JP2018070848A - 繊維強化スタンパブルシート、繊維強化スタンパブルシート成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉部と厚肉部が混在した不均一形状や、リブ、ボス、フランジ等の肉厚分布を有していても、機械物性(衝撃特性)、成形性、生産性に優れる繊維強化スタンパブルシート成形品及び該成形品の製造方法を提供する。【解決手段】繊維強化スタンパブルシートを成形してなる成形品において、該繊維強化スタンパブルシートは、(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含むことを特徴とする繊維強化スタンパブルシート及びそれからなる成形品。繊維強化スタンパブルシートを予熱する工程、昇温された金型でプレス成形する工程、及び冷却し脱型する工程によって、この繊維強化スタンパブルシート成形品を製造する方法。【選択図】図1
Description
本発明は、結晶性熱可塑性樹脂と、α晶型結晶核剤と、平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含む繊維強化スタンパブルシート、スタンパブルシート成形品、及びその製造方法に関する。
繊維強化スタンパブルシートとしては、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維がスワール状に絡み合った連続繊維による不織布や、10mm以上のチョップド繊維を主成分とする不織布に、ポリプロピレン樹脂やポリアミド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂が含浸されたものが知られている。
これらの繊維強化熱可塑性樹脂複合材料は、重量に対する機械的強度に優れるため、軽量化目的で自動車産業や一般産業分野に広く用いられている。中でもガラス繊維にポリプロピレン樹脂が含浸されたGMT(Glass Mat Thermoplastic Composites)については、欧州の自動車産業で多用され、自動車の軽量化に貢献している。
GMTは、高張力鋼(ハイテン)の入手が困難であった欧州においては、自動車の軽量化のために多用されてきたが、高張力鋼(ハイテン)の入手が容易であった日本国内では過去25年以上の間、普及してこなかった。
欧州でのGMTの成形法は、スタンピング法が主流であり、例えば、ポリプロピレン樹脂が含浸されたGMTにおいては、溶融温度(約200〜220℃)に予熱し、この予熱されたGMTを固化温度未満(40〜80℃)に設定された金型に配置・投入後直に金型を閉じてプレス(圧縮)成形する方法が採られている。
日本国内では、炭素繊維強化複合材料による自動車部品の軽量化に向けた開発が盛んである。例えば、熱可塑性樹脂中にモノフィラメント状に分散した不連続強化繊維(具体的には7mm以下の炭素繊維)がランダムに分布した中間基材として、特定のアスペクト比の強化繊維を特定の含有量含む基材層が複数積層されたものを用い、成形サイクルを速めて生産性を高める観点から、この中間基材をスタンピング成形ないしヒートアンドクール成形することで、プレス成形において優れた賦形性を示し、得られる成形品においてはその機械特性と信頼性、剛性を兼ね備えた、プレス成形用中間基材およびこれから得られる成形品が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1において提案されている改良技術では、強化繊維を不連続に切断し、その平均繊維長が7mm以下の短繊維に調整するため、強化繊維本来が持つ強度、剛性を引き出すことができず、物性低下を招く。また、炭素繊維に比較して弾性率が低いガラス繊維を用いるGMTにおいてはその物性低下が顕著となることから、強化繊維の中でもトリミング等の後加工性に富むガラス繊維を採用することができず、炭素繊維を採用せざるを得ないために、高価かつ後加工性に劣るという欠点がある。
加えて、特許文献1記載の成形法(スタンピング成形やヒートアンドクール成形)による成形品においては、薄肉部と厚肉部が混在した不均一形状である場合や、リブ、ボス、フランジ部を有していたり、肉厚分布を伴う場合、成形品の末端部に、スワール状連続繊維が充填されにくい。これらの箇所には、ガラス繊維や炭素繊維による不織布製造過程において施されるニードルパンチ工程で強化繊維不織布の一部が切断されて僅かに発生する数mm未満の短繊維や、より流動しやすい樹脂成分が偏在するため、当該箇所から亀裂が生じ易くなる。このようなことから、製品強度に対する安全率を見込んだ製品肉厚とするために軽量化が達成できないことがあった。
また、従来の成形法では、ガラス繊維が10mm、特に20mmを超えると、成形材料の流動性が不足するため、軽量化を意図した肉厚2mm以下の薄肉の成形製品や肉厚分布を有する複雑形状の成形品は成形できないという問題があった。さらに、デザインの自由度に制限があり、単純形状のものしか成形できないという問題もあった。
従来の成形法においては、成形サイクルの短縮化を図る場合、冷間プレス成形(結晶性熱可塑性樹脂の固化温度未満に昇温された金型内での高圧プレス成形)を行う必要があった。冷間プレス成形では、高圧プレス成形機とこの高圧に耐える耐圧金型が必要となるために、設備費用が大きく、少量多品種の部品成形にはコスト採算性の観点からも不利であった。
このため、複雑な形状や材料の流動が困難な薄肉製品の成形においても、10mm以上、特に20mm以上のチョップド繊維や連続繊維のスワール状不織布を含みながらも、リブ、ボス、フランジ部、その他の製品末端部へ均質に繊維が充填された繊維強化スタンパブルシート成形品及びその製造方法が求められていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄肉部と厚肉部が混在した不均一形状や、リブ、ボス、フランジ、穴形状等、肉厚分布を有していても、機械物性(衝撃特性)、成形性、生産性に優れる繊維強化スタンパブルシート成形品、及び該成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含む繊維強化スタンパブルシートを用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明の要旨は、以下に存する。
本発明の要旨は、以下に存する。
[1] (A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含むことを特徴とする繊維強化スタンパブルシート。
[2] (A)結晶性熱可塑性樹脂19〜85重量%、(B)α晶型結晶核剤0.01〜1重量%、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維14〜80重量%を含むことを特徴とする[1]に記載の繊維強化スタンパブルシート。
[3] (B)α晶型結晶核剤は、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点Tmと結晶化温度Tcとの差ΔT(過冷却度)を35℃以下とするものであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の繊維強化スタンパブルシート。
[4] (C)強化繊維は、ガラス繊維を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート。
[5] (C)強化繊維は、スワール状ストランドのニードルパンチ不織布及び/又はチョップドストランドのニードルパンチ不織布であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート。
[6] (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、(B)α晶型結晶核剤がカルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩及びシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のスタンパブルシート。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシートを成形してなるスタンパブルシート成形品。
[8] (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、前記成形品のSAXS(小角X線散乱)測定によるポリプロピレン樹脂の長周期Lにおけるα晶の寄与分を表すLαの値が10〜16nmであることを特徴とする[7]に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品。
ただし、長周期Lにおけるα晶寄与分Lα(nm)は下記式により算出される。
Lα=L×Cα/100
Cα;結晶化度におけるα晶が占める割合(%)
ただし、長周期Lにおけるα晶寄与分Lα(nm)は下記式により算出される。
Lα=L×Cα/100
Cα;結晶化度におけるα晶が占める割合(%)
[9] 前記成形品は、平均肉厚が2mm以下であるか、若しくは、部分的に突出する凸部及び/又は部分的に厚みの異なる部分を有することを特徴とする[7]又は[8]に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品。
