JP2018065066A - 防食剤供給装置及び端子付電線の製造方法 - Google Patents

防食剤供給装置及び端子付電線の製造方法 Download PDF

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Yoshiaki Tabata
佳昭 田幡
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Noritaka OKAHASHI
憲孝 岡橋
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岳士 廣瀬
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Abstract

【課題】端子付電線における電線と端子との接続部分に、温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤を供給するのに適した技術及び前記技術を適応する防食剤供給装置の提供。【解決手段】防食剤供給装置の供給部40は、防食剤18Bを収容する収容部44と、収容部44に収容された防食剤18Bを吐出する吐出部42と、を含む吐出機構41と、吐出機構41を加熱する供給部加熱部82と、を備え、例えば、吐出機構41が、収容部44と吐出部42とを連絡する連絡通路45をさらに含み、供給部加熱部82が、連絡通路45から吐出部42に至る部分の周囲に当接して加熱を行う、防食剤供給装置。【選択図】図8

Description

この発明は、端子付電線における端子と電線との接続部分に防食剤を供給して防食処理を行う技術に関する。
特許文献1は、端子付電線における電線と端子との接続部分に流動状態にある光硬化性の防食剤を供給する技術を開示している。
特開2015−153717号公報
ところで、防食剤として温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤を用いることがある。このような防食剤を用いる場合、光硬化性の防食剤を用いる場合に比べて防食剤を供給している最中に防食剤が硬化してしまう恐れが高まる。防食剤を供給している最中に防食剤が硬化してしまうと、供給された防食剤が所望の範囲に広がらないなどによって、製品が不良となってしまう恐れがある。
そこで、本発明は、端子付電線における電線と端子との接続部分に、温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤を供給するのに適した技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る防食剤供給装置は、防食剤を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記防食剤を吐出する吐出部と、を含む吐出機構と、前記吐出機構を加熱又は冷却可能な熱機構と、を備える。
第2の態様に係る防食剤供給装置は、第1の態様に係る防食剤供給装置であって、前記吐出機構は、前記収容部と前記吐出部とを連絡する連絡通路をさらに含み、前記熱機構は、前記連絡通路から前記吐出部に至る部分の周囲に当接して加熱又は冷却を行う。
第3の態様に係る防食剤供給装置は、第1又は第2の態様に係る防食剤供給装置であって、前記防食剤は、車両使用環境下の温度で粘性を有すると共に加熱により粘度が低下する部材であり、前記熱機構は、前記吐出機構を加熱可能である。
第4の態様に係る防食剤供給装置は、第3の態様に係る防食剤供給装置であって、前記防食剤は、第1温度と前記第1温度よりも高い第2温度との間で急激に粘性が低下し、前記熱機構は、吐出される前記防食剤の温度が前記第1温度と前記第2温度との間の温度となるように前記吐出機構を加熱する。
第5の態様に係る端子付電線の製造方法は、電線と端子との接続部分に防食処理が施された端子付電線の製造方法であって、(a)防食剤を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記防食剤を吐出する吐出部と、を含む吐出機構を加熱又は冷却する工程と、(b)加熱又は冷却された前記吐出機構から前記接続部分に前記防食剤を供給する工程と、を備える。
第1から第4の態様によると、吐出機構を加熱又は冷却することで吐出機構から吐出される防食剤の温度を調節することができ、吐出される防食剤が供給中に硬化してしまうことを抑制することができる。このため、供給された防食剤が所望の範囲に広がることが可能となり、もって製品が不良となる恐れを低減できる。従って、当該防食剤供給装置は、端子付電線における電線と端子との接続部分に温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤を供給するのに適する。
特に、第2の態様によると、吐出される直前まで防食剤を加熱又は冷却することができる。
特に、第3の態様によると、加熱により粘度が低下する防食剤に適した防食剤供給装置を提供することができる。
特に、第4の態様によると、防食剤が広がり可能な程度に十分に粘性が低下した状態であって、低下しすぎない状態で、防食剤を供給することができる。
第5の態様によると、加熱又は冷却された吐出機構から接続部分に防食剤が供給されるため、防食剤の供給中に防食剤が硬化することが抑制される。このため、供給された防食剤が所望の範囲に広がることが可能となり、もって製品が不良となる恐れを低減できる。従って、当該端子付電線の製造方法は、端子付電線における電線と端子との接続部分に温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤を供給するのに適する。
製造対象となる端子付電線を示す概略側面図である。 製造対象となる端子付電線を示す概略平面図である。 端子を示す概略斜視図である。 防食剤の温度と粘性との関係を表すグラフである。 実施形態に係る防食剤供給装置を示す概略斜視図である。 実施形態に係る防食剤供給装置を示す概略側面図である。 実施形態に係る防食剤供給装置を示す部分概略平面図である。 供給部及び検知部を示す説明図である。 防食剤供給装置を用いた端子付電線の製造工程の流れを説明する図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線に対する防食剤の供給位置の例を示す説明図である。 端子付電線に対する防食剤の供給位置の別の例を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 端子付電線の製造工程を示す説明図である。 変形例に係る防食剤供給装置を示す概略平面図である。
{実施形態}
以下、実施形態に係る防食剤供給装置及び端子付電線の製造方法について説明する。
<端子付電線>
まず製造対象となる端子付電線について図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1は、製造対象となる端子付電線10を示す概略側面図である。図2は、製造対象となる端子付電線10を示す概略平面図である。図3は、端子20を示す概略斜視図である。
この端子付電線10は、電線12と、端子20と、防食被膜18とを備える。
電線12は、芯線13と、芯線13を覆う被覆14とを備える。芯線13は、線状の導体であり、ここでは、複数の素線が撚り合わされることによって芯線13が形成されている。被覆14は、樹脂等の絶縁材料によって形成されている。被覆14は、例えば、芯線13の周りに軟化した樹脂を押出被覆等することによって形成される。
また、電線12の端部では、所定長の被覆14が芯線13から皮剥されている。これにより、電線12の端部に、芯線13が所定長に亘って露出する露出芯線部13aが設けられる。
端子20は、導電性板材である金属板材をプレス加工等することにより形成された部材であり、相手側の電気的接続要素としての相手側導体Cと直接接触する相手側接続部28とその相手側接続部28と繋がる電線接続部22とを備える。
電線接続部22は、先端側連結部23、芯線圧着部24、中間連結部25及び被覆圧着部26を備える。これらの先端側連結部23、芯線圧着部24、中間連結部25及び被覆圧着部26は、直線方向に沿って一列に並んで形成されている。なお、本実施形態では、本端子20において、相手側接続部28側を端子20の先端側、電線接続部22側を端子20の基端側として説明する。
