JP2018066549A - 熱融通管理装置、熱融通管理プログラム、及び熱融通管理方法 - Google Patents

熱融通管理装置、熱融通管理プログラム、及び熱融通管理方法 Download PDF

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雅彦 村井
Masahiko Murai
雅彦 村井
正明 齋藤
Masaaki Saito
正明 齋藤
大竹 宏明
Hiroaki Otake
宏明 大竹
飯野 穣
Minoru Iino
穣 飯野
勉 藤川
Tsutomu Fujikawa
勉 藤川
保博 田口
Yasuhiro Taguchi
保博 田口
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Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
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Abstract

【課題】本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の熱源プラントが相互に熱融通して需要家へ熱供給する熱供給システムにおいて、いずれかあるいはいくつかの熱源プラント単独で供給熱量が不足する場合であっても、他の熱源プラントから熱融通を受けることができる熱供給システムの熱融通管理装置を提供することである。【解決手段】実施形態の熱融通管理装置は、インターフェース部と融通制御演算部を備える。インターフェース部は、複数の需要家に熱媒を供給する第1の熱源プラントと前記第1の熱源プラントと異なる第2の熱源プラントが生成する熱を相互に熱融通する熱融通設備、前記第1の熱源プラント、及び前記第2の熱源プラントと接続される。融通制御演算部は、熱融通設備の制御弁の制御弁操作量を算出する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、熱融通管理装置、熱融通管理プログラム、及び熱融通管理方法に
関する。
エネルギープラントで、冷水・温水・蒸気などの熱媒体をつくり、配管を通して一定地
域内の複数の建物に供給し、冷暖房・給湯を行うシステムである地域熱供給が注目されて
いる。個別の建物ごとの熱源設備が必要なくなるため、スペースを有効利用でき、また、
過大な需要見積もりによる過剰設備も必要なくなるため、省エネルギー効果が期待されて
いる。
熱媒体をつくる熱源プラントが複数ある場合、複数の熱源プラント全体で効率よく熱源
プラントを制御する方法が求められる。
特開2004−156806号公報
地域熱供給において、複数の熱源プラントが一定地域内の複数の建物に熱媒体を効率よ
く供給することが要求されており、この要求に対応できる装置が望まれている。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の熱源プラントが相互に熱融通して
需要家へ熱供給する熱供給システムにおいて、いずれかあるいはいくつかの熱源プラント
単独で供給熱量が不足する場合であっても、他の熱源プラントから熱融通を受けることが
できる熱供給システムの熱融通管理装置を提供することである。
上記課題を解決するために、実施形態の熱融通管理装置は、実施形態の熱融通管理装置
は、インターフェース部と融通制御演算部を備える。インターフェース部は、複数の需要
家に熱媒を供給する第1の熱源プラントと前記第1の熱源プラントと異なる第2の熱源プ
ラントが生成する熱を相互に熱融通する熱融通設備、前記第1の熱源プラント、及び前記
第2の熱源プラントと接続される。融通制御演算部は、熱融通設備の制御弁の制御弁操作
量を算出する。
本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の熱供給システムの全体構成の一例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の熱供給システムの全体構成の他の一例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の機能構成を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の融通制御演算の処理フローを示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の融通制御演算部の制御ブロックを示す図。 