JP2018070799A - インクジェットプリンタ用水性染料インク - Google Patents
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Abstract
【課題】従来から使用されている安価な染料を用いて、耐光性、耐オゾン性および保存安定性に優れるインクジェットプリンタ用水性染料インクを提供すること。【解決手段】染料、保湿剤および水を含有し、さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有する、インクジェットプリンタ用水性染料インク。【選択図】 なし
Description
本発明は、染料、保湿剤および水を含有するインクジェットプリンタ用水性染料インクに関する。
インクジェットプリンタは、簡単な記録方式で高精細な画像を印字できることから、非常に手軽に高画質の画像が得られる。そのため、写真やグラフィック、オフィスでの文書等の小さな画像の出力に、あるいは、A0版のポスターやサインボード等の大きな画像の出力に用いられている。特に、近年耐候性や発色性の改良された水性染料インクは、急速に普及している。
従来からの染料には、シアン色としてフタロシアニン系、アントラキノン系およびトリフェニルメタン系などがある。その中でも色相と光堅牢性に優れた染料としてフタロシアニン化合物が使用されているが、酸化性ガス、特にオゾンに対しては充分な堅牢性を有していないので改良が望まれている。
現在一般に広く用いられているダイレクトブルー87又はダイレクトブルー199に代表され、また特許文献1等にも記載があるフタロシアニン染料は、マゼンタやイエローに比べ耐光性に優れるという特徴があるものの、オゾン等の酸化性ガスによって退色しやすく、印字濃度が大きく低下しやすいことが大きな問題となっている。したがって、特許文献1には、特に良好な色相を有し、光堅牢性および環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)堅牢性に優れ、高い溶解性を有した色素およびインク組成物として、α位置換型フタロシアニンとβ位置換型フタロシアニンとを混合して用いることが記載されている。
また、耐オゾンガス性の向上のためジアゾ化を繰り返したポリアゾ系の黒色染料が特許文献2に記載されている。
しかし、これら新規に合成された染料は、開発に多大な時間とコストをかけているため、また、合成反応が複雑なために、非常に高価であり、インクジェットプリンタ用インクのコストを高めている。
したがって、安価な従来からある染料を使用して、耐光性や耐オゾン性に優れ、保存安定性にも優れるインクジェットプリンタ用インクを提供できれば、インクのコストを抑えられる。
また、特許文献1および2には、一般的にハイドロキノン等の退色防止剤を用いることも記載されている。しかし、ハイドロキノン等の退色防止剤を使用した場合に、インクの保存安定性が不十分となって、インクのpHが徐々に下がり、吐出不良を起こすほか、インクの色相が変化するという問題が生じることがあった。
本発明は、上記のような事情に照らして、従来から使用されている安価な染料を用いて、耐光性、耐オゾン性および保存安定性に優れるインクジェットプリンタ用水性染料インクを提供することを目的としている。
本発明者は、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、染料、保湿剤および水を含有するインクジェットプリンタ用水性染料インク(以下、水性染料インクまたはインクと略記することがある。)において、さらに、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有させることにより、高価な染料を使わず従来からの染料を使用して、耐光性、耐オゾン性および保存安定性を良好に保持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)染料、保湿剤および水を含有し、
さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有する、インクジェットプリンタ用水性染料インク。
(1)染料、保湿剤および水を含有し、
さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有する、インクジェットプリンタ用水性染料インク。
(2)ヒドロキシル基を有する芳香族化合物が、ヒドロキシル基を有する単環式化合物である、(1)に記載の水性染料インク。
(3)有機酸が、カルボキシル基を有する脂肪族化合物、カルボキシル基を有する芳香族化合物、またはそれらの混合物である、(1)または(2)に記載の水性染料インク。
(4)有機酸が、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、プロピオン酸、シュウ酸、テレフタル酸およびリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、(1)または(2)に記載の水性染料インク。
(5)アルカリ化合物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエチルイミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、(1)〜(4)のいずれかに記載の水性染料インク。
(6)保湿剤としてグリコールエーテル系溶剤を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の水性染料インク。
(7)グリコールエーテル系溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエテール、またはそれらの混合物である、(6)に記載の水性染料インク。
