JP2018069960A - 電動車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回生制御中のベルト弦振動の発生を抑えることができる電動車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】モータジェネレータ3と前輪6との間に配され、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との間に掛け渡されるプーリベルト50を備えたベルト式無段変速機CVTと、前輪6から入力されるトルクを回生可能なモータジェネレータ3と、プーリベルト50に発生する弦振動を抑制する統合コントローラ14と、を備えている。ここで、プーリベルト50の弦振動周波数は、モータジェネレータ3の回生制御中、ベルト推力及びモータジェネレータ3の回生量に応じて変化する。そして、統合コントローラ14は、回生制御中に弦振動発生条件が成立するとき、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、モータジェネレータ3の回生量を制限する構成とした。
【選択図】図6
【解決手段】モータジェネレータ3と前輪6との間に配され、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との間に掛け渡されるプーリベルト50を備えたベルト式無段変速機CVTと、前輪6から入力されるトルクを回生可能なモータジェネレータ3と、プーリベルト50に発生する弦振動を抑制する統合コントローラ14と、を備えている。ここで、プーリベルト50の弦振動周波数は、モータジェネレータ3の回生制御中、ベルト推力及びモータジェネレータ3の回生量に応じて変化する。そして、統合コントローラ14は、回生制御中に弦振動発生条件が成立するとき、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、モータジェネレータ3の回生量を制限する構成とした。
【選択図】図6
Description
本発明は、電動車両の制御装置に関するものである。
従来、バリエータにおけるベルトの弦振動に伴う振動が発生する場合、ベルトに加わる推力を増大させることで、弦振動の発生を低減させる電動車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ベルトの弦振動を低減するためにベルトに加わる推力を増大するには、バリエータへの供給油圧を増大させる必要がある。一方、ジェネレータを回生して燃費の向上を図る電動車両では、回生制御時、バリエータへの入力トルクが回生トルク分増大するので、バリエータへの供給油圧を増大してベルトに加わる推力を高める必要がある。そして、このような電動車両に上記従来技術を適用することを考えると、回生制御中にベルトの弦振動が発生する場合では、回生制御に必要な供給油圧の増大に加えて、振動低減に必要な供給油圧の増大を図る必要がある。
これに対し、バリエータへの供給油圧は、この供給油圧を発生するオイルポンプを駆動する走行用駆動源の回転速度が大きいほど高くなるため、オイルポンプの油量収支は、走行用駆動源の回転速度に依存する。したがって、走行用駆動源の回転数が低い低速状態では、オイルポンプの油量収支が低く、得ることができるバリエータへの供給油圧も低くなる。
つまり、ジェネレータによる回生制御中にベルトの弦振動が発生すれば、供給油圧の増大を図らなければならないが、走行用駆動源の回転数が低い低速状態では油圧源からの供給油圧が低く、必要油圧を確保できないおそれがある。その結果、弦振動を十分に抑えることができず、運転者に違和感を与えるという問題が生じる。
本発明は、回生制御中のベルト弦振動の発生を抑えることができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の制御装置は、走行用駆動源と駆動輪との間に配され、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に掛け渡される動力伝達部材を備えたバリエータと、駆動輪から入力されるトルクを回生可能なジェネレータと、動力伝達部材に発生する弦振動を抑制する共振抑制手段と、を備えている。
ここで、動力伝達部材の弦振動周波数は、ジェネレータの回生制御中、動力伝達部材に加わる推力及びジェネレータの回生量に応じて変化する。
そして、共振抑制手段は、ジェネレータの回生制御中に動力伝達部材の弦振動が発生する条件が成立するとき、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、ジェネレータの回生量を制限する。
ここで、動力伝達部材の弦振動周波数は、ジェネレータの回生制御中、動力伝達部材に加わる推力及びジェネレータの回生量に応じて変化する。
そして、共振抑制手段は、ジェネレータの回生制御中に動力伝達部材の弦振動が発生する条件が成立するとき、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、ジェネレータの回生量を制限する。
本発明の電動車両の制御装置では、動力伝達部材に加わる推力を増大することなく、動力伝達部材の弦振動周波数を所定の弦振動発生域から外れる値にすることができる。この結果、油圧源の油量収支が低いときであっても、回生制御中のベルト弦振動の発生を抑えることができる。
以下、本発明の電動車両の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1における制御装置は、1モータ・2クラッチによるパラレルハイブリッド駆動系を持ち、変速機をベルト式無段変速機とする前輪駆動ベースの四輪駆動ハイブリッド車両(電動車両)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「ベルト式無段変速機の制御構成」、「振動対策制御処理構成」に分けて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における制御装置は、1モータ・2クラッチによるパラレルハイブリッド駆動系を持ち、変速機をベルト式無段変速機とする前輪駆動ベースの四輪駆動ハイブリッド車両(電動車両)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「ベルト式無段変速機の制御構成」、「振動対策制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す。以下、図1に基づいて、実施例1の全体システム構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す。以下、図1に基づいて、実施例1の全体システム構成を説明する。
実施例1の前輪駆動ベースの四輪駆動ハイブリッド車両(以下、「ハイブリッド車両」という)の駆動系は、図1に示すように、エンジン1(Eng)と、第1クラッチ2(CL1)と、モータジェネレータ3(MG)と、第2クラッチ4(CL2)と、ベルト式無段変速機CVTと、フロントファイナルドライブ5と、左右の前輪6,6(駆動輪)と、トランスファT/Fと、リヤファイナルドライブ7と、左右の後輪8,8と、を備えている。
実施例1のハイブリッド車両は、この1モータ・2クラッチによるパラレルハイブリッド駆動系により、運転モードとして、電気自動車モード(「EVモード」)や、ハイブリッド車モード(「HEVモード」)などを有する。
実施例1のハイブリッド車両は、この1モータ・2クラッチによるパラレルハイブリッド駆動系により、運転モードとして、電気自動車モード(「EVモード」)や、ハイブリッド車モード(「HEVモード」)などを有する。
「EVモード」は、第1クラッチ2を解放状態とし、モータジェネレータ3のみを駆動源として駆動輪を動かして走行するモードである。
「HEVモード」は、第1クラッチ2を締結状態とし、モータアシストモード・エンジンモード・回生モードの何れかにより走行するモードである。
なお、「モータアシストモード」では、エンジン1とモータジェネレータ3の二つを動力源として駆動輪を動かす。「エンジンモード」では、エンジン1のみを動力源として駆動輪を動かす。
さらに「回生モード」では、モータジェネレータ3をジェネレータとして機能させ、駆動輪から入力されるトルクによって発電することで車両運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリ12への充電により回収する。この「回生モード」では、モータジェネレータ3の出力トルクが負の値(回生トルク)となる。また、「回生モード」は、ブレーキ制動時やアクセル足離し減速時などにおいて設定される。
なお、「モータアシストモード」では、エンジン1とモータジェネレータ3の二つを動力源として駆動輪を動かす。「エンジンモード」では、エンジン1のみを動力源として駆動輪を動かす。
さらに「回生モード」では、モータジェネレータ3をジェネレータとして機能させ、駆動輪から入力されるトルクによって発電することで車両運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリ12への充電により回収する。この「回生モード」では、モータジェネレータ3の出力トルクが負の値(回生トルク)となる。また、「回生モード」は、ブレーキ制動時やアクセル足離し減速時などにおいて設定される。
第1クラッチ2は、エンジン1とモータジェネレータ3との間の位置に介装配置され、エンジン1とモータジェネレータ3との間の回転を断続する。この第1クラッチ2としては、例えば、油圧により締結されるノーマルオープンの乾式多板クラッチなどが用いられる。この第1クラッチ2は、「EVモード」から「HEVモード」へのモード遷移要求があったとき、解放状態から締結容量を増し、モータジェネレータ3をスタータモータとしてエンジン1をクランキング始動する。また、「回生モード」のときには締結状態にされ、モータ回転数がエンジンアイドル回転数を下回ったら解放される。
モータジェネレータ3は、三相交流同期モータ構造であり、インバータ13から出力される電力により駆動して、走行用駆動源として機能する。また、このモータジェネレータ3は、駆動輪(前輪6,6)から入力されるトルクによって減速エネルギーを回生するジェネレータとしても機能する。
第2クラッチ4は、ベルト式無段変速機CVTの上流側に設けられた前後進切換機構に有するノーマルオープンの前進クラッチ(湿式多板油圧クラッチ)や後退ブレーキ(湿式多板油圧ブレーキ)を流用している。また、この第2クラッチ4は、「回生モード」時においてスリップ締結状態になる。
ベルト式無段変速機CVTは、プライマリプーリ30と、セカンダリプーリ40と、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との間に架け渡されたプーリベルト50(動力伝達部材)と、を有するバリエータである。なお、ベルト式無段変速機CVTの詳細構成については後述する(図2参照)。
エンジン1又はモータジェネレータ3からの駆動力は、ベルト式無段変速機CVTからフロントファイナルドライブ5を介して左右の前輪6,6へと常に伝達される。つまり、左右の前輪6,6は主駆動輪となる。また、左右の後輪8,8へは、トランスファT/F及びリヤファイナルドライブ7を介して駆動力の伝達が可能となっている。
トランスファT/Fは、主駆動輪である左右の前輪6,6とは異なる車輪である左右の後輪8,8に対し、ベルト式無段変速機CVTからの出力の伝達状態と非伝達状態とを切り替え可能な動力分配機構であり、動力分配部9と、プロペラシャフト10と、電子制御カップリング11と、を有している。
動力分配部9は、フロントファイナルドライブ5の前輪デファレンシャルギヤに噛み合うギヤ機構であり、前輪デファレンシャルギヤの下流側から後輪8,8への駆動力を取り出す。プロペラシャフト10は、一端が動力分配部9に接続し、他端が電子制御カップリング11に接続している。電子制御カップリング11は、リヤファイナルドライブ7の上流側に設けられ、締結時には、動力分配部9及びプロペラシャフト10に伝達された駆動力(ベルト式無段変速機CVTの出力)をリヤファイナルドライブ7に伝達し、四輪駆動状態にする。また、電子制御カップリング11が解放したときには、動力分配部9及びプロペラシャフト10に伝達された駆動力(ベルト式無段変速機CVTの出力)のリヤファイナルドライブ7への伝達が遮断され、二輪駆動状態になる。
動力分配部9は、フロントファイナルドライブ5の前輪デファレンシャルギヤに噛み合うギヤ機構であり、前輪デファレンシャルギヤの下流側から後輪8,8への駆動力を取り出す。プロペラシャフト10は、一端が動力分配部9に接続し、他端が電子制御カップリング11に接続している。電子制御カップリング11は、リヤファイナルドライブ7の上流側に設けられ、締結時には、動力分配部9及びプロペラシャフト10に伝達された駆動力(ベルト式無段変速機CVTの出力)をリヤファイナルドライブ7に伝達し、四輪駆動状態にする。また、電子制御カップリング11が解放したときには、動力分配部9及びプロペラシャフト10に伝達された駆動力(ベルト式無段変速機CVTの出力)のリヤファイナルドライブ7への伝達が遮断され、二輪駆動状態になる。
ここで、左右の後輪8,8へ伝達される駆動力の配分は、電子制御カップリング11に内蔵された4WDソレノイドに流れる指令電流によって決まる。すなわち、電子制御カップリング11では、4WDソレノイドに指令電流が流れることによってコントロールクラッチが締結され、コントロールクラッチにトルクが発生する。このコントロールクラッチに発生したトルクに応じてカムが作用し、メインクラッチを押し付ける。そして、メインクラッチの押付力に応じた駆動力が後輪8,8に伝達される。
ハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、統合コントローラ14と、CVTコントローラ15と、クラッチコントローラ16と、エンジンコントローラ17と、モータコントローラ18と、バッテリコントローラ19と、4WDコントローラ20と、を備えている。
統合コントローラ14は、全体エネルギーを統合的に管理するコントローラであり、車速VSPとアクセル開度APOから目標駆動力を演算し、バッテリ充電容量SOCや作動油温などから運転モードを選択する。そして、その結果に基づき、各アクチュエータ(エンジン1、第1クラッチ2、モータジェネレータ3、第2クラッチ4、ベルト式無段変速機CVT、電子制御カップリング11)に対する指令を演算し、CAN通信線Cを介して各コントローラ15,16,17,18,19,20へと送信する。
さらに、この統合コントローラ14では、モータジェネレータ3の回生制御中にプーリベルト50の弦振動が発生する条件が成立するとき、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50に加わる推力(以下、「ベルト推力」という)及びモータジェネレータ3の回生量を制御し、プーリベルト50の弦振動周波数を弦振動発生域から外す値にすることで、プーリベルト50に発生する弦振動を抑制する振動対策制御を実施する。すなわち、統合コントローラ14が、モータジェネレータ3の回生制御中にプーリベルト50に発生する弦振動を抑制する共振抑制手段となる。
CVTコントローラ15は、統合コントローラ14からの指令を達成するように、ベルト式無段変速機CVTのプライマリプーリ30とセカンダリプーリ40に供給されるプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの油圧制御により、変速制御及びベルト推力制御を行なう。
クラッチコントローラ16は、モータ回転速度センサ16a及び変速機入力回転数センサ16bなどからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、第1クラッチ2と第2クラッチ4に油圧指示値を出力する。
エンジンコントローラ17は、エンジン回転速度センサ17aなどからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、エンジントルク制御やエンジン回転数制御を行なう。
クラッチコントローラ16は、モータ回転速度センサ16a及び変速機入力回転数センサ16bなどからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、第1クラッチ2と第2クラッチ4に油圧指示値を出力する。
エンジンコントローラ17は、エンジン回転速度センサ17aなどからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、エンジントルク制御やエンジン回転数制御を行なう。
モータコントローラ18は、統合コントローラ14からの指令を達成するように、インバータ13に対し制御指示値を出力し、目標力行指令(正トルク指令)又は目標回生指令(負トルク指令)、さらに回転数指令値を出力する。
なお、インバータ13は、直流/交流の相互変換を行うもので、モータコントローラ18の指令に基づいて、モータジェネレータ3のモータトルク制御やモータ回数制御を行い、所望のトルクや回転数で動作させる。また、このインバータ13はバッテリ12に接続され、バッテリ12からの放電電流を、モータジェネレータ3の駆動電流に変換し、モータジェネレータ3からの発電電流を、バッテリ12への充電電流に変換する。
なお、インバータ13は、直流/交流の相互変換を行うもので、モータコントローラ18の指令に基づいて、モータジェネレータ3のモータトルク制御やモータ回数制御を行い、所望のトルクや回転数で動作させる。また、このインバータ13はバッテリ12に接続され、バッテリ12からの放電電流を、モータジェネレータ3の駆動電流に変換し、モータジェネレータ3からの発電電流を、バッテリ12への充電電流に変換する。
バッテリコントローラ19は、バッテリ充電容量SOCを管理し、SOC情報を統合コントローラ14やモータコントローラ18へと送信する。
4WDコントローラ20は、統合コントローラ14からの指令に基づいて、電子制御カップリング11に内蔵された4WDソレノイド作動信号を出力する。これにより、4WDソレノイドに流れる指令電流が変化してメインクラッチの押付力がコントロールされ、前輪6,6と後輪8,8の駆動力配分が、100:0〜50:50まで変化する。
なお、減速に伴う回生制御中には、トランスファT/Fの電子制御カップリング11が完全解放し、後輪8,8に対する動力伝達が、非伝達状態に切り替えられて、前輪6,6と後輪8,8の駆動力配分が100:0の「二輪駆動状態」にされる。つまり、ハイブリッド車両は、回生制御中、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
なお、減速に伴う回生制御中には、トランスファT/Fの電子制御カップリング11が完全解放し、後輪8,8に対する動力伝達が、非伝達状態に切り替えられて、前輪6,6と後輪8,8の駆動力配分が100:0の「二輪駆動状態」にされる。つまり、ハイブリッド車両は、回生制御中、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
[ベルト式無段変速機の詳細構成]
図2は、実施例1のベルト式無段変速機の詳細構成及び実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の油圧制御系及び電子制御系の構成を示す。以下、図2に基づいて、実施例1のベルト式無段変速機の詳細構成を説明する。
図2は、実施例1のベルト式無段変速機の詳細構成及び実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の油圧制御系及び電子制御系の構成を示す。以下、図2に基づいて、実施例1のベルト式無段変速機の詳細構成を説明する。
ベルト式無段変速機CVTは、図2に示すように、プライマリプーリ30と、セカンダリプーリ40と、プーリベルト50と、を備えている。このベルト式無段変速機CVTでは、両プーリ30,40のプーリ幅を変更し、プーリベルト50の挟持面の接触径を変更して変速比を自在に制御する。なお、プライマリプーリ30のプーリ幅が広くなると共に、セカンダリプーリ40のプーリ幅が狭くなると変速比がLow側に変化する。また、プライマリプーリ30のプーリ幅が狭くなると共に、セカンダリプーリ40のプーリ幅が広くなると変速比がHigh側に変化する。
また、このベルト式無段変速機CVTでは、セカンダリ圧室43への供給油圧を調圧制御することで、プーリベルト50に加わる推力(ベルト推力)を制御する。
また、このベルト式無段変速機CVTでは、セカンダリ圧室43への供給油圧を調圧制御することで、プーリベルト50に加わる推力(ベルト推力)を制御する。
プライマリプーリ30は、エンジン1やモータジェネレータ3からの駆動トルクが入力される入力側プーリであり、シーブ面31aを有する固定プーリ31と、シーブ面32aを有する駆動プーリ32と、の組み合わせにより構成される。駆動プーリ32には、プライマリ圧Ppriの供給により、固定プーリ31に対して駆動プーリ32を軸方向に油圧駆動するプライマリ圧室33が形成されている。
なお、後述するプライマリ圧制御弁63によって、プライマリ圧室33への供給油圧を調圧制御することで、変速比が連続的に変化させられる。
なお、後述するプライマリ圧制御弁63によって、プライマリ圧室33への供給油圧を調圧制御することで、変速比が連続的に変化させられる。
セカンダリプーリ40は、フロントファイナルドライブ5を介して左右の前輪6,6に駆動トルクを出力する出力側プーリであり、シーブ面41aを有する固定プーリ41と、シーブ面42aを有する駆動プーリ42と、の組み合わせにより構成される。駆動プーリ42には、セカンダリ圧Psecの供給により、固定プーリ41に対して駆動プーリ42を軸方向に油圧駆動するセカンダリ圧室43が形成されている。
プーリベルト50は、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との動力伝達部材であり、プライマリプーリ30のシーブ面31a,32aとセカンダリプーリ40のシーブ面41a,42aに掛け渡される無端ベルトである。このプーリベルト50は、シーブ面31a,32aの対向間隔とシーブ面41a,42aの対向間隔を変化させ、巻き付き径を相対的に変化させることで無段階に変速する。プーリベルト50としては、例えば、チェーン式ベルトが用いられる。チェーン式ベルトは、円弧の面を持った二本のピンを背中合わせに重ね、多数のリンクで繋ぎ合わせた構造で、引っ張りトルクにより動力を伝達する。
また、プーリベルト50には、プライマリプーリ30及びセカンダリプーリ40の間に架け渡された際、両プーリ30,40に接触している部分と、いずれのプーリ30,40にも接触していない部分(以下、「ベルト弦部」という)と、が生じる。ここで、ベルト弦部には、弦張力に基づいて算出される固有振動数が存在するが、このベルト弦部の固有振動数(以下、「プーリベルト50の弦振動周波数」という)が、車両の走行状態等で決まるハイブリッド車両の振動周波数帯(以下、「弦振動発生域」という)に入ると、プーリベルト50に自励振動が発生し、いわゆる弦振動が生じる。
これに対し、プーリベルト50の弦張力は、ベルト式無段変速機CVTの変速機入力トルク及び変速比に応じて変化すると共に、プーリベルト50に加わる推力(ベルト推力)が大きくなるほど大きくなる。さらに、モータジェネレータ3の回生制御中では、このプーリベルト50の弦張力は、ベルト推力と、モータジェネレータ3の回生量(回生トルク)に依存して変化する。ここで、ベルト推力は、セカンダリプーリ40セカンダリ圧室43に供給される油圧に比例する。
つまり、弦張力に基づいて算出されるプーリベルト50の弦振動周波数は、図3に示すように、モータジェネレータ3の回生制御中、セカンダリ圧室の供給油圧(ベルト推力)と、モータジェネレータの回生量(回生トルク)に応じて変化する。なお、図3に示す特性は、等周波数特性を示す。
これに対し、プーリベルト50の弦張力は、ベルト式無段変速機CVTの変速機入力トルク及び変速比に応じて変化すると共に、プーリベルト50に加わる推力(ベルト推力)が大きくなるほど大きくなる。さらに、モータジェネレータ3の回生制御中では、このプーリベルト50の弦張力は、ベルト推力と、モータジェネレータ3の回生量(回生トルク)に依存して変化する。ここで、ベルト推力は、セカンダリプーリ40セカンダリ圧室43に供給される油圧に比例する。
つまり、弦張力に基づいて算出されるプーリベルト50の弦振動周波数は、図3に示すように、モータジェネレータ3の回生制御中、セカンダリ圧室の供給油圧(ベルト推力)と、モータジェネレータの回生量(回生トルク)に応じて変化する。なお、図3に示す特性は、等周波数特性を示す。
[ハイブリッド車両の油圧制御構成]
図4は、プーリベルトの推力上限値の一例を示す。図5は、実施例1のCVTコントローラで変速制御を実行する際に用いられる変速スケジュールを示す。以下、図2〜図5に基づいて、実施例1のハイブリッド車両の油圧制御構成を説明する。
図4は、プーリベルトの推力上限値の一例を示す。図5は、実施例1のCVTコントローラで変速制御を実行する際に用いられる変速スケジュールを示す。以下、図2〜図5に基づいて、実施例1のハイブリッド車両の油圧制御構成を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の油圧制御系60としては、図2に示すように、オイルポンプ61と、ライン圧制御弁62と、プライマリ圧制御弁63と、セカンダリ圧制御弁64と、第1クラッチ圧制御弁65と、第2クラッチ圧制御弁66と、を備えている。
オイルポンプ61は、ハイブリッド駆動系に備えるモータジェネレータ3により回転駆動され、油圧制御系60で用いられる油圧を作り出す油量を賄う油圧源である。ライン圧制御弁62は、オイルポンプ61からのポンプ吐出圧に基づき、変速圧や締結圧として最も高い油圧であるライン圧PLを調圧する。プライマリ圧制御弁63は、ライン圧PLを元圧とし、プライマリ圧室33へ導くプライマリ圧Ppriを調圧する。セカンダリ圧制御弁64は、ライン圧PLを元圧とし、セカンダリ圧室43へ導くセカンダリ圧Psecを調圧する。第1クラッチ圧制御弁65は、ライン圧PLを元圧とし、第1クラッチ2のクラッチ油室へ導く第1クラッチ圧PCL1を調圧する。第2クラッチ圧制御弁66は、ライン圧PLを元圧とし、第2クラッチ4のクラッチ油室へ導く第2クラッチ圧PCL2を調圧する。
各油圧制御弁62,63,64,65,66は、いずれもソレノイドバルブ構造で、ベルト式無段変速機CVTに付設されるコントロールバルブユニットに設けられる。そして、各ソレノイド62a,63a,64a,65a,66aへ印加されるソレノイド電流によりライン圧PLとプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecと第1クラッチ圧PCL1と第2クラッチ圧PCL2とを制御する。なお、各油圧制御弁62,63,64,65,66は、指示電流が最小で出力される制御圧が最大になり、指示電流が最大で出力される制御圧が最小になる形態である。