被覆圧着部26は、かしめられることにより、電線12の被覆14の端部に圧着される部分である。被覆圧着部26は、底板部26aと、その底板部26aの両側に立設されて対向する一対の被覆圧着片26bとを備えている。図3に示す例では、一対の被覆圧着片26bは、底板部26aに垂直に立設されているが、必ずしもその必要はない。例えば、一対の被覆圧着片26bのうち本端子20の先端側の縁部は、各被覆圧着片26bの立設方向先端側に向けて端子20の基端側に傾斜する形状に形成されていることも考えられる。
中間連結部25は、被覆圧着部26と芯線圧着部24とを繋ぐ部分である。中間連結部25は、底板部25aと、その底板部25aの両側に立設されて対向する一対の側壁部25bとを備える。
芯線圧着部24は、かしめられることにより、露出芯線部13aに圧着される部分である。芯線圧着部24は、底板部24aと、その底板部24aの両側に立設されて対向する一対の芯線圧着片24bとを備える。なお、本実施形態では、一対の芯線圧着片24bが対向する方向が端子20の幅方向であるとして説明する。また、底板部24aに対して一対の芯線圧着片24bが立設された方向が端子20の高さ方向であるとして説明する。
先端側連結部23は、芯線圧着部24と相手側接続部28とを繋ぐ部分である。先端側連結部23は、底板部23aと、その底板部23aの両側に立設されて対向する一対の側壁部23bとを備える。
電線接続部22における各底板部23a、24a、25a、26aは、全体として板状に連なる形状に形成されている。また、電線接続部22における幅方向の一方の側の側壁部23b、芯線圧着片24b、側壁部25b、被覆圧着片26bは、全体として板状に連なる形状に形成されている。同様に、電線接続部22における幅方向の他方の側の側壁部23b、芯線圧着片24b、側壁部25b、被覆圧着片26bも、全体として板状に連なる形状に形成されている。また、電線12に対してかしめられる(曲げられる)部分である被覆圧着部26の被覆圧着片26b及び芯線圧着部24の芯線圧着片24bは、中間連結部25及び先端側連結部23の各々の側壁部25b、23bよりも高さ方向において長く形成されている。
また、相手側接続部28は、相手側の電気的接続要素としての相手側導体Cと直接接触し、相手側導体Cに接続される部分(端子接続部)である。ここでは、相手側接続部28は、相手側端子C1が嵌め入れられる孔である端子挿入孔28hが形成された筒状の部分である。本実施形態では、相手側接続部28は、角筒状に形成されており、内部に相手側端子C1と接触して弾性変形する接触片29が設けられている。
ここでは、相手側接続部28が筒形状の端子形状(いわゆるメス端子形状)に形成された例で説明するが、相手側接続部28は、細長棒状又は細長板状の端子形状(いわゆるオス端子形状)を含む形状に形成されていてもよい。また、相手側接続部28は、ボルト締め可能な形状、つまり平板状の本体部に貫通孔が形成された形状に形成されていてもよい。
上記端子20は次のようにして電線12の端部に接続されている。すなわち、被覆14の端部が被覆圧着部26における一対の被覆圧着片26bの間に位置し、露出芯線部13aが芯線圧着部24における一対の芯線圧着片24bの間に位置するように配置される。この状態で、被覆圧着部26の被覆圧着片26bは、底板部26a上の被覆14側(内側)へ曲げられる(かしめられる)。さらに、芯線圧着部24の芯線圧着片24bは、底板部24a上の露出芯線部13a側(内側)へ曲げられる(かしめられる)。これにより、被覆圧着部26において、底板部26aと2つの被覆圧着片26bとが被覆14の端部に圧着された状態でこれを保持し、芯線圧着部24において、底板部24aと2つの芯線圧着片24bとが露出芯線部13aに圧着された状態でこれを保持する。この際、被覆14の先端側縁部は、中間連結部25の位置に位置し、一部が側壁部25bの間から露出している。同様に、露出芯線部13aの先端側縁部は、先端側連結部23の位置に位置し、一部が側壁部23bの間から露出している。
ここで、電線12の芯線13(素線)と、端子20とは、異種の金属によって構成されている。例えば、芯線13は、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金によって構成されている。一方、端子20は、銅若しくは銅を主成分とする銅合金(黄銅等)によって構成された部材、あるいはそれらの部材に錫(Sn)メッキ若しくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金のメッキが施された部材である。従って、芯線13と端子20との接続部分では、異種金属が接触した状態となっており、この部分に塩水等の電解液が付着すると、異種金属接触腐食が発生し得る。
また、端子20と電線12との接続部分では、露出芯線部13aは次の各部で外部に露出している。すなわち、芯線圧着部24と被覆圧着部26との間で、露出芯線部13aの基端部が露出している。また、芯線圧着部24と相手側接続部28との間で、露出芯線部13aの先端部が露出している。さらに、芯線圧着部24の一対の芯線圧着片24bが露出芯線部13aにかしめられた状態で、一対の芯線圧着片24bの先端部間に隙間が生じ得るため、この一対の芯線圧着片24bの間で露出芯線部13aの中間部分が露出し得る。
そこで、流動状態の防食剤18Bを、露出芯線部13aのうち芯線圧着部24に対して被覆圧着部26に露出する基端側部分Q1と、芯線圧着部24の一対の芯線圧着片24bの間の部分Q2と、露出芯線部13aのうち芯線圧着部24に対して被覆圧着部26とは反対側に露出する先端側部分Q3とに対して、供給する。そして、流動状態の防食剤18Bがそれらの各部分Q1、Q2、Q3の表面上で広がって被膜を形成し、この被膜を硬化させて(ここでは粘度を高めて)防食被膜18を形成する。すると、それらの各部分Q1、Q2、Q3が防食被膜18で被覆されるため、端子20と電線12との接続部分に電解液が付着したとしても、当該電解液は、露出芯線部13aには接しない。このため、異種金属に対して電解液が付着した状態となることが抑制され、もって、異種金属接触腐食が抑制される。なお、防食被膜18は、透明又は半透明であるが、これは必須ではない。また、防食被膜18は、有色であってもよいし、無色であってもよい。
もっとも、端子20と電線12との接続部分の大型化を抑制し、かつ、防食剤18Bの使用量を抑制するためには、微量の防食剤18Bを、なるべく広範囲に供給できるようにすることが好ましい。そこで、ここでは、流動状態の防食剤18Bを、各部分Q1、Q2Q3に対して供給する際に、それらの部分の少なくとも1つの部分では、流動状態の防食剤18Bを点状に供給する。すなわち、流動状態の防食剤18Bを連続して供給するのではなく、断続的かつ部分的に上記各部分Q1,Q2、Q3上に供給していく。点状に供給された流動状態の防食剤18Bは、自己の粘度、露出芯線部13aに対する防食剤18Bの濡れ性等に応じて、露出芯線部13aの表面上にも広がる。そして、異なる箇所において点状に供給された防食剤18B同士が繋がって連続する被膜を形成する。この被膜が硬化する(粘度が高まる)ことで、露出芯線部13aのうち接続部分から露出する部分Q1、Q2、Q3に、上記防食被膜18を形成することができる。
なお、防食剤18Bは、Q1、Q2、Q3の周囲において、電線接続部22の表面上にも広がっていてもよい。もっとも、防食剤18Bが電線接続部22の表面上に広がる領域はなるべく小さいことが好ましい。
ここでは、防食剤18Bとして、温度によって粘度の大きさの変化が生じる防食剤18Bを用いるものとして説明する。特にここでは、摂氏137度程度で広がり可能な程度に十分に粘性が低下する防食剤18Bが用いられるものとして説明する。図4は、防食剤18Bにおける温度と粘性との関係を表すグラフである。図4に示すように、防食剤18Bは、摂氏120度(第1温度)と摂氏137度(第2温度)との間で急激に粘性が低下する。より詳細には、摂氏120度と摂氏137度との間の領域での曲線の勾配(単位温度上昇当たりの粘性低下度合い)が、摂氏120度より小さい領域又は摂氏137度より大きい領域での曲線の勾配(単位温度上昇当たりの粘性低下度合い)よりも大きい。
