JP2018069442A - スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート及びおねじ部材の製造方法 - Google Patents

スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート及びおねじ部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軸部材の外周面に、ねじ溝が該軸部材の軸線を通る断面において左右対称であるねじをスレッドワーリング加工で形成するための切れ刃を有する切削インサートで、加工面精度の低下を招かず、加工の低コスト化を図る。【解決手段】切れ刃21は、切削インサート10の一側面部16を逃げ面26とし、その逃げ面における横逃げ角が0度となる共通の逃げ面26として切削インサート10の表裏の各面12、12側にすくい面23を備えることとし、一側面部16に2つの切れ刃21を設けた。スレッドワーリング加工では、微小部分の断続切削となり、1回の切削後の切れ刃は、直前の切削による加工済みねじ溝の加工面から離れる動きとなるから、横逃げ角がなくとも加工面精度を低下させないので、横逃げ角を付けず、表裏に切れ刃21を設けた切削インサート10とすることで、加工面精度の低下を招かず、切れ刃強度をアップさせ得、加工の低コスト化を図れる。【選択図】図1

Description

本発明は、スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート(以下、ねじ切り用の切削インサート、又は単に切削インサートともいう)、及びこの切削インサートを用いるスレッドワーリング加工方法によるおねじ部材の製造方法に関する。
軸部材(丸棒)の外周面におねじ(以下、「ねじ」ともいう)を形成する加工方法には種々のものがあり、その1つにスレッドワーリング加工方法がある(特許文献1)。この加工方法は、加工対象(ワーク)である軸部材(素材)を低速回転(例えば、5〜10rpm)させながら、その1回転で、形成するねじ(1条ねじ)の1リード分を軸線方向に送る一方、1又は複数の切削インサート(又はバイト)の切れ刃(刃先)を、軸部材の外径より大きく、それに内接するような円軌道で同じ回転方向に高速回転(例えば、2000〜4000rpm)させ、その円軌道の1か所においてねじ山分の切り込みで断続切削を行うというものである。この加工方法によれば、1回の軸部材の送りでその先端から後方に向かう所定範囲にねじを切ることができる。なお、この加工法では、ねじのリード角に対応する方向の切削が得られるように、切れ刃が固定されて回転するカッタ本体には、断続切削される箇所において、ねじのリード角分の傾斜が付与されるように配置される。
このようなスレッドワーリング加工方法では、上記したように1回の送り(1パス)で、ねじを軸線方向の所定範囲に形成できるため、1つの切れ刃により、複数回の切り込み、横送りを伴う通常の旋削によるねじ加工(シングルポイント加工)に比べ、加工サイクルの短時間化を図ることができる。このため、スレッドワーリング加工方法は、ねじ山の高いねじやねじ長の長いねじ、或いはリードが大きいといった構造のねじ加工に用いられている。こうしたことから、かかるねじ構造を有する、例えば医療分野で用いられるボーンスクリューのように、それがチタンなどの難削材からなる連続切削に不向きなものの加工に適するなどから、近年、各種のねじ加工に使用されてきている。
ところで、上述したスレッドワーリング加工において使用される切削インサートにおいても、通常の旋削によるねじ加工において使用されるねじ切り用の切削インサートと同様に、その切れ刃(ねじ加工用切れ刃)には、加工対象のねじごと、そのねじ山(ねじ溝)に対応する切れ刃形状(例えば、三角ねじでは三角のノーズ形状)を有するものが使用される。また、そのねじ溝に対応する切れ刃に、隣り合う両側の2つのねじ山の頂部をさらうように設けられたサラエ刃付き切れ刃を有するものも使用されるし、2条ねじを1回の送りで加工することができるよう、2つのねじ溝を同時加工できる切れ刃を有するものも使用されるなど、通常の旋削によるねじ加工において使用される切削インサートと同様、加工、形成すべきねじ山形状等のねじ条件に応じた切れ刃形状のねじ切り用の切削インサートが使用されている。
