JP2018066053A - 蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、及び有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、及び有機elディスプレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精細な蒸着パターンが形成可能となる蒸着マスク、蒸着マスク準備体、蒸着マスクの製造方法の提供。【解決手段】蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20と、金属マスク開口部15を有する金属マスク10とが、樹脂マスク開口部25と金属マスク開口部15とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスク100であって、樹脂マスク20は、樹脂材料を含有しており、金属マスク10は、金属材料を含有しており、樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスク20の線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスク10の線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7〜1.3の範囲内である蒸着マスク100。【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、及び有機ELディスプレイの製造方法に関する。
蒸着マスクを用いた蒸着パターンの形成は、通常、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた蒸着マスクと蒸着対象物とを密着させ、蒸着源から放出された蒸着材を、開口部を通して、蒸着対象物に付着させることにより行われる。
上記蒸着パターンの形成に用いられる蒸着マスクとしては、例えば、蒸着作成するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部(スリットと称される場合もある)を有する金属マスクとを積層してなる蒸着マスク(例えば、特許文献1)等が知られている。
特許第5288072号公報
本開示の実施形態は、樹脂マスクと金属マスクとが積層されてなる蒸着マスクや、この蒸着マスクがフレームに固定されてなるフレーム付き蒸着マスクにおいて、さらなる高精細な蒸着パターンの形成が可能となる蒸着マスクや、フレーム付き蒸着マスクを提供すること、また、この蒸着マスクを製造するための蒸着マスク準備体や、蒸着マスクの製造方法を提供すること、また、有機半導体素子を精度よく製造することができる有機半導体素子の製造方法や、有機ELディスプレイを精度よく製造することができる有機ELディスプレイの製造方法を提供することを主たる課題とする。
本開示の一実施形態の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクは、樹脂材料を含有しており、前記金属マスクは、金属材料を含有しており、前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内である。
また、前記樹脂材料が、熱硬化性樹脂の硬化物であってもよい。
また、前記金属材料が、鉄合金であってもよい。
また、本開示の一実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、フレームに蒸着マスクが固定されてなり、上記の蒸着マスクが用いられる。
また、本開示の一実施形態の蒸着マスク準備体は、蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体であって、樹脂板上に、金属マスク開口部を有する金属マスクが積層されてなり、前記樹脂板は、樹脂材料を含有しており、前記金属マスクは、金属材料を含有しており、前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂板の線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内である。
また、上記の蒸着マスク準備体において、前記樹脂材料が、熱硬化性樹脂の硬化物であってもよい。
また、上記の蒸着マスク準備体において、前記金属材料が、鉄合金であってもよい。
また、本開示の一実施形態の蒸着マスクの製造方法は、蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、金属材料を含む金属板上に、樹脂材料を含む樹脂板を設ける工程と、前記金属板に、金属マスク開口部を形成する工程と、前記樹脂板に、樹脂マスク開口部を形成する工程と、を含み、前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内となるように、前記樹脂材料を含む樹脂板、及び前記金属材料を含有する金属板を用いる。
また、上記の蒸着マスクの製造方法において、樹脂板として、熱硬化性樹脂の硬化物を含む樹脂板を用いてもよい。
また、本開示の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する蒸着パターン形成工程を含み、前記蒸着パターン形成工程で用いられる前記蒸着マスクが、上記の蒸着マスク、又は上記のフレーム付き蒸着マスクである。
また、本開示の一実施形態の有機ELディスプレイの製造方法は、上記の製造方法により製造された有機半導体素子が用いられる。
本開示の蒸着マスクや、フレーム付き蒸着マスクによれば、高精細な蒸着パターンを形成することができる。また、本開示の蒸着マスク準備体や、蒸着マスクの製造方法によれば、高精細な蒸着パターンを形成することができる蒸着マスクを製造することができる。また、本開示の有機半導体素子の製造方法によれば、有機半導体素子を精度よく製造することができる。また、本開示の有機ELディスプレイの製造方法によれば、有機ELディスプレイを精度よく製造することができる。
(a)は、本開示の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図であり、(b)は、(a)の概略断面図である。 樹脂マスク、及び金属マスクの線膨張曲線の一例である。 樹脂マスク、及び金属マスクの線膨張曲線の一例である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 (a)、(b)はともに実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 実施形態(B)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 実施形態(B)の蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図である。 フレーム付き蒸着マスクの一例を示す正面図である。 フレーム付き蒸着マスクの一例を示す正面図である。 (a)〜(c)はフレームの一例を示す正面図である。 本開示の蒸着マスク準備体の一例を示す概略断面図である。 本開示の蒸着マスクの製造方法の一例を示す工程図である。 有機ELディスプレイを有するデバイスの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方等という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。左右方向についても同様である。
<<蒸着マスク>>
図1(a)、(b)に示すように、本開示の実施の形態に係る蒸着マスク100は、蒸着作製するパターンに対応する複数の樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20と、金属マスク開口部15を有する金属マスク10とが、樹脂マスク開口部25と金属マスク開口部15とが重なるようにして積層されてなる構成を呈している。また、樹脂マスク20は、樹脂材料を含有しており、金属マスク10は、金属材料を含有している。なお、図1(a)は、本開示の実施の形態に係る蒸着マスク100を金属マスク側から平面視したときの一例を示す正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A概略断面図である。
