JP2018064474A - 遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化 - Google Patents
遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】遮水シートを用いて人工的に造成された、ため池での水難事故防止と自然環境の保全が図れる水辺緑化工法を提供する。【解決手段】遮水シート5で覆われた人工池の法肩から水位変動域下位までに粘着パッチと結束バンド等の結束用具を用いて下層となる植生マット1を敷設固定し、その上に肥沃土6、二枚目となる植生マット1、防草シート2の順で重ね、下層の植生マットと一体化するように結束固定して植生基盤層8を形成し、当該植生基盤層表面に格子状合成繊維ネットを張り詰め固定し、該格子状合成繊維ネットの網目に一定間隔で植栽用切口を設け、これに地被植物類を植栽する。【選択図】図4
Description
本発明は、遮水シートを用いて人工的に造成された、ため池等での水難事故防止と水位変動域の水辺緑化に関するものである。
農業用水を確保するために、遮水シートを用いて人工的に造成されるため池は、植物が生育しにくく景観的にも殺風景であるとともに、季節ごとの水量によって水位が変動する変動水位域は、藻類が生育しており滑り易くなっている為、釣り人等が誤って水中に落ちた場合、水際につかまる物がない上水際に生育した藻類により滑りやすく、自力で這い上がることができず水難事故につながる危険性が高かった。
そこで近年は、無機質で殺風景な水辺の水位変動域を植生によって緑化する工法が開発されており、例えば特許文献1に示されるように、培養土に膨潤性、親水性の粘結固化剤を加えた培養粘状液をシート状にのばし、表面に植物種子、苗や株などを散播し、シートマット状に固化団結させた後、水辺に定置し、緑化を図る方法等が開示されている。
しかし、多くの水辺緑化の場合、緑化基盤や植栽容器類をアンカーピンや止釘等を用いて、水辺に固定する方法が用いられているが、遮水シートで形成されたため池等には、上記のアンカーピン等による打設固定方法では、漏水を引き起こす原因となり、これといった緑化がされていなかった。そこで遮水シートで覆われたため池等の水位変動域でも緑化を可能とし、誤って水中に転落した場合でも、自力で這い上がれる補助具が附帯された植生マットを用いて水難事故防止が図れる水辺緑化を提供することを目的とするものである。
遮水シートで覆われた人工池の法肩から水位変動域下位までに粘着パッチと結束バンド等の結束用具を用いて下層となる植生マットを敷設固定し、その上に肥沃土、二枚目となる植生マット、防草シートの順で重ね、下層の植生マットと一体化するように結束固定して植生基盤層を形成し、当該植生基盤層表面に格子状合成繊維ネットを張り詰め固定し、該格子状合成繊維ネットの網目に一定間隔で植栽用切口を設け、これに地被植物類を植栽して、水辺の緑化を図るとともに水難事故防止を図る人工池の緑化工法の提供。
遮水シートで覆われたため池等の水位変動域は、藻類により滑りやすく、水中に落ちてしまうと一人では這い上がることができず、水難事故につながる危険性を秘めていたが格子状合成繊維ネットで覆われた植生マットを水位変動域下位から上部に形成したことにより誤って池に落ちたとしても格子状合成繊維ネットにつかまり、這い上がることができる水難事故防止緑化工法である。
また、植栽マットの上を数ミリの肥沃土で覆い、その上を2枚目となる植生マットで覆い、この上を防草シートで覆った多重層の植生基盤層を形成したことにより、当該植生基盤層の水分蒸発が抑えられ、無土壌面の遮水シート面でも長期的緑化が可能となり、自然的な景観が取り戻せるため池の水難事故防止緑化工法である。
さらに、腐植しにくい材質で形成された植生マットで遮水シート面を覆うため池の水難事故防止緑化工法は、紫外線等の太陽光による腐食や外的損傷による破損から遮水シートを保護し、遮水シートとしての長期的防水機能を持続させることが可能なため池の水難事故防止緑化工法である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1は、いずれも破損や腐蝕がしにくく植生基盤土の流出がない程度のメッシュで形成された植生基盤マット1を構成する分解図である。植生基盤マットを構成している材質は、例えば好適として植物の根を通すポリエチレンの平織ネットシート1c、植物の根を通すポリエステルの不織布1bの順に重ね底部を形成し、その底部上に植生基盤土1a(水苔50%・バーク堆肥25%・ココピート10%・ピートモス10%・木草炭5%の混合物に有機肥料を配合)を4cm〜10cm厚で敷き詰め、圧縮して2cm〜5cm厚の植生基盤土1aに形成し、その上に底部を形成した材質のポリエステルの不織布1b、ポリエチレンの平織ネットシート1cの順に重ね上部を形成し、底部と上部が一体化し植生基盤土のマット内移動を抑え、構造体を堅持するように縦横所定間隔で腐蝕しにくい縫い糸を用いて縫製したことを特徴とする植生基盤マット1とする。
