圧し、リップ先端部25を回転軸53に押し付けて、リップ先端部25に回転軸53に対する所定の大きさの緊迫力を与えている。
鍔部材3は、具体的には、図2に示すように、軸線x2を中心とする円盤状の金属製又は樹脂製の部材であり、鍔部材3において間隙形成面31は、内側(矢印b方向)に面する軸線x2に直交する平面に沿う中空円盤面である。鍔部材3は、間隙形成面31よりも内周側に、間隙形成面31が面する方向とは反対方向である外側(矢印a方向)に凹む環状の凹部32を有している。この凹部32は、図3に示すように使用状態においてサイドリップ23の先端23a側の部分が凹部32の中に入り込むような形状に形成されている。また、凹部32は、使用状態においてサイドリップ23の先端23aとの間に内周間隙g2を形成するように形成されている。本実施の形態においては、凹部32は、軸線x2を中心とする環状の面である外周面32aと、外周面32aよりも内周側に延びている軸線x2を中心とする環状の面である内周面32bと、外周面32aと内周面32bとを外側の端部において接続する軸線x2を中心とする中空円盤状の底面32cとによって画成されている。より具体的には、凹部32の外周面32aは、軸線x2を中心とする円筒面状の面となっている。
また、鍔部材3は、鍔部材3を回転軸53に取り付けるための嵌合部33及びボルト穴としての貫通穴34を有している。嵌合部33は、例えば図2に示すように、鍔部材3の内側の面である内側面35に形成されており、外側に凹む軸線x2を中心とする円盤状の空間を画成する凹部である。嵌合部33は、具体的には、軸線x2に直交する平面に沿う軸線x2を中心とする中空円盤面状の底面33aと、底面33aから外側に向かって延びる軸線x2を中心とする円筒面状の外周面33bとによって形成されている。貫通穴34は、嵌合部33の底面33aから外側に向かって鍔部材3を貫通する穴であり、軸線x2を中心とする円筒面状の周面により画成されている。嵌合部33は、使用状態において回転軸53の先端部分に嵌合するようにその寸法等が設定されている。
鍔部材3において、間隙形成面31は、図3に示すように使用状態において、間隙形成面31の少なくとも環状の一部分がハウジング51に対向して外周間隙g1を形成するように、間隙形成面31と嵌合部33の底面33aとの間の距離、軸線x2から径方向の距離等が設定されている。また、凹部32は、図3に示すように使用状態において、サイドリップ23の先端23aが外周面32aに径方向において対向して内周間隙g2を形成するように、凹部32の底面32cと嵌合部33の底面33aとの間の距離、軸線x2から外周面32aまでの径方向の距離等が設定されている。
次いで、上述の構成を有する密封構造1の使用状態について説明する。図3に示すように、密封構造1は、ディファレンシャル装置50に適用された使用状態において、密封装置2が回転軸53とハウジング51の貫通穴52との間の空間に取り付けられ、鍔部材3が回転軸53に取り付けられ、回転軸53とハウジング51との間の密封を図る。
図3に示すように、使用状態において、密封装置2は、ハウジング51の貫通穴52に圧入されて取り付けられ、弾性体部20のガスケット部27がハウジング51と補強環10との間で圧縮されて貫通穴52の内周面52aに密接している。これにより、密封装置2とハウジング51の貫通穴52との間の密閉が図られている。また、使用状態において、回転軸53が貫通されたシールリップ21は、リップ先端部25において回転軸53の外周面53aに回転軸53が摺動可能に接触し、内周側において密封装置2と回転軸53との間の密閉が図られている。これにより、ハウジング51の内部に貯留された潤滑油が外部に漏れ出ることの防止が図られている。
鍔部材3は、使用状態において、ボルト54が回転軸53に螺合されることにより、回転軸53の先端部に固定されている。鍔部材3は嵌合部33が回転軸53の先端部に嵌合され、嵌合部33の外周面33bが回転軸53の外周面53aに接触し、嵌合部33の底面33aが回転軸53の先端面53bに接触して、ディファレンシャル装置50において所定の位置に固定されている。ボルト54は、鍔部材3の貫通穴34を貫通して回転軸53に螺合され、鍔部材3が所定の位置で回転軸53に固定されている。