そして、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、樹脂マスク20に含まれる樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内に規定されている。
図2は、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする樹脂マスク、及び金属マスクの線膨張曲線の関係図である。図2に示す線膨張曲線の関係図では、図中の曲線A、及び曲線Bの何れか一方を、樹脂マスクの線膨張曲線、他方を金属マスクの線膨張曲線としている。線膨張曲線は、図示する線膨張曲線の形態に限定されるものではない。例えば、図示する曲線Aと、曲線Bとは、25℃から上限温度の範囲内において交わっているが、25℃から上限温度の範囲内において曲線Aと曲線Bとが交わらない場合もある(図3参照)。また、上限温度を超える温度、或いは25℃未満の温度において、曲線Aと曲線Bが交わる場合もある(図示しない)。
図2に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Aを、樹脂マスクの線膨張曲線とした場合、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値は、図中の符号「A」で示される領域(A領域)と「C」で示される領域(C領域)の面積の合計となる。また、図2に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Bを、金属マスクの線膨張曲線とした場合、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値は、図中の符号「B」で示される領域(B領域)と「C」で示される領域(C領域)の合計の面積となる。したがって、図2に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Aを、樹脂マスクの線膨張曲線とし、曲線Bを、金属マスクの線膨張曲線とする場合には、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、下式(1)の関係を満たす。
0.7<(A領域とC領域との合計面積)/(B領域とC領域との合計面積)<1.3・・・式(1)
他方、図2に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Bを、樹脂マスクの線膨張曲線とし、曲線Aを、金属マスクの線膨張曲線とする場合には、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、下式(2)の関係を満たす。
0.7<(B領域とC領域との合計面積))/(A領域とC領域との合計面積)<1.3・・・式(2)
また、図3に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Aを、樹脂マスクの線膨張曲線とし、曲線Bを、金属マスクの線膨張曲線とした場合、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値は、図中の符号「A」で示される領域(A領域)と「B」で示される領域(B領域)の合計の面積となり、金属マスクの線膨張曲線の積分値は、図中の符号「B」で示される領域(B領域)の面積となる。したがって、図3に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Aを、樹脂マスクの線膨張曲線とし、曲線Bを、金属マスクの線膨張曲線とする場合には、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、下式(3)の関係を満たす。
0.7<((A領域とB領域との合計面積)/B領域の面積)<1.3・・・式(3)
他方、図3に示す線膨張曲線の関係図において、曲線Bを、樹脂マスクの線膨張曲線とし、曲線Aを、金属マスクの線膨張曲線とする場合には、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、下式(4)の関係を満たす。
0.7<(B領域の面積/(A領域とB領域との合計面積))<1.3・・・式(4)
(線膨張曲線の作成方法)
対象となる蒸着マスクを、樹脂マスクと、金属マスクとに分離し、それぞれのマスクを、幅5mm、長さ15mmにカットしたサンプル(樹脂マスクサンプル、金属マスクサンプル)を準備する。カットする領域は、樹脂マスクにおいては、樹脂マスク開口部を有しない領域、金属マスクにおいては、金属マスク開口部を有しない領域とする。
上記でカットした樹脂マスクサンプル、及び金属マスクサンプルのそれぞれについて、JIS K 7197:1991に準拠する線膨張率試験方法に基づき、25℃を基準とするCTE曲線(線膨張曲線)を作成する。
これにより、25℃から所定の温度までのCTE曲線を得る。
使用装置としては、TMA(EXSTAR6000 セイコーインスツルメンツ)を使用する。
CTE曲線の縦軸は、線膨張の割合であり、ΔL/L×100により算出される値である(ΔL:任意の温度におけるサンプル長から25℃におけるサンプル長を減算した値、L:25℃におけるサンプル長)。つまり、25℃における線膨張の割合(%)を「0」としている。
(積分値の算出)
次いで、樹脂マスクサンプル、及び金属マスクサンプルのそれぞれについて、25℃から上限温度までの領域におけるCTE曲線の積分値を算出し、樹脂マスクサンプルにおけるCTE曲線の積分値を、金属マスクサンプルにおけるCTE曲線の積分値で除することで比率を求める。本開示の実施の形態に係る蒸着マスクは、この方法で求められる比率が、0.7以上1.3以下の範囲内であることを条件している。
本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、JIS K7121:2012に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味する。
また、樹脂マスク20は、樹脂材料の1種を単独で含むものであってもよく、2種以上の樹脂材料を含むものであってもよい。樹脂マスク20が、2種以上の樹脂材料を含む場合において、上記上限温度を規定するための樹脂材料のガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)により検出された樹脂材料のガラス転移温度(Tg)うち、そのガラス転移温度(Tg)が最も高いものとする。
温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値を、0.7以上1.3以下の範囲に規定した本開示の実施の形態に係る蒸着マスクによれば、樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動が生ずることを抑制することができる。したがって、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクによれば、この蒸着マスクを用いて高精細な蒸着パターンを形成することができる。
温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値を、0.7以上1.3以下の範囲に規定することで、樹脂マスク20と、金属マスク10との収縮量の差を小さくすることができ、これにより、樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動が生ずることを抑制することができる。
