JP2018069479A - 光学用積層ポリエステルフィルムおよびタッチパネル - Google Patents

光学用積層ポリエステルフィルムおよびタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】
透明電極基材としてタッチパネルディスプレイに組み込んだ時に紫外線による構成部材、特に粘着材の劣化を十分に低減することができ、ブリードアウトの発生しない積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】
少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、表層の厚みをAμm、中間層に含まれている紫外線吸収剤のフィルム全体に対する含有率をB重量%としたとき、B/Aの比が0.20以上1.0以下であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は光学用積層ポリエステルフィルムに関するものであり、タッチパネル等の光学部材の基材として用いられるものである。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、また、コストパフォーマンスにも優れるため、各種用途に使用されている。
近年では、タッチパネル式の表示装置に用いられる透明導電性フィルムのベースフィルムや液晶表示装置に用いられるプリズムシート用のベースフィルムやブラウン管、LCD、PDP等の、いわゆるフラットディスプレイの光学用フィルムとして広く用いられている。
特に、近年需要の増えているタッチパネル機能付きの携帯電話(スマートフォン)やタブレットPCなどにおいては、手軽に持ち運べることから、屋外で使用する機会が増えており、直接太陽光線に曝される時間が増えている。太陽光線は紫外線を含んでおり、長時間太陽光線に曝されると、タッチパネル内部構成物が劣化してしまう。詳しくは、フィルム基材自身が黄変する問題が生じたり、粘着材等から気泡が発生し、視認性や積層体の密着性に問題を生じたりする。
タッチパネル表示部材としては、ペン入力時の耐久性が良好かつ粘着剤のクッション効果による書き味が良好な点で、両面あるいは片面にハードコート処理したフィルムと片面に透明導電膜(ITO膜)を設けたフィルムの他面とを粘着層を介して接着積層したものが広く用いられている。また、画像表示構成部材とその他の構成部材を貼り合せるために粘着材が使用されている。
通常のポリエステルは紫外線吸収能を有していないため、屋外で長時間にわたり紫外線に曝されることによって、ポリエステルフィルムの劣化も起こるが、特に粘着材の劣化による気泡の発生が起こり、視認性の低下が問題となることがあるため、耐紫外線性が厳しく求められる。
ポリエステルフィルムの耐光性を改良する手法としては、特開2009−14886号公報(特許文献1)のように、ポリエステルフィルムそのものに紫外線吸収剤を練り込み、紫外線カット機能を持たせる検討が行われている。携帯電話やタブレットPCの小型化、軽量化、薄型化が進むにつれて、透明導電層の基材の薄膜化が検討されている。しかし、一般に低分子量化合物を含有させ、紫外線吸収能を持ったポリエステルフィルムを得ようとすると、紫外線吸収剤のブリードアウトによる製造ラインの汚染や、機能性を付与する後工程ラインが汚染され問題となるが、薄膜化に伴いブリードアウトがより顕著化してしまう問題がある。
特開2009−14886号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、透明電極基材としてタッチパネルディスプレイに組み込んだ時に紫外線による構成部材、特に粘着材の劣化を十分に低減することができ、ブリードアウトの発生しない二軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の透明電極基材用ポリエステルフィルムによれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、表層の厚みをAμm、中間層に含まれている紫外線吸収剤のフィルム全体に対する含有率をB重量%としたとき、B/Aの比が0.20以上1.0以下であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、透明電極基材用フィルムとして、紫外線に対して高い耐久性を持ったポリエステルフィルムを簡便かつ廉価に提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、1種あるいは複数のジカルボン酸と1種あるいは複数のジオールとを重縮合して得られるポリマーをいう。ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。ジオールの例として、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。本発明では、特に強度および透明性に優れ、かつ比較的廉価で各種用途で幅広く使用されるポリエチレンテレフタレート、あるいは他のエステル単位が数モル%程度共重合されたポリエステルが推奨される。
本発明の積層ポリエステルフィルムは少なくとも3層からなることが重要である。本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明の積層フィルムの表層以外の層、すなわち中間層は実質的に粒子を含有しないことが好ましい。ここで言う実質的に含有しないとは、具体的には、粒子の含有量が150ppm以下のことを指す。これは粒子添加の目的がロール延伸機による縦延伸工程における傷入り緩和であるため、中間層に粒子を含有させる意義がないからである。粒子の使用は些少ではあるがコストアップの要因となり、また延伸の条件によっては粒子周囲にボイドが形成され透明性を減じる可能性がある。
フィルムに配合する粒子としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、有機粒子および特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。これら粒子の配合量は、フィルムを構成するポリエステルに対し、通常5〜90重量ppm以下、好ましくは20〜80重量ppmの範囲である。粒子の含有量が少ない場合には、フィルム表面を適度な粗面にすることができず、フィルム製造工程において、表面のキズが発生しやすかったり、巻き特性が劣ったりする傾向がある。また、粒子の含有量が90重量ppmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて透明性が損なわれることがある。
