JP2018064865A - 加飾真珠の製造方法 - Google Patents

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【課題】半球状の真珠を用いつつ装飾品としての価値を損なうことのない球状の真珠を提供する。【解決手段】加飾真珠10は、一対の半球状の半真珠11,12が組み合わされて球状の真珠に形成される。上記半真珠11,12同士によって形成される、環状の境界17を含む球状真珠の表面には不透明な模様16が施されている。この模様16は、球状真珠の表面における単位面積当たりの模様16が視認される領域と真珠層13が視認される領域との割合の変化により、境界17に対応する部分では高密度又は濃く描かれ、境界17以外の部分では低密度又は薄く描かれる。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾真珠及びその製造方法に関する。
真珠は、宝飾品として利用されており、養殖も盛んに行われている。真珠は貝の内部に入り込んだ又は入れ込んだ真珠核の周りに真珠層が形成されることにより得られる。
しかしながら、多くの場合、真珠がきれいな球形状になっていないと宝飾品としての価値が低くみられがちであり、せっかく収穫した真珠が十分に有効活用できていないのが現状である。
上記現状に鑑み、本発明者は、一部が変形した真珠を半球状にしたり、半円真珠を用いたりして、半球状の真珠を組み合わせて球状の真珠を得ることを想起した。なお、特許調査を行ったところ、かかる発想が特許文献1に開示されていることが判明した。
実用新案登録第3028802号公報 特許第4401573号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように単に半球状の真珠を組み合わせて球状の真珠を得るだけでは、半球状の真珠同士の境界が露出してしまい、宝飾品としての価値を損なうものである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半球状の真珠を用いつつ装飾品としての価値を損なうことのない球状の真珠を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る加飾真珠は、一対の半球状の真珠が組み合わされて球状の真珠に形成され、前記半球状の真珠同士の境界を含む前記球状の真珠の表面に、模様が施されていることを特徴とする。
また、本発明に係る加飾真珠の製造方法は、一対の半球状の真珠を組み合わせて、球状の真珠を形成する第1工程と、前記半球状の真珠同士の境界を含む前記球状の真珠の表面に、模様を施す第2工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、半球状の真珠を組み合わせて球状の真珠を得る場合に生じる境界を模様によって目立たなくすることができ、装飾品としての価値を損なうことを抑制できるばかりか、装飾品としての価値を却って高めることも可能となる。
加飾真珠の一実施の形態を示す正面図。 図1(a)のA−A線断面図。 模様例を示す正面図。 加飾真珠の製造手順を示す図。
以下に、本発明に係る加飾真珠の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は加飾真珠10の正面図、図2は図1(a)のA−A線断面図、図3は模様例を示す正面図である。
図1に示すように、加飾真珠10は、一対の半球状の真珠(半真珠)11,12が組み合わされて球状に形成されている。図2に示すように、各半真珠11,12は、半球殻状をなす真珠層13を備えている。各真珠層13は、例えば白蝶貝等を真珠母貝に用いた半円真珠から真珠核22(図4参照)を除去することで形成され、それぞれの開口部を対向させるようにして向い合せで配置されている。
なお、半円真珠は、巻きの厚い真珠を真円真珠よりも短期間で育成し易いため、半円真珠を組み合わせて球状にすることで、効率よく大粒の球状真珠を製造することが可能になる。
図2に示すように、各真珠層13は、その内側に充填される接着剤14を介して接合されている。接着剤14は、各真珠層13の内部球状空間の全体にいきわたるようにして充填されており、球状をなしている。
ここで、内部に真珠核が詰まった状態の半真珠を用いた場合は、半球体のまま、それらを接着剤等により接合することが考えられる。かかる構成では、半球体同士の境界が球状真珠を二分するように形成されるため、真珠を落下させた場合等に境界に沿って割れ、真珠が両断され易くなることが懸念される。この点、本実施の形態によれば、接着剤14により加飾真珠10の内部が一部材化(一体化)されており、境界が形成されない構成とされている。このため、落下等の衝撃が加わっても加飾真珠10が二分されにくく、耐衝撃性を高めることが可能になる。
