JP2018070851A - 非水系粘度調整剤 - Google Patents

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井上 秀明
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秀明 井上
幸一 井口
Koichi Iguchi
幸一 井口
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用(添加)で粘度調整ができる非水系粘度調整剤を提供することである。【解決手段】 (1)セルロースナノファイバー、及び(2)可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体を含むことを特徴とする、非水系粘度調整剤。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系粘度調整剤に関する。
セルロースナノファイバー(CNF)は、植物由来の天然原料であるセルロース繊維を解繊して得られるナノフィラーである。CNFは低比重、且つ高強度な樹脂用複合材料として注目されている。CNFを樹脂中に添加することで、樹脂の強度を向上させることが試みられている。CNFは、親水性であり、水との親和性が強いものの、疎水性の樹脂中で均一に分散させることには工夫が必要である。
従来の非水系増粘剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用では増粘効果が小さく、多量の使用では粘度の変化が大きいことがあった(特許文献1〜3)。このため、従来の非水系増粘剤は、取り扱いが容易ではなく、特に液状物(樹脂組成物等)の製造過程において、その粘度管理が困難であった。
特開2013-194162号公報 特開2013-116928号公報 再表2012-043558号公報
従来の非水系増粘剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、比較的多量の添加を必要としていた。液状物(樹脂組成物等)に対して、その粘度調整のために、非水系増粘剤を多量に添加すると、組成物の配合比(組成内容)が変わり、最終製品の硬化物の強度、接着性等の物性に影響を及ぼすことがあった。
従来の非水系増粘剤は、温度による粘度変化が大きいため、製造時の温度変化の影響を受け易かった。製造工程が低温条件では強い負荷を要する攪拌が必要となり、製造工程が高温条件では攪拌による負荷が低く、均一分散に多くの時間を必要とした。また顧客先で使用する際の温度変化による粘度等の物性変化も影響を受けやすかった。例えば液状物(樹脂組成物等)を接着剤として使用する場合、その接着剤の施工時、接着剤の被着体の温度が低いと粘度が上昇して、作業性が悪く、温度が高いと粘度が低くなって垂れ易くなることがあった。
従来の増粘剤は、攪拌時間による粘度変化が大きく、製造時に攪拌条件が変わると粘度が大きく変動するものが多かった。例えば液状物(樹脂組成物等)を製造する温度条件が10℃から30℃の範囲で変わると、その範囲の上限下限での液状物(樹脂組成物等)の粘度差は大きくなる。また製品を使用する際には、その粘度変化の影響を受ける場合がある。これらの現象は、材温自体の差で起こり得る。
本発明の目的は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用(添加)で粘度調整ができる非水系粘度調整剤を提供することである。
本発明者等は、上記現状を考慮し鋭意検討を行なった。
その結果、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量のCNFを含有させる場合、少量の使用(添加)で粘度調整ができる特定の非水系粘度調整剤を見出した。
本発明は、以下の非水系粘度調整剤を提供するものである。
項1.
(1)セルロースナノファイバー、及び
(2)可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体を含むことを特徴とする、非水系粘度調整剤。
項2.
前記可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ化植物油、プロセスオイル及び鉱物油からなる群から選ばれる可塑剤であることを特徴とする、前記項1に記載の非水系粘度調整剤。
項3.
前記フタル酸エステル系可塑剤が、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする、前記項2に記載の非水系粘度調整剤。
項4.
前記樹脂が、変成シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリオール樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする、前記項1〜3のいずれかに記載の非水系粘度調整剤。
項5.
前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする、前記項4に記載の非水系粘度調整剤。
項6.
前記セルロースナノファイバーの含有量が、全量に対して0.01〜60質量%であることを特徴とする、前記項1〜5のいずれかに記載の非水系粘度調整剤。
項7.
前記項1〜6のいずれかに記載の非水系粘度調整剤の製造方法であって、パルプを、可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体中で解繊することを特徴とする、非水系粘度調整剤の製造方法。
セルロースナノファイバー(CNF)は、フタル酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、アジピン酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、リン酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、エポキシ化植物油を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、プロセスオイルや鉱物油を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、変成シリコーン樹脂を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、エポキシ樹脂を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、ポリオールを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、アミン化合物を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、変成シリコーン樹脂を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、ブチルグリシジルエーテルを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、1.6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、トリメチロールプロパンポリジグリシジルエーテルを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