例えば、熱により硬化する樹脂材料を含む塗工液を塗布し、この塗工液を樹脂材料の硬化温度を超える温度で加熱して樹脂板(樹脂層)を形成し、この樹脂板(樹脂層)に樹脂マスク開口部25を形成して樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20を得る場合には、得られる樹脂マスクにおける温度25℃から上限温度の範囲における線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲となるような樹脂材料を選択することで、硬化温度を超える温度から、常温近傍まで降温させる際の、樹脂マスクの収縮量を、金属マスクの収縮量に近づけることができる。また、樹脂マスクの収縮量と、金属マスクの収縮量の差を小さくすることで、樹脂マスク20、及び金属マスク10の内部応力の差を小さくすることができる。これにより、樹脂マスク20の樹脂マスク開口部25に生じ得る寸法変動や、位置変動が生ずることを抑制することができる。
なお、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7未満である場合には、樹脂マスク20に弛みが生じ、換言すれば、樹脂マスク20にシワが生じ、これら弛みやシワの発生に起因して、樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動等が生じやすくなる。一方で、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、1.3を超える場合には、樹脂マスク20にテンションがかかりすぎてしまい、換言すれば、蒸着マスクが引っ張られてしまい、この場合にも、樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動等が生じやすくなる。樹脂マスクに生じ得る弛みや、シワ、及び樹脂マスクにかかる高いテンションは、蒸着マスクを用いた種々の状況において生じ得、例えば、蒸着マスクを用いた蒸着パターンの形成時等に、樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動が生じ得る。
また、樹脂マスクの線膨張曲線の積分値や、金属マスクの線膨張曲線の積分値を算出するにあたり、温度範囲を25℃から上限温度(樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度)としているのは、例えば、25℃から樹脂材料のガラス転移温度(Tg)までの範囲における樹脂マスクの積分値を、25℃から樹脂材料のガラス転移温度(Tg)までの範囲における金属マスクの積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲を満たす場合であっても、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲を満たさなければ、樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動等が生じること、また、樹脂マスクにシワが生じることを十分に抑制することができないことによる。
また、シワの発生、樹脂マスク開口部25の寸法変動や、位置変動のさらなる抑制を目的とする場合には、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値は、0.8以上1.2以下の範囲とすることが好ましい。
樹脂マスクに含まれる樹脂材料や、金属マスクに含まれる金属材料について特に限定はなく、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が0.7以上1.3以下の範囲となるように適宜選択することができる。金属材料の一例としては、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。金属マスクは、金属材料の1種を単独で含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
中でも、鉄合金は熱による変形が少ない点で、金属マスクに含まれる金属材料として好ましく用いることができる。鉄合金としては、例えば、Fe−36Ni合金(インバー材)、Fe−32Ni−5Co合金、Fe−29Ni−17Co合金等を挙げることができる。したがって、樹脂マスクに含まれる樹脂材料を選定するにあたっては、金属マスクに含まれる金属材料として好適な鉄合金との関係において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が0.7以上1.3以下の範囲となるように、樹脂マスクに含まれる樹脂材料を選択すればよい。
樹脂マスクに含まれる樹脂材料は、金属マスクとの関係において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が0.7以上1.3以下の範囲を満たすように決定すればよく、具体的な樹脂材料について特に限定はない。一例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。なお、樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂の硬化物であってもよい。
次に、上記本開示の実施の形態に係る蒸着マスクを構成する樹脂マスク20、及び金属マスク10について一例を挙げて説明する。
<樹脂マスク>
図1(a)に示すように、樹脂マスク20には、複数の樹脂マスク開口部25が設けられている。図示する形態では、樹脂マスク開口部25の開口形状は、矩形状を呈しているが、樹脂マスク開口部25の開口形状について特に限定はなく、蒸着作製するパターンに対応する形状であれば、いかなる形状であってもよい。例えば、樹脂マスク開口部25の開口形状は、ひし形、多角形状であってもよく、円や、楕円等の曲率を有する形状であってもよい。なお、矩形や、多角形状の開口形状は、円や楕円等の曲率を有する開口形状と比較して発光面積を大きくとれる点で、好ましい樹脂マスク開口部25の開口形状であるといえる。
樹脂マスク20の厚みについて特に限定はないが、シャドウの発生の抑制効果をさらに向上せしめる場合には、樹脂マスク20の厚みは、25μm以下であることが好ましく、10μm未満であることがより好ましい。下限値の好ましい範囲について特に限定はないが、樹脂マスク20の厚みが3μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。特に、樹脂マスク20の厚みを、3μm以上10μm未満、より好ましくは4μm以上8μm以下とすることで、400ppiを超える高精細パターンを形成する際のシャドウの影響をより効果的に防止することができる。また、樹脂マスク20と後述する金属マスク10とは、直接的に接合されていてもよく、粘着剤層を介して接合されていてもよいが、粘着剤層を介して樹脂マスク20と金属マスク10とが接合される場合には、樹脂マスク20と粘着剤層との合計の厚みが上記好ましい厚みの範囲内であることが好ましい。なお、シャドウとは、蒸着源から放出された蒸着材の一部が、金属マスクの金属マスク開口部や、樹脂マスクの樹脂マスク開口部の内壁面に衝突して蒸着対象物へ到達しないことにより、目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる未蒸着部分が生ずる現象のことをいう。
樹脂マスク開口部25の断面形状についても特に限定はなく、樹脂マスク開口部25を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図1(b)に示すように、樹脂マスク開口部25はその断面形状が、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク10側に向かって広がりをもつ勾配を有していることが好ましい。勾配については、樹脂マスク20の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスクの樹脂マスク開口部における下底先端と、同じく樹脂マスクの樹脂マスク開口部における上底先端とを結んだ直線と、樹脂マスクの底面とのなす角、換言すれば、樹脂マスク20の樹脂マスク開口部25を構成する内壁面の厚み方向断面において、樹脂マスク開口部25の内壁面と樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面(図示する形態では、樹脂マスクの上面)とのなす角度は、5°以上85°以下の範囲内であることが好ましく、15°以上75°以下の範囲内であることがより好ましく、25°以上65°以下の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。また、図示する形態では、樹脂マスク開口部25を形成する端面は直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり樹脂マスク開口部25の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
