JP2018071577A - 減速装置 - Google Patents

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大場 浩量
Hirokazu Oba
浩量 大場
泰介 井木
Taisuke IGI
泰介 井木
孝志 野▲崎▼
Takashi Nozaki
孝志 野▲崎▼
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【課題】入力から出力までのスペースを可能な限り短く設定できて、従来にはないコンパクトな減速装置を提供する。【解決手段】入力軸と、この入力軸と同軸上に配設される出力軸と、入力軸と出力軸との間に配設される減速機機構部及び軸継手構造部とを備えた減速装置である。減速機機構部は、入力軸に設けられる偏心軸部に軸受を介して外嵌されるプレート状の遊星部材と、遊星部材と対になる固定側部材とを有する。軸継手構造部は、遊星部材に相対面して出力軸と一体に回転する回転プレート体と、遊星部材のプレート対向面に複数の長溝状の第1案内溝と、回転プレート体の遊星歯車対向面に複数の長溝状の第2案内溝とを有する。各相対向する第1案内溝と第2案内溝とが溝中心線が相互に直交する。相対向する第1案内溝と第2案内溝の間に転動体を嵌合させる。転動体を保持するポケットを有する保持器を遊星部材と回転プレート体との間に介在させた。【選択図】図1

Description

本発明は、減速装置に関する。
減速装置である遊星歯車装置として、2K−H型遊星歯車装置が汎用的である。しかしながら、近年では、コンパクトで高減速比を得ることが可能な3K型遊星歯車装置が種々提案されている。3K型遊星歯車装置は、1個の太陽歯車と1個の内歯歯車とが最低限必要な構成要素となる。そして、3K型遊星歯車装置には、3本の基本軸のうち2本が内歯歯車で構成されるA型と、3本の基本軸のうち2本が外歯歯車で構成されるB型とがある。
さらには、太陽歯車、遊星歯車、及びキャリアの軸をそのまま基本軸として使うK−H−V型と称されるものもある。この場合、遊星歯車は公転と自転とを同時に行うが、公転はキャリアで取り出している。このため、軸継手が必要となる。
一般的な機械装置の2つの軸を連結して駆動側から従動側へ動力を伝達する軸継手は、連結する2軸の位置関係によって構造が異なり、2軸が1直線上にあるもの、交差するもの、互いに平行な(かつ同心でない)ものに大別される。
このうちの平行な2軸を連結する軸継手としては、オルダム継手がよく知られている。しかし、このオルダム継手は、大きな動力を伝達すると、2軸間に介装されるスライダ同士の摩擦面に潤滑不良が生じて動力伝達がスムーズに行われなくなる場合があるし、大きな偏心量(2軸の径方向のずれ量)を許容できない問題もある。
また、オルダム継手の代わりに、2つの等速自在継手を組み合わせたもので平行な2軸を連結する方法もあるが、この方法では、等速自在継手の作動角が制限されているため、大きな偏心量を得ようとすると軸方向長さが長くなって装置が大型化しやすい。
これに対して、軸方向で対向する2つの回転部材(ディスク)間にプレートを挿入し、このプレートの表裏面の複数箇所に直動ガイドをその作動方向がプレートの表裏で互いに直交するように配し、プレートと直動ガイドを介して両回転部材間で動力を伝達する機構が提案されている(特許文献1)。この機構を採用すれば、軸方向にコンパクトな構造となるので、装置の小型化が可能となる。また、直動ガイドの長さを変えるだけで必要な偏心量を得ることができるし、直動ガイド内の互いに対向して相対移動する面に複数の鋼球を配することにより、大きな動力をスムーズに伝達することもできる。
しかしながら、上記のような機構の軸継手では、直動ガイドを多数使用するため、継手全体の製造コストがかなり高くなる。また、各直動ガイドは、相対移動するガイド部材とレール部材とから成り、そのうちの一方を回転部材に、他方をプレートにそれぞれ位置合わせして固定する必要があるため、両部材がスムーズに相対移動するように精度よく組み付けることが難しく、組付作業に非常に手間がかかる問題もある。
特開2003−260902公報
