JP2018065246A - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨物のディフェクトの発生を著しく低減できる研磨パッド、研磨安定性に優れた研磨パッド及びそれらの製造方法を提供する。【解決手段】一態様によれば、温度40〜50℃で2.5psi(17kPa)を超える圧力を負荷したとき、負の熱膨張を示す発泡ウレタンシートを研磨パッドに用いる。前記発泡ウレタンシートは、温度40〜50℃で1.0psi(6.9kPa)未満の圧力を負荷したとき、正の熱膨張を示すのが好ましい。また、別の態様によれば、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、45〜150μm/psiの歪定数を有する発泡ウレタンシートを研磨パッドに用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、低圧[例えば、2.5psi(17kPa)以下]での研磨加工に利用される研磨パッド[例えば、化学的機械的研磨(CMP)用研磨パッド]及びその製造方法に関する。
半導体デバイスなどの材料(被研磨物)は、表面の平坦性が求められるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。半導体デバイス等の表面を平坦化する方法としては、一般的に化学的機械的研磨(CMP)法が用いられている。CMP法では、通常、研磨加工時において、研磨パッドと被研磨物との間に、砥粒(研磨粒子)をアルカリ溶液又は酸溶液に分散させたスラリー(研磨液)を供給する、いわゆる遊離砥粒方式が採用されている。
半導体デバイスでは、半導体回路の集積度が増大するにつれて、高密度化を目的とした微細化や多層配線化が進み、表面をより一層高度に平坦化する技術が重要となっている。具体的には、半導体回路では、配線間隔が65nm程度で配線されているのに対して、高密度化、微細化した、いわゆる次世代の半導体デバイスでは、配線間隔が45nm程度まで狭められており、配線間隔は今後さらに狭められる傾向にある。また、配線材としても機械的強度の小さい銅配線が用いられているため、欠陥発生率(ディフェクト率)の低下がますます難しい状況にある。ディフェクト率を低減するため、低圧での研磨が進められており、例えば、90nmノード〜65nmノードにおける銅のCMP工程では、デバイスに加える圧力を2.5psi以下に設定して研磨が進められている。
低圧研磨用の研磨パッドとして、例えば、表面の中心線平均粗さ(Ra)が7〜11μmである研磨パッド(特許文献1)、平均気泡径100〜300μmの独立気泡を有する研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合が10%以下である研磨パッド(特許文献2)が知られている。
しかし、これらの研磨パッドは、被研磨物の欠陥(ディフェクト)の発生を十分に低減できない。ディフェクト率の低減は、デバイス平坦化の究極の目標であり、この目標の達成は、デバイスの微細化が今後不可欠な時代へ向かい一層重要になる。
また、これらの研磨パッドは、低圧で利用されるため、中〜高圧下での研磨よりも研磨レートが低いものであるが、研磨中の摩擦熱により被研磨物の温度が徐々に上昇すると、スラリーの化学的作用が活性化し、研磨レートが向上する傾向がみられる。しかし、研磨パッドの表面温度は面内で不均一となりやすく、被研磨物面内で研磨レート斑が生じ、平坦化特性(ディッシングやエロージョン)が低下するという問題があり、研磨安定性は未だに十分ではない。
特開2012−238692号公報 特許第5145683号公報
従って、本発明の第1の目的は、被研磨物の欠陥(ディフェクト)の発生を著しく低減できる研磨パッド及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、研磨安定性に優れた研磨パッド及びその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、ディフェクトの抑制と研磨安定性とを両立できる研磨パッド及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、低圧[例えば、2.5psi(17kPa)以下]での研磨加工において、
(1)研磨凝集物などの異物が発生したとき、大きな圧力[例えば、2.5psi(17kPa)を超える圧力]が研磨パッドに負荷されるが、従来の研磨パッドは前記負荷圧で正の熱膨張を示すため、異物に対して反発してディフェクトが発生し易いこと、前記負荷圧で負の熱膨張を示す研磨パッドを用いれば、圧縮変形により異物を研磨パッド側に取り込みやすくディフェクトの発生を著しく低減できること、及び