ベルト式無段変速機CVTの変速油圧制御は、目標プライマリ回転数Npri*が決められると、実プライマリ回転数Npriとの偏差を無くすように、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecとの差圧をフィードバック制御することで行われる。なお、実プライマリ回転数Npriは、CVT入力回転数センサ83から取得される。
また、セカンダリプーリ40の駆動プーリ42を油圧駆動するセカンダリ圧室43への供給油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50を挟圧する力、すなわち、駆動プーリ32,42からプーリベルト50に加わる推力(ベルト推力)の大きさを制御する。
ベルト推力制御を実施する際、この油圧制御系60では、アクセル開度センサ82から読み込まれるアクセル開度APOと、ベルト式無段変速機CVTの変速比とに基づいて、予め設定された推力設定マップ(不図示)から、必要なベルト推力を発生させるためのセカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を決定する。そして、セカンダリ圧室43に供給される実際の油圧が目標供給油圧に一致するように制御する。
なお、「必要なベルト推力」とは、ベルト式無段変速機CVTにおいて、必要なトルクの伝達を可能とする最小のベルト推力であり、これを「ベース推力」という。
なお、「必要なベルト推力」とは、ベルト式無段変速機CVTにおいて、必要なトルクの伝達を可能とする最小のベルト推力であり、これを「ベース推力」という。
さらに、この実施例1では、図4に示すように、減速走行時のベルト推力の上限値を、加速走行時のベルト推力の上限値よりも大きい値に設定している。
この「ベルト推力の上限値」は、ベルト式無段変速機CVTにおけるプーリ30,40等の部品の限界強度圧から決まる値である。
この「ベルト推力の上限値」は、ベルト式無段変速機CVTにおけるプーリ30,40等の部品の限界強度圧から決まる値である。
ここで、ベルト式無段変速機CVTにおける部品の限界強度圧は、変速比がLowになるほど高くなり、変速比がHighになるほど低くなる。そのため、変速比のHigh側でベルト弦振動が発生した場合、ベルト推力の上限値が低い値であるため、ベルト推力を上昇させてプーリベルト50の弦振動周波数を弦振動発生域から外すことで弦振動の発生を抑制すことが可能であっても、ベルト推力の上限値が規制されて、ベルト推力の上昇を十分に図れなくなる。
しかしながら、回生制御中にベルト弦振動が発生するシーンは、アクセルペダルが解放された減速走行時である。そのため、アクセルペダルが踏み込まれた加速走行時と比較して、ベルト式無段変速機CVTへのトルクの入力方向が逆になる。
つまり、アクセルペダルが踏み込まれた加速走行時には、走行用駆動源であるモータジェネレータ3からプライマリプーリ30にトルクが入力し、セカンダリプーリ40へと伝達される。これに対し、回生制御中にベルト弦振動が発生する減速走行時には、前輪6,6(駆動輪)からセカンダリプーリ40にトルクが入力し、プライマリプーリ30へと伝達される。
しかしながら、回生制御中にベルト弦振動が発生するシーンは、アクセルペダルが解放された減速走行時である。そのため、アクセルペダルが踏み込まれた加速走行時と比較して、ベルト式無段変速機CVTへのトルクの入力方向が逆になる。
つまり、アクセルペダルが踏み込まれた加速走行時には、走行用駆動源であるモータジェネレータ3からプライマリプーリ30にトルクが入力し、セカンダリプーリ40へと伝達される。これに対し、回生制御中にベルト弦振動が発生する減速走行時には、前輪6,6(駆動輪)からセカンダリプーリ40にトルクが入力し、プライマリプーリ30へと伝達される。
そして、トルクの入力方向が逆になることで、減速走行時にベルト式無段変速機CVTの変速比がHigh側のときには、トルクの入力方向を基準に考えると、セカンダリプーリ40側からプライマリプーリ30側へとトルクが増大すると考えることができ、変速比がLow側になる状態と同様の状態と考えることができる。そのため、ベルト式無段変速機CVTの変速比High側であっても、減速走行時の部品の限界強度圧は、ベルト式無段変速機CVTの変速比がLow側であるときと同等となる。
この結果、減速走行時には、ベルト推力の上限値を加速走行時よりも大きい値に設定することが可能となる。
この結果、減速走行時には、ベルト推力の上限値を加速走行時よりも大きい値に設定することが可能となる。
第1クラッチ2のクラッチ油圧制御は、運転モードの選択状況に従って、クラッチコントローラ16から第1クラッチ圧制御弁65のソレノイド65aに出力する油圧指示値を生成することで行われる。
ここで、「EVモード」の選択時には、第1クラッチ2が解放状態とされる。また、「HEVモード」の選択時には、第1クラッチ2が解放状態とされる。そして、「EVモード」から「HEVモード」へのモード遷移要求時には、第1クラッチ2の締結容量を徐々に増大し、モータジェネレータ3をスタータモータとしてクランキング始動する。「HEVモード」から「EVモード」へのモード遷移要求時には、第1クラッチ2の締結容量を徐々に減少し、駆動源トルクを「ENGトルク+MGトルク」から「MGトルク」へと滑らかに受け渡す。
ここで、「EVモード」の選択時には、第1クラッチ2が解放状態とされる。また、「HEVモード」の選択時には、第1クラッチ2が解放状態とされる。そして、「EVモード」から「HEVモード」へのモード遷移要求時には、第1クラッチ2の締結容量を徐々に増大し、モータジェネレータ3をスタータモータとしてクランキング始動する。「HEVモード」から「EVモード」へのモード遷移要求時には、第1クラッチ2の締結容量を徐々に減少し、駆動源トルクを「ENGトルク+MGトルク」から「MGトルク」へと滑らかに受け渡す。
第2クラッチ4のクラッチ油圧制御は、CL2目標トルクとL/Uフラグに従って、クラッチコントローラ16から第2クラッチ圧制御弁66のソレノイド66aに出力する油圧指示値を生成することで行われる。
ベルト式無段変速機CVTの電子制御系としては、図2に示すように、ベルト式無段変速機CVTの変速制御などを行うCVTコントローラ15を備えている。入力センサ・スイッチ類として、車速センサ81、アクセル開度センサ82、CVT入力回転数センサ83、CVT出力回転数センサ84、プライマリ圧センサ85、セカンダリ圧センサ86、油温センサ87、インヒビタスイッチ88などを備えている。CVTコントローラ15へは、他の車載コントローラ14,16,17,18,19,20からCAN通信線Cを介して、制御に必要な情報が入力され、CVTコントローラ15から他の車載コントローラ14,16,17,18,19,20へは、CAN通信線Cを介して制御に必要な情報が出力される。
CVTコントローラ15で実行される変速制御は、車速センサ81により検出された車速VSPと、アクセル開度センサ82により検出されたアクセル開度APOにより特定される図5の変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)により、目標プライマリ回転数Npri*を決めることで行われる。
ここで、変速スケジュールは、図5に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル踏み込み戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。なお、図5における太線特性は、アクセル足離し状態(APO=0)でのコースト変速線である。つまり、車両減速時には、図5の矢印Aに示すように、車速VSPの低下にしたがってダウンシフト方向に変速され、車速VSP=0(停車状態)のときに最Low変速比に戻される。
ここで、変速スケジュールは、図5に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル踏み込み戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。なお、図5における太線特性は、アクセル足離し状態(APO=0)でのコースト変速線である。つまり、車両減速時には、図5の矢印Aに示すように、車速VSPの低下にしたがってダウンシフト方向に変速され、車速VSP=0(停車状態)のときに最Low変速比に戻される。
[振動対策制御処理構成]
図6は、実施例1の統合コントローラにて実行される振動対策制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図6に示すフローチャートに基づいて実施例1の振動対策制御処理の各ステップを説明する。
図6は、実施例1の統合コントローラにて実行される振動対策制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図6に示すフローチャートに基づいて実施例1の振動対策制御処理の各ステップを説明する。
ステップS1では、ハイブリッド車両にて回生制御中であるか否かを判断する。YES(回生制御中)の場合にはステップS2へ進む。NO(非回生制御中)の場合には、本制御の実施不要としてリターンへ進む。
ここで、回生制御中であるか否かは、モータジェネレータ3に対して負トルク指令(回生トルク)が与えられているか否かにより判断する。
ここで、回生制御中であるか否かは、モータジェネレータ3に対して負トルク指令(回生トルク)が与えられているか否かにより判断する。
ステップS2では、ステップS1での回生制御中との判断に続き、弦振動発生条件が成立したか否かを判断する。YES(弦振動発生条件成立)の場合にはステップS3へ進む。NO(弦振動発生条件未成立)の場合には、本制御の実施不要としてリターンへ進む。
なお、「弦振動発生条件」とは、プーリベルト50の弦振動周波数が、ハイブリッド車両の振動周波数帯(=弦振動発生域)に入り、プーリベルト50の弦振動が発生する条件である。さらに、実施例1では、トランスファT/Fの電子制御カップリング11が解放していると、プーリベルト50に生じた弦振動によってベルト式無段変速機CVTの出力軸に接続されたトランスファT/Fの動力分配部9ががたつき、このがたつきにより、いわゆる「がた打ち音」が発生する。また、このときのプロペラシャフト10の振動周波数は約80Hzになることが分かっている。これに対し、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50の弦振動周波数が80Hzになるのは、車速が約60km/h程度のときである。つまり、プロペラシャフト10の振動周波数がプーリベルト50の弦振動周波数に共振して弦振動による騒音及びがた打ち音を増幅させる条件(二輪駆動状態であること)も「弦振動発生条件」に含む。
ここで、ハイブリッド車両の振動周波数帯(=弦振動発生域)は、車速や走行状態等によって変化するため、実施例1では、「弦振動発生条件」を下記に列挙する条件とする。そして、下記の条件がすべて成立したときに、「弦振動発生条件」が成立したと判断する。
・実行中の回生制御が、減速に伴う回生制御である(=減速中である)。
・車速が40km/h〜70km/hの間である。
・トランスファT/Fの電子制御カップリング11が解放状態である(=二輪駆動状態である)。
なお、「弦振動発生条件」とは、プーリベルト50の弦振動周波数が、ハイブリッド車両の振動周波数帯(=弦振動発生域)に入り、プーリベルト50の弦振動が発生する条件である。さらに、実施例1では、トランスファT/Fの電子制御カップリング11が解放していると、プーリベルト50に生じた弦振動によってベルト式無段変速機CVTの出力軸に接続されたトランスファT/Fの動力分配部9ががたつき、このがたつきにより、いわゆる「がた打ち音」が発生する。また、このときのプロペラシャフト10の振動周波数は約80Hzになることが分かっている。これに対し、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50の弦振動周波数が80Hzになるのは、車速が約60km/h程度のときである。つまり、プロペラシャフト10の振動周波数がプーリベルト50の弦振動周波数に共振して弦振動による騒音及びがた打ち音を増幅させる条件(二輪駆動状態であること)も「弦振動発生条件」に含む。
ここで、ハイブリッド車両の振動周波数帯(=弦振動発生域)は、車速や走行状態等によって変化するため、実施例1では、「弦振動発生条件」を下記に列挙する条件とする。そして、下記の条件がすべて成立したときに、「弦振動発生条件」が成立したと判断する。
・実行中の回生制御が、減速に伴う回生制御である(=減速中である)。
・車速が40km/h〜70km/hの間である。
・トランスファT/Fの電子制御カップリング11が解放状態である(=二輪駆動状態である)。
ステップS3では、ステップS2での弦振動発生条件成立との判断に続き、モータジェネレータ3の回生トルク(図7におけるx、以下「初期回生トルク」という)を検出し、ステップS4へ進む。
ここで、モータジェネレータ3の回生トルクは、モータジェネレータ3に与えられた回生トルク指令値に基づいて検出する。この回生トルクに応じて、モータジェネレータ3での回生量が決まる。
なお、このとき、ベルト推力は、ベルト式無段変速機CVTにおいて「初期回生トルク」を伝達可能であって、プーリベルト50と両プーリ30,40とが滑ることのない最小の値である「ベース推力」に設定されており、セカンダリ圧室43への供給油圧の初期値αは、この「ベース推力」を実現可能な値となっている。
さらに、このときのプーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」になっている。
