JP2018071407A - 弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料に含まれる水分によりボデーの周縁部が錆びることでボデーの強度が低下することを抑制することが可能な弁装置を提供する。
【解決手段】弁装置は、ボデー20、弁体30及びフィルタ40を有する。フィルタ40は、ボデー20のうちの流路20Hの内壁面22に嵌合する筒状であり、内壁面22と密着することでボデー20との間をシールする第一シール部41を有する。また、フィルタ40は、ボデー20のうちの流路20Hの流入口20Hinを取り囲むように環状に延びる形状であり、高圧部5とボデー20とに挟まれることで、高圧燃料に対して高圧部5とボデー20との間をシールする第二シール部42を有する。フィルタ40は、第一シール部41と第二シール部42とを連結し、かつ、流入口20Hinを取り囲むように環状に延びて流入口20Hinの周縁部23を覆う形状の連結部43を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、高圧部内の高圧燃料を高圧部外に吐出する弁装置に関する。
高圧の燃料が流れる高圧部には、高圧部内の燃料を高圧部外に吐出する弁装置が装着されている。弁装置としては、例えば、特許文献1のように車両のコモンレールの端部に装着された減圧弁がある。コモンレールは、燃料供給ポンプから供給された燃料を蓄圧する。蓄圧され高圧となった燃料は、内燃機関の各気筒に設置された燃料噴射弁から各気筒内へ噴射される。このようなコモンレールに装着された減圧弁は、高圧部であるコモンレールの外へ燃料を吐出することでコモンレール内の燃料の減圧を行う。
この種の減圧弁が有するボデーの一部は、高圧部であるコモンレール内に挿入される。ボデーには、コモンレール内に連通し高圧燃料を流すための流路が形成されている。さらに、減圧弁は、流路の開口部を開閉する弁体を有する。弁体は、ボデーに形成された弁座面に離着座することで開閉する。弁体が開閉することで、コモンレール内の高圧燃料はコモンレールの外へ吐出される。
特開2012−26421号公報
図7のように、内燃機関が長期間作動されず高圧部15内の燃料が一定期間以上流動しない場合、燃料に含まれる水分Lとその他の燃料成分とが分離する。そして、分離した水分Lは高圧部15の底面に溜まる。この水分Lが、弁装置のボデー120に接触していると、ボデー120に錆びが生じる。錆びが生じた箇所は耐圧性が低下する。例えば、ボデー120に形成された流路120Hの流入口120Hinの周縁部123には、高圧部15内の燃料が高圧になった時の燃料圧力による応力が集中する。そのため、水分により周縁部123に錆びが生じてしまうと燃料圧力により周縁部123にひび等が生じ強度が低下する可能性があることを本発明者は見出した。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、燃料に含まれる水分によりボデーの周縁部が錆びることでボデーの強度が低下することを抑制することが可能な弁装置を提供することにある。
ここで、高圧部に装着される弁装置のボデーを形成する材料の必要特性として高圧燃料に対する耐圧性と、弁体の開閉動作に対する耐摩耗性が挙げられる。さらに、本発明の発明者は、燃料に含まれる水分による錆びが原因のボデーの強度が低下することを防ぐため、ボデーを構成する材料に耐食性が要求されることを見出した。しかしながら、耐圧性及び耐摩耗性に加えて、耐食性にも優れた材料を選定することは困難である。
そこで、本発明では、ボデーの材料は変更せずに、もともと耐食性の高い材料を使用しているフィルタの構造を変更することでボデーが水に曝され錆びることを防止する。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明は、高圧燃料を流すための高圧部(5)に装着され、高圧部から高圧燃料が流れ込む流路(20H)を形成するボデー(20)と、ボデーに形成された弁座面(21)に離着座することで、流路の吐出口(20Hout)を開閉する弁体(30)と、流路に配置され、高圧燃料内に含まれる異物を捕捉するフィルタ(40)と、を備え、フィルタは、ボデーのうちの流路の内壁面(22)に嵌合する筒状であり、内壁面と密着することで、高圧燃料に対してボデーとの間をシールする第一シール部(41)と、ボデーのうちの流路の流入口(20Hin)を取り囲むように環状に延びる形状であり、高圧部とボデーとに挟まれることで、高圧燃料に対して高圧部とボデーとの間をシールする第二シール部(42)と、第一シール部と第二シール部とを連結し、かつ、流入口を取り囲むように環状に延びて流入口の周縁部(23)を覆う形状の連結部(43)と、を有する弁装置である。