[10] (A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含む繊維強化スタンパブルシートを、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱する予熱工程、該予熱工程後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃以下の温度(加圧時金型温度)に昇温された金型に、前記繊維強化スタンパブルシートを配置し、プレス成形するプレス成形工程、及び該プレス成形工程後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度未満の温度まで冷却固化させた後、脱型する冷却及び脱型工程によって、[7]〜[9]のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート成形品を製造する繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
[11] 前記加圧時金型温度が(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度以上融点+20℃以下であることを特徴とする[10]に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
[12] 前記加圧時金型温度における前記繊維強化スタンパブルシートの貯蔵弾性率Ep’と、(A)結晶性熱可塑性樹脂の室温(25℃)における貯蔵弾性率ER’との比Ep’/ER’が、0.2〜0.8であることを特徴とする[10]又は[11]に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
[13] (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、(C)強化繊維がガラス繊維を含み、前記予熱工程の予熱温度が190〜220℃であることを特徴とする[10]ないし[12]のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
本発明では、(A)結晶性熱可塑性樹脂に(B)α晶型結晶核剤を添加することにより冷却降温過程での結晶化温度を高めている。そのため、脱型温度が高くなることにより成形サイクルを短縮することができる。また、従来法による成形品よりも優れた機械物性を有する成形品が得られる。
即ち、(B)α晶型結晶核剤が添加された(A)結晶性熱可塑性樹脂を成形することで、プレス成形時に金型内において(C)強化繊維と(A)結晶性熱可塑性樹脂(マトリックス樹脂)とが一体的に流動するようになる。これにより、リブ、ボス、フランジ部及びその他の成形品末端部まで(C)強化繊維と(A)結晶性熱可塑性樹脂とが均質に充填されるようになり、成形品の機械強度が向上する。また、結晶化温度が高くなるので、脱型温度を高めることにより成形サイクルが短くなり、生産性が向上する。
従って、本発明によれば、(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長10mm以上の繊強化繊維とを含む繊維強化スタンパブルシートを用いて、薄肉部と厚肉部が混在した不均一形状や、リブ、ボス、フランジ等の肉厚分布を有する複雑な成形品や、2mm以下の薄肉成形品であっても、成形が可能となる。
また、本発明によれば、成形品の末端部にも(C)強化繊維が均質に充填されるので、末端部においても衝撃強度に優れる信頼性の高い成形品が得られる。そして、高い生産性を有するため、とりわけ自動車部品の軽量化に大きく寄与することができる。本発明によると、従来法によるGMTのみならず、強化繊維長が1mm未満の繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形品よりも信頼性の高い複雑形状部品が成形可能となるので、自動車部品の部品点数の削減による軽量化や組立工程の省力化に効果を発揮する。
本発明の繊維強化スタンパブルシートは、(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維とを含む。
<(A)結晶性熱可塑性樹脂>
結晶性熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、様々なものが挙げられる。例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート樹脂)、ポリアミド樹脂またはこれらのブレンド樹脂等が挙げられる。これらのなかでもポリプロピレン樹脂若しくはポリエチレン樹脂またはそのブレンド樹脂が好ましく、特にポリプロピレン樹脂が好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、様々なものが挙げられる。例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート樹脂)、ポリアミド樹脂またはこれらのブレンド樹脂等が挙げられる。これらのなかでもポリプロピレン樹脂若しくはポリエチレン樹脂またはそのブレンド樹脂が好ましく、特にポリプロピレン樹脂が好ましい。
アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンは、結晶性の樹脂である。
ポリプロピレン樹脂の中でも、アイソタクチックポリプロピレンの結晶構造は、3/1螺旋鎖を基礎とする、α晶、β晶、γ晶、スメクチック晶などの結晶構造をとる。支配的な結晶構造は、α晶(単斜晶)であり、このα晶は、ラメラ構造が特異であり、親ラメラにほぼ直角方向にラメラが成長したクロスハッチ構造を形成することが知られている。
β晶は、六方晶である。γ晶は、三斜晶である。通常工業的に用いられる加工条件では、発現しない。また、スメクチック晶は、工業的には、フィルム成形での急冷によって現れることが知られている。
(A)結晶性熱可塑性樹脂は、シート状物のマトリックス樹脂として、(B)α晶型結晶核剤とともに用いるか、ガラス繊維等の(C)強化繊維への含浸樹脂として用いることが好ましい。
<(B)α晶型結晶核剤>
以下、α晶型結晶核剤を単にα晶核剤ということがある。
以下、α晶型結晶核剤を単にα晶核剤ということがある。
(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶形態はα、β、γ………と、幾つかの結晶形態が知られており、結晶核剤の組合せ、成形加工時の結晶化条件により結晶形態が異なる。一般にα晶は熱的に最も安定である。
例えば、ポリプロピレン樹脂の結晶形態としてはα、β、γの3タイプが知られている。
ポリプロピレン樹脂のα晶は単斜晶/Monoclinicであり、熱的に最も安定で、一般的な成形方法ではα晶が優先的に生成する。β晶は機械物性(衝撃特性)の低下を招き、好ましくない。γ晶は、高速剪断、高圧力下で生成しやすい。本発明においては、低剪断・低圧力下での成形を行うため、γ晶は好ましくない。
α晶核剤はα晶を優先的に形成し、β晶の生成を抑制する結晶核剤であり、シリカ、タルク等の鉱物フィラー、脂肪酸エステルアルカリ金属類塩、脂肪酸エステルアルカリ土類金属塩等が挙げられる。例えば炭酸カルシウム、タルク、安息香酸アルミニウム塩、ジベンジリデンソルビトール(新日本理化株式会社製 商品名ゲルオールMD)、ステアリン酸マグネシウムとシリカの混合物を含むマスターバッチ(大日精化株式会社製 商品名ハイサイクルマスター)、2−ヒドロキシ−2−オキソ−4,6,10,12−テトラ−tert−ブチル−1,3,2−ジベンゾ[d,g]」ペルヒドロジオキサホスファロシンのナトリウム塩を含むマスターバッチ(株式会社ADEKA製 商品名アデカスタブ M−701)等が利用できる。
好適なα晶核剤は樹脂によって異なることがある。
ポリプロピレン樹脂では、無機系核剤としてシリカ、タルク、炭酸カルシウムが挙げられる。有機系(カルボン酸金属塩タイプ)としてはステアリン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、アルミニウムジベンゾエート、カリウムベンゾエート、リチウムベンゾエート、ソジウムβ・ナフタレートソジウムシクロヘキシサンカルボキシレート、ピメリン酸金属塩、ロジン酸金属塩等が挙げられる。また、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体タイプ、リン酸エステル金属塩もある。さらには、ポリマータイプとしては、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、EPR、ケブラー繊維等が挙げられる。
その他のα晶核剤としては、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、結晶化温度向上効果及び熱安定性の観点から、カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、シリカ、炭酸カルシウム、タルクが好ましく、カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、シリカがより好ましい。
ポリエステル樹脂(PET)では、無機系核剤として、タルク、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムが挙げられる。また。有機系では有機酸塩タイプがあり、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸亜鉛等が挙げられる。さらに、ポリマータイプでは、アイオノマー、高融点PET等が挙げられる。中でも、結晶化温度向上効果及び熱安定性の観点から、タルク、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、
酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸亜鉛が好ましい。
酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸亜鉛が好ましい。
ポリアミド樹脂(PA)樹脂では、無機系核剤としてカオリン、タルク、モンモリロイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、フェニルフォスフォネートの金属塩が挙げられる。また、有機系核剤としては、高融点ポリアミドが挙げられる。中でも、結晶化温度向上効果及び熱安定性の観点から、カオリン、タルク、モンモリロイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムが好ましい。
(B)α晶型結晶核剤の添加により、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点Tm以上の温度からの冷却過程における結晶化温度Tcを高温側にシフトさせ、脱型温度を高くすることができる。
通常、この結晶化温度Tcの高温側へのシフトは、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点Tmと結晶化温度Tcの差による過冷却度(ΔT=Tm−Tc)で評価される。ΔTが35℃以下であることにより、脱型温度が高くなり、成形サイクルの短縮化を図ることができる。ΔTが35℃を超えると脱型温度の上昇が小さく、生産性の改善が期待できない。従って、(B)α晶核剤は、(A)結晶性熱可塑性樹脂のΔTを35℃以下とするものが好ましい。
このΔTの下限は、通常10℃以上が好ましく、より好ましくは20℃以上である。ΔTが10℃未満では生産性の向上効果(成形サイクルの短縮)が小さい。
(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点Tm及び結晶化温度Tcは、繊維強化スタンパブルシート又はその成形品についてDSC測定を行うことにより求めることができ、具体的には実施例に記載の方法で求められる。なお、(A)結晶性熱可塑性樹脂を複数含有し、融点Tm及び結晶化温度Tcが複数存在する場合には、最も高い融点Tmと最も低い結晶化温度Tcの差をΔTとする。
<(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維>
(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維としては、特に制限はなく、様々なものが挙げられる。例えば、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維などが挙げられる。これらの中でも、後加工性、コスト、性能の観点から特にガラス繊維が好ましい。数平均繊維長は好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは50mm以上である。
(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維としては、特に制限はなく、様々なものが挙げられる。例えば、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維などが挙げられる。これらの中でも、後加工性、コスト、性能の観点から特にガラス繊維が好ましい。数平均繊維長は好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは50mm以上である。
繊維の形態としては、不織布、織物、編物等が挙げられ、複雑な形状の成形品であっても、強化繊維の充填性が良好で、強化繊維が均一に充填されやすいことから、不織布が好ましい。織物、編物は、連続繊維であるので、製品の大きさにより繊維長が決まる。
不織布は、製造時の強化繊維の繊維長と工程により、繊維強化複合材料の機械特性の性能を左右する。数平均繊維長が10mm未満では、機械特性の低下を招く。不織布の場合、数平均繊維長は、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは50mm以上である。これより短くすると不織布の製造が困難となる。また、数平均繊維長は、通常500mm以下、好ましくは150mm以下である。これより長くすると、複雑形状部への強化繊維の充填性が低下し、当該部位の強度低下を招きやすいため好ましくない。
ガラス繊維はガラス繊維不織布の形態であることが好ましく、特に、連続スワール状ストランド及び/またはチョップドストランドから、常法に従いニードルパンチ処理して得られるニードルパンチ不織布が好ましい。
ガラス繊維不織布は、成形する製品形状、肉厚、製品目付重量にもよるが、通常、目付が200g/m2〜2000g/m2特に300g/m2〜1600g/m2のものが、ガラス繊維及びとマトリックスとなる熱可塑性樹脂との含浸性、ハンドリング性、生産性の点から好ましい。
ニードルパンチ処理時のパンチ密度は、ガラス繊維同士の絡み合いと切断が二律背反するため、成形品の強度低下抑制、ガラス繊維の充填性の点から、通常15本/cm2〜60本/cm2であり、好ましくは20本/cm2〜54本/cm2である。
ガラス繊維不織布のガラス繊維の数平均繊維径は、通常3〜25μm、好ましくは10〜23μmである。ガラス繊維の数平均繊維径が25μmを超えると、ガラス繊維強化スタンパブルシートの引張強度が低下し、3μm未満であると、ガラス繊維が破断しやすくなるので好ましくない。
本発明では、(C)強化繊維としてガラス繊維不織布を用いることにより、繊維強化スタンパブルシート成形品の強度、剛性、耐久性などが非常に優れたものとなる。
ガラス繊維不織布は、織物などとの複合不織布とされてもよく、ガラス繊維を主とする層のほかに、熱可塑性樹脂からなる繊維を主とする層を有していてもよい。
ガラス繊維のガラス組成については特別な制限はなく、無アルカリガラス、低アルカリガラス、含アルカリガラスのいずれでもよく、従来からのガラス繊維として使用されている各種の組成のものを使用することができる。
<(A),(B),(C)の含有割合>
(A)結晶性熱可塑性樹脂は、繊維強化スタンパブルシート全体に対して、通常19〜85重量%、好ましくは35〜80重量%の割合で含む。(A)結晶性熱可塑性樹脂の配合割合が、19重量%未満であると、得られる成形品の外観、成形流動性が悪くなりやすく、一方、85重量%を超えると、得られる成形品の機械的強度が低下する場合がある。
(A)結晶性熱可塑性樹脂は、繊維強化スタンパブルシート全体に対して、通常19〜85重量%、好ましくは35〜80重量%の割合で含む。(A)結晶性熱可塑性樹脂の配合割合が、19重量%未満であると、得られる成形品の外観、成形流動性が悪くなりやすく、一方、85重量%を超えると、得られる成形品の機械的強度が低下する場合がある。
(B)α晶型結晶核剤の含有割合は、(A)結晶性熱可塑性樹脂及び(B)α晶型結晶核剤の種類にもよるが、繊維強化スタンパブルシート全体に対して、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.03〜0.8重量%、さらに好ましくは0.05〜0.8重量%である。(B)α晶型結晶核剤の配合割合が0.01重量%を下回ると核剤による結晶化効果が発現されず、また、1重量%を超えると、結晶化が飽和し、スタンパブルシートの予備加熱時の熱安定性低下による分解ガス等が発生し、成形品の外観劣化を招くおそれがある。
(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維は、繊維強化スタンパブルシート全体に対して、通常14〜80重量%、好ましくは20〜65重量%の割合で含む。(C)強化繊維の配合割合が14重量%未満であると、得られる成形品の機械的強度を充分に向上させることができず、一方、強化繊維の配合割合が80重量%を超えると、成形流動性が低下したり、得られる成形品の外観が損なわれたりすることがある。
繊維強化スタンパブルシートは、基本的に上記の成分からなるものであるが、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、他の無機充填剤、有機充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種添加剤を適宜用いることができる。
繊維強化スタンパブルシートの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、(A)結晶性熱可塑性樹脂を押出機に投入し溶融させたのち、所望の厚みのシート状に押出成形するとともに、押出されたシート状物の少なくとも片面、好ましくは両面に(C)強化繊維の不織布、織物、編物等を供給して積層することにより製造することができる。得られた積層体の表面に、さらに(A)結晶性熱可塑性樹脂シートを表裏に供給して積層することもできる。積層する際は、ラミネーター等を用いて加熱及び加圧し、(A)結晶性熱可塑性樹脂を(C)強化繊維層に含浸させ、次いで冷却固化させることで、繊維強化スタンパブルシートを製造することができる。