このように、スレッドワーリング加工においても、使用する切削インサートは、通常の旋削によるねじ切りに用いられるものが使用されており、したがって、その切れ刃を形成する逃げ面(すくい面とで切れ刃を形成する面)には、ネジ切り加工において軸部材(被削材)との間で空隙が形成されるように適度の逃げ角が付けられたものが使用されていた。図8は、三角ねじのねじ切り(加工)に使用される切削インサート10bの一例を示した部分斜視図であり、図9は、図8の切削インサートを各面(矢印A1−A3)から見た図等であって、Aは、軸部材100の外周面に、該軸部材100の軸線Gnを通る断面において、その三角ネジのねじ山105の幅方向の中心軸線Ycに関して左右対称のネジ山を備えるねじ加工の説明用図であり、切れ刃21をすくい面23側から見た図(矢印A1から見た図)である。そして、Bは、横逃げ面26aを見通すように見た図(矢印A2から見た図)、Cは、前逃げ面26m側から見た図(矢印A3から見た図)であり、Dは、A,BのSb−Sb断面図である。図8、図9に示されるように、切れ刃21には、これを形成する逃げ面26である横逃げ面26a、前逃げ面26mのそれぞれに適度の逃げ角(横逃げ角α、前逃げ角β)が付けられている(図9−D,B参照)。
このような逃げ角の付けられた切削インサート10bが使用されるのは次の理由による。というのは、旋削によるねじ加工では、横送りにおいて連続切削となり、その全行程中、切れ刃21を形成するすくい面(逃げ面とで切れ刃を形成する面)23の周囲が、ねじ溝の形成面(加工面)に接触する上、前逃げ面26mは別としても、横逃げ面26aに逃げ角(横逃げ角α)がなければ、或いは、横逃げ角αが付けられているとしても、その大きさが不十分な場合には、リード角にもよるが、特に切れ刃21の進み側の横逃げ面26aが加工面に接触ないし干渉することから、加工面精度(仕上げ面粗度)を損なうことになるためである。このため、ねじ加工に使用される切れ刃には、通常、横逃げ面を含む逃げ面全体(前逃げ面及び横逃げ面)に適度(通常、3〜10度)の逃げ角が付けられたものが使用されていた。これにより、スレッドワーリング加工に使用される切削インサート(以下、インサートともいう)についても、その切れ刃には、横逃げ面を含む逃げ面全体に、逃げ角が付けられたものが使用されているわけである。なお、横逃げ角α、前逃げ角βは、図9(D,B)中に示したように、それぞれ、旋削時において切れ刃21に作用する主分力(切削抵抗)Fの発生方向に引いた直線FL、すなわち、切れ刃稜(刃先)から、図9(D,B)において上下に引いた仮想直線FLと、各逃げ面とのなす角度である。
なお、本願において、横逃げ面とは、切れ刃をなす逃げ面のうち、ねじ加工において、軸線方向に送られる軸部材の進行方向を向く面、及びその反対向き面をいう。よって、台形ねじのように、ねじ(ねじ溝)の谷底が、ねじの軸線に平行であるため、その谷底を加工する前切れ刃がある切れ刃では、その前切れ刃の逃げ面は前逃げ面となり、前切れ刃を除く切れ刃が横切れ刃となり、その横切れ刃の逃げ面が横逃げ面となり、その逃げ角が横逃げ角となる。そして、このような平行な谷底のないねじ(例えば、谷底に平たん部のない三角ねじ)の加工に使用される切れ刃(横切れ刃)の逃げ面は、実質的にその全体が横逃げ面となり、したがって、その全体に逃げ角が付けられるべきである。
国際公開第2011/078365号
一方、切れ刃をなす横逃げ面(単に、逃げ面ともいう)に、横逃げ角(単に、逃げ角ともいう)を付けるということは、逃げ面とで切れ刃を形成するすくい面(インサートの表面)からインサートの裏面(底面)に向かうにしたがい、逃げ角の角度分、逃げ面は切削インサートの内方に控えることになる(図9−D参照)。結果、すくい面側から見たときの切れ刃の幅(ねじ溝方向の幅)がインサートの裏面に向かうにしたがい狭くなるから、切れ刃強度が低下する。このため、断続切削となるスレッドワーリング加工では、切れ刃にカケ(欠損)が生じやすい。その上、逃げ角を付けた場合には、その形状、構造上、切れ刃はインサートの一側面部(寄り部位)においてその表裏のうち、一方(片面)にしか設けることはできない。すなわち、ねじ切り用の切削インサートにおける切れ刃は、ネガの逃げ角の例えば外径加工用の切削インサートのようにその表裏の両面に(2箇所)設けることはできない。
こうした中、本願発明者において、スレッドワーリング加工によるねじ切りにおいて、横逃げ面への横逃げ角の付与が、加工面精度の向上に実際のところ、どれだけ役立っているのかについて、横逃げ角が適度(5度)に付けられたものと、横逃げ角が0度のものとしたサンプルで試験ねじ加工等を行い、検証した。結果は、全くの予測外であり次のようであった。というのは、その2者において、加工面精度(仕上げ面の良好さ)には殆ど差が無いということであった。つまり、このようなスレッドワーリング加工によるねじ加工では、横逃げ面の逃げ角が無い(0度の)場合でも、加工面精度には実質的な悪影響がでないことが確認された。
