JP2018069525A - 導電体含有転写フィルム、導電体含有転写層貼付樹脂成形体、及びこれらの製造方法 - Google Patents

導電体含有転写フィルム、導電体含有転写層貼付樹脂成形体、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な表面硬度を付与でき、かつ安全確実に導電体を被転写物表面に形成可能な転写フィルム、及びその転写フィルムを転写した樹脂成形体の提供。
【解決手段】剥離フィルム及び導電体含有転写層が積層された構造を有し、剥離フィルムを剥離して導電体含有転写層を転写することができる導電体含有転写フィルムであって、剥離フィルムは、少なくとも支持フィルム層及び離型層が積層してなり、導電体含有転写層は、少なくとも表面保護層、導電体層及び密着層がこの順番で積層してなり、離型層が表面保護層を覆うように、剥離フィルムと導電体含有転写層が積層され、表面保護層は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する、重量平均分子量が5000以上300000以下の硬化性樹脂を含む、導電体含有転写フィルム;導電体含有転写層貼付樹脂成形体、及びこれらの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転写フィルム、その転写フィルムを転写した樹脂成形品に関する。
従来から、耐キズ性、耐薬品性などに優れた表面を転写によって得られる転写フィルムが知られている。たとえば、特許文献1には、離型性フィルムの離型面上に、紫外線硬化樹脂からなる表面保護層が設けられ、その上に絵柄層、接着層などを設けた転写フィルムが提案されている。このような耐キズ性を有する表面保護層を有する加飾転写フィルムは、ポリカーボネート樹脂を代表とする軟らかいプラスチックの表面を保護する目的で使用されることが多い。
しかしながら、転写後に得られる表面保護層の硬度を向上させたい場合、転写前に表面保護層に紫外線照射して硬化させると、転写フィルムの柔軟性が不足するために被転写物への追従性が悪く外観上の不良が発生することがある。他方、転写フィルムの柔軟性を向上させた場合、表面保護層の硬度を下げる必要があるため、目的の硬度が得られないことが多い。
特許第2538479号公報
このように転写フィルムの、転写後の良好な外観と十分な硬度確保を共に満足するのは容易ではない。また、転写フィルムが、たとえば電熱線を含む細い帯状導線等の導電体を含む場合、転写後、表面保護層に亀裂が入ったりすると、導電性に悪影響を及ぼす。このため、より一層高度な安定性が転写フィルムには要求される。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、被転写物がポリカーボネート樹脂のような軟らかい材料であっても、十分な表面硬度を付与でき、かつ安全確実に導電体を被転写物表面に形成可能な転写フィルム、及びその転写フィルムを転写した樹脂成形体を提供することにある。
上記問題を解決する手段として、以下の4つの態様の発明を開示する。
[本発明の第一の態様]
本発明の第一の態様は、
剥離フィルム(剥離層)及び導電体含有転写層が積層された構造を有し、剥離フィルムを剥離して導電体含有転写層を転写することができる導電体含有転写フィルムであって、
剥離フィルムは、少なくとも支持フィルム層及び離型層が積層してなり、
導電体含有転写層は、少なくとも表面保護層、導電体層及び密着層が、この順番で積層してなり、
離型層が表面保護層を覆うように、剥離フィルムと導電体含有転写層が積層され、
導電体含有転写フィルムの支持フィルム層方向を表側とした場合に、
導電体層が、表面保護層の裏側面の一部分を覆い、
密着層が、導電体層の裏側面及び表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆い、
表面保護層は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、硬化性樹脂の重量平均分子量が、5000以上300000以下である、ことを特徴とする、導電体含有転写フィルムである。
[本発明の第二の態様]
本発明の第二の態様は、
表面保護層、導電体層及び密着層を少なくとも備え、この順番で積層してなる導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体であって、
導電体含有転写層の表面保護層方向を表側とした場合に、
導電体層が、表面保護層の裏側面の一部分を覆い、
表面保護層が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、硬化性樹脂の重量平均分子量が、5000以上300000以下であり、
密着層が、導電体層の裏側面及び表面保護層の裏側面から構成される表面の少なくとも一部分を覆い、
導電体含有転写層が、密着層を介して、前記樹脂成形体表面の少なくとも一部分上に貼り付けられていることを特徴とする、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体である。
[本発明の第三の態様]
本発明の第三の態様は、
(I)支持フィルム層を覆って離型層を積層して、剥離フィルムを形成する工程、
