JP2017172774A - 伝動装置 - Google Patents

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慎弥 松岡
Shinya Matsuoka
慎弥 松岡
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Abstract

【課題】第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第2軸線を中心軸線とする偏心軸部が連結された偏心回転部材と、偏心軸部に回転自在に支持される第2伝動部材と、第2伝動軸に連結され第1軸線回りに回転する第3伝動部材と、第1,第2伝動部材間の第1変速機構と、第2,第3伝動部材間の第2変速機構とを備えた伝動装置において、各伝動部材や各外部軸の、ケーシングへの支持部に高度な加工精度を必要とせずに各変速機構の伝動効率を高める。【解決手段】ケーシングCの一側壁Caに第1外部軸A1が第1軸線X1回りに回転可能に支持され且つ第1外部軸A1に第1伝動軸S1が径方向遊動可能にスプライン嵌合SP1され、ケーシングCの他側壁Cbに第2外部軸A2が第1軸線X1回りに回転可能に支持され且つ第2外部軸A2に第2伝動軸S2が径方向遊動可能にスプライン嵌合SP2される。【選択図】 図1

Description

本発明は、伝動装置、特に第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第1軸線から偏心した第2軸線を中心軸線とする偏心軸部が一体的に連結された偏心回転部材と、偏心軸部に第2軸線回りに回転自在に支持されると共に第1伝動部材に対向する第2伝動部材と、第1軸線回りに回転する第2伝動軸に同軸で連結されると共に第2伝動部材に対向する第3伝動部材と、第1及び第2伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構と、第2及び第3伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構と、第1〜第3伝動部材を収容すると共に第1伝動部材に一体的に連結されるケーシングとを備える伝動装置に関する。
上記伝動装置は、例えば特許文献1に示されるように従来公知であり、このものでは、第1変速機構が、第1伝動部材の、第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状の第1伝動溝と、第2伝動部材の、第1伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝とは異なる第2伝動溝と、それら第1及び第2伝動溝の複数の交差部に介装され、第1及び第2伝動溝を転動しながら第1及び第2伝動部材間の変速伝動を行う複数の第1転動体とを有し、第2変速機構が、第2伝動部材の、第3伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状の第3伝動溝と、第3伝動部材の、第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝とは異なる第4伝動溝と、それら第3及び第4伝動溝の複数の交差部に介装され、第3及び第4伝動溝を転動しながら第2及び第3伝動部材間の変速伝動を行う複数の第2転動体とを有しており、このものでは、例えば各伝動部材を板状とすることで、伝動装置の軸方向小型化を図り得る利点がある。
特開2003−172419号公報
ところで特許文献1に示されるような従来の伝動装置では、第1変速機構における第1及び第2伝動溝に複数の第1転動体全部が適正に係合し、且つ第2変速機構における第3及び第4伝動溝に複数の第2転動体全部が適正に係合することが、第2伝動部材のスムーズな自転(第2軸線回り)及び公転(第1軸線回り)を確保して第1及び第2変速機構の伝動効率を高める上で有効である。