ところで、小形電動車両、小形農機、及びアクチュエータ等に減速装置(減速機)が使用される。このため、近年では、変装装置の一層の小型化が求められている。そして、近年では、軸方向で対向する2つの回転部材の対向面に複数の案内溝を相手側の案内溝と直交するように設け、両回転部材の案内溝の交差位置に配した転動体を介して両回転部材間で動力を伝達する軸継手が種々提案されている。
そこで、本発明は、軸方向にコンパクトな構造で、伝達動力や偏心量の制約が少なく、しかも安価で組立性に優れた軸継手を遊星歯車機と組み合わせることによって、入力から出力までのスペースを可能な限り短く設定できて、従来にはないコンパクトな減速装置を提供する。
本発明の減速装置は、入力軸と、この入力軸と同軸上に配設される出力軸と、入力軸と出力軸との間に配設される減速機機構部及び軸継手構造部とを備えた減速装置であって、
減速機機構部は、入力軸に設けられる偏心軸部に軸受を介して外嵌されるプレート状の遊星部材と、この遊星部材と対になる固定側部材とを有し、軸継手構造部は、遊星部材に相対面して出力軸と一体に回転する回転プレート体と、遊星部材のプレート対向面に複数の長溝状の第1案内溝と、回転プレート体の遊星部材対向面に複数の長溝状の第2案内溝とを有し、各相対向する第1案内溝と第2案内溝とが、溝中心線が相互に直交し、相対向する第1案内溝と第2案内溝の間に転動体を嵌合させるとともに、転動体を保持するポケットを有する保持器を遊星部材と回転プレート体との間に介在させた
ものである。
本発明の減速装置によれば、入力軸が回転すれば、この入力軸の偏芯軸部に軸受を介して外嵌される遊星部材は、固定側部材と対になるので入力軸の軸心廻りに公転する。この公転によって、遊星部材の第1案内溝と回転プレート体の第2案内溝との交差位置に配された転動体が保持器の長孔に収納された状態で、第1案内溝と第2案内溝に案内されて転動する。これによって、回転プレート体が回転して出力軸が減速されて回転する。
また、軸継手構造部は、平板状(プレート状)の遊星部材と、回転プレート体と、これらの設けられた案内溝に嵌合される転動体と、遊星部材と回転プレート体との間に介在される保持器とが構成部材となり、その軸方向長さを短く設定できる。
前記減速機機構部は、前記遊星部材が遊星歯車であり、前記固定側部材が内歯車である遊星歯車機構であるように構成できる。
前記保持器は平板リング体からなり、この保持器に設けられるポケットは、各相対向する第1案内溝と第2案内溝の両方に対して、45度の方向に延びる長孔であるのが好ましい。このように設定することによって、軸方向の長さが大となることがなく、しかも、ポケットは、形状がシンプルで転動体を安定して収納することができる。
前記偏心軸部は、入力軸に外嵌される偏心スペーサにて構成されるようにできる。これによって、容易に所望の偏心量の偏心軸部を安定して構成できる。
入力軸に遊星部材と回転バランスをとるバランサーを設けることができる。このようなバランサーを設けることによって、荷重バランスが良くなって、安定した回転を得ることができ、高精度の減速機能を発揮する。
遊星部材、回転プレート体、転動体、及び保持器が金属材料で構成され、かつ、これらの表面が硬化処理部とされているのが好ましい。このように、表面が硬化処理部とされたものでは、強度の向上を図ることができる。
遊星部材、回転プレート体、転動体、及び保持器がケース内に収納される共に、固定側部材が固定部材であるケースに固定され、出力軸及び入力軸が軸受を介して回転自在にケースに支持されているのが好ましい。このように構成することによって、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
本発明では、入力から出力までのスペースを可能な限り短く設定できて、従来にはないコンパクトな減速装置を提供できる。しかも、この減速装置は、伝達動力や偏心量の制約が少なくかつ組み付け性に優れる軸継手(軸継手構造部)を用いることができる。
本発明の減速装置の断面図である。 図1に示す減速装置の一部断面で示す斜視図である。 図1に示す減速装置の減速機機構部である遊星歯車機構部の要部を示す斜視図である。 図1に示す減速装置の軸継手構造の要部分解斜視図である。 図1に示す減速装置の減速機機構部である遊星歯車機構部の遊星歯車と内歯車との関係を示す側面図である。 遊星歯車の側面図である。 回転プレート体の側面図である。 保持器の側面図である。 第1案内溝と第2案内溝とポケットとの関係を説明する説明図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1と図2に本発明に係る減速装置を示し、この減速装置は、駆動源(図示省略)に接続される入力軸1と、入力軸1と同軸上に配設される出力軸2と、減速機機構部である遊星歯車構造部3と、軸継手構造部4とを備える。この場合、入力軸1の軸心O1と出力軸2の軸心O2とがこの減速装置の軸心O上に配設される。