(II)離型層を覆って、重量平均分子量が、5000以上300000以下である、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含む表面保護層を積層する工程、
(III)支持フィルム層方向を表側とした場合に、表面保護層の裏側面の一部分を覆って導電体層を形成する工程、及び
(V)導電体層の裏側面及び表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆って密着層を形成する工程、
を含むことを特徴とする、導電体含有転写フィルムの製造方法である。
[本発明の第四の態様]
本発明の第四の態様は、
導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の作製方法であって、
本発明の第一の態様の導電体含有転写フィルムを用いて、導電体含有転写層を前記樹脂成形体の表面の少なくとも一部分上に転写する工程、及び表面保護層の硬化性樹脂を硬化させる工程、を含み、
前記転写する工程においては、前記導電体含有転写フィルムから前記剥離フィルムを剥離させた後に前記導電体含有転写層を前記樹脂成形体の表面に貼付する、または前記導電体含有転写フィルムを前記樹脂成形体の表面に貼付した後に前記剥離フィルムを剥離させる、ことを特徴とする、作製方法である。
本発明の第一の態様の、導電体含有転写フィルムの実施形態の断面模式図である。 本発明の第二の態様の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の実施形態の断面模式図である。 本発明の第二の態様の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の実施形態(導電体が特定パターンの電熱線)の平面模式図である。
以下、本発明に係る導電体含有転写フィルムの各種実施形態について、図面を参照して説明する。
[A.本発明の第一の態様]
まず図1は、本発明の第一の態様である導電体含有転写フィルムの一実施態様の断面模式図である。
図1から明らかなように、導電体含有転写フィルム(10)は、剥離層としての剥離フィルム(12)及び転写層としての導電体含有転写層(11)が積層された構造を有し、剥離フィルムを剥離して導電体含有転写層を、樹脂成形体に転写することができる。
そして、剥離層としての剥離フィルム(12)は、少なくとも支持フィルム層(1)及び離型層(2)が積層してなり;転写層としての導電体含有転写層(11)は、少なくとも表面保護層(3)、導電体層(4)及び密着層(6)が、この順番で積層してなる。
そして、導電体含有転写フィルム(10)においては、剥離フィルム(12)は、その離型層(2)が、導電体含有転写層(11)の表面保護層(3)を覆うように、導電体含有転写層(11)と積層されている。
ここで、「覆う」の用語は、対象となる2つの層が直接的に隣接して積層される場合だけでなく、本発明の効果を大きく損なうことがない限り、該二層の間に他の層が含まれていてもよい。本明細書におけるこれ以後の記載においても同様である。
以下、各層について、より詳しく説明する。なお、説明の便宜上、導電体含有転写フィルム(10)の支持フィルム層側を表側とし、密着層(6)側を裏側とする。
(支持フィルム層)
転写フィルムのベースフィルムとして機能する限り、任意のフィルムを用いることができるが、樹脂性基材を使用することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、セロファンフィルム、アクリルフィルムを例示することができる。
使用可能な支持フィルム層(1)の厚みとしては、25μm〜150μmとすることができるが、好ましくは、38μm〜50μmである。
(離型層)
離型層(2)は、転写層である導電体含有転写層(11)の表面保護層(3)からの剥離性が最も重要な機能であり、耐熱性、耐溶剤性及び延伸性も必要とされる。
このため、離型層(2)としては、硬化系樹脂であることが好ましい。例えば、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、酢酸セルロースなどの硬化物が使用可能である。また、エポキシ樹脂/アミン類、アルキド樹脂/酸触媒、アクリルポリオール樹脂/イソシアネート化合物、アクリルオリゴマー/光開始剤も好適に使用できる。
離型層(2)の厚みは、特に制限はないが、0.1μm〜3μmが好適である。
(導電体層)
導電体層(4)は、表面保護層の裏側面の一部を覆って形成される。例えば、樹脂ガラス窓(特に車両用窓)に備えられる防曇用ヒータとして使用するのに好適である。
導電体層(4)を形成する材料としては、任意の導電性材料を用いることができるが、たとえば導電性銀ペーストあるいは銅ペーストにより形成できる。導電性銀ペーストを用いる場合の成分は、例えば、固形分として銀粉末60〜90%、無機添加剤5〜30%、それに有機バインダ及び有機溶剤を加えたものとすることができる。
導電体層(4)のパターン形状の形成方法としては、スクリーン印刷が好適である。導電体層(4)の抵抗率は5〜50μΩcmであることが好ましい。
(表面保護層)