接着剤14としては、歯科用の接着性コンポジットレジン(ガラスやセラミック等のフィラーを合成樹脂に混合したもの)を用いることができる。内部球状空間の全体に接着剤14を充填させる場合は、接着剤14を塊状で使用する必要があるところ、歯科用の接着性コンポジットレジンは、体積があっても比較的に短期間で乾燥(硬化)させることができる。このため、乾燥不足による真珠層13の接合不良や加飾真珠10の強度低下を好適に抑制することが可能になる。
図2に示すように、真珠層13の表面側には、第1コーティング層15、模様16及び第2コーティング層18が順次形成されている。なお、図2では、構成を分かり易くするため、第1コーティング層15、模様16及び第2コーティング層18を真珠層13と同程度の厚みで記載しているが、これらは真珠層13よりも薄く形成される。
第1コーティング層15は、真珠層13の表面全体を球状に覆うようにして設けられている。第1コーティング層15は、無色透明又は有色透明のガラスコーティングによって形成される。第1コーティング層15は、補強層として機能する他、模様16の下地層としても機能する。
図2に示すように、第1コーティング層15の表面側には、不透明な模様(装飾層)16が形成されている。模様16は、例えば、図1に示すように、漆で所定の漆絵16aを描き、その上から金粉や銀粉等(以下、単に「金粉」という)16bを蒔く蒔絵技法を用いたものや、漆に金粉を混入させて所定の絵柄を描く蒔絵調のものを用いることができる。なお、図1では、漆絵16aの部分と金粉16bの部分とを見分け易くするため、図1(a)及び図1(b)に分けて図示している。
模様16は、一対の真珠層13によって形成される環状の境界17を含む加飾真珠10の表面領域に施され、具体的には、境界17を覆うようにして施されている。模様16により境界17が覆われることで、境界17を目立ちにくくすることができる。これにより、境界17を認知しにくくして見栄えを良化できるだけでなく、模様16による装飾効果を付与することもでき、装飾品としての価値を高めることが可能になる。
模様16は、境界17と重なる領域が最も濃く、境界17以外の領域でそれよりも徐々に薄くなる部分を有するように形成される。すなわち、加飾真珠10の表面における単位面積当たりの模様16の密度(模様16が視認される領域と真珠層13が視認される領域との割合)が、境界17とそれ以外の部分とで相違している。具体的には、境界17から遠ざかるほど漆絵16aの低密度化や薄色化がなされたり、境界17から大きく離れた部分では漆絵16aが描かれない構成とされている。さらに、金粉16bを付着させる領域では、境界17から遠ざかるほど付着量が少量化されている。
この場合、漆絵16aや金粉16bの密度が低い部分では真珠層13を視認し易くなり、また、それらのない部分では真珠層13を直接視認することが可能になる。このような構成により、真珠としての光沢感が損なわれることなく、境界17を認知されにくくすることができる。なお、境界17に対応する部分でのみ模様16が高密度となると、装飾として見た目が不自然な場合もあるため、境界17以外の部分にも高密度の領域を設けてもよい。
因みに、図1では模様16を模式的に記載しているが、模様16としては、図3(a)に示す線画を用いたものや、図3(b)に示すグラデーション模様のように、美的な装飾を施すことができる。これにより、真珠としての上品さを活かしながら芸術的な装飾価値を付与することができ、加飾真珠としての魅力を向上させることが可能になる。
また、図1(a)では、密度や濃さの違いを分かり易くするため、敢えて濃い部分と薄い部分との境界が分かるように記載しているが、実際には密度や濃さは滑らかに変化し、上記境界が識別不能又は識別困難とされている。
既に説明したように、本実施の形態では、模様16の下地層として、ガラスコーティングによる第1コーティング層15が設けられている。これにより、模様16の形成工程における作業性が高められている。すなわち、真珠層13の表面は平滑度が非常に高く、漆やインク等の塗料が定着しにくいところ、第1コーティング層15が存在することで、塗料の定着性が高められ、作業効率や歩留まりの向上が図られる。
なお、模様16は、加飾真珠10の表面に対して部分的に施す場合に限らず、表面全体に施してもよい。また、模様16を部分的に施す場合は、必ずしも境界17の全体を覆うように模様16を施す必要はなく、境界17の一部が模様16によって覆われる構成としてもよい。この場合でも、模様16がない場合に比べて境界17を目立ちにくくすることができる。さらに、模様16は、必ずしも単一色である必要はなく、相互に色が異なる複数の模様を組み合わせて構成されてもよい。これにより、境界17をより目立ちにくくすることができる。