そこで上記従来装置では、第1伝動部材をケーシングの一側壁と一体化させる一方、第1伝動軸(即ち偏心回転部材の主軸部)の、ケーシング外に延びる外方軸部と、第2伝動軸(即ち第3伝動部材)の、ケーシング外に延びる外方軸部とを各々軸受を介してケーシングに支持することで、第1伝動部材、第1伝動軸、及び第3伝動部材(第2伝動軸)相互の同軸配置をケーシングに関連付けて確保している。
しかしながら、そのような手法では、各伝動部材及び各伝動軸のケーシングへの支持部に高度の加工精度が要求され、製造コストの増大を招く問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、上記問題を解消しながら第1及び第2変速機構の伝動効率を高め得る伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第1軸線から偏心した第2軸線を中心軸線とする偏心軸部が一体的に連結された回転部材と、前記偏心軸部に第2軸線回りに回転自在に支持されると共に前記第1伝動部材に対向する第2伝動部材と、第1軸線回りに回転する第2伝動軸に同軸で連結されると共に前記第2伝動部材に対向する第3伝動部材と、前記第1及び第2伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構と、前記第2及び第3伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構と、前記第1〜第3伝動部材を収容すると共に前記第1伝動部材に一体的に連結されるケーシングとを備え、前記第1変速機構が、前記第1伝動部材の、前記第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状の第1伝動溝と、前記第2伝動部材の、前記第1伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝とは異なる第2伝動溝と、それら第1及び第2伝動溝の複数の交差部に介装され、第1及び第2伝動溝を転動しながら前記第1及び第2伝動部材間の変速伝動を行う複数の第1転動体とを有し、前記第2変速機構は、前記第2伝動部材の、前記第3伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状の第3伝動溝と、前記第3伝動部材の、前記第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝とは異なる第4伝動溝と、それら第3及び第4伝動溝の複数の交差部に介装され、第3及び第4伝動溝を転動しながら前記第2及び第3伝動部材間の変速伝動を行う複数の第2転動体とを有し、前記第1及び第2伝動軸間で変速伝動を行い、又は前記ケーシングから前記第1及び第2伝動軸に回転トルクを分配するようにした伝動装置であって、前記ケーシングの一側壁に、ケーシング外に延びる第1外部軸が第1軸線回りに回転可能に支持されると共に、その第1外部軸に前記第1伝動軸が径方向に遊動可能にスプライン嵌合され、前記ケーシングの他側壁に、ケーシング外に延びる第2外部軸が第1軸線回りに回転可能に支持されると共に、その第2外部軸に前記第2伝動軸が径方向に遊動可能にスプライン嵌合されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記第3伝動部材の外側面と、前記ケーシングの前記他側壁内面との相対向面間には、その相対向面の少なくとも一方に摺動可能なスラストワッシャが介装されることを第2の特徴とする。
本発明において、「径方向に遊動可能にスプライン嵌合」とは、第1、第2外部軸のケーシングへの支持部の加工誤差等に起因して、第1及び第2外部軸相互の同軸精度に多少の狂い(例えば軸線相互に僅かなオフセットや傾き等)が生じた場合でも、上記狂いに影響されずに各変速機構が自動調心(即ち各変速機構の対をなす伝動部材の回転軸線相互が所定偏心量を保ちつつ平行関係を維持)して各変速機構の複数の転動体全部と両伝動溝とを適正に係合させ得る程度の、径方向の遊びを付与された状態で各変速機構の伝動軸とこれに対応する外部軸とがスプライン嵌合されることをいう。
