JP2018065889A - 低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法及びミラブル型シリコーンゴム組成物 - Google Patents

低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法及びミラブル型シリコーンゴム組成物 Download PDF

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【課題】表面摩擦係数が低いシリコーンゴム硬化物の製造方法、及び該方法に用いることができるミラブル型シリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)重合度100以上で分子中に2個以上のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を有し、分子中0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサン、
(B)重合度100以上で分子中に2個以上のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を有し、分子中6.0モル%以上の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサン、
(C)BET吸着法比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(D)すべり性促進剤、
(E)ケイ素原子結合水素原子を分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(F)ヒドロシリル化反応用触媒
を含むミラブル型シリコーンゴム組成物を常圧熱気加硫することを特徴とする低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面摩擦係数が低いシリコーンゴム硬化物の製造方法及び該製造方法に用いることができるミラブル型シリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙げられる。現在、シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
通常、シリコーンゴムは、摩擦係数が高く、すべり止め防止用の部材として様々な製品に使用されている。一方で、表面のすべり性が良いシリコーンゴムの要求も高い。シリコーンゴムの表面の摩擦係数を低下させる方法としては、相溶性の低いオイルを添加する方法が知られている。例えば、シリコーンゴムがジメチルシリコーンの場合、フェニル基を導入した低粘度のオイルを添加することにより、成形後に相溶性が悪いフェニルオイルが成形物内から、表面に滲み出し、表面の摩擦係数が低くなる。これらの材料は自動車用のオイルブリード材料等で広く使用されている(特許文献1:国際公開第2006/070947号、特許文献2:特開2009−185254号公報)。
しかしながら、これらのオイルブリード材料は、表面にオイル成分が滲み出すことから、このオイルが他の材料に移行し、汚れの原因となることがある。フェニルオイルを添加しないで、すべり性を出す方法としては、5,000,000mPa・s以上の粘度を有するトリメチルシロキシ末端を有するポリジメチルシロキサン等のアルケニル基を含有しないポリマーを添加する方法(特許文献3:特許第4755660号公報)があるが、更なる改善が望まれていた。
無機フィラーを添加して表面粗さを発現させ、すべり性を出す方法(特許文献4:特開2016−98319号公報)があるが、有機溶剤を含有したシリコーンゴムコーティング剤であるため、成形物を硬化させた後、コーティングする工程が必要になってしまう。
硬化させた成形物の表面をプラズマ処理することですべり性を発現させる方法(特許文献5:特開2014−185292号公報)があるが、プラズマ処理する工程が必要になってしまう。
国際公開第2006/070947号公報 特開2009−185254号公報 特許第4755660号公報 特開2016−98319号公報 特開2014−185292号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、相溶性の低い低粘度ポリマーを添加したり、粘度が5,000,000mPa・s以上のトリメチルシロキシ末端を有するポリジメチルシロキサンを添加したりすることなく、表面摩擦係数が低いシリコーンゴム硬化物を得ることができる該硬化物の製造方法、及び該方法に用いることができるミラブル型シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ミラブル型シリコーンゴム組成物において、重合度が100以上のオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)中の、ケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基の含有量が0.2モル%以下のオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基の含有量が6.0モル%以上のオルガノポリシロキサンとを特定の配合割合で併用し、更にすべり性促進剤を添加することで、常圧熱気加硫した硬化物の表面の摩擦係数が有効に低下することを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、表面摩擦係数の低いゴム表面(低摩擦表面)、具体的にはASTM D1894に準じて測定した動摩擦係数が0.4以下であるようなゴム表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法、及び該製造方法を実施するのに有用なミラブル型シリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕
ASTM D1894に準じて測定した動摩擦係数が0.4以下であるシリコーンゴム硬化物の製造方法であって、下記(A)〜(F)、
(A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン 50〜99質量部、
(B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン
1〜50質量部((A)成分と(B)成分の合計で100質量部)、
(C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
5〜100質量部、
(D)すべり性促進剤、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)及び(B)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基に対する(E)成分中のSiH基のモル比が0.5〜10となる量、
(F)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
を含むミラブル型シリコーンゴム組成物を常圧熱気加硫することを特徴とする低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
〔2〕
前記(D)成分が、球状シリコーンパウダー、熱膨張性有機樹脂及びセルロース誘導体粉末から選ばれる少なくとも1種である〔1〕に記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
〔3〕
前記球状シリコーンパウダーが、球状シリコーンゴムパウダーであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜30質量部含有するものである〔2〕記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