上記発明によれば、第一シール部は、ボデーの流路の内壁面に密着してボデーとの間をシールしている。そのため、第一シール部と内壁面との間から周縁部へ高圧燃料が浸入することを抑制することができる。また、第二シール部は、高圧部との間をシールするとともに、ボデーとの間をシールしている。そのため、第二シール部と高圧部との間及び第二シール部とボデーとの間から周縁部へ高圧燃料が浸入することを抑制することができる。
ここで、第一シール部と第二シール部とは、流入口を取り囲むように環状に延びて流入口の周縁部を覆う形状の連結部により連結されている。これにより、ボデーのうち、フィルタの第一シール部と第二シール部との間の領域に覆われた部分には高圧燃料が浸入しない。つまり、ボデーのうち、第一シール部、連結部及び第二シール部により覆われた部分には高圧燃料が直接触れることを抑制できる。よって、連結部により覆われた周縁部に燃料が直接触れることを抑制できる。そのため、周縁部が錆びることを抑制することができる。延いては、内燃機関が長期間作動されず高圧部内の燃料が一定期間以上流動しない場合であっても、燃料に含まれる水分によりボデーの周縁部が錆びることでボデーの強度が低下することを抑制することが可能な弁装置を提供することが可能である。
第一実施形態の弁装置が適用される車両の概略図である。 第一実施形態の弁装置の断面図である。 第一実施形態における弁装置の拡大断面図である。 第二実施形態の弁装置の断面図である。 その他の実施形態における弁装置の拡大断面図である。 その他の実施形態における弁装置の拡大断面図である。 従来の弁装置の断面図である。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第一実施形態)
本実施形態の弁装置は減圧弁10として、図1のように、車両の内燃機関であるエンジン1に燃料を供給するコモンレールシステム3に適用されたものである。コモンレールシステム3は、高圧にした燃料をエンジン1に供給する装置であり、高圧部であるコモンレール5、高圧ポンプ4、インジェクタ2及びECU7を有する。
高圧ポンプ4は、燃料タンク8内の燃料を、例えば200から300MPaレベルの高圧に圧縮して、コモンレール5に圧送するポンプである。高圧ポンプ4は、例えば、エンジン1の駆動力によって作動されるエンジン駆動式のポンプが使用されている。高圧ポンプ4と燃料タンク8との間には、燃料フィルタ6が取り付けられている。燃料フィルタ6は、燃料タンク8から高圧ポンプ4内へ燃料が送られる際に、燃料内に含まれる異物を除去することで、異物が高圧ポンプ4内へ浸入するのを防止している。
コモンレール5は、長細い筒状のタンクであり、内部に燃料を蓄える。コモンレール5内の燃料は、燃料タンク8に蓄えられた燃料が、高圧ポンプ4から供給配管81を介して圧送されることで供給される。そのため、コモンレール5内の燃料は蓄圧されて高圧燃料となっている。コモンレール5は、各インジェクタ2に高圧燃料を分配供給する。コモンレール5内の高圧燃料の圧力は、高圧ポンプ4の回転数、あるいは回転数に伴う圧送量に応じて上昇される。
コモンレール5には、減圧弁10及び圧力センサ9が取り付けられている。減圧弁10は、コモンレール5内の高圧燃料をコモンレール5外へ吐出する。また、減圧弁10には、戻り配管82が設けられている。戻り配管82は、燃料タンク8に接続され、減圧弁10から吐出された燃料を燃料タンク8内に戻す。圧力センサ9は、コモンレール5内の高圧燃料の圧力値に相当する圧力信号を発生させる。
インジェクタ2は、コモンレール5に蓄えられた高圧燃料を、エンジン1の各気筒に噴射する。インジェクタ2は、エンジン1の各気筒それぞれに設けられている。