(2)研磨圧領域[例えば、1.0psi(6.9kPa)〜2.5psi(17kPa)]における研磨パッドの変形量(歪定数)を特定の範囲に調節すれば、摩擦抵抗を所望の範囲内に収めて、被研磨物面内での研磨レート班を抑制できると共に、高い平坦性を付与でき、研磨安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
具体的には、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドであって、前記発泡ウレタンシートが、温度40〜50℃で2.5psi(17kPa)を超える圧力を負荷したとき、負の熱膨張(正の熱収縮)を示す、前記研磨パッド。
[2]発泡ウレタンシートが、温度40〜50℃で1.0psi(6.9kPa)未満の圧力を負荷したとき、正の熱膨張を示す、[1]記載の研磨パッド。
[3]発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドであって、前記発泡ウレタンシートが、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、45〜150μm/psiの歪定数を有する、前記研磨パッド。
[4]発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドの製造方法であって、ウレタン樹脂を溶解可能な有機溶媒に溶解してウレタン樹脂含有溶液を調製する工程(a)と、前記ウレタン樹脂含有溶液を基材に塗布する工程(b)と、前記ウレタン樹脂含有溶液が塗布された基材を凝固液に浸漬する工程(c)と、前記基材上で凝固して得られた発泡ウレタンシートをエンボス加工する工程(e)とを含んでおり、前記工程(a)において、ウレタン樹脂のモジュラスが、5MPa以下であり、前記工程(c)において、凝固液温度が35℃未満である、研磨パッドの製造方法。
本発明の研磨パッドは、2.5psiを超える圧力を負荷したとき負の熱膨張を示すため、被研磨物のディフェクトの発生を著しく低減できる。従って、円滑な製造工程に支障をきたす種々の問題[例えば、配線の傷による抵抗の増加、断線、low−k膜(低誘電率膜)などの層間絶縁膜の損傷]を解決することができる。また、本発明の研磨パッドは、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき所定の歪定数を有するため、研磨レートのバラツキを抑制できると共に高い平坦性を付与でき、研磨安定性を向上することができる。
図1は、実施例で作製した研磨パッドAの断面図である。 図2は、実施例で作製した研磨パッドBの断面図である。 図3は、実施例で作製した研磨パッドA〜Dに圧力0.8psi(5.5kPa)を負荷したときの温度と伸度との関係を示すグラフである。 図4は、実施例で作製した研磨パッドA〜Dに圧力2.6psi(18kPa)を負荷したときの温度と伸度との関係を示すグラフである。
<研磨パッド>
(1)第1の態様の特色
本発明の研磨パッドの第1の態様は、発泡ウレタンシート(研磨層)を表面に備えており、前記発泡ウレタンシートは、温度40〜50℃で2.5psi(17kPa)を超える圧力を負荷したとき、負の熱膨張を示す。
上記の温度範囲は、研磨温度を意味する。低圧では研磨レートが低下するため、研磨温度を高くして研磨レートを増大させるが、本発明では、このような比較的高い研磨温度において所望の熱膨張を示すことを特色とする。また、上記の圧力範囲は、研磨凝集物などの異物が発生したときに局所的に発泡ウレタンシートに負荷される圧力を意味する。上記の圧力範囲は、2.5psiを超える範囲であれば特に制限されないが、例えば、2.5psiを超えて4psi以下であってもよく、2.5psiを超えて3.5psi以下(例えば、2.6〜3psi)であってもよい。
「熱膨張」とは、熱により発泡ウレタンシートが膨張する現象であり、荷重を加えながら温度を変化させた場合に発泡ウレタンシートの厚みがどの程度伸長するかどうかを指標として正負を決定する。より具体的には、熱膨張が、正か負のいずれであるかは、慣用の測定装置、例えば、熱機械分析装置を用いて、所定の荷重を加えたときの各温度における伸度を測定し、該測定結果から作成される温度−伸度変化曲線により確認することができる。
本発明では、発泡ウレタンシートは、研磨温度において、研磨凝集物などの異物が生じて高い圧力(2.5psiを超える圧力)が負荷されると、負の熱膨張を示し熱膨張が抑制され、被研磨物側ではなく発泡ウレタンシート側に異物を取り込むことができるため、被研磨物のディフェクトの発生を著しく抑制できる。
発泡ウレタンシートは、研磨レートの低下を抑制する点などから、温度40〜50℃で極低圧[例えば、1.0psi(6.9kPa)未満、好ましくは0.1〜0.9psi]の圧力を負荷したとき、正の熱膨張を示すことが好ましい。
発泡ウレタンシートの温度40〜50℃での熱膨張は、金属配線層(銅配線層など)及び層間絶縁膜(low−k膜)などの研磨加工における実用的な研磨圧領域(例えば、1.0〜2.5psi)において、正と負とが逆転する挙動を示すのが好ましい。具体的には、1.0psi未満では正の熱膨張を示し、1.0〜2.5psiでは正又は負の熱膨張を示し、2.5psiを超えると負の熱膨張を示すことが好ましい。
