JP2018071314A - 掘削孔の精度管理方法 - Google Patents

掘削孔の精度管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018071314A
JP2018071314A JP2016216461A JP2016216461A JP2018071314A JP 2018071314 A JP2018071314 A JP 2018071314A JP 2016216461 A JP2016216461 A JP 2016216461A JP 2016216461 A JP2016216461 A JP 2016216461A JP 2018071314 A JP2018071314 A JP 2018071314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
amount
inclination angle
drilling
coordinate system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016216461A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6892748B2 (ja
Inventor
森田 修二
Shuji Morita
修二 森田
耕治 塚本
Koji Tsukamoto
耕治 塚本
一雄 坂元
Kazuo Sakamoto
一雄 坂元
正弘 庄司
Masahiro Shoji
正弘 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kozo Keikaku Engineering Inc
Okumura Corp
Original Assignee
Kozo Keikaku Engineering Inc
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kozo Keikaku Engineering Inc, Okumura Corp filed Critical Kozo Keikaku Engineering Inc
Priority to JP2016216461A priority Critical patent/JP6892748B2/ja
Publication of JP2018071314A publication Critical patent/JP2018071314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6892748B2 publication Critical patent/JP6892748B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Earth Drilling (AREA)

Abstract

【課題】貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、高速かつ高精度で傾斜角の測定を行うことが可能であって、掘削孔を精度良く施工することができる掘削孔の精度管理方法を提供する。【解決手段】回転ロッド1を地中に貫入して掘削孔を形成する際、地表面位置における掘削孔を経過する鉛直線に対し当該回転ロッドがなす傾斜角を測定する傾斜角測定作業を行い、傾斜角測定作業は、地表面位置から露出している回転ロッドの画像Qを取得する第1処理と、画像に輪郭検出フィルタを適用して、輝度変化画像Rを取得する第2処理と、輝度変化画像に対し、回転ロッドのロッド部1aの実輪郭線に一致しかつ輝度変化画像上で動かされる補助線Uを重ね合わせる第3処理と、補助線を動かして、輝度変化画像中でのロッド部の外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出されたロッド部の外形輪郭が鉛直線に対してなす傾きを傾斜角として決定する第5処理とを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、高速かつ高精度で傾斜角の測定を行うことが可能であって、掘削孔を精度良く施工することができる掘削孔の精度管理方法に関する。
アースオーガなどで、地表面位置から地中内部へ向かって形成される掘削孔の形状を推定する技術として、特許文献1が知られている。特許文献1の「掘削孔形状の推定方法」は、オーガを地表面位置から地中に向けて貫入する貫入作業を、単位作業量毎に複数回に分け、貫入作業の単位作業量が完了する度に、単位作業量当たりのオーガの、地表面位置から地中への貫入量と、地表面位置における掘削孔を経過する鉛直線に対しオーガがなす傾斜角とを測定する測定作業を行い、各測定作業で得られる貫入量及び傾斜角を用いて、複数回の単位作業量完了時それぞれにおける、掘削孔の深度と地表面位置における掘削孔に対するオーガの水平方向ずれ量とを複数算定し、算定された複数の深度及び水平方向ずれ量を、測定作業順に順次積算して、掘削孔の形状を推定するようにしている。
特開2016−113806号公報
特許文献1では、傾斜角の測定作業に関して、貫入作業の単位作業量が完了する度に、としているが、そのように間欠的にではなく、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、傾斜角を測定することが可能な、高速の、そしてまた高精度の測定処理を実現できる方策の案出が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、高速かつ高精度で傾斜角の測定を行うことが可能であって、掘削孔を精度良く施工することができる掘削孔の精度管理方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる掘削孔の精度管理方法は、削孔用回転ロッドを地中に貫入して掘削孔を形成するに際し、上記削孔用回転ロッドが上記地表面位置から地中へ貫入された鉛直方向移動量を測定する移動量測定作業と、該地表面位置における上記掘削孔を経過する鉛直線に対し該削孔用回転ロッドがなす傾斜角を測定する傾斜角測定作業とを行う測定工程と、上記測定工程で得られる上記鉛直方向移動量及び上記傾斜角を用いて、上記掘削孔が上記鉛直線に近づくように、上記削孔用回転ロッドによる上記貫入作業を修正する修正工程とを備え、上記傾斜角測定作業は、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドの画像を取得する第1処理と、上記画像に輪郭検出フィルタを適用して、輝度変化画像を取得する第2処理と、上記輝度変化画像に対し、上記削孔用回転ロッドのロッド部の実輪郭線に一致しかつ該輝度変化画像上で動かされる補助線を重ね合わせる第3処理と、上記補助線を動かして、上記輝度変化画像中での上記ロッド部の外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出された上記ロッド部の上記外形輪郭が上記鉛直線に対してなす傾きを上記傾斜角として決定する第5処理とを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる掘削孔の精度管理方法は、削孔用回転ロッドを地中に貫入して掘削孔を形成するに際し、上記削孔用回転ロッドが上記地表面位置から地中へ貫入された鉛直方向移動量を測定する移動量測定作業と、該地表面位置における上記掘削孔を経過する鉛直線に対し該削孔用回転ロッドがなす傾斜角を測定する傾斜角測定作業とを行う測定工程と、上記測定工程で得られる上記鉛直方向移動量及び上記傾斜角を用いて、上記掘削孔が上記鉛直線に近づくように、上記削孔用回転ロッドによる上記貫入作業を修正する修正工程とを備え、上記傾斜角測定作業は、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドの画像を取得する第1処理と、上記画像に輪郭検出フィルタを適用して得られる輝度変化画像中の輝度変化量を用い、該輝度変化画像の各画素位置を縦軸及び横軸のいずれか一方に目盛り、該輝度変化量を縦軸または横軸のいずれか他方に目盛って、上記削孔用回転ロッドのロッド部の外形輪郭を表す該輝度変化量を内包する輝度変化量グラフを作成する第2処理と、上記輝度変化量グラフに対し、上記ロッド部の実輪郭線に一致しかつ該輝度変化量グラフ上で動かされて各画素位置での上記輝度変化量を積算するための補助線を重ね合わせる第3処理と、上記補助線を動かし、該補助線が重なり合う上記画素位置で積算される上記輝度変化量を用いて、上記輝度変化画像中での上記ロッド部の上記外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出された上記ロッド部の上記外形輪郭が上記鉛直線に対してなす傾きを上記傾斜角として決定する第5処理とを含むことを特徴とする。