<金属マスク>
図1(b)に示すように、樹脂マスク20の一方の面上には、金属マスク10が積層されている。金属マスク10は、金属から構成され、図1(b)に示すように、縦方向或いは横方向に延びる金属マスク開口部15が配置されている。金属マスク開口部15の配置例について特に限定はなく、縦方向、及び横方向に延びる金属マスク開口部15が、縦方向、及び横方向に複数列配置されていてもよく、縦方向に延びる金属マスク開口部15が、横方向に複数列配置されていてもよく、横方向に延びる金属マスク開口部が縦方向に複数列配置されていてもよい。また、縦方向、或いは横方向に1列のみ配置されていてもよい。また、複数の金属マスク開口部15は、ランダムに配置されていてもよい。また、金属マスク開口部15は1つであってもよい。なお、本願明細書で言う「縦方向」、「横方向」とは、図面の上下方向、左右方向をさし、蒸着マスク、樹脂マスク、金属マスクの長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよい。例えば、蒸着マスク、樹脂マスク、金属マスクの長手方向を「縦方向」としてもよく、幅方向を「縦方向」としてもよい。また、本願明細書では、蒸着マスクを平面視したときの形状が矩形状である場合を例に挙げて説明しているが、これ以外の形状、例えば、円形状や、ひし形状等の多角形状としてもよい。この場合、対角線の長手方向や、径方向、或いは、任意の方向を「長手方向」とし、この「長手方向」に直交する方向を、「幅方向(短手方向と言う場合もある)」とすればよい。
金属マスク10の厚みについても特に限定はないが、シャドウの発生をより効果的に防止するためには、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、35μm以下であることが特に好ましい。金属マスクの厚みをこのような厚みとすることで、破断や変形のリスクを低減させることができるとともに、ハンドリング性を向上させることができる。
また、各図に示す形態では、金属マスク開口部15の開口を平面視したときの形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、金属マスク開口部15の開口形状は、台形状、円形状等いかなる形状であってもよい。
金属マスク10に形成される金属マスク開口部15の断面形状についても特に限定されることはないが、図1(b)に示すように蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。より具体的には、金属マスク10の金属マスク開口部15における下底先端と、同じく金属マスク10の金属マスク開口部15における上底先端とを結んだ直線と、金属マスク10の底面とのなす角度、換言すれば、金属マスク10の金属マスク開口部15を構成する内壁面の厚み方向断面において、金属マスク開口部15の内壁面と金属マスク10の樹脂マスク20と接する側の面(図示する形態では、金属マスクの上面)とのなす角度は、5°以上85°以下の範囲内であることが好ましく、15°以上80°以下の範囲内であることがより好ましく、25°以上65°以下の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。
また、金属マスク開口部15の開口空間が、ブリッジによって区画されていてもよい(図示しない)。
樹脂マスク上に金属マスク10を積層する方法について特に限定はなく、樹脂マスク20と金属マスク10とを各種粘着剤を用いて貼り合わせてもよく、自己粘着性を有する樹脂マスクを用いてもよい。樹脂マスク20と金属マスク10の大きさは同一であってもよく、異なる大きさであってもよい。なお、この後に任意で行われるフレームへの固定を考慮して、樹脂マスク20の大きさを金属マスク10よりも小さくし、金属マスク10の外周部分が露出された状態としておくと、金属マスク10とフレームとの固定が容易となり好ましい。
次に、より好ましい蒸着マスクの具体的な例として、実施形態(A)、及び実施形態(B)を例に挙げ説明する。
なお、以下で説明する実施形態(A)、及び実施形態(B)の蒸着マスク100は、上記で説明した本開示の各実施の形態に係る蒸着マスクで説明した種々の条件を満たしている。
<実施形態(A)の蒸着マスク>
図4に示すように、実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、樹脂マスク20の一方の面上に、複数の金属マスク開口部15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な樹脂マスク開口部25が設けられ、各金属マスク開口部15が、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられている。
実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するために用いられる蒸着マスクであり、1つの蒸着マスク100で、複数の製品に対応する蒸着パターンを同時に形成することができる。実施形態(A)の蒸着マスクで言う「樹脂マスク開口部」とは、実施形態(A)の蒸着マスク100を用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、樹脂マスク開口部25の形状は当該有機層の形状となる。また、「1画面」とは、1つの製品に対応する樹脂マスク開口部25の集合体からなり、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる樹脂マスク開口部25の集合体が「1画面」となる。そして、実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成すべく、樹脂マスク20には、上記「1画面」が、所定の間隔をあけて複数画面分配置されている。すなわち、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な樹脂マスク開口部25が設けられている。
実施形態(A)の蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数の金属マスク開口部15が設けられた金属マスク10が設けられ、各金属マスク開口部は、それぞれ少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられている。換言すれば、1画面を構成するのに必要な樹脂マスク開口部25間において、横方向に隣接する樹脂マスク開口部25間に、金属マスク開口部15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、縦方向に隣接する樹脂マスク開口部25間に、金属マスク開口部15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在していない。以下、金属マスク開口部15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、金属マスク開口部15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分のことを総称して、単に金属線部分と言う場合がある。