ここで、モータジェネレータ3の回生トルクは、モータジェネレータ3に与えられた回生トルク指令値に基づいて検出する。この回生トルクに応じて、モータジェネレータ3での回生量が決まる。
なお、このとき、ベルト推力は、ベルト式無段変速機CVTにおいて「初期回生トルク」を伝達可能であって、プーリベルト50と両プーリ30,40とが滑ることのない最小の値である「ベース推力」に設定されており、セカンダリ圧室43への供給油圧の初期値αは、この「ベース推力」を実現可能な値となっている。
さらに、このときのプーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」になっている。
ステップS4では、ステップS3での初期回生トルクの検出に続き、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を「第1目標油圧(図7におけるa)」に設定し、ステップS5へ進む。
ここで、「第1目標油圧」とは、ステップS3にて検出した初期回生トルクxを維持したまま、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする供給油圧の最小値である。なお、「振動抑制周波数」とは、弦振動発生域から外れる範囲のプーリベルト50の弦振動周波数である。このとき、「外れる範囲」の程度は、プーリベルト50の共振が乗員の違和感とならないことを基準にして任意に設定する。
ここで、プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れるためには、プーリベルト50の弦張力を高くする必要がある。すなわち、セカンダリ圧室43の供給油圧を「第1目標油圧」に設定したときに生じるベルト推力は、「ベース推力」よりも高く、且つ弦振動が発生しない状態(プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れ、共振が乗員の違和感にならない範囲)となるベルト推力の最小値(第1推力)である。
ここで、「第1目標油圧」とは、ステップS3にて検出した初期回生トルクxを維持したまま、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする供給油圧の最小値である。なお、「振動抑制周波数」とは、弦振動発生域から外れる範囲のプーリベルト50の弦振動周波数である。このとき、「外れる範囲」の程度は、プーリベルト50の共振が乗員の違和感とならないことを基準にして任意に設定する。
ここで、プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れるためには、プーリベルト50の弦張力を高くする必要がある。すなわち、セカンダリ圧室43の供給油圧を「第1目標油圧」に設定したときに生じるベルト推力は、「ベース推力」よりも高く、且つ弦振動が発生しない状態(プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れ、共振が乗員の違和感にならない範囲)となるベルト推力の最小値(第1推力)である。
ステップS5では、ステップS4での目標供給油圧の設定に続き、実際にセカンダリ圧室43へ供給されている油圧(実供給油圧)が、ステップS4にて設定した第1目標油圧以上であるか否かを判断する。YES(実供給油圧≧第1目標油圧)の場合には、リターンへ進む。NO(実供給油圧<第1目標油圧)の場合には、ステップS6へ進む。
なお、実供給油圧が第1目標油圧以上である場合には、初期回生トルクxを維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を増加することで、プーリベルト50の弦振動周波数が「振動抑制周波数」になる。これにより、プーリベルト50の弦振動周波数が、弦振動発生域から外れる。
また、実供給油圧は、図示しない油圧センサによって検出する。
なお、実供給油圧が第1目標油圧以上である場合には、初期回生トルクxを維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を増加することで、プーリベルト50の弦振動周波数が「振動抑制周波数」になる。これにより、プーリベルト50の弦振動周波数が、弦振動発生域から外れる。
また、実供給油圧は、図示しない油圧センサによって検出する。
ステップS6では、ステップS5での実供給油圧<第1目標油圧との判断に続き、モータジェネレータ3の回生トルクを「第1リミット回生トルク(図7におけるy)」に設定し、ステップS7へ進む。
ここで、「第1リミット回生トルク」とは、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)である第2目標油圧(図7におけるb<a)に一致させる回生トルク値である。
なお、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、供給油圧を低下させるためには、回生トルクを小さくして、回生量を低くする必要がある。そのため、図7に示すように、回生トルクは「初期回生トルクx」から、それよりも小さい「第1リミット回生トルクy」に設定される。この結果、モータジェネレータ3での回生量は低くなる。
ここで、「第1リミット回生トルク」とは、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)である第2目標油圧(図7におけるb<a)に一致させる回生トルク値である。
なお、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、供給油圧を低下させるためには、回生トルクを小さくして、回生量を低くする必要がある。そのため、図7に示すように、回生トルクは「初期回生トルクx」から、それよりも小さい「第1リミット回生トルクy」に設定される。この結果、モータジェネレータ3での回生量は低くなる。
ステップS7では、ステップS6での回生トルクの設定に続き、実際にセカンダリ圧室43へ供給されている油圧(実供給油圧)が、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)である第2目標油圧以上であるか否かを判断する。YES(実供給油圧≧第2目標油圧)の場合には、リターンへ進む。NO(実供給油圧<第2目標油圧)の場合には、ステップS8へ進む。
なお、実供給油圧が第2目標油圧以上、第1目標油圧未満になる場合には、回生トルクが「初期回生トルクx」に設定されている場合よりも回生量が制限されるものの、プーリベルト50の弦振動周波数は「振動抑制周波数」に維持され、プーリベルト50の弦振動周波数は、弦振動発生域から外れる。
なお、実供給油圧が第2目標油圧以上、第1目標油圧未満になる場合には、回生トルクが「初期回生トルクx」に設定されている場合よりも回生量が制限されるものの、プーリベルト50の弦振動周波数は「振動抑制周波数」に維持され、プーリベルト50の弦振動周波数は、弦振動発生域から外れる。
ステップS8では、ステップS7での実供給油圧<第2目標油圧との判断に続き、モータジェネレータ3の回生トルクを「第2リミット回生トルク(図7におけるz)」に設定し、リターンへ進む。
ここで、「第2リミット回生トルク」とは、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、オイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)である第3目標油圧(図7におけるc<b)に一致させる回生トルク値である。
なお、上述のように、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、供給油圧を低下させるためには、回生トルクを低下させして、回生量を低くしなければならない。そのため、図7に示すように、回生トルクは「第1リミット回生トルクy」から、さらに小さい「第2リミット回生トルクz」に設定される。また、その結果、モータジェネレータ3での回生量はさらに制限される。一方で、プーリベルト50の弦振動周波数は「振動抑制周波数」に維持されるため、プーリベルト50の弦振動周波数は、弦振動発生域から外れた状態となる。
ここで、「第2リミット回生トルク」とは、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、オイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)である第3目標油圧(図7におけるc<b)に一致させる回生トルク値である。
なお、上述のように、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、供給油圧を低下させるためには、回生トルクを低下させして、回生量を低くしなければならない。そのため、図7に示すように、回生トルクは「第1リミット回生トルクy」から、さらに小さい「第2リミット回生トルクz」に設定される。また、その結果、モータジェネレータ3での回生量はさらに制限される。一方で、プーリベルト50の弦振動周波数は「振動抑制周波数」に維持されるため、プーリベルト50の弦振動周波数は、弦振動発生域から外れた状態となる。
次に、作用を説明する。
実施例1の電動車両の制御装置における作用を、「ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合の振動抑制作用」、「発生可能推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用」、「実ベルト推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用」、「その他の特徴的作用」に分けて説明する。
実施例1の電動車両の制御装置における作用を、「ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合の振動抑制作用」、「発生可能推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用」、「実ベルト推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用」、「その他の特徴的作用」に分けて説明する。
[ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合の振動抑制作用]
図8は、実施例1の電動車両の制御装置において、ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。図9は、ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合に振動対策制御を実施した際の、回生トルクと供給油圧とベルト推力との関係を示す説明図である。以下、図6及び図8,図9を用いて実施例1のベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合の振動抑制作用を説明する。
図8は、実施例1の電動車両の制御装置において、ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。図9は、ベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合に振動対策制御を実施した際の、回生トルクと供給油圧とベルト推力との関係を示す説明図である。以下、図6及び図8,図9を用いて実施例1のベルト推力を増大して振動抑制が可能な場合の振動抑制作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両において、図8に示す時刻t11時点でブレーキ踏み込み動作が行われると、ブレーキフラグがOFFからONへと切り替わると共に、車速が低減し始めて減速が開始する。また、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施される。なお、この図8に示す場合では、ブレーキON以前(時刻t11以前)の定速走行のときから、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施されている。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態になっている。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態になっている。
しかしながら、この時刻t11時点では、車速が70km/h以上である。そのため、弦振動発生条件が成立せず、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2を繰り返す。
一方、モータジェネレータ3の回生トルクの目標値(目標回生トルク:図8において実線で示す)は、減速当初は「ベース回生トルク(モータジェネレータ3にて回生可能な回生量の最大値:図8において一点鎖線で示す)」に一致しており、その後、ベース回生トルクよりも低い値に設定される。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力:図8において実線で示す)は、「ベース推力(図8において一点鎖線で示す)」に設定される。この「ベース推力」とは、目標回生トルクを伝達するために必要な最小のベルト推力である。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力:図8において実線で示す)は、「ベース推力(図8において一点鎖線で示す)」に設定される。この「ベース推力」とは、目標回生トルクを伝達するために必要な最小のベルト推力である。