(2)第2の態様の特色
本発明の研磨パッドの第2の態様は、発泡ウレタンシート(研磨層)を表面に備えており、前記発泡ウレタンシートは、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、45〜150μm/psiの歪定数を有する。なお、歪定数は、室温(例えば、温度20℃)で測定する。
「歪定数」とは、所定の荷重を加えた場合に発泡ウレタンシートの厚みがどの程度変化するかの指標である。歪定数は、慣用の測定装置、例えば、マイクロオートグラフを用いて、圧縮量(歪み)と圧縮荷重とを測定し、該測定結果から作成される応力−歪曲線に基づいて接線の傾きの逆数を求めることにより算出できる。
発泡ウレタンシートの歪定数は、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、好ましくは48〜140μm/psi、より好ましくは50〜130μm/psiである。発泡ウレタンシートの歪定数が、上記範囲内にあると摩擦抵抗を所望の範囲内に収めることができ、研磨安定性に優れる。歪定数が小さすぎると、被研磨物面内で研磨レート斑が大きくなりやすく、研磨安定性が低下する傾向にある。歪定数が大きすぎると研磨パッドの変形量が大きくなりやすく、被研磨物の平坦性が悪化してしまい、やはり研磨安定性が低下する傾向にある。
(3)第3の態様の特色
本発明の研磨パッドの第3の態様は、第1の態様の特色と第2の態様の特色とを兼ね備えたものである。より具体的には、第3の態様は、発泡ウレタンシート(研磨層)を表面に備えており、前記発泡ウレタンシートは、温度40〜50℃で2.5psiを超える圧力を負荷したとき、負の熱膨張を示し、かつ1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、45〜150μm/psiの歪定数を有する。上記の態様によれば、ディフェクトの抑制と研磨安定性とを両立させることができる。さらに、上記の態様において、発泡ウレタンシートは、温度40〜50℃で1.0psi未満の圧力を負荷したとき、正の熱膨張を示すことが好ましい。
(4)第1〜第3の態様に共通する構成
発泡ウレタンシートは、上記の熱膨張及び/又は上記の歪定数を有する限り、特に制限されるものではなく、発泡ウレタンシートを構成するウレタン樹脂は、種々のものを使用できる。以下、ウレタン樹脂の重合成分、すなわち、ポリイソシアネート化合物及びポリオール化合物について説明する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。ポリイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート[例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート]、脂環族ポリイソシアネート[例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ビス(イソシアナトフェニル)メタン、ノルボルナンジイソシアネート、トリメチルイソシアナトシクロヘキサン]、芳香族ポリイソシアネート[例えば、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)プロパン、トリイソシアナトメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート]、これらの誘導体(例えば、ダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート)が例示できる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリイソシアネート化合物のうち、ジイソシアネート化合物が好ましく、中でも、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが好ましい。
ポリオール化合物としては、分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有していれば特に制限されるものではない。ポリオール化合物としては、脂肪族ポリオール[例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのアルカンジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのアルカンポリオール]、脂環族ポリオール[例えば、シクロヘキサンジオールなどのシクロアルカンジオール;水添ビスフェノールAなどの水添ビスフェノール類]、芳香族ポリオール[例えば、ビスフェノールAなどのビスフェノール類;キシリレングリコール]、ポリエーテルポリオール[例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール]、ポリエステルポリオール[例えば、エチレングリコールとアジピン酸との反応生成物、ブチレングリコールとアジピン酸との反応生成物]、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオールなどが例示できる。これらのポリオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオールのうち、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。