ECU7は、圧力センサ9から得られる圧力信号に基づき、減圧弁10及び高圧ポンプ4の動作を制御する。具体的には、圧力センサ9から取得された圧力信号が目標圧力値よりも高い場合には、減圧弁10を開弁し、コモンレール5内からコモンレール5外へ高圧燃料を吐出することにより、コモンレール5内の高圧燃料を減圧する。
図2のようにコモンレール5は、燃料を蓄えるための貯留室5bを有する。貯留室5bは、細長いコモンレール5の内部に形成され、コモンレール5の中心軸線と一致する中心軸線を有する筒状形状である。コモンレール5は地面に対して水平に車両に取り付けられている。また、コモンレール5の長手方向の一端側には、減圧弁10を装着するための取付部5aが形成されている。取付部5aは、コモンレール5の中心軸線に垂直な断面形状が円形である。また、取付部5aの中心軸線はコモンレール5の中心軸線と一致する。この取付部5aの直径は、貯留室5bの直径よりも大きい。
減圧弁10は、コモンレール5に挿入される先端側ボデー20を有する。先端側ボデー20には、コモンレール5から高圧燃料が流れ込む流路20Hが形成されている。この流路20Hの中心軸線と貯留室5bの中心軸線とは一致する。また、減圧弁10は、先端側ボデー20に形成された弁座面21に離着座することで、流路20Hの吐出口20Houtを開閉する弁体30と、流路20Hに嵌合され高圧燃料内に含まれる異物を捕捉するフィルタ40とを有する。
さらに、減圧弁10は、弁体30を開弁方向に駆動するための磁気力を発生するソレノイド装置50及び先端側ボデー20とソレノイド装置50とを繋ぐ後端側ボデー60を有する。この後端側ボデー60にはボデーねじ部60aが形成されている。そして、コモンレール5の取付部5aには、ボデーねじ部60aと結合可能なコモンレールねじ部5dが形成されている。よって、減圧弁10は、取付部5aに先端側ボデー20が挿入され、ボデーねじ部60aがコモンレールねじ部5dにねじ込まれることによりコモンレール5に固定される。
ソレノイド装置50は、コイル51、プッシュロッド52、スプリング53及びストッパ54を有する。コイル51は、円筒状のコイルボビン51aに巻回されている。コイルボビン51aの内周側には、コイル51への通電により励磁されるステータコア51bが固定されている。ステータコア51bには、円筒状の筒状空間51cが形成されている。この筒状空間51cの中心軸線は、流路20Hの中心軸線と一致する。
ステータコア51bと弁体30との間には、プッシュロッド52及びプッシュロッド52に固定されたアマーチャ52aが収容されている。そして、プッシュロッド52には、弁体30を収容する支持孔52bが形成されている。プッシュロッド52とアマーチャ52aは、流路20Hの軸方向に移動自在に配されている。
ストッパ54は、円柱状であり、ステータコア51bに形成された円筒状の筒状空間51cに収容されている。ストッパ54の中心軸線と筒状空間51cの中心軸線とは一致している。
また、スプリング53は、ステータコア51bに形成された筒状空間51cに収容されている。そして、スプリング53は、ストッパ54を中心に螺旋状に巻回する。スプリング53は、プッシュロッド52に対して流路20Hの上流方向へ弾性力を加えている。
ここで、減圧弁10の開閉動作機構を説明する。
ECU7による減圧弁10の開弁信号が出力されておらず、コイル51に通電されていない状態では、プッシュロッド52に収容された弁体30には、弁座面21に密着する方向にプッシュロッド52による力が作用している。つまり、プッシュロッド52による力が閉弁方向に作用することで、減圧弁10は閉弁している。
一方、ECU7による減圧弁10の開弁信号が出力され、コイル51へ通電されると、ステータコア51bは通電により励磁される。ステータコア51bが励磁されるとアマーチャ52aは磁気吸引される。磁気吸引されたアマーチャ52aは、スプリング53の力とは逆方向に、つまりステータコア51bに近づく方向に移動する。すると、アマーチャ52aに固定されたプッシュロッド52もステータコア51bに近づく方向に移動する。そして、プッシュロッド52は、ストッパ54に当接する位置まで移動する。これにより、弁体30に作用していたプッシュロッド52による閉弁方向への力が弱まり、弁体30は開弁方向に移動する。弁体30が開弁方向へ移動することにより、吐出口20Houtは開弁する。
