JP2018069433A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命を有する表面被覆切削工具を提供する。【解決手段】基材と、基材の表面を被覆する被膜とを備える表面被覆切削工具であって、被膜は、TixM1-xCyN1-y(Mは、周期表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素(ただしTiは除く)であり、0.2≦x≦1、および0≦y≦1を満たす)の組成からなる化合物層を含み、化合物層は52%以上の弾性回復率を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、表面被覆切削工具に関する。
切削工具は、切削加工時にその刃先が高温、高負荷などの過酷な環境に曝されるため、刃先が摩耗したり、欠けたりするといった問題が生じる場合が多い。このため、切削工具の切削性能の改善を目的として超硬合金などの基材の表面を被覆する被膜の開発が進められている。
たとえば、特開平7−310174号公報(特許文献1)には、(AlxTi1-x-ySiy)(Nz1-z)(ただし、0.05≦x≦0.75、0.01≦y≦0.1、0.6≦z≦1)で示される化学組成からなる、耐摩耗性に優れた硬質皮膜を備える切削工具が開示されている。
また、国際公開第2010/050374号(特許文献2)には、2層構造(上層および下層)を有する被覆層を備える切削工具が開示されている。上層および下層の各々は、柱状粒子から構成されており、かつタングステンを含有する分散粒子が存在している。さらに、上層を構成する柱状粒子の平均結晶幅が下層のそれよりも小さく、かつ上層における分散粒子の分布密度が下層におけるそれよりも小さい。特許文献2においては、この被覆層を有する切削工具が、高い耐摩耗性と高い耐欠損性とを有することができるとされている。
特開平7−310174号公報 国際公開第2010/050374号
ところで、近年の切削工具は、高負荷切削の要求により、過酷な切削条件下に曝される傾向がある。現在、過酷な切削条件下において、安定的に利用可能な切削工具、換言すれば、十分な長寿命を有する切削工具を提供するに至っていないのが実情である。
本開示では、長寿命を有する表面被覆切削工具を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る表面被覆切削工具は、基材と、基材の表面を被覆する被膜とを備える表面被覆切削工具であって、被膜は、Tix1-xy1-y(Mは、周期表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素(ただしTiは除く)であり、0.2≦x≦1、および0≦y≦1を満たす)の組成からなる化合物層を含み、化合物層は52%以上の弾性回復率を有する。
上記によれば、長寿命を有する表面被覆切削工具を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る表面被覆切削工具の一例を示す断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。なお、本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
〔1〕本開示の一態様に係る表面被覆切削工具は、基材と、基材の表面を被覆する被膜とを備える表面被覆切削工具であって、被膜は、Tix1-xy1-y(Mは、周期表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素(ただしTiは除く)であり、0.2≦x≦1、および0≦y≦1を満たす)の組成からなる化合物層を含み、化合物層は52%以上の弾性回復率を有する。
表面被覆切削工具は、切削加工時において、被削材との接触部分に大きな負荷(応力)が加わる。これにより、その接触部分には歪み(変形)が生じる。表面被覆切削工具においては、接触部分は、基材と該基材の表面を被覆する被膜とから構成されることとなる。通常、基材は被膜よりも靱性に優れ、被膜は基材よりも硬度に優れる傾向がある。このため、従来の表面被覆切削工具においては、基材の変形に被膜が追随できずに、被膜が塑性変形してしまい、これに伴い、被膜の欠損や亀裂の発生が引き起こされる傾向にあった。