実施形態(A)の蒸着マスク100によれば、1画面を構成するのに必要な樹脂マスク開口部25の大きさや、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチを狭くした場合、例えば、400ppiを超える画面の形成を行うべく、樹脂マスク開口部25の大きさや、樹脂マスク開口部25間のピッチを極めて微小とした場合であっても、金属線部分による干渉を防止することができ、高精細な画像の形成が可能となる。なお、1画面が、複数の金属マスク開口部によって分割されている場合、換言すれば、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチが狭くなっていくことにともない、樹脂マスク開口部25間に存在する金属線部分が蒸着対象物へ蒸着パターンを形成する際の支障となり高精細な蒸着パターンの形成が困難となる。換言すれば、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、フレーム付き蒸着マスクとしたときに当該金属線部分が、シャドウの発生を引き起こし高精細な画面の形成が困難となる。
次に、図4〜図7を参照して、1画面を構成する樹脂マスク開口部25の一例について説明する。なお、図示する形態において破線で閉じられた領域が1画面となっている。図示する形態では、説明の便宜上少数の樹脂マスク開口部25の集合体を1画面としているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、1つの樹脂マスク開口部25を1画素としたときに、1画面に数百万画素の樹脂マスク開口部25が存在していてもよい。
図4に示す形態では、縦方向、横方向に複数の樹脂マスク開口部25が設けられてなる樹脂マスク開口部25の集合体によって1画面が構成されている。図5に示す形態では、横方向に複数の樹脂マスク開口部25が設けられてなる樹脂マスク開口部25の集合体によって1画面が構成されている。また、図6に示す形態では、縦方向に複数の樹脂マスク開口部25が設けられてなる樹脂マスク開口部25の集合体によって1画面が構成されている。そして、図4〜図7では、1画面全体と重なる位置に金属マスク開口部15が設けられている。
上記で説明したように、金属マスク開口部15は、1画面のみと重なる位置に設けられていてもよく、図7(a)、(b)に示すように、2以上の画面全体と重なる位置に設けられていてもよい。図7(a)では、図4に示す蒸着マスク100において、横方向に連続する2画面全体と重なる位置に金属マスク開口部15が設けられている。図7(b)では、縦方向に連続する3画面全体と重なる位置に金属マスク開口部15が設けられている。
次に、図4に示す形態を例に挙げて、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチ、画面間のピッチについて説明する。1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチや、樹脂マスク開口部25の大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。例えば、400ppiの高精細な蒸着パターンの形成を行う場合には、1画面を構成する樹脂マスク開口部25において隣接する樹脂マスク開口部25の横方向のピッチ(P1)、縦方向のピッチ(P2)は60μm程度となる。また、一例としての樹脂マスク開口部の大きさは、500μm2以上1000μm2以下の範囲内である。また、1つの樹脂マスク開口部25は、1画素に対応していることに限定されることはなく、例えば、画素配列によっては、複数画素を纏めて1つの樹脂マスク開口部25とすることもできる。
画面間の横方向ピッチ(P3)、縦方向ピッチ(P4)についても特に限定はないが、図4に示すように、1つの金属マスク開口部15が、1画面全体と重なる位置に設けられる場合には、各画面間に金属線部分が存在することとなる。したがって、各画面間の縦方向ピッチ(P4)、横方向のピッチ(P3)が、1画面内に設けられている樹脂マスク開口部25の縦方向ピッチ(P2)、横方向ピッチ(P1)よりも小さい場合、或いは略同等である場合には、各画面間に存在している金属線部分が断線しやすくなる。したがって、この点を考慮すると、画面間のピッチ(P3、P4)は、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチ(P1、P2)よりも広いことが好ましい。画面間のピッチ(P3、P4)の一例としては、1mm以上100mm以下の範囲内である。なお、画面間のピッチとは、1の画面と、当該1の画面と隣接する他の画面とにおいて、隣接している樹脂マスク開口部間のピッチを意味する。このことは、後述する実施形態(B)の蒸着マスクにおける樹脂マスク開口部25間のピッチ、画面間のピッチについても同様である。
なお、図7に示すように、1つの金属マスク開口部15が、2つ以上の画面全体と重なる位置に設けられる場合には、1つの金属マスク開口部15内に設けられている複数の画面間には、金属マスク開口部の内壁面を構成する金属線部分が存在しないこととなる。したがって、この場合、1つの金属マスク開口部15と重なる位置に設けられている2つ以上の画面間のピッチは、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間のピッチと略同等であってもよい。
また、樹脂マスク20には、樹脂マスク20の縦方向、或いは横方向にのびる溝(図示しない)が形成されていてもよい。蒸着時に熱が加わった場合、樹脂マスク20が熱膨張し、これにより樹脂マスク開口部25の寸法や位置に変化が生じる可能性があるが、溝を形成することで樹脂マスクの膨張を吸収することができ、樹脂マスクの各所で生じる熱膨張が累積することにより樹脂マスク20が全体として所定の方向に膨張して樹脂マスク開口部25の寸法や位置が変化することを防止することができる。溝の形成位置について限定はなく、1画面を構成する樹脂マスク開口部25間や、樹脂マスク開口部25と重なる位置に設けられていてもよいが、画面間に設けられていることが好ましい。また、溝は、樹脂マスクの一方の面、例えば、金属マスクと接する側の面のみに設けられていてもよく、金属マスクと接しない側の面のみに設けられていてもよい。或いは、樹脂マスク20の両面に設けられていてもよい。
また、隣接する画面間に縦方向に延びる溝としてもよく、隣接する画面間に横方向に延びる溝を形成してもよい。さらには、これらを組み合わせた態様で溝を形成することも可能である。
溝の深さやその幅については特に限定はなく、樹脂マスク20の剛性を考慮して適宜設定すればよい。また、溝の断面形状についても特に限定されることはなくU字形状やV字形状など、加工方法などを考慮して任意に選択すればよい。実施形態(B)の蒸着マスクについても同様である。
<実施形態(B)の蒸着マスク>
次に、実施形態(B)の蒸着マスクについて説明する。図8に示すように、実施形態(B)の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した樹脂マスク開口部25が複数設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、1つの金属マスク開口部15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、当該複数の樹脂マスク開口部25の全てが、金属マスク10に設けられた1つの金属マスク開口部15と重なる位置に設けられている。
実施形態(B)の蒸着マスクで言う樹脂マスク開口部25とは、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要な樹脂マスク開口部を意味し、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要ではない樹脂マスク開口部は、1つの金属マスク開口部15と重ならない位置に設けられていてもよい。なお、図8は、実施形態(B)の蒸着マスクの一例を示す蒸着マスクを金属マスク側から平面視したときの正面図である。
実施形態(B)の蒸着マスク100は、複数の樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20上に、1つの金属マスク開口部15を有する金属マスク10が設けられており、かつ、複数の樹脂マスク開口部25の全ては、当該1つの金属マスク開口部15と重なる位置に設けられている。この構成を有する実施形態(B)の蒸着マスク100では、樹脂マスク開口部25間に、金属マスクの厚みと同じ厚み、或いは、金属マスクの厚みより厚い金属線部分が存在していないことから、上記実施形態(A)の蒸着マスクで説明したように、金属線部分による干渉を受けることなく樹脂マスク20に設けられている樹脂マスク開口部25の寸法通りに高精細な蒸着パターンを形成することが可能となる。