次に、本実施形態の先端側ボデー20とフィルタ40とについて図3を用いて詳細に説明する。
先端側ボデー20は、先端側ボデー20に形成された弁座面21と弁体30との離着座に対する耐摩耗性と、高圧燃料による圧力に対する耐圧性とに優れた金属で形成されている。具体的には、ステンレスの一種であるマルテンサイト系ステンレス材料で形成されている。また、先端側ボデー20は筒状である。先端側ボデー20の直径は、コモンレール5の取付部5aの内径に対し僅かに小さい。これにより、先端側ボデー20を取付部5aに挿入することが可能である。
そして、先端側ボデー20に形成されている流路20Hは、中心軸線がコモンレール5の長手方向と一致するように形成されている。より好ましくは、コモンレール5の中心軸線と流路20Hとの中心軸線とは一致している。また、流路20Hは、流路20H内を流れる高圧燃料の流れの上流側に対して下流側の方が絞られている。つまり、流路20Hの直径は上流側に対して下流側が小さくなっている。よって、燃料が流れ込む流入口20Hinの面積に対して、流路20Hから燃料を吐出する吐出口20Houtの面積は小さくなっている。また、先端側ボデー20は、流路20Hの中心軸線に対して垂直であり、流入口20Hinが形成する面と同一平面であるボデー面24を有する。ボデー面24及び内壁面22のそれぞれの延長面が成す角度は直角となっている。周縁部23は、流路20Hの内壁面22とボデー面24とを繋ぐR面23aを有する。
また、先端側ボデー20には、吐出口20Houtから吐出され低圧となった燃料が流れ込む第一低圧流路20Lが形成されている。第一低圧流路20Lに流れ込んだ燃料は、先端側ボデー20とコモンレール5との間に形成された第二低圧流路5L1に流れ込む。第二低圧流路5L1は、先端側ボデー20を環状に囲う。そして、第二低圧流路5L1に流れ込んだ低圧燃料は、コモンレール5の上側に形成された第三低圧流路5L2を通り、戻り配管82(図1参照)に送られる。
フィルタ40は、プレスによる成形が可能な1枚の金属板をプレス加工することで形成されている。具体的には、ステンレスの一種であるオーステナイト系ステンレスで形成される。オーステナイト系ステンレスは、先端側ボデー20の形成に用いられているマルテンサイト系ステンレスと比較して、耐食性に優れている。また、オーステナイト系ステンレスは、マルテンサイト系ステンレスと比較して低硬度である。
図3のように、フィルタ40は、第一シール部41、第二シール部42、連結部43及び捕捉部44を有する。第一シール部41は、先端側ボデー20のうちの流路20Hを形成する内壁面22に嵌合する筒状である。また、第一シール部41は、フィルタ40を先端側ボデー20に取り付ける際に流路20Hへ圧入される。圧入された第一シール部41と内壁面22との接触面41aは、流路20Hの中心軸線周りに延びる環状である。このようにして、第一シール部41と内壁面22とが密着することで第一シール部41は先端側ボデー20との間をシールすることができる。
第一シール部41の下流側からは、捕捉部44が延伸している。捕捉部44は、第一シール部41の直径よりも小さく、流路20Hと捕捉部44との間には、高圧燃料を流すための隙間が形成されている。捕捉部44には、複数の貫通孔44aが形成されている。そのため、高圧燃料に含まれる異物のうち貫通孔44aよりも大きな異物は、高圧燃料が貫通孔44aを通過する際には貫通孔44aを通過することができない。これにより、高圧燃料に含まれる異物はフィルタ40に捕捉される。そのため、流路20Hのうち、直径が狭くなる下流側に異物が浸入することを抑制することができる。