このように、防食剤18Bとして、温度によって粘度の大きさの変化又は固相液相間の相変化が生じる防食剤18Bを用いる場合、光硬化性の防食剤18Bなどと比べて供給中に防食剤18Bが硬化又は粘度上昇しやすい。特に、上記のように点状に防食剤18Bを供給すると、防食剤18Bの温度が変化しやすくなるため、供給中に防食剤18Bが硬化又は粘度上昇しやすい。そして、供給中に防食剤18Bが硬化又は粘度上昇すると、異なる箇所において点状に供給された防食剤18B同士が繋がって連続する被膜を形成することが難しくなる。従って、本実施形態に係る防食剤供給装置は、供給中に防食剤18Bが硬化又は粘度上昇を生じにくくすることで、良好に防食被膜18が形成された端子付電線10を得ることができるようになっている。
<防食剤供給装置>
次に、防食剤供給装置について、図5乃至図8を参照しつつ説明する。図5は、実施形態に係る防食剤供給装置30を示す概略斜視図である。図6は、実施形態に係る防食剤供給装置30を示す概略側面図である。図7は、実施形態に係る防食剤供給装置30を示す部分概略平面図である。図8は、供給部40及び検知部100を示す説明図である。
防食剤供給装置30は、第1機構32と、第2機構50と、電線搬送部90とを備える。さらに防食剤供給装置30は、第1機構32、第2機構50及び電線搬送部90の各部の動作制御を行う制御部110を備えている。
以下では、防食剤供給装置30において、電線搬送部90によって複数の端子付電線10が搬送される方向をx軸方向とする。この際、端子付電線10は、x軸方向と直交する方向に延在し、この方向をy軸方向とする。そして、x軸方向及びy軸方向に直交する方向をz軸方向とする。ここでは、z軸方向は鉛直方向に沿う方向である。
第1機構32は、搬送用チャック部34と、撮像部38と、供給部40とを含み、これらが一体に移動可能とされている。ここでは、第1機構32は、上記各部を一体的にy軸方向に移動可能に設けられたy軸方向移動機構33を含む。従って、当該y軸方向移動機構33に搬送用チャック部34と、撮像部38と、供給部40とが連結されている。搬送用チャック部34と、撮像部38と、供給部40とは、y軸方向に沿ってこの順に並んでいる。
搬送用チャック部34は、電線搬送部90と後述する電線セット部52との間で、電線12を移送する部分である。ここでは、搬送用チャック部34は、チャック部35と、z軸方向移動機構36とを含む。y軸方向移動機構33にz軸方向移動機構36が連結され、z軸方向移動機構36の先端にチャック部35が設けられている。
z軸方向移動機構36は、ここでは、z軸方向に沿った異なる3つの位置にチャック部35を移動可能に形成されている。上記3つの位置のうち第1位置は、搬送用チャック部34の標準位置であり、搬送用チャック部34が動作を行わないときは、チャック部35は第1位置に位置する。また、y軸方向移動機構33が動作する際にもチャック部35は第1位置に位置し、y軸方向移動機構33によって移動中のチャック部35が他の部材と干渉することが抑制されている。上記3つの位置のうち第2位置は、チャック部35が電線セット部52の後述する被覆チャック部58との間で電線12の受渡しをするときの位置である。上記3つの位置のうち第3位置は、チャック部35が電線搬送部90との間で電線12の受渡しをするときの位置である。ここでは、第1位置、第2位置及び第3位置がz軸方向に沿って正の側から負の側に向けてこの順に設定される。つまりここでは、電線搬送部90で搬送されている電線12よりも、電線セット部52にセットされている電線12の方がz軸方向に高く位置する。
チャック部35は、ここでは一対の挟持爪35aと、一対の挟持爪35aを開閉駆動する駆動部(図示省略)とで構成され、電線12をチャック可能に形成されている。一対の挟持爪35aは、それぞれ中間部分が凹んだ形状に形成され、電線12の延在方向に沿って異なる2箇所で電線12を挟持可能となっている。これにより、チャック部35で電線12をチャックした際の電線12の回転等が抑制される。
搬送用チャック部34を用いて電線12は、以下のように電線搬送部90又は電線セット部52との間で受け渡される。即ち、y軸方向移動機構33によってy軸方向に沿って搬送用チャック部34が電線搬送部90又は電線セット部52に応じた位置に移動する。この状態で、z軸方向移動機構36によってz軸方向に沿ってチャック部35が電線12に対応する位置に移動する。そして、この状態で、チャック部35を開閉駆動することで、電線搬送部90又は電線セット部52との間で電線12の受渡しが行われる。
撮像部38は、端子付電線10の接続部分を撮像可能に設けられている。ここでは、撮像部38は、CCDカメラ等によって構成される撮像カメラである。撮像部38としては、2次元カメラが用いられてもよいし、ステレオカメラが用いられてもよい。ここでは、前者の例で説明する。ここでは、y軸方向移動機構33によってy軸方向に沿って撮像部38が電線セット部52に応じた位置に移動する。この状態で、撮像部38が電線セット部52にセットされた端子付電線10を撮像することで、接続部分が撮像される。
供給部40は、防食剤18Bを供給可能に設けられている。供給部40は、吐出機構41と、吐出機構移動機構46とを含む。さらにここでは、供給部40の周辺には、検知部100と供給部加熱部82とが設けられている。
吐出機構41は、防食剤18Bを収容すると共に、収容した防食剤18Bの吐出を行う部分である。吐出機構41は、吐出部42と、収容部44と、を有する。
吐出部42は、防食剤18Bが吐出される部分である。ここでは吐出部42としてディスペンサが設けられているものとして説明する。ここでは、ディスペンサは、エアによる加圧を伴って一定量の防食剤18Bを吐出可能である。特にここでは、ディスペンサは、防食剤18Bを一滴ずつ吐出可能である。なお、吐出される防食剤18Bの滴(粒)の大きさは特に限定されるものではないが、端子20の幅寸法よりも小さいことが好ましい。吐出される防食剤18Bの滴の大きさは、例えば、防食剤18Bの粘度、吐出部42の吐出口の大きさ、及び加圧の程度などによって決定される。
収容部44は、筒状に形成され、吐出部42で吐出される防食剤18Bを収容しておく部分である。収容部44と吐出部42とは連絡通路45で連絡されている。従ってここでは、収容部44に収容された防食剤18Bが連絡通路45を通って吐出部42に送られ、吐出部42で加圧されて吐出される。
吐出機構移動機構46は、吐出機構41を移動可能に設けられている。ここでは、吐出機構移動機構46は、x軸方向に沿って吐出機構41を移動させるx軸方向吐出機構移動機構と、y軸方向に沿って吐出機構41を移動させるy軸方向吐出機構移動機構とを含む。吐出機構移動機構46は、防食剤18Bを点状に吐出する際に、吐出位置の位置調整を行う。従って吐出機構移動機構46は、接続部分をカバー可能な狭い範囲で吐出機構41を移動可能であればよい。例えば、x軸方向吐出機構移動機構の可動範囲は、端子20の幅寸法と同程度であればよい。また、例えば、y軸方向吐出機構移動機構の可動範囲は、端子20における先端側連結部23から被覆圧着部26までの寸法と同程度であればよく、上記y軸方向移動機構33と比べるとその可動範囲は狭くなっている。
検知部100は、吐出部42で吐出された防食剤18Bを検知可能に設けられている。図8に示す例では、検知部100は、投光部102と受光部104とを有する光センサによって構成されている。検知部100は、防食剤18Bの滴が吐出部42から吐出された後、接続部分に付着するまでの間に空中を落下している防食剤18Bの滴を検知可能に設けられている。これにより、検知部100は、吐出部42から吐出される防食剤18Bを一滴ずつ検知可能である。
供給部加熱部82は、供給部40を加熱可能に設けられている。供給部加熱部82は、吐出機構41を加熱する熱機構の一例である。ここでは、供給部加熱部82は、ヒータ等で構成され、連絡通路45から吐出部42に至る部分を含む部分に当接して当該当接部分を加熱している。なお、供給部加熱部82は、加熱する温度を複数段階に調節可能となるように制御されるものであってもよいし、オンオフの切替えのみが制御されるものであってもよい。ここでは、供給部加熱部82は、粘性を有する防食剤18Bを吐出部42が一滴ずつ吐出可能な程度に粘性を低下させることができる程度に供給部40を加熱している。