また、実施形態(B)の蒸着マスクによれば、金属マスク10の厚みを厚くしていった場合であっても、シャドウの影響を殆ど受けることがないことから、金属マスク10の厚みを、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができるまで厚くすることができ、高精細な蒸着パターンの形成を可能としつつも、耐久性や、ハンドリング性を向上させることができる。
実施形態(B)の蒸着マスクにおける樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図8に示すように、1つの金属マスク開口部15と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した樹脂マスク開口部25が複数設けられている。樹脂マスク開口部25は、蒸着作製するパターンに対応しており、蒸着源から放出された蒸着材が樹脂マスク開口部25を通過することで、蒸着対象物には、樹脂マスク開口部25に対応する蒸着パターンが形成される。なお、図示する形態では、樹脂マスク開口部が縦横に複数列配置された例を挙げて説明をしているが、縦方向、或いは横方向にのみ配置されていてもよい。
実施形態(B)の蒸着マスク100における「1画面」とは、1つの製品に対応する樹脂マスク開口部25の集合体を意味し、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる樹脂マスク開口部25の集合体が「1画面」となる。実施形態(B)の蒸着マスクは、「1画面」のみからなるものであってもよく、当該「1画面」が複数画面分配置されたものであってもよいが、「1画面」が複数画面分配置される場合には、画面単位毎に所定の間隔をあけて樹脂マスク開口部25が設けられていることが好ましい(実施形態(A)の蒸着マスクの図4参照)。「1画面」の形態について特に限定はなく、例えば、1つの樹脂マスク開口部25を1画素としたときに、数百万個の樹脂マスク開口部25によって1画面を構成することもできる。
実施形態(B)の蒸着マスク100における金属マスク10は、金属から構成され1つの金属マスク開口部15を有している。そして、実施形態(B)の蒸着マスク100では、当該1つの金属マスク開口部15は、金属マスク10の正面からみたときに、全ての樹脂マスク開口部25と重なる位置、換言すれば、樹脂マスク20に配置された全ての樹脂マスク開口部25がみえる位置に配置されている。
金属マスク10を構成する金属部分、すなわち1つの金属マスク開口部15以外の部分は、図8に示すように蒸着マスク100の外縁に沿って設けられていてもよく、図9に示すように金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも小さくし、樹脂マスク20の外周部分を露出させてもよい。また、金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも大きくして、金属部分の一部を、樹脂マスクの横方向外方、或いは縦方向外方に突出させてもよい。なお、いずれの場合であっても、1つの金属マスク開口部15の大きさは、樹脂マスク20の大きさよりも小さく構成されている。
図8に示される金属マスク10の1つの金属マスク開口部15の壁面をなす金属部分の横方向の幅(W1)や、縦方向の幅(W2)について特に限定はく、耐久性や、ハンドリング性を考慮して適宜設定すればよい。金属マスク10の厚みに応じて適切な幅を適宜設定することができるが、好ましい幅の一例としては、実施形態(A)の蒸着マスクの金属マスクと同様、W1、W2ともに1mm以上100mm以下の範囲内である。
(フレーム付き蒸着マスク)
本開示の実施の形態に係るフレーム付き蒸着マスク200は、フレーム60に上記で説明した本開示の各実施の形態に係る蒸着マスク100が固定されてなる構成を呈している。蒸着マスク100についての説明は省略する。
フレーム付き蒸着マスク200は、図10に示すように、フレーム60に、1つの蒸着マスク100が固定されたものであってもよく、図11に示すように、フレーム60に、複数の蒸着マスク100が固定されたものであってもよい。
フレーム60は、略矩形形状の枠部材であり、最終的に固定される蒸着マスク100の樹脂マスク20に設けられた樹脂マスク開口部25を蒸着源側に露出させるための貫通孔を有する。フレームの材料としては、金属材料や、ガラス材料、セラミック材料等を挙げることができる。
フレームの厚みについても特に限定はないが、剛性等の点から10mm以上30mm以下の範囲内であることが好ましい。フレームの開口の内周端面と、フレームの外周端面間の幅は、当該フレームと、蒸着マスクの金属マスクとを固定することができる幅であれば特に限定はなく、例えば、10mm以上70mm以下の範囲内である。
また、図12(a)〜(c)に示すように、フレームの貫通孔の領域に補強フレーム65等が設けられたフレーム60を用いてもよい。換言すれば、フレーム60が有する開口が、補強フレーム等によって分割された構成を有していてもよい。補強フレーム65を設けることで、当該補強フレーム65を利用して、フレーム60と蒸着マスク100とを固定することができる。具体的には、上記で説明した蒸着マスク100を縦方向、及び横方向に複数並べて固定するときに、当該補強フレームと蒸着マスクが重なる位置においても、フレーム60に蒸着マスク100を固定することができる。
フレーム60と、蒸着マスク100との固定方法についても特に限定はなく、レーザー光等により固定するスポット溶接、接着剤、ねじ止め、或いはこれ以外の方法を用いて固定することができる。
<<蒸着マスク準備体>>
図13に示すように、本開示の実施の形態に係る蒸着マスク準備体150は、蒸着作製するパターンに対応する複数の樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20と、金属マスク開口部15を有する金属マスク10とが、樹脂マスク開口部25と金属マスク開口部15とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体150であって、樹脂板20A上に、金属マスク開口部15を有する金属マスク10が積層されてなる構成を呈している。そして、本開示の実施の形態に係る蒸着マスク準備体150は、樹脂板20Aが、樹脂材料を含有し、金属マスク10が、金属材料を含有しており、樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂板の線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内に規定されている。
本開示の実施の形態に係る蒸着マスク準備体150によれば、樹脂板20Aに樹脂マスク開口部25を形成するときに、樹脂板20Aに弛みや、シワ等が生ずること、また、樹脂板20Aに過剰にテンションがかかることを抑制することができ、寸法精度や、位置精度に優れ、また、寸法変動や、位置変動を抑制することができる樹脂マスク開口部25を形成することができる。つまり、本開示の実施の形態に係る蒸着マスク準備体150によれば、高精細な樹脂マスク開口部25を有し、且つ形成された樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動が生ずることを抑制可能とする蒸着マスクを得ることができる。
本開示の実施の形態に係る蒸着マスク準備体150は、樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20を、樹脂板20Aとした以外は、全て、上記で説明した本開示の実施の形態に係る蒸着マスクと共通している。
樹脂板20Aは、各種の塗工方法により得られる樹脂層であってもよく、シート状の樹脂板であってもよい。樹脂板20Aは最終的に樹脂マスク20となり、したがって、樹脂板20Aの厚みについては、最終的に得られる樹脂マスク20の厚みを考慮して決定すればよい。
<<蒸着マスクの製造方法>>