鍔部材3の間隙形成面31は、上述のように回転軸53に固定された使用状態において、ハウジング51の外側の表面を形成する外面において密封装置2のサイドリップ23の先端23aよりも外周側の部分であるハウジング外周面55に対向して、幅w1の外周間隙g1を形成している。鍔部材3において間隙形成面31は、上述のように使用状態においてハウジング外周面55に対向して外周間隙g1を形成するように配置されている。外周間隙g1の軸線xに直交する径方向の幅はハウジング51のハウジング外周面55の形状に基づくが、間隙形成面31は、少なくとも間隙形成面31の径方向の幅の一部に亘る環状の部分においてハウジング51のハウジング外周面55に対向するように形成されている。ハウジング外周面55が軸線xに直交する平面に沿う場合、間隙形成面31は図3に示すように、全体においてハウジング外周面55に対向して、間隙形成面31の全面に亘る外周間隙g1を形成する。鍔部材3の間隙形成面31は、平面状ではなく、ハウジング外周面55に一定の間隔をあけて対向するようにハウジング外周面55に沿った曲面形状に形成されていてもよい。外周間隙g1の幅w1は、後述するように3mm以下が好ましい。また、外周間隙g1の径方向の幅は大きいほど好ましい。
また、鍔部材3の凹部32は、上述のように回転軸53に固定された使用状態において、ハウジング51の貫通穴52に嵌着された密封装置2のサイドリップ23の先端23a及びそれに続く部分である先端側の一部が凹部32内に入り込み、サイドリップ23の先端23aが径方向において凹部32の外周面32aと対向して内周間隙g2を形成している。鍔部材3において凹部32は、また、密封装置2においてサイドリップ23は、上述のように使用状態において凹部32の外周面32aとサイドリップ23の先端23aとが互いに径方向において対向して内周間隙g2を形成するように夫々配置されている。
外周間隙g1及び内周間隙g2は、夫々ラビリンスシールを形成しており、密封装置2のサイドリップ23、並びに鍔部材3の間隙形成面31及び凹部32は、形成する外周間隙g1及び内周間隙g2が夫々ラビリンスシールを形成するように密封装置2及び鍔部材3において夫々形成されている。
また、ダストリップ22は、図3に示すように使用状態において、回転軸53の外周面53aに接触しておらず、ダストリップ22の先端(先端22a)は、ラビリンスシールを形成する微小な隙間を介して回転軸53の外周面53aに対向している。
次いで、本発明の実施の形態に係る密封構造1の作用について説明する。上述のように密封構造1の使用状態において、密封構造1の外部からシールリップ21のリップ先端部25に至る経路(以下、「異物侵入経路」という。)においてリップ先端部25の上流側に、サイドリップ23による密封に加えて外周間隙g1によるラビリンスシールが形成されている。また、このラビリンスシールである外周間隙g1は、鍔部材3が回転することにより、内部に空気層を形成することができ、この空気層により異物の侵入を更に抑えることができる。このため、密封構造1全体が泥水等の液体の中につかった場合でも、2つのラビリンスシールである外周間隙g1と内周間隙g2とにより、泥水等の液体がシールリップ21のリップ先端部25にまで至ることを抑制することができ、耐泥水性を向上させることができる。このため、リップ先端部25と回転軸53との間のシール部が異物を噛み込むことを抑制することができ、シールリップ21の耐久性を向上させ、密封装置2の密封性能を向上させることができる。
また、上述のように、外周間隙g1の幅w1(図3参照)の値は、3mm以下が好ましい。これは、後述する試験に基づくと、外周間隙g1の幅w1の値が3mm以下であると、外周間隙g1の耐泥水性を高くすることができると分かるからである。図4は、外周間隙g1の耐泥水性の試験に用いる試験装置の概略構成を示す断面図である。耐泥水性の試験は、図4に示すように、ハウジング51の仮想部材としての保持部材により軸受を介して回動可能に保持された回転軸の先端に間隙形成面31の仮想部材としてのアクリル円盤を固定し、アクリル円板と保持部材とを軸心方向において幅hの間隔で対向させ、幅hの外周間隙g1の仮想間隙としての仮想外周間隙を形成し、これを水が溜められたケース内に入れ、回転軸の軸心が水の液面上となる位置に保持部材を固定し、回転軸(アクリル円板)を回転させることにより行った。より詳細には、図5に示すように、仮想外周間隙における液面の回転軸の静止時の液面からの変位角度(液面角度θ)と回転軸の回転数とを測定することにより、耐泥水性の試験を行った。耐泥水性の試験は、外周間隙g1の幅hを複数の値(h=1mm,3mm,5mm,10mm)に変更し、各幅hの仮想外周間隙に対して行った。
