JP2018068308A - ニンジン汁の旨味強化方法、ニンジン汁の製造方法 - Google Patents

ニンジン汁の旨味強化方法、ニンジン汁の製造方法 Download PDF

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Hiroki Sugiyama
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Abstract

【課題】ニンジン汁中の甘味を抑え、高旨味ニンジン汁を安定供給する方法の提供。
【解決手段】(1)甘味のばらつきの原因が旨味成分の量であること、(2)この旨味成分の量に影響するのがブランチされるニンジンの伝熱距離であることである。ニンジン汁の旨味強化方法を構成するのは、ブランチされるニンジンの伝熱距離の調整である。ここで、伝熱距離とは、ニンジンの重心から表面までの最短距離をいう。当該伝熱距離を調整して強化するのは、ニンジン汁の旨味である。当該伝熱距離は、好ましくは1.3〜2.5cmである処理方法。ニンジンをブランチ前に角切り、縦割り又は蔕取りして、ブランチし、ニンジンを搾る方法。ニンジン汁のグアニル酸濃度を2.5ppm以上である、方法。
【選択図】図5

Description

本発明が関係するのは、ニンジン汁の旨味強化方法、ニンジン汁の製造方法である。
我が国において、野菜飲料は、広く受け入れられており、その市場規模は、1000億
円を超えている。ここで、野菜飲料を例示すると、野菜濃縮飲料、野菜ミックス濃縮ジュ
ースや野菜果実ミックスジュース等である。野菜飲料が広く受け入れられた理由の一つは
、その飲み易さである。野菜飲料が飲み易いのは、その主たる原材料がニンジン汁だから
である。ニンジン汁の製造方法は、各種知られており、具体的には次のとおりである。
特許文献1が開示するのは、ニンジン汁の製造方法であり、その目的は、ニンジン汁の
凝集の防止である。当該製法の構成は、剥皮、ブランチング(茹でること)、破砕及び搾
汁である。ブランチングの実施時期は、剥皮から12時間以内である。ブランチング温度
は、60度乃至80度である。
特許文献2が開示するのは、ニンジン汁の製造方法であり、その目的は、硝酸性窒素(
例えば、硝酸イオン等)の除去である。硝酸性窒素は、好ましくない物質だからである。
当該製法の構成は、切断及びブランチングである。ニンジンを切断して、ニンジンの芯を
露出させる。ブランチング時に、ブランチング水に接触しているのは、露出した芯であり
、そこから、硝酸性窒素が溶出して除去される。ブランチング温度は、60度乃至100
度である。
特許第3362247号公報 特許第3771919号公報
本発明が解決しようとする課題は、ニンジン汁の用途の拡大である。ニンジン汁の用途
は、限られており、飲食物のうち甘さが許容されるものである。そのような飲食物を例示
すると、野菜飲料や菓子等である。このようにニンジン汁の用途が限られるのは、ニンジ
ン汁が甘いからである。当該用途を拡大するのに必要なのは、ニンジン汁において、甘さ
以外の特性を見出すこと、及びその特性を安定的に実現することである。
本願発明者らが検証を試みたのは、甘味がばらつく原因に、旨味成分が関わっているこ
とである。その結果、見出したのは、(1)甘味のばらつきの原因が旨味成分の量である
こと、(2)旨味成分の量に影響するのがブランチされるニンジンの伝熱距離であること
、である。そのような機序を踏まえ、本発明を定義すると、以下のとおりである。
本発明に係るニンジン汁の旨味強化方法を構成するのは、ブランチされるニンジンの伝
熱距離である。ここで、伝熱距離とは、距離であって、そこを熱が伝わるものをいい、そ
の始点をニンジンの切断面上とし、かつ、その終点をニンジンの内側とするものをいう(