前記移動量測定作業は、前記地表面位置から露出している前記削孔用回転ロッドの画像を、いずれかの高さ位置で一定の撮影範囲で取得して、照合用画像を設定する第1ステップと、前記貫入作業中、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドを、上記照合用画像と同じ撮影範囲で取得して複数の判定用画像を取得する第2ステップと、複数の上記判定用画像を上記照合用画像と照合して、合致率が設定条件を満たすいずれかの該判定用画像をマッチング成立画像と判定する第3ステップと、上記貫入作業の進行で順次に得られる2つのマッチング成立画像の画像高さ位置の差を鉛直方向移動量として決定する第4ステップとを含むことを特徴とする。
前記傾斜角として、前記第4ステップで前記鉛直方向移動量を決定する2つの前記マッチング成立画像の取得時及びこれら取得時の間に得られる複数の前記判定用画像に上記傾斜角測定作業を適用して測定される複数個の傾斜角の中で標準偏差に入る傾斜角の平均値を用い、決定された該鉛直方向移動量と該傾斜角を用いて偏芯量を算定することを特徴とする。
前記修正工程は、前記鉛直方向移動量を積算して得られる前記掘削孔の深度を、該鉛直方向移動量の各測定回それぞれで求めたスパン長それぞれに対し、当該各スパン長に対応する位置で測定された前記各傾斜角を乗じたものを積算して、前記地表面位置から地中に向かって貫入された前記削孔用回転ロッドの最深部における前記偏芯量を求める第1算定処理と、上記各スパン長毎の各位置のうち、隣接するものにおける上記偏芯量の平均値を積算して、平均偏芯量を求める第2算定処理と、該平均偏芯量を上記掘削孔の深度で除算して得られる平均傾斜角に対し、修正係数を乗じて、次回の上記貫入作業の際に、該削孔用回転ロッドに設定する修正傾斜角を決定する第3算定処理とを含むことを特徴とする。
前記測定工程では、前記削孔用回転ロッドを取り囲む周囲の異なる2つの位置に設置される2台の撮影手段が用いられると共に、前記修正工程では、演算装置で演算処理されて、オペレータ位置で、座標変換処理した座標系が表示されるモニターが用いられ、上記座標変換処理は、上記演算装置により、2台の上記撮影手段の各設置位置それぞれから前記掘削孔の芯に向けて座標軸をとって、該掘削孔の該芯を原点とする撮影座標系を設定し、該撮影座標系で該芯から前記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を求める撮影座標系処理と、上記掘削孔の上記芯を原点とする第1平面直交座標系を上記撮影座標系に重ね合わせて、該芯から上記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を該第1平面直交座標系において求める第1平面直交座標系処理と、上記オペレータ位置を含み、上記掘削孔の上記芯に向かう座標軸をとって、該芯を原点とする第2平面直交座標系を上記第1平面直交座標系に重ね合わせ、該芯から上記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を該第2平面直交座標系において求める第2平面直交座標系処理と、上記第2平面直交座標系上で、原点を占める上記掘削孔の上記芯の座標に対する上記偏芯位置座標から、上記オペレータ位置を基準として上記削孔用回転ロッドの前後方向及び左右方向の傾き角度を求める角度算出処理と、上記モニターに、上記前後方向及び左右方向の傾き角度それぞれを表示する表示処理とが実行されることを特徴とする。
本発明にかかる掘削孔の精度管理方法にあっては、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、高速かつ高精度で傾斜角の測定を行うことができ、掘削孔を精度良く施工することができる。
本発明に係る掘削孔の精度管理方法の好適な一実施形態を示す、実施状況を説明する説明図である。 図1に示した実施状況に示されている演算装置のモニターに表示される表示内容の一部を説明する説明図である。 図1に示した実施状況に示されている演算装置による演算処理のフローを概略的に説明する説明図である。 図1に示した実施状況で示されている演算装置について、傾斜角測定作業で行われる輪郭検出フィルタを利用した画像処理を説明する説明図である。 図1に示した実施状況で示されている演算装置について、傾斜角測定作業で行われる輝度変化量グラフを利用した処理を説明する説明図である。 図1に示した実施状況で示されている演算装置について、移動量測定作業で利用される照合用画像とマッチング成立画像の探索処理を説明する説明図である。 図1に示した実施状況で示されている演算装置について、移動量測定作業で行われる画像処理による移動量測定処理を説明する説明図である。 図1に示した掘削孔の精度管理方法により、削孔用回転ロッドで掘削される掘削孔の推定形状の最初の様子を説明する説明図である。 図8に示した掘削孔の掘削の、その後の様子を説明する説明図である。 図9に示した掘削孔の掘削の、さらにその後の様子を説明する説明図である。 本実施形態に係る掘削孔の精度管理方法における回転ロッドの偏芯量の算定を説明する説明図である。 削孔用回転ロッドとして、アースオーガやアースドリルを用いた場合の掘削状況の概略説明図である。 図1に示した実施状況に示されている演算装置を用いた修正工程の実施フローを概略的に説明する説明図である。 図1に示した実施状況に示されている2台のビデオカメラで取得される削孔用回転ロッドの傾き状態を例示した説明図である。 図1に示した実施状況に示されている演算装置で行われる座標変換処理の手順を説明する説明図である。
以下に、本発明にかかる掘削孔の精度管理方法の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る掘削孔の精度管理方法の実施状況を説明する説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る掘削孔の精度管理方法は、主として、杭などを打設する掘削孔H(図12等参照)を形成する、例えばアースオーガやアースドリル等の削孔用回転ロッド(以下、「回転ロッド」という)1と、現場に設置され、回転ロッド1を回転駆動して地表面Jから地中Kに貫入するロッド駆動装置2と、現場に設置され、地表面J位置から露出している回転ロッド1の地中Kへの貫入作業状態を撮影するための撮影手段の一例であるビデオカメラ3と、回転ロッド1の操作や各種機器の監視・管理を行うオペレータによって操作され、殊に、ビデオカメラ3で撮影されて当該ビデオカメラ3から出力される回転ロッド1の画像Q(図4(a)等参照)が入力されて、当該画像Qを利用した各種測定値の演算処理を行ったり、それらの測定結果に基づいて貫入作業の修正のための演算処理を行ったり、また、その他各種の演算処理を実行するための演算装置4及び演算装置4による演算処理結果やビデオカメラ3の画像Qを表示するためのモニター5等を含む測定用機器とを用いて実施される。
ビデオカメラ3と演算装置4とは、無線回線6もしくは有線回線で、制御信号や画像Qの送受信が可能に接続される。図示例では、現場サイトの事務所内にパソコン7が設置され、このパソコン7と演算装置4とは、無線ルータ8によりインターネット9を介して、各種データの送受信が可能に接続される。
本実施形態では、ビデオカメラ3は、回転ロッド1を取り囲む周囲であって、異なる2つの位置に2台設置され、これら2方向から撮影が行われる。この2方向は、回転ロッド1を異なる2方向から撮影できればよく、互いに直交する方向であるか否かは問わない。ビデオカメラ3は、いずれか一方がメインカメラ3aとして、他方がサブカメラ3bとして使用される。
ロッド駆動装置2で回転ロッド1を駆動して掘削孔Hを施工する技術自体は従来周知である。例えば、回転ロッド1がオーガである場合には、ロッド駆動装置2の支柱2aに設けられた振れ止め2bに、上下方向へ移動自在に保持されたオーガは、支柱2aにガイドされて下降移動されるオーガヘッド2cにより回転駆動されて、地中Kへ向かって圧入される。
これにより、オーガは、地表面J位置から地中Kに向けて貫入され、掘削孔Hが、例えば鉛直下向き方向へ形成される。そして、支柱2a下部に達したオーガヘッド2cの支柱2a上部への盛り替えと、地中Kへ貫入されたオーガに対する、追加のオーガの継ぎ足しを繰り返すことにより、設計深度(必要深度)に達する掘削孔Hが形成されていく。
次に、測定用機器について説明する。測定用機器は、ビデオカメラ3と演算装置4、モニター5などを含む、いわゆるトータルステーションとも称される構成を備える。
回転ロッド1は、地中K内部に貫入された部分と、ロッド駆動装置2に保持され、地表面J位置から上方に突出されている部分とがあり、地表面J上に露出されている回転ロッド1が部分的にビデオカメラ3で撮影されて、回転ロッド1の画像Qが取得される。
ビデオカメラ3から出力される回転ロッド1の画像Qのデータは、演算装置4に入力される。演算装置4は例えば、画像Qのデータを、およそ6フレーム/秒の頻度で処理する。演算装置4にはモニター5が接続され、モニター5は、演算装置4で制御されて、ビデオカメラ3から入力された画像Qや演算装置4で演算した結果等、各種情報を表示する。