〔4〕
前記熱膨張性有機樹脂が、未発泡の熱膨張性マイクロカプセルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部含有するものである〔2〕記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
〔5〕
前記セルロース誘導体粉末が、セルロース骨格中の水酸基の一部又は全部が置換されたセルロースエーテルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部含有するものである〔2〕記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
〔6〕
下記(A)〜(F)、
(A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン 50〜99質量部、
(B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン
1〜50質量部((A)成分と(B)成分の合計で100質量部)、
(C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
5〜100質量部、
(D)すべり性促進剤として、球状シリコーンパウダー、熱膨張性有機樹脂及びセルロース誘導体粉末から選ばれる少なくとも1種、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)及び(B)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基に対する(E)成分中のSiH基のモル比が0.5〜10となる量、
(F)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
を含むミラブル型シリコーンゴム組成物。
〔7〕
前記球状シリコーンパウダーが、球状シリコーンゴムパウダーであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜30質量部含有するものである〔6〕記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
〔8〕
前記熱膨張性有機樹脂が、未発泡の熱膨張性マイクロカプセルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部含有するものである〔6〕記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
〔9〕
前記セルロース誘導体粉末が、セルロース骨格中の水酸基の一部又は全部が置換されたセルロースエーテルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部含有するものである〔6〕記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
本発明によれば、該硬化物の表面摩擦係数が有効に低下されたシリコーンゴム硬化物(成形物)を与えることのできるミラブル型シリコーンゴム組成物、及び低摩擦表面(動摩擦係数が低い表面)を有するシリコーンゴム硬化物を提供することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
なお、本明細書中において、比表面積は、BET吸着法により測定された値である。なお、ミラブル型シリコーンゴム組成物とは、通常、室温(25℃)において自己流動性のない高粘度で非液状のシリコーンゴム組成物であって、ロールミル(例えば、二本ロールや三本ロール)などの混練機で剪断応力下に均一に混練することが可能なシリコーンゴム組成物を意味する。また、オルガノポリシロキサン生ゴムとは、高重合度(高粘度)であって、通常、室温(25℃)において自己流動性のない非液状のオルガノポリシロキサン成分であることを意味する。
−低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法−
本発明の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法は、
(A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン、
(C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(D)すべり性促進剤、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(F)ヒドロシリル化反応用触媒
の特定量を含むミラブル型シリコーンゴム組成物を常圧熱気加硫することが特徴であり、具体的には、押出し成形を用いた加熱炉による連続加硫、バッチ式乾燥機による熱気架橋を用いることが好ましい。
一般的には、80〜400℃、特に100〜300℃の温度で、5秒〜1時間、特には30秒〜10分、常圧熱気加硫により硬化させることにより、低摩擦表面を有し、すべり性の良好なシリコーンゴム硬化物を得ることができる。また、100〜230℃、好ましくは150〜230℃で10分〜10時間、好ましくは1〜5時間のポストキュア(2次キュア)を行ってもよい。
本発明の製造方法によって得られるシリコーンゴム硬化物は、ASTM D1894に準じて測定した動摩擦係数が0.4以下の低摩擦表面を有することが特徴であり、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.01〜0.2の低摩擦表面を有するものである。動摩擦係数が高すぎると十分な表面すべり性が得られない。
本発明の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物は、摺動性が必要なガスケット、医療用シリコーンゴムチューブ、ワイパー等として有用である。
前記ミラブル型シリコーンゴム組成物は、
(A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン、
(C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
(D)すべり性促進剤、
(E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(F)ヒドロシリル化反応用触媒
を含有するものである。以下、各成分について詳述する。
−(A)成分−
(A)成分の、重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(I)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基等を含む脂肪族不飽和基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常2〜10個、特に2〜5個程度のケイ素原子に結合したアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜0.1モル%、特に0.02〜0.05モル%がアルケニル基等の脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方に結合していてもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