本項目において、以下同じ)。当該伝熱距離を調整して強化するのは、ニンジン汁の旨味
である。当該伝熱距離は、好ましくは、1.3乃至2.5センチメートルである。
本発明に係るニンジン汁の製造方法を構成するのは、ニンジンのブランチング、及びブ
ランチされたニンジンを搾ることである。本製法において、ブランチされるニンジンの伝
熱距離は、1.3乃至2.5センチメートルである。本製法の更なる構成は、ニンジンの
角切り、縦割り又は蔕取である。ニンジンを角切り、縦割り又は蔕取するのは、ブランチ
前である。本製法において、伝熱距離が1.3センチメートル以上であることで、ニンジ
ン汁の旨味が強化される。
本発明が可能にするのは、高旨味ニンジン汁の安定供給である。
本実施の形態に係るニンジン汁の製造方法の流れ図 本実施例に係る角切りニンジンと伝熱距離との関係図、(a)角切りニンジンの斜視図、(b)角切りニンジンのY軸方向視した断面図、(c)角切りニンジンのZ軸方向視した断面図 本実施例に係る縦割りニンジンと伝熱距離との関係図、(a)縦割りニンジンの斜視図、(b)縦割りニンジンの側面図、(c)縦割りニンジンの断面図 本実施例に係る円錐ニンジンと伝熱距離との関係図、(a)円錐ニンジンの斜視図、(b)円錐ニンジンの側面図、(c)円錐ニンジンの断面図 本実施例に係る重心から表面までの距離に対する甘味及び旨味評価の関係図 本実施例に係る重心から表面までの距離に対するグアニル酸濃度の関係図
<本実施の形態に係るニンジン汁の製造方法の概要>
図1が示すのは、本実施の形態に係るニンジン汁の製造方法の流れである。本実施の形
態に係るニンジン汁の製造方法(以下、「本製法」という。)を構成するのは、蔕取(S
10)、剥皮(S20)、切断(S30)、ブランチング(S40)、砕き(S50)、
搾り(S60)、調合(S70)、並びに殺菌及び充填(S80)である。
<蔕取(S10)>
ニンジンの蔕(へた)を取る目的は、青臭みの回避である。この蔕に含まれる成分が引
き起こすのは、青臭みである。蔕(へた)を取る方法は、手動であるか自動であるかを問
わず、公知の方法でよい。
<剥皮(S20)>
ニンジンの表皮を剥く目的は、青臭みの回避である。この表皮に含まれる成分が引き起
こすのは、青臭みである。剥皮方法は、手動であるか自動であるかを問わず、公知の方法
でよい。また、ニンジンを洗浄するのは、好ましくは、剥皮前である。さらに、ニンジン
を洗浄する手段は、水に限らず、温水や蒸気等でもよい。このように、ニンジンを熱洗浄
する目的は、ニンジン汁の色調劣化の防止である。
<切断(S30)>
剥皮ニンジンを切断する一つ目の目的は、残留物質の抑制である。残留物質抑制の観点
において、当該残留物質が偏在しているのは、ニンジンの芯である。つまり、ニンジンを
切断するにあたり、その芯が露出するようにする。他の目的は、呈味の調整である。これ
については、後述する。
<ブランチング(S40)>
剥皮ニンジンをブランチする目的は、酵素の失活である。この観点から、剥皮ニンジン
をブランチする時期は、剥皮後24時間以内であり、好ましくは、剥皮後12時間以内で
ある。剥皮ニンジンをブランチする方法は、不問であり、具体的には、蒸気や温水等であ
る。以下の説明では、ブランチング温度とは、温度であって、ブランチされたニンジンが
至る温度をいう。ブランチング時間とは、ブランチング温度に到達するまでの時間である
。当該定義における「ニンジン」は、より具体的には、ニンジンの内部であり、更により
具体的には、ニンジンの内部であって、伝熱距離が長く、熱の到達が遅い箇所である。本
願におけるブランチング温度及びブランチング媒体(例えば、水等)の温度は、一致する
こともあれば、そうではないこともある。
<砕き(S50)>
ブランチされたニンジンを砕く目的は、食感の向上及びβカロテンの収率向上である。