ポリエステルフィルム中に配合する粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常0.02μm〜4.0μm、好ましくは0.6μm〜2.5μmの範囲である。平均粒径が0.02μm未満の粒子を用いた場合には、十分な易滑性の付与が出来ないため、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。また、平均粒径が4.0μmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎてフィルムがヘージーとなる場合がある。
一方、フィルムの透明性を向上させるため、3層以上の積層フィルムとした場合、表層のみに粒子を配合する方法も好ましく採用される。この場合の表層とは、少なくとも表裏どちらか1層であり、もちろん表裏両層に粒子を配合することもできる。かかる積層フィルムとした場合の粒子の配合量は、表層を構成するポリエステルに対し、好ましくは0.01〜2重量%、さらに好ましくは0.02〜1重量%の範囲である。
本発明の積層ポリエステルフィルムの表層の厚みAは、1.5μm以上が好ましい。表層の厚みAが1.5μm未満であると、当該表層のコシが小さくなり、縦延伸工程における傷入り緩和効果と滑り性が減じてしまうため好ましくない傾向にある。一方、積層ポリエステルフィルムの透明性の観点から、上限は10μm以下が好ましい。中でも、生産性の観点より、表層の厚みAが2〜8μmがさらに好ましい。
前述のとおり、粒子は些少とはいえ透明性を減じる可能性があるため、全体の厚みに対する中間層の厚み比率が可能な限り大きい方がより好ましい。また、表層の厚みは縦延伸工程における傷入り緩和に十分な機能を発揮する限り薄ければ薄いほどより好ましい。
なお前記表層の厚みAについて、表層の両面で厚みが異なる場合は、表層の厚みがより小さいものを厚みAとして採用する。
また、積層ポリエステルフィルム積層構成が4層以上有する場合、紫外線吸収剤を含有する層を中間層、当該中間層を除く層を表層とみなす。表層が複数層有する場合は、合計の厚みを表層の厚みとみなす。
本発明の積層ポリエステルフィルムには、中間層に紫外線吸収剤を含有することが重要である。本発明に用いられる紫外線吸収剤は限定されないが、具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、1,3,5−トリアジン系化合物、ベンゾオキサジン系化合物等を挙げることができ、これら1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジン系化合物が好適に用いられる。
紫外線吸収剤として用いるベンゾオキサジン系化合物の例としては、2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有率は、フィルム全体に対して3.0〜0.7重量%含まれていることが好ましく、2.5〜0.9重量%がより好ましく、2.0〜1.1重量%がさらに好ましい。紫外線吸収剤の含有率が規定された範囲を満たすことによって、積層ポリエステルフィルムの黄変を抑制させるだけでなく、十分な透明性を確保することができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、表層中に紫外線吸収剤を含有することを排除するものではないが、表層中の紫外線吸収剤の含有割合は0.5重量%以下とすることが好ましい。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、酸化防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット化剤、および染料、顔料などの着色剤等を配合してもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムにおいては、紫外線吸収剤を表層以外のいずれかの中間層に含有し、その含有量は、表層の厚みをAμm、中間層に含まれている紫外線吸収剤のフィルム全体に対する含有率をB重量%としたとき、B/Aの比が1.0以下であり、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。B/Aの比が1.0を超えたときは、表面に紫外線吸収剤がブリードアウトしやすく、接着性低下等、表面機能性の悪化を招くおそれがある。一方、B/Aの比の下限は、紫外線吸収性などの観点から0.2以上であり、0.3以上が好ましい。B/Aの値が0.2未満である場合は、紫外線吸収の効果が不十分であるため、例えば透明電極基材としてタッチパネルディスプレイに組み込んだ時に、紫外線による構成部材の劣化が生じる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは透明性を有するものであり、本発明で言う透明性とは、フィルムを隔てて得られる光学像が明瞭である特性を指し、実用特性指標として、ヘーズ、360nmおよび380nmにおける光線透過率によって評価することができる。
一般に、ポリエステルフィルムが単体で使用されることは少なく、表面に保護のためハードコートを設けたり、ガラスなどに接着剤で貼り合わせられたりするため、表面の平滑性や耐擦り傷性などが求められる。そこで、本発明では、ヘーズ、360nmおよび380nmにおける光線透過率がある特定の範囲であることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、波長380nmの光線透過率が好ましくは18.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下である。また、波長360nmの光線透過率が好ましくは5.0%以下、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%である。波長380nmの光線透過率が18.0%より大きい場合や、波長360nmの光線透過率が5.0%より大きい場合は、ポリエステルフィルムを透過する紫外線によって、各機能シート同士を貼り合せている粘着剤層が劣化するのを防ぐ効果が不十分な傾向にある。