本願発明者において試験加工を繰り返した結果等からして、その理由は次のように考えられる。図10を参照しながら説明する。図10は、スレッドワーリング加工方法で、断続切削をする切削インサート10の切れ刃(刃先)21の回転軌跡(円軌道Hk)と、軸部材100との位置関係等を説明する、軸部材が送られて進む方を見た模式図である(円軌道Hkのリード角分の傾斜は省略してある)。Di(破線)は、加工される軸部材100のねじの谷の径を示す円で、Doはねじの外径を示す円であり、図中の円弧矢印は、それぞれの回転方向である。スレッドワーリング加工では、上述したように、ねじが形成される軸部材100のねじの谷の径の円Di、すなわち、谷底に向けて、切れ刃21が、その谷の径の円Diの1か所部分(図10の上部)において、相対的に大きい円軌道Hkにおける内接状態で切り込まれ、そして、そのねじ山の高さ分の切り込みとなった後は、谷の径の円(谷底)Diから離れようとする切り上がりを伴う円軌道(運動軌跡)Hkで周回する。一方、切削は軸部材100の外周の一部の断続切削であり、これの高速の繰返しであり、連続切削となる旋削によるねじ切りとは全く異なる切削状態にある。すなわち、スレッドワーリング加工によってねじ加工をする際には、通常の連続切削によるねじ加工とは全く異なる上述したような切れ刃21の円軌道Hkによる一部(微小部分)に対する断続切削となることから、横逃げ角(図9の横逃げ角α)が0度であるとしても、ねじの加工面精度の低下を招かないと考えられる。より詳しくは次のようである。
スレッドワーリング加工によるねじ加工では、上述したように、軸部材100に1回の低速回転で1リード分の送りをかけながら、ねじ加工装置における一定位置において、その軸部材の外周面の1か所で、ねじ山の高さ分の切り込みが付与される設定で切れ刃21を、リード角分の傾斜の付与の下で高速回転させ、螺旋に連なるねじ溝の切削を進行させることになる。そして、1つの切れ刃21による被削部は1か所部分であり、そこを高速回転により断続切削することになる。すなわち、1つの切れ刃21が、ねじ山分の切り込み量でその1か所部分を切削するのは微小部分であり、その切削方向と同方向への低速回転を伴う横送(微量回転横送り)により、続く被削部も微小部分である。このため、ここを切削する切れ刃(切れ刃が複数であれば、次の切れ刃)21は、それ以前に加工された1か所部分に続く被削部(ねじの谷として切削される未加工部分)に向かって切り込むことになって、その被削部における微小部分を切削する。そして、その微小部分の切削後の切れ刃は、前の切れ刃により加工済みのねじ山部分を加工した方向に向かうものの、そのねじ山(ねじ溝)部分の谷底(谷の径の円Di)から離れて切り上がるような動きとなる。したがって、切れ刃21は、加工済みのねじ溝(前の切削で加工済みとなったねじ山部位の斜面)に接触しないような動きとなる。これは、ねじの谷の径の円Diが、切れ刃21の回転軌跡(Diより大きい円軌道Hk)に内接することからも理解される(図10参照)。
すなわち、スレッドワーリング加工によるねじ加工では、1つの切れ刃により、ねじ溝(螺旋溝)となるべき微小部分の断続切削を、高速回転で次々と進めていくことになるから、切れ刃の横逃げ面に逃げ角(横逃げ角)がなく、その横逃げ面が加工面に接触するといっても微小部分の断続切削であり、瞬時のため、加工面精度の低下を招くまでには至らない。また、その微小部分の切削後の切れ刃は、前述したように、前の切れ刃で加工済みのそのねじ山部分の谷底(谷の径の円Di)から切り上がる動きとなるから、加工済みのねじ山部分の加工面(斜面)に接触しないため、加工面を荒らすこともない。以上のように考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、スレッドワーリング加工で、おねじを形成するのに、加工面精度における問題もなく、加工コストの低減を図ることのできるねじ切り用の切削インサートを提供することを目的としてなされたものである。
請求項1に記載の発明は、軸部材の外周面に、該軸部材の軸線を通る断面において、ねじ山の幅方向の中心軸線に関して左右対称のねじ山を備えるねじを形成する切れ刃を備えるねじ切り用の切削インサートであって、
前記切れ刃を、切削インサートの一側面部側の表裏の両面にすくい面があり、該一側面部にその両すくい面をつなぐ方向において凹凸がなく連続する面である共通の逃げ面があり、かつその横逃げ面の逃げ角を0度として、該一側面部において表裏の両面にすくい面を有するものとして、2つ備えるものとしたことを特徴とする、スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートである。