入力軸1は、入力側の本体軸部1aと、出力側の端部軸部1bと、本体軸部1aと端部軸部1bとの間の大径軸部1cと、大径軸部1cと本体軸部1aとの間の外鍔部1dとからなる。なお、本体軸部1aと端部軸部1bとは同一径に設定されている。大径軸部1cにはこの入力軸1の偏心軸部5を構成する偏心スペーサ6が装着されている。偏心スペーサ6の軸心Osは入力軸1の軸心O1に対して所定寸Sだけずれている。このため、偏心軸部5の軸心O3は入力軸1の軸心O1に対して所定寸Sだけずれている。
出力軸2は、本体軸2aと、入力側の大径軸部2bとを有し、大径軸部2bの入力側に開口する凹部8が形成されている。そして、この大径軸部2bの入力側に、前記軸継手構造部4の構成部材の一つである回転プレート体10が外鍔状に連設されている。
入力軸1及び出力軸2は、前記遊星歯車構造部3及び軸継手構造部4を収納するケース11に軸受12,13,14を介して回転自在に枢支されている。ケース11は、入力側の第1部材15と、出力側の第2部材16とを有し、これらの第1部材15と第2部材16とで後述する内歯車17が挟持状に保持される。各軸受12,13、14は、それぞれ、外径面に軌道面が形成された内輪12a、13a、14aと、内径面に軌道面が形成された外輪12b、13b、14bと、内輪12a、13a、14aと外輪12b、13b、14bとの間に転動自在に配設される転動体(ボール)12c、13c、14cとを備える。
第1部材15は、中心孔18を有する円板形状体からなる側板15aと、この側板15aの外周部において出力側へ突出するリング状の胴部15bとを有するものである。また、ケース11の第2部材16は、中心孔19を有する円板形状体からなる側板16aと、この側板16aの外周部において入力側へ突出するリング状の胴部16bとを有するものである。固定側部材である内歯車17は、その内周面に凹凸歯20aを有するリング体20からなり、周方向に沿って所定ピッチで貫通孔20bが設けられている。
この場合、第1部材15及び第2部材16の各胴部15b、16bには、相対向する周方向切欠部21,22が設けられ、周方向切欠部21,22に、内歯車17が嵌合している。また、第1部材15に周方向に沿って所定ピッチでネジ孔23が設けられ、第2部材16に周方向に沿って所定ピッチで貫通孔24が設けられている。なお、貫通孔24は、ケース外部側に開口する大径部24aと、ケース内部側に開口する小径部24bとからなる。
貫通孔24と貫通孔20bとネジ孔23とは、周方向の配設ピッチを合わせている。図1に示すように、第1部材15と第2部材16とを、相対向する周方向切欠部21,22に内歯車17を嵌合させた突き合わせ状とすれば、貫通孔24と貫通孔20bとネジ孔23とを相対向させることができる。
このため、図示省略のボルト部材を、第2部材16の各貫通孔24から各貫通孔20bを介して、各ネジ孔23に螺着することができる。これによって、第1部材15と第2部材16と内歯車17とが一体化して、内歯車17が固定されたケース11を形成することができる。
そして、第1部材15の側板15aの中心孔18に内嵌される軸受12に入力軸1の本体軸部1aが枢支されている。この場合、中心孔18の入力側に内鍔部18aが設けられる。このため、軸受12の内輪12aは、ケース内部側の端面が入力軸1の外鍔部1dに当接した状態で、入力軸1の本体軸部1aに外嵌され、軸受12の外輪12bは、ケース外部側の端面が中心孔18の内鍔部18aに当接した状態で、中心孔18に内嵌されている。
また、入力軸1の端部軸部1bは、出力軸2の大径軸部2bの凹部8に配設される軸受13に枢支されている。この場合、軸受13の内輪13aは、内輪13aのケース内部側の端面が入力軸1の端部軸部1bと大径軸部1cとの間の段差部1eに当接した状態で外嵌され、軸受13の外輪13bは、外輪13bのケース外部側の端面が、凹部8に設けられる段差部8aに当接した状態で、凹部8に内嵌される。