上述したように、防食剤18Bは、摂氏137度程度で接続部分に沿って十分に広がることができる。この際、供給部加熱部82は、この摂氏137度よりも若干低い温度で供給部40を加熱することが好ましい。例えば、ここでは供給部加熱部82は、吐出直前の防食剤18Bの温度が第1温度と第2温度との間の温度(130度)となるように、供給部40を加熱している。第2温度より高い温度で供給部40を加熱すると防食剤18Bの粘度が低くなりすぎるため、吐出量などを制御しにくくなるからである。また、第1温度より低い温度で供給部40を加熱すると、供給後に、防食剤18Bを加熱された端子20によって広がり可能な温度まで加熱するのに時間がかかるから、又は、この時間を短くしようとした場合に端子用加熱部84によって加熱される端子20の温度を高くする必要があるため電線12にダメージを与える恐れが高まるからである。
第2機構50は、第1機構32とは一体に移動しない部分である。ここでは、第2機構50は、電線セット部52と、端子用加熱部84と、吸引機構70とを含む。
電線セット部52は、接続部分に防食剤18Bを供給するために端子付電線10を供給位置に固定する部分である。ここでは、電線セット部52は、固定用チャック部53と、押え部60と、支持部68と、を含む。
固定用チャック部53は、端子付電線10をチャック可能に設けられている。ここでは、固定用チャック部53は、端子チャック部54と、被覆チャック部58とを含む。
端子チャック部54は、端子付電線10における端子20をチャックする部分である。ここでは、端子チャック部54は、相手側接続部チャック部55と、電線接続部チャック部56とを有する。端子チャック部54は、端子20との間で熱交換する熱交換用当接部の一例である。
相手側接続部チャック部55は、供給位置にある端子付電線10における端子20のうち相手側接続部28をチャック可能に設けられている。ここでは、相手側接続部チャック部55は、相手側接続部28のうち端子20の基端側に位置する部分をチャック可能に設けられている。相手側接続部チャック部55は、一対の挟持爪55aと、シリンダ等で構成され当該一対の挟持爪55aを開閉駆動する開閉駆動部(図示省略)とを有する。ここでは、一対の挟持爪55aは、x軸方向に沿って相互に接近及び離間することで開閉駆動する。従ってここでは、端子20が上面を上向きにした状態で一対の挟持爪55aは、端子20の側面をチャックする。相手側接続部チャック部55は、相手側接続部当接部の一例である。
電線接続部チャック部56は、供給位置にある端子付電線10における端子20のうち接続部分をチャック可能に設けられている。ここでは、電線接続部チャック部56は、芯線圧着部24をチャック可能に設けられている。電線接続部チャック部56は、一対の挟持爪56aと、シリンダ等で構成され当該一対の挟持爪56aを開閉駆動する開閉駆動部(図示省略)とを有する。ここでは、一対の挟持爪56aは、x軸方向に沿って相互に接近及び離間することで開閉駆動する。従ってここでは、端子20が上面を上向きにした状態で一対の挟持爪56aは、端子20の側面をチャックする。挟持爪56aは、先端が端子20に向けて先細に形成され、なるべく芯線圧着部24以外の部分をチャックしないように形成されている。特に端子20は、芯線圧着部24がその隣に位置する中間連結部25及び先端側連結部23に比べて幅方向に沿って内側に凹む形状となっていることがある。この場合でも、挟持爪56aの先端が端子20に向けて先細になっていることによって、挟持爪56aが芯線圧着部24をチャックする際に中間連結部25及び先端側連結部23に妨げられることが抑制される。電線接続部チャック部56は、電線接続部当接部の一例である。
被覆チャック部58は、供給位置にある端子付電線10における電線12の被覆14をチャック可能に設けられている。被覆チャック部58は、一対の挟持爪58aと、シリンダ等で構成され当該一対の挟持爪58aを開閉駆動する開閉駆動部(図示省略)とを有する。ここでは、被覆チャック部58が搬送用チャック部34との間で電線12の受渡しを行う。被覆チャック部58の挟持爪58aは、搬送用チャック部34の挟持爪35aの凹部に収まるように形成されている。ここでは、一対の挟持爪58aは、x軸方向に沿って相互に接近及び離間することで開閉駆動する。従ってここでは、一対の挟持爪58aは、被覆14を側方からチャックする。
押え部60は、供給位置にある端子付電線10を上方から押える部分である。ここでは、押え部60は、端子押え部61と、被覆押え部64とを含む。
端子押え部61は、供給位置にある端子付電線10の端子20を上方から押える部分である。ここでは、端子押え部61は、端子押え片62と、端子押え片移動機構63とを含む。
端子押え片62は、端子20の上面を押えることができる。ここでは、端子押え片62は、平板状に形成され、相手側接続部28の上面を押える。端子押え片62は、端子押え片移動機構63により、端子20押え位置と待避位置との間で往復移動可能とされている。
端子押え片移動機構63は、リンク機構63aと、固定部材63dと、駆動部63eとを含む。リンク機構63aは、棒状リンク部材63bと、三角形状リンク部材63cとを有する。棒状リンク部材63bの一端は端子押え部61にx軸周りに相体回転可能に軸支され、他端は固定部材63dにx軸周りに相体回転可能に軸支される。三角形状リンク部材63cは、各頂点部分がそれぞれ端子押え部61、固定部材63d及び駆動部63eにx軸周りに相体回転可能に軸支される。駆動部63eは、例えば、シリンダ等で構成され、三角形状リンク部材63cとの連結部分を2地点(ここではz軸方向に沿って離れた2地点)間で往復移動させる。
駆動部63eが、三角形状リンク部材63cとの連結部分を2地点間で往復移動させることで、各リンク部材63b、63cが回転し、端子押え片62が端子押え位置と待避位置との間で往復移動する。つまり、駆動部63eが三角形状リンク部材63cとの連結部分を2地点のうち一方の地点に移動させた状態が、図6の実線で示された状態であって端子押え片62が端子押え位置に位置する状態である。また、駆動部63eが三角形状リンク部材63cとの連結部分を2地点のうち他方の地点に移動させた状態が、図6の仮想線(二点鎖線)で示された状態であって端子押え片62が待避位置に位置する状態である。
被覆押え部64は、供給位置にある端子付電線10の端子20を上方から押える部分である。ここでは、被覆押え部64は、被覆押え片65と、被覆押え片移動機構66とを含む。
被覆押え片65は、平板状に形成され、方形状部分65aの片隅から長尺状部分65bが延びる形状に形成されている。ここでは、方形状部分65aの一部が被覆押え片移動機構66に軸支されている。
被覆押え片移動機構66は、z軸周り回転機構と、z軸方向移動機構とを備える。z軸周り回転機構は、軸支部分を中心にして被覆押え片65をz軸周りに回転可能に設けられている。これにより、平面視において被覆押え片65が供給位置にある被覆14と重なる被覆押え位置と、供給位置にある被覆14と重ならない待避位置との間で移動可能とされる。z軸方向移動機構は、被覆押え片65をz軸方向に沿って移動可能に設けられている。これにより、側面視において被覆押え片65が、供給位置にある被覆14を押さえ可能な被覆押え位置と、供給位置にある被覆14と離れた待避位置との間で移動可能とされる。
支持部68は、供給位置にある端子付電線10の端子20を下方から支持する部分である。ここでは、支持部68は、供給位置にある端子付電線10の端子20の相手側接続部28を下方から支持している。ここでは、支持部68は、平板状に形成される。支持部68の主面はy軸方向を向いている。支持部68の側面で端子20を支持している。例えば、支持部68は、z軸方向に位置を調節可能に設けられるとよい。これにより、大きさの異なる端子20に対して、z軸方向に沿った供給部40と接続部分との間隔を一定値に近づけることができる。