請求項2に記載の発明は、前記2つ切れ刃は、切れ刃形状及びすくい角が同じものであることを特徴とする請求項1に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートである。
請求項3に記載の発明は、前記切れ刃は、すくい面において切れ刃の幅方向の中心において先後方向に引いた仮想直線に関して左右対称をなしていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートである。
請求項4に記載の発明は、前記切削インサートは、すくい面側から見た該切削インサートの形状全体が、該切れ刃の幅方向の中心において先後方向に引いた仮想直線に関して左右対称をなし、該切削インサートはその表裏において同じ形状を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートである。
請求項5に記載の発明は、前記すくい面が、形成されるねじの谷を形成する切れ刃の先端から後方に向かうに従い低位となるポジのすくい角を有するものとされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートを用いて、軸部材にスレッドワーリング加工によってねじ切りすることでおねじ部材を製造することを特徴とする、おねじ部材の製造方法である。なお、本発明における「おねじ部材」には、ボルト等の締結用のおねじ部材、タッピンねじのように相手部材にねじを切るようにしてねじ込まれるねじ部品のような代表的なねじ部材に限られず、ウォームギヤを構成する一方のウォーム(ウォームシャフト)のようなねじ構造部材も含まれるなど、外周面に一定の螺旋で隆起する一定の山(ねじ山)を有する軸部材が含まれる。
請求項1に係る本発明のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートでは、上記の構成を有しており、従来のねじ切り用の切削インサートとは全く異なり、横逃げ面における横逃げ角が0度(横逃げ角無し)のため、図9に示したようなポジの横逃げ角αを有する従来の切れ刃に比べて切れ刃強度のアップが図られる。さらに、上記2つの切れ刃を構成する逃げ面は、2つのすくい面をつなぐ方向において凹凸がなく連続する面であり、両すくい面に共通の逃げ面である。このため、表裏のいずれをすくい面とする切れ刃で切削(ねじ切り)する場合にも、2つの切れ刃を構成する各逃げ面が各すくい面側(各すくい面寄り部位)において一側面部に対し相対的に突出するような構造、すなわち、該一側面部のうちの2つの切れ刃(両すくい面)相互間に凹みを有するような構造のものと異なり、そのような凹みの無い分、切れ刃強度(刃先強度)を高めることができる。その上に、ねじ切り用の切削インサートとしては、切れ刃を、逃げ面を共通として表裏両面にすくい面を有し、前記一側面部に2つの切れ刃を備える従来にない構成を有するものであり、切れ刃の数が倍増されている。このため、このような請求項1に係る本発明の切削インサートを用いて、スレッドワーリング加工によってねじ加工をする際には、通常の連続切削によるねじ加工と異なり、切れ刃は上述したような円軌道の運動をしての微小部分の断続切削となることから、横逃げ角が0度であるとしても、ねじの加工面精度の実質的な低下を招くこともない。しかも、切れ刃強度のアップだけでなく、切れ刃数の倍増により、1切削インサートの寿命(1つの切削インサートによる加工可能数)を2倍以上に延ばすことができるため、加工面精度の実質的な低下もなく、その加工コストの大幅な低減が図られる。
結果、難削材で、ねじ山が高く、ねじ長が長く、通常の旋削によるねじ加工に不向きで、スレッドワーリング加工とせざるを得ないねじ部材のねじ加工においては際立って優れた効果が得られる。なお、上記構成の切削インサートの切れ刃の形成における刃付け(刃先を鋭利にするための切れ刃の研磨仕上)においては、従来同様、砥石を、逃げ面において切削インサートの表裏の両すくい面の間を往復動させる動きで研磨できる。これにより、その2つの切れ刃への刃付け工程におけるコストアップを招くこともないため、切削インサート自体の製造コストのアップを招くこともなく、2倍の切れ刃数を得ることができる。