本発明の第1の特徴によれば、ケーシングの一側壁に、ケーシング外に延びる第1外部軸が第1軸線回りに回転可能に支持されると共に、その第1外部軸に、偏心軸部が一体的に連結されて第1軸線回りに回転する第1伝動軸が径方向に遊動可能にスプライン嵌合され、ケーシングの他側壁に、ケーシング外に延びる第2外部軸が第1軸線回りに回転可能に支持されると共に、その第2外部軸に、第3伝動部材と共に第1軸線回りに回転する第2伝動軸が径方向に遊動可能にスプライン嵌合されるので、偏心回転部材の偏心軸部上の第2伝動部材は、第1伝動軸の、第1外部軸に対する遊動範囲で径方向遊動が可能となり、また第3伝動部材は、第2伝動軸の、第2外部軸に対する遊動範囲で径方向遊動が可能となる。従って、たとえ第1,第2外部軸相互の同軸精度に多少の狂い(例えば軸線相互に僅かなオフセットや傾き等)が生じた場合でも、伝動中、第1変速機構が自動調心することで第1変速機構の複数の第1転動体全部と第1,第2伝動溝とが適正に係合して伝動効率の向上が図られ、一方、第2変速機構も自動調心することで、第2変速機構の複数の第2転動体全部と第3,第4伝動溝とが適正に係合して伝動効率の向上が図られるため、第2伝動部材のスムーズな自転及び公転が確保可能となり、全体として伝動装置の伝動効率を高めることができる。しかも各伝動部材や各外部軸等のケーシングへの支持部に特別高度な加工精度を必要とすることなく各変速機構の伝動効率が高められるため、装置の製造コストの低減に寄与することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、第3伝動部材の外側面と、ケーシングの他側壁内面との相対向面間には、その相対向面の少なくとも一方に摺動可能なスラストワッシャが介装されるので、このスラストワッシャの厚み選定により、第2変速機構の上記自動調心作用を阻害することなく各変速機構のバックラッシュを容易に調整可能となり、第1,第2変速機構の伝動効率の更なる向上に寄与することができる。
本発明の一実施形態に係る差動装置の縦断正面図 図1の2−2矢視断面図 図1の3−3矢視断面図 図1の4−4矢視断面図 図1の5矢視部拡大断面図 図5の6−6線断面図
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、図1〜図6に示す本発明の一実施形態を説明する。図1において、自動車のミッションケース1内には、伝動装置としての差動装置Dが変速装置と共に収容される。
この差動装置Dは、前記変速装置の出力側に連動回転するリングギヤCmの回転を、差動装置Dの中心軸線即ち第1軸線X1上に相対回転可能に並ぶ左右の第1,第2駆動車軸A1,A2(即ち第1,第2外部軸)に対して、両駆動車軸A1,A2相互の差動回転を許容しつつ分配する。尚、各々の駆動車軸A1,A2とミッションケース1との間は、シール部材4,4′でシールされる。
差動装置Dは、ミッションケース1に第1軸線X1回りに回転可能に支持されるデフケースCと、そのデフケースC内に収容される後述の差動機構3とで構成される。デフケースCは、外周にヘリカルギヤ部を一体に有する短円筒状のリングギヤCmと、そのリングギヤCmの軸方向両端部に外周端部がそれぞれ接合される左右一対の第1,第2側壁Ca,Cbとを備える。その第1,第2側壁Ca,Cbの外周端部とリングギヤCmとの相互の接合面間は、溶接、接着、かしめ等の適当な結合手段により一体的に接合される。
第1,第2側壁Ca,Cbは、各々の内周端部において円筒ボス状の第1,第2軸受B1,B2をそれぞれ一体に有しており、その第1,第2軸受B1,B2の外周部は、ミッションケース1に外軸受2,2′を介して第1軸線X1回りに回転自在に支持される。また第1,第2軸受B1,B2の内周部には、第1軸線X1を回転軸線とする第1,第2駆動車軸A1,A2がそれぞれ回転自在に嵌合、支持される。尚、第1,第2軸受B1,B2の内周部に、デフケースCとは別体の内軸受を装着し、この内軸受に第1,第2駆動車軸A1,A2をそれぞれ回転自在に支持させてもよい。