CNFは、スチレン化フェノールを媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
本発明の非水系粘度調整剤は、種々の液状物(樹脂組成物等)に対して、従来の粘度調整剤と比べて、増粘硬化が大きい、つまり十分に粘度を上げることができる。
本発明の非水系粘度調整剤は、従来の非水系粘度調整剤と比較して著しく粘度変化、温度変化に対して有効性が認められる。特に撹拌条件に対して粘度の挙動が変化する増粘剤が多い中、撹拌条件の変化があっても粘度変化が小さく使い易い非水系粘度調整剤である。
本発明の非水系粘度調整剤は、セルロースナノファイバー(CNF)を含む液状物(樹脂組成物等)に対してその効果を発揮する。本発明の非水系粘度調整剤は、一般の液状添加剤(樹脂、可塑剤等)に添加しておき、その後、その液状添加剤を含む組成物を使用することでも、その効果が十分に発揮される。CNFを含む液状、ペースト状、パテ状等の混合物(樹脂組成物等)に対しても、本発明の非水系粘度調整剤を後添加することで、優れた粘度調整機能を発揮する。
本発明の非水系粘度調整剤は、増粘効果が大きく、温度変化による粘度等の性能変化が少なく、攪拌時間の増減による粘度変化が少ない。
DINPにCNFを1〜4質量%添加した時の粘度と濃度を示す図である。 DINPにアエロジルRY200Sを3〜12質量%添加した時の粘度と濃度を示す図である。 DINP-CNFの各温度の粘度変化を示す図である。 DINP-アエロジルRY200Sの各温度の粘度変化を示す図である。 DINP-CNF(23℃)の撹拌時間と粘度変化を示す図である。 DINP-アエロジルRY200S(23℃)の撹拌時間と粘度変化を示す図である。 DINP-CNF(10℃)の撹拌時間と粘度変化を示す図である。 DINP-アエロジルRY200S(10℃)の撹拌時間と粘度変化を示す図である。
以下に、発明を実施するための形態を詳細に記載する。
本発明の非水系粘度調整剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用で増粘効果が大きい(粘度調整機能が大きい)。本発明の非水系粘度調整剤は、取り扱いが容易であり、特に液状物(樹脂組成物等)の製造過程において、その粘度管理が容易となる。
本発明の非水系粘度調整剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、比較的少量の添加で済む。液状物(樹脂組成物等)に対して、その粘度調整のために、本発明の非水系粘度調整剤を少量に添加することで、組成物の配合比(組成内容)の変化が小さく、最終製品の硬化物の強度、接着性等の物性に影響を及ぼすことが少ない。
液状物(樹脂組成物等)に対して、本発明の非水系粘度調整剤を少量で効果を発揮するので、液状物(樹脂組成物等)の温度による粘度変化が小さく、製造時の温度変化の影響を受け難い。
従来品の場合には温度変化が大きいために適切な負荷がかかりにくいのに対して、製造工程において低温条件や高温条件でも、適切な負荷を掛けて攪拌することが可能である。
また、製品使用時の温度変化による物性変化も影響し難い。例えば液状物(樹脂組成物等)を接着剤として使用する場合、その接着剤の施工時、接着剤の被着体の温度に影響され難く、低温時の作業性確保と、高温時の液状物(樹脂組成物等)の垂れの恐れも少ない。
本発明の非水系粘度調整剤は、攪拌時間による粘度変化が小さく、製造時に攪拌条件の変化が生じても、液状物(樹脂組成物等)の粘度が大きく変動し難くなる。例えば液状物(樹脂組成物等)を製造する温度条件が10℃から30℃の範囲で変わっても、本発明の非水系粘度調整剤は、その範囲の上限下限での液状物(樹脂組成物等)の粘度差は小さくて済む。また製品を使用する際には、その粘度変化の影響を受け難くい。
本発明の目的は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用(添加)で粘度調整ができ、攪拌、温度等外的要因に対して比較的安定した粘度を確保できる非水系粘度調整剤を提供することである。
[1]非水系粘度調整剤
本発明の非水系粘度調整剤は、
(1)セルロースナノファイバー(CNF)、及び
(2)可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体を含むことを特徴とする。
(1)セルロースナノファイバー(CNF)
CNF(修飾CNFを含む)は、パルプ(セルロース繊維)(修飾パルプ、修飾セルロース繊維を含む)を微細化(解繊)することで得られる。CNFは、樹脂に含有させることで、樹脂の破壊靭性等を強化できる。
パルプ(セルロース繊維)は、パルプ、綿、紙、再生セルロース繊維、動物由来セルロース等を利用することができる。
パルプとして、木材パルプ、非木材パルプ双方を好適に使用できる。木材パルプとして、機械パルプと化学パルプとあり、リグニン含有量の少ない化学パルプの方が好ましい。化学パルプにはサルファイドパルプ、クラフトパルプ、アルカリパルプ等があり、いずれも好適に使用できる。非木材パルプとしては、藁、バガス、ケナフ、竹、葦、楮、亜麻等があり、いずれも利用可能である。
セルロース繊維中に広葉樹由来のリグニンが多く残留する場合、セルロース繊維を公知の漂白処理を施すことリグニンを除去することが好ましい。
綿は、主に衣料用繊維に用いられる植物であり、綿花、綿繊維、綿布等があり、いずれも利用可能である。
紙は、パルプから繊維を取り出し漉いたもので、新聞紙や廃牛乳パック、コピー済み用紙等の古紙も好適に利用できる。
再生セルロース繊維は、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテート等である。
動物由来セルロースは、バクテリア産生セルロース、ホヤ等である。
修飾セルロース繊維は、セルロース繊維の表面が化学修飾処理されたセルロース繊維である。修飾セルロース繊維は、セルロース繊維の水酸基がエステル化及びエーテル化からなる群から選ばれる少なくとも一種の方法により修飾された修飾セルロース繊維であることが好ましい。
修飾セルロース繊維は、セルロース繊維の水酸基をエステル化処理、エーテル化処理等により修飾する方法として、セルロース繊維をアニオン変性する方法、セルロース繊維を四級アンモニウム基を含有する化合物でカチオン変性する方法、セルロース系原料を2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシラジカル(TEMPO)と次亜塩素酸ナトリウムとの共存下で酸化処理(TEMPO酸化)する(酸化変性する)方法等がある。これにより、アニオン変性されたセルロース繊維、カチオン変性されたセルロース、TEMPO酸化セルロース繊維等を調製することができる。