図2に示すように、模様16の表面側には、模様16が付された球状真珠の全体を球状に覆うようにして第2コーティング層18が設けられている。第2コーティング層18は、第1コーティング層15と同様、無色透明又は有色透明のガラスコーティングによって形成される。これにより、模様16の欠損を防止しつつ、加飾真珠10の強度を一層高めることができる。すなわち、複数のガラスコーティング層が積層されていることで、真珠層13の保護を強化できるばかりか、各真珠層13の分離を外側からも抑えることができ、落下時の衝撃等に対する耐性を好適に高めることが可能になる。
次に、本実施の形態に係る加飾真珠10の製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4は加飾真珠10の製造手順を示す図である。なお、図4においても、構成を分かり易くするため、第1コーティング層15、模様16及び第2コーティング層18の厚みを大きく記載している。
先ず、図4(a),(b)に示すように、半円真珠21から真珠層13を残した状態で真珠核22を除去する。これにより、真珠層13の内側に半球状の空間部23を形成し、半球殻状の真珠24(真珠層13)を得る。
次いで、概ね同じ大きさ(開口部における周縁が概ね同一形状)の真珠層13を一対選択する。図4(c)に示すように、それらを向かい合わせた状態で、各真珠層13の空間部23に接着剤14としての接着性コンポジットレジンを充填する。
接着剤14の充填にあたっては、先ず、選択した一対の真珠層13のうちの一方を、開口端側を上方に向けた状態で設置台に設置し、当該真珠層13の内側に接着性コンポジットレジンを注入する。その際、2つの真珠層13を対向させた場合に形成される内部球状空間の容量よりも若干多めに上記レジンを入れる。そして、上方から他方の真珠層13を被せ、上記内部球状空間の全体にレジンが満たされるように、両真珠層13を接近させる。
接着剤14を固化させて2つの真珠層13を接合した後、図4(d)に示すように、真珠層13の境界17からはみ出た接着剤14を除去する。その際、2つの真珠層13が境界17で滑らかに繋がるように、真珠層13における境界17の近傍領域を研磨する。
次に、第1コーティング層15を定着し易くするため、真珠層13を耐水サンドペーパによって研磨し、真珠層13の表面全体に微細な凹凸を形成する。なお、微細な凹凸とは、例えば、1000〜2500程度の粒度を有する耐水サンドペーパによって研磨した場合に形成されるものを言う。
図4(e)に示すように、第1コーティング層15としてのガラスコーティング層を、真珠層13が研磨された球状真珠の表面全域に塗布し、その後、図4(f)に示すように、第1コーティング層15の表面に模様16を形成する。最後に、図4(g)に示すように、第2コーティング層18としてのガラスコーティング層を、模様16が形成された球状真珠の表面全域に塗布する。これにより、加飾真珠10が完成する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
・複数の半真珠11を組み合わせて球状真珠を形成する構成としたため、半円真珠を用いて1の球状真珠を得ることができる。その際、半真珠11の境界を含む球状真珠の表面に不透明な模様16を施すことで、境界17を目立ちにくくすることができる。これにより、合体真珠の見栄えを向上させることができ、装飾品としての真珠の価値を高めることが可能になる。
・模様16において、単位面積当たりの密度や濃淡の変化により、境界17で濃く、それ以外の部分が境界17よりも薄くなる構成とした。これにより、真珠としての光沢感を残しながら、境界17を目立ちにくくすることができる。加えて、模様16の密度や濃淡の変化があることで、装飾としての自然さや芸術性を担保し易くなるという効果も期待できる。例えば、濃さが一様の単線画を境界17に沿って付した場合等、密度や濃度に抑揚のない構成では、単調な模様しか表現することができないばかりか、真珠として不自然な印象を与えるおそれがある。この点、本実施の形態によれば、模様としての表現の自由度を拡大することができ、装飾性や芸術性を高めることが可能になる。
・真珠層13の表面に第1コーティング層15を形成する構成とした。これにより、真珠層13同士の接合を真珠層13の内外から保持することができ、真珠層13の剥離を抑制することが可能になる。そればかりか、第1コーティング層15を表面全体に設けることで、水分の浸入を抑制することができ、水分の付着による真珠層13の変質や劣化を抑制することが可能になる。