本開示の実施の形態に係る蒸着マスクの製造方法は、蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20と、金属マスク開口部15を有する金属マスク10とが、樹脂マスク開口部と金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、金属材料を含む金属板10A上に、樹脂材料を含む樹脂板20Aを設ける工程(図14(a)参照)と、金属板10Aに、金属マスク開口部15を形成する工程(図14(b)参照)と、樹脂板20Aに樹脂マスク開口部25を形成する工程(図14(c)参照)と、を含み、樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内となるように、樹脂材料を含む樹脂板、及び金属材料を含有する金属板を用いる蒸着マスクの製造方法である。
本開示の実施の形態に係る蒸着マスクの製造方法によれば、樹脂板20Aに樹脂マスク開口部25を形成するときに、樹脂板20Aに弛みや、シワ等が生ずること、また、樹脂板20Aに過剰にテンションがかかることを抑制することができ、寸法精度や、位置精度に優れ、また、寸法変動や、位置変動を抑制することができる樹脂マスク開口部25を形成することができる。つまり、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクの製造方法によれば、高精細な樹脂マスク開口部25を有し、且つ形成された樹脂マスク開口部25に寸法変動や、位置変動が生ずることを抑制可能とする蒸着マスクを得ることができる。
(金属板上に樹脂板を設ける工程)
本工程は、図14(a)に示すように、金属材料を含む金属板10A上に、樹脂板20Aを設ける工程である。
そして、本開示の実施の形態に係る蒸着マスクの製造方法では、樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内となるように、樹脂材料を含む樹脂板20A、及び金属材料を含有する金属板10Aを用いている。
樹脂板20Aは、予め成型されたものであってもよく、金属板10A上に、樹脂材料を含む塗工液を塗布、乾燥することで得られるものであってもよい。なお、樹脂板20Aを形成するための塗工液は、樹脂材料と、当該樹脂材料を分散、或いは溶解させるための溶媒を含んでいる。塗工液の塗工方法について特に限定はなく、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を挙げることができる。塗工液の塗工量は、最終的に得られる樹脂マスク20の厚みに応じて適宜決定すればよい。
樹脂材料について特に限定はなく、上記本開示の実施の形態に係る蒸着マスクにおいて説明した樹脂マスク20に含まれる樹脂材料を適宜選択して用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂の硬化物を含む樹脂板20Aとしてもよい。熱硬化性樹脂の硬化物を含む樹脂板20Aは、熱硬化性樹脂を含む塗工液を、金属板10A上に塗布し、これを熱硬化性樹脂の硬化温度を超える温度で加熱することで得ることができる。なお、熱硬化性樹脂の硬化温度は、樹脂板20Aが含有している熱硬化性樹脂に応じて適宜決定すればよい。なお、樹脂板20Aが、複数の熱硬化性樹脂を含有している場合には、複数の熱硬化性樹脂のうち、その硬化温度が最も高い熱硬化性樹脂の硬化温度を超える硬化温度で加熱を行うことが好ましい。
(金属マスク開口部を形成する工程)
本工程は、図14(b)に示すように、その表面に樹脂板20Aが形成された金属板10Aに金属マスク開口部15を形成する工程である。金属マスク開口部15の形成方法について特に限定はなく、レーザー加工、エッチング加工、機械加工等の従来公知の加工法を用いて行うことができる。例えば、エッチング加工法を用いた金属マスク開口部15の形成は、金属板10Aの樹脂板20Aと接しない側の面に、レジスト材を塗工し、スリットパターンが形成されたマスクを用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像する。次いで、当該レジストパターンを耐エッチングマスクとして用いて、金属板10Aのみをエッチング加工し、エッチング終了後に前記レジストパターンを洗浄除去する。これにより、金属板10Aに金属マスク開口部15が形成されてなる金属マスク10とすることができる。
(樹脂マスク開口部を形成する工程)
本工程は、図14(c)に示すように、樹脂材料を含む樹脂板20Aに、樹脂マスク開口部25を形成する工程である。本工程を経ることで、蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部25を有する樹脂マスク20と、金属マスク開口部15を有する金属マスク10とが、樹脂マスク開口部と金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスク100を得る。
樹脂マスク開口部25の形成方法について特に限定はなく、レーザー加工法、エッチング加工法、機械加工法等の従来公知の加工法を用いて形成することができる。なお、レーザー加工法は、樹脂板20Aに、特に高精細な樹脂マスク開口部25を形成することができる点で、好ましい加工法である。
本開示の実施の形態に係る蒸着マスクの製造方法で製造される蒸着マスクとしては、上記で説明した本開示の各実施の形態に係る蒸着マスク等を挙げることができる。
(蒸着マスクを用いた蒸着方法)
本開示の各実施の形態に係る蒸着マスクや、本開示の各実施の形態に係るフレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着パターンの形成に用いられる蒸着方法については、特に限定はなく、例えば、反応性スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、熱CVD、プラズマCVD、光CVD法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)等を挙げることができる。また、蒸着パターンの形成は、従来公知の真空蒸着装置などを用いて行うことができる。
<<有機半導体素子の製造方法>>
次に、本開示の実施の形態に係る有機半導体素子の製造方法について説明する。本開示の有機半導体素子の製造方法は、蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する蒸着パターン形成工程を含み、蒸着パターンを形成する工程において、上記で説明した本開示の各実施の形態に係る蒸着マスクが用いられる。
蒸着マスクを用いた蒸着法により蒸着パターンを形成する蒸着パターン形成工程について特に限定はなく、基板上に電極を形成する電極形成工程、有機層形成工程、対向電極形成工程、封止層形成工程等を有し、各任意の工程において、上記で説明した本開示の蒸着パターン形成方法を用いて、蒸着パターンが形成される。例えば、有機ELデバイスのR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の発光層形成工程に、上記で説明した本開示の蒸着パターン形成方法をそれぞれ適用する場合には、基板上に各色発光層の蒸着パターンが形成される。なお、本開示の有機半導体素子の製造方法は、これらの工程に限定されるものではなく、従来公知の有機半導体素子の製造における任意の工程に適用可能である。
以上説明した本開示の実施の形態に係る有機半導体素子の製造方法によれば、蒸着マスクと蒸着対象物とを隙間なく密着させた状態で、有機半導体素子を形成する蒸着を行うことができ、高精細な有機半導体素子を製造することができる。本開示の有機半導体素子の製造方法で製造される有機半導体素子としては、例えば、有機EL素子の有機層、発光層や、カソード電極等を挙げることができる。特に、本開示の有機半導体素子の製造方法は、高精細なパターン精度が要求される有機ELデバイスのR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)発光層の製造に好適に用いることができる。
<<有機ELディスプレイの製造方法>>