図2は、植生基盤層内の蓄熱を抑制し、水分蒸発と雑草の生育を防除する防草シートを構成する分解図である。下から順に遮光性と撥水性を有するポリエステル製黒色不織布シート2a、植芽・水・光を遮断する黒色ポリシート2b、太陽光熱を抑制するクラフト色のコーティング紙2c、該コーティング紙を破損から保護するポリエチレン製の格子状ネットシート2d、太陽光を抑制する乾燥芝草茎葉2eで被覆したことを特徴とする防草シート2とする。
防草シートは、腐蝕しにくい材質のシート4枚から形成された光や植芽を通さない雑草抑止シートで、厚さが1ミリ未満と薄層であるが破損や腐食がしにくく、長期に渡り形状を保持し、雑草抑止効果が長期間発揮されるとともに表面を芝草等の茎葉で被覆したことにより、太陽熱によるシート内の高蓄熱を軽減し、植栽されるイワダレソウやマツバギク等の地被植物苗の生育を阻害することなく繁茂させ、雑草の生育を抑制することが可能な防草シートである。
図3は、ため池等の人工池を形成している遮水シート面に敷設する植生マットを遮水シート面に粘着固定する結束バンド付パッチ3の斜視図である。この結束バンド付パッチ3は、紫外線や熱に優れた耐久性を持った塩ビ防水シートを直径数センチの大きさでカットしたパッチ3aの中央に結束バンドが通る貫通孔3bを形成し、当該貫通孔に結束バンド3cを通した組合せで、遮水シート面に植生マットを固定することを特徴とする固定具である。
遮水シート面に結束バンド付パッチを用いて植生マットを固定する手順は、遮水シート面に敷設された植生マットの縁周りに一定間隔で結束バンド付パッチを粘着固定し、この結束バンド付パッチの結束バンドが収納可能な筒と筒先が鋭角に形成された筒針4を用いて植生マットの縁部に結束バンド3cを収納した筒針4を刺し込み、筒先が数センチ出た所で筒針4を抜き取り、残った結束バンド3cを絞り込み粘着固定されたパッチ3aに結束固定する。
図4は、遮水シートで覆われた人工池の水位変動域に植生基盤層を形成する水難事故防止緑化工法の断面図である。遮水シート面に植生基盤層を形成する手順は、遮水シート5が張られている法肩部の裸地面から水位変動域の幅(長さ)に応じて法肩の裸地面部に係る植生基盤マット1をアンカーピン7で固定し、遮水シート面を覆う植栽基盤マットは結束バンド付パッチ3を用いて密着固定させ1層目となる植生基盤層を形成する。
次に1層目の植生基盤層を形成している植生基盤マット表面の網目を有機肥料からなる肥沃土6(粘性土40%牛糞40%鶏糞10%菜種油粕10%混合)で塗りつぶし、この上に敷設される植生基盤マットが密着しやすい数ミリの厚さで2層目の肥沃土6による植生基盤層を形成する。この2層目の植生基盤層上に2枚目となる植生基盤マット1を敷設し、さらにこの上に太陽光による植生基盤層内の蓄熱を抑制し、水分蒸発を抑制する防草シート2を敷設し、結束バンドを用いて1層目の植生基盤マットと一体化するように結束固定して人工池の水位変動域に植生基盤層8を形成する。なお、図中のHLは高水位であり、MLは平均的水位であり、LLは低水位であり、これらの水位変動に合せて、植生基盤層を形成する。
図5は、植生基盤層を形成したこの上に誤って池に落ちたとしても這い上がることが可能な格子状合成繊維ネット9を張り詰め、結束バンドにて植生基盤層に結束固定して水難事故防止を図るとともに、格子状合成繊維ネットの網目に一定間隔で植栽用切口を設け、これに短草の地被植物10を植栽して緑化を図る遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化工法である。また、当該植生基盤層に植栽される地被植物としては、例えば地表を這うように生育し、繁殖力が旺盛なイワダレソウ、マツバギク、蔓日々草等が最適であり、数十センチ間隔で植栽しても数カ月で遮水シート面を覆う群生状態となり、殺風景な水辺の景観が改善されます。