本発明の第1の実施形態に係る熱融通管理装置の融通精算演算の処理フローを示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の機能構成を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の運転計画作成の処理フローを示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の運転計画作成部により実行される処理の概念図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の表示部により表示される画面の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の運転計画を表示部により表示される画面の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の制約を考慮した運転計画を表示部により表示される画面の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の実際の制御結果を表示部により表示される画面の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る熱融通管理装置の運転計画と制御結果の差の一例を示すグラフ。
以下、図面を参照して発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1および図2は、本発明の実施形態に係る熱融通管理装置の熱供給システム1の全体
構成の一例を示す図である。図1に示すように、熱供給システム1は、熱源プラントA1
0aと需要家12a〜12cが、熱媒体の供給配管となる送り配管13aおよび戻り配管
14aで接続される。また、熱源プラントB10bと需要家12d〜12fが熱媒体の供
給配管である送り配管13bおよび戻り配管14bで接続される。
ここで、熱源プラントA10aと熱源プラントB10bを区別しない場合は熱源プラン
ト10といい、需要家12a〜12fを区別しない場合は需要家12という。また、送り
配管13aと13b、戻り配管14aと14bについても同様である。需要家12は、た
とえばたとえば、オフィスビルや、集合住宅、商用施設、スポーツ施設、病院、学校など
である。
熱源プラントA10aは、熱源設備11a、11bと、熱媒循環用のポンプ15a、1
5bと、を備える。熱源設備11a、11bの運転・停止に連動して、ポンプ15a、1
5bも運転・停止するように制御される。
また、熱源設備11a、11bからの供給熱は、循環する熱媒体によって送り配管13
aを経由して需要家12a〜12cへ供給され、また、戻り配管14aを経由して熱源設
備11a、11bへ戻る。熱源設備11a、11bは、戻り配管14aから戻る熱媒体の
温度によらず、熱媒体の出口温度が設定温度に一致するように容量制御され、常に一定の
温度で熱媒体を供給する。
熱供給システム1は、熱供給システムA2aと、熱供給システムB2bから構成される
。それぞれの熱供給システムは、末端の熱融通設備20により接続されている。熱融通設
備20は、熱交換器22、熱融通配管21a、21b、制御弁23a、23b、熱量計量
装置24を備える。
熱供給システムA2aの送り配管13aから戻り配管14aへ熱融通配管21aを流れ
る熱媒を制御弁23aによって制御する。また、熱供給システムB2bの送り配管13b
から戻り配管14bへ熱融通配管21bを流れる熱媒を制御弁23bによって制御するこ
とにより、熱供給システムA・B間の交換熱量を制御する。熱融通配管21aには、熱量
計量装置24aが設置されており、熱交換された融通熱量を計量する。ただし、熱量計量
装置24aは、熱融通配管21bに設置されていてもよい。
熱供給システムA2aおよび熱供給システムB2bには、熱媒体の供給温度を検出する
温度検出装置16a、16bが設置され、熱媒体の温度が設定温度から偏差を生じた場合
、熱融通設備20を制御することにより、温度偏差を解消する。
熱源プラントA10a、B10b、および、熱融通設備20を制御する熱融通管理装置
30は、それぞれ通信線4a、4b、4cで接続されており、熱源プラントA10a、B
10bから受信した信号を演算処理し、熱融通設備20を制御する。
図2の熱供給システム1が図1と異なる点は、熱融通設備20において、熱融通配管2
1a、21b、熱交換器22、制御弁23a、23b、熱量計量装置24aを、熱融通配
管21c、21d、制御弁23c、23d、熱量計量装置24bに変更した点であり、そ
の他の点は図1と同様であるため、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2の熱供給システム1は、図1の熱供給システム1において、熱交換器22の代わり
に、送り配管13a、13bおよび戻り配管14a、14bを、熱融通配管21c、21
dにより直接接続し、制御弁23c、23dによって制御した場合を示す。図1のシステ
ム構成は、図2のシステム構成をとっても良い。
図2に示す通り、熱交換器22の代わりに、熱融通配管21c、21dで直接熱媒体を