ブランチされたニンジンを砕く方法は、公知の方法で良く、具体的には、磨砕や破砕等で
ある。
<搾り(S60)>
砕かれたニンジンを搾って得られるのは、搾汁及び粕である。そのような搾汁の具体的
な説明のために本願明細書が取り込むのは、特許第3771919号公報の内容である。
<調合(S70)>
搾汁及び砕かれたニンジンを調合して得られるのは、ニンジン汁である。調合の目的は
、食感の付与である。この観点から、調合比率は、適宜決定すればよい。もっとも、食感
が不要であれば、砕かれたニンジンの比率は、ゼロでよい。つまり、「ニンジン汁」が排
除しないのは、搾汁そのものである。
<殺菌及び充填(S80)>
以上に加えて、本製法が適宜採用するのは、殺菌及び充填である。これらの方法は、公
知の方法で良く、例えば、ホットパック(特公平7−85708公報)がある。
<切断(S30)の詳細>
本製法における切断で調整するのは、ニンジンの伝熱距離である。伝熱距離とは、距離
であって、そこを熱が伝わるものをいい、その始点をニンジンの切断面上とし、かつ、そ
の終点をニンジンの内側とするものをいう。伝熱距離が長いほど、切断されたニンジンは
大きく、短いほど切断されたニンジンは小さい。切断されたニンジンの形態は、不問であ
るが、例示すると、縦割りや角切り(ダイス状)等である。切断手段は、不問であるが、
具体的には、細断機であり、細断機を例示すると、スライサー、ダイサー、ミクログレー
ダー、家庭用フードカッター等である。伝熱距離を長くするためには、切断(S30)を
除外しても良い。この場合においても、蔕取(S10)は、実施する。
<甘味と切断物の大きさとの関係>
本発明者らが当初推測したのは、ニンジン汁の呈味に切断物の大きさが影響することで
ある。すなわち、切断されたニンジンが小さければ、ブランチング時間が短くなるから、
得られるニンジン汁は、甘味が弱い。他方、切断されたニンジンが大きければ、ブランチ
ング時間が長くなるから、甘味が強い。当該仮説を検証するために、切断されたニンジン
の伝熱距離を段階的に上げた。伝熱距離が切断物の調整として最短距離1.0センチメー
トルとするまでは、甘味が強まった。ところが、最短距離が1.3センチメートルを超え
ると、甘味が弱まった。この結果は、全くの予想外であった。
<ニンジン汁の調製>
市販のニンジンを水洗して、剥皮した。剥皮ニンジンを切断し、所定のサイズとした。
切断したニンジンの温度測定の為に、K型熱電対を刺し込んだ。当該測温部は、後述する
。ニンジンを95℃の水浴で、測温部が75℃に達するまで茹でた(ブランチした)。茹
でたニンジンを更に破砕し、2軸回転型エクストルーダーで搾汁した。得られた搾汁液を
メッシュ(目開き500μm)で濾過した。サンプルは、ホットパックしてPETボトル
に充填し、試料1乃至6を得た。以上において、各試料の違いは、切断形状であり、より
具体的には、伝熱距離である。各試料における切断形状及び伝熱距離は、次の通りである
<試料1>
剥皮ニンジンを切断して、0.5センチ角とすることで、伝熱距離を0.25センチメ
ートルとした。
<試料2>
剥皮ニンジンを切断して、1.0センチ角とすることで、伝熱距離を0.5センチメー
トルとした。
<試料3>
剥皮ニンジンを切断して、2.0センチ角とすることで、伝熱距離を1.0センチメー
トルとした。
<試料4>
剥皮ニンジンを切断して、3.0センチ角とすることで、伝熱距離を1.5センチメー
トルとした。
<試料5>
剥皮ニンジンを、縦割して、2分の1にすることで、伝熱距離を1.3センチメートル
とした。
<試料6>
剥皮ニンジンを切断せずに、試験に供した。伝熱距離は2.5センチメートルである。
<角切り形状と伝熱距離との関係>
図2が示すのは、角切りされたニンジン及び伝熱距離との関係である。角切りされたニ