図6は、試験結果を示す図である。図6から分かるように、仮想外周間隙の幅hが10mmの場合は、いずれの回転数(0Hz〜1500Hz)において液面角度θの変化はなく、回転軸の回転によって空気層が液面を押し下げて静止時の液面よりも下方に空気層が形成されることはなかった。仮想外周間隙の幅hが5mmの場合は、回転数(0Hz〜1500Hz)の上昇に伴い液面角度θは増加したが、液面角度θの最大値は45度(deg)よりも小さく、仮想外周間隙内全体に空気層を形成することはできなかった。仮想外周間隙の幅hが3mmの場合は、回転数(0Hz〜1500Hz)の上昇に伴い液面角度θは増加し、回転数が800Hzより大きくなると液面角度θは大きく増加し、回転数1200Hzにおいて仮想外周間隙内全体に空気層が形成された。仮想外周間隙の幅hが1mmの場合は、回転数(0Hz〜1500Hz)の上昇に伴いh=3mmの場合よりも高い増加率で液面角度θは増加し、回転数800Hzにおいて仮想外周間隙内全体に空気層が形成された。この結果から、仮想外周間隙の幅hが3mm以下の場合に、空気層に基づく仮想外周間隙の密封性能が上昇することが分かり、上述のように、密封構造1の外周間隙g1の耐泥水性については、外周間隙g1の幅w1が3mm以上であることが好ましいと考えられる。また、ラビリンスシールを形成する外周間隙g1の幅w1は、小さいほどよいが、回転軸53の偏心等により鍔部材3の間隙形成面31がハウジング51に衝突することがないような値であることが好ましい。
密封構造1においては、密封構造1の使用状態において、異物侵入経路におけるサイドリップ23の上流側に、外周間隙g1がラビリンスシールを形成しているので、サイドリップ23に至る異物の量を低減又はゼロにすることができる。このため、サイドリップ23と鍔部材3との間の密封形態を非接触型のラビリンスシールにすることができる。また同様に、異物侵入経路においてダストリップ22の上流側に、外周間隙g1と内周間隙g2との2つのラビリンスシールが形成されるので、ダストリップ22に至る異物の量を低減又はゼロにすることができる。このため、ダストリップ22と回転軸53との間の密封形態を非接触型のラビリンスシールにすることができる。このように、密封構造1においては、サイドリップ23及びダストリップ22が鍔部材3及び回転軸53に夫々接触することがないので、密封構造1が回転軸53に与える抵抗を低減することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る密封構造1によれば、耐泥水性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る密封構造1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、本発明に係る密封構造において、鍔部材は上述の形態の鍔部材3に限定されない。鍔部材は、ハウジングとの間に外周間隙g1を形成し、また、密封装置のサイドリップとの間に内周間隙g2を形成可能な形態のものであればよい。例えば、鍔部材3において、凹部32の形状は図2に図示した矩形の断面形状ではなく、断面において曲線状の輪郭を有するものであってもよい。また、鍔部材は、鍔部材3のように、ボルト54によって回転軸53に固定されるものではなく、回転軸53に圧入されて固定されるものであってもよい。図7は、鍔部材3の変形例としての鍔部材4の概略構成を示すための軸線x3に沿う断面における断面図である。鍔部材3の変形例としての鍔部材4は、金属板から形成されたデフレクタ又はスリンガであり、鍔部材3と同様に、使用状態においてハウジング51と対向して外周間隙g1を形成する間隙形成面31と、使用状態においてサイドリップ23が入り込み、サイドリップ23の先端23aとの間に内周間隙g2を形成する凹部32を有している。また、鍔部材4は、回転軸53の先端部分が圧入される貫通穴41を有しており、軸線x3を中心とする円筒状の面である内周面42が貫通穴41を画成している。使用状態において、鍔部材4は、回転軸53が圧入され、内周面42と回転軸53の外周面53aとが密接し、回転軸53に固定される。密封構造1において鍔部材4は鍔部材3と同様に作用し、鍔部材4を用いても上記密封構造1と同様の効果が得られる。
また、密封装置2の補強環10や弾性体部20の形態は他の形態であってもよい。弾性体部20はダストリップ22を備えないものであってもよい。また、弾性体部20のダストリップ22は回転軸53に接触するものであってもよい。