次にデフケースC内の差動機構3の構造を説明する。差動機構3は、第1軸線X1を中心軸線として第1側壁Caに一体的に回転するよう連結(本実施形態では一体に形成)される第1伝動部材5と、第1軸線X1を中心軸線とする第1伝動軸S1、および第1軸線X1から所定量eだけ偏心した第2軸線X2を中心軸線とする偏心軸部6eを一体に有する偏心回転部材6と、第1伝動部材5に一側部が対向配置され且つ偏心軸部6eに軸受B3を介して回転自在に支持される円環状の第2伝動部材8と、第2伝動部材8の他側部に対向配置されるリング板状の第3伝動部材9と、第1及び第2伝動部材5,8間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構T1と、第2及び第3伝動部材8,9間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構T2とを備える。
偏心回転部材6の主軸部となる第1伝動軸S1は、円筒状をなしており、これの内周面には第1駆動車軸A1の内端部外周が径方向に遊動可能にスプライン嵌合SP1される。尚、このスプライン嵌合SP1部位においては、上記径方向遊動をスムーズ化するために、第1伝動軸S1と第1駆動車軸A1間でのトルク伝動に支障のない範囲で周方向(即ち回転方向)にも僅かな遊びが設定される。
第3伝動部材9は、第1軸線X1を中心軸線とするものであって、それの内周端部に、軸方向外方に延びる円筒状の第2伝動軸S2が同軸で連結(本実施形態では一体に形成)される。その第2伝動軸S2の内周面には、第2駆動車軸A2の内端部外周が径方向に遊動可能にスプライン嵌合SP2される。尚、このスプライン嵌合SP2部位においては、上記径方向遊動をスムーズ化するために、第2伝動軸S2と第1駆動車軸A2間でのトルク伝動に支障のない範囲で周方向(即ち回転方向)にも僅かな遊びが設定されている。
而して、第1軸線X1を中心軸線とする第1伝動軸S1と一体の偏心軸部6eに、第2伝動部材8が第2軸線X2回りに回転自在に支持されることで、第2伝動部材8は、偏心回転部材6(即ち第1伝動軸S1)の第1軸線X1回りの回転に伴い、それの偏心軸部6eに対し第2軸線X2回りに自転しつつ、第1伝動軸S1に対し第1軸線X1回りに公転可能である。
また第2伝動部材8は、偏心回転部材6の偏心軸部6eに軸受B3を介して回転自在に支持される円環状の第1半体8aと、その第1半体8aに間隔をおいて対向する円環状の第2半体8bと、その両半体8a,8b間の空間を囲むようにして両半体8a,8b間を一体的に連結する円筒状の連結部材8cとを備えていて、第1半体8aと第1伝動部材5との間に前記第1変速機構T1が、また第2半体8bと第3伝動部材9との間に前記第2変速機構T2がそれぞれ設けられる。
また、第2側壁Cbと第3伝動部材9との相対向面間には、その相対向面の少なくとも一方に相対摺動可能なスラストワッシャ15が介装される。このスラストワッシャ15は、本実施形態では第3伝動部材9の外側面に設けた環状凹部に嵌合保持されるが、第2側壁Cbの内側面に、スラストワッシャ15を嵌合保持させる環状凹部を設けるようにしてもよい。
更に差動機構3は、第1軸線X1を挟んで偏心回転部材6の偏心軸部6e及び第2伝動部材8の総合重心Gとは逆位相であり且つその総合重心Gの回転半径よりも大なる回転半径を有するバランスウェイト7を第2伝動部材8の内部空間に備える。バランスウェイト7は、偏心回転部材6の主軸部たる第1伝動軸S1に一体回転するように装着される。
また第2伝動部材8には、それの連結部材8cの周壁において、バランスウェイト7の取付けと潤滑油の流通確保に利用可能な複数の開口11が形成される。
次に第1,第2変速機構T1,T2について順に説明する。第1伝動部材5の、第2伝動部材8の一側面(即ち第1半体8a)に対向する内側面には、第1軸線X1を中心とした波形環状の第1伝動溝21が形成され、この第1伝動溝21は、図示例では第1軸線X1を中心とする仮想円を基礎円としたハイポトロコイド曲線に沿って周方向に延びている。一方、第2伝動部材8の、第1伝動部材5に対向する一側面(第1半体8a)には、第2軸線X2を中心とした波形環状の第2伝動溝22が形成される。第2伝動溝22は、図示例では第2軸線X2を中心とする仮想円を基礎円としたエピトロコイド曲線に沿って周方向に延びており、第1伝動溝21の波数よりも少ない波数を有して第1伝動溝21と複数箇所で交差する。第1伝動溝21及び第2伝動溝22の交差部(即ち重なり部)には、第1転動体としての複数の第1伝動ボール23が介装されており、各々の第1伝動ボール23は、第1及び第2伝動溝21,22の内側面を転動自在である。