また、分子中の全シロキサン単位のうち、脂肪族不飽和基含有シロキサン単位(即ち、アルケニル基等の脂肪族不飽和基を含有するトリオルガノシロキシ単位、ジオルガノシロキサン単位及びオルガノシルセスキオキサン単位の合計)の割合は、0.2モル%以下であり、好適には0.02〜0.2モル%、より好ましくは0.04〜0.1モル%である。(A)成分中の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位の量が多すぎると硬化物の動摩擦係数が高くなってしまい、すべり性が発現しない。また、場合によっては(A)成分が後述する(B)成分と重複し、差別化困難となってしまう。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)や、ヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチル基、ビニル基、フェニル基あるいはトリフルオロプロピル基を有する、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、混練工程におけるロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度(又は分子量)は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度(又は重量平均分子量)として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
−(B)成分−
(B)成分の、重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(II)で示されるものを用いることができる。
2 bSiO(4-b)/2 (II)
(式中、R2は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、bは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(II)中、R2は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基等を含む脂肪族不飽和基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。また、全R2中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR2がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
特に、(B)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常2〜2,000個、特に10〜1,000個程度のケイ素原子に結合したアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R2中3.0〜20モル%、特に3.02〜10モル%がアルケニル基等の脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方に結合していてもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、bは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
また、分子中の全シロキサン単位のうち、脂肪族不飽和基含有シロキサン単位(即ち、アルケニル基等の脂肪族不飽和基を含有するトリオルガノシロキシ単位、ジオルガノシロキサン単位及びオルガノシルセスキオキサン単位の合計)の割合は、少なくとも6.0モル%であり、好適には6.0〜40モル%、より好ましくは6.04〜20モル%である。(B)成分中の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位の量が少なすぎるとやはり硬化物の動摩擦係数が高くなってしまい、すべり性が発現しない。また、場合によっては(B)成分が前述の(A)成分と重複し、差別化困難となってしまう。
(B)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R2 2SiO2/2、R2は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R2 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R2 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R2 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R2 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチル基、ビニル基、フェニル基あるいはトリフルオロプロピル基を有する、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、混練工程におけるロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度(又は分子量)は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度(又は重量平均分子量)として測定することができる。
(B)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、シリコーンゴム組成物における(A)成分と(B)成分の脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンの配合量は、(A)成分と(B)成分との配合比率(質量比)で(A)成分:(B)成分が50:50〜99:1であり、好ましくは80:20〜99:1であり、より好ましくは85:15〜95:5である。上記配合比率から外れると表面すべり性に優れた動摩擦係数の低い、即ち動摩擦係数が0.4以下、特には0.01〜0.3であるようなシリコーンゴム硬化物が得難くなる。
−(C)成分−
(C)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される充填剤であり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/gであり、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ又はヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。これらのなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。
(C)成分は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の補強性シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR−812、アエロジルR−972、アエロジルR−974などのアエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、Cabosil MS−5、MS−7(キャボット社製)、レオロシールQS−102、103、MT−10(トクヤマ社製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された(即ち、親水性又は疎水性の)ヒュームドシリカや、トクシールUS−F(トクヤマ社製)、NIPSIL−SS、NIPSIL−LP(日本シリカ(株)製)等の表面未処理又は表面疎水化処理された沈降シリカ等が挙げられる。
(C)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分及び(B)成分のオルガノポリシロキサンの合計100質量部に対して5〜100質量部であり、10〜80質量部であることが好ましい。(C)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