回転ロッド1の画像Qは、モニター5上で、上下方向が鉛直方向となるようにセットされる。言い換えれば、ビデオカメラ3による撮影にあたり、画像Qの上下方向が鉛直方向であるように、セットされる。
演算装置4は、少なくとも、(1)メインカメラ3aとサブカメラ3bで撮影された2方向からの回転ロッド1の画像Qをモニター5に表示する処理、(2)傾斜角測定作業のための処理、(3)移動量測定作業のための処理、(4)推定される掘削孔H(地中孔曲がり)をモニター5に表示する処理、並びに(5)回転ロッド1で掘削された現在の掘削孔深度(測定された鉛直方向移動量Δi の累積)と現在の掘削孔傾斜(測定された傾斜角Gxi の累積)及び貫入作業で採用することが好ましい修正の傾斜(修正傾斜角)をモニター5に表示する処理を実行する(図2参照)。
また、演算装置4は、オペレータがモニター5をワンタッチすることで、画像処理の開始や一時停止、終了が容易に操作できるようになっている。
回転ロッド1を地中Kに貫入して掘削孔Hを形成するに際して行われる測定工程について説明する。測定工程では、回転ロッド1が地表面J位置から地中Kへ貫入された鉛直方向移動量Δi (i:1〜n)(図7等参照)を測定する移動量測定作業と、地表面J位置における掘削孔Hを経過する鉛直線Fに対し回転ロッド1がなす傾斜角Gxi (i:1〜n)(図5等参照)を測定する傾斜角測定作業とが行われる。鉛直方向移動量Δi 及び傾斜角Gxi は、演算装置4による画像処理によって算出される。
図3は、図1に示した実施状況に示されている演算装置4による演算処理のフローを概略的に説明する説明図である。図3では主に、測定工程とそれに基づいて行われる修正工程を含めた処理フローが示されている。
「傾斜計測」とは、傾斜角測定作業を、「ロッド軸上のテンプレートの探索」とは、後述する移動量測定作業で行われる照合処理を、「テンプレートマッチング」とは、マッチング成立画像が取得されたこと、すなわちマッチングの合致率が設定条件を満たすか否かを、「深度計測」とは、移動量測定作業での鉛直方向移動量Δi の決定を、「基準座標系で偏芯量算定」とは、後述する座標変換処理の第1平面直交座標系上での偏芯量の算定を、「地中孔曲がりの推定と修正傾斜角の算定」とは、後述する修正工程での処理内容を、「画像表示と情報配信」とは、モニター5への各種データの表示及び現場サイトの事務所内パソコン7への情報配信を意味する。
図4は、図1に示した実施状況で示されている演算装置4について、傾斜角測定作業で行われる輪郭検出フィルタを利用した画像処理を説明する説明図である。図4(a)は、ビデオカメラ3で取得された回転ロッド1の画像Qを、図4(b)は、輪郭検出フィルタで得られた輝度変化画像Rを、図4(c)は、輝度変化画像Rに補助線Uを重ね合わせた画像を、図4(d)は、ロッド部1aの外形輪郭を抽出した画像を、それぞれ示している。図中、高輝度部分を墨ベタで表示している。
傾斜角測定作業は図4に示すように、回転ロッド1の画像Qを取得するビデオカメラ3とビデオカメラ3から出力される画像Qを処理する演算装置4とが用いられ、概略的には、地表面J位置から露出している回転ロッド1の画像Qを取得する第1処理と、画像Qに輪郭検出フィルタを適用して、輝度変化画像Rを取得する第2処理と、輝度変化画像Rに対し、回転ロッド1のロッド部1aの実輪郭線に一致しかつ輝度変化画像R上で動かされる補助線Uを重ね合わせる第3処理と、補助線Uを平行移動させたり回転させて動かして、輝度変化画像R中でのロッド部1aの外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出されたロッド部1aの外形輪郭が鉛直線Fに対してなす傾きを傾斜角Gxi として決定する第5処理とを含む。
詳細には、第2処理では、回転ロッド1の画像Qに輪郭検出フィルタを適用して得られる輝度変化画像R中の輝度変化量を用い、当該輝度変化画像Rの鉛直方向の画素単位に連続する複数の水平断面の輝度変化画像Rの各画素位置を縦軸及び横軸のいずれか一方に目盛り、輝度変化量を縦軸または横軸のいずれか他方に目盛って、回転ロッド1のロッド部1aの外形輪郭を表す輝度変化量を内包する輝度変化量グラフV(図5参照)を作成する。
第3処理では、輝度変化量グラフVに対し、ロッド部1aの実輪郭線に一致しかつ輝度変化量グラフV上で動かされて各画素位置での輝度変化量を積算するための補助線Uを重ね合わせる。
回転ロッド1の汚れや背景の関係で、最も輝度変化量の大きい点をつないでも、回転ロッド1の外形輪郭にはならない。このため、回転ロッド1の外形輪郭を想定した直線による補助線Uを用いる。
第4処理では、補助線Uを動かし、補助線Uが通過する(重なり合う)画素位置で積算される輝度変化量を用いて、輝度変化画像R中でのロッド部1aの外形輪郭を抽出する。
図4は、画像処理によって回転ロッド1の輪郭を捉えて傾斜角Gxi を算出する際の手順を示している。2台のビデオカメラ3で撮影された各画像Q(およそ6フレーム/秒)に対し、ソーベル(Sobel )フィルタなどに代表される画像の輪郭を検出するフィルタ(輪郭検出フィルタ)を利用して傾斜計測を行うようにしている。このフィルタは、空間1次微分を計算し、輪郭を検出するものであって、周知である。
回転ロッド1の外形輪郭を抽出するエッジ抽出では、各画素の位置ごとに水平断面の輝度変化を捉える。図中、A−A断面、B−B断面、C−C断面における輝度変化をグラフ化したものが図5に示されている。図5は、図1に示した実施状況で示されている演算装置4について、傾斜角測定作業で行われる輝度変化量グラフVを利用した処理を説明する説明図である。
輝度変化量グラフVは、画像Qもしくは輝度変化画像Rの各画素位置を横軸に目盛り、輝度変化量を縦軸に目盛ったもので、回転ロッド1のロッド部1aの外形輪郭を表す輝度変化量が内包されたものである。回転ロッド1の外形輪郭以外の輝度変化も含まれるので、単一の断面だけでは回転ロッド1の外形輪郭を正確に捉えることができないため、撮影範囲の上端から下端まで(図では、3つの水平断面で)、画素位置ごとに水平断面の輝度変化を捉えるようにしている。
次に、回転ロッド1のロッド部1aと照合する補助線2本(図4(c)では二点鎖線、図5では、破線で示されている)を回転させたり、横軸に沿って平行移動させながら、水平断面ごとに補助線Uが通過する画素位置における輝度変化量を積分して、最も輝度変化量が大きい補助線Uを回転ロッド1の外形輪郭に一致するものとして決定したものが、線分照合として図4(d)に実線Uで示されている線分である。
2本の補助線Uの間隔は、回転ロッド1のロッド部1aの設計外径寸法もしくは実測した外径寸法で設定され、ロッド部1aの実際の外形輪郭を示すものである。照合された線分(補助線)Uを回転ロッド1、具体的にはそのロッド部1aの外形輪郭と認識し、演算装置4が画像処理によって、鉛直線Fに対する上記線分Uの傾きを傾斜角Gxi として算出する。本実施形態では、ロッド部1aの外形輪郭を示すものとして2本の補助線Uを用いているが、いずれか1本であってもよい。
2台のビデオカメラ3のうち、メインカメラ3aで撮影した画像Qは、傾斜角測定と鉛直方向移動量Δi を測定する移動量測定に用いられ、サブカメラ3bで撮影した画像は、傾斜角測定のみに用いられる。画像処理では、傾斜角測定と、追って説明する照合用画像(テンプレート)Xの移動探索、すなわち移動量測定とを行う。テンプレートXとは、自動設定する一定の撮影範囲の、回転ロッド1上の矩形状の画像を言う(図6参照)。
図6及び図7には、移動量測定作業の概要が示されている。図6は、図1に示した実施状況で示されている演算装置4について、移動量測定作業で利用される照合用画像Xとマッチング成立画像X1 の探索処理を説明する説明図である。図6(a)は、照合用画像Xを動かして探索を行っている様子を、図6(b)は、画像処理に適用される照合用画像Xの設定の様子を、それぞれ示している。
図7は、図1に示した実施状況で示されている演算装置4について、移動量測定作業で行われる画像処理による移動量測定処理を説明する説明図である。図7(a)〜(c)は、回転ロッド1の降下に従って、当該回転ロッド1の同一部位が順次に下方へ移動していくことがマッチング成立画像X1 で判定され、そのときの各個別の高低差が鉛直方向移動量Δ1 、Δ2 として測定される様子を示している。
移動量測定作業も、回転ロッド1の画像Qを取得するビデオカメラ3とビデオカメラ3から出力される画像Qを処理する演算装置4とが用いられ、地表面J位置から露出している回転ロッド1の画像Qを、いずれかの高さ位置で一定の撮影範囲で取得して、テンプレートとしての照合用画像Xを設定する第1ステップと、貫入作業中、地表面J位置から露出している回転ロッド1を、照合用画像Xと同じ撮影範囲で取得して複数の判定用画像XX を取得する第2ステップと、複数の判定用画像XX を照合用画像Xと照合して、合致率が設定条件を満たすいずれかの判定用画像XX をマッチング成立画像X1 と判定する第3ステップと、貫入作業の進行で順次に得られる2つのマッチング成立画像X1 の画像高さ位置の差Δi を鉛直方向移動量として決定する第4ステップとを含む。