流通させ、流量は制御弁23c、23dにより制御することにより、熱融通が行われる。
融通される熱量は、熱量計量装置24bで計量される。
図3は、第1の実施形態に係る熱融通管理装置30を中心とした機能について説明する
ための図である。熱融通管理装置30は、インターフェース部31と、入力部32と、記
憶部33と、演算部34と、表示部35とを備える。
熱融通管理装置30のインターフェース部31は、熱源プラントA10a、熱源プラン
トB10b、熱融通設備20と、通信線4a、4b、4cで接続されている。インターフ
ェース部31は、熱源プラントA10aから通信線4aを介してプラント情報を取得する
。ここでのプラント情報とは、温度検出装置16aが計測する温度情報である。プラント
情報は、温度検出装置16aが計測する以外の温度(例えば送り配管13a、戻り配管1
4aのいずれかの温度)でもよく、これらの温度と関連・連動する情報、例えば、熱源設
備11a・11bの稼働状況又は出力、需要家12a〜12cでの熱負荷状況、ポンプ1
5a・15bの稼働状況又は出力、送り配管13aや戻り配管14aの流量等でも良い。
また、このインターフェース部31は、熱源プラントB10bからも同様に通信線4bを
介してプラント情報を取得する。温度検出装置16aは、熱源プラントA10aの出口付
近の送り配管13aの熱媒の温度を検出し、検出結果を熱融通管理装置30に計測データ
として送信する。
入力部32は、操作者の操作により入力される設定値や、運転または停止の設定を受け
付け、受け付けた操作に対応する信号を演算部34に出力する。入力される設定値とは、
例えば熱媒体の設定温度等である。入力部32は、専用キーやダイヤルスイッチ、マウス
、タッチパッド、キーボード等を含んでもよい。
記憶部33には、例えば、演算部34が機能するためのプログラムや、熱源プラント1
0から受信する信号や、入力部32から入力される設定値等が記憶されている。
演算部34は、例えば、熱融通管理装置30が備えるCPU(Central Pro
cessing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラム
、またはモデル式を実行することで機能するソフトウェア機能部である。演算部34は、
融通制御演算部36と、融通精算演算部37とを備える。
融通制御演算部36は、熱供給システムA2aと熱供給システムB2b間の熱融通を行
うため、熱融通設備20の制御弁操作量を算出する。また、融通精算演算部37は、熱供
給システムA2aと熱供給システムB2b間の熱融通による融通熱量や、精算金額を算出
する。なお、演算部34の機能の詳細については後述する。
表示部35は、演算部34で演算される結果や入力部32で入力される情報等を表示す
る。表示先は例えば、画面やディスプレイである。
(作用)
まず、熱融通制御演算処理について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る熱融通管理装置30が実行する熱融通制御演算の処理の
流れについて説明するためのフローチャートである。図5は、第1の実施形態に係る熱融
通管理装置30の演算部34の融通制御演算部36により実行される制御演算のブロック
図である。
本処理は、熱源プラント10および熱融通設備20が運転中にリアルタイムに行われる
処理である。演算部34は、熱融通設備20の制御弁23aおよび23b、または制御弁
23cおよび23dの開度信号を決定する。図4および図5を参照して、熱融通管理装置
30が実行する熱融通制御演算の処理について説明する。
まず、演算部34の融通制御演算部36は、インターフェース部31を介して熱源プラ
ントA10a、B10bの温度検出装置16a、16bで検出される熱媒体の温度の情報
である熱媒体温度データを取得する(ステップS100)。
次に演算部34の融通制御演算部36は、ステップS100で取得される熱媒体温度デ
ータと、記憶部33に記憶される、熱媒体の設定温度の情報である設定温度データとを用
いて、融通制御演算を実行する(ステップS101)。
具体的には、演算部34の融通制御演算部36は、図5の制御ブロック図に従い、熱融
通設備20の制御弁23の開度の操作量である制御弁操作量を算出する。ここで制御弁の
開度とは、制御弁をどのくらい開けるか、またはどのくらい閉めるのかを示す度合である
。制御弁を開ける場合、制御弁操作量は、正(プラス)になり、制御弁を閉める場合、制
御弁操作量は、負(マイナス)になる。
つまり、熱媒体の検出温度である熱媒体検出温度と熱媒体の設定温度である熱媒体設定
温度との偏差を不感帯に入力し、不感帯からの出力にPID演算を施すことにより制御弁
操作量を算出する。具体例は後述する。
最後に、演算部34の融通制御演算部36は、ステップS101で算出する制御弁操作
量を、インターフェース部31を介して熱融通設備20に出力する(ステップS102)