第1伝動部材5及び第2伝動部材8(第1半体8a)の相対向面間には、複数の第1転動ボール23を回転自在に保持し得る円環状の扁平な第1保持部材H1が介装される。
また、第2伝動部材8の他側面(即ち第2半体8b)には、第2軸線X2を中心とした波形環状の第3伝動溝24が形成され、この第3伝動溝24は、図示例では第2軸線X2を中心とする仮想円を基礎円としたハイポトロコイド曲線に沿って周方向に延びている。一方、第3伝動部材9の、第2伝動部材8との対向面には、第1軸線X1を中心とした波形環状の第4伝動溝25が形成される。第4伝動溝25は、図示例では第1軸線X1を中心とする仮想円を基礎円としたエピトロコイド曲線に沿って周方向に延びており、第3伝動溝24の波数よりも少ない波数を有して第3伝動溝24と複数箇所で交差する。第3伝動溝24及び第4伝動溝25の交差部(重なり部)には、第2転動体としての複数の第2伝動ボール26が介装され、各々の第2伝動ボール26は、第3及び第4伝動溝24,25の内側面を転動自在である。
第3伝動部材9及び第2伝動部材8(第2半体8b)の相対向面間には、複数の第2転動ボール26を回転自在に保持し得る円環状の扁平な第2保持部材H2が介装される。
以上において、第1伝動溝21の波数をZ1、第2伝動溝22の波数をZ2、第3伝動溝24の波数をZ3、第4伝動溝25の波数をZ4としたとき、下記式が成立するように、第1〜第4伝動溝21,22,24,25は形成される。
(Z1/Z2)×(Z3/Z4)=2
望ましくは、図示例のように、Z1=8、Z2=6、Z3=6、Z4=4とするか、又はZ1=6、Z2=4、Z3=8、Z4=6とするとよい。
尚、図示例では、8波の第1伝動溝21と6波の第2伝動溝22とが7箇所で交差し、この7箇所の交差部(重なり部)に7個の第1伝動ボール23が介装され、また6波の第3伝動溝24と4波の第4伝動溝25とが5箇所で交差し、この5箇所の交差部(重なり部)に5個の第2伝動ボール26が介装される。
而して、第1伝動溝21、第2伝動溝22及び第1伝動ボール23は互いに協働して、第1伝動部材5及び第2伝動部材8間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構T1を構成し、また第3伝動溝24、第4伝動溝25及び第2伝動ボール26は互いに協働して、第2伝動部材8及び第3伝動部材9間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構T2を構成する。
次に、前記実施形態の作用について説明する。
いま、例えば右方の第1駆動車軸A1を固定することで偏心回転部材6(従って偏心軸部6e)を固定した状態において、エンジンからの動力でリングギヤCmが駆動され、デフケースC、従って第1伝動部材5を第1軸線X1回りに回転させると、第1伝動部材5の8波の第1伝動溝21が第2伝動部材8の6波の第2伝動溝22を第1伝動ボール23を介して駆動するので、第1伝動部材5が8/6の増速比を以て第2伝動部材8を駆動することになる。そして、この第2伝動部材8の回転によれば、第2伝動部材8の6波の第3伝動溝24が第3伝動部材9の4波の第4伝動溝25を第2伝動ボール26を介して駆動するので、第2伝動部材8が6/4の増速比を以て第3伝動部材9を駆動することになる。
結局、第1伝動部材5は、
(Z1/Z2)×(Z3/Z4)=(8/6)×(6/4)=2
の増速比を以て第3伝動部材9を駆動することになる。