時刻t12時点において、車速が70km/hを下回ると、弦振動発生条件が成立して、振動抑制フラグがOFFからONへと切り替わる。なお、この時刻t12以前でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図9において制御点N1にて示すように、回生トルクは「初期回生トルク」となる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧は「初期値α(「ベース推力」を実現する値)」となり、プーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」になっている。
一方、振動制御フラグがONに切り替わったことで、ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、現在の目標回生トルクの値(=初期回生トルク)を検出した後、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、モータジェネレータ3の目標回生トルクを「初期回生トルク」に維持したまま、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする値である「第1目標油圧」に設定する。つまり、ベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図9に示すように、制御点N1から制御点N2にて示す状態に遷移し、セカンダリ圧室43への供給油圧は、「初期値α」から増大して「第1目標油圧」になる一方、目標回生トルクは、「初期回生トルク」を維持する。そして、プーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」から「振動抑制周波数」へと変化し、振動発生域から外れる。
なお、図8に示すように、ベルト式無段変速機CVTの目標推力は、「ベース推力」から増大して、「第1目標油圧」によって実現される推力(以下、「第1推力」という)となる。
なお、図8に示すように、ベルト式無段変速機CVTの目標推力は、「ベース推力」から増大して、「第1目標油圧」によって実現される推力(以下、「第1推力」という)となる。
そして、この図8に示す場合では、「初期回生トルク」が比較的低いため、目標推力を「ベース推力」よりも大きい「第1推力」に設定しても、この「第1推力」は「発生可能推力」を下回る。
ここで、「発生可能推力」とは、オイルポンプ61から供給可能な油圧によって実現される推力である。つまり、図9に示すように、セカンダリ圧室43へ供給可能な「発生可能供給油圧」が「第1目標油圧」以上となる。なお、ここでは、オイルポンプ61から実際に供給されている実供給油圧(不図示)も「第1目標油圧」以上となっている。
これにより、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4→ステップS5→リターンへと進んで、実施例1の振動対策制御を繰り返す。
ここで、「発生可能推力」とは、オイルポンプ61から供給可能な油圧によって実現される推力である。つまり、図9に示すように、セカンダリ圧室43へ供給可能な「発生可能供給油圧」が「第1目標油圧」以上となる。なお、ここでは、オイルポンプ61から実際に供給されている実供給油圧(不図示)も「第1目標油圧」以上となっている。
これにより、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4→ステップS5→リターンへと進んで、実施例1の振動対策制御を繰り返す。
その後、時刻t13時点にて車速が40km/hを下回ると、弦振動発生条件が非成立となり、振動抑制フラグがONからOFFへと切り替わる。この結果、実施例1の振動対策制御から通常制御へと切り替わり、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力)は、「第1推力」から引き下げられて「ベース推力」に設定される。
このように、回生制御中の減速時に弦振動発生条件が成立したとき、目標回生トルクを「初期回生トルク」に維持したまま、ベルト推力を「ベース推力」よりも増大させて「第1推力」とすることで、モータジェネレータ3による回生量を維持したまま、プーリベルト50の弦振動周波数を「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」から「振動抑制周波数」へと変化させ、弦振動発生域から外すことができる。
ここで、プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れれば、プーリベルト50に共振による自励振動が発生せず、弦振動の発生を抑えることができる。
ここで、プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れれば、プーリベルト50に共振による自励振動が発生せず、弦振動の発生を抑えることができる。
すなわち、オイルポンプ61の実供給油圧によって実現可能な出力可能推力により、ベルト推力を「第1推力」へと増大できる場合には、モータジェネレータ3による回生量を維持したまま、プーリベルト50の弦振動周波数を弦振動発生域から外して、弦振動の発生を抑えることができる。
[発生可能推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用]
図10は、実施例1の電動車両の制御装置において、発生可能推力によって振動抑制する場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。以下、図6及び図10を用いて実施例1の発生可能推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用を説明する。
図10は、実施例1の電動車両の制御装置において、発生可能推力によって振動抑制する場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。以下、図6及び図10を用いて実施例1の発生可能推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両において、図10に示す時刻t21時点でブレーキ踏み込み動作が行われると、ブレーキフラグがOFFからONへと切り替わると共に、減速が開始する。また、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施される。なお、この図10に示す場合においても、ブレーキON以前(時刻t21以前)のアクセル足離し状態のときから、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施されている。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
しかしながら、この時刻t21時点では、車速が70km/h以上であるため、弦振動発生条件が成立しない。そのため、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2を繰り返す。
一方、モータジェネレータ3の回生トルクの目標値(目標回生トルク:図10において実線で示す)は、減速当初は「ベース回生トルク(モータジェネレータ3にて回生可能な回生量の最大値)」に一致しており、その後、ベース回生トルクよりも低い値に設定される。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力)は、「ベース推力」に設定される。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力)は、「ベース推力」に設定される。
時刻t22時点において、車速が70km/hを下回ると、弦振動発生条件が成立して、振動抑制フラグがOFFからONへと切り替わる。なお、この時刻t22時点でのベルト式無段変速機CVTにて伝達している回生トルクが「初期回生トルク」となる。
また、この時刻t22以前でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図11において制御点N1にて示すように、回生トルクは「初期回生トルク」となる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧は「初期値α(「ベース推力」を実現する値)」となり、プーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」になっている。
また、この時刻t22以前でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図11において制御点N1にて示すように、回生トルクは「初期回生トルク」となる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧は「初期値α(「ベース推力」を実現する値)」となり、プーリベルト50の弦振動周波数は、「通常時周波数(振動対策制御非実行状態)」になっている。
一方、振動制御フラグがONに切り替わったことで、ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、現在の目標回生トルクの値(=初期回生トルク)を検出した後、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、モータジェネレータ3の目標回生トルクを「初期回生トルク」に維持したまま、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする値である「第1目標油圧」に設定する。これにより、ベルト推力の目標値(目標推力)は、「ベース推力」から増大して「第1推力(「第1目標油圧」によって実現される推力)」になる。一方、目標回生トルクは、「初期回生トルク」を維持する。
図10に示す場合では、時刻t22時点において、オイルポンプ61によって供給されている供給油圧によって発生可能な推力(=発生可能推力)が、「第1推力(「第1目標油圧」によって実現される推力)」を上回っている。すなわち、セカンダリ圧室43へと供給可能な「発生可能供給油圧」が「第1目標油圧」以上であり、ここでは、実際に供給されている実供給油圧も「第1目標油圧」以上となっている。
これにより、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4→ステップS5→リターンへと進んで、実施例1の振動対策制御を繰り返す。
これにより、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4→ステップS5→リターンへと進んで、実施例1の振動対策制御を繰り返す。
そして、車速の減少によって目標推力が上昇していき、時刻t23時点において、「第1推力(「第1目標油圧」によって実現される推力)」が、オイルポンプ61によって供給可能な供給油圧(発生可能供給油圧)によって実現可能な推力(=発生可能推力)を上回る。
つまり、時刻t23時点で、図11に示すように、セカンダリ圧室43へと供給可能な「発生可能供給油圧」が「第1目標油圧」未満となり、実際に供給されている実供給油圧も「第1目標油圧」未満となる。
つまり、時刻t23時点で、図11に示すように、セカンダリ圧室43へと供給可能な「発生可能供給油圧」が「第1目標油圧」未満となり、実際に供給されている実供給油圧も「第1目標油圧」未満となる。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を、「振動抑制周波数」に維持することが不可能になるため、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、モータジェネレータ3の回生トルクを「第1リミット回生トルク」に設定する。
ここで、「第1リミット回生トルク」は、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)に一致させる回生トルク値であり、「初期回生トルク」よりも絶対値が小さい値である。そのため、モータジェネレータ3での回生量は、振動対策制御前よりも低くなる。
ここで、「第1リミット回生トルク」は、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)に一致させる回生トルク値であり、「初期回生トルク」よりも絶対値が小さい値である。そのため、モータジェネレータ3での回生量は、振動対策制御前よりも低くなる。
一方、モータジェネレータ3の回生トルクを「第1リミット回生トルク」に設定したことで、ベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図11に示す制御点N3から制御点N4に遷移する。つまり、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持しているものの、回生トルクを制限したことで、セカンダリ圧室43に供給する供給油圧を低下させることができる。
なお、このときの「発生可能供給油圧」は、時刻t22以前での「初期値α」よりも大きい。そのため、時刻t23時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、時刻t22以前の状態と比べた場合では、制御点N1の状態から制御点N4に示す状態へと遷移したことになり、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加してベルト推力は増大する。