CNF混合物は、パルプを、可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体中で解繊することで調整することが可能である。
CNF混合物は、種々の樹脂に均一に混合することができる。前記解繊の条件は樹脂の性質の違いを考慮する必要が無く、樹脂毎に解繊条件を検討する必要も無い。CNFと媒体との混合物は、種々の樹脂と混合する成分として非常に汎用的なマスターバッチとなる。CNFと媒体との混合物は、量産化の見込みが大きく、大幅なコストダウンが図れる。
例えばグラインドミル等を用いて、パルプ(セルロース繊維)を機械的に解繊することで、高速で連続的に、しかも効率良く解繊(加工)することできる。ここで、一般に、グラインドミル等による処理は発熱を伴う。そのためこの処理では、反応性の高いポリマー等を媒体とすると変質又は分解等を引き起こす危険性が有る。
媒体は、目的とする組成物に対して許容される薬品類の中から選ぶことができる。媒体は可塑剤、改質剤、希釈剤等の汎用的なものが好ましいが、樹脂及びその他の液状添加物の使用も妨げない。これら媒体はパルプに対して、剪断力をかける際の加工条件下で安定的なものを選ぶことができる。
本発明の非水系粘度調整剤では、CNFの含有量は、全量に対して0.01〜60質量%であることが好ましい。
(2)可塑剤、樹脂、その他の液状添加物等の媒体
媒体は、目的とする組成物の群に対して許容される薬品類の中から選ぶことができる。媒体は、可塑剤、改質剤、希釈剤等が好ましい。これら不活性な媒体を用いることから、高温条件下で剪断力をかけられるセルロース繊維の解繊を、安定的に進めることができる。樹脂等でも加工条件下で安定なものを選ぶことができる。
媒体は、樹脂成分の間に入り、潤滑の作用をして分子間の流動性を増加させる。油や蝋は、分子間内部摩擦を減少させ、可塑性を与え、素練り、配合、押出し等、種々の成型加工時の発熱を減少させる。更に添加剤の分散を助長し、加工性の向上と同時に、例えば樹脂(加硫ゴム等)の弾性、屈曲性等を改善させ、引張り強さや耐摩耗性を向上させる。
セルロース繊維に、可塑剤等の媒体を添加して解繊すると、得られるCNF混合物は、低温特性、加工性等が改善する。
(2-1)可塑剤
本発明の非水系粘度調整剤では、可塑剤は、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ化植物油、プロセスオイル等の鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも一種の可塑剤であることが好ましい。
本発明の非水系粘度調整剤では、フタル酸エステル系可塑剤は、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジオクチル等のフタル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の可塑剤であることが好ましい。
セルロース繊維を解繊する際に用いる可塑剤は、樹脂の間隙に入り込むことで樹脂が規則正しく配向するのを阻害しガラス転移点以下でもアモルファス状態を維持する作用を持つ。可塑剤は嵩高い側鎖を持つ成分が有用である。また、可塑剤は、目的の樹脂と馴染み、種々の樹脂に対して相分離しない広い相溶性を示すことが好ましい。
無水フタル酸とアルコールとのエステルであるフタル酸エステルは、性能バランスが良い汎用の可塑剤である。フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等を用いることが好ましい。
アジピン酸とアルコールとのエステルであるアジピン酸エステルは、低温柔軟性と耐熱性を持たせる可塑剤である。アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等を用いることが好ましい。
トリメリット酸とアルコールとのエステルであるトリメリット酸エステルは、耐熱・耐候性に優れた低揮発性の可塑剤である。トリメリット酸トリオクチルを用いることが好ましい。
カルボン酸とグリコールから成る低分子ポリエステルであるポリエステルは、低揮発性・耐油性の可塑剤である。
リン酸エステルは、難燃性を持たせる可塑剤である。リン酸トリクレジルを用いることが好ましい。
クエン酸エステルは、低毒性が特徴の可塑剤である。アセチルクエン酸トリブチルを用いることが好ましい。
エポキシ化植物油は、耐熱性を持たせ、樹脂の熱安定剤としても優れている可塑剤である。エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等を用いることが好ましい。
セバシン酸エステルは、アジピン酸エステルより低温柔軟性、耐熱性が優れている。
(2-2)樹脂
本発明の非水系粘度調整剤では、樹脂は、変成シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリオール樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂で安定であることが好ましい。増粘しようとする組成物に使用される樹脂を用いることができる。
本発明の非水系粘度調整剤では、エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂あるいはビスフェノールF型エポキシ樹脂であることが好ましい。
変成シリコーン樹脂(変成シリコーンポリマー)
パルプ(セルロース繊維)を解繊してCNFを調製する際に、変成シリコーン樹脂を用いることも可能である。
超高分子量ポリエーテルポリオールをベースとして、末端に加水分解性シリル基を有する湿気硬化性変成シリコーンポリマー(ポリエーテルポリマー)を用いることが好ましい。触媒の存在下、湿気により硬化し柔軟な弾性体となる。例えば、主鎖にポリオキシプロピレンをもち、末端にメトキシシリル基構造をもつオリゴマー、主鎖にポリオキシプロピレンをもち、末端にメトキシシリル基構造をもつオリゴマー、主鎖にアクリル酸アルキルエステル単量体及び/又はメタアクリル酸アルキルエステル単量体からなる重合体で末端がアルコキシシリル基であるオリゴマーとして、アクリル系の主鎖をもち末端がメトキシシリル基であるオリゴマー等を用いることが好ましい。
変成シリコーンポリマーは、ポリオキシアルキレン又は/及びアクリル骨格を有し、加水分解性シリル基を1分子中に1個以上有する重合体である。
アクリル骨格としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の単量体単位であり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル等が挙げられる。
