JP2018068151A - 水蒸気栽培用植物支持材 - Google Patents
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Abstract
【課題】植栽資材としても花卉や生鮮野菜類の輸送手段としても、安価で取り扱い易く底面潅水機能の点でも優れ、生け花、挿木に好適な水蒸気栽培用植物支持材を提供する。【解決手段】水蒸気漂流層11の上側にタフテッドパイル布帛12に成る植栽資材層13を積層し、包装資材14で包囲して水蒸気栽培用植物支持材を構成する。水蒸気漂流層には単繊維繊度が1〜30dtexの合成繊維ウェブと熱融着性低融点ポリマーに成り、嵩比重0.01g/cm3〜0.07g/cm3、空隙率93%〜99%の不織布を使用する。植栽資材層には吸湿性合成繊維に成る嵩比重0.08g/cm3〜0.14g/cm3のタフテッドパイル布帛を使用し、そのタフテッドパイル布帛12を包装資材14に装填して空隙率85%〜96%の植栽資材層とする。植物21は、植栽資材層の表面に現れて隣り合うタフテッドパイル布帛間の継ぎ目19に差し込んで支持する。【選択図】図1
Description
本発明は、播殖床、苗床、挿芽床、挿木床等の植栽床や剣山その他の花卉支持具、輸送生鮮野菜支持具等として植物を支えるために使用される植栽資材に関するものである。
植栽資材として、貯水層の上側に保温空隙層と土壌層を積層した植物栽培マット(例えば、特許文献1,2参照)、水流通層の上側に毛管上昇遮断空隙層と土壌層を積層した植物栽培装置(例えば、特許文献3参照)、不織布の上側に土壌を積層した底面潅水マット(例えば、特許文献4参照)、水流通層の上側に毛管現象遮断空隙層とタフテッドファブリック層を積層した植栽装置(例えば、特許文献5参照)が知られている。
上記特許文献1〜4に記載の植栽資材は、最上層の土壌層が重いので持ち運び難く、移動中に空隙層である下層の保温空隙層や毛管上昇遮断空隙層が押し潰されて貯水層や水流通層に崩れ落ち易く、移動中に振り動かされる輸送生鮮野菜支持具には不向きである。
又、土壌に代えてタフテッドファブリックを植栽床とする上記特許文献5に記載の植栽装置は軽く持ち運びに便利ではあるが、水流通層との間が毛管現象遮断空隙層で仕切られているので、水流通層の水分が植栽床に移行し難い点が問題として残る。
そこで本発明は、軽くて持ち運び易く植栽資材としても花卉や生鮮野菜類の輸送手段としても安価で取り扱い易く、底面潅水機能の点でも優れ、特に、剣山に代用し得て生け花や挿芽・挿木に好適な水蒸気栽培用植物支持材を提供することを目的とする。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材は、不織布によって構成された水蒸気漂流層11の上側にタフテッドパイル布帛12によって構成された植栽資材層13を積層して成る積層構造物の周囲を包装資材14で包囲して構成され、水蒸気漂流層11を構成している不織布が単繊維繊度1〜30dtexの合成繊維ウェブと熱融着性低融点ポリマーとによって構成され、合成繊維ウェブの隣り合う合成繊維25と合成繊維25の間が熱融着性低融点ポリマーによって接合されており、水蒸気漂流層11の嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 であり、水蒸気漂流層11の空隙率が93%〜99%であり、タフテッドパイル布帛12のパイル15が吸湿性合成繊維によって構成され、タフテッドパイル布帛の基布16が吸湿性合成繊維を含有し、タフテッドパイル布帛が基布16を垂直方向に向け基布16からの突出方向を水平方向に向けて水蒸気漂流層の上側に並べて積層されており、タフテッドパイル布帛の嵩比重が0.08g/cm3 〜0.14g/cm3 であり、植栽資材層13の内部の空隙率が85%〜96%であることを第1の特徴とする。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、タフテッドパイル布帛のパイル15を構成し基布16が含有する吸湿性合成繊維がレーヨン、ビニロン、アセテートおよびアクリル繊維の何れかであり、水蒸気漂流層11の合成繊維がポリエステル繊維とポリプロピレン繊維の何れかである点にある。