ビデオカメラ3で取得される、時々刻々変化する回転ロッド1の複数の画像Qの中で、同一の部分画像を検出して、部分画像の鉛直方向移動量Δi から移動量計測を行う。部分画像とは、回転ロッド1上で、一定幅のマージンd,hを取って、回転ロッド1表面に自動で設定する画像である(図6(b)参照)。この部分画像の情報が画素単位で演算装置4に記憶される。
マッチングのために照合用に採用される、基準となる画像Qが、テンプレートとしての照合用画像Xであって、移動量測定にあたり、回転ロッド1を任意の高さ位置で一定の撮影範囲で撮影したものである。次に、演算装置4は、移動した回転ロッド1の画像Q(回転ロッド1の回転に従って複数取得される)、すなわち判定用画像XX の中から、照合用画像Xに合致する部分画像、すなわちマッチング成立画像X1 を探索する。
判定用画像XX は、連続的(およそ6フレーム/秒)に複数得られるので、演算装置4は、この探索を連続的に行い、具体的には、判定用画像XX と照合用画像Xとを画素ごとに照合し、合致率が設定条件(例えば、95%以上)を満たした場合に、判定用画像XX が照合用画像Xに合致したと判定する。マッチング成立画像X1 は、貫入作業の進行に従って、順次取得される。
鉛直方向移動量Δi は、演算装置4による画像処理によって、順次に得られる2つのマッチング成立画像X1 の画像高さ位置の差をもって決定される。第1回目の鉛直方向移動量Δ1 は、照合用画像Xと最初のマッチング成立画像X1 との画像高さ位置の差をもって決定される。そして、演算装置4が、順次得られる鉛直方向移動量Δi を積分することにより、貫入作業全体での掘削孔Hの深度が算出される。
合致すべき部分画像がビデオカメラ3から見て裏側にある場合は、合致せず、マッチング成立画像X1 が得られない。また、貫入作業が進行すると、移動後の部分画像が照合用画像Xを取得した撮影範囲から逸脱するので、演算装置4は、照合用画像Xを自動的に再設定し、同じ処理を繰り返す。
なお、回転ロッド1の継ぎ足しや、トラブル時の中断などで、照合用画像Xに合致するマッチング成立画像X1 が続けて得られない場合にも、演算装置4は、自動認識して、照合用画像Xを自動的に再設定したり、あるいは、その際に、通常施工のデータ収集から除外する。また、想定外の事象については、オペレータにより、一時中断などの対応がとられる。
また、移動量測定作業に併せて実行される傾斜角測定作業について、演算装置4は、マッチング成立画像X1 が判定されるまでの間に測定される複数の傾斜角Gxi を履歴として保存しながら、当該傾斜角Gxi の測定を繰り返す。そして、演算装置4は、マッチング成立画像X1 が判定される度に、当該マッチング成立画像X1 を用いて鉛直方向移動量Δi とそのときの傾斜角Gxi を算定すると共に、偏芯量Dxi (i:1〜n)を算定し、これらを用いて、地中孔曲がり(掘削孔形状)を推定する。
演算装置4は、鉛直方向移動量Δi に傾斜角Gxi を乗じて偏芯量Dxi を算定し、この偏芯量Dxi を積分して、推定される地中孔曲がりを算定する。偏芯量Dxi とは、設計上の掘削孔Hの芯(中心)からの水平方向ずれ量をいう。
単に「傾斜角」として述べたが、この傾斜角Gxi として、上記第4ステップで鉛直方向移動量Δi を決定する2つのマッチング成立画像X1 の取得時及びこれら取得時の間に得られる複数の判定用画像XX に傾斜角測定作業を適用して測定され演算装置4に履歴として記憶された複数個の傾斜角Gxi の中で標準偏差に入る傾斜角Gxi の平均値を用い、決定された鉛直方向移動量Δi と平均をとった当該傾斜角Gxi を用いて偏芯量Dxi を算定する。
測定工程で得られる鉛直方向移動量Δi 及び傾斜角Gxi を用いて、掘削孔Hが鉛直線Fに近づくように、回転ロッド1による貫入作業を修正する修正工程が実行される。
修正工程は概略的には、鉛直方向移動量Δi を積算して得られる掘削孔Hの深度を、例えば貫入作業における各測定回で求めた各スパン長dli (i回目;i=1〜n)に対し、当該各スパン長dli における傾斜角Gxi を乗じたものを積算して、地表面J位置から地中Kに向かって貫入された回転ロッド1の最深部における偏芯量Dxn を求める第1算定処理と、各スパン長dli 毎の各位置のうち、隣接するものにおける偏芯量Dxi ,Dxi-1 の平均値を積算して、平均偏芯量SDxn を求める第2算定処理と、平均偏芯量SDxn を掘削孔Hの深度Ln で除算して得られる平均傾斜角(SDxn /Ln )に対し、修正係数αを乗じて、次回の貫入作業の際に、回転ロッド1に設定する修正傾斜角Gxn+1 ’を決定する第3算定処理とを含む。
演算装置4の演算処理に用いられる鉛直線Fは、地表面J位置における掘削孔Hを経過するものである。
図8から図11には、推定される、回転ロッド1で形成される掘削孔形状の推移が示されている。図8は、図1に示した掘削孔の精度管理方法により、回転ロッド1で掘削される掘削孔Hの推定形状の最初の様子を説明する説明図である。図9は、図8に示した掘削孔Hの掘削の、その後の様子を説明する説明図である。図10は、図9に示した掘削孔Hの掘削の、さらにその後の様子を説明する説明図である。図8から図10は、アースオーガの場合を例にとったものである。
図11は、本実施形態に係る掘削孔の精度管理方法における回転ロッド1の偏芯量Dxn の算定を説明する説明図である。図11(a)は、回転ロッド1がアースオーガであるときの推定方法を、図11(b)は、回転ロッド1がアースドリルであるときの推定方法を、図11(c)は、偏芯量Dxn を算定する考え方を、それぞれ示している。
掘削孔Hの形状、すなわち掘削孔Hの地中Kにおける地中孔曲がりは、地層分布や地盤の硬軟に影響されると共に、地表面Jに設置されたロッド駆動装置2の鉛直精度によっても地中孔曲がりは生じ、そしてまた、この地中孔曲がりが地表面J位置における回転ロッド1の傾きに反映することが考えられる。また、施工中における回転ロッド1の傾きの調整によっても、もちろん地中孔曲がりが発生する。
そして、地中孔曲がりの傾向は、回転ロッド1の傾斜角Gxi によって把握され得る。回転ロッド1の(傾斜角Gxi )×(スパン長dli )が掘削孔Hの芯、ひいては打設される杭の杭芯からの偏芯量Dxi を表すと仮定する。この偏芯量Dxi を掘削孔Hの深度方向に積算して、掘削孔H(杭)の最深部位置や地中孔曲がりを推定する。スパン長dli は、傾斜角Gxi を区分する間隔であって、スパン長dli が短いほど、推定される掘削孔形状は、滑らかな曲線となる。
本実施形態によるアースオーガの場合の掘削孔形状の推定の様子が、図8〜図10に示されている。例えば、最初のマッチング成立画像X1 が得られたとき、回転ロッド1が、地表面J位置において、鉛直方向(鉛直線F)に対し、僅かながらの傾き角度Gx1 がある状態(方向指示線E参照)で、スパン長dli だけ貫入されることにより、地表面J位置から地中Kへ向かって掘削孔Hが形成される(図8(A)参照)。
次のマッチング成立画像X1 が得られたとき、地表面J位置における回転ロッド1の傾き角度Gx2 が、鉛直方向(鉛直線F)に対し、変化したとして(図8(B)参照:Gx1 →Gx2 )、変化した傾き角度Gx2 で(方向指示線E参照)、回転ロッド1はさらに地中Kに向かって掘削孔Hの形成を継続する(図9(C)参照)。
そしてまた、次のマッチング成立画像X1 が得られたとき、地表面J位置における回転ロッド1の傾き角度Gx3 が、さらに鉛直方向(鉛直線F)に対し、変化したとして(図9(D)参照:Gx2 →Gx3 )、変化した傾き角度Gx3 で(方向指示線E参照)、回転ロッド1はさらに地中Kに向かって掘削孔Hの形成を継続する(図10参照)。
連続する貫入作業中、上記のように測定工程が繰り返され、アースオーガの場合図11(A)に示すように、掘削孔Hが形成されていく。図11(B)は、アースドリルの場合である。図11(A)は、掘削孔Hの推定状況を概念的に示している。繰り返し行われる測定工程で得られるスパン長dli (鉛直方向移動量に対応)及び傾斜角Gxi を用いて、回転ロッド1の偏芯量Dxi を算定する算定作業が行われる。
図11(C)は、偏芯量Dxi の算定を説明するための概念図であって、回転ロッド1の地表面J位置から地中Kへの貫入状態について、回転ロッド1の、地表面J位置から地中Kへのスパン長dli と、鉛直線Fに対する傾斜角Gxi とから、地表面J位置における掘削孔Hに対する回転ロッド1の偏芯量Dxi を算定する際の原理が示されている。図示した直角三角形の水平方向の底辺の長さが、回転ロッド1の上記偏芯量Dxi であり、鉛直方向の縦辺の長さがスパン長dli である。斜辺は、回転ロッド1の実際に傾斜した貫入量である。
斜辺と縦辺とがなす角度が、地表面J位置における掘削孔Hを経過する鉛直線Fに対し回転ロッド1がなす傾斜角Gxi である。ここで、傾斜角Gxi は、スパン長dli と偏芯量Dxi の比であり、きわめて微小であるので、