また、アクリル骨格の主鎖である(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体は、これらの単量体単位の他に、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を含有する単量体単位;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有する単量体単位;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含有する単量体単位;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート等の単量体単位;アクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位;等が挙げられる。
アクリル骨格を有する変成シリコーンポリマーにおいて、加水分解シリル基は分子内の末端に存在してもよく、側鎖に存在してもよく両方に存在してもよい。特に加水分解シリル基が両末端に存在するテレケリックポリアクリレートが好ましい。
変成シリコーンポリマーにおいて、加水分解性シリル基の数は、組成物の硬化速度と硬化物の機械物性(特に伸び)とのバランスに優れ、また、貯蔵安定性がより優れるという理由から、1分子あたり、1〜4個であるのが好ましい。
変成シリコーンポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂
エポキシ樹脂にCNFと媒体との混合物(マスターバッチ)を添加することで、成分が均一に分散された非水系粘度調整剤を製造することができる。この非水系粘度調整剤の硬化物は、CNFにより補強されており、接着力や圧縮力が向上している。
エポキシ樹脂として、エポキシ基を分子中に2個以上含有するものが好ましい。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が好ましい。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂は、液状のエポキシ樹脂がこのましい。固形のエポキシ樹脂である場合、別の液状樹脂と加熱混合して液状としても良い。液状樹脂として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂等が好ましい。
CNFと不活性な媒体との混合物(マスターバッチ)は、エポキシ樹脂接着剤等、液状の樹脂組成物の機能性を向上させることができる。現場施工で使用される常温硬化樹脂を提供することができる。このエポキシ樹脂には、必要に応じて、その他の薬品を添加することができる。
常温硬化タイプのエポキシ樹脂の樹脂組成物(接着剤等)は、一般に液状であり、建築、土木等の多くの現場で使用される。これらの現場での施工に用いられるエポキシ樹脂組成物の特性を上げることができる。
CNFと媒体との混合物(マスターバッチ)と、エポキシ樹脂との混合後に行われる硬化方法、つまりエポキシ樹脂接着剤の硬化方法は、更に硬化剤を加える方法が好ましい。架橋反応である。
架橋反応、加熱による硬化、UV照射による硬化等により、硬化を促進できる。加熱による硬化は、作業性が容易であるという点から、好ましい。加熱により硬化する場合の加熱温度は、所望の硬化物が得られる範囲において特に限定されるものではない。加熱温度は、50〜150℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましく、100〜150℃程度が更に好ましい。
エポキシ樹脂には常温で液状の物から固形状のものまで、分子量或いは化学構造の違いにより種々のタイプがある。一般にエポキシ樹脂といった場合にはビスフェノールAのジグリシジルエーテル型で、これは常温で高粘度を有し、作業性に劣る。従って適当な作業性を有する粘度まで希釈する必要がある。
エポキシ系反応性希釈剤等
パルプ(セルロース繊維)を解繊してCNFを調製する際に、エポキシ樹脂に添加する希釈剤を用いることも可能である。
エポキシ樹脂に添加する希釈剤には、アルコール・ケトン等の有機溶剤、キシレン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、液状の高沸点芳香族系炭化水素化合物、スチレン化フェノールの様なフェノール類等の低粘度化を目的とした非反応性希釈剤と樹脂成分の一つとして硬化に寄与するエポキサイド化合物で希釈する反応性希釈剤がある。
希釈剤は非反応性のものと反応性のものとに分けることができる。
非反応性の希釈剤としては溶剤や可塑剤等が一般的に用いられている。溶剤としてはトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が用いられるが、一般に揮発性を利用する塗料等の分野に限定され、最近では、有機溶剤による毒性や大気汚染の問題が上がってきている。非反応性希釈剤として、キシレン樹脂、C9石油樹脂、クマロン-インデン樹脂等のクマロン樹脂、アルコール類、ケトン類等の有機溶剤、スチレン化フェノール等のフェノール類、高沸点芳香族系炭化水素化合物等を用いることが好ましい。
反応性希釈剤として、ブチルグリシジルエーテル・ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル・1.6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル・トリメチロールプロパンポリジグリシジルエーテル等を用いることが好ましい。
CNFの調製において、パルプの解繊に、不活性であり、反応性の少ない媒体を用いることから、その様な危険を回避したり軽減したりすることができる。CNFの調製では、高温条件下であっても、安定して修飾セルロース繊維を解繊することができる。
CNFと媒体との混合物は、マスターバッチとして、種々の樹脂に混合することが可能である。これにより、CNFが持つ特性を樹脂に十分に付与でき、その結果樹脂が持つ特性を高めることが可能である。
そのマスターバッチは液状の樹脂組成物であることが好ましい。この液状の樹脂組成物は、樹脂に加えて、数種類の成分を混合してなる組成物である。CNFと不活性な媒体との混合物(マスターバッチ)に、必要に応じて好ましい成分を添加することで、樹脂組成物を作製することができる。
例えばエポキシ樹脂接着剤等、液状の樹脂組成物の機能性を向上させることができる。樹脂組成物の製造現場や、施工で使用される常温硬化樹脂を提供することができる。エポキシ樹脂にCNFと媒体との混合物(マスターバッチ)を添加することで、成分が均一に分散されたエポキシ樹脂接着剤を製造することができる。このエポキシ樹脂接着剤の硬化物は、修飾CNFにより補強されており、接着力や圧縮力が向上している。
このエポキシ樹脂接着剤には、必要に応じて、その他の薬品を添加することができる。
常温硬化タイプのエポキシ樹脂接着剤(樹脂組成物)は、一般に液状であり、建築、土木等の多くの現場で使用される。これらの現場での施工に用いられるエポキシ樹脂接着剤の特性を上げることができる。