。熱融通設備20は、熱融通管理装置30から送信された制御弁操作量を受信し、この制
御弁操作量に追従するように、制御弁を制御する。
以上の処理をリアルタイムに一定周期で繰り返すことにより、熱供給システムAあるい
は熱供給システムBにおいて、熱媒体温度が設定温度から許容範囲を逸脱してしまう場合
に、熱融通設備20を介して接続する熱供給システムから熱融通を受ける。
たとえば、熱供給システムAにおいて、冷房需要が想定を超えて増加した場合や、熱源
プラントA10aが故障あるいは不調の場合、熱源プラントA10aは、熱需要を賄う十
分な熱量を供給できないため、送り配管13aでの冷水温度が、設定温度7℃を超え8℃
となる場合を想定する。
このとき、熱融通管理装置30の演算部34の融通制御演算部36は、図5の制御ブロ
ックに従い、設定温度を超えた冷水のため、正(プラス)の制御弁操作量が算出される。
正(プラス)の制御弁操作量から、熱融通設備20の制御弁23aおよび23bを開くこ
とにより、熱供給システムA2aからは8℃の冷水が熱融通設備20の熱融通配管21a
を流れる。
一方、熱供給システムB2bでは設定温度である7℃の冷水が熱融通配管21bを流れ
るため、熱交換器22において8℃の冷水と7℃の冷水の熱交換により、熱供給システム
A2aの戻り配管14aへの冷水温度が、8℃より低下し、熱融通が達成される。そして
、この冷水が循環することにより、徐々に熱供給システムAの冷水供給温度が低下してい
く。
また、熱供給システムA2aにおいて、需要が小さく、熱源プラントA10aの出力を
最低出力まで絞っても、需要を超えてしまう場合、送り配管13aの冷水温度は、設定温
度の7℃を下回り、6℃などとなるが、この場合、熱融通管理装置30の演算部34の融
通制御演算部36は、図5の制御ブロックに従って、設定温度を下回る冷水のため、正(
プラス)の制御弁操作量が算出され、熱融通設備20の制御弁23aおよび23bを開く
ことにより、熱供給システムA2aからは6℃の冷水が熱融通設備20の熱融通配管21
aを流れる。
一方、熱供給システムB2bでは設定温度である7℃の冷水が熱融通配管21bを流れ
るため、熱交換器22において6℃の冷水と7℃の冷水の熱交換により、熱供給システム
A2aの戻り配管14aへの冷水温度が、6℃より上昇し熱融通が達成される。そして、
この冷水が循環することにより、徐々に熱供給システムAの冷水供給温度が上昇していく
次に、熱融通清算演算処理について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る熱融通管理装置30が実行する熱融通精算演算の処理の
流れについて説明するためのフローチャートである。本処理は、1ヶ月に一度など、清算
のタイミングで一定期間に一度行われる処理である。図6を参照して、熱融通管理装置3
0が実行する熱融通精算演算の処理について説明する。
まず、演算部34の融通精算演算部37は、インターフェース部31を介して熱融通設
備20の熱量計量装置24で計量される融通熱量データを取得する(ステップS200)
次に演算部34の融通精算演算部37は、ステップS200で取得される融通熱量デー
タを記憶部33に記憶するとともに、このステップS200で取得される融通熱量データ
と、記憶部33に記憶される1計量周期前(1か月前など)の融通熱量データとの差分を
演算し、計量周期間の融通熱量を算出する。そして、記憶部33に記憶された熱源プラン
トの熱単価を乗じて精算金額を算出する(ステップS201)。
ここで、熱源プラント10の熱単価は、入力部32から入力したデータを用いてもよい
し、熱源プラント10の運転データを取得し、演算部34によって算出してもよい。この
場合、熱源プラント10の運転データは、計量周期間の製造熱量と、消費電力などの入力
エネルギー、および、入力エネルギーの単価である。また、熱源プラント10の熱単価は
、熱源プラントの入力エネルギーに入力エネルギー単価を乗じたものから、製造熱量を除
することにより算出することができる。
最後に、演算部34の融通精算演算部37は、ステップS201で算出した融通熱量お
よび、精算金額を熱源プラントごとに熱単価とともに表示部へ表示する(ステップS20
2)。
(効果)
本実施形態に係る熱融通管理装置により、複数の熱源プラントが相互に熱融通して需要
家へ熱供給する熱供給システムにおいて、いずれかあるいはいくつかの熱源プラント単独
で供給熱量が不足する場合であっても、他の熱源プラントから熱融通を受けることで、需
要家に対して安定に熱供給を行うことができる。
そうすることで、余分な熱源設備を保有する必要がないと同時に、熱供給システム毎に
予備力を確保すために余分な熱源設備を運転する必要がなく、省エネルギーとともにCO
2排出量を削減することができる。
また、いずれかあるいはいくつかの熱源プラント単独で供給熱量に余剰が出る場合であ