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第3の特徴は、上記第1および第2の何れかの特徴に加えて、水蒸気漂流層11と植栽資材層13の間に肥料成分保持層17が積層されている点にある(図2)。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第4の特徴は、上記第1、第2および第3の何れかの特徴に加えて、水蒸気漂流層11の下層部が貯水性容器18で包まれている点にある(図1)。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第5の特徴は、上記第1、第2、第3および第4の何れかの特徴に加えて、包装資材14が防水材である点にある。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第6の特徴は、上記第1、第2、第3、第4および第5の何れかの特徴に加えて、包装資材14が、水蒸気漂流層11と植栽資材層13が内嵌する内装材34と、その内装材34が内嵌する外装材44とによる多重構造になっている点にある(図4)。
本発明に係る水蒸気栽培用植物支持材の第7の特徴は、上記第6の特徴に加えて、内装材34が、水蒸気漂流層11が内嵌する下部内装材51と、植栽資材層13が内嵌する上部内装材53に分割されている点にある(図5)。
本発明の植物支持体の下層の水蒸気漂流層11を水面に沈めると、水蒸気漂流層11は周囲が包装資材13で包囲されて密封された空間となる(図1)。
その水蒸気漂流層11は、隣り合う合成繊維と合成繊維の間が熱融着性低融点ポリマーによって接合された空隙率が93%〜99%であり嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 の不織布で構成されており、樹脂皮膜の気泡セル壁で空間が細かく仕切られたポリウレタンその他の樹脂発泡体とは異なり、水面から発生する水蒸気は水蒸気漂流層11の内部空間に漂い易くなっている。
同じ理由で、水蒸気漂流層の合成繊維25には短繊維ではなく長繊維を用いる。短繊維では繊維端末が障害物のように隙間26に突き出て水蒸気の漂流を妨げるからである。
その水蒸気漂流層11は、隣り合う合成繊維と合成繊維の間が熱融着性低融点ポリマーによって接合された空隙率が93%〜99%であり嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 の不織布で構成されており、樹脂皮膜の気泡セル壁で空間が細かく仕切られたポリウレタンその他の樹脂発泡体とは異なり、水面から発生する水蒸気は水蒸気漂流層11の内部空間に漂い易くなっている。
同じ理由で、水蒸気漂流層の合成繊維25には短繊維ではなく長繊維を用いる。短繊維では繊維端末が障害物のように隙間26に突き出て水蒸気の漂流を妨げるからである。
本発明の植物支持体の表面の植栽資材層13は、基布16を垂直方向に向けて並べられたタフテッドパイル布帛12によって構成され、植物支持体の表面は並べられて水平方向に重なり合って隣り合うタフテッドパイル布帛12とタフテッドパイル布帛12との間の垂直方向にも水平方向にも長く続く継ぎ目19・19・19………が水平方向に幾重にも現れる。その継ぎ目19は、隣り合うタフテッドパイル布帛12とタフテッドパイル布帛12とが接着されず単に触れ合って垂直方向にも水平方向にも続く臨界面であるから、植栽資材層13の下層の水蒸気漂流層11の内部の密封空間を漂う水蒸気は、その臨界面に沿って上昇し易く、植栽資材層13のパイル間の隙間に沿って上昇する過程で結露して植栽資材層13に吸収される。
そのため、その植物支持体の表面に沿って続く継ぎ目19・19………に沿って挿芽や挿木、花卉等を差し込めば、その挿芽や挿木、花卉等は、継ぎ目19・19………に沿って発根し、水蒸気漂流層11に向けて、パイル間の隙間を縫うように根20を降ろす(図3)。こうして植物21を増殖させ、輸送過程では鮮度を保持することが出来る。