また、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む他のシートと積層させて、本発明の繊維強化スタンパブルシートとしてもよい。この場合、他のシートは(B)α晶型結晶核剤を含んでいても含まなくてもよい。積層は、従来公知の手法で行うことができる。
本発明の繊維強化スタンパブルシートは、(B)α晶型結晶核剤を含有し、成形品末端部にも(C)強化繊維が充填されやすいので、例えば、平均肉厚が2mm以下、好ましくは1.5mm以下といった薄肉の成形品や、リブ、ボス等の部分的に突出する凸部を有する成形品、フランジ部を有する成形品等、部分的に厚みの異なる部分を有する成形品に、好適に用いることができる。加えて、例えば平均肉厚が4mm以上の肉厚の成形品であっても、ひずみや反りが少なく寸法安定性に優れる成形品とすることができる。特に、後述の改良ヒートアンドクール成形を採用する場合に、これらの効果は顕著に確認することができる。
本発明のスタンパブルシートを成形してなる繊維強化スタンパブルシート成形品は、(A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、該成形品の末端部を含めた任意部分において、ポリプロピレン樹脂の長周期L(SAXS(小角X線散乱)測定による長周期L)に対するα晶の寄与分Lαの値が10〜16nmであることが好ましい。なお、本発明の繊維強化スタンパブルシート成形品のポリプロピレン樹脂のLαは、11〜15nm特に12〜14.5nmであることが好ましい。
繊維強化スタンパブルシート成形品の結晶化度は、WAXS(広角X線散乱)測定によるα晶とβ晶の散乱ピーク面積比に基づく下記(1)式により算出することができる。
結晶化度(%):C=(α晶+β晶)/(α晶+β晶+非晶)×100 …(1)
結晶化度(%):C=(α晶+β晶)/(α晶+β晶+非晶)×100 …(1)
結晶化度におけるα晶が占める割合(%)をCαとし、
結晶化度におけるβ晶が占める割合(%)をCβとし、
結晶化度(%)Cを
C=Cα+Cβ …(2)
で表し、長周期Lを
L=Lα+Lβ …(3)
で表した場合、長周期Lにおけるα晶寄与分Lα(nm)は下記式(4)により与えられる。
Lα=L×Cα/100 …(4)
結晶化度におけるβ晶が占める割合(%)をCβとし、
結晶化度(%)Cを
C=Cα+Cβ …(2)
で表し、長周期Lを
L=Lα+Lβ …(3)
で表した場合、長周期Lにおけるα晶寄与分Lα(nm)は下記式(4)により与えられる。
Lα=L×Cα/100 …(4)
Lαが10〜16nmの範囲となるようにα晶型結晶核剤によってα晶の生成を促進させることにより、耐衝撃強度が十分に高い成形品を得ることができる。
Lαが10nm未満では、α晶の生成が十分ではなく、成形品の耐衝撃強度の低下を招く場合がある。α晶を十分に成長させるために、プレス成形開始時における金型温度を(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃よりも高温に設定すると、Lαは16nmを超えるが、冷却に長時間を要するようになるため、生産性が損なわれる場合がある。
<繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法>
本発明の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができるが、好ましくは、次の(1)〜(3)の工程を含む。
(1) 繊維強化スタンパブルシートを該シート中の(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱する予熱工程。
(2) その後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃以下の温度(加圧時金型温度)に昇温された金型に、この予熱された繊維強化スタンパブルシートを配置し、プレス成形するプレス成形工程。
(3) その後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度未満の温度まで冷却固化させた後に脱型する冷却及び脱型工程。
本発明の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができるが、好ましくは、次の(1)〜(3)の工程を含む。
(1) 繊維強化スタンパブルシートを該シート中の(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱する予熱工程。
(2) その後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃以下の温度(加圧時金型温度)に昇温された金型に、この予熱された繊維強化スタンパブルシートを配置し、プレス成形するプレス成形工程。
(3) その後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度未満の温度まで冷却固化させた後に脱型する冷却及び脱型工程。
上記のプレス成形としては、成形圧力、温度の自由の観点から、圧縮成形機と金属製の成形型を用いて成形する金型プレス法が好ましい。金型プレス法としては、ホットプレス成形、スタンピング成形、ヒートアンドクール成形のほか、後述の改良ヒートアンドクール成形が好適である。
いずれの金型プレス法でも、予め繊維強化スタンパブルシートを(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱し、所定温度に加熱された金型内に繊維強化スタンパブルシートを配置し、型締めして加圧し、次いでこの加圧状態を維持しながら成形型を冷却し、脱型して成形品を得る。
本発明の繊維強化スタンパブルシート成形品にあっては、前述の通り、(C)強化繊維としてはガラス繊維が好適であり、(A)結晶性熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン樹脂が好適である。この繊維強化スタンパブルシート成形品を製造する場合、α晶型結晶核剤含有ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂(融点は通常155〜180℃特に160〜175℃)の予熱温度は190℃〜220℃が好ましい。繊維強化スタンパブルシートの予熱温度が190℃未満では、予熱後に金型に搬送・配置する際に、放熱により固化する可能性があり、成形流動性が損なわれ、賦形が困難となる。予熱温度が220℃を超えるとポリプロピレン樹脂の樹脂劣化により、成形品の表面に樹脂焼けやガスによる瘢痕が発生し、外観の低下を招きやすい。
予熱された繊維強化スタンパブルシートを配置するときの金型温度(上記所定温度)は、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃以下であることが好ましく、そのより好適な温度は以下の通りである。
即ち、ホットプレス成形の場合、上記金型温度は、180〜220℃が好ましい。
スタンピング成形、通常のヒートアンドクール成形の場合には、上記金型温度は、繊維強化スタンパブルシートを構成する(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度より10℃〜30℃低い温度の範囲内であることが可塑化した繊維強化スタンパブルシートの賦形のしやすさや、成形品の表面外観の観点から好ましい。例示すると、(A)結晶性熱可塑性樹脂としてポリアミド6樹脂を用いる場合は120℃〜160℃の範囲内、ポリプロピレン樹脂を用いる場合は80℃〜120℃の範囲内である。
改良ヒートアンドクール成形においては、上記金型温度は、繊維強化スタンパブルシートを構成する(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度よりも10〜50℃高い温度範囲内であることが、薄肉やリブ、ボス、フランジ部、穴等の複雑形状ないし肉厚分布を有する成形品の成形が可能となり、好ましい。例えば、(A)結晶性熱可塑性樹脂としてポリアミド6樹脂を用いる場合は、上記金型温度は180℃〜230℃の範囲内が好ましい。
強化繊維がガラス繊維であり、(A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂である繊維強化スタンパブルシートを改良ヒートアンドクール成形法により成形する場合、加圧時の金型温度は、ポリプロピレン樹脂の結晶化温度以上の温度から融点+20℃までの温度範囲から選定するのが好ましく、具体的には、好ましくは125℃以上、さらに好ましくは140〜180℃である。加圧時の金型温度が180℃を超えると、ガラス繊維とポリプロピレン樹脂との分離が起こり易く、リブ、ボス、フランジ部や肉厚分布を有する成形品においては、ガラス繊維の充填性が不均一になり、衝撃強度の低下を招く上に、冷却固化に時間を要するために、成形サイクルが長くなり、生産性が低下する場合がある。
金型プレス法としては、改良ヒートアンドクール成形法が好適である。
この改良ヒートアンドクール法では、上記の通り、繊維強化スタンパブルシートを結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱し、繊維強化スタンパブルシートの固化温度以上である結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度から融点+20℃までの間の任意の温度に昇温保持された成形型に配置し、直に型締めして加圧し、次いでその状態を維持しながら繊維強化スタンパブルシートを固化温度以下の温度にまで冷却し成形品を得る方法である。