本発明において、該軸部材の軸線を通る断面において、ねじ山の幅方向の中心軸線に関して左右対称のねじ山というのは、三角ねじ、台形ねじが代表例であり、ねじ山形状が該軸部材の軸線を通る断面において左右対称の形状をなすねじ山を意味する。すなわち、ここに「対称」とは、ねじの「呼び」から、該ねじ山(ねじ山又はねじ溝の角度)が左右対称とされるものを指称する。そして、ねじ山の幅方向の中心軸線に関して左右対称でないねじ山、すなわち、ねじ山形状が該軸部材の軸線を通る断面において左右対称の形状をなさないねじ山というのは、のこ刃ねじのようなねじにおけるねじ山である。このようなものでは、その非対称性により、切削インサートの表裏における切れ刃の置き換えでは、そのねじ加工をできないためである。これにより、切削インサートが例えば直方体(四角棒状)を基体(ベース)とするものである場合には、その長手方向の両端部の各端面を1側面とし、その各側面部において、表裏の両面側に切れ刃を形成できるため、従来のねじ切り用の切削インサートでは具体化できなかった4つの切れ刃(コーナ)を有する、スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートを得ることができる。
前記本発明において、前記切れ刃は、少なくとも1つのねじ溝を形成する切れ刃形状を有するものであればよいが、例えば、2条ねじを1パスで加工したい場合には、1のねじ山を挟む2つのねじ溝を同時に形成できる総形状のものとしておけばよい。すなわち、多条ねじを1パスで加工したい場合には、その数に応じた切れ刃としておけばよい。なお、この切れ刃でも、1回転の送りを1ピッチ分とすれば、通常の1条ねじ加工にも使用できる。また、請求項2に記載の発明のように、前記2つ切れ刃(逃げ面を共通とする2つの切れ刃)は、切れ刃形状及びすくい角が同じものがよい。
そして、本発明の切削インサートの切れ刃は、請求項3に係る発明のように、すくい面において切れ刃の幅方向の中心において先後方向(ねじ山の高さ方向)に引いた仮想直線に関して左右対称をなしているのがよい。この場合においては、請求項4に係る発明のように、すくい面側から見た該切削インサートの形状全体が、該切れ刃の幅方向の中心において先後方向に引いた仮想直線に関して左右対称をなし、該切削インサートはその表裏において同じ形状を呈しているのがよい。このようにすれば、切れ刃の摩耗等により、切削インサートの表裏を変更(置き換え)したり、新品に交換する際のカッタ本体(ワーリングヘッド)への固定時においても、刃先位置は基本的に同じとできるから、その変更(交換)の段取りの簡易迅速が図られる。
請求項5に係る発明のように、前記すくい面が、形成されるねじの谷を形成する切れ刃の先端から後方に向かうに従い低位となるポジのすくい角を有するものでは、切れ味向上を確保しつつも、逃げ面も上記したように2つのすくい面をつなぐ方向において凹凸がなく連続する面である上に、横逃げ角は0度であるから、切れ刃強度の低下防止が図られる。すくい角は、被削材の材質やねじ形状等に応じて適宜に設定すればよい。ただし、難削材では、これをネガのすくい角となるようにしてもよい。
請求項6に係るおねじ部材の製造方法によれば、上述したことから明らかなように、加工面精度の問題もなく、また、切れ刃強度のアップも図られるから、加工面精度の実質的な低下もなく、その製造コストの低減が図られる。したがって、山の高いねじやねじ長の長いねじのように、通常の旋削によるねじ加工には不向きで、スレッドワーリング加工に向くおねじ部材の製造において、その効果には著しいものがある。
本発明に係る、スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートの一実施形態例を説明する斜視図。 図1の切削インサートを6面の各面(矢印A1−A3)から見た図等であって、Aは、すくい面側から見た図(矢印A1から見た図)、Bは、横逃げ面を見通すように見た図(矢印A2から見た図)、Cは、前逃げ面側から見た図(矢印A3から見た図)、Dは、Bの上下方向の中央であるS1−S1断面図。 図1の切削インサートでスレッドワーリング加工するときの軸部材が送られて進む方を手前から見通したカッタの傾斜を省略した説明図、及びその要部の拡大図。 図3においてカッタの傾斜をつけて、上から見た図。 図4における2条ねじの加工状態を説明する図。 切れ刃形状の異なるねじ切り用の切削インサートの別例を説明する斜視図。 切れ刃形状の異なるねじ切り用の切削インサートの別例を説明する斜視図。 従来のねじ切り用の切削インサートの一例(三角ねじのねじ切り用の切削インサート)を説明する部分斜視図。 図8の切削インサートを各面(矢印A1−A3)から見た図等であって、Aは、軸部材へのねじ加工を説明する、その切れ刃をすくい面側から見た図(矢印A1から見た図)、Bは、横逃げ面を見通すように見た図(矢印A2から見た図)、Cは、前逃げ面側から見た図(矢印A3から見た図)、そして、Dは、A,BのSb−Sb断面図である。 スレッドワーリング加工方法において断続切削をする切れ刃の回転軌跡を説明する、軸部材が送られて進む方を手前から見た模式図。