表面保護層(3)は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、該硬化性樹脂の重量平均分子量が、5000以上300000以下である。ここで、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。また、本態様における表面保護層においては、後記する本発明の第二の態様と異なり、硬化性樹脂は硬化する前の状態である。
表面保護層(3)の良好なタックフリー性、転写/硬化後の十分な硬度の観点から、硬化性樹脂の重量平均分子量の下限が5000、好ましくは10000であり;良好な成形性、導電性の観点から、硬化性樹脂の重量平均分子量の上限が300000、好ましくは200000である。
ここで、タックフリー性とは、硬化前の硬化性樹脂(表面保護層)の表面を指先に触れた際に付着性を示さないことをいい、かかる付着性のない状態、すなわちタック性がないことが、良好な外観を得る上で好ましい。重量平均分子量が、5000以上300000以下の前記硬化性樹脂を用いることで、溶剤乾燥のみでタックフリー性を実現することができる。
また、成形性とは、硬化後の硬化性樹脂(表面保護層)の表面にクラックが発生しにくい性質を指す。本発明者らは、この成形性と導電性(表面保護層硬化後の導電層の導電性維持)とに相関があり、導電体含有転写フィルムにおいては、導電性維持のためにより高度な成形性が要求されると考えている(実施例参照)。
アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート系、エポキシメタクリレート系、ウレタンアクリレート系、ウレタンメタクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエステルメタクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエーテルメタクリレート系のオリゴマーが例示できる。また、ポリマー単官能・二官能・あるいは多官能重合性(メタ)アクリル系モノマーも例示でき、より具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレートなどのモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの混合物が例示できる。
また、表面保護層の諸物性を向上させるため、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、滑剤、無機微粒子等を添加しても構わない。特に、硬度を付与するためには、シリカ微粒子やフッ素を含有した滑剤を添加することで、硬化後に更に高い硬度を得ることができる。
また、表面保護層3の厚みは、3μm〜15μmが好適である。
また、表面保護層は複数の副層から形成されていてもよい。この場合、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂は、少なくとも最も表側にある副層に含まれる。また、前記シリカ微粒子やフッ素が最も表側にある副層に含まれることが好ましい。たとえば、表面保護層を二層とし、最表層にはアクリル樹脂、シリカ、フッ素を含有し、その下層はアクリル樹脂のみとする場合などが挙げられる。この様な構成とすることで、最表層で硬度を持たせ、下層は剥離層に対する上塗り性を持たせることができる。
表面保護層の硬度としては、導電体含有転写フィルムの転写・硬化前(紫外線や電子線を照射して硬化する前)の鉛筆硬度がB以下で、転写・硬化後の鉛筆硬度がHB以上となることが好ましい。このような鉛筆硬度を備えることにより、転写の延伸時にクラックの発生を抑制することができると共に、転写・硬化後、成形体に優れた耐摩耗性と耐傷性を備えさせることができる。なお、鉛筆硬度は、鉛筆先端の負荷荷重を750gに設定し、30mm/分の速度で、30mmの距離を5回走行させ、傷が得られることが0又は1回であるときの鉛筆の硬度となる。
(密着層)
密着層(6)は、表面保護層(3)と樹脂成形体(13)との密着を保つための層である。
接着層としての態様
密着層の一態様としてまず、ヒートシール性接着剤又は粘着剤を含む、いわゆる接着層としての態様を例示できる。かかるヒートシール性接着剤又は粘着剤としては、公知のヒートシール性接着剤又は粘着剤を使用でき、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを挙げることができる。
複合材料層としての態様
密着層(6)の他の態様として、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂と、成形体形成用樹脂とを含む、複合材料層としての態様も例示できる。
ここで、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂は、表面保護層で用いているアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂と必ずしも全く同一である必要はないが、より良好な密着性の観点から、より近い構造であること好ましく、同一材料を用いることがより好ましい。