すなわち、本発明の積層ポリエステルフィルムのヘーズは2.0%以下であるのが好ましく、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。ヘーズが2.0%を超えると、タッチパネル部材の光学用途における十分な透明性に欠け、高透明ニーズが求められる光学設計部材として不十分な場合がある。
本発明の積層ポリエステルフィルムの製造において積層構造とする手段は限定されないが、透明性を減じない観点から、積層界面で界面剥離が生じる可能性の絶無である共押出法が推奨される。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。それは以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良、耐候性および表面硬度の向上等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としてはオフラインコーティングの場合は水系、溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系が好ましい。
以下、本発明の積層フィルムの製造方法の1例を示すが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
まず、粒子を実質的に含有しないポリエステルと、粒子を含有するポリエステルとをそれぞれ別々の押出機にて溶融し、共押出ダイスで合流させ、Tダイより溶融押し出し、キャストドラム上にてガラス転移温度未満にまで急冷し、非晶質シートを得る。非晶質シートを、ロール延伸機を用いてガラス転移温度〜ガラス転移温度+30℃程度の温度で縦方向に3〜4倍延伸する。引き続き易滑粒子を配合した水系塗布液を塗布し、テンター延伸機に導き、塗布液を乾燥させながら横方向に3〜5倍延伸する。なお、この時の延伸温度は縦延伸温度と同程度から30℃程度高い温度までの範囲で適宜選択する。さらに、ヒートセッターにて熱固定を行う。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、良好な滑り性を与えるのに十分な表面突起サイズ、個数となる程度に粒子を高濃度含有させると、場合によっては透明性が悪化するおそれがある。このため透明性を減じることなく良好な滑り性を付与する手段として、縦延伸工程以降に粒子を配合した塗布液を塗布・乾燥する手法を用いることが好ましい。この場合でも易滑粒子によって透明性が減じられないように、配合する易滑粒子は0.1μm以下の平均粒径であることが望ましい。また、小粒径粒子で十分な滑り性を付与するため、易滑粒子による表面突起を大きくしなければならないので、塗布層は、その乾燥厚みが易滑粒子の平均粒径以下であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」とあるのは、特に断らない限り「重量部」を意味する。
(1)ヘーズ(%)
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製濁度計NDH−300Aによりフィルムの内部ヘーズを測定する。
(2)厚み(μm)
試料フィルムをエポキシ樹脂にて包埋し、ウルトラミクロトームでセクショニングを行ない、得られた薄片を走査型電子顕微鏡にて断面観察を行なう。粒子が密集する領域を表層として厚みを測定し、全体の厚みから各表層の厚みを減じたものを中間層の厚みとする。
(3)光線透過率
分光光度計(島津製作所社製、UV3100)により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、波長が360nm,380nmの光線透過率を検出した。
(4)耐紫外線性
紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機社製、FAL−3型)を使用し、63±3℃で1000時間紫外線を照射した。試験には積層ポリエステルフィルムの片面に下記の通り調製した粘着剤溶液を塗布、乾燥した後、この面をガラス板に貼り合せたものを用意し、積層ポリエステルフィルム上部から照射した。試験後のフィルムの外観および、粘着層の外観を観察し、以下の基準で評価した。
<フィルム外観の評価基準>
○:劣化なし。
△:やや黄変する。
×:黄変劣化が目立つ。
<粘着層外観の評価基準>
○:劣化なし。
△:やや黄変する。
×:黄変劣化が目立ち、気泡が発生する。
<粘着剤溶液の調整>
ブチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレートが重量比で100/6/0.1の共重合体からなる重量平均分子量が200万のアクリル系ポリマーの溶液(溶媒:トルエン、濃度:約30重量%)に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL)、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、酢酸エチルを加え、固形分濃度が10%の粘着剤溶液を調製した。溶液中の固形分換算で、アクリル共重合ポリマー/コロネートL/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=100/3/0.6(重量比)とした。
(5)紫外線吸収剤のブリードアウトの評価方法
実施例及び比較例で製造した積層ポリエステルフィルムと、基準試料として紫外線吸収剤を含有しないポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、T100、厚み25μm)とをギアーオーブン(エスペック社、GHPS-222)で150℃60分間加熱後、顕微鏡(キーエンス社製、VH-Z250R)にて300倍で観察した。以下の基準で得られたポリエステルフィルムについて評価した。
<評価基準>
○:紫外線吸収剤を含有しないポリエステルフィルムと析出物に差異がない。
△:紫外線吸収剤を含有しないポリエステルフィルムと比較して析出物の量が多い。
×:紫外線吸収剤を含有しないポリエステルフィルムと比較して析出物の量が多く、また析出物が大きい。
(ポリエステルの製造)
・ポリエステルA