本発明のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートを具体化した実施の形態例について、図1〜図5を参照しながら説明する。ただし、本例の切削インサート(スローアウェイ切削インサート)10は、形成するねじ(ねじ山)が、頂(頂部)がやや平坦な三角山(ねじ山の角度40度)で、図5に示したように、このネジ山105は、軸部材100の軸線Gnを通る断面において左右対称(ねじ山105の幅方向の中心軸線Ycに関して左右対称)ではあるが、ねじ溝が台形でねじ山よりリード方向の幅が広い2条ねじを1回の送りで加工するためのものである。このため、図1、図2に示したように、切れ刃21をすくい面23側から見たときのその形状(切れ刃形状)は、加工される1つのねじ山(三角ねじ山)105を挟む2つのねじ溝(台形ねじ溝)を同時に、転写状に形成できる2つの凸部21a、21aを有する総形状のものとされている(図5参照)。これにより、切れ刃21をなす2つの凸部21a、21a相互間のすくい面23側から見たときの形状(切れ刃形状)、及び、その1つの凸部21aのすくい面23側から見たときの形状(切れ刃形状)とも、それぞれの各幅方向の中心線(図示せず)に関して対称である(図2−A参照)。なお、この切れ刃21の幅方向の両端には、軸部材100の先端に対する切れ刃の進入(切り込み)開始の円滑化等、及びねじ山の頂部をさらえるため、側端が丸められたサラエ刃24を備えている(図2−A等参照)。
このような切れ刃21を備える本例の切削インサート10は、図1、図2に示したように、図1において矢印A3から見た形状が正方形又は長方形で延びる基体11であって、その図示における上下面(表裏の平面)12、12と、この各面に直交して対向する横腹面(平面)13、13を有する四角棒形状をなす基体11をベースにして、その基体11の両方の端面において突出し、上述したような切れ刃形状の切れ刃21を備える切れ刃部とからなっている。そして、本例では、この切れ刃部を、図1において矢印A3から見た面(2面)を側面部16とし、この各側面部16を逃げ面26とし、この逃げ面26における逃げ角が切れ刃(刃先)21のいずれの位置でも0度となる共通の逃げ面26として、基体11の表裏の各面12、12側において、すくい面23を備えている。これにより、各側面部16において、表裏の両面にすくい面23,23を有するものとして、上記したような2つの切れ刃21を備えている。なお、本例の切削インサート10においては、横逃げ面26aだけでなく、前逃げ面を含む全逃げ面26において、その逃げ角が0度(逃げ角無し)とされている。すなわち、図8、図9に例示した切削インサート10bにおける横逃げ面26aの横逃げ角α、及び前逃げ面26mの前逃げ角βに相当する両逃げ角とも、0度とされている。
このような本例の切削インサート10は、図2の各図(A−C)において、それぞれ、中央縦線(図中の1点鎖線)に関して左右対称の形状を呈しており、中央横線(図中の1点鎖線)に関しても上下対称の形状を呈している。このため、図1の左右における各側面部16、すなわち、逃げ面26の形状、構造、及び各部の寸法は同じであり、また、図1の上下における表裏各面12、12の形状、構造、及び各部の寸法、そして、図1の対向する横腹面(平面)13、13の形状、構造、及び各部の寸法も同じである。
そして本例では、すくい面23は、形成されるねじの谷を形成する切れ刃21の先端から後方に向かうに従い、例えば、15度の傾斜で低位となるように形成されており、切れ味の向上が図られている。このすくい面23はその後端において基体11の表面12(裏面12)に向けて、凹となす円弧(略四半(1/4)円弧)で切り上げられるように形成されており、断続切削のために本来的に切り屑は延びずに分断されるが、このすくい面23を後方に流れる切り屑の処理性が高められるようにされている。
なお、前述したように、本例の切れ刃21は、加工される1つのねじ山を挟む2つのねじ溝を同時に切削する切れ刃形状を呈しているため、この切れ刃21をすくい面23側から見たときの切れ刃形状は、その2つのねじ溝に対応する2つの凸部21a、21aを有する凹凸をなしている。このため、この切れ刃21を形成する逃げ面26も、この2つの凸部21a、21aに対応して、基体11の表面12と裏面12の間において延びる凸条を呈しており、したがって、逃げ面26はすくい面側から見て、切れ刃形状と同様の凹凸をなしているが、横逃げ面26aを含む逃げ面26全体の逃げ角がいずれも0度となるように形成されている。このため、逃げ面26は基体11の上下面(表裏の平面)12、12に対し垂直をなしている。