また、成形体形成用樹脂としては、貼付対象となる樹脂成形体の樹脂材料(第二の樹脂)との密着性を考慮しつつ、一般に樹脂成形体を形成可能な任意の樹脂を選択することができる。たとえば、熱可塑性樹脂材料としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、1液又は2液反応硬化型のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されず、様々な樹脂を用いることができる。これらの樹脂は、単独でも良いし、二種以上混合して用いても良い。
この態様の例として、表面保護層(3)のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂としてアクリレート系の樹脂、樹脂成形体(12)にポリカーボネート系樹脂を用いる場合において、複合材料層として同じ種類の樹脂であるアクリレート系樹脂とポリカーボネート系樹脂の混合体を用いることができる。複合材料層は、さらに深さ方向に対して組成が任意の傾斜構造とし、密着層の表側に近くなるほどアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂の割合を高くし、逆に密着層の裏側に近くなるほど成形体形成用樹脂の割合を高くすることが、より密着性を高める上で好ましい。
その他
密着層(6)の厚みとしては、0.5μm〜10μmの範囲が好適である。
また、紫外線遮蔽機能を付与するために、密着層に耐候性改善剤を添加しても良い。
(遮蔽層)
本態様の導電体含有転写フィルムには、任意に遮蔽層(5)を含むことができる。
該遮蔽層(5)は、導電体層(4)の裏側面及び表面保護層(3)の裏側面で構成される表面の一部分を覆い、該遮蔽層(5)が密着層(6)と重なる場合、密着層(6)は遮蔽層(5)の裏側面を覆う(図1参照)。
遮蔽層(5)は紫外線や可視光等を遮断する着色不透明層であり、典型的には従来公知のインクを印刷することによって形成される。例えば、樹脂ガラス窓等の樹脂成形体の周辺部に焼き付けることにより形成し、樹脂成形体をその周辺で保持しているウレタンシーラント等の紫外線による劣化を防止する目的、あるいは樹脂成形体(樹脂ガラス窓等)の周辺に取り付けられている電熱線やアンテナ線の端子などが車外から透視できないようにする目的で形成される。
遮蔽層(5)用のインクの成分としては、例えば固形分としてフィラーを含む無機顔料10〜40%、それに有機バインダ及び有機溶剤を加えたものが例示できる。
また、遮蔽層(5)のパターン形状の形成方法としては、スクリーン印刷が好適である。
[B.本発明の第二の態様]
図2は本発明の第二の態様、すなわち、本発明の第一の態様の導電体含有転写フィルムの転写層に相当する導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体(100)の一実施態様を示す断面模式図である。後記するD.本発明の第四の態様で説明するように、本態様の導電体含有転写層貼付樹脂成形体は、本発明の第一の態様の導電体含有転写フィルムを用いて、その転写層である導電体含有転写層を、樹脂成形体表面上に転写することにより製造できる。
図2から明らかなように、本発明の第二の態様の導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)は、樹脂成形体(13)の表面上に、導電体含有転写層(11)が貼付されている。そして、導電体含有転写層(11)は、少なくとも表面保護層(3)、導電体層(4)及び密着層(6)が、この順番で積層してなり、密着層(6)が樹脂成形体(13)の表面と密着するように配置されている。
また、本態様の導電体含有転写層貼付樹脂成形体の表面保護層(3)側を表側とした場合に、導電体層(4)の裏側面及び表面保護層(3)の裏側面で構成される表面の一部分を覆って、任意に遮蔽層(5)を備えていてもよい(図2参照)。なお、該遮蔽層(5)が密着層(6)と重なる場合、密着層(6)は遮蔽層(5)の裏側面を覆う。
次に図3は、本発明の第二の態様の導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)の一実施態様を示す平面模式図である。この図では、導電体層(4)は、左右一対の電極と、遮蔽層(5)の内側で水平方向に所定の間隔をもって配置された複数の導電線とから形成され、遮蔽層(5)は、所定の形状に湾曲成型された樹脂成形体(13)の周囲に形成されている。
(樹脂成形体)
本発明にいう樹脂成形体とは、成形された樹脂表面を有する物品をいう。本発明の好ましい樹脂成形体としては、窓(樹脂ガラス窓等)、より好ましくは車両用窓を挙げることができる。ここで導電体はたとえば防曇用電熱線と電極のセットである。
樹脂成形体(13)に用いられる樹脂としては、一般に樹脂成形体を形成可能な任意の樹脂を選択することができる。たとえば、熱可塑性樹脂材料としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、1液又は2液反応硬化型のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されず、様々な樹脂を用いることができる。これらの樹脂は、単独でも良いし、二種以上混合して用いても良い。