ウレタン硬化剤
パルプ(セルロース繊維)を解繊してCNFを調製する際に、ウレタン用硬化剤を用いることも可能である。
ウレタン硬化剤には、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリエーテル、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリアクリポリオール、ダイマージオール、水添アルコールダイマージオールポリウレタン等のポリオールと、メチレンビス(2-クロロアニリン)等のアミン系硬化剤がある。またウレタン硬化剤として低分子量のジオール(エチレングリコールやプロパンジオール等)もある。
(2-3)その他の液状添加物
本発明の非水系粘度調整剤では、その他の液状添加物は、油(オイル)及び蝋(ろう、ワックス)からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
媒体は、プロセスオイル、鉱物油、クレオソート油、シリコーンオイル及び動植物油からなる群から選ばれる少なくとも一種の油(オイル)が好ましい。
媒体は、パラフィンワックス、流動パラフィン、鉱物ワックス、石油ワックス及び動植物油からなる群から選ばれる少なくとも一種の蝋(ろう、ワックス)が好ましい。
パルプ(セルロース繊維)を解繊してCNFを調製する際に、疎水性の不活性な液状又は半固形のワックス状の媒体が好ましい。媒体は、高温条件下で剪断力をかけられるセルロース繊維の解繊を、安定的に進めることができる。
ゴム用潤滑油(ゴム配合油)を用いることも可能である。ゴム用潤滑油には、ゴム材料を軟化させ、加工し易くする目的で鉱油が配合されている。ゴム用潤滑油を用いることで、可塑性、増量、加工性を向上させることができる。
ゴム用潤滑油には,エキステンダ油(伸展油)とプロセス油(加工油)とがある。エキステンダ油は、パラフィン系鉱油0〜7%CA、ナフテン系鉱油10〜15%CA、芳香族系鉱油35〜 50%CA等を含む。プロセス油は、パラフィン系鉱油0〜7%CA、ナフテン系鉱油10〜15%CA、 芳香族系鉱油35〜50%CA等を含む。
エキステンダ油は、伸展(油添)ゴム製造の際にラテックスに乳化油として混入させ共凝固させ,体積増量と可塑化とを目的として配合する鉱油であり、その添加量を13重量%以上とすることが好ましい。プロセス油は、ゴムの製品化工程において練りにくいゴム原料に鉱油を配合して、素練り、添加剤配合、押出し、バンバリーミキサー作業等を容易にすることを目的として配合する鉱油であり、その添加量を13重量%以下とすることが好ましい。
油や蝋は、樹脂成分の間に入り、潤滑の作用をして分子間の流動性を増加させる。油や蝋は、分子間内部摩擦を減少させ、可塑性を与え、素練り、配合、押出し等、種々の成型加工時の発熱を減少させる。更に添加剤の分散を助長し、加工性の向上と同時に、例えば樹脂(加硫ゴム等)の弾性、屈曲性等を改善させ、引張り強さや耐摩耗性を向上させる。また油成分が多くなると樹脂(ゴムポリマー等)の流動特性が変化する場合がある。樹脂(ゴム等)材料の種類と油との相溶性が悪いと、樹脂中に分散した油成分が粒子状の分散となる場合がある。樹脂(ゴム成分)表面ににじみでる(ブルーミング)ことがあり、ゴム用潤滑油(ゴム配合油)の選択と配合量の決定に配慮が必要である。
油や蝋を使用すると、以下の利点が有る。
(1)樹脂(ゴム)材料との相溶性が良好でブルーミングがないこと。
(2)油配合後の樹脂(ゴム)は、可塑性が適度で加工性が良いことや、練り生地が適度の粘着性を持ち、樹脂(ゴム)の成型操作を容易にする軟化性があること。
(3)樹脂(ゴム)材料や充てん剤とよく馴染み、充てん剤の分散を助けて均質な油添ゴムとすること。
(4)加硫後の物性に悪影響がないこと。
(5)酸素、オゾン、光、熱に対して安定であること。
(6)品質が安定していて、安価であること。
セルロース繊維に、油や蝋を添加して解繊すると、得られるCNFは、低温特性、加工性が改善する。
ペトロラタム等のワセリンを用いることが好ましい。ペトロラタムは、石油の潤滑油留分を溶剤脱蝋して得られる軟質の非〜微結晶性のワックスに、潤滑油の重質留分を練り合 わせて作った半固体状混合物である。
ワセリンは石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したものである。大部分は、分岐鎖を有するパラフィン(イソパラフィン)及び脂環式炭化水素(シクロパラフィン、ナフテン)を含む。
ワックスは、一般に石油系ワックス、天然ワックス、及び合成ワックスに分類される。石油ワックスは、原油中に存在する常温において固体又は半固体の炭化水素であり、減圧蒸留留出油から分離精製したパラフィンワックスと、減圧蒸留の残査油または重質留出油から分離精製したマイクロワックスがある。
パラフィンワックスの主成分は、炭素数18〜30程度の直鎖状パラフィン系炭化水素である。固化する時の温度条件により板状、針状並びに無定形の結晶を形成する。通常市販品は融点で区別され、JIS K 2235では120パラフィン(48.9℃以上51.7℃未満)から155パラフィン(68.3℃以上71.0未満)まで8種類が規定されている。
また、マイクロワックスは、炭素数36〜70の高融点ワックスで、成分は長い側鎖をもった環状炭化水素を多く含んでいる。前記パラフィンワックスよりも融点、軟化点及び溶融 粘度が高く、しなやかで柔軟性に富む。
[2]非水系粘度調整剤の製造方法
本発明の非水系粘度調整剤の製造方法は、パルプを、可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体中で解繊することを特徴とする。
(1)解繊方法
媒体中で、パルプ(セルロース繊維)を解繊(微細化)することで、CNF混合物を作製する。
パルプと媒体とを含む混合物に、機械的に箭断力を与えることで、パルプを解繊する。解繊は、グラインドミル(グラインダー)、リファイナー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、一軸又は多軸混練機、ビーズミル、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等による機械的な摩砕により解繊する方法、又は叩解することにより解繊する方法等が好ましい。必要に応じて、それら解繊方法を組み合わせて処理してもよい。混練機等を用いることで、混合物に剪断力を与えることができる。解繊は、グラインドミル(グラインダー)を用いることがより好ましい。
予備解繊は、2軸ミキサーを用いることが好ましい。
パルプと媒体との混合比率は任意に変更できる。
解繊は、パルプと媒体との合計重量に対して、パルプの含有量は、全量に対して0.01〜60質量%程度含まれる条件で行われることが好ましい。パルプと媒体との混合物中のパルプが0.1〜50質量%程度含まれることがより好ましく、0.1〜30質量%程度含まれることが更に好ましい。パルプを十分に解繊できる。パルプと媒体との合計重量に対して、パルプは5重量%程度以上含まれる条件で行われることが好ましい。解繊後に、CNFと媒体との混合物(マスターバッチ)と、樹脂とを混合した時に、樹脂の強度を向上できる。