これにより本例のインサート10は、前述したようなすくい角のすくい面23のある範囲を除けば、逃げ面26を上下方向のいずれの位置において上下面(表裏の平面)12に平行に切断しても、逃げ面26の輪郭は同一形状を呈するものであり(図2−D参照)、ねじ溝を形成する2つの凸部21a、21aをなす切れ刃21の幅方向の寸法も上下方向において同じである。すなわち、この切削インサート10は、その一側面部(一つの側面部)16側の表裏の両面12,12にすくい面23があり、一側面部16を、その両方(2つの)のすくい面23,23をつなぐ方向において凹凸もなく連続する面である共通の逃げ面26としており、しかも、その横逃げ面26aを含む逃げ面26全体の逃げ角を0度としている。なお、本例の切削インサート10は、カッタ本体に対して止めねじで固定するよう形成されており、その基体11の横腹面13の中央に、そのいずれの面からでも止めねじを通せるよう、貫通穴19が設けられている。
このような本例の切削インサート10では、従来のねじ切り用の切削インサート10とは全く異なり、横逃げ角が0度の切れ刃21をなしているため、逃げ角を有する従来の切削インサートに比べ、横逃げ角が無い分、切れ刃21の強度が高く、耐欠損性も高いものとなっている。その上に、ねじ切り用の切削インサート10としては、表裏の両面12,12側にすくい面23があって、側面部16に共通の逃げ面26があり、その一つの側面部16に2つの切れ刃21を備えるという、従来にない構成を有している。そして、2つの切れ刃21を構成する逃げ面26は、上下の両すくい面23,23をつなぐ方向において凹凸もなく連続する面をなしている。これにより、表裏のいずれをすくい面23とする切れ刃21で切削する場合にも、2つの切れ刃(両すくい面)相互間の逃げ面に凹みを有するような構造のものとは異なり、そのような凹みが無い分、切れ刃強度を高めることができる。このように、本例のねじ切り用の切削インサート10では、従来のものに比べて、切れ刃21の数が倍増されているため、その強度アップ作用も含め、1切削インサート10の寿命(1つの切削インサートによる加工数)を確実に延ばすことができるため、ねじ切り加工コストの大幅な低減が図られる。
かかる切削インサート10を用いて、スレッドワーリング加工をする場合には、図3、図4に示したように、従来同様に、これをその加工機械のカッタ本体200にねじ山分の切り込みが得られるようにして固定し、カッタ本体200にはリード角分の傾斜を付与する。そして、加工機械のスピンドル210に保持させた軸部材100を上述したように低速の1回転で1リード(2条ねじのため2ピッチ)分の送りをかけながら、カッタ本体200を傾斜軸Gk回りに高速回転させる。こうすることで、軸部材100の外周面にねじ切り加工が行われ、ねじ山105が形成されるが、この加工においては、通常の連続切削によるねじ加工と異なり、切れ刃21は、上述したように、大きい円軌道Hkの回転運動での微小部分の断続切削となる(図3、図10参照)。これにより、横逃げ角が0度であるとしても、ねじの加工面精度の実質的な低下を招くこともなく、2条ねじが1パスで得られる(図5参照)。結果、スレッドワーリング加工において、2条ねじのおねじ部材を低コストで得ることができる。
本例の切削インサート10では、切れ刃21は、サラエ刃24を含め、左右対称であり、しかも、切削インサート10自体も、上述したように、6面において、縦横のいずれにおいても対称形状とされているため、4つの切れ刃21、又は切削インサート10の交換における刃先位置の変更を招かない。よって、その交換の段取りが簡易となる。なお、スレッドワーリング加工において、カッタ本体への切削インサート10の取付数は、加工条件に応じ、従来同様に適宜のものとすればよい。また本例の切削インサート10を用いるスレッドワーリング加工において、1条ねじの加工をしたければ、送り(軸部材の1回転での送り)をそのリード(1ピッチ)にすることで、そのねじ切りができることは明らかである。
本発明の切削インサートにおける切れ刃は、通常の旋削によるねじ加工に使用する切削インサートと同様、少なくとも、1つのねじ溝を切る切れ刃形状を有するものでもよい。このため、上記例のようなねじ形状のねじ切りをする場合でも、図6に示したように、一側部16に表裏の各面12に、それぞれ、1つのねじ溝に対応する切れ刃21を有する切削インサート10bとしても具体化できる。なお、図6のものは、上記例における切削インサートが2つのねじ溝を同時に形成できる切れ刃形状を有するものである点においてのみ、相違するだけであり、他は上記例におけるものと異なる点はないため、同一又は対応する部位に同一の符号を付すに止める。ただし、このもので、2条ねじを形成するためには、1ピッチずらしての2パスとなる。