(8)pH5以上である、(1)〜(7)のいずれかに記載の水性染料インク。
本発明では、染料、保湿剤および水を含有するインクジェットプリンタ用水性染料インクにおいて、さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有することにより、従来からの水性染料インクで問題とされていたコストを低下させ、耐光性、耐オゾン性および保存安定性に優れたインクジェットプリンタ用水性染料インクの提供を可能とした。
本発明の実施形態において、水性染料インクは、染料、保湿剤および水を含有し、さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有する。これにより、耐光性、耐オゾン性および保存安定性に優れた水性染料インクの提供を可能とする。とりわけ、有機酸とアルカリ化合物とを併用することで、保存安定性の低下を抑制できる。
(ヒドロキシル基を有する芳香族化合物)
本発明の実施形態において、水性染料インクはヒドロキシル基を有する芳香族化合物を含有する。本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物を用いることにより、耐光性および耐オゾン性を向上できる。芳香族化合物とは、不飽和結合を含む環状構造体を有する有機化合物である。
本発明の実施形態において、水性染料インクはヒドロキシル基を有する芳香族化合物を含有する。本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物を用いることにより、耐光性および耐オゾン性を向上できる。芳香族化合物とは、不飽和結合を含む環状構造体を有する有機化合物である。
本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物は、好ましくは環状構造体を1以上有し、より好ましくは環状構造体を1つ有する単環式化合物である。本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物における環状構造体は、好ましくは芳香族炭化水素であり、より好ましくはベンゼン系芳香族化合物である。
また、本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物におけるヒドロキシル基とは、−OHで表される1価の官能基である。本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物は、ヒドロキシル基を1以上有し、好ましくは、環状構造体に直接結合されたヒドロキシル基を1以上有し、より好ましく環状構造体に直接結合されたヒドロキシル基を1〜3有する。
本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物は、好ましくは水溶性である。本発明の実施形態において、水溶性とは、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物を、本発明の実施形態の水性染料インク100重量部あたり後述する含有量で水に溶解できることをいう。
本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物は、さらに、ヒドロキシル基以外の他の官能基を有してもよい。他の官能基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物は、好ましくはヒドロキシル基を有する単環式化合物であり、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、メトキノン、ピロガロール、フロログルシノール、ピクリン酸およびサリチル酸等が挙げられる。より好ましくは、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノンおよびメトキノンであり、特に好ましくはハイドロキノンおよびメチルハイドロキノンである。これらは単独でも使用できるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の実施形態において、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物の含有量は、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.2〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.3〜3.5重量部の範囲である。
(有機酸)
本発明の実施形態において、水性染料インクは有機酸を含有する。有機酸とは、有機化合物の酸である。
本発明の実施形態において、水性染料インクは有機酸を含有する。有機酸とは、有機化合物の酸である。
本発明の実施形態において、有機酸は、特に限定されないが、好ましくはカルボキシル基、リン酸基およびスルホン基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有し、より好ましくはカルボキシル基を有する。
また、本発明の実施形態において、有機酸は、特に限定されないが、好ましくは炭素数15以下の化合物であり、より好ましくは炭素数10以下の化合物であり、特に好ましくは炭素数7以下の化合物である。