この樹脂成形体を構成する樹脂を、以下の明細書記載中において、密着層である複合材料層中に含まれる成形体形成用樹脂と区別するため、第二の樹脂と呼ぶ場合がある。
また、これらの樹脂には、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などを添加することができる。
樹脂成形体がたとえば樹脂ガラス窓等の窓である場合、第一の表面に導電体含有転写層(11)を貼付すると共に、その反対側の第二の表面の少なくとも一部を覆って、表面保護層を形成してもよい。この表面保護層は、導電体含有転写層中の表面保護層と同様の組成を有することができ、これと区別するため、以下の明細書記載中において、第二の表面保護層と呼ぶ場合がある。
(その他)
表面保護層(3)、導電体層(4)、密着層(6)及び遮蔽層(5)の詳細については、それぞれ前記A.本発明の第一の態様における記載を参照することができる。
もっとも、本態様における表面保護層(3)は、本発明の第一の態様とは異なり、硬化性樹脂は硬化後の状態である。
[C.本発明の第三の態様]
本態様は、本発明の第一の態様の導電体含有転写フィルムの製造方法である。
本態様の製造方法には、
(I)支持フィルム層を覆って離型層を積層して、剥離フィルムを形成する工程、
(II)離型層を覆って、重量平均分子量が、5000以上300000以下である、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含む表面保護層を積層する工程、
(III)支持フィルム層方向を表側とした場合に、表面保護層の裏側面の一部分を覆って導電体層を形成する工程、及び
(V)導電体層の裏側面及び表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆って密着層を形成する工程、が含まれる。
さらに任意に、工程(III)の後で工程(V)の前に、導電体層の裏側面及び表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆って、遮蔽層を形成する工程(IV)を含んでもよい。なお、かかる任意工程(IV)も含む場合、工程(V)にいう表面は、導電体層の裏側面、表面保護層の裏側面、及び遮蔽層の裏側面で構成される表面となる。
[D.本発明の第四の態様]
本態様は、本発明の第二の態様の導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)の製造方法である。
本態様の製造方法には、
(I)本発明の第一の態様の導電体含有転写フィルム(10)を用いて、導電体含有転写層(11)を、樹脂成形体の表面の少なくとも一部分に転写する工程、及び
(II)表面保護層(3)の硬化性樹脂を硬化させる工程、
を含む。
前記転写は、密着層(6)を用いた樹脂成形体の表面への貼付により行われる。
ここで、前記転写する工程においては、導電体含有転写フィルムから剥離フィルムを剥離させた後に導電体含有転写層を樹脂成形体の表面に貼付する、または導電体含有転写フィルムを樹脂成形体の表面に貼付した後に剥離フィルムを剥離させる。もっとも、未硬化の表面保護層の保護の観点からは、後者のほうが好ましく、より好ましくは硬化性樹脂を硬化させる工程の直前に剥離フィルムを剥離させることができる。
ここで、転写工程(I)は、好ましくは、射出成形、加熱転写、3次元表面加飾成形のうちのいずれか一の方法で行われる。なお、射出成形においては、金型から樹脂成形品を取り出す際に、剥離フィルムも同時に自然に剥離させることができる(実施例参照)。
また、硬化工程(II)は好ましくは、紫外線や電子線、電離放射線等の照射により行われる。表面保護層(3)の硬化性樹脂は、紫外線、電子線電離放射線等を用いて、ラジカル重合反応により硬化させることができるが、紫外線で硬化させる場合には、紫外線重合開始剤を0.5〜10重量%添加するのが通常である。ここで、転写後に硬化させるのは、転写の際に延伸によるクラックの発生をできるだけ防止し、良好な外観を得るためである。
また、導電体含有転写層(11)の密着層(6)が複合材料層(アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂と、成形体形成用樹脂との複合材料)である場合、複合材料層に用いられる成形体形成用樹脂としては、樹脂成形体に用いられる第二の樹脂と密着性の良好な材料が選択されるが、より良好な密着性の観点から、樹脂成形体に用いられる第二の樹脂と、少なくとも重合に関る官能基が共通することが好ましい。
さらに、前記[A.本発明の第一の態様](表面保護層)においても説明したように、表面保護層の鉛筆硬度は、転写前はB以下であることが好ましく、転写して硬化後はHB以上であることが好ましい。
[実施例1]
支持フィルム層(1)である、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社製G440E50)上に、アクリルメラミン樹脂(日立化成ポリマー株式会社製テスファイン)をグラビア法でDry0.2μm厚に形成して離型層(2)を得た。
ここで、「Dry0.2μm厚」とは、乾燥時に0.2μm厚になるということを意味している。これと同様に、以下に記載される「Dry○○μm厚」とは、乾燥時に○○μm厚になるということを意味している。