端子用加熱部84は、端子チャック部54を加熱可能に設けられている。端子用加熱部84は、熱機構の一例である。ここでは、端子用加熱部84は、相手側接続部チャック部55の一対の挟持爪55a及び電線接続部チャック部56の一対の挟持爪56aをそれぞれ加熱可能に設けられている。例えば、端子用加熱部84は、ヒータ等で構成され、それぞれの挟持爪55a、56aに組み込まれる。端子用加熱部84は、加熱する温度を複数段階に調節可能となるように制御されるものであってもよいし、オンオフの切替えのみが制御されるものであってもよい。ここでは、端子用加熱部84は、粘性を有する防食剤18Bが接続部分に付着した際に、十分に広がることが可能な程度に粘性を低下させることができるように端子チャック部54を加熱している。
上述したようにここでは、防食剤18Bとして、摂氏137度程度で広がり可能な程度に十分に粘性が低下する防食剤18Bが用いられるものとして説明する。特にここでは、防食剤18Bにおける温度と粘性との関係を示すグラフにおいて、摂氏120度と摂氏137度との間での曲線の勾配が、摂氏120度より小さい領域又は摂氏137度より大きい領域での曲線の勾配よりも大きい。
この場合、端子20は、防食剤18Bが供給される直前の温度(以降、所望到達温度と称する)が、防食剤18Bの粘性が十分に低下する温度よりも高い温度となるように加熱されることが好ましい。これにより、防食剤18Bが十分に広がる前に防食剤18Bの粘性が上昇してしまい、防食剤18Bが十分に広がりきらないといった事態が生じることを抑制することができる。例えば、端子20の所望到達温度は、摂氏150度乃至170度に設定される。もっとも、端子20の所望到達温度は、上記に限られるものではない。端子20の所望到達温度は、供給直前の防食剤18Bの温度、端子20の加熱時間及び防食剤18B、端子20、電線12の各部の熱伝導性並びに融点等に基づいて、実験的、経験的に設定される値である。なお、ここでは、芯線と材料としてアルミニウムを用いているため、端子20の所望到達温度は、摂氏200度以下に設定されることが好ましい。
端子チャック部54を加熱する端子用加熱部84は、端子20の所望到達温度よりも高い温度で加熱することが好ましい。これにより、短時間で端子20を所望到達温度に加熱することができる。ここでは、端子用加熱部84は、摂氏360度で端子チャック部54を加熱する。もっとも端子用加熱部の加熱温度は上記に限られるものではない。端子用加熱部84の加熱温度は、端子20の所望到達温度、及び端子20の所望到達温度を決定するための条件等に基づいて、実験的、経験的に設定される値である。なお、端子用加熱部84は、相手側接続部チャック部55を加熱する部分と、電線接続部チャック部56を加熱する部分とが分かれて設けられ、これらを異なる温度で加熱するものであってもよい。この場合、相手側接続部チャック部55を高い温度で加熱すると共に電線接続部チャック部56を低い温度で加熱してもよいし、この逆であってもよい。
端子用加熱部84で加熱される相手側接続部チャック部55及び電線接続部チャック部56は、例えば金属など、熱伝導性の良い部材で形成されていることが好ましい。
吸引機構70は、接続部分に供給された防食剤18Bの余剰分を吸引する。吸引機構70は、吸引部72と、吸引部移動機構(図示省略)とを含む。
吸引部72は、防食剤18Bの余剰分を吸引する部分である。ここでは、吸引部72は、吸引口73aを含む吸引本体部73と、吸引口73aに設けられた吸引用当接部77とを含む。
吸引本体部73は、例えば、筒状に形成され、両端が開口している。吸引本体部73の両端開口のうち一方が吸引口73aをなしている。吸引口73aは上方を向いている。吸引本体部73が接続部分の下方に位置するため、吸引口73aは接続部分を向いている。従って、ここでは、吸引部72は、接続部分の下方から防食剤18Bの余剰分を吸引する。吸引本体部73には、吸引駆動部75が接続される。吸引駆動部75は、パイプ76を介して吸引本体部73と接続される。このとき、パイプ76は吸引本体部73の側面に形成される開口に接続される。側面の開口は、吸引本体部73の両端開口を結ぶ通路に連通する。ここでは、吸引駆動部75によって、吸引本体部73に向けて圧縮空気が送られる。当該圧縮空気は、パイプ76から吸引本体部73の両端開口のうち他方、つまり下方を向く開口に向けて吐出される。この圧縮空気の流れの影響によって、吸引口73a近傍の防食剤18Bの余剰分が吸引本体部73内に吸引される。吸引口73aから吸引本体部73内に吸引された防食剤18Bの余剰分は、下方を向く開口から下方に排出される。下方を向く開口の下方には、排出された防食剤18Bの余剰分を回収する回収部120が設けられるとよい。回収部120で回収された防食剤18Bの余剰分は、廃棄されてもよいし、再利用されてもよい。
吸引本体部73は吸引本体部加熱部86によって加熱される。ここでは、吸引本体部加熱部86として吸引本体部73に当接してこれを加熱するヒータが設けられる。例えば、棒状のヒータが、吸引本体部73の筒部の外周側に埋め込まれる。吸引本体部73は吸引本体部加熱部86によって加熱されることにより、吸引本体部73内に吸引された防食剤18Bの余剰分が吸引本体部73の内周面などに留まり難くなり、下方を向く開口から下方に排出され易くなる。
吸引用当接部77は、端子20と当接する部分である。ここでは、吸引用当接部77は、電線12保持部の下面、つまり底板部の少なくとも一部の下面に当接する。特にここでは、吸引用当接部77は、底板部の下面を含む部分に当接するように設けられている。吸引用当接部77は、板バネ状に形成されている。吸引用当接部77は、平面の一部がz軸方向に突出した湾曲面状に形成されている。吸引用当接部77は、z軸方向に弾性変形可能に設けられている。吸引用当接部77は、吸引口73aに対してz軸方向に突出する態様で吸引口73aの上方に設けられている。
吸引本体部加熱部86で加熱される吸引本体部73及び吸引本体部73に取付けられ端子20に当接する吸引用当接部77は、例えば金属など、熱伝導性の良い部材で形成されていることが好ましい。
吸引部移動機構は、吸引部72をz軸方向に沿って往復移動させる。例えば、吸引部移動機構が駆動していない時には、吸引用当接部77が端子20の下方であって端子20と当接しない位置に吸引部72が位置する。そして、接続部分に供給された防食剤18Bの余剰分を吸引する時に、吸引部移動機構を駆動することによって、吸引用当接部77が端子20の下方に当接する位置に吸引部72が位置する。従ってここでは、吸引部移動機構は上記2地点間で吸引部72を往復移動させる。
電線搬送部90は、x軸方向に並ぶ電線12をこの方向に搬送する。ここでは、電線搬送部90は、電線支持部92と、電線支持部移動機構94とを含む。
電線支持部92は、y軸方向に相互に平行に延びる複数の電線12がx軸方向に並んだ状態で、支持可能である。ここでは、電線支持部92として、長尺棒状に形成された支持ブロック93aと支持ブロック93aの一面に設けられた複数対の支持爪93bとを有するセットバー93が用いられている。各対の支持爪93bは、電線12が支持ブロック93aの長手方向と交差する方向に延びる姿勢で電線12を挟持可能に形成されている。そして、複数対の支持爪93bが支持ブロック93aの長手方向に並んでいる。セットバー93は支持ブロック93aの長手方向がx軸方向に沿う態様で、x軸方向に搬送される。支持ブロック93aの長手方向がx軸方向に沿った状態で、各対の支持爪93bは、チャック部35の凹部に収める形状に形成されている。従って、チャック部35は、各対の支持爪93bに挟持された部分に対してy軸方向に沿った前後の部分を挟持可能とされている。支持爪93bは、弾性力によって電線12を把持する。より詳細には、支持爪93bは、支持ブロック93aに対する立設方向(ここではz軸方向)に沿って電線12が押し付けられることで、開閉可能に設けられている。
電線支持部移動機構94は、セットバー93を搬送する。ここでは、曲げ変形可能なリンク機構94aの延在方向一端がセットバー93を支持する部材(図示省略)に連結される。リンク機構94aの他端は、図示省略の固定フレーム等に連結される。リンク機構94aの一端及び他端はz軸方向に離れた位置に設けられると共に、一端及び他端からx軸方向に沿って同じ向きに延在し、延在方向中間部分で曲げられている。従って、リンク機構94aはy軸方向から見て、U字状又はJ字状を呈する。そして、リンク機構94aの一端(他端)から曲げ部分までの距離が変わることで、固定フレームに対して、セットバー93がx軸方向に搬送される。セットバー93は、例えば、セットバー93を支持する部材に対して着脱可能に設けられることが考えられる。これにより、電線搬送部90に対して電線12をセットバー93ごと供給又は排出可能となる。電線搬送部90は、対の支持爪93bの間隔の整数倍分セットバー93を送ることが可能であるとよい。また、電線搬送部90には、搬送中の電線12において支持爪93bに支持された部分に対してy軸方向に沿った一方側部分及び他方側部分の少なくとも一方をガイド可能なガイド部材が設けられるとよい。