−(D)成分−
(D)成分のすべり性促進剤としては、球状シリコーンパウダー、熱膨張性有機樹脂、セルロース誘導体粉末が挙げられる。これらのすべり性促進剤は1種単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。なお、本発明において、(D)成分として熱膨張性有機樹脂やセルロース誘導体粉末を用いる場合、得られるシリコーンゴム硬化物は、発泡体となり得るものである。
球状シリコーンパウダーの材質としては、例えば、主に直鎖状のオルガノポリシロキサンを架橋した構造であるシリコーンゴムパウダー、シロキサン結合が(RSiO3/2n〔Rは一価炭化水素基を表す〕で表される三次元網状構造を有するシルセスキオキサン硬化微粉末であるシリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダーの表面をシリコーンレジンで被覆した構造のシリコーン複合パウダーなどがある。
球状シリコーンパウダーの平均粒径は、0.1〜200μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。平均粒径が0.1μmよりも小さいとすべり性が改善されない場合があり、200μmを超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。なお、本発明において、平均粒径とは、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、重量平均値(又はメジアン径)として測定した値を指すものとする。
球状シリコーンパウダーの配合量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部であることが好ましい。0.1質量部未満では、すべり性が改善されない場合があり、30質量部を超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
熱膨張性有機樹脂としては、熱により膨張する未発泡の有機樹脂フィラー(未発泡の熱膨張性マイクロカプセル)であることが好ましく、熱膨張性マイクロカプセルとしては、低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻で包み込んだマイクロカプセルが挙げられる。熱可塑性高分子としては、塩化ビニリデンポリマーやアクリロニトリルポリマー、あるいは上記のコポリマーが挙げられる。低沸点炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びこれらの異性体などの−15〜100℃の沸点を有するものが挙げられる。
熱膨張性有機樹脂の平均粒径は、未膨張状態で10〜70μmであることが好ましい。10μmより小さいと内包する溶剤成分が少なくなり、熱を与えた際の膨張率が小さくなり、すべり性が改善されない場合があり、70μmを超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
ここで、熱膨張性有機樹脂の膨張温度は、90〜200℃、特に100〜150℃であることが好ましい。なお、膨張後の熱膨張性有機樹脂の平均粒径としては、400〜7,000μmであることが好ましい。
熱膨張性有機樹脂の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部であることが好ましい。0.01質量部未満では、すべり性が改善されない場合があり、10質量部を超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
セルロース誘導体粉末としては、特には、セルロース骨格中の水酸基の一部又は全部が、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基等のカルボキシアルキル基等から選ばれる1種又は2種以上の置換基で置換された、イオン性又は非イオン性のセルロースエーテルなどの、室温(25℃)において固体状の微粉末が挙げられる。
セルロース誘導体粉末の平均粒径は、1〜150μmであり、好ましくは1〜100μmである。1μmより小さいとすべり性が改善されない場合があり、150μmを超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
セルロース誘導体は通常水分を含有しているため、このセルロース誘導体中の水分が発泡に関与する。セルロース誘導体中の水分含有率は0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。水分含有率が0.1質量%未満では、すべり性が向上されない場合があり、50質量%を超える量では異常発泡してしまい、引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
このようなセルロース誘導体粉末としては、市販品を用いることができ、例えば、第一工業製薬(株)製のカルボキシメチルセルロース(セロゲン)等のカルボキシアルキル基置換のイオン性セルロースエーテル、(株)ダイセル製のヒドロキシエチルセルロース(HEC)、信越化学工業(株)製のメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH−10万)、ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC、LODICEL LDC−H)等の、アルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基置換の非イオン性セルロースエーテルなどが好適に使用できる。
セルロース誘導体粉末の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部であることが好ましい。0.1質量部未満では、すべり性が改善されない場合があり、10質量部を超えると引張り強度などの物性が大幅に低下する場合がある。
−(E)成分−
(E)成分のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を含有するものであれば、直鎖状、環状、分岐状及び三次元網状構造のいずれであってもよい。(E)成分としては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(III)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
3 pqSiO(4-p-q)/2 (III)
(式中、R3は互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、p及びqは、0≦p<3、0<q≦3及び0<p+q≦3を満たす正数である。)
上記平均組成式(III)中、R3は互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12、特に好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、脂肪族不飽和基以外のものであることが好ましい。R3の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子等で置換した基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
p及びqは、好ましくは0.7≦p≦2.4、0.002≦q≦1及び0.8≦p+q≦2.7を満たす正数であり、より好ましくは1≦p≦2.2、0.01≦q≦1及び1.01≦p+q≦2.5を満たす正数である。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を1分子中に2個以上(例えば2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜100個程度有する。(E)成分においてSiH基は分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中(即ち、分子鎖非末端部分)にあっても、その両方にあってもよい。