これに対し、上記表面被覆切削工具によれば、被膜は、上記特徴的な組成からなり、かつ52%以上の弾性回復率を有する化合物層を有する。このような化合物層は、高い硬度、高い耐熱性、化学安定性に加え、高い靱性を有することができる。このため、上記化合物層を有する被膜は、基材の変形に十分に追随することができる。したがって、上記表面被覆切削工具によれば、従来のような被膜の欠損や亀裂の発生が抑制され、もって長寿命を有することができる。
〔2〕上記表面被覆切削工具において、Mは、SiまたはBの少なくとも一方を含む。これにより、化合物層の弾性回復率がさらに向上する。
〔3〕上記表面被覆切削工具において、化合物層は六方晶型結晶構造を含まない。上記化合物層が六方晶型結晶構造を含む場合、化合物層の硬度が低下する傾向がある。換言すれば、六方晶型結晶構造を含まない化合物層は、高い硬度を有することができる。
〔4〕上記表面被覆切削工具において、化合物層は1μm以上15μm以下の厚さを有する。これにより、化合物層の剥離を十分に抑制しつつ、上記効果を好適に発揮することができる。
〔5〕上記表面被覆切削工具において、被膜は、基材と化合物層との間に中間層を含み、中間層は4μm以下の厚さを有する。これにより、化合物層の特性と中間層の特性との両特性を相乗的に発揮することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)について説明する。ただし、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお以下の実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わす。また、本明細書において化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のものに限定されるものではない。たとえば「TiCN」と記載されている場合、TiCNを構成する原子数の比はTi:C:N=1:0.5:0.5に限られず、従来公知のあらゆる原子比が含まれる。
〈表面被覆切削工具〉
図1を用いながら、本実施形態の表面被覆切削工具について説明する。図1において、表面被覆切削工具1(以下「工具1」ともいう)は、基材2と、基材2の表面を被覆する被膜3とを備える。
本実施形態に係る工具1の形状および用途は特に制限されない。たとえばドリル、エンドミル、ドリル用刃先交換型切削チップ、エンドミル用刃先交換型切削チップ、フライス加工用刃先交換型切削チップ、旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、クランクシャフトのピンミーリング加工用チップなどを挙げることができる。
また、本実施形態に係る工具1は、工具1の全体が基材2と該基材2上に形成された被膜3とを含む構成を有するもののみに限らず、切削工具の一部(特に刃先部分(切れ刃部)等)のみが上記構成からなるものも含む。たとえば、超硬合金等からなる基体(支持体)の刃先部位のみが上記構成で構成されるようなものも本実施形態に係る表面被覆切削工具に含まれる。この場合は、文言上、その刃先部位を切削工具とみなすものとする。換言すれば、上記構成が切削工具の一部のみを占める場合であっても、上記構成を切削工具と呼ぶものとする。
《基材》
基材2は、表面被覆切削工具の基材として従来公知のものを特に限定なく用いることができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、工具鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、サイアロン、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、立方晶型窒化硼素粒子が分散した硬質材料等を挙げることができる。
基材2は、超硬合金であることが好ましい。特に好ましい超硬合金としては、WC粒子と結合材とを含む超硬合金を挙げることができる。なお超硬合金は、本発明の効果を示す限り、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいてもよい。
《被膜》
被膜3は、基材2の表面の一部を被覆しても良く、基材2の表面の全てを被覆しても良い。ただし、少なくとも工具1のうち被削材と接触する部分、すなわち刃先部分および該刃先部分の近傍を構成する基材2上には、被膜3が設けられていることが好ましい。
被膜3の厚さは特に制限されず、たとえば2〜22μmとすることができる。被膜3の厚さが2μm未満の場合、後述する化合物層の厚さが不十分となり、所望の効果が十分に発揮されない傾向がある。被膜3の厚さが22μmを超える場合、被膜3自体が自壊してしまう恐れがある。