次に、本開示の実施の形態に係る有機ELディスプレイ(有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ)の製造方法について説明する。本開示の有機ELディスプレイの製造方法は、有機ELディスプレイの製造工程において、上記で説明した本開示の有機半導体素子の製造方法により製造された有機半導体素子が用いられる。
上記本開示の有機半導体素子の製造方法により製造された有機半導体素子が用いられた有機ELディスプレイとしては、例えば、ノートパソコン(図15(a)参照)、タブレット端末(図15(b)参照)、携帯電話(図15(c)参照)、スマートフォン(図15(d)参照)、ビデオカメラ(図15(e)参照)、デジタルカメラ(図15(f)参照)、スマートウォッチ(図15(g)参照)等に用いられる有機ELディスプレイを挙げることができる。
(実施例および比較例)
金属板上に樹脂板を設けた蒸着マスク準備体サンプルA〜Gの7種類を準備した。蒸着マスク準備体サンプルA〜Gに対しては、予め、当該蒸着マスク準備体をなす金属板、樹脂板のCTE曲線を、上記の方法(線膨張曲線の作成方法)にて作成し、前述の積分値の算出により、算出された樹脂マスクの積分値を、算出された金属マスクの積分値で除して、比率を算出している。比率の算出結果を表1に示す。なお、表中の[樹脂板/金属板]は、各蒸着マスク準備体サンプルを構成する樹脂板、及び金属板における、温度25℃から上限温度の範囲における樹脂板の線膨張曲線の積分値を、温度25℃から上限温度の範囲における金属板の線膨張曲線の積分値で除した値(%)を意味する。
上記蒸着マスク準備体サンプルにおける、樹脂板は、ポリイミド樹脂から構成され、その厚みは5μmである。また、金属板は、Fe−36Ni合金(インバー材)から構成され、その厚みは20μmである。上記蒸着マスク準備体サンプルA〜Gは、それぞれ、ポリイミド樹脂から構成される樹脂板を形成する際の加熱温度や、昇温速度を適宜異ならせている。
次いで、上記蒸着マスク準備体サンプルA〜Gの金属板に対し、エッチングにより、79mm×120mmの金属マスク開口部の形成を行い、このときの(1)樹脂板に生じるシワの程度を評価した。次いで、金属マスク開口部が形成された蒸着マスク準備体サンプルA〜Gの樹脂板に樹脂マスク開口部を形成し、このときの(2)樹脂マスク開口部の開口位置変動量を測定した。
(1)樹脂板のシワ評価
金属板の中央部分をエッチングにより矩形(70mm×120mm)に除去後、各蒸着マスク準備体サンプルにおける樹脂板のシワの程度を下記の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
A:シワの発生無。
B:僅かにシワが生じている。
C:使用上問題となるシワが生じている。
(2)樹脂マスク開口部の開口位置変動量の測定
上記シワ評価を行った蒸着マスク準備体サンプルの樹脂板に対し、金属板の上記エッチングにより除去された領域を通して、波長355nmのYAGレーザー(1J/cm2)にて、30μm×500μmの矩形パターンを樹脂板面に複数回照射し、縦横2列の樹脂マスク開口部を形成した。長辺側のギャップは5μm、短辺側のギャップは50μmにした。その時の開口状態を顕微鏡にて観察した。
・片側のブリッジ部(短辺側のギャップ50μm)をレーザーにより切断した。この時の樹脂マスク開口部の開口位置変動量を顕微鏡映像モニターに映して観察して、変動量の測定を行い以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
A:開口位置変動量が2μm以下。
B:開口位置変動量が2μmより大きく4μm未満。
C:開口位置変動量が4μm以上。
Figure 2018066053
10A…金属板
10…金属マスク
15…金属マスク開口部
20A…樹脂板
20…樹脂マスク
25…樹脂マスク開口部
60…フレーム
100…蒸着マスク
150…蒸着マスク準備体

Claims (11)

  1. 蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクであって、
    前記樹脂マスクは、樹脂材料を含有しており、
    前記金属マスクは、金属材料を含有しており、
    前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、
    縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内である、
    蒸着マスク。
  2. 前記樹脂材料が、熱硬化性樹脂の硬化物である、
    請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記金属材料が、鉄合金である、
    請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. フレームに蒸着マスクが固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクが、請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスクである、
    フレーム付き蒸着マスク。
  5. 蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体であって、
    樹脂板上に、金属マスク開口部を有する金属マスクが積層されてなり、
    前記樹脂板は、樹脂材料を含有しており、
    前記金属マスクは、金属材料を含有しており、
    前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、
    縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂板の線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内である、
    蒸着マスク準備体。
  6. 前記樹脂材料が、熱硬化性樹脂の硬化物である、
    請求項5に記載の蒸着マスク準備体。
  7. 前記金属材料が、鉄合金である、
    請求項5又は6に記載の蒸着マスク準備体。
  8. 蒸着作製するパターンに対応する樹脂マスク開口部を有する樹脂マスクと、金属マスク開口部を有する金属マスクとが、前記樹脂マスク開口部と前記金属マスク開口部とが重なるようにして積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、
    金属材料を含む金属板上に、樹脂材料を含む樹脂板を設ける工程と、
    前記金属板に、金属マスク開口部を形成する工程と、
    前記樹脂板に、樹脂マスク開口部を形成する工程と、
    を含み、
    前記樹脂材料のガラス転移温度(Tg)に100℃を加算した温度を、上限温度としたときに、
    縦軸を線膨張の割合、横軸を温度とする線膨張曲線において、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記樹脂マスクの線膨張曲線の積分値を、温度25℃から前記上限温度の範囲における前記金属マスクの線膨張曲線の積分値で除した値が、0.7以上1.3以下の範囲内となるように、
    前記樹脂材料を含む樹脂板、及び前記金属材料を含有する金属板を用いる、
    蒸着マスクの製造方法。
  9. 前記樹脂板が、熱硬化性樹脂の硬化物を含む樹脂板である、
    請求項8に記載の蒸着マスクの製造方法。
  10. 有機半導体素子の製造方法であって、
    蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する蒸着パターン形成工程を含み、
    前記蒸着パターン形成工程で用いられる前記蒸着マスクが、請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスク、又は請求項4に記載のフレーム付き蒸着マスクである、
    有機半導体素子の製造方法。
  11. 有機ELディスプレイの製造方法であって、
    請求項10に記載の有機半導体素子の製造方法により製造された有機半導体素子が用いられる、
    有機ELディスプレイの製造方法。
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