これらのポリイソシアネート化合物及びポリオール化合物を重合成分とするウレタン樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのウレタン樹脂のうち、ポリエーテル系ウレタン樹脂(ポリオール化合物としてポリエーテルポリオールを用いたもの)、ポリエステル系ウレタン樹脂(ポリオール化合物としてポリエステルポリオールを用いたもの)が好ましく、中でも、ポリエステル系ウレタン樹脂が好ましい。
発泡ウレタンシートを構成するウレタン樹脂のモジュラスは、特に制限されるものではないが、ディフェクト率を低減する点から、例えば、5MPa以下、好ましくは1〜4MPa(例えば、1.5〜3.5MPa)、さらに好ましくは1.8〜3.3MPa(例えば、2〜3MPa)である。モジュラスとは、樹脂の硬さを表す指標であり、無発泡の樹脂シートを100%伸長したとき(元の長さの2倍に伸長したとき)に掛かる荷重を単位面積で割った値である。モジュラスは、ウレタン樹脂の重合成分の種類及び割合などにより適宜調節することができるが、モジュラスを低減させると、上記の熱膨張を示す発泡ウレタンシートを形成しやすい。
発泡ウレタンシートを構成するウレタン樹脂の熱機械分析により得られる荷重時に厚みが下がる軟化温度は、特に制限されるものではないが、1psi未満の圧力下では、50℃を超える範囲(例えば、80〜160℃、好ましくは100〜150℃)が好ましく、2.5psiを超える圧力下では、50℃以下(例えば、20〜45℃、好ましくは25〜40℃)が好ましい。このような大きな荷重領域下において圧縮変形が始まる軟化温度が低温側にシフトする発泡ウレタンシートを用いれば、研磨屑などの異物が発生して高い圧力が負荷した場合に軟らかく変形して、被研磨物のディフェクトの発生を低減することができる。
発泡ウレタンシートに含まれる気泡の形状は、特に限定されず、例えば、涙形状(例えば、厚み方向に進むにつれて漸次、径が狭まる又は拡がる形状)であってもよいが、ネック部(段差部、屈曲部などとも称する)を有する形状(例えば、厚み方向の所定位置で急激に径が狭まる又は拡がる形状)であるのが好ましい。ネック部は、気泡の任意の位置に形成されていてもよいが、気泡の底部付近に形成されることが好ましい。発泡ウレタンシートが、ネック部を有する気泡を含んでいると、あたかも折り目がついたように、積極的及び安定的にネック部近傍の気泡及び樹脂壁が変形し、研磨荷重に対する緩衝性が高まることにより、研磨加工時に研磨パッドが変形し易く、研磨時の摩擦抵抗を下げることができ、研磨安定性を高めることができる。すなわち、ネック部を有する気泡を含有させると、上記の歪定数を有する発泡ウレタンシートを形成しやすい。
図1は、本発明の研磨パッドの一例を示す断面図である。図1のaに示す気泡がネック部を有する気泡である。このように、気泡形状は、表面(研磨面)から裏面(定盤貼り付け側の面)に向かって延びる(又は垂下する)気泡であって、気泡の側壁が気泡の内側に向かって押し込まれたような形状を有する気泡であってもよい。このような形状を有していると、研磨パッドに対して研磨面側から圧力(研磨圧)が加わったときに、気泡が潰れやすくなるためか、研磨パッドの弾性を向上させることができる。
発泡ウレタンシートの表面には、エンボス凹部を形成してもよい。エンボス凹部は、ランダムに形成してもよいが、規則的(例えば、格子状、同心円状、放射状、ハニカム状)に形成してもよい。エンボス凹部の幅は、例えば、0.5〜1.5mm、好ましくは0.8〜1.2mmである。隣り合うエンボス凹部の平均中心間距離は、例えば、1〜5mm、好ましくは2〜4mmである。
発泡ウレタンシートの密度[発泡ウレタンシートの表面にエンボス凹部が形成される場合、エンボス凹部が形成される前(又はエンボス凹部が形成されていない部分)の発泡ウレタンシートの密度]は、通常、ウレタンの真密度よりも低い範囲、例えば、1.0g/cm3以下(例えば、0.5g/cm3以下)、好ましくは0.4g/cm3以下(例えば、0.3g/cm3以下)、さらに好ましくは0.25g/cm3以下(例えば、0.1〜0.2g/cm3)である。