出力軸2の大径軸部2bに、第2部材16の中心孔19に内嵌される軸受14が外嵌されている。すなわち、中心孔19の出力側に内鍔部19aが設けられ、軸受14の内輪14aは、ケース内部側の端面が大径軸部2bと回転プレート体10との間の膨出面26に当接した状態で大径軸部2bに外嵌され、軸受14の外輪14bは、外輪14bのケース外部側の端面が中心孔19の内鍔部19aに当接した状態で、中心孔19に内嵌される。
偏心軸部5には、軸受29を介して遊星部材であるプレート状の遊星歯車30が外嵌(装着)されている。遊星部材である遊星歯車30は、その外周面に内歯車17の凹凸歯20aに噛合する凹凸歯31を有する円板体からなる。また、この遊星歯車30には中心孔32が設けられ、この中心孔32に軸受13が内嵌されている。この場合、偏心スペーサ6の外周面の出力側には外鍔部6aが設けられるとともに、遊星歯車30の中心孔32の出力側には内鍔部32aが設けられている。軸受29は、外径面に軌道面が形成された内輪29aと、内径面に軌道面が形成された外輪29bと、内輪29aと外輪29bとの間に転動自在に配設される転動体(ボール)29cとを備える。
このため、軸受29の内輪29aは、その出力側の端面が偏心スペーサ6の外鍔部6aに当接した状態で偏心スペーサ6に外嵌され、軸受29の外輪29bは、出力側の端面が遊星部材である遊星歯車30の内鍔部32aに当接した状態で遊星歯車30の中心孔32に内嵌されている。また、偏心スペーサ6よりも入力側の大径軸部1cに、図1と図3に示すように、バランサー35が外嵌固定されている。この場合、バランサー35は偏心スペーサ6と入力軸1の外鍔部1dとの間に挟持される。バランサー35は、入力軸1の大径軸部1cに外嵌されるリング状の本体部35aと、この本体部35aから連設される重り部35bを有するものである。
ところで、ケース11内には、入力軸1と出力軸2との間に配設される前記遊星歯車機構部3及び軸継手構造部4とが収納される。減速機機構部である遊星歯車機構部3は、入力軸1に設けられる偏心軸部5に軸受19を介して外嵌されるプレート状の前記遊星歯車30と、この遊星歯車30が噛合する固定側の内歯車17とを有するものである。
軸継手構造部4は、遊星歯車30に相対面して出力軸2と一体に回転する前記回転プレート体10と、遊星歯車30のプレート対向面30aに複数の長溝状の第1案内溝41と、回転プレート体10の遊星歯車対向面10aに複数の長溝状の第2案内溝42とを有するものである。
この場合、遊星歯車30の第1案内溝41は、図4〜図6に示すように、周方向に沿って60°ピッチで6個配設され、回転プレート体10の第2案内溝42も、図4と図7に示すように、周方向に沿って60°ピッチで6個配設される。このため、図1等に示すように、遊星歯車30のプレート対向面30aと回転プレート体10の遊星歯車対向面10aとを突き合わせ状とすれば、遊星歯車30の各第1案内溝41と回転プレート体10の各第2案内溝42とを相対面させることができる。
各相対向する第1案内溝41と第2案内溝42とが、溝中心線L1、L2が相互に直交するように設定される。すなわち、図6に示すように、第1案内溝41(41a)の溝中心線L1(L1a)が、例えば、基準線Lbに対して35度に傾斜し、これに対応する第2案内溝42(42a)の溝中心線L2(L2a)がこの溝中心線L1に対して90°を成すように設定される。このため、図6と図7に示すように、第1案内溝41(41a)の溝中心線L1(L1a)と第2案内溝42(42a)の溝中心線L2(L2a)とが相互に直交し、第1案内溝41(41b)の溝中心線L1(L1b)と第2案内溝42(42b)の溝中心線L2(L2b)とが相互に直交し、第1案内溝41(41c)の溝中心線L1(L1c)と第2案内溝42(42c)の溝中心線L2(L2c)とが相互に直交し、第1案内溝41(41d)の溝中心線L1(L1d)と第2案内溝42(42d)の溝中心線L2(L2d)とが相互に直交し、第1案内溝41(41e)の溝中心線L1(L1e)と第2案内溝42(42e)の溝中心線L2(L2e)とが相互に直交し、第1案内溝41(41f)の溝中心線L1(L1f)と第2案内溝42(42f)の溝中心線L2(L2f)とが相互に直交する。