なお、このときの「発生可能供給油圧」は、時刻t22以前での「初期値α」よりも大きい。そのため、時刻t23時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、時刻t22以前の状態と比べた場合では、制御点N1の状態から制御点N4に示す状態へと遷移したことになり、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加してベルト推力は増大する。
この結果、ベルト式無段変速機CVTのベルト推力は、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)によって実現される推力(以下、「第2推力」という)となる。
そして、回生トルクを「第1リミット回生トルク」に設定し、それにより、セカンダリ圧室43への供給油圧が「発生可能供給油圧」になったら、ステップS7へと進み、実際にセカンダリ圧室43へ供給される油圧(実供給油圧)が、オイルポンプ61で発生可能な供給油圧以上であるか否かを判断する。この図10に示す場合では、実供給油圧が「発生可能供給油圧」に一致しているとして、ステップS7においてYESと判断されリターンへ進む。
その後、時刻t24時点にて車速が40km/hを下回ると、弦振動発生条件が非成立となり、振動抑制フラグがONからOFFへと切り替わる。この結果、実施例1の振動対策制御から通常制御へと切り替わり、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力)は、「第2推力」から引き下げられて「ベース推力」に設定される。
このように、回生制御中の減速時に弦振動発生条件が成立したとき、目標回生トルクを「初期回生トルク」に維持したまま、ベルト推力を「ベース推力」よりも増大させて「第1推力」とすることができない場合には、プーリベルト50の弦振動周波数が弦振動発生域から外れるように、モータジェネレータ3の回生トルクを、「初期回生トルク」よりも絶対値の小さい「第1リミット回生トルク」に設定して、モータジェネレータ3の回生量を低くする。
つまり、回生制御中の減速時に弦振動発生条件が成立したとき、モータジェネレータ3の回生トルクを「初期回生トルク」よりも絶対値の小さい「第1リミット回生トルク」に設定して回生量を制限し、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に変化させて弦振動発生域から外す。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に設定するために必要なセカンダリ圧室43への供給油圧を、第1目標油圧まで上昇させる必要がなくなる。この結果、オイルポンプ61の油量収支が低い状態であっても、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に設定することができて、弦振動発生域から外す(共振の発生を防止する)ことができる。
そのため、回生制御中の振動発生に対し、オイルポンプ61の油量収支が低いときでも振動の発生を抑えることができ、運転手に違和感を与えることを防止することができる。
そのため、回生制御中の振動発生に対し、オイルポンプ61の油量収支が低いときでも振動の発生を抑えることができ、運転手に違和感を与えることを防止することができる。
また、回生トルクを小さい値に設定して、モータジェネレータ3の回生量を低くする際、実施例1では、プーリベルト50に加わる推力を「ベース推力」よりも増大させる。
すなわち、時刻t23時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、目標回生トルクを「初期回生トルク」に設定すると共に、ベルト推力を「ベース推力」に設定して、プーリベルト50の弦振動周波数が「通常時周波数」となっている時刻t22以前の通常状態と比べた場合では、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加し、ベルト推力は増大している。
すなわち、時刻t23時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、目標回生トルクを「初期回生トルク」に設定すると共に、ベルト推力を「ベース推力」に設定して、プーリベルト50の弦振動周波数が「通常時周波数」となっている時刻t22以前の通常状態と比べた場合では、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加し、ベルト推力は増大している。
これにより、回生量を低くしてベルト弦振動を抑制するものの、ベルト推力を増大することでモータジェネレータ3による回生量をできるだけ確保することができる。そのため、ベルト振動抑制時における燃費の不要な低下を抑制することができる。
さらに、この実施例1では、モータジェネレータ3の回生量を制限すると共にベルト推力を増大する際、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値(振動抑制周波数)になると共に、ベルト推力が、モータジェネレータ3によって駆動されるオイルポンプ61からの供給油圧(発生可能供給油圧)によって実現される推力(発生可能推力)以下の値(第2推力)になるように、モータジェネレータ3の回生量(回生トルク)を「第1リミット回生トルク」設定する。
この結果、燃費向上のための回生制御中にプーリベルト50に弦振動が発生する場合において、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定するものの、ベルト推力をオイルポンプ61からの供給油圧によって発生可能な推力(第2推力)に設定することができる。そのため、振動を適切に低減しつつ、回生量の不要な低下を防止することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
特に、この実施例1では、プーリベルト50のベルト推力が「発生可能推力」に一致するように「第1リミット回生トルク」を設定している。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を、確実に「振動抑制周波数」に設定しつつ、ベルト推力の不要な低下を抑制して、回生量の必要以上の低減を防止することができる。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を、確実に「振動抑制周波数」に設定しつつ、ベルト推力の不要な低下を抑制して、回生量の必要以上の低減を防止することができる。
[実発生推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用]
図12は、実施例1の電動車両の制御装置において、実発生推力によって振動抑制する場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。以下、図6及び図12を用いて実施例1の実ベルト推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用を説明する。
図12は、実施例1の電動車両の制御装置において、実発生推力によって振動抑制する場合に振動対策制御を実施した際の車速・ブレーキフラグ・制御フラグ・変速機入力軸回転数・エンジン回転数・最大回生トルク・目標回生トルク・ベース推力・目標推力の各特性を示すタイムチャートである。以下、図6及び図12を用いて実施例1の実ベルト推力によって振動抑制する場合の振動抑制作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両において、図12に示す時刻t31時点でブレーキ踏み込み動作が行われると、ブレーキフラグがOFFからONへと切り替わると共に、減速が開始する。また、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施される。なお、この図12に示す場合においても、ブレーキON以前(時刻t31以前)のアクセル足離し状態のときから、モータジェネレータ3に対して回生トルク指令(負の値)が出力されて、回生制御が実施されている。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
さらに、このとき、図示しないが、トランスファT/Fの電子制御カップリング11は解放しており、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へ非伝達状態にした二輪駆動状態となる。
そして、時刻t31時点では、車速が70km/h以上であり、弦振動発生条件が成立しない。そのため、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2を繰り返す。
一方、モータジェネレータ3の回生トルクの目標値(目標回生トルク:図12において実線で示す)は、減速当初は「ベース回生トルク(モータジェネレータ3にて回生可能な回生量の最大値:図12において一点鎖線で示す)」に一致しており、その後、ベース回生トルクよりも低い値に設定される。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力:図12において実線で示す)は、「ベース推力(図12において一点鎖線で示す」に設定される。
また、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力:図12において実線で示す)は、「ベース推力(図12において一点鎖線で示す」に設定される。
時刻t32時点において、車速が70km/hを下回ると、弦振動発生条件が成立して、振動抑制フラグがOFFからONへと切り替わる。なお、この時刻t32時点でのベルト式無段変速機CVTにて伝達している回生トルクが「初期回生トルク」となる。
一方、振動制御フラグがONに切り替わったことで、ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、現在の目標回生トルクの値(=初期回生トルク)を検出した後、セカンダリ圧室43への供給油圧の目標値(目標供給油圧)を、「第1目標油圧(--=初期回生トルクを維持したまま、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする値)」に設定する。つまり、ベルト式無段変速機CVTの制御状態は、ベルト推力の目標値(目標推力)を、「ベース推力」から増大し、「第1推力(「第1目標油圧」によって実現される推力)にする。
しかしながら、この図12に示す場合では、不具合等の何らかの原因によって変速機入力回転数が、破線で示す予測値を下回っている。そのため、オイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)は、オイルポンプ61によって供給可能な油圧(発生可能供給油圧)を下回る。
これにより、セカンダリ圧室43に供給している実供給油圧も「第1目標油圧」を下回り、ステップS5→ステップS6へと進む。そして、ベルト式無段変速機CVTにて伝達する回生トルクを「第1リミット回生トルク(=プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を、オイルポンプ61から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)に一致させる回生トルク値)」に設定する。
これにより、セカンダリ圧室43に供給する供給油圧の目標値が「第2目標油圧(=発生可能供給油圧)」に設定される。
しかし、この図12に示す場合では、オイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)が、オイルポンプ61によって供給可能な油圧(発生可能供給油圧)を下回っているので、セカンダリ圧室43に供給している実供給油圧は「第2目標油圧」を下回るため、ステップS7→ステップS8へと進む。これにより、モータジェネレータ3の回生トルクを「第2リミット回生トルク」に設定する。
しかし、この図12に示す場合では、オイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)が、オイルポンプ61によって供給可能な油圧(発生可能供給油圧)を下回っているので、セカンダリ圧室43に供給している実供給油圧は「第2目標油圧」を下回るため、ステップS7→ステップS8へと進む。これにより、モータジェネレータ3の回生トルクを「第2リミット回生トルク」に設定する。
ここで、「第2リミット回生トルク」は、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持したまま、セカンダリ圧室43への供給油圧を、オイルポンプ61で実際に発生している供給油圧(実供給油圧)に一致させる回生トルク値であり、「初期回生トルク」及び「第1リミット回生トルク」よりも絶対値が小さい値である。そのため、モータジェネレータ3での回生量は、振動対策制御前よりも低くなる。
一方、モータジェネレータ3の回生トルクを「第2リミット回生トルク」に設定したことで、ベルト式無段変速機CVTの制御状態は、図11に示す制御点N4から制御点N5に遷移する。つまり、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に維持しているものの、セカンダリ圧室43に供給する供給油圧は、回生トルクが制限された分だけ低下し、オイルポンプ61が実際に出力している値となる。