この改良ヒートアンドクール法によると、プレス成形時の印加圧力が低くて足りる。そのため、結晶性熱可塑性樹脂の固化前の繊維強化スタンパブルシート材の成形流動性が維持された状態で、金型キャビティーの隅々まで、樹脂及び強化繊維を均質に充填することが可能となる。これにより、薄肉、肉厚分布(偏肉)を有する成形品の成形を容易とすることができる。また、結晶性熱可塑性樹脂と強化繊維との分離が起こり難くなり、強化繊維が成形品のフランジ部その他の末端部まで充填されるため、流動末端部の機械強度(衝撃強度)が向上しやすくなる。
本発明においては、繊維強化スタンパブルシートがα晶型結晶核剤を含有するため、上記改良ヒートアンドクール法によって繊維強化スタンパブルシートをプレス成形することにより、α晶の結晶化度が向上し、この結果として、成形品末端部でも機械物性(衝撃強度)が向上する。また、α晶型結晶核剤の効果により結晶化温度が高温側にシフトするため、脱型可能な温度が上昇するので、成形サイクルの短縮化が可能となる。
繊維強化スタンパブルシートを予熱するための加熱手段としては、遠赤外線ヒーター、近赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、誘電加熱、熱風加熱、熱板加熱、などの公知の加熱装置が例示できる。なかでも、遠赤外線ヒーターや熱板加熱が温度コントロールの容易さから好適である。
加熱された繊維強化スタンパブルシートを成形用の金型に搬送、配置する手段としては、人手で搬送する手動システムであってもよいし、ベルトコンベア、稼働式フレーム、ロボットアーム、などの公知の搬送装置による自動システムを適用することもできる。また、自動システムの場合、搬送経路上において温度コントロール可能な温調設備や空間設備を設けてもよい。搬送に際しては、繊維強化スタンパブルシートの温度低下により、成形品の外観品位が悪化したり、賦形性が損なわれたりする場合があるため、素早く搬送することが好ましい。具体的には、繊維強化スタンパブルシートを加熱装置から取り出した後、金型内で加圧されるまでの間において、30秒以下であることが好ましく、さらに好ましくは20秒以下、とりわけ好ましくは10秒以下である。
成形圧は、繊維強化スタンパブルシートの賦形のしやすさや、成形品の厚み制御のしやすさの観点から、3〜30MPaが好ましい。とりわけ3〜15MPaの範囲内が、プレス成形機の設備コストの観点から好ましく、さらには好ましくは4〜13MPaである。なお、この成形圧は、成形品の投影面積(プレス方向と垂直な面に対する投影面積)あたりに付与される圧力(面圧)である。
本発明の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法では、前記(2)のプレス成形工程において、加圧時金型温度における繊維強化スタンパブルシートの貯蔵弾性率Ep’と、(A)結晶性熱可塑性樹脂の室温(25℃)における貯蔵弾性率ER’との比、比貯蔵弾性率Ep’/ER’が0.2〜0.8であることが好ましい。
貯蔵弾性率Ep’、ER’は、動的粘弾性測定機(レオロジ社製FTレオスペクトラー、100Hz)により25〜200℃の温度範囲で測定できる。
Ep’/ER’が0.2〜0.8であると、強化繊維の充填状態が良好で、強化繊維と結晶性熱可塑性樹脂との分離・偏在が抑制され、成形品の末端部においても実用に耐えうる衝撃強度が発現しやすい。従って、比貯蔵弾性率Ep’/ER’が0.2〜0.8となるように加圧時の金型温度を選定することが好ましい。比貯蔵弾性率Ep’/ER’は、より好ましくは0.25〜0.7、さらに好ましくは0.3〜0.6である。
Ep’/ER’が0.2未満では、強化繊維と結晶性熱可塑性樹脂との分離が起こり、成形品末端部の衝撃強度の劣化を招きやすい。Ep’/ER’が0.8を超えると成形流動性が不足し、薄肉や複雑形状、肉厚分布を有する成形品の成形が困難となる場合がある。
金型から冷却固化された成形品を取り出す手段としては、人手や金型に備え付けられるエジェクタを利用してもよい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
各実施例及び比較例では、次に説明する通り、(C)強化繊維としてガラス繊維を含み、(A)結晶性熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂を含む繊維強化スタンパブルシートを用い、図1(図中、単位は「mm」、平均肉厚2.0mm)又は図2(図中、単位は「mm」、平均肉厚1.5mm)に示す成形品を製造した。
<比較例1〜14で用いた繊維強化スタンパブルシート>
比較例1〜14では、繊維強化スタンパブルシートとして下記の市販品を用いた。
・GMT30(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製P3038−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長55mm)含有量:30重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:70重量%
厚さ:3.8mm
・GMT40(1)(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製P4038−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長105mm)含有量:40重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:60重量%
厚さ:3.8mm
・GMT40(2)(クオドラント・プラスチック・コンポジット社(スイス)製D100F40F1)
ガラス繊維(チョップド繊維不織布、数平均繊維長51mm)含有量:40重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:60重量%
厚さ:4.8mm
・GMT65(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製RP6541−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長95mm)含有量:65重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:35重量%
厚さ:4.1mm
・GMTex50(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製RX5038−BK31)
ガラス繊維含有量:50重量%(連続繊維不織布25重量%、連続繊維織布(MD:TD=4:1)25重量%)
ポリプロピレン樹脂含有量:50重量%
厚さ:3.8mm
比較例1〜14では、繊維強化スタンパブルシートとして下記の市販品を用いた。
・GMT30(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製P3038−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長55mm)含有量:30重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:70重量%
厚さ:3.8mm
・GMT40(1)(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製P4038−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長105mm)含有量:40重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:60重量%
厚さ:3.8mm
・GMT40(2)(クオドラント・プラスチック・コンポジット社(スイス)製D100F40F1)
ガラス繊維(チョップド繊維不織布、数平均繊維長51mm)含有量:40重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:60重量%
厚さ:4.8mm
・GMT65(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製RP6541−BK31)
ガラス繊維(連続繊維不織布、数平均繊維長95mm)含有量:65重量%
ポリプロピレン樹脂含有量:35重量%
厚さ:4.1mm
・GMTex50(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社製RX5038−BK31)
ガラス繊維含有量:50重量%(連続繊維不織布25重量%、連続繊維織布(MD:TD=4:1)25重量%)
ポリプロピレン樹脂含有量:50重量%
厚さ:3.8mm
<実施例1〜14、比較例15〜17で用いた繊維強化スタンパブルシート>
実施例1〜14では、上記各繊維強化スタンパブルシートと同一配合でさらに下記のα晶型結晶核剤を表1に示す割合で配合した繊維強化スタンパブルシートを製造例1〜5、7の通り製造したものを用いた。
実施例1〜14では、上記各繊維強化スタンパブルシートと同一配合でさらに下記のα晶型結晶核剤を表1に示す割合で配合した繊維強化スタンパブルシートを製造例1〜5、7の通り製造したものを用いた。