さらに、第1コーティング層15の表面に模様16を付し、模様16の表面に第2コーティング層18を形成する構成とした。この場合、第1コーティング層15により模様16の付着を容易化し、かつ第2コーティング層18により模様16の剥離を抑制することができる。さらに、両コーティング層15,18を表面全体に形成することで、水分の浸入に対して二重の防御を施すことが可能になり、耐久性の一層の向上に寄与することができる。
・半円真珠から真珠核22を除去することで真珠層13を得る構成とした。これにより、効率よく大粒の球状真珠を製造することが可能になる。
・一対の真珠層13によって形成される内部球状空間の全体にいきわたるように接着剤14を充填させる構成とした。これにより、加飾真珠10を落下等させても割れにくくすることができ、耐衝撃性を高めることが可能になる。しかも、一対の真珠層13の内部に接着剤14を充填させるだけの簡単な工程で足り、生産性を高めることも可能になる。
なお、特許文献1に記載の加飾真珠は、真珠核を除去した半円真珠の内側に半球状に樹脂を充填させ、樹脂を充填させた半円真珠(半球体)同士を接着剤により接合する構成とされている。この場合、真珠を落下等させた際に、接着面に沿って真珠が割れ易くなり、二分化や亀裂が奥深くまで生じるなどの不都合が懸念される。この点、本実施の形態では、接着剤14により加飾真珠10の内部が一部材化されるため、上記不都合を好適に抑制することが可能になる。
また、特許文献2には、真珠表面に形成した窪みに貴石等の装飾エレメントを嵌め込む加飾真珠が開示されている。この加飾真珠では、上記窪みに嵌めこんだ装飾エレメントを真珠内部から支持すべく、真珠核を円錐台状等の特殊形状に加工し、当該真珠核を内包した状態で半球殻状の一対の真珠層を結合させる構成とされている(特許文献2の段落0041〜0044欄等を参照)。しかしながら、真珠核の凹凸加工が複雑であるばかりか、都度の貴石形状に合わせて真珠核の加工形状も変える必要があることから、製造工程の画一化も困難となる。このため、製造が容易でなく、本実施の形態のように生産性を高めることはできない。
・接着剤14として歯科用の接着性コンポジットレジンを用いる構成とした。これにより、乾燥不足による強度低下を好適に抑制することが可能になる。さらに、歯科用の接着性コンポジットレジンは、人の歯色に合わせて白色系を有しているため、仮に真珠層13を通して内部の接着剤14が透けたとしても、真珠本来の色感を阻害しにくいという利点もある。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施の形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施の形態において、真珠層13の内部に、接着剤14とともに、内部球状空間よりも十分に小さい真珠核を少なくとも1個入れてもよい。この場合の真珠核は、半真珠11,12から取り出した真珠核22を加工したり、砕けた屑を利用したりするものでもよいし、小サイズの他の半真珠から取り出した真珠核を再利用するものでもよい。これにより、加飾真珠10(合体真珠)の重みを真珠本来の重みに近づけることができ、真珠核を有効活用しながら重量感を調整することが可能になる。
(2)上記実施の形態では、第1及び第2コーティング層15,18を備えるが、これらのうち一方のみを備える構成でもよいし、両方を備えない構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、半円真珠から真珠層13を得る構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、異形の真円真珠を半球状に切削加工したものから真珠層13を得る構成としてもよい。また、半円真珠から得た真珠層13と、異形の真円真珠を切削加工して得た真珠層13とを組み合わせて球状真珠を形成してもよい。
(4)上記実施の形態では、模様16としてグラデーション等を用いる構成としたが、模様16の種類はこれに限定されるものではなく、キャラクタや風景、幾何学模様等を描くものであってもよい。また、漆やインク等の塗料を用いたものに限定されず、例えば、シール状の模様や模様が印刷されたシールを貼付等するものであってもよい。
(5)上記実施の形態では、接着剤14として歯科用の接着性コンポジットレジンを用いたが、家庭用接着剤や工業用接着剤等の他の接着剤を用いる構成としてもよい。
(6)上記実施の形態では、半真珠11の開口端と半真珠12の開口端とが当接する構成としたが、両開口端が若干離間し(半真珠11,12が接近状態で対向する構成とし)、それらの間に接着剤14が介在する構成としてもよい。この場合、半真珠11,12の間から接着剤14が露出するものの、接着剤14の注入後に真珠層13同士を接近させる際に(図4(c)参照)、真珠層13を強く押し付ける結果、真珠層13が割れてしまうという不都合を抑制することができる。