なお、このときの「実供給油圧」は、時刻t32以前での「初期値α」よりも大きい。そのため、時刻t32時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、時刻t32以前の状態と比べた場合では、制御点N1の状態から制御点N5に示す状態へと遷移したことになり、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加してベルト推力は増大する。
なお、このときの「実供給油圧」は、時刻t32以前での「初期値α」よりも大きい。そのため、時刻t32時点でのベルト式無段変速機CVTの制御状態は、時刻t32以前の状態と比べた場合では、制御点N1の状態から制御点N5に示す状態へと遷移したことになり、モータジェネレータ3での回生量は低くなる一方、セカンダリ圧室43への供給油圧が増加してベルト推力は増大する。
この結果、ベルト式無段変速機CVTのベルト推力は、オイルポンプ61からセカンダリ圧室43へ実際に供給されている油圧(実供給油圧)にて実現されている推力(以下、「第3推力」)となる。
そして、回生トルクの目標値(目標回生トルク)を「第2リミット回生トルク」に設定し、それにより、セカンダリ圧室43への供給油圧が、セカンダリ圧室43に実際に供給されている油圧になったら、リターンへ進む。
その後、時刻t33時点にて車速が40km/hを下回ると、弦振動発生条件が非成立となり、振動抑制フラグがONからOFFへと切り替わる。この結果、実施例1の振動対策制御から通常制御へと切り替わり、ベルト式無段変速機CVTにおけるベルト推力の目標値(目標推力)は、「第3推力」から引き下げられて「ベース推力」に設定される。
このように、回生制御中の減速時に弦振動発生条件が成立したとき、目標回生トルクを「初期回生トルク」に維持したまま、ベルト推力を「ベース推力」よりも増大させて「弦振動抑制推力」とすることができず、さらに、オイルポンプ61からの実際の供給油圧によって実現している推力(=実発生推力)が、オイルポンプ61からの供給油圧によって実現可能な推力(=発生可能推力)を下回っているときには、弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値(振動抑制周波数)になると共に、ベルト推力が、モータジェネレータ3によって駆動されるオイルポンプ61から実際に供給されている油圧(実供給油圧)によって実現される推力(第3推力)以下の値になるように、モータジェネレータ3の回生量(回生トルク)を「第2リミット回生トルク」に設定する。
この結果、燃費向上のための回生制御中にプーリベルト50に弦振動が発生する場合、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定する一方、ベルト推力をオイルポンプ61からの実際の供給油圧によって発生している推力(実発生推力)に一致する値(第3推力)とすることができる。そのため、振動を確実に低減しつつ、適切な回生量を確保することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
特に、この実施例1では、プーリベルト50のベルト推力が「実発生推力」に一致するように「第2リミット回生トルク」を設定している。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を確実に「振動抑制周波数」に設定しつつ、ベルト推力が必要以上に低下することを抑制し、回生量の不要な低減を防止して、燃費の悪化を抑えることができる。
これにより、プーリベルト50の弦振動周波数を確実に「振動抑制周波数」に設定しつつ、ベルト推力が必要以上に低下することを抑制し、回生量の不要な低減を防止して、燃費の悪化を抑えることができる。
[その他の特徴的作用]
この実施例1では、振動対策制御を実施するか否かの判断基準となる「弦振動発生条件」に、トランスファT/Fの電子制御カップリング11を解放し、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へと非伝達状態にした二輪駆動状態であることを含めている。
この実施例1では、振動対策制御を実施するか否かの判断基準となる「弦振動発生条件」に、トランスファT/Fの電子制御カップリング11を解放し、ベルト式無段変速機CVTからの出力を左右の後輪8,8へと非伝達状態にした二輪駆動状態であることを含めている。
ここで、トランスファT/Fの電子制御カップリング11を解放した二輪駆動状態において、トランスファT/Fの動力分配部9及びプロペラシャフト10は所定周波数で振動する。これに対し、ベルト式無段変速機CVTのプーリベルト50も、車速に応じて異なる周波数であるものの所定周波数で振動する。そのため、このトランスファT/Fの振動周波数が、ベルト式無段変速機CVTの所定周波数と一致(又はほぼ一致)した場合には、両者の振動が共振し、弦振動による振動音が増幅して乗員に違和感を与える。
一方、トランスファT/Fの電子制御カップリング11を締結した四輪駆動状態では、プロペラシャフト10が電子制御カップリング11を介してリヤファイナルドライブ7に連結される。そのため、ベルト式無段変速機CVTとトランスファT/Fとが共振することがなくなる。
一方、トランスファT/Fの電子制御カップリング11を締結した四輪駆動状態では、プロペラシャフト10が電子制御カップリング11を介してリヤファイナルドライブ7に連結される。そのため、ベルト式無段変速機CVTとトランスファT/Fとが共振することがなくなる。
そして、これに対し、実施例1では、弦振動発生条件に「二輪駆動状態であること」を含めることで、減速中の回生制御中に、車速が所定域に一致しても、ベルト式無段変速機CVTとトランスファT/Fとで共振しない四輪駆動状態のときには、図6に示す振動対策制御を実施しない。つまり、弦振動発生防止のための回生量の低下を行わない。これにより、トランスファT/Fとベルト式無段変速機CVTとが共振して、弦振動による振動音の増幅可能性のあるときにのみ、弦振動発生防止のための回生量の低下を行うことになる。
これにより、回生量を不要に低下することがなく、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
これにより、回生量を不要に低下することがなく、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
そして、実施例1では、ベルト式無段変速機CVTにおける「ベルト推力」の上限値を、加速走行時よりも減速走行時の方が大きい値に設定している。
これにより、弦振動の発生抑制を優先してモータジェネレータ3の回生量を減らす際、ベルト推力を増大が制限されにくくなり、その結果、回生量の不要な低下を抑えることができる。そのため、弦振動の発生を抑制しつつ、回生量の不要な低下を防止して、燃費の低下を防止することができる。
これにより、弦振動の発生抑制を優先してモータジェネレータ3の回生量を減らす際、ベルト推力を増大が制限されにくくなり、その結果、回生量の不要な低下を抑えることができる。そのため、弦振動の発生を抑制しつつ、回生量の不要な低下を防止して、燃費の低下を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1の電動車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行用駆動源(モータジェネレータ3)と駆動輪(前輪6)との間に配され、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との間に掛け渡される動力伝達部材(プーリベルト50)を備えたバリエータ(ベルト式無段変速機CVT)と、
前記駆動輪(前輪6)から入力されるトルクを回生可能なジェネレータ(モータジェネレータ3)と、
前記動力伝達部材(プーリベルト50)に発生する弦振動を抑制する共振抑制手段(統合コントローラ14)と、を備え、
前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動周波数は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生制御中、前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力及び前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量に応じて変化し、
前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生制御中に前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動が発生する条件(弦振動発生条件)が成立するとき、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を制限する構成とした。
これにより、油圧源であるオイルポンプ61の油量収支が低いときであっても、回生制御中のベルト弦振動の発生を抑えることができる。
前記駆動輪(前輪6)から入力されるトルクを回生可能なジェネレータ(モータジェネレータ3)と、
前記動力伝達部材(プーリベルト50)に発生する弦振動を抑制する共振抑制手段(統合コントローラ14)と、を備え、
前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動周波数は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生制御中、前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力及び前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量に応じて変化し、
前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生制御中に前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動が発生する条件(弦振動発生条件)が成立するとき、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を制限する構成とした。
これにより、油圧源であるオイルポンプ61の油量収支が低いときであっても、回生制御中のベルト弦振動の発生を抑えることができる。
(2) 前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を制限すると共に、前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力を増大する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、回生量を低くしてベルト弦振動を抑制するものの、モータジェネレータ3による回生量をできるだけ確保することができ、ベルト振動抑制時における燃費の不要な低下を抑制することができる。
これにより、(1)の効果に加え、回生量を低くしてベルト弦振動を抑制するものの、モータジェネレータ3による回生量をできるだけ確保することができ、ベルト振動抑制時における燃費の不要な低下を抑制することができる。
(3) 前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を制限すると共に前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力を増大する際、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になると共に、前記推力が、前記走行用駆動源(モータジェネレータ3)に駆動される油圧源(オイルポンプ61)から供給可能な油圧(発生可能供給油圧)によって実現される推力(発生可能推力)以下の値(第2推力)になるように、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を設定する構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定するものの、回生量の不要な低下を防止することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
これにより、(2)の効果に加え、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定するものの、回生量の不要な低下を防止することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
(4) 前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を制限すると共に前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力を増大する際、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になると共に、前記推力が、前記走行用駆動源(モータジェネレータ3)に駆動される油圧源(オイルポンプ61)から実際に供給されている油圧(実供給油圧)によって実現される推力(実発生推力)以下の値(第3推力)になるように、前記ジェネレータ(モータジェネレータ3)の回生量を設定する構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定するものの、回生量の不要な低下を確実に防止することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