発泡ウレタンシートは軟質であるのが好ましく、発泡ウレタンシートのショアA硬度[発泡ウレタンシートの表面にエンボス凹部が形成される場合、エンボス凹部が形成される前(又はエンボス凹部が形成されていない部分)の発泡ウレタンシートのショアA硬度]は、JIS K7311に準拠して測定したとき、例えば、5以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
発泡ウレタンシートの厚み(発泡ウレタンシートの表面にエンボス凹部が形成される場合、エンボス凹部が形成されていない部分の厚み)は、特に制限されないが、強度及び寿命の点から、例えば、0.5〜2mmである。
なお、研磨パッドは、上記の発泡ウレタンシートを表面に有している限り、特に制限されず、発泡ウレタンシート以外の層を含んでいてもよい。例えば、研磨パッドは、基材層と発泡ウレタンシートとが積層された積層体であってもよい。基材層としては、プラスチックフィルム(例えば、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂フィルム)、不織布などが例示できる。なお、基材層の厚みは、特に制限されないが、0.1〜2mmの範囲から選択できる。
<研磨パッドの製造方法>
本発明の研磨パッドは、湿式成膜法、例えば、ウレタン樹脂を有機溶媒に溶解してウレタン樹脂含有溶液を調製する工程(a)と、前記ウレタン樹脂含有溶液を基材に塗布する工程(b)と、前記ウレタン樹脂含有溶液が塗布された基材を凝固液に浸漬する工程(c)とを含む方法により、製造することができる。
工程(a)で用いるウレタン樹脂のモジュラスは、例えば、5MPa以下、好ましくは1〜4MPa(例えば、1.5〜3.5MPa)、さらに好ましくは1.8〜3.3MPa(例えば、2〜3MPa)である。モジュラスが上記の範囲にあると、所望の熱膨張及び発泡構造を有する発泡ウレタンシートを形成しやすい。
工程(a)で用いる有機溶媒は、ウレタン樹脂を溶解することができ且つ水混和性であれば特に制限されない。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。これらの有機溶媒のうち、DMF、DMAcが好ましい。
ウレタン樹脂含有溶液中のウレタン樹脂の濃度は、例えば、10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%である。上記の濃度範囲であれば、シート密度が適切な範囲に調整され、所望の発泡構造を形成することができる。
ウレタン樹脂含有溶液は、必要に応じて、さらに粘度調整用の有機溶媒を含んでいてもよい。粘度調整用の有機溶媒は、ウレタン樹脂含有溶液中のウレタン樹脂を凝固させることなく、略均一に混合又は分散できるものであれば、特に制限されない。粘度調整用の有機溶媒としては、DMFの他、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが例示できる。これらの有機溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。粘度調整用の有機溶媒の配合量は、ウレタン樹脂含有溶液100質量部に対して、例えば、10〜100質量部、好ましくは20〜60質量部である。
ウレタン樹脂含有溶液は、必要に応じて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、特に制限されないが、凝固速度を調整して所望の発泡形状を形成する点から、カーボンブラック等の顔料、疎水性活性剤等の成膜安定剤、親水性活性剤等の発泡調整剤が好ましい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の配合量は、特に制限されず、ウレタン樹脂含有溶液100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは20質量部以下(例えば、1〜15質量部)である。
工程(b)で用いる基材は、可撓性を有する材料であればよく、例えば、プラスチックフィルム(例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムなど)、不織布などが挙げられる。
工程(b)において、ウレタン樹脂含有溶液を塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、慣用のコーター(ナイフコーター、リバースコータ、ロールコータなど)を用いて塗布する方法が挙げられる。塗布厚みは、所定の発泡構造を形成する点から、例えば、0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mm、さらに好ましくは1.2〜1.8mmである。
工程(c)で用いる凝固液は、ウレタン樹脂に対する貧溶媒(水など)を主成分とする。凝固液としては、例えば、水、水と極性溶媒(例えば、DMF、DMAc、THF、DMSO、NMP、アセトンなど)との混合溶液などが挙げられる。なお、混合溶液中の極性溶媒の濃度は、0.5〜30質量%が好ましい。このような凝固液に、ウレタン樹脂含有溶液が塗布された基材を浸漬すると、塗布層の表面にスキン層が形成され、有機溶媒(及び調整用有機溶媒)と凝固液とが置換することにより、スキン層の内側(ウレタン樹脂中)に気泡が生成する。