また、(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子数(又は重合度)は、好ましくは2〜300個、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜100個程度である。
更に、(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは0.5〜10,000mPa・s、より好ましくは0.5〜1,000mPa・s、特に好ましくは1〜300mPa・sである。なお、本発明において、粘度は、通常、回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)によって測定することができる。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、及び(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体;これらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部をプロピル基、ブチル基等のメチル基以外のアルキル基もしくはフェニル基又はこれらの組み合わせ等で置換した化合物などが挙げられる。
具体的には、下記構造式で表される化合物が例示できる。
Figure 2018065889
(上記式中、kは2〜50の整数であり、m、s及びtは0〜50の整数である。)
(E)成分は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(E)成分の配合量は、(A)及び(B)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基(アルケニル基)に対する(E)成分中のSiH基のモル比が0.5〜10、より好ましくは0.7〜5となる量である。該配合量が上記範囲内だと、得られるシリコーンゴム組成物の硬化時に架橋が十分に形成されやすく、硬化後は、機械的強度が十分となりやすく、また、他の物理特性、特に耐熱性と低圧縮永久歪性が良好となりやすい。
−(F)成分−
(F)成分のヒドロシリル化反応用触媒は、(A)成分中及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(E)成分中のSiH基とを付加反応させる触媒である。(F)成分としては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として従来公知のものが使用でき、例えば、白金族金属系触媒が挙げられる。白金族金属系触媒としては、例えば、白金族の金属単体とその化合物が挙げられ、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、シリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水和物のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
(F)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(F)成分の添加量は触媒量であり、上記付加反応を促進できる量であればよく、白金族金属質量に換算して(A)成分及び(B)成分のオルガノポリシロキサンの合計量に対して、好ましくは1質量ppm〜1質量%(10,000質量ppm)、より好ましくは2〜1,000質量ppm、特に好ましくは10〜500質量ppmである。該添加量がこの範囲だと、付加反応が十分に促進されやすく、硬化が十分になりやすく、経済的に有利となりやすい。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、本発明の目的を損なわない範囲量にて付加反応制御剤を使用してもよい。その具体例としては、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系制御剤、テトラシクロメチルビニルポリシロキサン等が挙げられる。付加反応制御剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
本発明で用いるミラブル型シリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、上記成分に加え、必要に応じて、その他の成分として、粉砕石英、結晶性シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム等の充填剤、着色剤、引き裂き強度向上剤、酸化鉄や酸化セリウム等の耐熱性向上剤、酸化チタン、白金化合物等の難燃性向上剤、受酸剤、アルミナや窒化硼素等の熱伝導率向上剤、離型剤、充填剤用分散剤として各種アルコキシシラン、特にフェニル基含有アルコキシシラン及びその加水分解物、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサン等の、熱硬化型シリコーンゴム組成物における公知の充填剤及び添加剤を添加してもよい。その他の成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
−ミラブル型シリコーンゴム組成物の調製方法−
本発明で用いるミラブル型シリコーンゴム組成物は、該組成物を構成する成分をニーダー、バンバリーミキサー、二本ロール等の公知の混練機で混合することにより得ることができる。該組成物として、上記(A)〜(F)成分を含有する組成物である場合、(A)成分及び(B)成分のオルガノポリシロキサンと(C)成分の補強性シリカと(D)成分のすべり性促進剤を混合して混合物を得た後、該混合物に(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(F)成分のヒドロシリル化反応用触媒を添加することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[動摩擦係数測定方法]
試験用シート(シリコーンゴム成形物)の動摩擦係数は、ASTM D1894に準拠して、表面性測定機TYPE:14FW(新東科学(株)製)を用い、荷重100gf、引張り速度500mm/分の条件で測定した。結果を表1,2に示す。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム90質量部、ジメチルシロキサン単位90.000モル%、メチルビニルシロキサン単位9.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム10質量部、BET吸着法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)65質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度4、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン9.8質量部を添加し、170℃で2時間、ニーダーにより混合下で加熱した後、ベースコンパウンド(1)を調製した。
上記ベースコンパウンド(1)100質量部に対して、すべり性促進剤として、平均粒径5μmの球状シリコーンゴムパウダー(KMP−594、信越化学工業(株)製)5質量部を混合し、コンパウンド(A)を調製した。