これにより、(2)の効果に加え、ベルト弦振動の発生抑制を優先して回生量を設定するものの、回生量の不要な低下を確実に防止することができて、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
(5) 前記駆動輪(前輪6)とは異なる他の車輪(後輪8)に対して、前記バリエータ(ベルト式無段変速機CVT)からの出力の伝達状態と非伝達状態とを切り替え可能なトランスファT/Fを備え、
前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記トランスファT/Fによって前記バリエータ(ベルト式無段変速機CVT)からの出力を非伝達状態にした二輪駆動状態のとき、前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動が発生する条件(弦振動発生条件)が成立すると判断する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、トランスファT/Fとベルト式無段変速機CVTとが共振して、弦振動による振動音の増幅可能性のあるときにのみ、回生量の低下を行うことになり、回生量を不要に低下することがなく、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、前記トランスファT/Fによって前記バリエータ(ベルト式無段変速機CVT)からの出力を非伝達状態にした二輪駆動状態のとき、前記動力伝達部材(プーリベルト50)の弦振動が発生する条件(弦振動発生条件)が成立すると判断する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、トランスファT/Fとベルト式無段変速機CVTとが共振して、弦振動による振動音の増幅可能性のあるときにのみ、回生量の低下を行うことになり、回生量を不要に低下することがなく、燃費の不要な低減を抑えることが可能となる。
(6) 前記共振抑制手段(統合コントローラ14)は、減速走行時の前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力の上限値を、加速走行時の前記動力伝達部材(プーリベルト50)に加わる推力の上限値よりも大きい値にする構成とした。
これにより、(2)〜(5)のいずれかの効果に加え、減速による回生制御中に実施するベルト推力の増大が制限されにくくなり、回生量の不要な低下を抑えることができて、回生量の不要な低下を防止し、燃費の低下を防止することができる。
これにより、(2)〜(5)のいずれかの効果に加え、減速による回生制御中に実施するベルト推力の増大が制限されにくくなり、回生量の不要な低下を抑えることができて、回生量の不要な低下を防止し、燃費の低下を防止することができる。
以上、本発明の電動車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、本発明を、走行用駆動源としてエンジン1とモータジェネレータ3を備えたハイブリッド車両に適用する例を示したが、これに限らない。回生可能なジェネレータと、弦振動を生じるバリエータと、を備えた電動車両であれば本発明を適用可能である。このため、電動車両としては、例えば、走行用駆動源としてエンジンを備えずに、モータジェネレータのみを有する電気自動車であってもよい。
また、実施例1では、トランスファT/Fを備えて、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替え可能な前輪駆動ベースの四輪駆動車であるが、前輪駆動車、後輪駆動車、さらにはフルタイム式の四輪駆動車であっても、ジェネレータとバリエータを備えた車両であれば本発明を適用することができる。
また、実施例1では、トランスファT/Fを備えて、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替え可能な前輪駆動ベースの四輪駆動車であるが、前輪駆動車、後輪駆動車、さらにはフルタイム式の四輪駆動車であっても、ジェネレータとバリエータを備えた車両であれば本発明を適用することができる。
また、実施例1では、動力伝達部材として、チェーン式ベルトであるプーリベルト50とする例を示したが、これに限らない。例えば、板状のエレメントをその板厚方向に多数積層し、2組のリングをエレメント両サイドに挟み込むことによって結束して構成したベルトであってもよい。
そして、実施例1では、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」にする際、モータジェネレータ3の回生量を制限すると同時に、ベルト推力の増大を行う例を示した。しかしながら、これに限らず、例えば図13に示すように、セカンダリ圧室43に供給される供給油圧を初期値αに維持し、ベルト推力の増大を図らずに、回生量をxからx´へと低下させるだけで、プーリベルト50の弦振動周波数を「振動抑制周波数」に変化させて、弦振動の発生を防止してもよい。
この場合であっても、プーリベルト50の弦振動周波数が、所定の弦振動発生域から外れることになり、弦振動の発生を防止することができる。
この場合であっても、プーリベルト50の弦振動周波数が、所定の弦振動発生域から外れることになり、弦振動の発生を防止することができる。
さらに、実施例1では、「第1リミット回生トルク」が、プーリベルト50のベルト推力を「発生可能推力」に一致させる値に設定され、「第2リミット回生トルク」が、プーリベルト50のベルト推力を「実発生推力」に一致させる値に設定される例を示した。しかしながら、これに限らない。回生トルクを制限することで、ベルト推力が「発生可能推力」以下の値、或いは、「実発生推力」以下の値になればよいので、「第1リミット回生トルク」は、プーリベルト50のベルト推力を「発生可能推力」未満にする値に設定されてもよい。また、「第2リミット回生トルク」は、プーリベルト50のベルト推力を「実発生推力」未満にする値に設定されてもよい。
1 エンジン(走行用駆動源)
2 第1クラッチ
3 モータジェネレータ(走行用駆動源、ジェネレータ)
4 第2クラッチ
CVT ベルト式無段変速機(バリエータ)
6 前輪(駆動輪)
T/F トランスファ
8 後輪(他の車輪)
14 統合コントローラ(共振抑制手段)
15 CVTコントローラ
16 クラッチコントローラ
17 エンジンコントローラ
18 モータコントローラ
19 バッテリコントローラ
20 4WDコントローラ
30 プライマリプーリ
40 セカンダリプーリ
43 セカンダリ圧室
50 プーリベルト
2 第1クラッチ
3 モータジェネレータ(走行用駆動源、ジェネレータ)
4 第2クラッチ
CVT ベルト式無段変速機(バリエータ)
6 前輪(駆動輪)
T/F トランスファ
8 後輪(他の車輪)
14 統合コントローラ(共振抑制手段)
15 CVTコントローラ
16 クラッチコントローラ
17 エンジンコントローラ
18 モータコントローラ
19 バッテリコントローラ
20 4WDコントローラ
30 プライマリプーリ
40 セカンダリプーリ
43 セカンダリ圧室
50 プーリベルト
Claims (6)
- 走行用駆動源と駆動輪との間に配され、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に掛け渡される動力伝達部材を備えたバリエータと、
前記駆動輪から入力されるトルクを回生可能なジェネレータと、
前記動力伝達部材に発生する弦振動を抑制する共振抑制手段と、を備え、
前記動力伝達部材の弦振動周波数は、前記ジェネレータの回生制御中、前記動力伝達部材に加わる推力及び前記ジェネレータの回生量に応じて変化し、
前記共振抑制手段は、前記ジェネレータの回生制御中に前記動力伝達部材の弦振動が発生する条件が成立するとき、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になるように、前記ジェネレータの回生量を制限する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1に記載された電動車両の制御装置において、
前記共振抑制手段は、前記ジェネレータの回生量を制限すると共に、前記動力伝達部材に加わる推力を増大する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項2に記載された電動車両の制御装置において、
前記共振抑制手段は、前記ジェネレータの回生量を制限すると共に前記動力伝達部材に加わる推力を増大する際、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になると共に、前記推力が、前記走行用駆動源に駆動される油圧源から供給可能な油圧によって実現される推力以下の値になるように、前記ジェネレータの回生量を設定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項2に記載された電動車両の制御装置において、
前記共振抑制手段は、前記ジェネレータの回生量を制限すると共に前記動力伝達部材に加わる推力を増大する際、前記弦振動周波数が所定の弦振動発生域から外れる値になると共に、前記推力が、前記走行用駆動源によって駆動される油圧源から実際に供給されている油圧によって実現される推力以下の値になるように、前記ジェネレータの回生量を設定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された電動車両の制御装置において、
前記駆動輪とは異なる他の車輪に対して、前記バリエータからの出力の伝達状態と非伝達状態とを切り替え可能なトランスファを備え、
前記共振抑制手段は、前記トランスファによって前記バリエータからの出力を非伝達状態にした二輪駆動状態のとき、前記弦振動が発生する条件が成立すると判断する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載された電動車両の制御装置において、
前記共振抑制手段は、減速走行時の前記推力の上限値を、加速走行時の前記推力の上限値よりも大きい値にする
ことを特徴とする電動車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212928A JP2018069960A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 電動車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016212928A JP2018069960A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 電動車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018069960A true JP2018069960A (ja) | 2018-05-10 |
Family
ID=62113706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016212928A Pending JP2018069960A (ja) | 2016-10-31 | 2016-10-31 | 電動車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018069960A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018194057A (ja) * | 2017-05-15 | 2018-12-06 | 本田技研工業株式会社 | 車両及び車両の制御方法 |
WO2021006261A1 (ja) * | 2019-07-10 | 2021-01-14 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両制御装置並びに車両制御システム |
-
2016
- 2016-10-31 JP JP2016212928A patent/JP2018069960A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018194057A (ja) * | 2017-05-15 | 2018-12-06 | 本田技研工業株式会社 | 車両及び車両の制御方法 |
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JP2021014136A (ja) * | 2019-07-10 | 2021-02-12 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両制御装置並びに車両制御システム |
JP7240275B2 (ja) | 2019-07-10 | 2023-03-15 | 日立Astemo株式会社 | 車両制御装置並びに車両制御システム |
US11897449B2 (en) | 2019-07-10 | 2024-02-13 | Hitachi Astemo, Ltd. | Hybrid vehicle control units configured for operation continuity |
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