凝固液の温度は、例えば、35℃未満(例えば、33℃以下)、好ましくは10〜30℃、さらに好ましくは15〜25℃である。モジュラスが10Mpaより小さい低モジュラス樹脂を使用し、凝固液の温度が上記の範囲にあると、縦長の発泡が形成し易く、該発泡を含むウレタンシートをエンボス加工することにより、ネック部を有する気泡が形成され易い。凝固液に浸漬する時間は、特に制限されるものではないが、例えば、10〜120分、好ましくは20〜60分である。
基材上で凝固して得られた発泡ウレタンシート中の気泡の形態は、特に制限されないが、縦長であるのが好ましい。前記気泡の長さは、例えば、前記シートの厚みを100としたとき、70以上、好ましくは80以上、さらに好ましくは85以上(例えば、90〜99)である。このような縦長の気泡を含むシートをエンボス加工することにより、ネック部を有する気泡を形成しやすい。
本発明の研磨パッドの製造方法は、さらに、基材上で凝固して得られた発泡ウレタンシートを、必要により基材から剥離した後、洗浄及び乾燥する工程(d)を含んでいてもよい。洗浄により、ウレタン樹脂中に残留する有機溶媒が除去される。洗浄に用いられる洗浄液は、通常、水が使用される。乾燥は、通常、80〜150℃で5〜60分程度行う。
本発明の研磨パッドの製造方法は、さらに、基材上で凝固して得られた発泡ウレタンシートを、必要により基材から剥離した後、表面処理する工程(e)を含んでいてもよい。表面処理としては、研削処理、エンボス加工などが挙げられる。
研削処理(バフ処理)の方法は、特に制限されず、例えば、サンドペーパーによる方法が挙げられる。研削処理(バフ処理)する面は、研磨面(スキン層側の面)と非研磨面(定盤貼り付け側の面)の何れか一方でも両方でもよい。研削処理量(バフ処理量)は、所望の表面形状に応じて、例えば、0.05〜0.3mm、好ましくは0.1〜0.2mmである。
エンボス加工において、加工温度及び加工圧力は特に制限されるものではないが、加工温度は、例えば、100〜200℃、好ましくは120〜180℃であり、加工圧力は、例えば、3〜6MPa、好ましくは4〜5MPaである。加工時間も特に制限されないが、例えば、30〜300秒、好ましくは60〜180秒である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の説明において、「部」は、特段の言及がない限り、「質量部」を意味する。また、各略号は、慣用の意味で用いられる。代表的な略号及びその意味は次の通りである。
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
[研磨パッドの作製]
(研磨パッドA)
30質量%のポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:3MPa)のDMF溶液100質量部に対して、粘度調整用のDMFの70部を混合し樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液を用い、基材に樹脂溶液を塗布するときの塗布厚を1.60mmとして形成された成膜基材を、温度20℃の凝固液(水)中に30分浸漬することにより、成膜基材上に発泡ウレタンシートを作製した。成膜基材を剥離して得られた発泡ウレタンシートのスキン層側をバフ処理量0.15mmとしバフ番手♯180のサンドペーパーを使用してバフ処理を行った後、支持基材として厚み188μmのポリエチレンテレフタレート製の基材を貼りつけ、溝幅を1mm、溝間隔を3mmとした断面矩形状で格子パターンの溝を、エンボス加工(加工圧力4.5MPa、加工(金型)温度145℃、加工時間120秒)により形成した。エンボス加工がされていない面に研磨定盤に固定するための両面テープを貼り合わせて研磨パッドAを製造した。
(研磨パッドB)
30質量%のポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:3.5MPa)のDMF溶液100質量部に対して、粘度調整用のDMFの43部を混合し樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液を用い、基材に樹脂溶液を塗布するときの塗布厚を1.30mmとして形成された成膜基材を、温度35℃の凝固液(水)中に30分浸漬することにより、成膜基材上に発泡ウレタンシートを作製した。成膜基材を剥離して得られた発泡ウレタンシートのスキン層側をバフ処理量0.12mmとしバフ番手♯180のサンドペーパーを使用してバフ処理を行った後、支持基材として厚み188μmのポリエチレンテレフタレート製の基材を貼りつけ、溝幅を1mm、溝間隔を3mmとした断面矩形状で格子パターンの溝を、エンボス加工(加工圧力4.5MPa、加工(金型)温度145℃、加工時間120秒)により形成した。エンボス加工がされていない面に研磨定盤に固定するための両面テープを貼り合わせて研磨パッドBを製造した。