第二シール部42は、先端側ボデー20のうちの流路20Hの流入口20Hinを取り囲むように環状に延びる形状である。第二シール部42は、コモンレール5と先端側ボデー20とに挟まれる。具体的には、第二シール部42は、コモンレール5のうちの貯留室5bと取付部5aとの間に形成された環状の隆起部5cと先端側ボデー20のボデー面24とに挟まれる。隆起部5cは、流路20Hの軸方向と平行で中心軸線を含む断面形状が突起形状となっている。この突起形状の先端は、コモンレールねじ部5dにボデーねじ部60aがねじ込まれることにより生じる所定値以上の面圧で第二シール部42と当接する。つまり、第二シール部42と隆起部5cの先端は環状に密着する。これにより、第二シール部42は、高圧燃料に対してコモンレール5と先端側ボデー20との間をシールする。
連結部43は、第一シール部41と第二シール部42とを連結し、かつ、流入口20Hinを取り囲むように環状に延びて流入口20Hinの周縁部23を覆う形状である。つまり、連結部43は、第一シール部41に対して径方向に延びるつば形状となっている。換言すると、連結部43は、流路20Hの軸方向から見ると、円環状になっている。第一シール部41と連結部43とは、周縁部23が有するR面23aに沿うようにプレス加工されている。
以上により、本実施形態によれば、第一シール部41は、先端側ボデー20の流路20Hの内壁面22に密着して先端側ボデー20との間をシールしている。そのため、第一シール部41と内壁面22との間から周縁部23へ高圧燃料が浸入することを抑制することができる。また、第二シール部42は、高圧部であるコモンレール5との間をシールするとともに、先端側ボデー20との間をシールしている。そのため、第二シール部42とコモンレール5との間及び第二シール部42と先端側ボデー20との間から周縁部23へ高圧燃料が浸入することを抑制することができる。
ここで、第一シール部41と第二シール部42とは流入口20Hinを取り囲むように環状に延びて流入口20Hinの周縁部23を高圧燃料に晒すことがないように周方向に全て覆う形状の連結部43により連結されている。これにより、先端側ボデー20の内壁面22及びボデー面24のうち、フィルタ40の第一シール部41と第二シール部42との間の領域に覆われた部分には高圧燃料が浸入しない。つまり、先端側ボデー20のうち、第一シール部41、連結部43及び第二シール部42により覆われた部分に高圧燃料が直接触れることを抑制できる。よって、連結部43により覆われた周縁部23に高圧燃料が直接触れることを抑制できる。そのため、周縁部23が錆びることを抑制することができる。延いては、燃料に含まれる水分Lにより先端側ボデー20の周縁部23が錆びることで先端側ボデー20の強度が低下することを抑制することが可能な弁装置を提供することが可能である。
また、本実施形態では、第二シール部42は先端側ボデー20よりも低硬度の材料で形成される。低硬度な材料は、高硬度な材料と比較して低い面圧で変形する。そのため、コモンレール5と先端側ボデー20との間をシールする際に、低高度な材料の第二シール部42は、高硬度な材料のものと比較して低い面圧であってもコモンレール5及び先端側ボデー20の表面に合わせて変形し密着する。つまり、低硬度な材料で第二シール部42を形成することにより、低い面圧であってもシール性を確保することができる。
また、フィルタ40のうち少なくとも連結部43が先端側ボデー20よりも耐食性が高い材料で形成されていることにより、フィルタ40が水分Lにより錆び、高圧燃料によりフィルタ40にひびが入ることで強度が低下することを抑制することが可能である。
また、本実施形態では、第二シール部42は、コモンレール5のうち隆起部5cと先端側ボデー20とに挟まれる。コモンレール5に減圧弁10を取り付ける時、つまり、第二シール部42が隆起部5cと先端側ボデー20とに挟まれる時には、第二シール部42に当接する隆起部5cの先端には力が集中する。そのため、コモンレール5のうち第二シール部42に当接する部分が面形状である場合と比較して、低い面圧であっても十分にシール性を確保することができる。これにより、コモンレール5への減圧弁の取付性が向上する。