なお、α晶型結晶核剤の代りに下記のβ晶型結晶核剤を用いた繊維強化スタンパブルシートを製造例6の通り製造し、比較例15〜17で用いた。
<結晶核剤>
結晶核剤としては次のものを用いた。
結晶核剤としては次のものを用いた。
α晶型結晶核剤1:大日精化工業株式会社製 ハイサイクルマスター PP−RM M105(ステアリン酸マグネシウム及びシリカを併せて5重量%含むマスターバッチ)
α晶型結晶核剤2:株式会社ADEKA製 アデカスタブ M−701(2−ヒドロキシ−2−オキソ−4,6,10,12−テトラ−tert−ブチル−1,3,2−ジベンゾ「d,g]ペルヒドロジオキサホスファロシンのナトリウム塩を5重量%含むマスターバッチ)
β晶型結晶核剤:新日本理化株式会社製 エヌジェスター NU−100(N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド)
α晶型結晶核剤2:株式会社ADEKA製 アデカスタブ M−701(2−ヒドロキシ−2−オキソ−4,6,10,12−テトラ−tert−ブチル−1,3,2−ジベンゾ「d,g]ペルヒドロジオキサホスファロシンのナトリウム塩を5重量%含むマスターバッチ)
β晶型結晶核剤:新日本理化株式会社製 エヌジェスター NU−100(N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド)
<実施例1〜14及び比較例15〜17で用いる結晶核剤配合繊維強化スタンパブルシートの調製(製造例1〜7)>
結晶核剤、及びポリプロピレンホモポリマー(比重:0.91、MFR:60g/10分、Tm:163℃、Tc:115℃、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP BC06C」)を押出機に入れてポリプロピレン樹脂を溶融させたのち、厚さ:0.5mmのシート状に押出成形するとともに、押出されたシート状物の両面に、ガラス繊維不織布を表裏1枚ずつ供給して積層し、さらにガラス繊維不織布とシート状物の積層体の表面に、上記ポリプロピレンホモポリマーからなる熱可塑性樹脂シート(厚さ:0.5mm)を表裏1枚ずつ供給して積層した後、ラミネーターを用いて0.3MPa、230℃で4分間、加熱及び加圧し、ポリプロピレン樹脂をガラス繊維不織布層に含浸させ、次いで冷却固化させることで、ガラス繊維強化スタンパブルシート(厚さ:3.8mm)を得た。
結晶核剤、及びポリプロピレンホモポリマー(比重:0.91、MFR:60g/10分、Tm:163℃、Tc:115℃、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP BC06C」)を押出機に入れてポリプロピレン樹脂を溶融させたのち、厚さ:0.5mmのシート状に押出成形するとともに、押出されたシート状物の両面に、ガラス繊維不織布を表裏1枚ずつ供給して積層し、さらにガラス繊維不織布とシート状物の積層体の表面に、上記ポリプロピレンホモポリマーからなる熱可塑性樹脂シート(厚さ:0.5mm)を表裏1枚ずつ供給して積層した後、ラミネーターを用いて0.3MPa、230℃で4分間、加熱及び加圧し、ポリプロピレン樹脂をガラス繊維不織布層に含浸させ、次いで冷却固化させることで、ガラス繊維強化スタンパブルシート(厚さ:3.8mm)を得た。
なお、製造例1〜7における各成分の種類及び配合割合は、表1に示した通りである。なお、α晶結晶核剤をマスターバッチで配合した製造例1〜5、7は、マスターバッチ配合量とマスターバッチ中の核剤含有量をもとに算出した核剤配合量を、表中に記載した。また、各スタンパブルシートの融点Tm、結晶化温度Tc及びΔT=Tm−Tcを表5,6に示す。
実施例及び比較例における物性の測定方法は次の通りである。
<比貯蔵弾性率の測定方法>
JIS K7244−4(1999)に準拠し、強化繊維スタンパブルシートの室温(25℃)または加圧時金型温度における貯蔵弾性率E’は、動的粘弾性測定機(レオロジ社製FTレオスペクトラー DVE−V4、周波数100Hz、昇温速度2℃/min)により25〜200℃の温度範囲で測定し、室温(25℃)と加圧時金型温度における貯蔵弾性率の比(Ep’/ER’)を、比貯蔵弾性率とした。
<比貯蔵弾性率の測定方法>
JIS K7244−4(1999)に準拠し、強化繊維スタンパブルシートの室温(25℃)または加圧時金型温度における貯蔵弾性率E’は、動的粘弾性測定機(レオロジ社製FTレオスペクトラー DVE−V4、周波数100Hz、昇温速度2℃/min)により25〜200℃の温度範囲で測定し、室温(25℃)と加圧時金型温度における貯蔵弾性率の比(Ep’/ER’)を、比貯蔵弾性率とした。
尚、強化繊維スタンパブルシートを220℃のプレス成形により厚さ2mmtの平板を作製し、これより切断機を用いて、サンプル寸法を35mm×5mm×2mmtとして切出し、当該試験用の試験片とした。
<X線解析による長周期、及び結晶化度の測定>
以下の方法、条件で行った。
以下の方法、条件で行った。
[サンプル調製]
成形品末端部から10×20mmを切り出し、試料厚が1.2mmになるまで加工(研磨)して測定用サンプルとした。
成形品末端部から10×20mmを切り出し、試料厚が1.2mmになるまで加工(研磨)して測定用サンプルとした。
[X線解析装置の仕様]
下記表2の装置を用いた。
下記表2の装置を用いた。
[長周期]
下記表3の条件でSAXS測定を行い、長周期Lを求めた。
下記表3の条件でSAXS測定を行い、長周期Lを求めた。
[結晶化度]
結晶化度については、茨城県工業技術センター研究報告第43号「高次構造解析によるプラスチック再利用成形加工技術の高度化に関する試験研究」に記載の方法に基づき、下記表4の条件によりWAXS測定を行い、得られた散乱ピーク面積比から算出した。
結晶化度については、茨城県工業技術センター研究報告第43号「高次構造解析によるプラスチック再利用成形加工技術の高度化に関する試験研究」に記載の方法に基づき、下記表4の条件によりWAXS測定を行い、得られた散乱ピーク面積比から算出した。
結晶化度(面積比)はXRDプロファイルの2θ=10〜25°におけるPPの結晶部分の面積(C)と非晶部分の面積(A)をプロファイルフィッティングにより求め、次式
結晶化度(%)=C/(C+A)
を用いて算出した。尚、プロファイルフィッティングはフリーソフトfitykを用いて行い、バックグランド除去は直線、各々のピークはPseudo−Voigt関数を用いた。Pseudo−Voigt関数の形状パラメーターの値が0以下となった場合は0に固定し、1以上となった場合は1に固定して計算を行った。
結晶化度(%)=C/(C+A)
を用いて算出した。尚、プロファイルフィッティングはフリーソフトfitykを用いて行い、バックグランド除去は直線、各々のピークはPseudo−Voigt関数を用いた。Pseudo−Voigt関数の形状パラメーターの値が0以下となった場合は0に固定し、1以上となった場合は1に固定して計算を行った。
また、ポリプロピレンの全結晶化度に占めるα晶とβ晶の割合については、XRDプロファイルの2θ=10〜25°におけるポリプロピレンのα晶由来の面積の和(Cα)と2θ=16.1°付近のβ晶の面積(Cβ)から、次式を用いて算出した。
α晶の占める割合(%)=結晶化度(%)×Cα/(Cα+Cβ)
β晶の占める割合(%)=結晶化度(%)×Cβ/(Cα+Cβ)
β晶の占める割合(%)=結晶化度(%)×Cβ/(Cα+Cβ)
<Izod衝撃強度の測定法>
図1に示す成形品のリブ部(2)及びフランジ部(5),(6)付近と、図2に示す成形品のフランジ部(7)から、長さ63.5mm、幅13.1mm、厚み2.0mmのサンプルを切出し、ASTM D256(アイゾット衝撃試験、ノッチなし)に準拠してIzod衝撃強度を測定し、相対評価を行った。
図1に示す成形品のリブ部(2)及びフランジ部(5),(6)付近と、図2に示す成形品のフランジ部(7)から、長さ63.5mm、幅13.1mm、厚み2.0mmのサンプルを切出し、ASTM D256(アイゾット衝撃試験、ノッチなし)に準拠してIzod衝撃強度を測定し、相対評価を行った。
<融点Tm、結晶化温度Tcの測定法>
結晶化温度(Tc)と融点(Tm)は、パーキン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量分析計を用いて繊維強化スタンパブルシートを25℃から10℃/分の昇温条件下200℃まで昇温し、同温度にて1分間保持後、−10℃/分にて−25℃まで降温し、同温度にて1分間保持した後、10℃/分の昇温条件下で融解時の最大ピークを示す温度(DSC融解ピーク温度)を融点(Tm)とした。更に該融点ピークが現れた後も引き続いて同条件で200℃まで昇温し、同温度にて1分間保持後、−10℃/分にて25℃まで降温しながら結晶化時の最大ピークを示す温度(DSC結晶化ピーク温度)を結晶化温度(Tc)とした。
結晶化温度(Tc)と融点(Tm)は、パーキン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量分析計を用いて繊維強化スタンパブルシートを25℃から10℃/分の昇温条件下200℃まで昇温し、同温度にて1分間保持後、−10℃/分にて−25℃まで降温し、同温度にて1分間保持した後、10℃/分の昇温条件下で融解時の最大ピークを示す温度(DSC融解ピーク温度)を融点(Tm)とした。更に該融点ピークが現れた後も引き続いて同条件で200℃まで昇温し、同温度にて1分間保持後、−10℃/分にて25℃まで降温しながら結晶化時の最大ピークを示す温度(DSC結晶化ピーク温度)を結晶化温度(Tc)とした。