このように相対向する第1案内溝41と第2案内溝42には、転動体としてのボール43が嵌合している。そして、遊星歯車30のプレート対向面30aと回転プレート体10の遊星歯車対向面10aとの間に、各ボール43を保持する保持器45が配設される。
保持器45は、図4及び図8に示すように、周方向に沿って60°ピッチで6個の長孔のポケット44が形成された平板リング体からなる。各ポケット44は、各対向する第1案内溝41と第2案内溝42にそれぞれ対応する。この場合、各長孔のポケット44の孔中心線L3は、図9に示すように、各相対向する第1案内溝41と第2案内溝42の両方に対して、45度の方向に延びる長孔である。すなわち、図9に示すように、第1案内溝41の溝中心線L1が径方向に対してθ1(例えば、40°)だけ傾斜している場合、第2案内溝42の溝中心線L2、この第1案内溝42の溝中心線L1と直交するものであるので、径方向に対してθ2(90°−θ1)(θ1が40°であれば、50°)だけ傾斜することになる。そこで、溝中心線L1と溝中心線L2とに対して45°を成す線分が保持器45のポケット孔中心線L3となる。なお、図9では、第1案内溝41の溝中心線L1が径方向に対して40°だけ傾斜し、2案内溝42の溝中心線L2が径方向に対して50°だけ傾斜している場合を示したが、この径方向に対する傾斜角度は、相対向する第1案内溝41と第2案内溝42の周方向位置において相違する。また、図1に示すように、保持器45の軸心O4は、入力軸1の軸心O1に対して偏心することになる。この軸心O4の偏心量は、偏心軸部5の軸心O3の偏心量よりも小さい。すなわち、偏心軸部5の軸心O3の偏心量をSとし、軸心O4の偏心量をS1とした場合、S>S1となる。
ところで、この減速装置では、少なくとも、遊星歯車30、回転プレート体10、転動体43、及び保持器45が金属材料で構成され、かつ、これらの表面が硬化処理部とされている。硬化処理部を形成する場合の熱処理は、使用する金属材料、形状、求める硬度等に応じて、公知公用の種々の熱硬化を行うことができる。例えば、金属材料としては、浸炭焼入鋼、機械構造用炭素鋼、クロムモリブデン鋼等を用いることができ、また、浸炭焼入れや高周波焼入れ等の焼入れ手段を用いることができる。
本発明の減速装置では、入力軸1が回転すれば、この入力軸1の偏芯軸部5に軸受29を介して外嵌される遊星歯車30は、固定側の内歯車17と噛合しているので入力軸1の軸心廻りに公転する。この公転によって、遊星歯車30の第1案内溝41と回転プレート体10の第2案内溝42との交差位置に配された転動体43が保持器45のポケット44に収納された状態で、第1案内溝41と第2案内溝43に案内されて転動する。これによって、回転プレート体10が回転して出力軸2が減速されて回転する。
また、軸継手構造部4は、平板状(プレート状)の遊星歯車30と、回転プレート体10と、これらの設けられた案内溝41,42に嵌合される転動体43と、遊星歯車30と回転プレート体10との間に介在される保持器44とが構成部材となり、軸方向長さを短く設定できる。
このため、本発明では、入力から出力までのスペースを可能な限り短く設定できて、従来にはないコンパクトな減速装置を提供できる。しかも、伝達動力や偏心量の制約が少なくかつ組み付け性に優れる軸継手(軸継手構造部)を用いることができる。
軸継手構造部4の保持器45は平板リング体からなり、この保持器45に設けられるポケット44は、各相対向する第1案内溝41と第2案内溝42に対応して、径方向と直交する方向に延びる長孔であるので、軸継手構造部4として、軸方向の長さが大となることがなく、しかも、ポケット44は、形状がシンプルで転動体43を安定して収納することができる。
前記偏心軸部5は、入力軸1に外嵌される偏心スペーサ6にて構成されているので、容易に所望の偏心量の偏心軸部5を安定して構成できる。
入力軸1に遊星歯車30と回転バランスをとるバランサー35を設けているので、荷重バランスが良くなって、安定した回転を得ることができ、高精度の減速機能を発揮する。
遊星歯車30、回転プレート体10、転動体43、及び保持器45が金属材料で構成され、かつ、これらの表面が硬化処理部とされているので、表面が硬化処理部とされたものでは、強度の向上を図ることができる。