っても、他の熱源プラントに熱融通をすることで、需要家に対して安定に熱供給を行うこ
とができる。
また、熱融通精算演算により、融通熱量や熱融通に伴うエネルギー消費量を計量するこ
とにより、熱融通の精算処理を正確に容易に行うことができるので、熱融通による不公平
感がなくなり、熱融通導入に対する抵抗感を軽減することができる。
なお、本実施形態に係る図1及び図2の通信線4a〜4cは、例えばBACnet(登
録商標)の通信プロトコルを使用する。
また、本実施形態に係る図3の記憶部33は、熱融通管理装置30が備えてもよいし、
クラウド上にあってもよい。クラウド上にある場合、インターフェース部を介して情報の
やり取りを行う。
(第2の実施形態)
(構成)
図7は、第2の実施形態に係る熱融通管理装置30を中心とした機能について説明する
ための図である。図7の熱融通管理装置30の機能が図3と異なる点は、演算部34にお
いて、運転計画作成部38を追加した点であり、その他の点は図1と同様であるため、同
一の符号を付して詳細な説明は省略する。
運転計画作成部38は、熱融通を考慮し、各熱源プラント10における各熱源設備11
の運転計画を作成する。
また、記憶部33は、第1の実施形態で記憶するものに加え、熱源プラント10の熱需
要予測データと、熱源設備データ、および、熱融通設備データを記憶する。
(作用)
運転計画に基づく熱融通制御演算処理について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る熱融通管理装置30の演算部34によって実行される運
転計画に基づく熱融通制御演算の処理の流れについて説明するためのフローチャートであ
る。図8を参照して、熱融通管理装置30が実行する運転計画に基づく熱融通制御演算処
理について説明する。
まず、演算部34の運転計画作成部38は、熱供給システム1の熱源プラント10の運
転計画を作成する(ステップS300)。運転計画作成処理の詳細については後述する。
本処理は、熱源プラント10の運転中に30分から1日などの一定周期あるいは手動で実
行される処理であって、演算部34は、30分ごとあるいは1時間ごとなどの、熱源プラ
ント10における熱源設備11の発停および製造熱量と、熱融通設備20における融通熱
量を決定する。
次に、演算部34は、ステップS300で作成される熱源設備11の発停計画に基づき
、各熱源設備11に発停信号を出力する。本処理は、ステップS300で作成される熱源
プラント10の運転計画の時間幅ごと(30分ごとあるいは1時間ごとなど)に実行され
る(ステップS301)。
そして、演算部34は、作成される熱源プラント10の運転計画に従って運転される熱
源プラントに対して、ステップS302〜ステップS304の熱融通制御演算処理を実行
する。ステップS302〜ステップS304の処理は、第1の実施形態に係る熱融通管理
装置30における熱融通制御処理ステップS100〜S102の同様であり、リアルタイ
ムに一定周期で繰り返し処理される。
これにより、熱融通を考慮した熱供給システム1全体の最適な運転計画に基づいて、熱
源プラント10、および、熱融通設備20を制御し、熱供給温度が設定温度から許容範囲
を逸脱せずに、温度規定を順守して熱供給システムを運用する。
次に、運転計画作成処理について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る熱融通管理装置30の、演算部34によって実行される
運転計画作成処理の流れについて説明するためのフローチャートである。図9を参照して
、熱融通管理装置30が実行する運転計画作成処理について説明する。
まず、演算部34の運転計画作成部38は、記憶部33に記憶される、熱源プラント1
0の熱需要予測データ、熱源設備データ、および、熱融通設備データを取得または算出す
る(ステップS400)。ここで、熱源プラント10の熱需要予測データは、需要家12
の熱需要の予測データである。運転計画作成部38は、インターフェース部31を介して
、熱源プラント10の熱需要実績データを取得し、気温などの気象データとともに記憶部
33に記憶するとともに、これらを統計処理し、将来の気象予報データを用いて、算出す
る。
また、ステップS400で取得される熱源設備データは、例えば、熱源設備の設備容量
や、熱源設備の運転効率を表すCOPである。ステップS400で取得される熱融通設備
データは、例えば、熱交換器22の定格容量(交換熱量)である。
次に、演算部34の運転計画作成部38は、ステップS400で取得した熱需要予測デ
ータと、熱源設備データを用いて、熱融通の制約を考慮せずに、熱供給システム1全体で
最適な運転計画を作成するための最適化演算を実行する(ステップS401)。ステップ
S401における最適とは、運転コストの最小化や、CO2排出量の最小化、消費エネル