被膜3の厚さは、次のようにして求めることができる。まず、工具1の任意の位置を切断し、被膜3の断面を含む試料を作製する。この試料の作製には、集束イオンビーム装置、クロスセクションポリッシャ装置等を用いることができる。作製された断面をSEMで観察し、観察画像に被膜3の厚さ方向の全域が含まれるように倍率を調整する。そして、その厚さを5点以上測定し、その平均値を被膜3の厚さとする。以下詳述する各層の厚さも、同様の方法により計測することができる。
被膜3の構成は特に制限されず、少なくとも化合物層5を含んでいればよい。図1においては、下地層4、化合物層5および表面層6がこの順に基材2上に積層された3層構造を有する被膜3が示される。以下、化合物層、下地層、および表面層の各層について、詳述する。
《化合物層》
被膜に含まれる化合物層は、以下(1)および(2)を満たす。
(1)Tix1-xy1-y(Mは、周期表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素(ただしTiは除く)であり、0.2≦x≦1、および0≦y≦1を満たす)の組成からなる;
(2)52%以上の弾性回復率を有する。
上記(1)に関し、Mがたとえば2種の元素からなる場合、2種の元素の合計原子比が(1−x)に相当する。
上記(2)に関し、弾性回復率はナノインデンテーション法により求められる。具体的には、まず、工具1の被膜3が設けられた位置において、被膜3の最表面の面方向に対して6°の傾斜を有する面(傾斜面)が得られるように研磨する。得られた傾斜面内に含まれる化合物層の表面に対し、化合物層の膜厚の1/10以下の押し込み深さ(h)になるように制御された押し込み荷重を負荷し、ナノインデンテーション法による測定を実施する。そして当該試験における最大押し込み深さ(hmax)、および荷重除荷後の押し込み深さ(hp)を測定する。測定された各値を下記式に導入することにより、化合物層の弾性回復率(%)が算出される。
弾性回復率(%)={(hmax−hp)/hmax}×100。
上記試験には、ナノインデンテーション試験機(「ENT−1100a」、株式会社エリオニクス製)とバーコビッチ型のダイヤモンド圧子が用いられる。なお、図1に示されるように、被膜3に化合物層以外の他の層が含まれる場合には、SEM観察等により、予め被膜3の構成を確認し、化合物層の位置を決定しておく。
上記(1)を満たす化合物層においては、Tiが原子比で20%以上含まれ、さらにCおよびNの少なくとも一方が含まれる。このような化合物層は硬度に優れることができるとともに、耐熱性、ならびに高温に対する化学安定性に優れることができる。なおMは、具体的には、第4族元素であるZr、Hf、第5族元素であるV、Nb、Ta、第6族元素であるCr、Mo、W、ならびに、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素である。Mが1種以上の元素からなる場合、各元素の合計量は原子比で80%未満となる。
ここで、一般的な化合物層の特性として、硬度(耐摩耗性)を高めようとすると靱性が低下してしまう傾向があり、靱性を高めようとすると硬度が低下してしまう傾向があることが知られている。
しかし、本実施形態に係る化合物層は、上記(1)に加えて上記(2)を満たすことができる。換言すれば、本実施形態に係る化合物層は、高い硬度を維持しつつ、優れた靱性(粘り性)を有することができる。このように、本実施形態に係る化合物層においては、高い硬度と高い靱性との両立が可能となっている。
本実施形態に係る化合物層が、耐摩耗性と靱性との両特性に優れることができる理由は明確ではないが、少なくとも、化合物層の特徴的な製造方法が関与していると推察される。
すなわち、従来のPVD法においては、基材2上に任意の層を形成する際、基材2に印加されるバイアス電圧は、一定に維持される、または緩やかに連続的に変化する(たとえば、1時間かけて50Vから150Vまで変化させる)、のいずれかであった。これに対し、本実施形態に係る化合物層は、従来のPVD法とは異なり、基材2上に化合物層を形成する際、基材2に印加されるバイアス電圧は細かく変調される。