仮に本実施形態に反して、連結部43及び第二シール部42を有していないフィルタ40であった場合、一度配置されたフィルタ40を再び取り外す作業には手間がかかる。つまり、連結部43及び第二シール部42を有していないフィルタ40では、フィルタ40の第一シール部41が流路20Hに圧入されており、且つ、フィルタ40は流路20H内に収まっているため取り外すのには手間がかかる。しかしながら、本実施形態によれば、第一シール部41と連結する連結部43及び連結部43と連結する第二シール部42が流路20Hの外に形成される構造であるため、一度配置されたフィルタ40を再び取り外すことが容易である。つまり、流路20Hの外に連結部43及び第二シール部42が形成されることで、フィルタ40を取り外す時につかみやすくなる。そのため、仮にフィルタ40に異物が堆積し、フィルタ40を取り外して洗浄する必要が生じた場合でもフィルタ40の取り外しを容易に行うことが可能である。
また、本実施形態のように、フィルタ40が連結部43及び第二シール部42を有することで、フィルタ40の流路20H内での流路20Hの中心軸線方向の位置ずれを少なくすることが可能である。仮に、連結部43及び第二シール部42を有していないフィルタ40が流路20Hに配置された場合、フィルタ40は高圧燃料に押されることで徐々に流路20Hの下流側へとずれる可能性がある。すると、位置ずれしたフィルタにより、直径が小さい下流側の流路20Hがふさがれてしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、コモンレール5及び先端側ボデー20に挟まれた第二シール部42と第一シール部41が連結部43により連結されている。そのため、フィルタ40に高圧燃料による下流側へ向かう力が加わったとしても、フィルタ40が流路20Hの下流側へずれることを抑制することができる。
(第二実施形態)
第一実施形態においては、フィルタ40は、1枚の金属板をプレス加工することにより形成されている。そのため、第一シール部41と第二シール部42とは同一の材質で形成されている。一方、本実施形態においては、フィルタ40は、2枚の金属板を溶接等により接合することで形成されている。つまり、第一シール部41用の金属板と第二シール部42用の金属板とから形成されている。そして、これらの金属板を異なる材質とすることで、第一シール部41と第二シール部42とは異なる材質に形成されている。具体的には、図4のように、フィルタ40のうち、第一シール部41及び捕捉部44、並びに第二シール部42及び連結部43は、異なる材質の材料により別体で形成され、接合により一体となるよう構成されている。つまり、第一シール部41と連結部43とが接合されることで一体となっている。第一シール部41は、内壁面22とのシール性とプレス加工のしやすさとを有し、さらに流路20Hに圧入可能な金属により形成されている。一方、第二シール部42及び連結部43は、平面な環状形状であることから、プレス加工のしやすさを考慮しなくともよい。そのため、先端側ボデー20とコモンレール5との間をシールするための高いシール性を有する金属で形成されている。つまり、先端側ボデー20よりも低硬度な金属で形成されている。連結部43は、第二シール部42と同じ材質で形成されている。
ここで、第一シール部41は、円筒形状であるためプレス加工で形成することが望ましい。一方、第二シール部42は、シール性を向上させるため第一シール部41より低硬度であることが望ましい。そのため、第一実施形態の如く1枚の金属板をプレス加工することでフィルタ40を形成する場合には、プレス加工性に優れた特性と低硬度である特性の両方を満たす材質の金属板を選定する必要がある。しかしながら、本実施形態によれば、フィルタ40は、第一シール部41用の金属板と第二シール部42用の金属板とを溶接等により接合することで形成される。このことにより、第二シール部42を形成する金属板は、プレス加工が可能な材料でなくともよくなる。また、第二シール部42は、第一シール部41のように圧入されることもないため、より高いシール性を確保することが可能な材質を選択することが可能となる。つまり、第一シール部41または第二シール部42のそれぞれの必要特性に応じた材質を有する金属板の選択が可能となり、材料選択の自由度が上昇する。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
第二シール部42は、コモンレール5よりも低硬度な金属で形成されていてもよいし、同じ硬度の金属で形成されていてもよい。