(研磨パッドC)
30質量%のポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:6.0MPa)のDMF溶液100質量部に対して、親水性添加剤の4.6部、疎水性活性剤の2部、カーボンブラック7.5質量%を含む粘度調整用のDMFの47部を混合し樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液を用い、基材に樹脂溶液を塗布するときの塗布厚を1.60mmとして形成された成膜基材を、温度20℃の凝固液(水)中に75分浸漬することにより、成膜基材上に発泡ウレタンシートを作製した。成膜基材を剥離して得られた発泡ウレタンシートのスキン層側をバフ処理量0.10mmとしバフ番手♯180のサンドペーパーを使用してバフ処理を行った後、支持基材として厚み188μmのポリエチレンテレフタレート製の基材を貼りつけ、溝幅を1mm、溝間隔を3mmとした断面矩形状で格子パターンの溝を、エンボス加工(加工圧力4.5MPa、加工(金型)温度145℃、加工時間120秒)により形成した。エンボス加工がされていない面に研磨定盤に固定するための両面テープを貼り合わせて研磨パッドCを製造した。
(研磨パッドD)
30質量%のポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:5.4MPa)のDMF溶液100質量部に対して、粘度調整用のDMFの55部を混合し樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液を用い、基材に樹脂溶液を塗布するときの塗布厚を1.50mmとして形成された成膜基材を、温度35℃の凝固液(水)中に30分浸漬することにより、成膜基材上に発泡ウレタンシートを作製した。成膜基材を剥離して得られた発泡ウレタンシートのスキン層側をバフ処理量0.12mmとしバフ番手♯180のサンドペーパーを使用してバフ処理を行った後、支持基材として厚み188μmのポリエチレンテレフタレート製の基材を貼りつけ、溝幅を1mm、溝間隔を3mmとした断面矩形状で格子パターンの溝を、エンボス加工(加工圧力4.5MPa、加工(金型)温度145℃、加工時間120秒)により形成した。エンボス加工がされていない面に研磨定盤に固定するための両面テープを貼り合わせて研磨パッドDを製造した。
[断面の観察]
研磨パッドA〜Dの断面を顕微鏡を用いて観察したところ、研磨パッドA及びCにはネック部を有する気泡(図1のaに示すような気泡)が見られたが、研磨パッドB及びDにはネック部を有する気泡は見られなかった。
[密度及びショアA硬度の測定]
エンボス加工前の研磨パッドA〜Dから切り出した発泡ウレタンシートの密度及びショアA硬度を、以下の方法により測定した。
(密度)
密度は、研磨パッドから発泡ウレタンシート試料片(10cm×10cm)を切り出し、該試料片の質量を自動天秤で測定後、下記式:
密度(g/cm3)=質量(g)/(10(cm)×10(cm)×試料片の厚さ(cm))
により算出して求めた。
(ショアA硬度)
ショアA硬度は、研磨パッドから発泡ウレタンシート試料片(10cm×10cm)を切り出し、複数枚の該試料片を厚さが4.5mm以上となるように重ね、A型硬度計(日本工業規格、JIS K7311)にて測定した。
エンボス加工前の研磨パッドA〜Dから切り出した発泡ウレタンシートの密度及びショアA硬度の測定結果を以下の表1に示す。
[熱膨張及びディフェクト性の測定]
研磨パッドA〜Dの熱膨張及びディフェクト性を以下の方法により測定した。
(熱膨張)
研磨パッドA〜Dを、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製の熱機械分析装置「RSAIII」を用いて、幅8mm×長さ12mm(研磨パッドA〜Dではエンボス加工を有し、エンボス後の凸部が6つ入るサイズに相当する)に切り出し、エンボス加工された面に30g(圧力として0.8psi)の圧縮荷重をかけ、昇温速度5℃/分にて−60℃から150℃まで昇温し、温度−伸度変化曲線を作図し、この曲線において、研磨温度相当の温度領域40〜50℃範囲での熱膨張を測定し、負(収縮)又は正(膨張)のどちらであるか確認した。新たに切り出した試料片にて荷重を100g(圧力として2.6psi)に変更して同じ測定を行った。なお、試料片は、エンボスサイズや形状に応じて凸部の数や面積を調整すればよく、本測定では、凸部が部分的に包含された試料片ではなく、凸部が完全に包含された試料片を利用した。
(ディフェクト性)