各繊維強化スタンパブルシートのDSC測定による融点及び結晶化温度の測定結果を表5,6に示す。尚、これらの各繊維強化スタンパブルシートのDSC測定による融点及び結晶化温度は、成形時における熱履歴を受けても±0.5℃の範囲の精度で一致するため、代表値とした。
<ガラス繊維充填率(灰分測定)>
図1のリブ部(2)及びフランジ部(5),(6)と、図2の成形品のフランジ部(7)からサンプル(3g)を切り出し、JIS K7052(1999)に準拠して灰分測定を行い、ガラス繊維充填率を測定した。
図1のリブ部(2)及びフランジ部(5),(6)と、図2の成形品のフランジ部(7)からサンプル(3g)を切り出し、JIS K7052(1999)に準拠して灰分測定を行い、ガラス繊維充填率を測定した。
[実施例1〜4、14]
製造例1〜4、7で製造した繊維強化スタンパブルシートを用いて、図1に示す成形品を改良ヒートアンドクール(H&C)成形法により成形し、評価を行った。
即ち、製造例1〜4、7で製造したα晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシート(337.5mm×214mm×1枚)を220℃(Tmとの差+45.6〜60.9℃)に予熱し、160℃(Tmとの差−0.9〜+14.4℃)に昇温した金型(下型)に配置し、160℃に昇温された上型を閉じて、面圧(成形品の投影面積あたりの圧力)4.5MPaにてプレス成形を行い、保圧を掛けながら直ちに冷却を開始し、Tc未満の温度まで冷却固化させた後脱型し、図1に示す成形品を得た。
製造例1〜4、7で製造した繊維強化スタンパブルシートを用いて、図1に示す成形品を改良ヒートアンドクール(H&C)成形法により成形し、評価を行った。
即ち、製造例1〜4、7で製造したα晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシート(337.5mm×214mm×1枚)を220℃(Tmとの差+45.6〜60.9℃)に予熱し、160℃(Tmとの差−0.9〜+14.4℃)に昇温した金型(下型)に配置し、160℃に昇温された上型を閉じて、面圧(成形品の投影面積あたりの圧力)4.5MPaにてプレス成形を行い、保圧を掛けながら直ちに冷却を開始し、Tc未満の温度まで冷却固化させた後脱型し、図1に示す成形品を得た。
得られた成形品の末端部(フランジ部、リブ部)のガラス繊維の充填率、Izod衝撃強度、リブ部またはフランジ部のX線解析による長周期L(nm)、及び結晶化度を測定した。また、パラメーターLα(長周期におけるα晶寄与分)を算出した。また、脱型可能な最高温度を脱型可能温度とし、成形サイクルの指標とした。脱型可能温度が高いほど成形サイクルが短く、生産性が高いと言える。
結果を表7に示す。表7の通り、実施例1〜4、14によると、末端部でも実用に耐えうる十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
結果を表7に示す。表7の通り、実施例1〜4、14によると、末端部でも実用に耐えうる十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
[実施例5]
製造例5で製造した繊維強化スタンパブルシート(α晶型結晶核剤配合GMTex50、400mm×300mm×1枚)を用い、プレス成形圧力(面圧)を6.0MPaとしたこと以外は実施例1〜4と同様の条件で図2に示す箱形の成形品を成形し、評価を行った。結果を表7に示す。表7の通り、実施例5によると、末端部でも実用に耐え得るに十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
製造例5で製造した繊維強化スタンパブルシート(α晶型結晶核剤配合GMTex50、400mm×300mm×1枚)を用い、プレス成形圧力(面圧)を6.0MPaとしたこと以外は実施例1〜4と同様の条件で図2に示す箱形の成形品を成形し、評価を行った。結果を表7に示す。表7の通り、実施例5によると、末端部でも実用に耐え得るに十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
[実施例6〜9]
実施例1〜4において、加圧時の金型温度を120℃(Tmとの差+39.1〜54.4℃)、プレス成形圧力(面圧)を6.0MPaとしたこと以外は同一条件にて図1に示す成形品を通常のヒートアンドクール(H&C)成形法により製造し、評価を行った。結果を表8に示す。
実施例1〜4において、加圧時の金型温度を120℃(Tmとの差+39.1〜54.4℃)、プレス成形圧力(面圧)を6.0MPaとしたこと以外は同一条件にて図1に示す成形品を通常のヒートアンドクール(H&C)成形法により製造し、評価を行った。結果を表8に示す。
表8の通り、実施例6〜9によると、実施例1〜4よりはやや劣るものの実用に耐え得るガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
[実施例10〜13(スタンピング成形)]
実施例1〜4において、加圧時の金型温度を80℃(Tmとの差+79.1〜94.4℃)、プレス成形圧力(面圧)を12MPaとしたこと以外は同一条件にて図1に示す成形品を製造し、評価を行った。なお、この成形条件はスタンピング成形に該当する。結果を表9に示す。
実施例1〜4において、加圧時の金型温度を80℃(Tmとの差+79.1〜94.4℃)、プレス成形圧力(面圧)を12MPaとしたこと以外は同一条件にて図1に示す成形品を製造し、評価を行った。なお、この成形条件はスタンピング成形に該当する。結果を表9に示す。
表9の通り、実施例10〜13によると、実施例1〜4よりはやや劣るものの実用に耐え得るガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られた。
[比較例1〜4]
繊維強化スタンパブルシートを結晶核剤無添加のGMT30、GMT40(1)、GMT40(2)又はGMT65に代えたこと以外は、実施例1〜4と同一条件にて図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表10に示す。
繊維強化スタンパブルシートを結晶核剤無添加のGMT30、GMT40(1)、GMT40(2)又はGMT65に代えたこと以外は、実施例1〜4と同一条件にて図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表10に示す。
表10の通り、比較例1〜4では、Lαはほぼ12〜13nmの範囲内であり、実施例1〜4、14よりは劣るものの実用に耐え得るに十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られたが、脱型可能温度は90℃であったため、冷却時間(成形サイクル)が長くなり、生産性が劣る結果となった。
[比較例5]
繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加のGMTex50(400mm×300mm×1枚)を用いたこと以外は実施例5と同一条件にて図2に示す箱形成形品を製造し、評価を行った。結果を表10に示す。
繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加のGMTex50(400mm×300mm×1枚)を用いたこと以外は実施例5と同一条件にて図2に示す箱形成形品を製造し、評価を行った。結果を表10に示す。
表10の通り、比較例5によると、Lαは12〜13nmの範囲内であり、実施例5よりは劣るものの実用に耐え得るに十分なガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られたが、脱型可能温度は90℃であったため、冷却時間(成形サイクル)が長くなり、生産性が劣る結果となった。
[比較例6〜9]
実施例6〜9において、繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加の繊維強化スタンパブルシートGMT30、GMT40(1)、GMT40(2)又はGMT65を用いたこと以外は同一の条件で図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表11に示す。
実施例6〜9において、繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加の繊維強化スタンパブルシートGMT30、GMT40(1)、GMT40(2)又はGMT65を用いたこと以外は同一の条件で図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表11に示す。
表11の通り、比較例6〜9によると、Lαは11〜12nmの範囲内にあり、実施例6〜9よりは劣るものの実用に耐え得るガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られたが、脱型可能温度は90℃であったため、冷却時間(成形サイクル)が長くなり、生産性が劣る結果となった。
[比較例10〜13]
比較例1〜4において、加圧時の金型温度を80℃、プレス成形圧力を12MPaとしたこと以外は同一条件で図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表12に示す。