一方、左方の第2駆動車軸A2を固定することで第3伝動部材9を固定した状態において、デフケース(従って第1伝動部材5)を回転させると、第1伝動部材5の回転駆動力と、第2伝動部材8の、不動の第3伝動部材9に対する駆動反力とにより、第2伝動部材8は、偏心回転部材6の偏心軸部6e(第2軸線X2)に対し自転しながら第1軸線X1回りに公転して、偏心軸部6eを第1軸線X1回りに駆動する。その結果、第1伝動部材5は、2倍の増速比を以て偏心回転部材6を駆動することになる。
而して、偏心回転部材6及び第3伝動部材9の負荷が相互にバランスしたり、相互に変化したりすると、第2伝動部材8の自転量及び公転量が無段階に変化し、偏心回転部材6及び第3伝動部材9の回転数の平均値が第1伝動部材5の回転数と等しくなる。こうして、第1伝動部材5の回転は、偏心回転部材6及び第3伝動部材9に分配され、したがってリングギヤCmからデフケースCに伝達された回転力を左右の駆動車軸A1,A2に分配することができる。
その際、Z1=8、Z2=6、Z3=6、Z4=4とするか、又はZ1=6、Z2=4、Z3=8、Z4=6とすることにより、差動機能を確保しつゝ構造の簡素化を図ることができる。
ところで、この差動装置Dにおいて、第1伝動部材5の回転トルクは、第1伝動溝21、複数の第1伝動ボール23及び第2伝動溝22を介して第2伝動部材8に、また第2伝動部材8の回転トルクは、第3伝動溝24、複数の第2伝動ボール26及び第4伝動溝25を介して第3伝動部材9にそれぞれ伝達されるので、第1伝動部材5と第2伝動部材8、第2伝動部材8と第3伝動部材9の各間では、トルク伝達が第1及び第2伝動ボール23,26が存在する複数箇所に分散して行われることになり、第1〜第3伝動部材5,8,9及び第1、第2伝動ボール23,26等の各伝動要素の強度増及び軽量化を図ることができる。
また本実施形態では、ケーシングとしてのデフケースCの第1側壁Ca(特に第1軸受B1)に、デフケースC外に延びる第1駆動車軸A1(即ち第1外部軸)が第1軸線X1回りに回転可能に支持されると共に、その第1駆動車軸A1に、偏心軸部6eが一体に形成されて第1軸線X1回りに回転する第1伝動軸S1が径方向に遊動可能にスプライン嵌合SP1され、一方、デフケースCの第2側壁Cb(特に第2軸受B2)に、デフケースC外に延びる第2駆動車軸A2(即ち第2外部軸)が第1軸線X1回りに回転可能に支持されると共に、その第2駆動車軸A2に、第3伝動部材9と共に第1軸線X1回りに回転する第2伝動軸S2が径方向に遊動可能にスプライン嵌合SP2されている。
これらのスプライン嵌合SP1,SP2によれば、偏心軸部6e上の第2伝動部材8は、第1伝動軸S1の、第1駆動車軸A1に対する遊動範囲で径方向遊動が可能となり、また第3伝動部材9は、第2伝動軸S2の、第2駆動車軸A2に対する遊動範囲で径方向遊動が可能となる。そのため、例えば、第1及び第2駆動車軸A1,A2のデフケースCへの支持部(即ち第1,第2軸受B1,B2)の加工誤差等に起因して、第1,第2駆動車軸A1,A2相互の同軸精度に多少の狂い(例えば軸線相互に僅かなオフセットや傾き等)が生じたとしても、その狂いは、上記した径方向遊動可能なスプライン嵌合SP1,SP2部位で吸収可能となって、第1〜第3伝動部材5,8,9の相互間の伝動経路(即ち第1及び第2変速機構T1,T2)への影響が抑えられる。
即ち、第1,第2駆動車軸A1,A2相互の同軸精度に多少の狂いが生じたような場合でも、差動装置Dの作動中、第1変速機構T1が自動調心(即ち第1,第2伝動部材5,8の回転軸線相互が所定偏心量を保ちつつ互いに平行な対向位置関係を維持)することで、第1変速機構T1の複数の第1ボール23全部と第1,第2伝動溝21,22とが適正に係合して伝動効率の向上が図られ、一方、第2変速機構T2も自動調心(即ち第2,第3伝動部材8,9の回転軸線相互が所定偏心量を保ちつつ互いに平行な対向位置関係を維持)することで、第2変速機構T2の複数の第2ボール26全部と第3,第4伝動溝24,25とが適正に係合して伝動効率の向上が図られる。これにより、第2伝動部材8のスムーズな自転及び公転が確保可能となって、各変速機構T1,T2、延いては差動装置Dの伝動効率が高められ、しかも、第3伝動部材9や各駆動車軸A1,A2等のデフケースCへの支持部に特別高度な加工精度を必要とせずに各変速機構T1,T2の伝動効率が高められることから、差動装置Dの製造コスト低減が図られる。