植物支持体は、嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 の水蒸気漂流層11と嵩比重が0.08g/cm3 〜0.20g/cm3 の植栽資材層13とで構成され、水蒸気栽培用植物支持材全体の嵩比重は多く見積もっても0.20g/cm3 未満となり、直径7cm×丈10cmのコップ相当の植物支持体の質量は605×0.2≒121(g)と軽い。植栽資材層13は、弾性変形可能な不織布(11)とタフテッドパイル布帛12で構成されているので、植栽するとしても輸送するとしても数十個の植物支持体をトレーに装填して効率的に取り扱うことが出来る。
タフテッドパイル布帛12は、公定水分率11.0%のレーヨン、公定水分率5.0%のビニロン繊維、公定水分率3.0〜6.5%のアセテート、公定水分率1〜2%のアクリル繊維等の吸湿性合成繊維に成るので、水蒸気が結露して植栽資材層13に貯えられ、植物21へと供給し易い。
水蒸気漂流層11を公定水分率が0%のポリプロピレン繊維や0.4%のポリエステル繊維に成る不織布で構成すれば、水蒸気漂流層内を漂う水蒸気は相変化して結露水になることなく水蒸気漂流層内は水蒸気で充満して植栽資材層13に移行し易い。
水蒸気漂流層11を公定水分率が0%のポリプロピレン繊維や0.4%のポリエステル繊維に成る不織布で構成すれば、水蒸気漂流層内を漂う水蒸気は相変化して結露水になることなく水蒸気漂流層内は水蒸気で充満して植栽資材層13に移行し易い。
水蒸気漂流層11と植栽資材層13の間に植物質肥料成分保持層17が積層されていれば、植物質肥料成分保持層17に移行した水蒸気が植物質資料に触れ結露して液体肥料となるので、植栽過程や輸送過程での施肥管理が簡略化され楽になる。
水蒸気漂流層11の下層部が貯水性容器18で包まれていれば、植栽過程や輸送過程で水蒸気漂流層11が乾燥状態になる危険が回避され、潅水管理が簡略化され楽になる。
貯水性容器18の深さは、水蒸気漂流層全体が水22で満たされることがないように水蒸気漂流層11の深さよりも浅くし、或いは、水蒸気漂流層11の深さよりも浅い位置にオーバーフロー孔を設ける。そのようにオーバーフロー孔を設ける場合、貯水性容器18を包装資材14に兼用することが出来る。
包装資材14に防水材を使用すれば、水蒸気漂流層内の気密化が担保される。
貯水性容器18の深さは、水蒸気漂流層全体が水22で満たされることがないように水蒸気漂流層11の深さよりも浅くし、或いは、水蒸気漂流層11の深さよりも浅い位置にオーバーフロー孔を設ける。そのようにオーバーフロー孔を設ける場合、貯水性容器18を包装資材14に兼用することが出来る。
包装資材14に防水材を使用すれば、水蒸気漂流層内の気密化が担保される。
包装資材14を水蒸気漂流層11と植栽資材層13が内嵌する内装材34と、その内装材34が内嵌する外装材44とによる多重構造にすると、包装資材14が強度的に安定し、水蒸気漂流層11や植栽資材層13を包装資材14の空洞31・33に装填し易くなり、水蒸気栽培用植物支持材を効率的に組み立て経済的に提供することが可能となる。
特に、内装材34を、水蒸気漂流層11が内嵌する下部内装材51と、植栽資材層13が内嵌する上部内装材53に分割すると、外装材44の空洞30に上部内装材53と下部内装材51を上側からと下側からと別々に装填し、それらを空洞内30で位置合せをすることが出来、上部内装材53の上縁と植栽資材層13の上縁、および、下部内装材51の下縁と植栽資材層13の下縁を効率的に揃えることが可能となる。
本発明において、包装資材14を内装材34と外装材44とによる多重構造、或いは、包装資材14を内装材34と外装材44とによる二重構造と言う『多重』或いは『二重』とは、内装材34と外装材44を『上下多重』或いは『上下二重』にすることを意味せず、図4と図5に図示するように、内装材34と外装材44を『水平方向に多重』或いは『水平方向に二重』にすることを意味する。