ンジン10を構成するのは、6つの切断面である(図2(a)参照)。当該面を構成する
のは、4つの辺である。各辺の長さは、互いに等しい。つまり、角切りニンジン10は、
立方体である。ここで、点P1を定義すると、当該立方体上の各中心線の交点(重心)で
ある。距離d11は、点P1と点H1との距離である(図2(b)参照)。言い換えると
、距離d11は、点P1から面11に下した垂線の長さである。同様に、距離d12は、
点P1と点H2との距離である(図2(c)参照)。言い換えると、距離d12は、点P
1から面12に下した垂線の長さである。また、距離d13は、点P1と点H3との距離
である。言い換えると、距離d13は、点P1から面13に下した垂線の長さである。つ
まり、角切りニンジン10における伝熱距離が対応するのは、これらの距離d11、d1
2、d13である。しかも、各伝熱距離d11、d12、d13は、互いに等しい(d1
1=d12=d13)。言い換えると、点P1が位置するのは、角切りニンジンの内部で
あって、そこへの熱の到達が最も遅い箇所である。それゆえ、角切りニンジンの内部温度
を測定する場所(測温点)も、点P1である。
<縦割り形状と伝熱距離との関係>
図3が示すのは、縦割りのニンジン及び伝熱距離の関係である。縦割りのニンジン20
を構成するのは、蔕部の切断面21、芯部の切断面22、及び剥皮面23である(図3(
a)参照)。切断面21は、略半円である(図3(b)参照)。切断面21において、点
H21を定義すると、当該略半円上の中心線の交点である。距離d21は、点H21から
切断面22に下した垂線の長さである。点P2を定義すると、(1)縦割りニンジン20
の内部の点であって、(2)点P2と点H21との距離がd21であり、かつ、(3)点
P2から切断面22に下した垂線の長さがd21であるものをいう(図3(c)参照)。
言い換えると、縦割りニンジン20における伝熱距離が対応するのは、距離d21である
。また、縦割りニンジン20における測温点は、点P2である。このように点P2及び伝
熱距離d21を定義したのは、点P2が熱の到達が相対的に遅い箇所であるからである。
<円錐形状と伝熱距離との関係>
図4が示すのは、円錐ニンジン及び伝熱距離の関係である。円錐ニンジン30を構成す
るのは、蔕部の切断面31、剥皮面32である(図4(a)参照)。切断面31は、略円
形である(図4(b)参照)。切断面31において、点H31を定義すると、当該円面上
の中心線の交点である。距離d31は、切断面31の半径である。点P3を定義すると、
(1)円錐ニンジン30の内部の点であって、(2)点P3から切断面31に下した垂線
の足が点H31である(垂線の長さが距離d31であるものをいう(図4(c)参照)。
言い換えると、円錐ニンジン30における伝熱距離が対応するのは、距離d31である。
また、円錐ニンジン30における測温点は、点P3である。このように点P3及び伝熱距
離d31を定義したのは、点P3が熱の到達が相対的に遅い箇所であるからである。
<糖度の測定>
本測定で採用した糖度(Brix)の測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社
製)である。測定時の品温は、20℃であった。
<グルタミン酸の測定>
本測定で採用したグルタミン酸の測定器は、高速アミノ酸分析計L−8000シリーズ
((株)日立製作所)である。測定条件は、アンモニアフィルタカラム:#2650L[
内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、分析カラム:#2622[内径:4.6
mm×60mm、(株)日立製]、ガードカラム:#2619[内径:4.6mm×60
mm、(株)日立製]、移動相:クエン酸リチウム緩衝液、反応液:ニンヒドリン溶液、