遊星歯車30、回転プレート体10、転動体43、及び保持器45がケース11内に収納されると共に、内歯車17が固定部材であるケース11に固定され、出力軸2及び入力軸1が軸受12,13,14を介して回転自在にケース11に支持されているので、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、入力軸1に駆動力を入力するための駆動源としては、モータであってもよく、また、エンジン等の他の駆動源であってもよい。また、入力軸1に設けられる偏心軸部5は、前記実施形態では、入力軸1と別部材の偏心スペーサ6を装着するものであったが、偏心軸部5が一体に設けられた入力軸1を用いてもよい、また、偏心軸部5の偏心量も任意に設定できる。
また、上述した実施形態では、遊星歯車機構を用いた減速装置について述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係る減速装置は、入力軸1に設けられた偏心軸部5に軸受19を介して外嵌されるプレート状の遊星部材と、当該遊星部材と対になる固定側部材とからなる減速装置であればよく、遊星部材が遊星歯車30に限るものではなく、固定側部材が内歯車17に限るものではない。
使用する軸受12,13,14,29として、前記実施形態では、玉軸受を用いたが、円筒ころ軸受等の他の軸受を用いてもよい。
1 入力軸
2 出力軸
3 遊星歯車構造部
4 軸継手構造部
5 偏心軸部
6 偏心スペーサ
10 回転プレート体
10a 遊星歯車対向面
11 ケース
12,13,14,29 軸受
17 内歯車
30 遊星歯車
30a プレート対向面
35 バランサー
41、42 案内溝
43 転動体(ボール)
44 ポケット
45 保持器
L1、L2 溝中心線

Claims (7)

  1. 入力軸と、この入力軸と同軸上に配設される出力軸と、入力軸と出力軸との間に配設される減速機機構部及び軸継手構造部とを備えた減速装置であって、
    減速機機構部は、入力軸に設けられる偏心軸部に軸受を介して外嵌されるプレート状の遊星部材と、この遊星部材と対になる固定側部材とを有し、
    軸継手構造部は、遊星部材に相対面して出力軸と一体に回転する回転プレート体と、遊星部材のプレート対向面に複数の長溝状の第1案内溝と、回転プレート体の遊星部材対向面に複数の長溝状の第2案内溝とを有し、各相対向する第1案内溝と第2案内溝とが、溝中心線が相互に直交し、相対向する第1案内溝と第2案内溝の間に転動体を嵌合させるとともに、転動体を保持するポケットを有する保持器を遊星部材と回転プレート体との間に介在させたことを特徴とする減速装置。
  2. 前記減速機機構部は、前記遊星部材が遊星歯車であり、前記固定側部材が内歯車である遊星歯車機構であることを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記保持器は平板リング体からなり、この保持器に設けられるポケットは、各相対向する第1案内溝と第2案内溝の両方に対して、45度の方向に延びる長孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減速装置。
  4. 前記偏心軸部は、入力軸に外嵌される偏心スペーサにて構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の減速装置。
  5. 入力軸に遊星部材と回転バランスをとるバランサーを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の減速装置。
  6. 遊星部材、回転プレート体、転動体、及び保持器が金属材料で構成され、かつ、これらの表面が硬化処理部とされていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の減速装置。
  7. 遊星部材、回転プレート体、転動体、及び保持器がケース内に収納されると共に、固定側部材が固定部材であるケースに固定され、出力軸及び入力軸が軸受を介して回転自在にケースに支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の減速装置。
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