そのように包装資材14を内装材34と外装材44とによる多重構造、或いは、包装資材14を内装材34と外装材44とによる二重構造にする場合、内装材34と外装材44の色彩を変えると、水蒸気栽培用植物支持材の上端縁がツウトーンカラーに縁取られて美しく仕上がる。
水蒸気栽培用植物支持材の上端を美しく仕上げる上では、水蒸気栽培用植物支持材の上端に現れるタフテッドパイル布帛12の上端縁27にオーバーロックを施し、或いは、タフテッドパイル布帛12の上端縁27をヒートカットして解れ止めを施しておくことが望ましい。
水蒸気栽培用植物支持材の上端を美しく仕上げる上では、水蒸気栽培用植物支持材の上端に現れるタフテッドパイル布帛12の上端縁27にオーバーロックを施し、或いは、タフテッドパイル布帛12の上端縁27をヒートカットして解れ止めを施しておくことが望ましい。
植栽資材層13は、タフテッドパイル布帛12を水平方向に巻き込んで構成してもよいし)図1)、水平方向に寄せ集めて構成してもよい(図2,図3)。
水蒸気栽培用植物支持材の上端を美しく仕上げる上では、タフテッドパイル布帛12の上端縁27と内装材34の上端をツウトーンカラーに彩ることが望ましい。
水蒸気栽培用植物支持材の上端を美しく仕上げる上では、タフテッドパイル布帛12の上端縁27と内装材34の上端をツウトーンカラーに彩ることが望ましい。
タフテッドパイル布帛12の嵩比重が0.08g/cm3 〜0.14g/cm3 であり、タフテッドパイル布帛12を構成している吸湿性合成繊維が例えば比重2.0のアクリル繊維であれば、植栽資材層13に占める吸湿性合成繊維の容積比率は4%〜7%となり、植栽資材層内部に占める空隙率は吸湿性合成繊維の容積比率を差し引いた93%〜96%となるべきである。
しかし本発明において、植栽資材層13の内部の空隙率を85%〜96%に規定している理由は、タフテッドパイル布帛が嵩高な物品であり、包装資材14に装填するときは、その装填の仕方で嵩が増減変化して、植栽資材層13の内部の空隙率が85%〜96%になることによる。
しかし本発明において、植栽資材層13の内部の空隙率を85%〜96%に規定している理由は、タフテッドパイル布帛が嵩高な物品であり、包装資材14に装填するときは、その装填の仕方で嵩が増減変化して、植栽資材層13の内部の空隙率が85%〜96%になることによる。
そのように嵩を縮め装填された植栽資材層13は、包装資材14の入り口に装填された栓となって水蒸気栽培用植物支持材を密封することになるから、その嵩の縮め具合によって水蒸気漂流層に漂う水蒸気の植栽資材層13への移行が抑えられ、又、植栽資材層13からの水蒸気の発散も抑えられる。
従って、植栽資材層13であるタフテッドパイル布帛12の包装資材14への装填の仕方によって植栽資材層13の貯水量や水蒸気漂流層11の水蒸気の漂流密度を調製することが出来、それらの貯水量や漂流密度を加減するために嵩比重の異なる種々のタフテッドパイル布帛12を用意する必要はなく、本発明を経済的に実施することが出来る。
従って、植栽資材層13であるタフテッドパイル布帛12の包装資材14への装填の仕方によって植栽資材層13の貯水量や水蒸気漂流層11の水蒸気の漂流密度を調製することが出来、それらの貯水量や漂流密度を加減するために嵩比重の異なる種々のタフテッドパイル布帛12を用意する必要はなく、本発明を経済的に実施することが出来る。
植栽資材層13の嵩比重を緻密にし、内部の空隙率を少なくするには、基布16を垂直方向に向けて水蒸気漂流層11の上側に並べて積層して水平方向に隣り合って重なるタフテッドパイル布帛12を紐で結束して包装資材14に装填する。
タフテッドパイル布帛12の並べ方は、タフテッドパイル布帛12を渦巻き状に巻き込んでもよいし(図1)、タフテッドパイル布帛12の裁断片を平行に並べたものでもよい(図2)。
タフテッドパイル布帛12の並べ方は、タフテッドパイル布帛12を渦巻き状に巻き込んでもよいし(図1)、タフテッドパイル布帛12の裁断片を平行に並べたものでもよい(図2)。
肥料成分保持層17には、枯れ葉や枯れ草、水苔等の繊維質植物、堆肥や腐葉土を主材とし、化成肥料や苦土石灰、油粕,骨粉、鶏糞、土等を配合して使用する。