バイアス電圧が細かく変調されるPVD法により、化合物層が作製された場合、その層は不均一に成長していく。不均一に成長した化合物層は、均一に成長した化合物層と比して、加えられる応力を緩和する能力に優れることができると考えられる。このため、化合物層の任意の位置に加えられた応力は化合物層の全体に拡散されることとなり、結果的に、化合物層の弾性回復率が高まるものと推察される。
以上のように、本実施形態に係る化合物層は、上記(1)の組成に依拠する特性(硬度、耐熱性、化学安定性等)と、上記(2)のような高い弾性回復率との両特性を相乗的に発揮することができる。このため、工具1においては、被膜3による硬度、耐熱性、化学安定性等といった諸特性が付与されるのみならず、高い弾性回復率を有することに起因して従来のような欠損の発生や亀裂の発生が抑制されることとなる。
したがって、工具1は寿命に優れることができる。また、仮に工具1において、被膜3の表面に亀裂が発生した場合であっても、弾性回復率に優れる化合物層の存在に起因して、亀裂の内部への伸展が抑制される。なお化合物層において、弾性回復率の上限は特に制限されず、弾性回復率が大きいほど、高い靱性を有することができる。ただし、製造容易性を考慮すると70%を上限とすることができる。
以上詳述した化合物層としては、上記化学式から理解されるように、Tix1-xCの組成からなる化合物層とTix1-xCNの組成からなる化合物層と、Tix1-xNの組成からなる化合物層とが挙げられる。化合物層の硬度をより高める観点からは、化合物層はTix1-xNの組成からなる化合物層であることが好ましい。また、化合物層の組成に関し、好ましくは0.2≦x≦0.7であり、より好ましくは0.3≦x≦0.7である。
化合物層の組成は、SEMまたはTEM付帯のEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)装置を用いることにより、確認することができる。具体的には、まず、上述のように、工具1の任意の位置を切断し、被膜3の断面を含む試料を作製する。次に、被膜3の化合物層に関し、任意の領域を分析する。これにより、任意の領域に含まれる各元素の原子比を特定することができ、この原子比から化合物層の組成を決定することができる。
さらに化合物層において、Mは、SiまたはBの少なくとも一方を含むことが好ましい。種々の検討により、この場合に化合物層の弾性回復率がさらに向上することが確認されている。具体的には、弾性回復率を60%以上とすることができる。この場合、工具1はさらに長寿命を有することができる。
SiまたはBの少なくとも一方を含む化合物層において、弾性回復率が向上する理由は明確ではない。しかし、種々の検討結果から、立方晶型結晶構造が主である化合物層に、Siおよび/またはBが含まれることによって、化合物層の結晶構造に僅かな歪みが生じることが考えられる。このような適度な歪みの発生が、弾性回復率の向上に関係していると推察される。
化合物層におけるSiおよびBの合計含有割合は、原子比で20%以下であることが好ましい。20%を超えると、化合物層の結晶構造が、立方晶型結晶構造から六方晶型結晶構造へと変化し、これにより、被膜の硬度が低下することが懸念される。また上記合計含有割合の下限は特に制限されないが、これらの元素の添加による効果を十分に発揮させる観点から、原子比で0.5%以上であることが好ましく、2原子%以上であることがより好ましい。
さらに化合物層において、MはAlを含むことが好ましい。この場合、化合物層の耐酸化性を向上させることができる。化合物層におけるAlの含有割合は、原子比で30〜70%であることが好ましい。この場合、化合物層は硬度と耐酸化性との両特性のバランスに優れることができるため、さらなる長寿命化が可能となる。
なかでも、Mは、AlおよびSiの2種である、またはAl、SiおよびBの3種であることが好ましい。この場合に、化合物層は特に弾性回復率に優れることができ、もって工具1は、顕著な長寿命を有することができる。
また、化合物層の硬度の低下を避けて化合物層の高い硬度を維持する観点から、化合物層は六方晶型結晶構造を含まないことが好ましい。換言すれば、化合物層の結晶構造は、立方晶型結晶構造であることが好ましい。
ここで化合物層が六方晶型結晶構造を有さないとは、X線回折装置を用いて化合物層を分析した場合に、六方晶型結晶構造が検出されないことを意味する。X線回折装置としては、たとえばリガク株式会社製の「SmartLab(登録商標)」を用いることができる。測定条件は、薄膜法を用いて、θ〜2θのX線入射角を2°とした。
特性X線 :Cu−Kα
スキャンスピード:0.2°/分
ステップ :0.05°