さらに本実施形態では、第3伝動部材9の外側面と、デフケースCの第2側壁Cb内面との相対向面間にはスラストワッシャ15が相対摺動可能に介装されるので、このスラストワッシャ15の厚み選定により、第2変速機構T2の上記自動調心作用を阻害することなく各変速機構T1,T2のバックラッシュを容易に調整可能となる。これにより、各変速機構T1,T2の伝動効率の更なる向上が図られる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施形態では、伝動装置として差動装置Dを例示し、動力源からデフケースC(第1伝動部材5)に入力された動力を、第1,第2変速機構T1,T2を介して第1,第2伝動軸S1,S2に差動回転を許容しつつ分配するようにしたものを示したが、本発明は差動装置以外の種々の伝動装置にも実施可能である。例えば、前記実施形態のデフケースCに対応するケーシングを固定の伝動ケースとし、第1,第2伝動軸S1,S2の何れか一方を入力軸、またその何れか他方を出力軸とすることで、前記実施形態の差動装置Dを、入力軸に入力される回転トルクを変速(減速又は増速)して出力軸に伝達し得る変速機(減速機又は増速機)として転用実施可能であり、その場合には、そのような変速機(減速機又は増速機)が本発明の伝動装置となる。尚、この場合、変速機は、車両用の変速機でも、或いは車両以外の種々の機械装置のための変速機であってもよい。
また、前記実施形態では、伝動装置としての差動装置Dを自動車用として自動車のミッションケース1内に収容しているが、差動装置Dは自動車用の差動装置に限定されるものではなく、種々の機械装置のための差動装置としても実施可能である。
また、前記実施形態では、伝動装置としての差動装置Dを、左・右輪伝動系に適用して、左右の駆動車軸A1,A2に対し差動回転を許容しつつ動力を分配するものを示したが、本発明では、伝動装置としての差動装置を、前・後輪駆動車両における前・後輪伝動系に適用して、前後の駆動車輪に対し差動回転を許容しつつ動力を分配するようにしてもよい。
また前記実施形態の第2伝動部材8は、第1,第2半体8a,8b及び連結部材8cを別々に製作した後、その三者を一体的に結合する構造のものを例示したが、本発明では、第2伝動部材8を、第1,第2半体8a,8b及び連結部材8cが一体成形された一体物(例えば焼結品)で構成するようにした別実施形態(図示せず)も想定される。その場合、第2伝動部材8は、軸方向に扁平な板状に構成してもよい。
また、前記実施形態では、第1,第2変速機構T1,T2の各伝動溝21,22;24,25をトロコイド曲線に沿った波形環状の波溝としているが、これら伝動溝は、実施形態に限定されるものでなく、例えばサイクロイド曲線に沿った波形環状の波溝としてもよい。
また、前記実施形態では、第1,第2変速機構T1,T2の第1及び第2伝動溝21,22間、並びに第3及び第4伝動溝24,25間にボール状の第1及び第2転動体23,26を介装したものを示したが、その転動体をローラ状又はピン状としてもよく、この場合に、第1及び第2伝動溝21,22、並びに第3及び第4伝動溝24,25は、ローラ状又はピン状の転動体が転動し得るような内側面形状に形成される。
また、前記実施形態では、第1,第2ボール23,26を円滑に転動させるために第1,第2保持部材H1,H2を用いたものを示したが、第1,第2保持部材H1,H2無しでも第1,第2ボール23,26が円滑に転動可能な場合は、第1,第2保持部材H1,H2を省略してもよい。
A1,A2・・第1,第2駆動車軸(第1,第2外部軸)
C・・・・・デフケース(ケーシング)
Ca,Cb・・第1,第2側壁(一側壁,他側壁)
D・・・・・差動装置(伝動装置)
S1,S2・・第1,第2伝動軸
SP1,SP2・・スプライン嵌合
T1,T2・・第1,第2変速機構
X1,X2・・第1,第2軸線
5・・・・・第1伝動部材
6・・・・・偏心回転部材
6e・・・・偏心軸部
8・・・・・第2伝動部材