包装資材14には可撓性に富むポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル等の軟質プラスチックフィルムを使用することが出来、それにはブロー成形された円筒形フィルムが好適に使用される。
そのようにプラスチックフィルムに成る包装資材は、水蒸気栽培用植物支持材が直方体であれば直方体に変形するし、水蒸気栽培用植物支持材が三角柱であれば三角柱に変形するので水蒸気栽培用植物支持材の装填前に円筒形を成すものである必要はなく、矩形のプラスチックフィルムを折り畳んで底辺と側縁を綴じ合せた袋状のものであってもよい。
又、植物支持材はコップその他の容器に装填して使用し得るので、包装資材14を必ずしも周囲が密封された円筒形にする必要はなく、矩形のプラスチックフィルムを折り畳んで重なり合う側縁と側縁を接着テープで部分的に綴じ合せたものであってもよい。
但し、円筒形包装資材14を使用する場合は、円筒形包装資材14の両端に装填される植栽資材層13と水蒸気漂流層11が栓となって水蒸気栽培用植物支持材を密封することになるから、その装填時の植栽資材層13や水蒸気漂流層11の嵩の縮め具合によって、水蒸気漂流層に漂う水蒸気の植栽資材層13への移行具合を調整し、又、植栽資材層13からの水蒸気の発散具合も調整し得るメリットもある。
そのようにプラスチックフィルムに成る包装資材は、水蒸気栽培用植物支持材が直方体であれば直方体に変形するし、水蒸気栽培用植物支持材が三角柱であれば三角柱に変形するので水蒸気栽培用植物支持材の装填前に円筒形を成すものである必要はなく、矩形のプラスチックフィルムを折り畳んで底辺と側縁を綴じ合せた袋状のものであってもよい。
又、植物支持材はコップその他の容器に装填して使用し得るので、包装資材14を必ずしも周囲が密封された円筒形にする必要はなく、矩形のプラスチックフィルムを折り畳んで重なり合う側縁と側縁を接着テープで部分的に綴じ合せたものであってもよい。
但し、円筒形包装資材14を使用する場合は、円筒形包装資材14の両端に装填される植栽資材層13と水蒸気漂流層11が栓となって水蒸気栽培用植物支持材を密封することになるから、その装填時の植栽資材層13や水蒸気漂流層11の嵩の縮め具合によって、水蒸気漂流層に漂う水蒸気の植栽資材層13への移行具合を調整し、又、植栽資材層13からの水蒸気の発散具合も調整し得るメリットもある。
要するに、包装資材14は、使用前の水蒸気栽培用植物支持材が植栽資材層13と水蒸気漂流層11に分離しないように繋ぎ止めるものであればよい。
しかし、包装資材14は、その外周が植栽資材層13や水蒸気漂流層11の外周よりも狭く、嵩を縮めて装填した植栽資材層13や水蒸気漂流層11が、その有する弾性回復力によって包装資材14の内面に密着する寸法(大きさ)にすることが望ましい。
しかし、包装資材14は、その外周が植栽資材層13や水蒸気漂流層11の外周よりも狭く、嵩を縮めて装填した植栽資材層13や水蒸気漂流層11が、その有する弾性回復力によって包装資材14の内面に密着する寸法(大きさ)にすることが望ましい。
包装資材14は、貯水性容器18に兼用し得るものであってもよい。
貯水性容器18を兼ねた包装資材14にガラス、アルミニウム、ステンレス、銅その他の金属やポリスチレン、硬質塩化ビニル、硬質ポリエチレン、硬質ポリエステル等の硬質資材を使用する場合は、それを矩形の水槽形にし、或いは、縦横何れか一方の寸法が他方の寸法の5倍以上となる細長い溝形にし、適宜内部を数区画に仕切った各区画に複数個の植物支持材を装填して使用することが出来る。
細長い溝形の貯水性容器18を兼ねた包装資材14を使用する場合は、その長さ方向に一直線状に続くように二枚のタフテッドパイル布帛12・12を向かい合せに並べて装填することも出来る。
貯水性容器18を兼ねた包装資材14にガラス、アルミニウム、ステンレス、銅その他の金属やポリスチレン、硬質塩化ビニル、硬質ポリエチレン、硬質ポリエステル等の硬質資材を使用する場合は、それを矩形の水槽形にし、或いは、縦横何れか一方の寸法が他方の寸法の5倍以上となる細長い溝形にし、適宜内部を数区画に仕切った各区画に複数個の植物支持材を装填して使用することが出来る。