上記コンパウンド(A)100質量部に対して、側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)1.7質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、組成物Aを調製した。
この組成物Aを二本ロールミルにて1mm厚のシートを作製した。この1mm厚シートを常圧下、230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫させてシリコーンゴム成形物Aを得た。このシリコーンゴム成形物Aの動摩擦係数を測定した。
[実施例2]
すべり性促進剤を、平均粒径5μmの球状シリコーンゴムパウダー(KMP−594、信越化学工業(株)製)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(B)、組成物B及びシリコーンゴム成形物Bを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[実施例3]
すべり性促進剤を、平均粒径40μmの熱膨張性マイクロカプセル(FN−105、松本油脂製薬(株)製、熱膨張温度130℃)0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(C)、組成物C及びシリコーンゴム発泡体成形物Cを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[実施例4]
すべり性促進剤を、平均粒径40μmの熱膨張性マイクロカプセル(FN−105、松本油脂製薬(株)製、熱膨張温度130℃)1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(D)、組成物D及びシリコーンゴム発泡体成形物Dを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[実施例5]
すべり性促進剤を、水分含有率9.8質量%、平均粒径50μmのセルロース誘導体粉末(ヒドロキシプロピルセルロース、LODICEL LDC−H、信越化学工業(株)製)1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(E)、組成物E及びシリコーンゴム発泡体成形物Eを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[実施例6]
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム90質量部、トリメチルシロキシ単位2.0モル%、ジメチルシロキサン単位88.0モル%、メチルビニルシロキサン単位10.0モル%からなり、平均重合度が約200であるオルガノポリシロキサンオイル10質量部、BET吸着法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)65質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度4、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン9.8質量部を添加し、170℃で2時間、ニーダーにより混合下で加熱した後、ベースコンパウンド(2)を調製した。
上記ベースコンパウンド(2)を使用した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(F)、組成物F及びシリコーンゴム成形物Fを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[実施例7]
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム90質量部、ジメチルシロキサン単位90.000モル%、メチルビニルシロキサン単位9.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム10質量部、BET吸着法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)35質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度4、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン5.2質量部を添加し、170℃で2時間、ニーダーにより混合下で加熱した後、ベースコンパウンド(3)を調製した。
ベースコンパウンド(3)を使用した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(G)を調製した。
上記コンパウンド(G)100質量部に対して、側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、組成物Gを調製した。
この組成物Gを二本ロールミルにて1mm厚のシートを作製した。この1mm厚シートを常圧下、230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫させてシリコーンゴム成形物Gを得た。このシリコーンゴム成形物Gの動摩擦係数を測定した。
[比較例1]
すべり性促進剤を添加しない以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(H)、組成物H及びシリコーンゴム成形物Hを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[比較例2]
ジメチルシロキサン単位99.850モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム100質量部、BET吸着法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)65質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度4、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン9.8質量部を添加し、170℃で2時間、ニーダーにより混合下で加熱した後、ベースコンパウンド(4)を調製した。
上記ベースコンパウンド(4)を使用した以外は、実施例1と同様にしてコンパウンド(I)を調製した。
上記コンパウンド(I)100質量部に対して、側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)0.25質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、組成物Iを調製した。
この組成物Iを二本ロールミルにて1mm厚のシートを作製した。この1mm厚シートを常圧下、230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫させてシリコーンゴム成形物Iを得た。このシリコーンゴム成形物Iの動摩擦係数を測定した。
[比較例3]
ベースコンパウンド(4)を使用した以外は、実施例4と同様にしてコンパウンド(J)を調製した。
上記コンパウンド(J)100質量部に対して、側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)0.25質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、組成物Jを調製した。
この組成物Jを二本ロールミルにて1mm厚のシートを作製した。この1mm厚シートを常圧下、230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫させてシリコーンゴム発泡体成形物Jを得た。このシリコーンゴム発泡体成形物Jの動摩擦係数を測定した。
[比較例4]
ベースコンパウンド(4)を使用した以外は、実施例5と同様にしてコンパウンド(K)を調製した。