スキャン範囲 :20〜80°
スリット :PSA0.228。
また化合物層は、1〜15μmの厚さを有することが好ましい。これにより、化合物層の剥離を十分に抑制しつつ、上記効果を好適に発揮することができる。一方化合物層の厚さが15μmを超える場合、化合物層内に積算される残留応力が高くなるため、化合物層の剥離が生じ易くなる。化合物層のより好ましい厚さは、1.5〜10μmである。
《中間層》
中間層は、基材と化合物層との間に存在する層である。このような中間層は、化合物層と基材2との密着性を向上させる機能を有することが好ましい。ただし、このような中間層の厚さは、4μm以下であることが好ましい。中間層の厚さが大きいと、化合物層による欠損や亀裂の抑制効果が抑えられる傾向があるためである。中間層の下限値は特に制限されないが、その効果を十分に発揮させる観点から、0.3μm以上であることが好ましい。
《表面層》
表面層は、被膜3の耐凝着性を向上させる機能および/または色彩を発揮する機能を有することが好ましい。耐凝着性を向上させる機能を有する層としては、たとえばAlN層を挙げることができる。また色彩を発揮する機能を有する層としては、たとえばTiN層を挙げることができる。
〈表面被覆切削工具の製造方法〉
本実施形態の表面被覆切削工具は、以下の各工程を経ることにより製造することができる。
《基材準備工程》
まず、本工程において基材を準備する。基材は市販の基材を所望の形状に加工することにより準備してもよく、基材の原料を焼結させて焼結体を製造することにより準備してもよい。焼結の方法は、従来公知の方法を用いることができる。
《被膜形成工程》
次に、本工程において基材の表面に被膜を形成する。被膜が図1に示すような多層構造を有する場合には、基材に接する層側から順に層を積層させていくことにより、所望の被膜を基材上に形成することができる。
中間層および表面層は、従来公知のPVD法により製造される。PVD法としては、AIP法(真空アーク放電を利用して固体材料を蒸発させるイオンプレーティング法)、スパッタリング法が挙げられる。たとえば、AIP法を用いてTiN層を製造する場合、金属蒸発源であるTiターゲットと、反応ガスであるN2とを用いればよい。またスパッタリング法を用いてTiN層を製造する場合、金属蒸発源であるTiターゲットと、反応ガスであるN2と、Ar、Kr、Xe等のスパッタガスとを用いればよい。
一方化合物層は、AIP法またはスパッタリング法といったPVD法であって、基材に印加されるバイアス電圧が細かく変調される手法により製造される。具体的には、化合物層を形成する際、基材に対し、一の値の電圧(第1電圧)が一定時間(第1印加時間)印加される第1印加工程と、該値と異なる他の一の値の電圧(第2電圧)が一定時間(第2印加時間)印加される第2印加工程とが交互に繰り返される。これにより、化合物層が不均一に成長し、上述のように、弾性回復率に優れた化合物層が作製されることとなる。
種々の検討に基づき、第1電圧と第2電圧との電圧差は、10V以上が好ましい。これにより、上記(1)および(2)を満たす化合物層を効率的に製造することができる。電圧差を大きくすると、化合物層の弾性回復率は向上する傾向にあるものの、電圧差を大きくし過ぎると、製造安定性の低下が懸念される。このため、基材に係る実際の電圧の安定性を確認して決定する必要がある。
たとえばAIP法を用いた場合の好ましい製造条件は、以下のとおりである。
基材の温度:450〜550℃
ガス :N2ガス、CH4ガス等
真空容器内の圧力:1.5〜6Pa
バイアス電圧(第1電圧):−30〜−260V
バイアス電圧(第2電圧):−30〜−260V
アーク電流:100〜250A
第1電圧と第2電圧との差:10〜100V。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈検討1〉
《No.1の表面被覆切削工具の製造》
以下のようして、No.1の表面被覆切削工具が製造された。まず、超硬合金(JIS P20)製の基材(形状:「SEMT13T3AGSN−G」、住友電工ハードメタル株式会社製)が準備された。
上記基材に対し、以下の条件でイオンボンバードメントが実施された。これにより、基材の表面が清浄化された。
基材の温度 :550℃
ガス :Arガス
真空容器内の圧力:−1Pa
バイアス電圧 :−700V
処理時間 :20分。
イオンボンバードメント実施後の基材に対し、以下の条件で成膜処理が実施された。これにより、基材の表面に化合物層が成膜された。