検出波長:VIS 570nmである。
<グアニル酸の測定>
本測定で採用したグアニル酸の測定器は、紫外検出器付き高速液体クロマトグラフ(日
立製作所Chromasterシリーズ)である。測定条件は、カラム:Develos
il RPAQUEOUS AR[固定相:C30(トリアコンチル基)、粒子径:5μ
m、内径:4.6nm×250mm、野村化学(株)製]、カラム温度:40℃、サンプ
ル注入量:10μL、移動相:100mMリン酸緩衝液(pH2.5)をA液、アセトニ
トリルと超純水を9:1(容量比)で混合した液をB液とし、B液比率を、0〜5分後ま
で0%、25分後まで7.5%、25.1〜28分後まで20%、28.1〜32分後ま
で0%となるようなリニアグラジエント、移動相の流速:1mL/min、検出器:UV
検出器、検出波長:254nmである。
<官能評価>
本評価で採用した官能評価方法は、評点法である。評価者は、訓練された評価パネル5
人であった。また、評価項目及び評点は、次のとおりであった。ここで、評点は、評点の
合計値をパネル数で除した値(すなわち、平均値)である。
<測定及び官能評価>
表2が示すのは、試料1乃至6の測定値及び官能評価点である。ここで、測定値(糖度
を除く)及び評価点は、糖度7.4%相当の値である。グアニル酸、及びグルタミン酸の
実測値を、糖度7.4%相当の濃度に補正した。さらに、甘味及び旨味の官能評価にあた
り、各試料の糖度を調整して7.4%とした。いずれも濃度の高い試料に蒸留水を加えて
希釈した。
図5に示すのは、試料1乃至6の官能評価結果である。旨味は、伝熱距離の調整に伴っ
て異なった。伝熱距離が0.25乃至1.0センチメートルの試料は、旨味(点)が1.
4乃至2.8である。この評点範囲の官能評価は「感じる」より下である。伝熱距離が1
.3センチメートル以上の試料区分では、旨味(点)は3.8以上であり、官能評価は「
感じる」より上である。甘味の官能評価結果が示すのは、旨味と反対の傾向である。伝熱
距離が0.25乃至1センチメートルの試料は、甘味(点)が3.8乃至5.0である。
官能評価は「感じる」より上である。伝熱距離が1.3センチメートルを超えた試料では
、甘味(点)は1.2乃至2.4である。この場合、官能評価は「感じる」より下である
。つまり、旨味と甘味の官能評価は伝熱距離の変化に伴い、逆転する。これより、伝熱距
離を1.3センチメートル以上に調整することで、旨味が強化できる。このような官能評
価結果を裏付けるのは、特にグアニル酸の挙動である。図6に示すのは、グアニル酸濃度
の測定結果である。グアニル酸濃度は、伝熱距離が長いほど高い。グルタミン酸は特徴的
な挙動は確認されないが、いずれの試料においても183.8乃至248.1ppmの存
在が認められた。
以上の結果を纏めると、ニンジン汁の旨味が「感じる」以上であるのは、最短距離を1
.3センチメートル以上に調整してブランチすること、である。これにより、ニンジン汁
の旨味を強化し、高旨味ニンジン汁の安定供給が可能である。
本発明が有用な分野は、にんじんミックスジュース(日本農林規格)等のニンジン含有
飲料の製造及び販売である。
10 角切りニンジン
20 縦割りニンジン
30 円錐ニンジン
d11,d12,d13,d21,d31 伝熱距離

Claims (2)

  1. ニンジン汁の甘味低減方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程であり、
    強化:ここで強化されるのは、ニンジン汁のグアニル酸濃度である。
  2. 請求項1の方法であって、
    前記グアニル酸濃度の目標値は、2.5ppm以上である。
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