続いて、離型層(2)上に、アクリロイル基含有紫外線硬化樹脂(DIC製V−6841)をリバースグラビア法でDry5μm厚に塗布して表面保護層(3)を形成した。 ここで、使用した紫外線硬化樹脂の重量平均分子量は30000である。
次に、表面保護層(3)上に、導電体層(4)として銀ペーストインキ(ハリマ化成グループ株式会社製NPS−JL)をスクリーン印刷法でDry10μm厚に塗布し、その後、遮蔽層(5)として黒色セラミックペーストをスクリーン印刷法でDry8μm厚に形成した。
続いて、密着層(6)として塩化酢酸ビニル樹脂(日信化学工業株式会社製ソルバインA)をトルエン及びメチルエチルケトンに溶かしたインキをグラビア法でDry1μm厚に塗布し、導電体含有転写フィルム(10)を得た(図1参照)。
更に、射出成形機の金型内に、この導電体含有転写フィルム(10)をセットして、樹脂成形体(13)となるポリカーボネート樹脂で射出成形を行った。得られた成形品は剥離シートが取り除かれた状態であり、樹脂成形品の表面保護層面に120W/cmの高圧水銀灯で露光量1000mJ/cm2の紫外線を照射し、完全硬化させることで、導電体含有転写フィルム(10)中の導電体含有転写層が転写された、導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)を得た(図3参照)。
[実施例2]
実施例1で用いた表面保護層(3)としての紫外線硬化樹脂を、同じくアクリロイル基含有紫外線硬化樹脂であるDIC製WHV−649(重量平均分子量が50000)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、導電体含有転写フィルム(10)を得た。続いて、実施例1と同様の手順で、導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)を得た。
[実施例3]
実施例1で用いた表面保護層(3)としての紫外線硬化樹脂を、同じくアクリロイル基含有紫外線硬化樹脂であるDIC製V−6840(重量平均分子量が5000)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、導電体含有転写フィルム(10)を得た。続いて、実施例1と同様の手順で、導電体フィルム貼付成形体(100)を得た。
[実施例4]
実施例1で用いた表面保護層(3)としての紫外線硬化樹脂を、同じくアクリロイル基含有紫外線硬化樹脂であるDIC製EKS−675(重量平均分子量が300000)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、導電体含有転写フィルム(10)を得た。続いて、実施例1と同様の手順で、導電体フィルム貼付成形体(100)を得た。
[比較例1]
実施例1で用いた表面保護層(3)としての紫外線硬化樹脂を、同じくアクリロイル基含有紫外線硬化樹脂であるDIC製V−4025(重量平均分子量が3000)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、導電体含有転写フィルム(10)を得た。続いて、実施例1と同様の手順で、導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)を得た。
[比較例2]
実施例1で用いた表面保護層3としての紫外線硬化樹脂を、同じくアクリロイル基含有紫外線硬化樹脂であるDIC製EKS−676(重量平均分子量が500000)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、導電体含有転写フィルム(10)を得た。続いて、実施例1と同様の手順で、導電体含有転写層貼付樹脂成形体(100)を得た。
実施例1〜4および比較例1、2で得られた樹脂成形体の評価項目と評価基準を下記に示す。
(タックフリー性)
○:成形後(硬化前)の表面保護層にタック性がない。
フィルムの乾燥後に指で触って付着性がない。
×:成形後(硬化前)の表面保護層にタック性がある。
フィルムの乾燥後に指で触って付着性がある。
(成形性)
○:成形後の表面保護層を光学顕微鏡(倍率 50倍 )で観察して確認できるクラックの発生がない。
×:成形後の表面保護層を光学顕微鏡(倍率 50倍 )で観察して確認できるクラックの発生がある。
(導電性)
導電体パターンにおける端子間抵抗について、抵抗計を用いて測定した。
○:抵抗値が測定可能(100MΩ未満)。
×:抵抗値が測定不能(100MΩ以上)。
(鉛筆硬度)
鉛筆先端の負荷荷重を750gに設定し、30mm/分の速度で、30mmの距離を5回走行させ、傷が得られることが0又は1回であるときの鉛筆の硬度となる。
各実施例及び各比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2018069525
実施例1〜4及び比較例1、2で得た成形品のタック性、成形性、導電性および鉛筆硬度を評価した。
表面保護層の重量平均分子量が5000以上300000以下である実施例1〜4については、タックフリーでかつ成形性が良好であり、硬化後の鉛筆硬度がすべて2H以上であった。また、導電体と遮蔽層についても動作や外観上で問題は発生しなかった。