もっとも、電線支持部移動機構94の構成は上記に限られるものではなく、例えば、無端環状のチェーン機構等によって電線支持部92を移動させるものであってもよい。
制御部110は、第1機構32、第2機構50、電線搬送部90に接続されている。制御部110の制御下で、第1機構32、第2機構50、電線搬送部90の各部が防食剤18Bの供給に係る加工動作を行う。
制御部110は、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置等がバスラインを介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROMは基本プログラム等を格納しており、RAMはCPUが所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置には、OS(オペレーションシステム)、防食剤18Bを供給する供給プログラムを含む加工プログラム等が格納されている。加工プログラムに記述された手順に従って、主制御部110としてのCPUが演算処理を行うことにより、第1機構32、第2機構50、電線搬送部90の各部の動作制御がなされる。例えば、本制御部110からの制御信号が入出力インターフェースを介して第1機構32、第2機構50、電線搬送部90に与えられ、第1機構32、第2機構50、電線搬送部90が駆動制御される。
なお、本制御部110には、各種スイッチ、タッチパネル等により構成された入力部が接続され、防食剤供給装置30は、入力部を通じて本制御部110に対する諸指示を受付可能に構成されていることが考えられる。
また、制御部110が接続部分の状態を検査する検査部としての機能を備えていることが考えられる。より詳細には、制御部110において撮像信号入力インターフェースがバスラインに接続され、撮像部38の撮像信号が、撮像信号入力インターフェースを通じて本制御部110に入力され、電線12への防食剤18Bの供給状態の判定処理に供される。この場合、制御部110には、必要に応じて、液晶表示装置、ランプ等により構成された表示装置が接続され、判定結果等の諸情報を表示可能に構成されていてもよい。
なお、本制御部110が行う一部或は全部の機能は、専用の論理回路等でハードウェア的に実現されてもよい。
また、各加熱部82,84,86の各加熱対象の温度を測定可能な温度センサが設けられることが考えられる。この場合、温度センサの測定温度に基づいて制御部によって各加熱部82,84,86の動作が制御されるとよい。また、端子20の温度を測定可能な温度センサが設けられることも考えられる。この場合、当該温度センサの測定温度に基づいて端子用加熱部84及び端子チャック部54の動作が制御されるとよい。
また、電線セット部52に端子付電線10がセットされたことを検知可能なセット状態検知部106が設けられてもよい。セット状態検知部106は、例えば、端子付電線10のうち電線セット部52から後方に延びる部分を支持する後端側支持部108に設けられる。図5に示す例では、セット状態検知部106は、投光部と受光部とを含む光センサで構成され、後端側支持部108に支持された端子付電線10が存在するか否かを検知する。この場合、制御部110は、セット状態検知部106が端子付電線10を検知した際に、防食剤18Bの供給に係る動作指令を各部に出すことが考えられる。
<製造方法>
次に、図9乃至図18を参照しつつ上記防食剤供給装置30を用いた端子付電線10の製造方法について説明する。図9は、防食剤供給装置30を用いた端子付電線10の製造工程の流れを説明する図である。図10、図11及び図14乃至図18は、端子付電線10の製造工程を示す説明図である。図12は、端子付電線10に対する防食剤18Bの供給位置の例を示す説明図である。図13は、端子付電線10に対する防食剤18Bの供給位置の別の例を示す説明図である。
まずステップS01として、電線12を供給する。ここでは、電線搬送部90が供給対象の電線12をx軸方向に沿った所定の位置に搬送する。この状態で、図10に示すように搬送用チャック部34によって電線搬送部90に支持された電線12が電線セット部52に搬送されてセットされる。
より詳細には、y軸方向移動機構33を駆動させることによって、搬送用チャック部34を電線搬送部90のセットバー93の支持爪93bの上方に位置させる。この状態で、z軸方向移動機構36及びチャック開閉用の駆動部を駆動させることによって、搬送用チャック部34が電線搬送部90から電線12を受け取る。次に、y軸方向移動機構33を駆動させることによって、電線搬送部90から電線12を受け取った搬送用チャック部34を、被覆チャック部58の上方に位置させる。この状態で、z軸方向移動機構36及びチャック開閉用の駆動部を駆動させることによって、搬送用チャック部34から被覆チャック部58に電線12を受け渡す。この際、端子20は支持部68に支持される。また、この受渡し動作の前、より具体的には、搬送用チャック部34が被覆チャック部58の上方に位置する直前に端子押え部61は、一旦受渡しの邪魔にならない位置に位置するように回動する。そして、受渡し動作中又は終わった後、より具体的には、z軸方向移動機構36を駆動させることによって被覆チャック部58の挟持爪58aがチャック部35の挟持爪35aの凹部に収まる位置に位置するようにチャック部35を移動させた直後に、端子20を押さえ可能な位置に戻るように回動する。
被覆チャック部58が被覆14をチャックしたら、端子チャック部54が端子20をチャックする。ここでは、相手側接続部チャック部55が相手側接続部28をチャックすると共に、芯線圧着部24チャック部が芯線圧着部24をチャックする。なお、ここでは、相手側接続部チャック部55が相手側接続部28をチャックした後に、電線接続部チャック部56が電線接続部22をチャックするものとして説明するが、チャックする順番は上記とは逆であってもよいし、同時であってもよい。なお、端子チャック部54は、端子用加熱部84によって、端子20をチャックする前に予め所定温度まで加熱されている。
以上のように、電線12が電線セット部52にセットされたら次に、ステップS02として、防食剤18Bの供給位置を検出する。より詳細には、ここでは、図11に示すように、y軸方向移動機構33を駆動することによって、撮像部38を接続部分の上方に位置させた後、撮像部38によって、接続部分を撮像する。そして、撮像部38の撮像データから供給位置を検出する。例えば、端子20に対する電線12の圧着位置の寸法公差、又は電線セット部52に対する電線12のセット位置のばらつき公差に比べて、端子20の形状における寸法公差は比較的小さいと考えられる。このため、例えば、得られた撮像データから端子20の所定の位置を割り出し、割り出した所定位置を基準にして、定められた供給プログラムに従って防食剤18Bを供給することで、比較的精度よく防食剤18Bを供給可能となる。
また、このとき、得られた撮像データから防食剤18Bの供給範囲又は供給量などの条件を変更することも考えられる。例えば、得られた撮像データから電線12の延在方向に沿った被覆14の縁部の位置を割り出す。そして、被覆14の縁部の位置に応じて、図12又は図13に示すように防食剤18Bの供給範囲を変更する。なお、図12及び図13に示す例では、防食剤18Bの滴が供給される位置が黒点によって示されている。より詳細には図12と図13とを比べると、図12に示す例では、被覆14の縁部が端子20に対して電線12の延在方向に沿って後端側(y軸方向に沿って負の側)に位置し、図13に示す例では、被覆14の縁部が端子20に対して電線12の延在方向に沿って先端側(y軸方向に沿って正の側)に位置する。被覆14の縁部の位置にこのような差がある場合でも、端子20に対する被覆14の縁部の位置にかかわらず被覆14の縁部から後端側に所定距離離れた位置までしか防食剤18Bを供給しないように設定すると、図12及び図13に示すように防食剤18Bの供給される範囲が変わる。