細長い溝形の貯水性容器18を兼ねた包装資材14を使用する場合は、その長さ方向に一直線状に続くように二枚のタフテッドパイル布帛12・12を向かい合せに並べて装填することも出来る。
タフテッドパイル布帛12も不織布(11)もクッション性に優れた繊維性多孔質物質である。本発明では、その二つの繊維性多孔質物質を水蒸気漂流層11と植栽資材層13に使い分けている。
そのように使い分ける理由は、水蒸気漂流層11に適用している不織布の構造が単純で繊維25と繊維25に囲まれる繊維間の隙間26が大きく、その隙間26を通って水蒸気が自由に漂流し得る特徴があるが、植栽資材層13に適用しているタフテッドパイル布帛12には基布16があって水蒸気が表裏漂流し難く、そのパイルの繊維23と繊維23に囲まれる繊維間の隙間24が細かく、パイルに妨げられて水蒸気が自由に漂流しないと言う不織布とタフテッドパイル布帛との細部の構造と性状の差異による(図2)。
従って、水蒸気漂流層11の空隙率を水蒸気漂流層11の空隙率よりも多くすることが肝要である。
そのように使い分ける理由は、水蒸気漂流層11に適用している不織布の構造が単純で繊維25と繊維25に囲まれる繊維間の隙間26が大きく、その隙間26を通って水蒸気が自由に漂流し得る特徴があるが、植栽資材層13に適用しているタフテッドパイル布帛12には基布16があって水蒸気が表裏漂流し難く、そのパイルの繊維23と繊維23に囲まれる繊維間の隙間24が細かく、パイルに妨げられて水蒸気が自由に漂流しないと言う不織布とタフテッドパイル布帛との細部の構造と性状の差異による(図2)。
従って、水蒸気漂流層11の空隙率を水蒸気漂流層11の空隙率よりも多くすることが肝要である。
水蒸気漂流層11では繊維25と繊維25の間が熱融着性低融点ポリマーによって接合され、水蒸気漂流層11の内部構造が安定しており、水蒸気漂流層内での水蒸気の自由な漂流性は長期に亙って維持される(図2)。
植栽資材層13でも隣り合うパイル15とパイル15が基布16に植設されていて移動することなく、植栽資材層13の内部構造が安定に維持され、隣り合うパイル15とパイル15の隙間10を縫って水蒸気が漂流し、繊維23と繊維23の間の細かい隙間24からパイル15に吸収されて結露する(図2)。
植栽資材層13でも隣り合うパイル15とパイル15が基布16に植設されていて移動することなく、植栽資材層13の内部構造が安定に維持され、隣り合うパイル15とパイル15の隙間10を縫って水蒸気が漂流し、繊維23と繊維23の間の細かい隙間24からパイル15に吸収されて結露する(図2)。
包装資材14を、水蒸気漂流層11と植栽資材層13が内嵌する内装材34と、その内装材34が内嵌する外装材44との二重構造にする場合、外装材44にはプラスチックフィルムや薄手の布帛を使用し、内装材34には厚手の布帛を使用し、外装材44を内装材34よりも可撓にし、内装材34を外装材44に比して形状安定にすると、外装材44で内装材34を被覆し易くなるので好都合である。
内装材34には、厚手の布帛として、タフテッドパイル布帛やニードルパンチングフェルトを使用するとよい。
内装材34には、厚手の布帛として、タフテッドパイル布帛やニードルパンチングフェルトを使用するとよい。
内装材34を下部内装材51と上部内装材53に分割する場合、それらには水蒸気漂流層11と同質の嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 で空隙率が93%〜99%であり、繊維間が熱融着性低融点ポリマーによって接合された不織布を使用するとよい。
稲や水草には充分な水を必要とするが、露地栽培の野菜や花卉は、日照りのなかで萎れていても、陽が沈んで夜になると息を吹き返す。
その露地栽培の野菜や花卉が地下から湧き出る僅かな水蒸気を吸って生命を繋ぐように、植栽資材層13に差し込んだ野菜や花卉も、多量な水を必要とせず、水蒸気漂流層11から湧き出る水蒸気と酸素を共に吸収して健やかに育つところ、本発明の植物支持材が水蒸気栽培用植物支持材と評価される由縁である。