図6は、ため池等の人工池に形成された水難事故防止緑化工法による施工後3カ月の現状を示すものである。腐食しにくいシート類で形成された植生基盤層は、破損や型崩れもなく植生基盤層の上面を防草シートで覆ったことにより、飛来種子による雑草の発芽生育を抑制しており、一定間隔で植栽したイワダレソウが繁茂し、全体を緑に染め良好な景観の遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化工法である。
なお、植生基盤層を形成した上面に張り付けられた格子状合成繊維ネットは、太陽光や水中にさらされても腐食しにくく、人がぶら下がっても切れることのない落石防護ネットに使用されている合成繊維で形成された格子状のネットを張付けているので、誤って池に落ちたとしても這い上がることが可能な格子状合成繊維ネットである。
遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化工法は、ため池等での水難事故防止と緑化による自然環境の復元工法として、これから大いに利用される可能性の高いものである。
1 植生基礎マット
1a 植生基礎土
1b 不織布
1c 平織ネットシート
2 防草シート
2a 黒色不織布シート
2b 黒色ポリシート
2c コーティング紙
2d 格子状ネットシート
2e 芝草茎葉
3 結束バンド付パッチ
3a パッチ
3b 貫通孔
3c 結束バンド
4 筒針
5 遮水シート
6 肥沃土
7 アンカーピン
8 植生基盤層
9 格子状合成繊維ネット
10 地被植物
1a 植生基礎土
1b 不織布
1c 平織ネットシート
2 防草シート
2a 黒色不織布シート
2b 黒色ポリシート
2c コーティング紙
2d 格子状ネットシート
2e 芝草茎葉
3 結束バンド付パッチ
3a パッチ
3b 貫通孔
3c 結束バンド
4 筒針
5 遮水シート
6 肥沃土
7 アンカーピン
8 植生基盤層
9 格子状合成繊維ネット
10 地被植物
Claims (2)
- 人工池の遮水シート面に下から順に植生マット、肥沃土、植生マット、防草シートを重ねて一体化した植生基盤層を形成し、この上に格子状合成繊維ネットを取り付けたことを特徴とする遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化工法。
- 植生基盤層に取り付けた格子状合成繊維ネットの網目に一定間隔で植栽切口を設け、これに地被植物を植栽して遮水シート面の緑化を図ることを特徴とする遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203638A JP2018064474A (ja) | 2016-10-17 | 2016-10-17 | 遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203638A JP2018064474A (ja) | 2016-10-17 | 2016-10-17 | 遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018064474A true JP2018064474A (ja) | 2018-04-26 |
Family
ID=62085141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016203638A Pending JP2018064474A (ja) | 2016-10-17 | 2016-10-17 | 遮水シートを用いた人工池の水難事故防止緑化 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018064474A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109042103A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-12-21 | 广东百林园林股份有限公司 | 一种园林边坡复绿方法 |
CN110786206A (zh) * | 2019-11-05 | 2020-02-14 | 中国电力工程顾问集团西南电力设计院有限公司 | 一种土边坡的坡面绿化方法 |
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2016
- 2016-10-17 JP JP2016203638A patent/JP2018064474A/ja active Pending
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