グラインドミル等を用いて、パルプを機械的に解繊することで、高速で連続的に、しかも効率良く解繊(加工)することできる。一般に、グラインドミル等による処理は発熱を伴う。そのため、グラインドミルによる処理では、反応性の高いポリマー等を媒体が変質又は分解等を引き起こす危険性が有る。本発明では、パルプの解繊処理条件下において、安定な樹脂を用いることから、その様な危険を回避又は軽減できる。また、高濃度又は高粘度の調製試料であっても、或いは高温条件下であっても、安定してパルプを解繊できる。
CNF(修飾CNFを含む)
CNF混合物は、媒体中でパルプを微細化(解繊)することにより製造することができる。
CNF混合物は、修飾パルプを用いて調製しても良いし、媒体中でパルプを微細化(解繊)した後、得られたCNFを修飾(変性)しても良い。
微細化方法(解繊処理)により、例えば、長軸方向に100nm〜1mm程度、短軸方向に3nm〜5μm程度に微細化されたCNFを調製することが可能である。
CNFと媒体との混合物(マスターバッチ)を製造することができる。このCNFと媒体との混合物は、媒体中にCNFを分散させたものである。
本発明の非水系粘度調整剤は、CNFと、可塑剤、エポキシ樹脂用希釈剤、変成シリコーン樹脂、キシレン樹脂用希釈剤等の媒体を含む。本発明の非水系粘度調整剤は、前記と同じ理由で、CNFの含有量は、全量に対して0.01〜60質量%含まれることが好ましく、0.1〜50質量%程度含まれることがより好ましく、0.1〜30質量%程度含まれることが更に好ましい。
本発明の非水系粘度調整剤は、マスターバッチとして、種々の樹脂に均一に混合することができる。また、前記解繊の条件は樹脂の性質の違いを考慮する必要が無く、樹脂毎に解繊条件を検討する必要も無い。CNFと媒体との混合物は、粘度調整剤として機能し、種々の樹脂と混合する成分として非常に汎用的なマスターバッチである。CNFと前記媒体との混合物は、量産化の見込みが大きく、大幅なコストダウンが図れる。
媒体
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFはフタル酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、アジピン酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、リン酸エステル系可塑剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、エポキシ化植物油を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、プロセスオイル等の鉱物油を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、エポキシ系反応性希釈剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、エポキシ樹脂を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、ポリオール等のウレタン硬化剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、アミン等のウレタン硬化剤を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
非水系粘度調整剤では、パルプが媒体中で解繊されてCNFが調製される際、CNFは、変成シリコーン樹脂を媒体として用い、解繊したCNFであることが好ましい。
[3]樹脂組成物
本発明の非水系粘度調整剤を用いて、樹脂を添加し、樹脂組成物の製造することが可能である。
樹脂組成物の樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。
樹脂組成物において、本発明の非水系粘度調整剤の含有割合は1〜50重量%であることが好ましく、樹脂の含有割合を50〜99重量%とすることが好ましい。
本発明の非水系粘度調整剤は、マスターバッチとして、種々の樹脂に混合することが可能である。これにより、CNFが持つ特性を樹脂に十分に付与でき、また樹脂が持つ特性を高めることもできる。
樹脂組成物は、液状の樹脂組成物が好ましい。この液状の樹脂組成物は、樹脂に加えて、数種類の成分を混合してなる組成物である。好ましい成分、及びCNFと不活性な媒体との混合物(マスターバッチ)を含む組成物を作製することができる。
樹脂として、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましい。
(1)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリエチルメタクリレート(PEMA)等のアクリル樹系脂;ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン樹脂、アクリロニトリル-エチレンゴム-スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル-スチレン樹脂、スチレン-ブタジエン-スチレン樹脂等のスチレン樹脂;アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロン等のポリアミド樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、エチレン-アクリル酸樹脂、エチレン-エチルアクリレート樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂は、1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
(2)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂等が好ましい。フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等がより好ましい。
FRP製品に用いられる熱硬化性樹脂には、使用場所及び成形方法により様々な樹脂がある。化粧板用樹脂、連続成形用樹脂、レジンインジェクション用樹脂、加圧成形用樹脂、注型用樹脂、積層用樹脂、難燃用樹脂、トップコート用樹脂、特殊用樹脂、ゲルコートベース用樹脂、ゲルコート用樹脂等がある。
熱硬化性樹脂は、1種単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
不飽和ポリエステル
不飽和ポリエステル樹脂は、FRP(繊維強化プラスチック)に代表されるプラスチック製品の原料として、身の回りの用途で幅広く使用されている。