tanGxi =Gxi =Dxi /dli
Dxi =dli ×Gxi

以上のことから、図8から図10について説明すると、図8(A)の最初のマッチング成立画像X1 が得られた時点では、偏芯量Dx1 は、
Dx1 =dl1 ×Gx1
であり、図9(C)の次のマッチング成立画像X1 が得られた時点では、
Dx2 =dl2 ×Gx2
であって、最初のマッチング成立画像X1 が得られた時点における偏芯量Dx1 を積算すると、
Dxi =dl1 ×Gx1 +dl2 ×Gx2
であり、図10の次のマッチング成立画像X1 が得られた時点では、
Dx3 =dl3 ×Gx3
であって、それまでにマッチング成立画像X1 が得られたときにおける偏芯量D1 ,D2 を積算すると、
Dxi =dl1 ×Gx1 +dl2 ×Gx2 +dl3 ×Gx3
であって、これを一般化すると、推定式として式(1)が得られる。
Figure 2018071314
式(1)は、地表面J位置からn個のスパン長dli 分だけ掘削したときの掘削孔Hの最深部の偏芯位置(偏芯量Dxn )を推定したものである。地中の障害物等で大きな地中孔曲がりが生じる場合は、上記推定式の適用外とされる。
式(1)を用いて、上記平均偏芯量が下記式(2)で算定される。
Figure 2018071314
式(1)中、Gxi は、測定工程の傾斜角測定作業で取得された回転ロッド1の傾斜角、dli は各スパン長、nはスパン数(測定回数)、Dxn は、掘削孔Hの最深部における芯からの偏芯量、SDxn は平均偏芯量、Ln は掘削孔Hの深度である。スパン長dli は、画像処理でマッチング成立画像X1 が取得される間隔とその間の移動量測定作業によって決定される。
図12は、回転ロッド1として、アースオーガやアースドリルを用いた場合の掘削状況の概略説明図である。図12(a)で示すように、アースオーガで施工する場合には、全体で削孔するので、図11(a)に示すように、地表面J位置での回転ロッド1の傾斜角が地中Kでも維持され、一方、図12(b)に示すように、掘削孔Hをアースドリルで施工する場合には、回転ロッド1の先端でのみ削孔するので、図11(b)に示すように、地表面J位置から削孔していく順に孔曲がりが生じるとして、掘削孔Hの最深部から施工順に地中孔曲がりが推定できるものと仮定している。
本実施形態では、各測定回のスパン長dli 及び傾斜角Gxi を用いて、ほぼ連続的に、地表面J位置における掘削孔Hに対する回転ロッド1の偏芯量Dxi を複数算定し、算定された複数の偏芯量Dxi を、測定作業順に順次積算する。これにより、掘削孔Hの形成開始から完了までの間の、設計上の掘削孔Hに対する、形成された掘削孔Hの偏芯量Dxi の推移と、掘削孔Hの深度が推定される。
本実施形態では、掘削孔Hを形成しつつリアルタイムで形状推定を行うことができ、回転ロッド1の傾斜角Gxi を逐一調整することで地中孔曲がりを修正することが可能であって、施工管理の精度を向上することができる。
図13は、図1に示した実施状況に示されている演算装置4を用いた修正工程の実施フローを概略的に説明する説明図である。
下記式(3)は、修正傾斜角を示している。
Figure 2018071314
式(3)の平均偏芯量SDxn の逆方向に回転ロッド1を傾斜させる。地中孔曲がりの修正は、掘削孔Hへの杭打設の負担を軽減するために、削孔済みの掘削孔Hの中で修正を加えることを基本として、回転ロッド1の修正傾斜角Gxn+1 ’を決定する。
平均偏芯量SDxn が、直前の貫入作業で得られた平均偏芯量SDxn-1 よりも増加している場合は、修正係数αを割り増しした修正係数αa を乗じて、修正傾斜角Gxn+1 ’を決定する。ただし、限界角(例えば1/100rad)以内で修正を行う。
次に、修正工程などに利便性の高いモニター5への表示を行うための座標変換処理について説明する。回転ロッド1の傾斜角Gxi は、演算装置4により、ロッド駆動装置2を運転するなど、施工を管理するオペレータの目線に変換して、モニター5に左右と前後の傾斜(傾斜角)を表示するようにしている(図2参照)。回転ロッド1は、前後左右にブレながら下降するので、オペレータが参考にしやすいようにデータの変換処理を行う。
詳細には、現地サイトの状況に応じてビデオカメラ3が任意の場所に設置されるので、取得される画像Qは、オペレータの目線で見たものとは異なる。従って、座標変換を行って、オペレータの目線と一致する傾斜情報を提示することが好ましい。そして、掘削孔H、ビデオカメラ3及びオペレータ相互の相関に基づく座標を設定することで、正しくオペレータを誘導することができる。
座標変換処理では、演算装置4により、2台のビデオカメラ3の各設置位置それぞれから掘削孔Hの芯に向けて座標軸をとって、掘削孔Hの芯を原点とする撮影座標系P1を設定し、撮影座標系P1で芯から偏芯量を隔てた偏芯位置座標を求める撮影座標系処理と、掘削孔Hの芯を原点とする第1平面直交座標系P2を撮影座標系P1に重ね合わせて、芯から偏芯量を隔てた偏芯位置座標を第1平面直交座標系P2において求める第1平面直交座標系処理と、オペレータ位置を含み、掘削孔Hの芯に向かう座標軸をとって、芯を原点とする第2平面直交座標系P3を第1平面直交座標系P2に重ね合わせ、芯から偏芯量を隔てた偏芯位置座標を第2平面直交座標系P3において求める第2平面直交座標系処理と、第2平面直交座標系P3上で、原点を占める掘削孔Hの芯の座標に対する偏芯位置座標から、オペレータ位置を基準として回転ロッド1の前後方向及び左右方向の傾き角度を求める角度算出処理と、モニター5に、前後方向及び左右方向の傾き角度それぞれを表示する表示処理とが実行される。
図14は、図1に示した実施状況に示されている2台のビデオカメラ3で取得される回転ロッド1の傾き状態を例示した説明図である。図14(a)は、メインカメラ3aによる画像Qを、図14(b)は、サブカメラ3bによる画像Qを、それぞれ概略的に示している。
図14に示すように、回転ロッド1の傾斜角(ここでは、θを用いる)から求められる単位長さ当たりの偏芯座標(ξ1 ,η1 )を算出する。ここで、ξ1 =tanθ1 ,η1 =tanθ2 である。また、添え字は、各ビデオカメラ3a,3bに与えたカメラ番号である。さらに、回転ロッド1の上側が右方に傾いている状態を右傾斜として、これを「正の値」とする。
図15は、図1に示した実施状況に示されている演算装置4で行われる座標変換処理の手順を説明する説明図である。図15(a)は、撮影座標系P1の様子を、図15(b)は、撮影座標系P1から抜き出した偏芯座標に、第1平面直交座標(X−Y)系P2を重ね合わせた様子を、図15(c)は、第1平面直交座標系P2から抜き出した偏芯座標に、第2平面直交座標(S−T)系P3を重ね合わせた様子を、それぞれ示している。
図15(a)で示すように、撮影座標系P1に、掘削孔Hの芯を原点として、上記偏芯座標Z(ξ1 ,η1 )(前後左右方向の傾きを表す座標)が定められる。撮影座標系P1は必ずしも平面直交座標系ではないので、一般の座標変換式は適用できない。
図15(b)に示すように、撮影座標系P1上で、当該撮影座標系P1の各座標軸と平行であってかつ偏芯座標Zで交差する2つの直線(1)、(2)を、第1平面直交座標系P2の座標軸に対してなす角α、βを用いて、当該第1平面直交座標系P2に移し替え、移し替えられた2つの直線(1)、(2)を表す式の交点、すなわち第1平面直交座標系P2上での偏芯座標Z(ξ1 →x1 ,η1 →y1 )を演算装置4で算出する。
次に、図15(c)に示すように、一般の座標変換式により、オペレータ位置を含む第2平面直交座標系P3へ第1平面直交座標系P2の偏芯座標Z(x1 →t1 ,y1 →s1 )を移し替える演算処理を行う。δは、第1平面直交座標系P2と、オペレータ位置を含む第2平面直交座標系P3とがなす角度である。