また、本実施の形態に係る密封構造1は、自動車や汎用機械のディファレンシャル装置50に適用されるものとしたが、本発明に係る密封構造の適用対象はこれに限られるものではなく、他の車両や汎用機械、産業機械等の回転軸とカバー部材との間等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。具体的には、車輪を保持するハブベアリングに用いられる密封構造としても用いることができ、エンジンのクランクシャフト等の回転軸のための密封構造としても用いることができる。
1,100 密封構造
2,101 密封装置
3,4 鍔部材
10,111 補強環
11 円筒部
12 フランジ部
20,112 弾性体部
21,113 シールリップ
22,114 ダストリップ
22a 先端
23,115 サイドリップ
23a 先端
24 リップ腰部
25 リップ先端部
25a テーパ面
25b ネジ突起
26 スプリング収容溝
27 ガスケット部
28 後方カバー
29 ガータスプリング
31 間隙形成面
32 凹部
32a 外周面
32b 内周面
32c 底面
33 嵌合部
33a 底面
33b 外周面
34,41 貫通穴
35 内側面
42 内周面
50,130 ディファレンシャル装置
51,132 ハウジング
52,133 貫通穴
53,131 回転軸
54 ボルト
55 ハウジング外周面
102 デフレクタ
121 摺動面
g1 外周間隙
g2 内周間隙
h,w1 幅
x,x1,x2,x3 軸線

Claims (5)

  1. 貫通穴が形成されたカバー部材と前記貫通穴に回動自在に通される回転軸との間の密封を図るための密封構造であって、
    前記回転軸と前記貫通穴との間の空間に取り付けられる密封装置と、
    前記回転軸に取り付けられる環状の部材である鍔部材とを備え、
    前記密封装置は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、
    前記弾性体部は、前記回転軸に該回転軸が摺動可能に当接可能に形成された環状のシールリップと、該シールリップよりも外側に設けられた環状のダストリップと、前記ダストリップよりも外周側において前記外側に向かって延びる環状のサイドリップとを有しており、
    前記鍔部材は、前記回転軸に取り付けられた状態において、前記カバー部材と対向して前記軸線周りに環状の間隙である外周間隙を形成する環状の面である間隙形成面を有しており、
    前記サイドリップは該サイドリップの先端が、前記間隙形成面よりも内周側において前記回転軸に取り付けられた状態における前記鍔部材との間に環状の間隙である内周間隙を形成するように延びており、
    前記外周間隙及び前記内周間隙は夫々ラビリンスシールを形成することを特徴とする密封構造。
  2. 前記外周間隙の幅は3mm以下であることを特徴とする請求項1記載の密封構造。
  3. 前記鍔部材の前記間隙形成面は、平面に沿って延びていることを特徴とする請求項1又は2記載の密封構造。
  4. 前記鍔部材は、前記間隙形成面よりも内周側に、前記間隙形成面が面する方向とは反対方向に凹む環状の凹部を有しており、前記サイドリップは、先端側の部分が前記凹部の中に入り込んでおり、前記凹部との間に前記内周間隙を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の密封構造。
  5. 前記凹部は外周側に円筒面状の面である外周円筒面を有しており、前記サイドリップは、前記凹部の前記外周円筒面との間に前記内周間隙を形成することを特徴とする請求項4記載の密封構造。
JP2016215229A 2016-11-02 2016-11-02 密封構造 Pending JP2018071738A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016215229A JP2018071738A (ja) 2016-11-02 2016-11-02 密封構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016215229A JP2018071738A (ja) 2016-11-02 2016-11-02 密封構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018071738A true JP2018071738A (ja) 2018-05-10

Family