研磨パッドA〜Dを用いてディフェクトの評価を行った。ディフェクトの評価では、25枚のTEOS付きシリコンウエハの研磨加工(研磨安定性と同じ加工条件)を行い、研磨加工後の25枚目のシリコンウエハ1枚について、パターンなしウエハ表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP1DLS)の高感度測定モードにて欠陥を測定し、基板表面におけるディフェクトを評価した。測定時には、0.16μm以上の欠陥を検出可能なモードであるWide(ワイド)、0.20μm以上の欠陥を検出可能なモードであるNarrow(ナロー)の2つの条件で測定した。ディフェクトの評価結果を表2に合わせて示している。表2におけるディフェクト欄中、Wideは0.16μm以上、Narrowは0.20μm以上のサイズの欠陥について測定した結果である。
研磨パッドA〜Dの熱膨張及びディフェクト性の評価結果を以下の表2に示す。
表2の結果から明らかな通り、研磨パッドAは、2.6psiの圧力を負荷したとき負の熱膨張を示すため、ディフェクトが最も少なかった。これに対して、研磨パッドB〜Dは、2.6psiの圧力を負荷したとき正の熱膨張を示すため、ディフェクトが多く発生した。
[歪定数及び研磨安定性の測定]
研磨パッドA〜Dの歪定数及び研磨安定性を以下の方法により測定した。
(歪定数)
研磨パッド片を8mm×12mm(研磨パッドA〜Dではエンボスを有し、エンボス後の凸部が6つ入るサイズに相当する)に切り出し、歪定数測定用試料とし、マイクロオートグラフ(島津製作所社製、MST−1)を用いて、温度20℃、圧縮速度0.1mm/分、直径20mmの円形状の加圧板(圧子)、にて圧縮量と荷重を測定した。具体的にはY軸を圧縮荷重、X軸をストローク長とした応力−歪曲線(多項式近似曲線)を作成し、1.0、1.5、2.0、2.5psiにおける接線を引き、傾きの逆数から歪定数を求めた。
(研磨安定性)
研磨パッドA〜Dを、研磨機((株)荏原製作所製“F−REX300”)の定盤に貼り付けた。low−k材料としてCVDにより厚さ800nmのSiOC層を成膜したウエハを使用し、加工圧力2.5psi、定盤回転数/研磨ヘッド回転数=70/71rpm、スラリー[キャボット社製、SS−25(KOH,pH11,Silica 12.5wt%)]を純水で1:2に希釈して200mL/分の流量で流し、3M社製ドレッサーで研磨時間の条件で60秒間研磨した。25枚のTEOS付きシリコンウエハを準じ研磨し、研磨加工前後の基板の絶縁膜について121箇所の研磨加工前後の厚み測定結果から、研磨安定性を研磨量(厚さ)のバラツキ(標準偏差÷平均値)(%)より算出し、研磨安定性が10%以内であるものを○、研磨安定性が10%を越えるものを×と評価した。
研磨パッドA〜Dの歪定数及び研磨安定性の評価結果を以下の表3に示す。
表3の結果から明らかな通り、研磨パッドA及びCは、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したときの歪定数が大きいため、研磨安定性が高い。これに対して、研磨パッドB及びDは、同じ圧力を負荷したときの歪定数が小さいため、研磨安定性が低い。
本発明の研磨パッドは、低圧での研磨において、被研磨物のディフェクトの発生を著しく低減すること、及び/又は、研磨安定性を向上することが可能である。そのため、本発明の研磨パッドは、種々の被研磨物、例えば、配線層(45nm以下の配線間隔で配線された配線層など)、層間絶縁膜(low−k膜など)などを研磨(例えば、仕上研磨)するために好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドであって、
    前記発泡ウレタンシートが、温度40〜50℃で2.5psi(17kPa)を超える圧力を負荷したとき、負の熱膨張を示す、前記研磨パッド。
  2. 発泡ウレタンシートが、温度40〜50℃で1.0psi(6.9kPa)未満の圧力を負荷したとき、正の熱膨張を示す、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドであって、
    前記発泡ウレタンシートが、1.0〜2.5psiの圧力を負荷したとき、45〜150μm/psiの歪定数を有する、前記研磨パッド。
  4. 発泡ウレタンシートを表面に備えた研磨パッドの製造方法であって、
    ウレタン樹脂を溶解可能な有機溶媒に溶解してウレタン樹脂含有溶液を調製する工程(a)と、前記ウレタン樹脂含有溶液を基材に塗布する工程(b)と、前記ウレタン樹脂含有溶液が塗布された基材を凝固液に浸漬する工程(c)と、前記基材上で凝固して得られた発泡ウレタンシートをエンボス加工する工程(e)とを含んでおり、
    前記工程(a)において、ウレタン樹脂のモジュラスが、5MPa以下であり、
    前記工程(c)において、凝固液温度が35℃未満である、研磨パッドの製造方法。
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