(7)上記実施の形態では、接着剤14を一対の半真珠11,12により形成される内部球状空間の全体にいきわたらせ、加飾真珠10の内部で境界が形成されない構成としたが、当該内部に境界が形成される構成としてもよい。この場合、半真珠11,12の境界と上記内部の境界との位置が一致しない(両境界が不連続となる)構成するとよい。これにより、加飾真珠10を落下等させた場合に、加飾真珠10が二分化されたり、亀裂が奥深くまで生じたりするなどの不都合を抑制できる。
10…加飾真珠、11…半真珠、12…半真珠、13…真珠層、14…接着剤、15…第1コーティング層、16…模様、17…境界、18…第2コーティング層。
本発明は、加飾真珠の製造方法に関する。
上記目的を達成するために、本発明に係る加飾真珠の製造方法は、一対の半球状の真珠を組み合わせて、球状の真珠を形成する第1工程と、前記半球状の真珠同士の境界を含む前記球状の真珠の表面に、模様を施す第2工程と、を備え、前記第1工程は、前記半球状の真珠から真珠核を除去して、半球殻状の真珠を得る工程と、前記半球殻状の真珠の内部に接着剤を充填する工程と、一対の前記半球殻状の真珠を、その開口縁同士を対向させ、前記接着剤が固化する前に、前記一対の半球殻状の真珠により形成される内部球状空間の全体に前記接着剤をいきわたらせる工程と、前記内部球状空間内の前記接着剤を固化させる工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、半球状の真珠を組み合わせて球状の真珠を得る場合に生じる境界を模様によって目立たなくすることができ、装飾品としての価値を損なうことを抑制できるばかりか、装飾品としての価値を却って高めることも可能となる。さらに、本発明によれば、簡単な工程により、半球状の真珠を組み合わせた球状の真珠が割れにくくなるようにできる。

Claims (10)

  1. 一対の半球状の真珠が組み合わされて球状の真珠に形成され、
    前記半球状の真珠同士によって形成される、環状の境界を含む前記球状の真珠の表面に、不透明な模様が施されていることを特徴とする加飾真珠。
  2. 前記模様は、前記球状の真珠の表面における単位面積当たりの前記模様が視認される領域と前記球状の真珠の真珠層が視認される領域との割合の変化により、前記境界と比べて前記境界以外が徐々に薄くなる部分を有している、請求項1に記載の加飾真珠。
  3. 前記球状の真珠の真珠層の表面側に、補強用の第1コーティング層が形成され、
    前記第1コーティング層の表面側に前記模様が形成され、
    前記模様の表面側に、補強用の第2コーティング層が形成されている、請求項1又は2に記載の加飾真珠。
  4. 前記半球状の真珠は半円真珠である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾真珠。
  5. 前記半球状の真珠は、真珠核が除去された半球殻状に形成されており、
    前記半球殻状の真珠の内部には、接着剤が充填されており、
    前記接着剤は、一対の前記半球殻状の真珠によって形成される内部球状空間の全体にいきわたらせた球状に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾真珠。
  6. 前記接着剤は歯科用の接着性コンポジットレジンである、請求項5に記載の加飾真珠。
  7. 一対の半球状の真珠を組み合わせて、球状の真珠を形成する第1工程と、
    前記半球状の真珠同士の境界を含む前記球状の真珠の表面に、模様を施す第2工程と、
    を備えることを特徴とする加飾真珠の製造方法。
  8. 前記第1工程と前記第2工程との間に、前記球状の真珠の表面全域に、第1コーティング層を施す第1コーティング工程を備え、
    前記第2工程の後に、前記球状の真珠の表面全域に、第2コーティング層を施す第2コーティング工程を備える、請求項7に記載の加飾真珠の製造方法。
  9. 前記第1工程と前記第1コーティング工程との間に、前記球状の真珠の表面に微細な凹凸を形成する工程を備える、請求項8に記載の加飾真珠の製造方法。
  10. 前記第1工程は、
    前記半球状の真珠から真珠核を除去して、半球殻状の真珠を得る工程と、
    前記半球殻状の真珠の内部に、歯科用の接着性コンポジットレジンを充填する工程と、
    一対の前記半球殻状の真珠を、その開口縁同士を対向させて前記接着性コンポジットレジンを内部球状空間の全体にいきわたらせた状態で固化させる工程と、
    を備える、請求項7〜9のいずれか1項に記載の加飾真珠の製造方法。
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