ここで、上記のように防食剤18Bの供給範囲を変更する意図は、次の通りである。即ち、被覆14は例えば、樹脂等を材料に構成されるため、金属を材料に構成される芯線13及び端子20に比べると熱伝導性に劣る。このため、被覆14に供給される防食剤18Bの範囲が広い場合、端子チャック部54を介してその範囲に応じた被覆14を加熱するのに時間がかかる。また、被覆14の加熱が不十分である場合、防食剤18Bが十分に広がらずに溜まってしまい、端子付電線10の太さが太くなってしまう恐れがある。その一方で、防食性の観点から見ると、被覆14の先端縁部から延在方向に沿って遠い位置まで防食剤18Bを供給する必要性はそれほど高くない。従って、必要な防食性を持ち、且つ防食被膜18が形成されたとしてもそれほど太くならない端子付電線10をより短時間で得るために、端子20に対する被覆14の位置に応じて防食剤18Bを供給する範囲を変更するものである。
なお、得られた撮像データから変更される防食剤18Bの供給条件は上記されたものに限られない。
例えば、端子20に対する被覆14の縁部の位置が異なる場合でも、同じ量の防食剤18Bを同じ位置に供給する場合には、端子用加熱部84による加熱時間を変更することが考えられる。具体的には、被覆14は、上述したように端子20及び芯線13に比べて熱伝導性に劣る。従って、防食剤18Bの供給範囲における被覆14の割合が大きい場合、端子用加熱部84による加熱時間を長くし、反対に、防食剤18Bの供給範囲における被覆14の割合が小さい場合、端子用加熱部84による加熱時間を短くすることが考えられる。これにより、被覆14に供給された防食剤18Bが、硬化する前に確実に所望の範囲に広がり易くなる。
また、例えば、端子20に対する被覆14の縁部の位置が異なる場合でも、防食剤18Bを同じ位置に供給する場合には、被覆14に供給される防食剤18Bを少なくすることが考えられる。具体的には、被覆14は、上述したように端子20及び芯線13に比べて熱伝導性に劣る。従って、防食剤18Bの供給範囲における被覆14の割合が大きい場合、被覆14に供給する防食剤18Bの一滴の量を少なくすることが考えられる。これにより、被覆14に供給された防食剤18Bが、硬化する前に確実に所望の範囲に広がり易くなる。この場合、防食剤18Bの供給範囲における被覆14の割合が大きい場合と小さい場合とでは、後者の場合の方が、端子付電線全体で見たときの防食剤18Bの供給量が多くなると考えられる。
また、図14に示すように端子チャック部54が端子20をチャックしたら、次ステップS03として、端子20を昇温させる。ここでは、撮像部38が接続部分を撮像している間を含めて、端子チャック部54が端子20をチャックした状態で所定時間経過させて、端子20を加熱する。なお、端子20の加熱時間、つまり、端子チャック部54による端子20のチャック時間は、実験的、経験的見地等に基づいて総合的に判断、決定される。
ここで、供給される防食剤18Bは、供給部加熱部82によって、広がり可能な温度よりも若干低い温度に加熱されている。このため、接続部分に供給された防食剤18Bは、加熱された端子20によって、比較的短時間で、広がり可能な温度に到達する。また、防食剤18Bの粘性が低くなりすぎないため、防食剤18Bを一滴ずつ供給する際に、供給しにくくなることが抑制される。
端子20が十分に昇温したら、次ステップS04として、防食剤18Bを供給する。より詳細には、図15に示すようにy軸方向移動機構33を駆動して供給部40を接続部分の上方に位置させる。この際、ステップS02で検出された供給位置に応じた位置に供給部40を位置させるとよい。そして、吐出機構41によって防食剤18Bを吐出し、接続部分に供給する。この際、吐出機構移動機構46を駆動させて、防食剤18Bを一滴ずつ予め設定された位置、ここでは、図12及び図13において黒点で示される位置に供給する。この際、吐出機構41は、吐出機構移動機構46を駆動することによってQ1、Q2、Q3の各部において、例えば、図12及び図13において黒点を結ぶ線に応じた軌跡に沿って移動する。図12及び図13に示される例では、x軸方向に沿って一端側から他端側に移動しつつこの方向に沿った吐出位置に防食剤18Bを吐出した後、y軸方向に移動し、x軸方向に沿って他端側から一端側に移動しつつこの方向に沿った吐出位置に防食剤18Bを吐出するものである。もっとも、吐出機構移動機構46による吐出機構41の移動は上記に限られない。例えば、x軸方向に沿って一端側から他端側に向けて移動する際中にy軸方向に沿って移動するものであってもよいし、常にx軸方向に沿って一端側から他端側に向けて移動するものであってもよい。
ここで、防食剤18Bの供給が開始される前に、電線接続部チャック部56は、図16に示すように開かれて、接続部分をチャックした状態が解消される。これにより、電線接続部チャック部56が供給作業の邪魔になること、及び電線接続部22の周囲に供給された防食剤18Bが電線接続部チャック部56に付着することが抑制される。また、相手側接続部チャック部55は、防食剤18Bの供給中も相手側接続部28をチャックした状態を維持する。これにより、経時変化及び防食剤18Bが供給されることなどに起因して端子20の温度が下がる度合いが小さくなり、もって供給された防食剤18Bが広がりにくくなることが抑制される。
防食剤18Bの供給が終了したら、次ステップS05として、供給状態を検査する。ここでは、防食剤18Bの供給時に各滴を、検知部100によって検知している。従って、検知部100の検知結果と、その時の接続部分に対する吐出機構41の位置とを対応付けたデータを形成し、これを予め設定された防食剤18Bの所定供給位置と比較することで、所定の位置に防食剤18Bが供給されたかを検査する。
なお、上記検査のほかに画像検査を行ってもよい。この場合、図17に示すようにy軸移動機構を駆動させて撮像部38を接続部分の上方に位置させた状態で、撮像部38によって接続部分を撮像する。そして得られた撮像データから防食剤18Bの供給状態を検査する。
供給状態の検査が終了したら、次ステップS06として、防食剤18Bの余剰分を吸引する。ここでは、まず図18に示すように被覆押え片移動機構66を駆動させて被覆押え片65によって被覆14を押える。そして、吸引部移動機構を駆動させて吸引部72を電線接続部22に接近させる。この際ここでは、図17に示すように吸引用当接部77を電線接続部22の下面に当接させる。この後、吸引駆動部75を駆動させて接続部分に存在する防食剤18Bの余剰分を吸引する。もっとも、当該ステップS06は、供給が終了した後であれば、供給状態の検査前または検査と並行して行われてもよい。
余剰分の吸引が終了したら、次ステップS07として、電線セット部52から電線12を排出する。より詳細には、被覆押え片65、吸引部72を退避させると共に、相手側接続部チャック部55を開く。そして、y軸方向移動機構33を駆動させて搬送用チャック部34を被覆チャック部58の上方に位置させる。この状態でz軸方向移動機構36、チャック開閉用の駆動部を駆動させて、被覆チャック部58から搬送用チャック部34に電線12を受け渡す。この受渡動作の前後で、ステップS01のときと同様に受渡動作の邪魔にならないように端子押え部61も回動する。
搬送用チャック部34が電線12を受け取ったら、y軸移動機構を駆動させて搬送用チャック部34をセットバー93の支持爪93bの上方に位置させる。この状態で、z軸方向移動機構36、チャック開閉用の駆動部を駆動させて、搬送用チャック部34から支持爪93bに電線12を受け渡す。これにより、電線セット部52から電線搬送部90に電線12が排出された状態となる。
電線セット部52から電線搬送部90に電線12が排出されたら次ステップS08として、電線搬送部90の電線12を送る。例えば、隣り合う二対の支持爪93bの間隔分セットバー93を送る。これにより、次の加工対象の電線12が搬送用チャック部34でチャック可能な位置に供給される。