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・4水塩0.09重量部を用い、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了した。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間30分重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。重縮合反応開始後、4時間30分を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの固有粘度は0.65dL/g、エステル単位の99重量%がエチレンテレフタレート、残りはジエチレングリコールとテレフタル酸を縮合した単位であった。
・ポリエステルB
ポリエステルAをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、固有粘度が0.78dL/g、エステル単位の99重量%がエチレンテレフタレート、残りはジエチレングリコールとテレフタル酸を重合した単位であるポリエステルBを得た。
・ポリエステルC
エステル交換反応終了後に平均粒径1.5μmの無定形シリカをエチレングリコールスラリーとして添加した以外はポリエステルAと同様にして、固有粘度が0.65dL/g、エステル単位の99重量%がエチレンテレフタレート、残りはジエチレングリコールとテレフタル酸縮合エステル単位であるポリエステルCを得た。シリカの含有率は0.75重量部であった。
・ポリエステルD
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエステルEを作成した。得られたポリエステルDの固有粘度は0.59dL/gであった。
実施例1:
ポリエステルAとポリエステルDとを85:15の重量比でブレンドした混合原料を中間層の原料とし、ポリエステルBとポリエステルCとを90:10の重量比でブレンドした混合原料を表層の原料とした。それぞれ別の2軸押出機にて溶融し、吐出量比を2:19:2の割合でTダイより共押出した。溶融シートはキャストドラム上でガラス転移温度未満にまで急冷し、未延伸フィルムを得た。引き続きロール延伸機にて82℃で縦方向に3倍延伸を施した。その後、下記塗布液αを両面に塗布し、テンター延伸機にて100℃で横方向に4倍延伸を施し、さらに235℃で熱固定を行った後、ガラス転移温度未満にまで急冷し、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を下記表1に示す。
[塗布液αの調製]
以下のa、b、c、dの化合物をそれぞれ15:55:5:25の重量比となるように混合した。
・ポリエステル樹脂(a)
下記の組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
・縮合多環式芳香族を有するポリエステル樹脂(b)
下記の組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8//80/20(mol%)
・エポキシ化合物(c)
ポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−521(ナガセケムテックス株式会社製)
・平均粒径15nmの酸化チタン粒子(d)
実施例2:
ポリエステルBとポリエステルCとを94:6の重量比でブレンドした混合原料を表層の原料として、表層と中間層の吐出量比を4:15:4の割合でTダイより共押出した以外は実施例1と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
実施例3:
ポリエステルAとポリエステルDとを80:20の重量比でブレンドした混合原料を中間層の原料として用いた以外は実施例1と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
実施例4:
ポリエステルAとポリエステルDとを80:20の重量比でブレンドした混合原料を中間層の原料として用いた以外は実施例2と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
比較例1:
中間層の原料をポリエステルA100重量%とした以外は、実施例1と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
比較例2:
ポリエステルAとポリエステルDとを90:10の重量比でブレンドした混合原料を中間層とした以外は実施例2と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
比較例3:
ポリエステルAとポリエステルDとを70:30の重量比でブレンドした混合原料を中間層として用いた以外は実施例1と同様にして、厚み23μmのフィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2018069479
本発明の積層ポリエステルフィルムは、静電容量方式タッチパネル部材として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、
    表層の厚みをAμm、中間層に含まれている紫外線吸収剤のフィルム全体に対する含有率をB重量%としたとき、B/Aの比が0.20以上1.0以下であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
  2. 前記表層の厚みが、1.5μm以上である請求項1に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
  3. 波長380nmにおける光線透過率が18.0%以下、波長360nmにおける光線透過率が5.0%以下である請求項1または2に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
  4. 全体の厚みが50μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
  5. 前記表層に粒子が含有されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用積層ポリエステルフィルムを用いたタッチパネル。
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