上記コンパウンド(K)100質量部に対して、側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)0.25質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、組成物Kを調製した。
この組成物Kを二本ロールミルにて1mm厚のシートを作製した。この1mm厚シートを常圧下、230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫させてシリコーンゴム発泡体成形物Kを得た。このシリコーンゴム発泡体成形物Kの動摩擦係数を測定した。
[比較例5]
すべり性促進剤を添加しない以外は、実施例7と同様にしてコンパウンド(L)、組成物L及びシリコーンゴム成形物Lを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[比較例6]
230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫したのではなく、120℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアを行った以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム成形物Mを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[比較例7]
230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫したのではなく、120℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアを行った以外は、実施例4と同様にしてシリコーンゴム成形物Nを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
[比較例8]
230℃の熱風乾燥機で2分間常圧熱気加硫したのではなく、120℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアを行った以外は、実施例5と同様にしてシリコーンゴム発泡体成形物Oを調製し、該成形物の動摩擦係数を測定した。
Figure 2018065889
Figure 2018065889

Claims (9)

  1. ASTM D1894に準じて測定した動摩擦係数が0.4以下であるシリコーンゴム硬化物の製造方法であって、下記(A)〜(F)、
    (A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン 50〜99質量部、
    (B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン
    1〜50質量部((A)成分と(B)成分の合計で100質量部)、
    (C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
    5〜100質量部、
    (D)すべり性促進剤、
    (E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)及び(B)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基に対する(E)成分中のSiH基のモル比が0.5〜10となる量、
    (F)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
    を含むミラブル型シリコーンゴム組成物を常圧熱気加硫することを特徴とする低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
  2. 前記(D)成分が、球状シリコーンパウダー、熱膨張性有機樹脂及びセルロース誘導体粉末から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
  3. 前記球状シリコーンパウダーが、球状シリコーンゴムパウダーであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜30質量部含有するものである請求項2記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
  4. 前記熱膨張性有機樹脂が、未発泡の熱膨張性マイクロカプセルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部含有するものである請求項2記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
  5. 前記セルロース誘導体粉末が、セルロース骨格中の水酸基の一部又は全部が置換されたセルロースエーテルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部含有するものである請求項2記載の低摩擦表面を有するシリコーンゴム硬化物の製造方法。
  6. 下記(A)〜(F)、
    (A)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち0.2モル%以下の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン 50〜99質量部、
    (B)重合度が100以上で1分子当たりに少なくとも2個のケイ素原子結合脂肪族不飽和基を含有し、かつ分子中のすべてのシロキサン単位のうち少なくとも6.0モル%の脂肪族不飽和基含有シロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサン
    1〜50質量部((A)成分と(B)成分の合計で100質量部)、
    (C)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
    5〜100質量部、
    (D)すべり性促進剤として、球状シリコーンパウダー、熱膨張性有機樹脂及びセルロース誘導体粉末から選ばれる少なくとも1種、
    (E)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)及び(B)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基に対する(E)成分中のSiH基のモル比が0.5〜10となる量、
    (F)ヒドロシリル化反応用触媒 触媒量
    を含むミラブル型シリコーンゴム組成物。
  7. 前記球状シリコーンパウダーが、球状シリコーンゴムパウダーであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜30質量部含有するものである請求項6記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
  8. 前記熱膨張性有機樹脂が、未発泡の熱膨張性マイクロカプセルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部含有するものである請求項6記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
  9. 前記セルロース誘導体粉末が、セルロース骨格中の水酸基の一部又は全部が置換されたセルロースエーテルであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部含有するものである請求項6記載のミラブル型シリコーンゴム組成物。
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