1 =x1 ・sinδ−y1 ・cosδ

1 =x1 ・cosδ+y1 ・sinδ

これより、オペレータ目線の傾斜角θt ,θs は、第2平面直交座標系の偏芯座標Zから、

左右傾斜:θt =arctan(t1
前後傾斜:θs =arctan(s1

として得られ、この傾斜が、図2に示すように、モニター5に表示される。
以上説明した本実施形態に係る掘削孔の精度管理方法は、回転ロッド1を地中Kに貫入して掘削孔Hを形成するに際し、回転ロッド1が地表面J位置から地中Kへ貫入された鉛直方向移動量Δi を測定する移動量測定作業と、地表面J位置における掘削孔Hを経過する鉛直線Fに対し回転ロッド1がなす傾斜角Gxi を測定する傾斜角測定作業とを行う測定工程と、測定工程で得られる鉛直方向移動量Δi 及び傾斜角Gxi を用いて、掘削孔Hが鉛直線Fに近づくように、回転ロッド1による貫入作業を修正する修正工程とを備え、傾斜角測定作業は、地表面J位置から露出している回転ロッド1の画像Qを取得する第1処理と、画像Qに輪郭検出フィルタを適用して、輝度変化画像Rを取得する第2処理と、輝度変化画像Rに対し、回転ロッド1のロッド部1aの実輪郭線に一致しかつ輝度変化画像R上で動かされる補助線Uを重ね合わせる第3処理と、補助線Uを動かして、輝度変化画像R中でのロッド部1aの外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出されたロッド部1aの外形輪郭が鉛直線Fに対してなす傾きを傾斜角Gxi として決定する第5処理とを含む、または、傾斜角測定作業は、地表面J位置から露出している回転ロッド1の画像Qを取得する第1処理と、画像Qに輪郭検出フィルタを適用して得られる輝度変化画像R中の輝度変化量を用い、当該輝度変化画像Rの鉛直方向の画素単位に連続する複数の水平断面の輝度変化画像Rの各画素位置を縦軸及び横軸のいずれか一方に目盛り、輝度変化量を縦軸または横軸のいずれか他方に目盛って、回転ロッド1のロッド部1aの外形輪郭を表す輝度変化量を内包する輝度変化量グラフVを作成する第2処理と、輝度変化量グラフVに対し、ロッド部1aの実輪郭線に一致しかつ輝度変化量グラフV上で動かされて各画素位置での輝度変化量を積算するための補助線Uを重ね合わせる第3処理と、補助線Uを動かし、補助線Uが重なり合う画素位置で積算される輝度変化量を用いて、輝度変化画像R中でのロッド部1aの外形輪郭を抽出する第4処理と、抽出されたロッド部1aの外形輪郭が鉛直線Fに対してなす傾きを傾斜角Gxi として決定する第5処理とを含むようにしたので、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、画像Qに現れる輝度を利用した演算装置4による画像処理によって、高速かつ高精度で傾斜角Gxi の測定を行うことができ、掘削孔Hを精度良く施工することができる。
移動量測定作業は、地表面J位置から露出している回転ロッド1の画像Qを、いずれかの高さ位置で一定の撮影範囲で取得して、照合用画像Xを設定する第1ステップと、貫入作業中、地表面J位置から露出している回転ロッド1を、照合用画像Xと同じ撮影範囲で取得して複数の判定用画像XX を取得する第2ステップと、複数の判定用画像XX を照合用画像Xと照合して、合致率が設定条件を満たすいずれかの判定用画像XX をマッチング成立画像X1 と判定する第3ステップと、貫入作業の進行で順次に得られる2つのマッチング成立画像X1 の画像高さ位置の差を鉛直方向移動量Δi として決定する第4ステップとを含むようにしたので、貫入作業を間断なく連続して施工している最中であっても、画像Qの照合を利用した処理と、画像Qの位置ずれを用いた演算装置4による鉛直方向移動量Δi の算定処理によって、高速かつ高精度で鉛直方向移動量Δi の測定を行うことができる。
傾斜角Gxi として、上記第4ステップで鉛直方向移動量Δi を決定する2つのマッチング成立画像X1 の取得時及びこれら取得時の間に得られる複数の判定用画像XX に傾斜角測定作業を適用して測定される複数個の傾斜角Gxi の中で標準偏差に入る傾斜角Gxi の平均値を用い、決定された鉛直方向移動量Δi と傾斜角Gxi を用いて偏芯量Dxi を算定するようにしていて、鉛直方向移動量Δi に合わせて的確に傾斜角Gxi を測定でき、掘削孔Hを精度良く施工することができる。
修正工程は、鉛直方向移動量Δi を積算して得られる掘削孔Hの深度を、貫入作業における各測定回で求めた各スパン長dli それぞれに対し、当該各スパン長dli に対応する位置で測定された各傾斜角Gxi を乗じたものを積算して、地表面J位置から地中Kに向かって貫入された回転ロッド1の最深部における偏芯量Dxn を求める第1算定処理と、各スパン長dli 毎の各位置のうち、隣接するものにおける偏芯量Dxn ,Dxn-1 の平均値を積算して、平均偏芯量SDxn を求める第2算定処理と、平均偏芯量SDxn を掘削孔Hの深度で除算して得られる平均傾斜角に対し、修正係数αを乗じて、次回の貫入作業の際に、回転ロッド1に設定する修正傾斜角Gxn+1 ’を決定する第3算定処理とを含むようにしたので、掘削孔形状を適切に推定した上で、回転ロッド1に適切な修正傾斜角Gxn+1 ’を設定して貫入作業を進めることができ、高速かつ高精度で掘削孔Hを施工することができる。
測定工程では、回転ロッド1を取り囲む周囲の異なる2つの位置に設置される2台のビデオカメラ3a,3bが用いられると共に、修正工程では、演算装置4で演算処理されて、オペレータ位置で、座標変換処理した座標系が表示されるモニター5が用いられ、座標変換処理は、演算装置4により、2台のビデオカメラ3a,3bの各設置位置それぞれから掘削孔Hの芯に向けて座標軸をとって、掘削孔Hの芯を原点とする撮影座標系P1を設定し、撮影座標系P1で芯から偏芯量Dxi を隔てた偏芯位置座標を求める撮影座標系処理と、掘削孔Hの芯を原点とする第1平面直交座標系P2を撮影座標系P1に重ね合わせて、芯から偏芯量Dxi を隔てた偏芯位置座標を第1平面直交座標系P2において求める第1平面直交座標系処理と、オペレータ位置を含み、掘削孔Hの芯に向かう座標軸をとって、芯を原点とする第2平面直交座標系P3を第1平面直交座標系P2に重ね合わせ、芯から偏芯量Dxi を隔てた偏芯位置座標を第2平面直交座標系P3において求める第2平面直交座標系処理と、第2平面直交座標系P3上で、原点を占める掘削孔Hの芯の座標に対する偏芯位置座標から、オペレータ位置を基準として回転ロッド1の前後方向及び左右方向の傾き角度を求める角度算出処理と、モニター5に、前後方向及び左右方向の傾き角度それぞれを表示する表示処理とが実行されるようにしたので、オペレータにわかりやすい修正傾斜角Gxn+1 ’の表示をモニター5に提示することができ、高速かつ高精度で掘削孔Hを施工することができる。
上記実施形態では、鉛直方向に掘削される掘削孔形状の推定について説明したが、掘削孔Hは、斜め方向に掘削されるものであっても良いことはもちろんである。
1 削孔用回転ロッド
1a ロッド部
3,3a,3b ビデオカメラ
4 演算装置
5 モニター
dli スパン長
Dxi 偏芯量
F 鉛直線
Gxi 傾斜角
Gxn+1 ’ 修正傾斜角
H 掘削孔
J 地表面
K 地中
n 鉛直方向移動量の測定回数
P1 撮影座標系
P2 第1平面直交座標系
P3 第2平面直交座標系
Q 削孔用回転ロッドの画像
R 輝度変化画像
SDxn 平均偏芯量
U 補助線
V 輝度変化量グラフ
X 照合用画像
1 マッチング成立画像
X 判定用画像
Z 偏芯座標
Δi 鉛直方向移動量
α 修正係数

Claims (6)