ポリエステル樹脂は、構成分子の中にエステル結合を含んだ高分子化合物である。不飽和ポリエステル樹脂は、主要原料の酸(飽和ニ塩基酸/不飽和ニ塩基酸)とグリコールとの重縮合により生成した不飽和ポリエステルに、主としてスチレン等の反応性モノマーを希釈溶解して、製造される。不飽和ポリエステルは、一般的に、多価アルコールを不飽和多塩基酸及び/又は飽和多塩基酸と重縮合(エステル化)させて得られた化合物である。
ビニルエステル樹脂
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加反応により生成したビニルエステルに、主としてスチレン等の反応性モノマーを希釈溶解して、製造する。
熱硬化性エポキシアクリレート樹脂
熱硬化性エポキシアクリレート樹脂としては、2官能タイプでビスフェノールA型構造を有するもの、2官能タイプで変性ビスフェノールA型又はF型構造を有するもの、2官能タイプで臭素化ビスフェノールA型構造を有するもの、2官能タイプで特殊ポリフェニレンエーテル型構造を有するもの、多官能タイプで変性ビスフェノールA型構造を有するもの、多官能タイプでビスフェノールF型構造を有するもの、多官能タイプでフェノールノボラック型構造を有するもの、多官能タイプで窒素含有特殊型構造を有するもの等が挙げられる。
また、ビスフェノールA型構造を有するもの、ノボラック型構造を有するもの、臭素化ビスフェノールA型構造を有するもの等がある。
熱硬化性ウレタンアクリレート樹脂
熱硬化性ウレタンアクリレート樹脂としては、2官能で芳香族タイプ、2官能で脂肪族及び脂環タイプ等がある。
熱硬化性ハーフエステル樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂
ゲルコート用樹脂、トップコート用樹脂、注形用樹脂等がある。
FRP製品に用いられる熱硬化性樹脂には、使用場所及び成形方法により様々な樹脂がある。化粧板用樹脂、連続成形用樹脂、レジンインジェクション用樹脂、加圧成形用樹脂、注型用樹脂、積層用樹脂、難燃用樹脂、トップコート用樹脂、特殊用樹脂、ゲルコートベース用樹脂、ゲルコート用樹脂等がある。
本発明の樹脂組成物は、本発明の非水系粘度調整剤の含有割合が0.1〜50質量%であり、前記樹脂の含有割合が50〜99.9質量%であることが好ましい。
樹脂組成物中の樹脂(エポキシ樹脂等)の含有量は、50〜99.9質量%程度が好ましく、70〜99.9質量%程度が好ましい。樹脂組成物中の本発明の非水系粘度調整剤(マスターバッチ)の含有量は、0.1〜50質量%程度が好ましく、0.1〜30質量%程度が好ましい。樹脂(エポキシ樹脂等)の配合量を調整することにより、得られる硬化物(エポキシ樹脂接着剤)は機械的強度に優れる。
[4]非水系粘度調整剤の利点
パルプを、媒体中で解繊することにより、CNFと媒体との混合物(非水系粘度調整剤)を得ることができる。
得られた非水系粘度調整剤は、種々の樹脂に均一に混合することができる。解繊の条件は樹脂の性質の違いを考慮する必要が無く、樹脂毎に解繊条件を検討する必要も無い。CNFと媒体との混合物(非水系粘度調整剤)は、種々の樹脂と混合する成分として非常に汎用的なマスターバッチとなる。CNFと媒体との混合物は、非水系粘度調整剤として機能し、量産化の見込みが大きく、大幅なコストダウンが図れる。
媒体は、不活性な媒体が好ましい。媒体は、目的とする組成物に対して許容される薬品類の中から選ぶことができ、可塑剤、改質剤、希釈剤等が好ましい。これら不活性な媒体を用いることにより、パルプに対して、高温条件下で剪断力をかけることができ、解繊処理を安定的に進めることができる。
例えばグラインドミル等を用いて、パルプを機械的に解繊することで、高速で連続的に、しかも効率良く解繊(加工)することできる。ここで、一般に、グラインドミル等による処理は発熱を伴う。そのため、グラインドミル等による処理では、反応性の高いポリマー等を媒体が変質又は分解等を引き起こす危険性が有る。
本発明の非水系粘度調整剤の製造方法では、パルプの解繊に、不活性であり、反応性の少ない媒体を用いることから、その様な危険を回避したり軽減したりすることができる。本発明の非水系粘度調整剤の製造方法では、高温条件下であっても、安定してパルプを解繊することができる。
CNFと媒体との混合物は、非水系粘度調整剤として機能し、マスターバッチとして、種々の樹脂に混合することが可能である。これにより、CNFが持つ特性を樹脂に十分に付与でき、その結果樹脂が持つ特性を高めることが可能である。
本発明の非水系粘度調整剤は液状の樹脂組成物であることが好ましい。この液状の樹脂組成物は、樹脂に加えて、数種類の成分を混合してなる組成物である。CNFと不活性な媒体との混合物(マスターバッチ)に、必要に応じて好ましい成分を添加することで、樹脂組成物を作製することができる。
例えばエポキシ樹脂接着剤等、液状の樹脂組成物の機能性を向上させることができる。樹脂組成物の製造現場や、施工で使用される常温硬化樹脂を提供することができる。エポキシ樹脂にCNFと媒体との混合物(マスターバッチ)を、非水系粘度調整剤として添加することで、成分が均一に分散されたエポキシ樹脂接着剤を製造することができる。このエポキシ樹脂接着剤の硬化物は、CNFにより補強されており、接着力や圧縮力が向上している。
常温硬化タイプのエポキシ樹脂接着剤(樹脂組成物)は、一般に液状であり、建築、土木等の多くの現場で使用される。これらの現場での施工に用いられるエポキシ樹脂接着剤の特性を上げることができる。
本発明の非水系粘度調整剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用で増粘効果が大きい(粘度調整機能が大きい)。本発明の非水系粘度調整剤は、取り扱いが容易であり、特に液状物(樹脂組成物等)の製造過程において、その粘度管理が容易となる。
本発明の非水系粘度調整剤は、液状物(樹脂組成物等)に対して、比較的少量の添加で済む。液状物(樹脂組成物等)に対して、その粘度調整のために、本発明の非水系粘度調整剤を少量に添加することで、組成物の配合比(組成内容)の変化が小さく、最終製品の硬化物の強度、接着性等の物性に影響を及ぼすことが少ない。
液状物(樹脂組成物等)に対して、本発明の非水系粘度調整剤を少量添加するので、液状物(樹脂組成物等)の温度による粘度変化が小さく、製造時の温度変化の影響を受け難い。製造工程が、低温条件や高温条件でも、適切な負荷を掛けて攪拌することが可能である。また製品使用時の温度変化による物性変化も影響し難い。例えば液状物(樹脂組成物等)を接着剤として使用する場合、その接着剤の施工時、接着剤の被着体の温度に影響され難く、液状物(樹脂組成物等)の垂れの恐れも少ない。
本発明の非水系粘度調整剤は、少量の添加で済むことから、攪拌時間による粘度変化が小さく、製造時に攪拌条件の変化が生じても、液状物(樹脂組成物等)の粘度が大きく変動し難くなる。例えば液状物(樹脂組成物等)を製造する温度条件が10℃から30℃の範囲で変わっても、本発明の非水系粘度調整剤は、少量の添加で済むことから、その範囲の上限下限での液状物(樹脂組成物等)の粘度差は小さくて済む。また製品を使用する際には、その粘度変化の影響を受け難くい。