9・・・・・第3伝動部材
15・・・・スラストワッシャ
21,22・・第1,第2伝動溝
23,26・・第1,第2ボール(第1,第2転動体)
24,25・・第3,第4伝動溝

Claims (2)

  1. 第1軸線(X1)を中心軸線とする第1伝動部材(5)と、
    第1軸線(X1)回りに回転する第1伝動軸(S1)、及び第1軸線(X1)から偏心した第2軸線(X2)を中心軸線とする偏心軸部(6e)を一体的に連結した偏心回転部材(6)と、
    前記偏心軸部(6e)に第2軸線(X2)回りに回転自在に支持されると共に前記第1伝動部材(5)に対向する第2伝動部材(8)と、
    第1軸線(X1)回りに回転する第2伝動軸(S2)に同軸で連結されると共に前記第2伝動部材(8)に対向する第3伝動部材(9)と、
    前記第1及び第2伝動部材(5,8)間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構(T1)と、
    前記第2及び第3伝動部材(8,9)間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構(T2)と、
    前記第1〜第3伝動部材(5,8,9)を収容すると共に前記第1伝動部材(5)に一体的に連結されるケーシング(C)とを備え、
    前記第1変速機構(T1)が、前記第1伝動部材(5)の、前記第2伝動部材(8)との対向面に在り且つ第1軸線(X1)を中心とする波形環状の第1伝動溝(21)と、前記第2伝動部材(8)の、前記第1伝動部材(5)との対向面に在り且つ第2軸線(X2)を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝(21)とは異なる第2伝動溝(22)と、それら第1及び第2伝動溝(21,22)の複数の交差部に介装され、第1及び第2伝動溝(21,22)を転動しながら第1及び第2伝動部材(5,8)間の変速伝動を行う複数の第1転動体(23)とを有し、
    前記第2変速機構(T2)が、前記第2伝動部材(8)の、前記第3伝動部材(9)との対向面に在り且つ第2軸線(X2)を中心とする波形環状の第3伝動溝(24)と、前記第3伝動部材(9)の、前記第2伝動部材(8)との対向面に在り且つ第1軸線(X1)を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝(24)とは異なる第4伝動溝(25)と、それら第3及び第4伝動溝(24,25)の複数の交差部に介装され、第3及び第4伝動溝(24,25)を転動しながら第2及び第3伝動部材(8,9)間の変速伝動を行う複数の第2転動体(26)とを有し、
    前記第1及び第2伝動軸(S1,S2)間で変速伝動を行い、又は前記ケーシング(C)から前記第1及び第2伝動軸(S1,S2)に回転トルクを分配するようにした伝動装置であって、
    前記ケーシング(C)の一側壁(Ca)に、ケーシング(C)外に延びる第1外部軸(A1)が第1軸線(X1)回りに回転可能に支持されると共に、その第1外部軸(A1)に前記第1伝動軸(S1)が径方向に遊動可能にスプライン嵌合(SP1)され、
    前記ケーシング(C)の他側壁(Cb)に、ケーシング(C)外に延びる第2外部軸(A2)が第1軸線(X1)回りに回転可能に支持されると共に、その第2外部軸(A2)に前記第2伝動軸(S2)が径方向に遊動可能にスプライン嵌合(SP2)されることを特徴とする伝動装置。
  2. 前記第3伝動部材(9)の外側面と、前記ケーシング(C)の前記他側壁(Cb)内面との相対向面間には、その相対向面の少なくとも一方に摺動可能なスラストワッシャ(15)が介装されることを特徴とする、請求項1に記載の伝動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112771286A (zh) * 2018-09-28 2021-05-07 Ntn株式会社 动力传递装置

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