本発明の実施形態において、有機酸は、好ましくは脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、またはこれらの混合物である。より好ましくは、有機酸は、カルボキシル基を有する脂肪族化合物、カルボキシル基を有する芳香族化合物、またはこれらの混合物である。例えば、カルボキシル基を有する脂肪族化合物として、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、ギ酸、コハク酸、酪酸、酒石酸、クロトン酸、フマル酸および吉草酸等を用いることができ、カルボキシル基を有する芳香族化合物として、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸およびテレフタル酸等を用いることができる。さら好ましくは、有機酸は、カルボキシル基を有する脂肪族化合物である。臭気やインクの粘度、インクの保存安定性等の観点から、特に好ましくは、有機酸は、脂肪族炭化水素系の酸であり、例えば、プロピオン酸、アジピン酸、乳酸およびシュウ酸等である。これらの有機酸は単独でも使用できるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の実施形態において、有機酸の含有量は、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.1〜5.0重量部の範囲であり、より好ましくは0.3〜3重量部の範囲である。
(アルカリ化合物)
本発明の実施形態において、水性染料インクはアルカリ化合物を含有する。アルカリ化合物とは、その水溶液のpHが7より大きい塩基性を示す物質であり、具体的にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属等の水酸化物、またはアンモニアおよびアミン等が挙げられる。
本発明の実施形態において、水性染料インクはアルカリ化合物を含有する。アルカリ化合物とは、その水溶液のpHが7より大きい塩基性を示す物質であり、具体的にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属等の水酸化物、またはアンモニアおよびアミン等が挙げられる。
本発明の実施形態において、アルカリ化合物は、特に限定されないが、好ましくは、1価のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミンおよびこれらの混合物である。より好ましくは、アルカリ化合物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等の1価のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、またはジエチルイミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミンおよびジメチルアミノエタノール等の有機アミンである。これらの中で、アンモニア、トリエチルアミンおよびエタノールアミン等の弱塩基が、インクの保存安定性を向上させる観点から特に好ましい。これらは単独でも使用できるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の実施形態において、アルカリ化合物の含有量は、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.1〜5.0重量部の範囲であり、より好ましくは0.1〜3.0重量部の範囲である。
本発明の実施形態において、有機酸およびアルカリ化合物は、インク中で造塩し塩化合物、例えば4級アンモニウム塩になる他、有機酸イオンまたはアルカリイオンとなって、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物におけるヒドロキシル基のかい離を進めることなく、インクのpHを安定に保つことができる。
本発明の実施形態において、水性染料インクのpHは、好ましくは5以上であり、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは7以上である。
(染料)
本発明の実施形態において、水性染料インクは染料を含有する。本発明の実施形態において、染料としては、特に限定されないが、カラーインデックス(以下、C.I.と略記する。)に記載されている染料を用いることができる。染料は、好ましくは水溶性であり、より好ましくは、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラアゾ系および銅フタロシアニン系の染料である。同一インク中にこれらの色材のうちの1種または2種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明の実施形態において、水性染料インクは染料を含有する。本発明の実施形態において、染料としては、特に限定されないが、カラーインデックス(以下、C.I.と略記する。)に記載されている染料を用いることができる。染料は、好ましくは水溶性であり、より好ましくは、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラアゾ系および銅フタロシアニン系の染料である。同一インク中にこれらの色材のうちの1種または2種以上を組み合せて使用することもできる。
上記染料として例えば、ブラックインクに使用する染料として、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112および118;C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154および168;C.I.ベーシックブラック2;C.I.フードブラック1および2;等を好ましく使用できる。イエローインクに使用できる染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、27、28、33、39、58、86、98、100、132、142および169;C.I.アシッドイエロー3、11、17、19、23、25、29、38、42、49、59、61、71および72;C.I.ベーシックイエロー40;C.I.リアクティブイエロー2;等が挙げられる。