基材の温度 :550℃
ガス :N2ガス
ターゲット :Ti(70原子%)、Al(30原子%)
真空容器内の圧力 :3.0Pa
バイアス電圧(第1電圧):−45V
第1印加時間 :1秒
バイアス電圧(第2電圧):−60V
第2印加時間 :1秒
アーク電流 :130A
処理時間 :60分
第1印加工程と第2印加工程とを交互に繰り返す。
以上により、基材の刃先における厚さが3.5μmであり、組成がTi0.7Al0.3Nである化合物層からなる被膜を有するNo.1の表面被覆切削工具が製造された。この表面被覆切削工具は、刃先交換型切削チップである。
《No.2〜No.15の表面被覆切削工具の製造》
成膜条件(ターゲットの種類、ガスの種類、第1電圧、第2電圧、第1印加時間、第2印加時間、および処理時間)を変更し、表1に示す組成の化合物層を形成した以外は、No.1と同様の方法により、表面被覆切削工具が製造された。表1に、各化合物層の組成、および成膜条件(第1電圧、第2電圧および各印加時間)を示す。なお、各表面被覆切削工具における処理時間は、刃先における化合物層の厚さが3.5μmとなるように調整された。表1の「第1電圧(秒)/第2電圧(秒)」の欄には、第1電圧の値、第1電圧を印加した印加時間(秒)、第2電圧の値、および第2電圧を印加した印加時間(秒)が左側からこの順に記載されている。
《弾性回復率の測定》
上述の方法に従って、各化合物層のhmaxおよびhpを測定し、これにより弾性回復率を求めた。その結果を表1に示す。
《切削試験》
各表面被覆切削工具からなるフライス加工用刃先交換型切削チップをカッタ(形状:「WGC4160R」、住友電工ハードメタル株式会社製)に取り付け、以下の切削条件下で切削試験を行った。切削長が600mmに達した時点で、各表面被覆切削工具のすくい面を顕微鏡を用いて観察し、被膜に生じた亀裂の本数を測定した。その結果を表1に示す。亀裂の本数が少ないほど、被膜の欠損が少なく、もって長寿命を有することとなる。
(切削条件)
被削材:SCM435ブロック材
切削速度:250m/min
送り量:0.27mm/rev
切込み:2mm
クーラント:有(湿式切削)。
Figure 2018069433
《評価》
表1に示されるように、上記(1)および(2)を満たす化合物層を有するNo.1〜No.11の表面被覆切削工具は、上記(1)および/または上記(2)を満たさないNo.12〜No.15の表面被覆切削工具よりも亀裂の本数が少なかった。すなわち、No.1〜No.11の表面被覆切削工具は、長寿命を有することができた。
またNo.1〜No.11を比較し、弾性回復率が60%を超える場合に、さらに亀裂本数が少なく、もって長寿命を有することが確認された。さらにNo.8〜No.11の結果から、化合物層がSiおよび/またはBを含む場合に、特に長寿命を有することが確認された。また、No.6とNo.8〜11とを比較し、Alを含むことが好ましいことが確認された。
〈検討2〉
《No.16〜No.20の表面被覆切削工具の製造》
超硬合金製の基材(JIS P20)製の基材(形状:「CNMG120408N−GU」、住友電工ハードメタル株式会社製)を用い、成膜条件(ターゲットの種類、ガスの種類、第1電圧、第2電圧、第1印加時間、第2印加時間、および処理時間)を変更し、表2に示す組成の化合物層を形成した以外は、No.1と同様の方法により、表面被覆切削工具が製造された。
《No.21〜No.23の表面被覆切削工具の製造》
以下の方法により、基材と化合物層との間に中間層を形成した以外は、No.16〜No.20と同様の方法により、表面被覆切削工具が製造された。なお処理時間を変更することにより、中間層の厚さを表2に示すように調整した。
基材の温度 :550℃
ガス :N2ガス
ターゲット :Ti
真空容器内の圧力:3.0Pa
バイアス電圧 :−100V
アーク電流 :130A。
《弾性回復率の測定》
上述の方法に従って、各化合物層のhmaxおよびhpを測定し、これにより弾性回復率を求めた。その結果を表2に示す。
《切削試験》
各表面被覆切削工具からなる旋削加工用刃先交換型切削チップをホルダー(形状:「DCLNR2525」、住友電工ハードメタル株式会社製)に取り付け、以下の切削条件下で切削試験を行うことにより、欠損率を評価した。具体的には、各表面被覆切削工具8個ずつについて1.6分間の切削加工を行って、初期欠損の有無を確認することにより、欠損率(%)を算出した。その結果を表2に示す。欠損率が低いほど、長寿命を有することとなる。