ギーの最小化などを指す。
そして、演算部34の運転計画作成部38は、ステップS401で実行した最適化演算
の結果の運転計画において、熱供給システム間の融通計画が、融通熱量制約を違反してい
ないかどうかをチェックする(ステップS402)。融通熱量制約とは例えば、融通熱量
が熱融通設備20で熱交換可能な熱量の範囲内であるか、という制約である。
得られた融通計画が融通熱量制約を違反している場合、融通熱量を制約上限値に決定し
、制約違反した熱融通設備によって分断した個別の熱供給システムごとに、再び運転計画
を作成するための最適化演算を実行する(ステップS401)。これらのステップを、制
約違反がなくなるまで繰り返す。
最後に、ステップS402において、融通熱量が制約違反とならない場合は、得られた
運転計画および融通計画を保存するとともに、結果を画面に表示する(ステップS404
)。
以上により、熱融通設備により融通できる熱量に制限がある場合でも、融通可能な熱量
を最大限利用した熱源プラント10の運転計画を作成する。
図10〜図13は、本実施例2の熱融通管理装置30による運転計画作成および運転計
画に基づく熱融通制御の例を説明する図である。図10を参照して熱融通管理装置30に
よる運転計画作成処理および運転計画に基づく熱融通制御について説明する。
図10の通り、熱供給システムは、熱源設備11a、11bからなる熱源プラントA1
0aと、熱源設備11c、11dからなる熱源プラントB10bから構成されている。熱
源設備11a、11b、11c、11dは定格容量がそれぞれ100kW、100kW、
100kW、100kWである。
エネルギー消費効率を表すCOPが、それぞれ5.0、4.0、3.0、2.0である
。また、熱源プラントA10aは需要家A12aへ、熱源プラントB10bは需要家B1
2dへ熱供給を行っており、それぞれの配管は融通熱容量50kWの熱融通設備20で接
続されている。
熱融通設備20を使わない場合、それぞれの需要家の熱需要に合わせて熱源プラントを
運用する。COPが高いほど優先順位を高くすると、熱需要が100kW以下の場合は、
その優先順位に従って、熱源設備11aおよび熱源設備11cにより熱供給を行うのが最
も省エネルギー効果が高い。また、熱需要が100kWを超えると、熱源設備11aかつ
熱源設備11b、および熱源設備11cかつ熱源設備11dにより熱供給を行うのが最も
省エネルギー効果が高い。
一方、熱融通設備20を使用して熱融通を行う場合は、需要家A12aと需要家B12
dの合計の熱需要が100kW以下の場合は、熱源設備11aを使用して熱供給を行える
可能性がある。合計の熱需要が100kWを超えて200kW以下の場合は、熱源設備1
1a、11bを使用して熱供給を行える可能性がある。
需要家A12aと需要家B12dの合計の熱需要が300kW以下の場合は、熱源設備
11a、11b、11cを使用して熱供給を行える可能性がある。合計の熱需要が400
kW以下までの場合は、熱源設備11a、11b、11c、11dを使用して熱供給を行
える可能性がある。その場合、熱融通を行わない場合より運用経済性および環境性が向上
する。
時刻Tにおける熱供給を考える。時刻Tの熱需要は需要家A12a、B12dともに1
25kWであり、合計250kWである。このデータを取得するステップが図9のステッ
プS400にあたる。
図11は、図10の時刻Tでの熱需要に対応した、熱融通管理装置の運転計画を表示部
により表示される画面の一例を示す図である。図11に示すように、時刻Tにおける熱源
プラントの運転は、需要合計250kWを熱源設備11a(100kW)+熱源設備11
b(100kW)+熱源設備11c(50kW)によって供給するのが最も省エネルギー
となる。この演算は図9のステップS401にあたる。
この場合、熱源プラントの構成を考慮すると融通熱量は75kWとなり、融通容量50
kWを超えているため、この通り運用することはできない。この制約の判断は、図9のス
テップS402のYESにあたる。
そこで、図12の通り、熱融通設備20で融通する熱量を50kWとし、この制約のも
とで、最も省エネルギーとなる熱供給システムそれぞれの運転計画を作成すると、熱源設
備11a(100kW)+熱源設備11b(75kW)+熱源設備11c(75kW)と
なる。この制約による融通熱量の決定は、図9のステップS401にあたる。以上で融通
熱量制約を違反した熱融通設備はなくなるため、運転計画が確定する。この流れが図9の
ステップS402のNOにあたる。
以上で作成した運転計画に基づき、熱融通制御を行うと、熱源設備の発停指示により、
運転される熱源設備は計画と一致するが、出力は温度条件などの制約により、計画通りに
制御されるとは限らない。図13は図12で作成した運転計画に基づいて熱融通制御を行
った結果を示す図である。熱源設備11aおよび熱源設備11bは、供給温度が同一の場