また、第一実施形態において、隆起部5cの断面形状は突起状であったが、図5のようにボデー面24と平行な平坦面5cxであってもよい。このような構造においては、平坦面5cxとボデー面24とに挟まれることで、第二シール部42は、高圧燃料に対しコモンレール5と先端側ボデー20との間をシールしている。
また、図6のように、ボデー面24xが流路20Hの中心軸線に対して垂直ではなく、先端側ボデー20のうちボデー面24xと内壁面22が成す角度は90度より大きい。そして、第二シール部42は、ボデー面24xと隆起部5cとに挟まれている。
第一実施形態においては、周縁部23は、流路20Hの内壁面22とボデー面24とを繋ぐR面23aを有していたが、断面円弧形状のR面23aでなく、断面直線形状のC面となっていてもよい。あるいはR面23aまたはC面のように面取りされておらず、内壁面22とボデー面24とが垂直に交わることで角を形成していてもよい。
第一実施形態においては、第一シール部41と連結部43とは周縁部23に形成されたR面23aに沿うようにプレス加工されていたが、R面23aに沿っていなくてもよい。例えば、周縁部23と連結部43との間に空間が形成されていてもよい。
第二実施形態において、第二シール部42と第一シール部41とは異なる材質の2種類の金属板により二つの部材を接合し一体にすることで形成されていたが、異なる材質であれば、1枚の金属板から形成してもよい。例えば、同じ1枚の金属板であっても第二シール部42に熱処理を加え、第二シール部42の結晶構造を変化させることにより第一シール部41と第二シール部42との材質を変化させてもよい。
また、上記各実施形態では、コモンレールシステム3の減圧弁10に適用した例を示したが、他の弁装置のフィルタに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、減圧弁10は、流路20Hの中心軸線とコモンレール5の貯留室5bの中心軸線とが一致するように取り付けられていた。しかしながら、流路20Hの中心軸線とコモンレール5の貯留室5bの中心軸線とが一致しない状態で取り付けられていてもよい。具体的には、流路20Hの中心軸線とコモンレール5の貯留室5bの中心軸線とが交差するような位置に取り付けられていてもよい。
5 コモンレール、20 ボデー、20H 流路、20Hout 吐出口、
20Hin 流入口、21 弁座面、22 内壁面、23 周縁部、30 弁体、
40 フィルタ、41 第一シール部、42 第二シール部、43 連結部

Claims (4)

  1. 高圧燃料を流すための高圧部(5)に装着され、前記高圧部から前記高圧燃料が流れ込む流路(20H)を形成するボデー(20)と、
    前記ボデーに形成された弁座面(21)に離着座することで、前記流路の吐出口(20Hout)を開閉する弁体(30)と、
    前記流路に配置され、前記高圧燃料内に含まれる異物を捕捉するフィルタ(40)と、を備え、
    前記フィルタは、
    前記ボデーのうちの前記流路の内壁面(22)に嵌合する筒状であり、前記内壁面と密着することで、前記高圧燃料に対して前記ボデーとの間をシールする第一シール部(41)と、
    前記ボデーのうちの前記流路の流入口(20Hin)を取り囲むように環状に延びる形状であり、前記高圧部と前記ボデーとに挟まれることで、前記高圧燃料に対して前記高圧部と前記ボデーとの間をシールする第二シール部(42)と、
    前記第一シール部と前記第二シール部とを連結し、かつ、前記流入口を取り囲むように環状に延びて前記流入口の周縁部(23)を覆う形状の連結部(43)と、を有する弁装置。
  2. 前記第二シール部は前記ボデーよりも低硬度の材料で形成された請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記第二シール部は前記第一シール部より低硬度である請求項1または2に記載の弁装置。
  4. 少なくとも前記連結部は、前記ボデーよりも耐食性が高い材料で形成された請求項1乃至3のいずれか1つに記載の弁装置。
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