一方、表面保護層の重量平均分子量が3000と低い比較例1では、タック性があるため外観不良が発生し、かつ硬化後の鉛筆硬度もHであり硬度が向上しなかった。
また、表面保護層の重量平均分子量が500000と高い比較例2では、硬化後の鉛筆硬度は4Hで硬度が向上したものの、成形性が悪く外観不良が発生し、クラック発生により導電性も悪化した。
もっとも、遮蔽層については比較例1及び2において外観上で問題は発生しなかった。
本発明に係る導電体含有転写フィルム及び、該転写フィルムを用いて得られた導電体含有転写層貼付樹脂成形体によれば、被転写物がポリカーボネート樹脂のような軟らかい材料であっても、十分な表面硬度を付与でき、かつ導電体(更に好ましくは遮蔽層も含めて)を一挙に形成可能な転写フィルム及びその転写フィルムを転写した樹脂成形体を提供することができる。
従って、本発明に係る転写フィルムは、たとえば導電体(電熱線等)を備えた樹脂ガラス窓、特に車両用窓等の形成に好ましく用いることができる。
1 支持フィルム層
2 離型層
3 表面保護層
4 導電体層
5 遮蔽層
6 密着層
10 導電体含有転写フィルム
11 導電体含有転写層
12 剥離シート(剥離層)
13 樹脂成形体
100 導電体含有転写層貼付樹脂成形体

Claims (20)

  1. 剥離フィルム及び導電体含有転写層が積層された構造を有し、前記剥離フィルムを剥離して前記導電体含有転写層を転写することができる導電体含有転写フィルムであって、
    前記剥離フィルムは、少なくとも支持フィルム層及び離型層が積層してなり、
    前記導電体含有転写層は、少なくとも表面保護層、導電体層及び密着層が、この順番で積層してなり、
    前記離型層が前記表面保護層を覆うように、前記剥離フィルムと前記導電体含有転写層が積層され、
    前記導電体含有転写フィルムの前記支持フィルム層方向を表側とした場合に、
    前記導電体層が、前記表面保護層の裏側面の一部分を覆い、
    前記密着層が、前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆い、
    前記表面保護層は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、該硬化性樹脂の重量平均分子量が、5000以上300000以下である、ことを特徴とする、導電体含有転写フィルム。
  2. 前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面で構成される表面の一部分を覆って、更に遮蔽層を備え、該遮蔽層が前記密着層と重なる場合、前記密着層は前記遮蔽層の裏側面を覆うことを特徴とする、請求項1に記載の導電体含有転写フィルム。
  3. 前記密着層が、ヒートシール性接着剤または粘着剤を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電体含有転写フィルム。
  4. 前記密着層が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂と、成形体形成用樹脂との複合材料を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電体含有転写フィルム。
  5. 前記表面保護層が、複数の層からなる積層体であり、最も表側にある層が前記硬化性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電体含有転写フィルム。
  6. 前記表面保護層の複数の層のうち、最も表側にある層が更に、シリカ微粒子及びフッ素含有樹脂からなる群から選択される一種以上の添加物を含むことを特徴とする、請求項5に記載の導電体含有転写フィルム。
  7. 前記導電体層が、銀または銅を含有する導電性物質を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電体含有転写フィルム。
  8. 前記導電体層の抵抗率が、5μΩcm以上50μΩcm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電体含有転写フィルム。
  9. 表面保護層、導電体層及び密着層を少なくとも備え、この順番で積層してなる導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体であって、
    前記導電体含有転写層の前記表面保護層方向を表側とした場合に、
    前記導電体層が、前記表面保護層の裏側面の一部分を覆い、
    前記表面保護層が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、該硬化性樹脂の重量平均分子量が、5000以上300000以下であり、
    前記密着層が、前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面から構成される表面の少なくとも一部分を覆い、