(切削条件)
被削材:SCM435丸棒(φ220mm、スリット有り)
切削速度:125m/min
送り量:0.35mm/rev
切込み:2mm
クーラント:無し(乾式切削)。
Figure 2018069433
《評価》
No.16〜No.20を比較し、化合物層の厚さは、1μm〜15μmの厚さを有することが好ましいことが分かった。また、No.16およびNo.20の結果から、1.1μmよりも大きく10.4μmよりも小さいことがより好ましいことが理解された。このことから、化合物層の好ましい範囲は1.5〜10μmであると言える。
またNo.21〜No.23を比較し、中間層の厚さが4.4μmの場合に欠損率の増加が見られた。このことから、被膜が中間層を有する場合、中間層の厚さは4μm以下であることが好ましいと言える。
〈検討3〉
《No.24およびNo.25の表面被覆切削工具の製造》
超硬合金製の基材(JIS S10)製の基材(形状:「CNMG120412N−EX」、住友電工ハードメタル株式会社製)を用い、成膜条件(ターゲットの種類、ガスの種類、第1電圧、第2電圧、第1印加時間、第2印加時間、および処理時間)を変更し、表3に示す組成の化合物層を形成した以外は、No.1と同様の方法により、表面被覆切削工具が製造された。
《弾性回復率の測定》
上述の方法に従って、各化合物層のhmaxおよびhpを測定し、これにより弾性回復率を求めた。その結果を表3に示す。
《切削試験》
各表面被覆切削工具からなる旋削加工用刃先交換型切削チップをホルダー(形状:「DCLNR2525」、住友電工ハードメタル株式会社製)に取り付け、以下の切削条件下で切削試験を行うことにより、各チップの寿命を求めた。具体的には、各チップを顕微鏡で観察しながら切削試験を実施し、各チップに欠損が生じるまでの時間(分)を測定した。その結果を表3に示す。時間が長いほど、長寿命を有することとなる。
(切削条件)
被削材:Ti合金(Ti−6Al−4V)、丸棒(φ250mm)
切削速度:105m/min
送り量:0.2mm/rev
切込み:0.55mm
クーラント:有り(湿式切削)。
《結晶構造の確認》
X線回折装置(「SmartLab(登録商標)」、リガク株式会社製)を用いて、上述の方法より化合物層に六方晶型結晶構造が存在するかどうかを確認した。その結果を表3に示す。表3中「有」は六方晶型結晶構造が検出されたことを意味し、「無」は六方晶型結晶構造が検出されなかったことを意味する。
Figure 2018069433
《評価》
No.24およびNo.25を比較し、No.24のほうが欠損発生までの時間が長かった。このことから、化合物層が六方晶型結晶構造を含まないことが好ましいことが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 表面被覆切削工具
2 基材
3 被膜
4 下地層
5 化合物層
6 表面層。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の表面を被覆する被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
    前記被膜は、Tix1-xy1-y(Mは、周期表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、SiおよびBからなる群より選ばれる1種以上の元素(ただしTiは除く)であり、0.2≦x≦1、および0≦y≦1を満たす)の組成からなる化合物層を含み、
    前記化合物層は52%以上の弾性回復率を有する、表面被覆切削工具。
  2. 前記Mは、SiまたはBの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記化合物層は六方晶型結晶構造を含まない、請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記化合物層は1μm以上15μm以下の厚さを有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記被膜は、前記基材と前記化合物層との間に中間層を含み、
    前記中間層は4μm以下の厚さを有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
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