後は、ステップS01に戻り、ステップS01乃至ステップS08を繰り返すことによって、セットバー93に支持された複数の端子付電線10に順次防食剤18Bが供給されて、防食被膜18が形成された端子付電線10が連続的に製造される。なお、ここでは、接続部分に供給された防食剤18Bは、自然冷却されることによって粘性が高まり、もって防食被膜18を形成する。もっとも、接続部分に供給された防食剤18Bは、空冷又は水冷などの冷却手段によって冷却されるものであってもよい。この場合、当該冷却手段が防食剤供給装置30に組み込まれていてもよいし、組み込まれていなくてもよい。
なお、防食被膜18が形成された端子付電線10を防食剤供給装置30から排出する作業、及び、防食剤18Bが供給されていない端子付電線10を防食剤供給装置30に供給する作業は、防食剤18Bの供給作業中に併せて行われてもよいし、セットバー93に支持されたすべての端子付電線10に防食剤18Bを供給した後に一括して行われてもよい。
以上のように構成された防食剤供給装置30によると、供給部加熱部82が吐出機構41を加熱することで吐出機構41から吐出される防食剤18Bの温度を調節することができ、吐出される防食剤18Bが供給中に硬化してしまうことを抑制することができる。このため、供給された防食剤18Bが所望の範囲に広がることが可能となり、もって製品が不良となる恐れを低減できる。従って、当該防食剤供給装置30は、端子付電線10における電線12と端子20との接続部分に温度によって固相液相間の相変化又は粘度の大きさの変化が生じる防食剤18Bを供給するのに適する。
また、供給部加熱部82は、連絡通路45から吐出部42に至る部分の周囲に当接して加熱を行うため、吐出される直前まで防食剤18Bを加熱することができる。
また、防食剤18Bは、車両使用環境下の温度で粘性を有すると共に加熱により粘度が低下する部材であり、供給部加熱部は、吐出機構41を加熱可能であるため、加熱により粘度が低下する防食剤18Bに適した防食剤供給装置30を提供することができる。
また、防食剤18Bは、第1温度と第1温度よりも高い第2温度との間で急激に粘性が低下し、供給部加熱部82は、吐出される防食剤18Bの温度が第1温度と第2温度との間の温度となるように吐出機構41を加熱するため、防食剤18Bが広がり可能な程度に十分に粘性が低下した状態であって、低下しすぎない状態で、防食剤18Bを供給することができる。
{変形例}
図19は、変形例に係る防食剤供給装置130を示す概略平面図である。変形例に係る防食剤供給装置130では、1つの電線搬送部90に対して、第1機構32及び第2機構50を有する加工部131が2つ設けられている。このように、1つの電線搬送部90に対して複数の加工部131が設けられることにより、1つの防食剤供給装置130における生産効率を向上させることができる。なお、1つの電線搬送部90に対して2つの加工部131が設けられる場合、電線搬送部90による電線12の送り方としては例えば、以下の2通りが考えられる。1つ目は、2つの加工部131で加工される端子付電線10が電線搬送部90の搬送方向に沿って交互に並べられる場合である。この場合、1回の送りで隣り合う支持爪93bの間隔の2倍の寸法分、セットバー93を送るとよい。2つ目は、電線搬送部90の搬送方向に沿った一方側に一方の加工部131の加工対象となる端子付電線10がまとめられると共に電線搬送部90の搬送方向に沿った他方側に他方の加工部131の加工対象となる端子付電線10がまとめられる場合である。この場合は、実施形態と同様に、1回の送りで隣り合う対の支持爪93bの間隔の寸法分、セットバー93を送るとよい。
また、実施形態において、防食剤18Bが、車両使用環境下の温度で粘性を有すると共に加熱により粘度が低下する部材であるものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、防食剤18Bは、ホットメルトなど、熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。この場合でも、各加熱部82,84,86の加熱温度等を変更することで上記防食剤供給装置30を用いることができる。また、例えば、防食剤18Bは、熱硬化性樹脂を含むものであってもよい。この場合には、上記防食剤供給装置30において各加熱部82,84,86の代わりに冷却部を設けたものを用いることができる。また、この場合、熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱部が防食剤供給装置に組み込まれていてもよいし、組み込まれていなくてもよい。熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱部が防食剤供給装置に組み込まれている場合、上記冷却部が設けられることによって、加熱部の熱が供給前、又は供給後であって広がる前の防食剤に及ぶことに起因して防食剤が所望の範囲に広がりにくくなることを抑制することができる。
また、実施形態において、防食剤18Bが、第1温度と第2温度との間の温度となるように、供給部加熱部82が吐出機構41を加熱するものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、供給部加熱部82は、防食剤18Bが第1温度よりも低い温度となるように吐出機構41を加熱するものであってもよいし、防食剤18Bが第2温度よりも高い温度となるように吐出機構41を加熱するものであってもよい。
また、実施形態において、供給部加熱部82が連絡通路45から吐出部に至る部分を加熱するものとして説明したが、このことは必須ではない。供給部加熱部は、例えば、収容部44のみを加熱するものであってもよい。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 端子付電線
12 電線
13 芯線
13a 露出芯線部
14 被覆
18 防食被膜
18B 防食剤
20 端子
22 電線接続部
24 芯線圧着部
26 被覆圧着部
28 相手側接続部
30 防食剤供給装置
32 第1機構
33 y軸方向移動機構
34 搬送用チャック部
38 撮像部
40 供給部
41 吐出機構
42 吐出部
44 収容部
52 電線セット部
53 固定用チャック部
54 端子チャック部
55 相手側接続部チャック部
56 電線接続部チャック部
58 被覆チャック部
60 押え部
61 端子押え部
64 被覆押え部
66 被覆押え片移動機構
68 支持部
70 吸引機構
82 供給部加熱部
84 端子用加熱部
86 吸引本体部加熱部
90 電線搬送部
100 検知部
110 制御部

Claims (5)

  1. 防食剤を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記防食剤を吐出する吐出部と、を含む吐出機構と、
    前記吐出機構を加熱又は冷却可能な熱機構と、
    を備える、防食剤供給装置。
  2. 請求項1に記載の防食剤供給装置であって、
    前記吐出機構は、前記収容部と前記吐出部とを連絡する連絡通路をさらに含み、
    前記熱機構は、前記連絡通路から前記吐出部に至る部分の周囲に当接して加熱又は冷却を行う、防食剤供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の防食剤供給装置であって、
    前記防食剤は、車両使用環境下の温度で粘性を有すると共に加熱により粘度が低下する部材であり、
    前記熱機構は、前記吐出機構を加熱可能である、防食剤供給装置。
  4. 請求項3に記載の防食剤供給装置であって、
    前記防食剤は、第1温度と前記第1温度よりも高い第2温度との間で急激に粘性が低下し、
    前記熱機構は、吐出される前記防食剤の温度が前記第1温度と前記第2温度との間の温度となるように前記吐出機構を加熱する、防食剤供給装置。
  5. 電線と端子との接続部分に防食処理が施された端子付電線の製造方法であって、
    (a)防食剤を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記防食剤を吐出する吐出部と、を含む吐出機構を加熱又は冷却する工程と、
    (b)加熱又は冷却された前記吐出機構から前記接続部分に前記防食剤を供給する工程と、
    を備える、端子付電線の製造方法。
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