本発明は、液状物(樹脂組成物等)に対して、少量の使用(添加)で粘度調整ができる非水系粘度調整剤を提供することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
製造例
パルプを、各液状物中に10質量%加えて、撹拌羽根にて撹拌し予備分散した。
次いで、グラインドミルで解繊した。CCDカメラで解繊したことを確認した。
この様にして、夫々CNF 10質量%含有非水系粘度調整剤を得た。
CNF 10質量%含有DINP
DINP:フタル酸ジイソノニル/新日本理化社製
実施例1
製造例で得られたCNF含有非水系粘度調整剤を、表1の割合で媒体(DINP)と混合し下記の割合の液状組成物を得た。液状組成物をディスパーで夫々15分間撹拌した。
得られた液状組成物を23℃に温度調整し粘度測定を行った。
分離状態を確認したのち、分離の顕著なものを除いて、3分の1、3分の2の濃度のものも併せて調製し粘度を測定した。
CNF:セルロースナノファイバー
アエロジル:アエロジルRY200S/日本アエロジル社製
ベントン:有機ベントナイト/エレメンティス社製
ミルコン:セピオライト/昭和KDE社製
カルシーズ:コロイダル炭酸カルシウムPLS505/神島化学社製
粉末セルロース:KCフロックW50/日本製紙社製
1-1 粘度と分離状態
粘度を概ね75〜135Pa・sくらい(BH10 rpm)になるように調整した液状組成物を試験管に入れて50℃にて静置し、1週間後のその液状組成物の分離状態を調べた。
評価基準
○:液状組成物の分離状態は良好であった(分離していない)。
△:液状組成物は、やや分離した。
×:液状組成物は、分離した。
アエロジルRY200S以外は、元から分離状態が良くなかった。本実施例では、単一系では使い難いので除外した。CNFとアエロジルRY200Sとを含む液状組成物を、夫々DINPで希釈して、更に詳しく粘度を測定した。
1-2 DINPを媒体としたCNF含有非水系粘度調整剤とアエロジルRY200Sを含有したものの比較
BH型粘度計ローターはスケールオーバーする一つ下のローターを使用し、DINPにCNFを1〜4質量%添加した時の粘度を10rpm、20rpmで、1分値で測定した(表2及び図1)。
BH型粘度計ローターはスケールオーバーする一つ下のローターを使用し、DINPにアエロジルRY200Sを3.0〜12.0質量%添加した時の粘度を10rpm、20rpmで、1分値で測定した(表3及び図2)。
CNFの方が少ない量で効果があった。
実施例2
実施例1と同様に、CNFの液状組成物を調整した。
CNFと比較の為アエロジルRY200Sを同様に混合した。
2 DINP-CNFとDINP-アエロジルRY200Sとの温度差による比較 BH型粘度計 10rpm
(表4及び5、及び図3及び4)
DINP-CNFでは比較的低粘度から添加量に応じて増粘効果が現れた。
アエロジルは8〜10質量%近辺で急激に粘度が上昇した。
実施例2の総括
粘度調整剤の添加量について仮に10rpmにおいて100Pa・sが望ましい粘度とした場合、図3と図4との比較においてCNFは3.4質量%ぐらいで効果があるのに対して、アエロジルRY200Sは10.5質量%ぐらい必要である。
一般的によく使用される非水系粘度調整剤のアエロジルRY200Sと比較して、温度に対する粘度等の物性が安定しているので、製造時や施工時の管理が良好である。
また.粘度調整剤の添加量について仮に10rpmにおいて100Pa・sが望ましい粘度とした場合、図3と図4との比較においてCNFは3.5質量%ぐらいで60℃において40Pa・sで、10℃では140Pa・sであるのに対して、アエロジルRY200Sは60℃においては40Pa・sで同じであるが、10℃では170Pa・sと粘度域が広がっている。即ち同じように粘度調整をしてもその温度変化による粘度変化を考えると少し粘度が変わると粘度が大きく変化する使い難い材料といえる。
実施例3
CNFを添加した液状組成物を攪拌条件の差がどの程度影響を与えるかを、攪拌時間を変化させて負荷を変化させることでその粘度変化をみた。ディスパーの回転数は1500rpm、攪拌時間は、15分、30分、45分とした。
表6〜9及び図5〜8は、DINPにアエロジルRY200Sを添加したものとCNFの10質量%解繊したものを薄めたものとの攪拌時間の差による粘度の比較を表す図である。
<攪拌時間の変化による粘度変化>
3-1 DINP-CNFとDINP-アエロジルRY200Sとの攪拌時間の差による粘度変化の比較 23℃
(表6及び7、及び図5及び6)
23℃において、CNFは追加時間による粘度変化は非常に少ないが、アエロジルRY200Sは粘度低下が大きかった。
3-2 DINP-CNFとDINP-アエロジルRY200Sとの攪拌時間の差による粘度変化の比較 10℃
(表8及び9、及び図7及び8)
10℃においてアエロジルRY200Sは攪拌時間が増えると粘度低下が大きかった。

Claims (7)

  1. (1)セルロースナノファイバー、及び
    (2)可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体を含むことを特徴とする、非水系粘度調整剤。
  2. 前記可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ化植物油、プロセスオイル及び鉱物油からなる群から選ばれる可塑剤であることを特徴とする、請求項1に記載の非水系粘度調整剤。
  3. 前記フタル酸エステル系可塑剤が、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする、請求項2に記載の非水系粘度調整剤。
  4. 前記樹脂が、変成シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリオール樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系粘度調整剤。
  5. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の非水系粘度調整剤。
  6. 前記セルロースナノファイバーの含有量が、全量に対して0.01〜60質量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の非水系粘度調整剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の非水系粘度調整剤の製造方法であって、パルプを、可塑剤、樹脂及びその他の液状添加物からなる群から選ばれる少なくとも一種の媒体中で解繊することを特徴とする、非水系粘度調整剤の製造方法。
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