マゼンタインクに使用する染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド4、17、28、37、63、75、79、80、81、83および254;C.I.アシッドレッド1、6、8、18、32、35、37、42、52、85、88、115、133、134、154、186、249、289および407;C.I.ベーシックレッド9、12および13;C.I.リアクティブレッド4、23、24、31および56;等が挙げられる。シアンインクに使用する染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー1、6、8、15、22、25、71、76、80、86、87、90、106、108、123、163、165、199および226;C.I.アシッドブルー9、22、29、40、59、62、93、102、104、112、113、117、120、167、175、183、229および234;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28および29;C.I.リアクティブブルー7、13および49;等が挙げられる。
上記染料は必ずしも同色の染料で同色のインクを調製する必要はなく、例えばマゼンタインクを調製する上でブルー染料やイエロー染料を使用して色相を調整してもかまわない。
本発明の実施形態において、染料の含有量は、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.1〜10.0重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜5.0重量部の範囲である。
(保湿剤)
本発明の実施形態において、水性染料インクは保湿剤を含む。保湿剤は、好ましくは水より低い蒸気圧を有する。本発明の実施形態において、水性染料インクに保湿剤を含有させることで、乾燥を抑制し、また、乾燥後にインクを溶剤に再分散させる際に良好な再分散性を達成できる。
本発明の実施形態において、水性染料インクは保湿剤を含む。保湿剤は、好ましくは水より低い蒸気圧を有する。本発明の実施形態において、水性染料インクに保湿剤を含有させることで、乾燥を抑制し、また、乾燥後にインクを溶剤に再分散させる際に良好な再分散性を達成できる。
本発明の実施形態において、保湿剤の含有量は、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは1〜45重量部の範囲であり、より好ましくは2〜40重量部の範囲である。保湿剤の含有量が1重量部よりも小さいと、印字ヘッドが目詰まりしやすくなる。一方、保湿剤の含有量が45重量部を越えると、インクの紙への浸透性が高くなり印字濃度が低下し、あるいは高粘度になる。本発明の実施形態では、印字濃度を向上させる観点から、保湿剤の配合量を上記範囲においてできるだけ少なくすることがより好ましい。
本発明の実施形態において、保湿剤は、特に限定されないが、好ましくは多価アルコール系溶剤、グリコール系溶剤およびグリコールエーテル系溶剤である。例えば、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤を挙げることができる。その他にも、保湿剤としては、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1−ブタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、トリメチロールエタン等を用いることができる。これらの中で、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物以外が好ましく、ヒドロキシル基を有する単環式化合物以外がより好ましく、エチレングリコールモノフェニルエーテルおよびフルフリルアルコール以外がさらに好ましい。これらは単独でも使用できるが、2種類以上を混合して使用することもできる。
これらの中でも、保湿剤は、好ましくはグリコールエーテル系溶剤を含み、インクの発色性を向上させる観点から、より好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、またはこれらの混合物を含む。
本発明の実施形態において、インクジェットプリンタ用水性染料インクには、他に、界面活性剤、印字ヘッドの目詰まり防止剤、インクの消泡剤、殺菌剤、防黴剤、印字への耐水性付与剤等のインクジェットプリンタ用インクで従来から用いられている各種添加剤を添加することもできる。
(消泡剤、殺菌剤、防黴剤等)
本発明の実施形態において、上記消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸系やアルキル硫酸エステル系などの陰イオン界面活性剤、脂肪酸塩系や4級アンモニウム塩系などの陽イオン界面活性剤、アルキルベタインやアミンオキサイドなどの両性界面活性剤、ソルビタン酸エステル系等の脂肪酸エステルやポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、あるいは、シリコーンオイルとして用いられるメチルポリシロキサン共重合体などの有機シリコーン系非イオン性界面活性剤などを用いることができる。また、防黴剤、殺菌剤としては、例えば、安息香酸塩、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩などを用いることができる。
本発明の実施形態において、上記消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸系やアルキル硫酸エステル系などの陰イオン界面活性剤、脂肪酸塩系や4級アンモニウム塩系などの陽イオン界面活性剤、アルキルベタインやアミンオキサイドなどの両性界面活性剤、ソルビタン酸エステル系等の脂肪酸エステルやポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、あるいは、シリコーンオイルとして用いられるメチルポリシロキサン共重合体などの有機シリコーン系非イオン性界面活性剤などを用いることができる。また、防黴剤、殺菌剤としては、例えば、安息香酸塩、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩などを用いることができる。
(界面活性剤)
さらに、本発明の実施形態において、印字した文字の濃さや深さなどの印字品質にばらつきがないといった印字安定性を向上する観点から、インクジェットプリンタ用水性染料インクに界面活性剤を添加することが好ましい。とりわけ、サーマルタイプのインクジェットプリンタにおいて、ヒータで加熱したときにバブルを安定に発生させることができる。
さらに、本発明の実施形態において、印字した文字の濃さや深さなどの印字品質にばらつきがないといった印字安定性を向上する観点から、インクジェットプリンタ用水性染料インクに界面活性剤を添加することが好ましい。とりわけ、サーマルタイプのインクジェットプリンタにおいて、ヒータで加熱したときにバブルを安定に発生させることができる。
本発明の実施形態において、界面活性剤の含有量は、印字安定性の観点から、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
本発明の実施形態において、印字安定性を考慮すると、界面活性剤は、好ましくは水溶性のイオン性界面活性剤またはHLB価12以上の非イオン性界面活性剤である。このような界面活性剤としては、水に溶解するか又はHLB価が12以上であれば特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。これらの中で特に好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤である。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ソーダせっけん、オレイン酸カリせっけんや半硬化牛脂脂肪酸ソーダせっけん等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンや高級アルコール硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキル燐酸カリウム等のアルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムやポリオキシエチレンアルキル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテートやステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドやアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、ラウリルベタインやステアリルベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド等が挙げられる。
HLB価12以上の非イオン性界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルやポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルやポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートやポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。吐出安定性を考慮すると、アセチレングリコール系の界面活性剤が特に好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、日信化学工業社製のサーフィノールシリーズや川研ファインケミカル社製のアセチレノールシリーズが好ましい。中でも、浸透性を制御する観点から、POE(ポリオキシエチレン)を4モル〜10モル付加させたものが好ましい。
本発明の実施形態において、上記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、印字安定性やインクの浸透性の観点から、水性染料インク100重量部あたり、好ましくは0.01〜2重量部の範囲であり、より好ましくは0.05〜1重量部の範囲である。
(水)
本発明の実施形態において、水性染料インクは上記成分を含有し、その残部として水を含有する。本発明の実施形態においては、水性染料インクの粘度および表面張力等が好ましい範囲となるように、水の含有量を調整することができる。
本発明の実施形態において、水性染料インクは上記成分を含有し、その残部として水を含有する。本発明の実施形態においては、水性染料インクの粘度および表面張力等が好ましい範囲となるように、水の含有量を調整することができる。
本発明の実施形態において、水性染料インクの粘度は、E型粘度計で、液温20℃の条件で、好ましくは1.5〜20mPa・sの範囲である。
本発明の実施形態において、水性染料インクの表面張力は、Wilhelmy法による表面張力計で、液温20℃の条件で、好ましくは22〜40mN/mの範囲である。
(製造方法)
本発明の実施形態において、インクジェットプリンタ用水性染料インクは、上記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は、所望により、夾雑物を除く為にガラスフィルターまたはメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。