  1. 削孔用回転ロッドを地中に貫入して掘削孔を形成するに際し、
    上記削孔用回転ロッドが上記地表面位置から地中へ貫入された鉛直方向移動量を測定する移動量測定作業と、該地表面位置における上記掘削孔を経過する鉛直線に対し該削孔用回転ロッドがなす傾斜角を測定する傾斜角測定作業とを行う測定工程と、
    上記測定工程で得られる上記鉛直方向移動量及び上記傾斜角を用いて、上記掘削孔が上記鉛直線に近づくように、上記削孔用回転ロッドによる上記貫入作業を修正する修正工程とを備え、
    上記傾斜角測定作業は、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドの画像を取得する第1処理と、
    上記画像に輪郭検出フィルタを適用して、輝度変化画像を取得する第2処理と、
    上記輝度変化画像に対し、上記削孔用回転ロッドのロッド部の実輪郭線に一致しかつ該輝度変化画像上で動かされる補助線を重ね合わせる第3処理と、
    上記補助線を動かして、上記輝度変化画像中での上記ロッド部の外形輪郭を抽出する第4処理と、
    抽出された上記ロッド部の上記外形輪郭が上記鉛直線に対してなす傾きを上記傾斜角として決定する第5処理とを含むことを特徴とする掘削孔の精度管理方法。
  2. 削孔用回転ロッドを地中に貫入して掘削孔を形成するに際し、
    上記削孔用回転ロッドが上記地表面位置から地中へ貫入された鉛直方向移動量を測定する移動量測定作業と、該地表面位置における上記掘削孔を経過する鉛直線に対し該削孔用回転ロッドがなす傾斜角を測定する傾斜角測定作業とを行う測定工程と、
    上記測定工程で得られる上記鉛直方向移動量及び上記傾斜角を用いて、上記掘削孔が上記鉛直線に近づくように、上記削孔用回転ロッドによる上記貫入作業を修正する修正工程とを備え、
    上記傾斜角測定作業は、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドの画像を取得する第1処理と、
    上記画像に輪郭検出フィルタを適用して得られる輝度変化画像中の輝度変化量を用い、該輝度変化画像の各画素位置を縦軸及び横軸のいずれか一方に目盛り、該輝度変化量を縦軸または横軸のいずれか他方に目盛って、上記削孔用回転ロッドのロッド部の外形輪郭を表す該輝度変化量を内包する輝度変化量グラフを作成する第2処理と、
    上記輝度変化量グラフに対し、上記ロッド部の実輪郭線に一致しかつ該輝度変化量グラフ上で動かされて各画素位置での上記輝度変化量を積算するための補助線を重ね合わせる第3処理と、
    上記補助線を動かし、該補助線が重なり合う上記画素位置で積算される上記輝度変化量を用いて、上記輝度変化画像中での上記ロッド部の上記外形輪郭を抽出する第4処理と、
    抽出された上記ロッド部の上記外形輪郭が上記鉛直線に対してなす傾きを上記傾斜角として決定する第5処理とを含むことを特徴とする掘削孔の精度管理方法。
  3. 前記移動量測定作業は、前記地表面位置から露出している前記削孔用回転ロッドの画像を、いずれかの高さ位置で一定の撮影範囲で取得して、照合用画像を設定する第1ステップと、
    前記貫入作業中、上記地表面位置から露出している上記削孔用回転ロッドを、上記照合用画像と同じ撮影範囲で取得して複数の判定用画像を取得する第2ステップと、
    複数の上記判定用画像を上記照合用画像と照合して、合致率が設定条件を満たすいずれかの該判定用画像をマッチング成立画像と判定する第3ステップと、
    上記貫入作業の進行で順次に得られる2つのマッチング成立画像の画像高さ位置の差を鉛直方向移動量として決定する第4ステップとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の掘削孔の精度管理方法。
  4. 前記傾斜角として、前記第4ステップで前記鉛直方向移動量を決定する2つの前記マッチング成立画像の取得時及びこれら取得時の間に得られる複数の前記判定用画像に上記傾斜角測定作業を適用して測定される複数個の傾斜角の中で標準偏差に入る傾斜角の平均値を用い、決定された該鉛直方向移動量と該傾斜角を用いて偏芯量を算定することを特徴とする請求項3に記載の掘削孔の精度管理方法。
  5. 前記修正工程は、前記鉛直方向移動量を積算して得られる前記掘削孔の深度を、該鉛直方向移動量の各測定回それぞれで求めたスパン長それぞれに対し、当該各スパン長に対応する位置で測定された前記各傾斜角を乗じたものを積算して、前記地表面位置から地中に向かって貫入された前記削孔用回転ロッドの最深部における前記偏芯量を求める第1算定処理と、
    上記各スパン長毎の各位置のうち、隣接するものにおける上記偏芯量の平均値を積算して、平均偏芯量を求める第2算定処理と、
    該平均偏芯量を上記掘削孔の深度で除算して得られる平均傾斜角に対し、修正係数を乗じて、次回の上記貫入作業の際に、該削孔用回転ロッドに設定する修正傾斜角を決定する第3算定処理とを含むことを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の掘削孔の精度管理方法。
  6. 前記測定工程では、前記削孔用回転ロッドを取り囲む周囲の異なる2つの位置に設置される2台の撮影手段が用いられると共に、前記修正工程では、演算装置で演算処理されて、オペレータ位置で、座標変換処理した座標系が表示されるモニターが用いられ、
    上記座標変換処理は、上記演算装置により、
    2台の上記撮影手段の各設置位置それぞれから前記掘削孔の芯に向けて座標軸をとって、該掘削孔の該芯を原点とする撮影座標系を設定し、該撮影座標系で該芯から前記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を求める撮影座標系処理と、
    上記掘削孔の上記芯を原点とする第1平面直交座標系を上記撮影座標系に重ね合わせて、該芯から上記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を該第1平面直交座標系において求める第1平面直交座標系処理と、
    上記オペレータ位置を含み、上記掘削孔の上記芯に向かう座標軸をとって、該芯を原点とする第2平面直交座標系を上記第1平面直交座標系に重ね合わせ、該芯から上記偏芯量を隔てた偏芯位置座標を該第2平面直交座標系において求める第2平面直交座標系処理と、
    上記第2平面直交座標系上で、原点を占める上記掘削孔の上記芯の座標に対する上記偏芯位置座標から、上記オペレータ位置を基準として上記削孔用回転ロッドの前後方向及び左右方向の傾き角度を求める角度算出処理と、
    上記モニターに、上記前後方向及び左右方向の傾き角度それぞれを表示する表示処理とが実行されることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載の掘削孔の精度管理方法。
JP2016216461A 2016-11-04 2016-11-04 掘削孔の精度管理方法 Active JP6892748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216461A JP6892748B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 掘削孔の精度管理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216461A JP6892748B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 掘削孔の精度管理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018071314A true JP2018071314A (ja) 2018-05-10
JP6892748B2 JP6892748B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=62114653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016216461A Active JP6892748B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 掘削孔の精度管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6892748B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021056152A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 株式会社トプコン 土木工事データ処理装置、土木工事データ処理方法および土木工事データ処理用プログラム