    前記導電体含有転写層が、前記密着層を介して、前記樹脂成形体表面の少なくとも一部分上に貼り付けられていることを特徴とする、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体。
  10. 前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面で構成される表面の一部分を覆って、更に遮蔽層を備え、該遮蔽層が前記密着層と重なる場合、前記接着層は前記遮蔽層の裏側面を覆うことを特徴とする、請求項9に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体。
  11. 前記樹脂成形体が樹脂ガラス窓である、請求項9または10に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体。
  12. 前記導電体含有転写層を貼付された第一の表面の反対側にある、前記樹脂成形体の第二の表面の少なくとも一部分を覆って、第二の表面保護層が形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体。
  13. 前記樹脂ガラス窓が車両用窓である、請求項11または12に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体。
  14. (I)支持フィルム層を覆って離型層を積層して、剥離フィルムを形成する工程、
    (II)前記離型層を覆って、重量平均分子量が、5000以上300000以下である、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含む表面保護層を積層する工程、
    (III)前記支持フィルム層方向を表側とした場合に、前記表面保護層の裏側面の一部分を覆って導電体層を形成する工程、及び
    (V)前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆って密着層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、導電体含有転写フィルムの製造方法。
  15. 前記工程(III)の後で前記工程(V)の前に、前記導電体層の裏側面及び前記表面保護層の裏側面で構成される表面の少なくとも一部分を覆って、遮蔽層を形成する工程(IV)を更に含み、
    前記工程(V)にいう表面が、前記導電体層の裏側面、前記表面保護層の裏側面、及び前記遮蔽層の裏側面で構成される表面であることを特徴とする、請求項14に記載の、導電体含有転写フィルムの製造方法。
  16. 導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の製造方法であって、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電体含有転写フィルムを用いて、前記導電体含有転写層を前記樹脂成形体の表面の少なくとも一部分上に転写する工程、及び
    前記表面保護層の硬化性樹脂を硬化させる工程、を含み、
    前記転写する工程においては、前記導電体含有転写フィルムから前記剥離フィルムを剥離させた後に前記導電体含有転写層を前記樹脂成形体の表面に貼付する、または前記導電体含有転写フィルムを前記樹脂成形体の表面に貼付した後に前記剥離フィルムを剥離させる、ことを特徴とする、製造方法。
  17. 前記転写が、射出成形、加熱転写、3次元表面加飾成形のうちいずれか一の方法で行われることを特徴とする、請求項16に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の製造方法。
  18. 前記導電体含有転写フィルムの密着層が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂と、成形体形成用樹脂との複合材料を含み、
    前記樹脂成形体を構成する第二の樹脂が、前記密着層の成形体形成用樹脂と重合に関る官能基が共通する第二の樹脂で形成された表面であり、
    前記転写が、前記第二の樹脂で形成された表面を含む表面に対して行われることを特徴とする、請求項16または17に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の製造方法。
  19. 前記表面保護層の鉛筆硬度が、転写前はB以下であり、転写して硬化後はHB以上であることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の製造方法。
  20. 前記硬化させる工程が、電離放射線を照射して硬化させる工程を含むことを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一項に記載の、導電体含有転写層を貼付された樹脂成形体の製造方法。
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WO2023243290A1 (ja) * 2022-06-16 2023-12-21 東レ株式会社 インモールド転写用成型フィルム、成型品の製造方法

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