比較例1〜4において、加圧時の金型温度を80℃、プレス成形圧力を12MPaとしたこと以外は同一条件で図1に示す成形品を製造し、評価を行った。結果を表12に示す。
表12の通り、比較例10〜13によると、Lαは何れも10nm未満(9.4〜9.8nm)であり、製品形状、用途によっては実用に耐え得るガラス繊維充填率と衝撃強度を有する成形品が得られたが、脱型可能温度は90℃であったため、冷却時間(成形サイクル)が長くなり、生産性が劣る結果となった。
[比較例14]
繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加のGMTex50(400mm×300mm×1枚)を用い、プレス成形圧力を15MPaとしたこと以外は比較例10〜13と同一条件にて図2に示す箱形成形品を製造し、評価を行った。結果を表12に示す。
繊維強化スタンパブルシートとして結晶核剤無添加のGMTex50(400mm×300mm×1枚)を用い、プレス成形圧力を15MPaとしたこと以外は比較例10〜13と同一条件にて図2に示す箱形成形品を製造し、評価を行った。結果を表12に示す。
表12の通り、比較例14によると、プレス成形圧力が15MPaと高圧にも拘らず、得られた成形品は、金型内キャビティー内の末端部までは樹脂が充填されないショートショットであり、成形不良であった。このため、比較同一箇所での衝撃強度は評価できなかったが、流動末端部のポリプロピレン結晶化に係るパラメーターLα(長周期におけるα晶寄与分)を測定したところ、10nm未満であった。また、脱型可能温度は90℃であったため、生産性が劣る結果となった。
[比較例15]
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例2と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表10に示す。
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例2と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表10に示す。
表10の通り、Lαは10nm未満の9.3nmであった。また、脱型可能温度は110℃であったため、冷却時間(成形サイクル)は結晶核剤無添加系よりも短く、生産性が改善される結果となったが、フランジ部のIzod衝撃強度は700J/mと低く、ガラス繊維充填率に見合う衝撃強度を発現しなかった。
[比較例16]
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例7と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表11に示す。
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例7と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表11に示す。
表11の通り、Lαは10nm未満(5.6nm)であった。なお、脱型可能温度は110℃であったため、冷却時間(成形サイクル)は結晶核剤無添加系よりも短く、生産性が改善される結果となったが、ガラス繊維充填率に見合う衝撃強度を発現しなかった。
[比較例17]
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例11と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表12に示す。
結晶核剤をβ晶型結晶核剤とした、製造例6で製造したβ晶型結晶核剤含有繊維強化スタンパブルシートを用いたこと以外は実施例11と同一条件にて図1に示す成形品の製造及び評価を行った。結果を表12に示す。
表12の通り、Lαは10nm未満(4.5nm)であった。なお、脱型可能温度は110℃であったため、冷却時間(成形サイクル)は結晶核剤無添加系よりも短く、生産性が改善される結果となったが、ガラス繊維充填率に見合う衝撃強度を発現しなかった。
Claims (13)
- (A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含むことを特徴とする繊維強化スタンパブルシート。
- (A)結晶性熱可塑性樹脂19〜85重量%、(B)α晶型結晶核剤0.01〜1重量%、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維14〜80重量%を含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化スタンパブルシート。
- (B)α晶型結晶核剤は、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点Tmと結晶化温度Tcとの差ΔT(過冷却度)を35℃以下とするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化スタンパブルシート。
- (C)強化繊維は、ガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート。
- (C)強化繊維は、スワール状ストランドのニードルパンチ不織布及び/又はチョップドストランドのニードルパンチ不織布であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート。
- (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、
(B)α晶型結晶核剤がカルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩及びシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のスタンパブルシート。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシートを成形してなるスタンパブルシート成形品。
- (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、
前記成形品のSAXS(小角X線散乱)測定によるポリプロピレン樹脂の長周期Lにおけるα晶の寄与分を表すLαの値が10〜16nmであることを特徴とする請求項7に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品。
ただし、長周期Lにおけるα晶寄与分Lα(nm)は下記式により算出される。
Lα=L×Cα/100
Cα;結晶化度におけるα晶が占める割合(%) - 前記成形品は、平均肉厚が2mm以下であるか、若しくは、部分的に突出する凸部及び/又は部分的に厚みの異なる部分を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品。
- (A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)α晶型結晶核剤と、(C)数平均繊維長が10mm以上の強化繊維を含む繊維強化スタンパブルシートを、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+30〜60℃に予熱する予熱工程、
該予熱工程後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の融点+20℃以下の温度(加圧時金型温度)に昇温された金型に、前記繊維強化スタンパブルシートを配置し、プレス成形するプレス成形工程、及び
該プレス成形工程後、(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度未満の温度まで冷却固化させた後、脱型する冷却及び脱型工程
によって、請求項7〜9のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート成形品を製造する繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。 - 前記加圧時金型温度が(A)結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温度以上融点+20℃以下であることを特徴とする請求項10に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
- 前記加圧時金型温度における前記繊維強化スタンパブルシートの貯蔵弾性率Ep’と、(A)結晶性熱可塑性樹脂の室温(25℃)における貯蔵弾性率ER’との比Ep’/ER’が、0.2〜0.8であることを特徴とする請求項10又は11に記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
- (A)結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂を含み、
(C)強化繊維がガラス繊維を含み、
前記予熱工程の予熱温度が190〜220℃であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の繊維強化スタンパブルシート成形品の製造方法。
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