また、例えば、単純な三角ねじ(ねじ山が60度、55度等のねじ)の形成においては、図7に示したように、ねじ山角度に対応する刃先角(すくい面23側から見たときの刃先の角度)を有する切れ刃(ノーズ)21を備えた切削インサート10cとすればよい。すなわち、三角ねじの形成において、単純にねじ溝を切削するだけのスレッドワーリング加工では、切削インサート10cの一側面部16を逃げ面26とし、該逃げ面26における横逃げ角が0度となる共通の逃げ面26を有するものとして、その表裏の各面12,12に所定の刃先角のすくい面23を備えるものとすることで、一側面部16に2つの切れ刃21を有するものとすればよい。そして、このような切れ刃21とする場合には、その切れ刃(すくい面23)21を適度に大きくしておき、切り込み深さを変えることで、任意のねじ山の高さのねじ加工ができる。このため、軸部材(素材)の外径が、ねじの外径に仕上げられており、要求されるねじの精度が低くてもよいような加工条件の場合に好適である。
本発明のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートの切れ刃形状、寸法は、三角ねじ、台形ねじ、さらには丸ねじなど、加工すべきねじ形状に応じて適宜のものに設定すればよく、多条ねじの1パス加工用のものとする場合には、それに必要な刃先形状とすればよい。また、インサートの表裏間の寸法(切削インサートの厚み)についても、加工すべきねじ山のサイズ等に応じて適宜のものに設計すればよい。さらに、上記例では、四角棒をなす基体をベースにしてその基体の両方の端(2つの端部)側をそれぞれ一側面部として、その表裏(上下)に、ねじ形状に応じた切れ刃を有する切削インサートとして具体化したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜のものとして具体化できる。そして、切削インサートの材質は、製造すべきおねじ部材(被削材)の材質等に応じ適宜のものを選択して具体化すればよいことは明らかである。なお、右ねじ、左ねじにかかわらず本発明が適用できることも明らかである。
10 スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート
12,12 切削インサートの表裏の各面
16 切削インサートの一側面部
21 切れ刃
23 すくい面
26 共通の逃げ面
26a 横逃げ面
100 軸部材
105 ねじ山
Gn 軸部材の軸線
Yc ねじ山の幅方向の中心軸線

Claims (6)

  1. 軸部材の外周面に、該軸部材の軸線を通る断面において、ねじ山の幅方向の中心軸線に関して左右対称のねじ山を備えるねじを形成する切れ刃を備えるねじ切り用の切削インサートであって、
    前記切れ刃を、切削インサートの一側面部側の表裏の両面にすくい面があり、該一側面部にその両すくい面をつなぐ方向において凹凸がなく連続する面である共通の逃げ面があり、かつその横逃げ面の逃げ角を0度として、該一側面部において表裏の両面にすくい面を有するものとして、2つ備えるものとしたことを特徴とする、スレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート。
  2. 前記2つ切れ刃は、切れ刃形状及びすくい角が同じものであることを特徴とする請求項1に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート。
  3. 前記切れ刃は、すくい面において切れ刃の幅方向の中心において先後方向に引いた仮想直線に関して左右対称をなしていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート。
  4. 前記切削インサートは、すくい面側から見た該切削インサートの形状全体が、該切れ刃の幅方向の中心において先後方向に引いた仮想直線に関して左右対称をなし、該切削インサートはその表裏において同じ形状を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート。
  5. 前記すくい面が、形成されるねじの谷を形成する切れ刃の先端から後方に向かうに従い低位となるポジのすくい角を有するものとされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工によるねじ切り用の切削インサートを用いて、軸部材にスレッドワーリング加工によってねじ切りすることでおねじ部材を製造することを特徴とする、おねじ部材の製造方法。
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