その露地栽培の野菜や花卉が地下から湧き出る僅かな水蒸気を吸って生命を繋ぐように、植栽資材層13に差し込んだ野菜や花卉も、多量な水を必要とせず、水蒸気漂流層11から湧き出る水蒸気と酸素を共に吸収して健やかに育つところ、本発明の植物支持材が水蒸気栽培用植物支持材と評価される由縁である。
本発明の水蒸気栽培用植物支持材は、播殖床、苗床、挿芽床、挿木床等の植栽床や、剣山その他の花卉支持具、輸送生鮮野菜その他の植物支持具として、農園や菜園、市場や店頭、車内や室内、温室や調理場で広く使用される。
10:隙間
11:水蒸気漂流層
12:タフテッドパイル布帛
13:植栽資材層
14:包装資材
15:パイル
16:基布
17:肥料成分保持層
18:貯水性容器
19:継ぎ目
20:根
21:植物
22:水
23:繊維
24:隙間
25:繊維
26:隙間
27:上端縁
30:空洞
31:空洞
33:空洞
34:内装材
44:外装材
51:下部内装材
53:上部内装材
11:水蒸気漂流層
12:タフテッドパイル布帛
13:植栽資材層
14:包装資材
15:パイル
16:基布
17:肥料成分保持層
18:貯水性容器
19:継ぎ目
20:根
21:植物
22:水
23:繊維
24:隙間
25:繊維
26:隙間
27:上端縁
30:空洞
31:空洞
33:空洞
34:内装材
44:外装材
51:下部内装材
53:上部内装材
Claims (7)
- (a) 不織布によって構成された水蒸気漂流層(11)の上側にタフテッドパイル布帛(12)によって構成された植栽資材層(13)を積層して成る積層構造物の周囲を包装資材(14)で包囲して構成され、
(b) 水蒸気漂流層(11)を構成している不織布が単繊維繊度1〜30dtexの合成繊維ウェブと熱融着性低融点ポリマーとによって構成され、
(c) 合成繊維ウェブの隣り合う合成繊維(25)と合成繊維(25)の間が熱融着性低融点ポリマーによって接合されており、
(d) 水蒸気漂流層(11)の嵩比重が0.01g/cm3 〜0.07g/cm3 であり、水蒸気漂流層(11)の空隙率が93%〜99%であり、
(e) タフテッドパイル布帛(12)のパイル(15)が吸湿性合成繊維によって構成され、タフテッドパイル布帛(12)の基布(16)が吸湿性合成繊維を含有し、
(f) タフテッドパイル布帛が基布(16)を垂直方向に向け基布(16)からの突出方向を水平方向に向けて水蒸気漂流層(11)の上側に並べて積層されており、
(g) タフテッドパイル布帛(12)の嵩比重が0.08g/cm3 〜0.14g/cm3 であり、植栽資材層(13)の内部の空隙率が85%〜96%であることを特徴とする水蒸気栽培用植物支持材。 - タフテッドパイル布帛(12)のパイル(15)を構成し基布(16)が含有する吸湿性合成繊維がレーヨン、ビニロン、アセテートおよびアクリル繊維の何れかであり、水蒸気漂流層(11)の合成繊維がポリエステル繊維とポリプロピレン繊維の何れかである請求項1に記載の水蒸気栽培用植物支持材。
- 水蒸気漂流層(11)と植栽資材層(13)の間に肥料成分保持層(17)が積層されている請求項1と2の何れかに記載の水蒸気栽培用植物支持材。
- 水蒸気漂流層(11)の下層部が貯水性容器(18)で包まれている請求項1と2と3の何れかに記載の水蒸気栽培用植物支持材。
- 包装資材(14)が防水材である請求項1と2と3と4の何れかに記載の水蒸気栽培用植物支持材。
- 包装資材(14)が、水蒸気漂流層(11)と植栽資材層(13)が内嵌する内装材(34)と、その内装材(34)が内嵌する外装材(44)とによる多重構造になっている請求項1と2と3と4と5の何れかに記載の水蒸気栽培用植物支持材。
- 内装材(34)が、水蒸気漂流層(11)が内嵌する下部内装材(51)と、植栽資材層(13)が内嵌する上部内装材(53)に分割されている請求項6に記載の水蒸気栽培用植物支持材。
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