CN113202456A (zh) * 2021-04-21 2021-08-03 中煤科工集团西安研究院有限公司 一种基于图像处理的煤矿井下开孔角度测量装置和方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5426003A (en) * 1977-07-29 1979-02-27 Takenaka Komuten Co Method of controlling excavation of groove and hole of continuous wall* foundation pile* etc* and controller of executing this method
JPH05266194A (ja) * 1992-03-19 1993-10-15 Fujitsu Ltd 輪郭線抽出装置
JPH08170333A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Hitachi Constr Mach Co Ltd 杭打機のリーダ角度検出装置
JPH10153407A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Omron Corp 計測処理装置
JP2014020060A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Kansai Koji Sokuryo Kk 杭打機のオペレータに情報を提供するシステムと方法
JP2014147223A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Kyocera Corp 機器管理システム、機器管理装置及び機器管理方法
JP2016113806A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 株式会社奥村組 掘削孔形状の推定方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5426003A (en) * 1977-07-29 1979-02-27 Takenaka Komuten Co Method of controlling excavation of groove and hole of continuous wall* foundation pile* etc* and controller of executing this method
JPH05266194A (ja) * 1992-03-19 1993-10-15 Fujitsu Ltd 輪郭線抽出装置
JPH08170333A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Hitachi Constr Mach Co Ltd 杭打機のリーダ角度検出装置
JPH10153407A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Omron Corp 計測処理装置
JP2014020060A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Kansai Koji Sokuryo Kk 杭打機のオペレータに情報を提供するシステムと方法
JP2014147223A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Kyocera Corp 機器管理システム、機器管理装置及び機器管理方法
JP2016113806A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 株式会社奥村組 掘削孔形状の推定方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021056152A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 株式会社トプコン 土木工事データ処理装置、土木工事データ処理方法および土木工事データ処理用プログラム
JP7300955B2 (ja) 2019-10-01 2023-06-30 株式会社トプコン 土木工事データ処理装置、土木工事データ処理方法および土木工事データ処理用プログラム
US11879976B2 (en) 2019-10-01 2024-01-23 Topcon Corporation Civil engineering work data processing device, civil engineering work data processing method, and civil engineering work data processing program
CN113202456A (zh) * 2021-04-21 2021-08-03 中煤科工集团西安研究院有限公司 一种基于图像处理的煤矿井下开孔角度测量装置和方法
CN113202456B (zh) * 2021-04-21 2023-10-31 中煤科工集团西安研究院有限公司 一种基于图像处理的煤矿井下开孔角度测量装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6892748B2 (ja) 2021-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10810734B2 (en) Computer aided rebar measurement and inspection system
Walton et al. Development of an elliptical fitting algorithm to improve change detection capabilities with applications for deformation monitoring in circular tunnels and shafts
JP5227139B2 (ja) 建設機械
EP1833003A2 (en) Face authentication apparatus and face authentication method
US20130238306A1 (en) Systems and Methods for Horizontal Well Correlation and Geosteering
US11989832B2 (en) Method for constructing a 3D representation of a conduit internal surface
KR101394276B1 (ko) 뎁스 영상 분석을 통한 사용자의 골프 스윙 자세 분석을 위한 영상 생성 방법과 이를 이용한 골프 스윙 자세 분석 방법 및 장치
WO2016077731A1 (en) Image feature alignment
JP7355974B2 (ja) 距離推定装置および方法
JP6892748B2 (ja) 掘削孔の精度管理方法
JP2016138826A (ja) 測量データ処理装置、測量データ処理方法およびプログラム
JP6614954B2 (ja) ひび割れ幅計測装置
US20210088546A1 (en) Estimating Inspection Tool Velocity and Depth
JP5048609B2 (ja) 対象物追跡装置及びプログラム
US11828157B2 (en) Image correction methods for downhole inspection tools
JP2017151026A (ja) 三次元情報取得装置、三次元情報取得方法、及びプログラム
JP2019082003A (ja) シールド掘進機の方向制御システム
JP6496540B2 (ja) 掘削孔形状の推定方法
EP3051255A1 (en) Survey data processing device, survey data processing method, and program therefor
US11509881B2 (en) Stereo camera and stereophotogrammetric method
JP4550081B2 (ja) 画像測定方法
JP6770826B2 (ja) 構造物の配置位置測定用の自動視準方法及び自動視準装置
JP2010170288A (ja) 3次元モデリング装置
KR101123863B1 (ko) 터널 막장의 불연속면 분포 조사 시스템 및 방법
JP2020007732A (ja) Slamの手法を応用した矢板の地中位置測定方法とその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20161118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200819

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210506

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6892748

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250