ID=62114601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016215229A Pending JP2018071738A (ja) 2016-11-02 2016-11-02 密封構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018071738A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07264796A (ja) * 1994-03-23 1995-10-13 Nippon Densan Corp スピンドルモータ
JP2000116050A (ja) * 1998-09-30 2000-04-21 Nippon Densan Corp 記録ディスク駆動用スピンドルモータ
JP2012219821A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Toyota Motor Corp シール構造
JP2014025487A (ja) * 2012-07-24 2014-02-06 Jtekt Corp 転がり軸受装置
JP2015209957A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 内山工業株式会社 軸受密封装置
WO2016111129A1 (ja) * 2015-01-07 2016-07-14 Nok株式会社 トーショナルダンパとオイルシールとを用いた密封構造

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07264796A (ja) * 1994-03-23 1995-10-13 Nippon Densan Corp スピンドルモータ
JP2000116050A (ja) * 1998-09-30 2000-04-21 Nippon Densan Corp 記録ディスク駆動用スピンドルモータ
JP2012219821A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Toyota Motor Corp シール構造
JP2014025487A (ja) * 2012-07-24 2014-02-06 Jtekt Corp 転がり軸受装置
JP2015209957A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 内山工業株式会社 軸受密封装置
WO2016111129A1 (ja) * 2015-01-07 2016-07-14 Nok株式会社 トーショナルダンパとオイルシールとを用いた密封構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6805154B2 (ja) 密封装置
US10663003B2 (en) Sealing apparatus
JP6642453B2 (ja) トーショナルダンパとオイルシールとを用いた密封構造
WO2014021179A1 (ja) 密封装置
JP2018035855A (ja) 密封装置
JP7203723B2 (ja) 密封装置
JP6590293B2 (ja) 密封装置
JP6443821B2 (ja) 密封装置
JP2017190804A (ja) 密封装置
JP2013113381A (ja) 密封装置
WO2019194185A1 (ja) 密封装置
JP2018071738A (ja) 密封構造
JP6474030B2 (ja) トーショナルダンパとオイルシールとのラビリンス構造
JP2017106514A (ja) 密封装置
JPWO2020080408A1 (ja) 密封装置
JP2016196928A (ja) 密封装置
JP7051443B2 (ja) 密封装置
JP7011716B2 (ja) 密封装置
JP2019015352A (ja) 密封装置
JP7224248B2 (ja) 密封装置
KR20180033280A (ko) 밀봉구조
JP2014219032A (ja) 車輪用軸受装置
JP2019100384A (ja) 密封装置
JP2021025595A (ja) 回転用シール
JP2023102745A (ja) ハブシールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170904

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210322