本発明の実施形態において、インクジェットプリンタ用水性染料インクは、上記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は、所望により、夾雑物を除く為にガラスフィルターまたはメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。
(用途)
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ用水性染料インクに関して、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。例えば、特開平08−109343号公報および米国特許第4,255,754号明細書等に記載されているプリンタで使用し、印字することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ用水性染料インクに関して、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。例えば、特開平08−109343号公報および米国特許第4,255,754号明細書等に記載されているプリンタで使用し、印字することができる。
以下、本発明の実施例を記載して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは特に断りがない限り重量部を意味する。
200ccのビーカーに、「C.I. ダイレクトレッド141」3.8部、「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」3部、「ジエチレングリコール」7部、「グリセリン」17部、「リンゴ酸」1.86部、「ハイドロキノン」1.5部、「28%アンモニア水溶液」2.00部、「サーフィノール465(日信化学社製)」0.6部、「プロクセルGXL(ロンザ社製)」0.1部、「イオン交換水」63.14部を計り取り、攪拌機により30分間分散し、孔径0.1μmのガラスフィルターを用いて、吸引ろ過を行い、マゼンタ色の水性染料インクAを調製した。
実施例1中の「ハイドロキノン」、「リンゴ酸」および「28%アンモニア水」を「イオン交換水」に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性染料インクBを調製した。
実施例1中の「リンゴ酸」および「28%アンモニア水」を「イオン交換水」に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性染料インクCを調製した。
実施例1中の「ハイドロキノン」を1.5部から0.4部に減らして「イオン交換水」を64.24部に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性染料インクDを調製した。
200ccのビーカーに、「C.I. ダイレクトブルー199」3.78部、「ジエチレングリコールモノブチルエーテル」2部、「ジエチレングリコール」8.5部、「グリセリン」20部、「シュウ酸」2.8部、「メトキノン」1部、「水酸化カリウム」2.2部、「サーフィノール465(日信化学社製)」0.6部、「プロクセルGXL(ロンザ社製)」0.1部、「イオン交換水」59.02部を計り取り、攪拌機により30分間分散し、孔径0.1μmのPESフィルターを用いて、吸引ろ過を行い、シアン色の水性染料インクEを調製した。
実施例3中の「シュウ酸」を「イオン交換水」に代えた以外は、実施例3と同様にして、水性染料インクFを調製した。
実施例3中の「シュウ酸」2.8部を「リンゴ酸」2.8部に、「水酸化カリウム」1.7部、「メトキノン」1.0部を「ハイドロキノン」3.1部、「イオン交換水」52.02部に代えた以外は、実施例3と同様にして、水性染料インクGを調製した。
200ccのビーカーに、「C.I.アシッドイエロー23」2.5部、「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」3部、「ジエチレングリコール」9部、「グリセリン」20部、「テレフタル酸」2部、「メチルハイドロキノン」2部、「エタノールアミン」2.6部、「サーフィノール465(日信化学社製)」0.6部、「プロクセルGXL(ロンザ社製)」0.1部、「イオン交換水」58.2部を計り取り、攪拌機により30分間分散し、孔径0.1μmのPESフィルターを用いて、吸引ろ過を行い、イエロー色の水性染料インクHを調製した。
実施例5中の「C.I.アシッドイエロー23」を5部に増やし、「テレフタル酸」、「メチルハイドロキノン」および「エタノールアミン」」を「イオン交換水」に代えた以外は、実施例5と同様にして、水性染料インクIを調製した。
上記の実施例1〜5および比較例1〜4の水性染料インクA〜Iについて、表1にインク組成を示した。また、下記の方法により、保存試験前後の粘度、pH、表面張力、色差(ΔE)を測定した。保存試験では、ガラス瓶にインクを詰め密閉し60℃の恒温槽に1か月保管した。表2にインクの保存試験前後物性を示した。
<粘度>
E型粘度計(東機産業社製)により、ローター回転数100rpm、20℃の条件により、粘度を測定した。
E型粘度計(東機産業社製)により、ローター回転数100rpm、20℃の条件により、粘度を測定した。
<表面張力>
Wilhelmy法による表面張力計を使用して、液温20℃の条件で測定した。
Wilhelmy法による表面張力計を使用して、液温20℃の条件で測定した。
<pH>
pHメーターを使用して、液温20℃の条件で測定した。
pHメーターを使用して、液温20℃の条件で測定した。
<保存前後の色差>
保存試験前後のインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。展色後のペーパーを測色し、色差(ΔE)を測定した。
保存試験前後のインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。展色後のペーパーを測色し、色差(ΔE)を測定した。