合、通常等負荷配分されるため、それぞれ87.5kWごとの出力となり、熱源設備11
cは出力75kWとなる。
図14は、熱供給システムそれぞれの1日の需要に対する運転計画及び制御結果を示す
図である。図14を表示することは、図9のステップS404にあたる。図14(a)は
、熱融通管理装置30が算出する各熱源設備がつくる熱量と融通熱量の計画のグラフであ
る。図14(b)は、熱融通管理装置30が制御する各熱源設備の熱量と融通熱量の結果
のグラフである。なお、横軸が時刻、縦軸が熱量[kW]である。
図14(a)(b)で異なる点は、例えば時刻0時、7時〜11時、18時以降である
。異なる理由は、例えば熱源設備の出力が低すぎて効率が悪くなることを防ぐためである
。または、運転計画値ギリギリの出力しかできない場合、予備力を持たせるためである。
例えば、需要が100kWある場合に運転計画では熱源設備11aで100kW出力する
よう計画されていると、熱源設備11aの定格容量は100kWのため、需要が少しでも
100kWを上回ると熱が不足してしまう。そのため、実際は、熱源設備11aで50k
W、熱源設備11bで50kWの出力で制御を行う。これらの制御はローカルで行われる
図14(a)(b)から、制御結果は運転計画とは異なるものの、熱融通を考慮した制
御が行われ、システム全体で省エネルギー性が向上する。また、熱供給温度が設定温度か
ら許容範囲を逸脱させずに熱供給を行う。
(効果)
本実施形態の熱融通管理装置によれば、熱融通設備を介して接続された熱供給システム
の熱融通制御を、省エネルギー性を考慮した熱源プラントの運転計画に基づいて行うこと
により、より効率の良い設備から優先して運用することが可能となり、省エネルギーとと
もにCO2排出量を削減することができる。また、運転計画とともに制御結果を表示する
ことにより、熱融通の効果を目視により確認することができ、運転員のオペレーションを
容易にする効果がある。
また、本実施形態の熱融通管理装置によれば、熱融通設備により融通できる熱量に制限
がある場合でも、融通可能な熱量を最大限利用した熱源プラントの運転計画が作成可能で
ある。
また、本実施形態の熱融通管理装置によれば、制御結果が運転計画とは異なるとしても
、熱融通を考慮した制御が行われ、システム全体で省エネルギー性を向上させることがで
きる。また、熱供給温度が設定温度から許容範囲を逸脱させずに熱供給を行うことができ
る。
なお、本実施形態の熱融通管理装置の運転計画作成部38が作成する運転計画は、各熱
源設備のCOPを指標とし、熱源設備の運転計画を作成しているが、指標はCOPに限ら
なくてもよい。例えば、コストを指標にすることもでき、COPをもとに作成される運転
計画、及びコストをもとに作成される運転計画をそれぞれ表示することができる。つまり
、異なる指標を基に算出される運転計画を比較することができる。
また、複数の指標を基に運転計画を作成することもできる。複数の指標を基に運転計画
を作成する場合、ユーザに合わせ各指標に重み付けを行うことで、ユーザに合わせた指標
で運転計画を作成することができる。 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これ
らの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図してい
ない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発
明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら
実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載さ
れた発明とその均等の範囲に含まれる。また、本発明の方法、システム、コンピュータプ
ログラム、記録媒体なども、同様の構成を有する。
また上記プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例え
ば上記コンピュータに上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プ
ログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒
体は特に限定されないが、例えばCD−ROM等の記録媒体であっても良い。
1 熱供給システム
2a 熱供給システムA
2b 熱供給システムB
4a〜4c 通信線
10a 熱源プラントA
10b 熱源プラントB
11a〜11d 熱源設備
12a〜12f 需要家
13a、13b 送り配管
14a、14b 戻り配管
15a〜15d ポンプ
16a、16b 温度検出装置
20 熱融通設備
21a、21b 熱融通配管
22 熱交換器
23a〜23d 制御弁
24a、24b 熱量計量装置
30 熱融通管理装置
31 インターフェース部
32 入力部
33 記憶部
34 演算部
35 表示部
36 融通制御演算部
37 融通精算演算部
38 運転計画作成部

Claims (13)

  1. 需要家に熱媒を供給する第1の熱源プラントと、前記第1の熱源プラントと異なる需要
    家に熱媒を供給する第2の熱源プラントとを、熱融通する熱融通設備を管理する熱融通管
    理装置において、
    前記第1の熱源プラント、及び前記第2の熱源プラントのプラント情報を取得するイン
    ターフェース部と、
    前記インターフェース部が取得するプラント情報に基づいて前記熱融通設備による熱融
    通量を算出する融通制御演算部と、
    を備える熱融通管理装置。
  2. 前記インターフェース部が取得するプラント情報は、少なくとも前記第1の熱源プラン
    トまたは前記第2の熱源プラントが需要家に供給する熱媒体の供給温度を含む
    請求項1に記載の熱融通管理装置。
  3. 前記熱融通設備の融通する熱量である融通熱量を計量する熱量計量装置
    を備える請求項1かまたは2に記載の熱融通管理装置。
  4. 前記熱量計量装置の計量する融通熱量に基づき、精算金額を算出する融通精算演算部
    を備える請求項3に記載の熱融通管理装置。
  5. 前記融通制御演算部は、前記第1の熱源プラントの供給温度が所定の温度範囲から偏差
    を生じる場合、前記第2の熱源プラントから熱供給を受けるよう、または前記第2の熱源
    プラントに熱供給をするよう、前記熱融通設備の制御弁操作量を算出する
    請求項1から4のいずれか一つに記載の熱融通管理装置。
  6. 前記熱融通設備は、前記第1の熱源プラント及び前記第2の熱源プラントの末端で熱交
    換器を介して接続され、前記熱交換器の温度偏差が小さくなるように、前記第2の熱源プ
    ラントにおける熱搬送ポンプの出力、あるいは、前記第1の熱源プラントにおける熱搬送
    ポンプの出力を制御する
    請求項1から5のいずれか一つに記載の熱融通管理装置。
  7. 前記熱融通設備は、複数の熱源プラントの送り配管と戻り配管をそれぞれ熱融通配管で
    接続し、温度偏差が小さくなるように、前記熱融通配管に備えられた流量制御弁の開度を
    制御し、前記流量制御弁の前後の差圧が決められた値になるように、前記第2の熱源プラ
    ントにおける熱搬送ポンプ、あるいは、前記第1の熱源プラントにおける熱搬送ポンプを
    制御する
    請求項1から5のいずれか一つに記載の熱融通管理装置。
  8. 需要家の将来の熱需要である熱需要予測値に基づき、熱融通を考慮した、前記第1の熱
    源プラント及び前記第2の熱源プラントの運転計画を作成する運転計画作成部
    を備える請求項1から7のいずれか一つに記載の熱融通管理装置。
  9. 前記運転計画作成部は、前記熱融通設備に融通可能な熱量に制限がある場合、熱融通を
    考慮した、前記第1の熱源プラント及び前記第2の熱源プラントの運転計画を作成する運
    転計画作成部
    を備える請求項8に記載の熱融通管理装置。
  10. 前記運転計画作成部によって作成される、前記第1の熱源プラント及び前記第2の熱源
    プラントの運転計画を表示する表示部
    を備える請求項8または9に記載の熱融通管理装置。
  11. 前記インターフェース部は、前記運転計画作成部によって作成される前記第1の熱源プ
    ラント及び前記第2の熱源プラントの運転計画に基づいて前記第1の熱源プラント及び前
    記第2の熱源プラントの発停を行う
    請求項8から10のいずれか一つに記載の熱融通管理装置。
  12. 需要家に熱媒を供給する第1の熱源プラントと、前記第1の熱源プラントと異なる需要
    家に熱媒を供給する第2の熱源プラントとを、熱融通する熱融通設備を管理する熱融通管
    理装置を、
    前記第1の熱源プラント、及び前記第2の熱源プラントのプラント情報を取得するイン
    ターフェース手段と、
    取得する前記プラント情報に基づいて前記熱融通設備による熱融通量を算出する融通制
    御演算手段と、
    して機能させるための熱融通管理プログラム。
  13. 需要家に熱媒を供給する第1の熱源プラントと、前記第1の熱源プラントと異なる需要
    家に熱媒を供給する第2の熱源プラントとを、熱融通する熱融通設備を管理する熱融通管
    理装置を用いて、
    前記第1の熱源プラント、及び前記第2の熱源プラントのプラント情報を取得するステ
    ップと、
    取得する前記プラント情報に基づいて前記熱融通設備による熱融通量を算出するステッ
    プと、
    を実行する熱融通管理方法。
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