上記表2の結果から、実施例および比較例の保存試験前の水性染料インクは、インクジェットプリンタ用インクとしての十分な諸物性を示すことがわかる。
しかし、比較例2のインクは、保存試験後のpHが酸性側に大きく下がってインクの保存安定性に劣り、インクジェットプリンタ用インクとしては使用できないことが分かった。また、比較例3のインクは、保存前後の色相が大きく変化しており、インクジェットプリンタ用インクとしては使用できないことが分かった。
しかし、比較例2のインクは、保存試験後のpHが酸性側に大きく下がってインクの保存安定性に劣り、インクジェットプリンタ用インクとしては使用できないことが分かった。また、比較例3のインクは、保存前後の色相が大きく変化しており、インクジェットプリンタ用インクとしては使用できないことが分かった。
つぎに、上記の実施例および比較例の水性染料インクA〜Iついて、下記の方法により、耐光性の試験前後、および耐オゾン性の試験前後の色差(ΔE)を測定した。これらの結果は、表3のとおりであった。
<耐光性>
実施例および比較例で調製したインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。このペーパーをフェードメータ(アトラス社SUNSETCPS+、UV光カットガラスを使用)にて、200時間耐光性試験を行った。試験前後のペーパーの色差(ΔE)を測定した。
実施例および比較例で調製したインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。このペーパーをフェードメータ(アトラス社SUNSETCPS+、UV光カットガラスを使用)にて、200時間耐光性試験を行った。試験前後のペーパーの色差(ΔE)を測定した。
<耐オゾン性>
実施例および比較例で調製したインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。このペーパーをW60cm×D20cm×H25cmのサイズの水槽に入れ、オゾン発生器(快適マイエアー OZ−2i)を使い浴槽内にオゾンを発生させ、試験を行った。試験前と2時間試験後のペーパーの色差(ΔE)を測定した。
実施例および比較例で調製したインクを、バーコーターNo.4を用いて、エプソン写真光沢紙に展色した。このペーパーをW60cm×D20cm×H25cmのサイズの水槽に入れ、オゾン発生器(快適マイエアー OZ−2i)を使い浴槽内にオゾンを発生させ、試験を行った。試験前と2時間試験後のペーパーの色差(ΔE)を測定した。
上記表3の結果から明らかなように、実施例1〜5の水性染料インクA、D、E、G、Hは、すぐれた耐光性、耐オゾン性を示した。
表3において、実施例1のインクAと有機酸およびアルカリ化合物を使用しない比較例2のインクCとを比較すると、耐光性および耐オゾン性にほとんど優劣はない。一方、さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物を使用しない比較例1のインクBでは、耐光性および耐オゾン性に劣る。すなわち、インクがヒドロキシル基を有する芳香族化合物を含有することにより、耐光性および耐オゾン性を向上できることが示された。これは、実施例5のインクHと比較して、比較例4のインクIでは耐光性および耐オゾン性に劣ることからも明らかである。
また、実施例2のインクDにおいては、ヒドロキシル基を有する芳香族化合物であるハイドロキノンの量が0.4重量部とわずかであるにもかかわらず、明らかに耐光性および耐オゾン性が改良されていることが分かる。
Claims (8)
- 染料、保湿剤および水を含有し、
さらにヒドロキシル基を有する芳香族化合物、有機酸およびアルカリ化合物を含有する、インクジェットプリンタ用水性染料インク。 - ヒドロキシル基を有する芳香族化合物が、ヒドロキシル基を有する単環式化合物である、請求項1に記載の水性染料インク。
- 有機酸が、カルボキシル基を有する脂肪族化合物、カルボキシル基を有する芳香族化合物、またはそれらの混合物である、請求項1または2に記載の水性染料インク。
- 有機酸が、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、プロピオン酸、シュウ酸、テレフタル酸およびリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1または2に記載の水性染料インク。
- アルカリ化合物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエチルイミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の水性染料インク。
- 保湿剤としてグリコールエーテル系溶剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水性染料インク。
- グリコールエーテル系溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエテール、またはそれらの混合物である、請求項6に記載の水性染料インク。
- pH5以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の水性染料インク。
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JP2016213585A JP2018070799A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | インクジェットプリンタ用水性染料インク |
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