JP2018064314A - モータ制御システム - Google Patents

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Hiroki Nakamura
啓紀 中村
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Abstract

【課題】磁極位置の検出異常時のフェールセーフ制御を効率的に実施可能としながら、さらなるモータの異常発生を低減可能とするモータ制御システムを提供する。
【解決手段】本発明は、3相のモータと、このモータに交流電力を供給するインバータと、このインバータを介してモータを制御するインバータ制御部とを有し、インバータが、モータの各相にそれぞれ高電位側及び低電位側スイッチング要素を介して接続される高電位側及び低電位側回路を有する、モータ制御システムに関する。かかるシステムにおいて、インバータ制御部は、モータの磁極位置の検出異常が生じ、かつモータの回転速度が第1の閾値よりも大きい場合に、全高電位側スイッチング要素及び全低電位側スイッチング要素をそれぞれオン及びオフにする第1の接続状態、又は全高電位側スイッチング要素及び全低電位側スイッチング要素をそれぞれオフ及びオンにする第2の接続状態をもたらすように、インバータを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータを介してモータを制御するように構成されるモータ制御システムに関する。
車両、機械等においては、インバータから供給される交流電力によって駆動するモータが用いられることがある。例えば、モータは、ハイブリッド自動車等の車両を走行駆動するための駆動モータとして用いられている。モータの制御は、インバータを制御することによって行われており、モータの制御においては、モータに異常が発生した場合であってもモータを安全に操作するためのフェールセーフ制御が行われることがある。
例えば、このようなフェールセーフ制御を行うモータ制御装置は、特許文献1に開示されている。特許文献1のモータ制御装置は、上述のようなモータ及びインバータと、モータの回転子の磁極位置を検出する磁極位置検出手段とを備え、磁極位置検出手段の異常が検出され、かつモータの回転速度が所定値以上である場合に、インバータが、モータの回転速度を減少させるようにモータへの電力供給を停止する構成となっている。また、典型的に、モータに接続されるインバータの回路上には、この回路の通電をオン状態とオフ状態とに切り換え可能とするスイッチング要素が配置される。
特開2001−112282号公報
しかしながら、上述のモータの制御においては、スイッチング要素の耐圧を超える誘起電圧がモータにて発生するようなモータの高速回転状態で、インバータがモータへの電力供給が停止するおそれがあり、この場合、誘起電圧によってスイッチング要素が破損するおそれがある。このように磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御によってモータの異常がさらに発生することは好ましくない。
本発明は、上記実情を鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことを可能としながら、さらなるモータの異常の発生を低減可能とするモータ制御システムを提供することにある。
課題を解決するために、本発明の一態様に係るモータ制御システムによれば、3相のモータと、直流電力を交流電力に変換し、かつ前記交流電力を前記モータに供給するように構成されるインバータと、前記モータの回転子の磁極位置を検出するように構成される磁極位置検出部と、前記磁極位置検出部から得られる情報に基づいて磁極位置の検出異常を検出するように構成される異常検出部と、前記インバータを制御するように構成されるインバータ制御部とを備え、前記インバータが、前記モータの各相にそれぞれ高電位側及び低電位側スイッチング要素を介して接続される高電位側及び低電位側回路を有する、モータ制御システムであって、さらに、前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が第1の閾値よりも大きい場合に、前記高電位側スイッチング要素のすべてをオンにすると共に前記低電位側スイッチング要素のすべてをオフにする第1の接続状態、又は前記高電位側スイッチング要素のすべてをオフにすると共に前記低電位側スイッチング要素のすべてをオンにする第2の接続状態をもたらすように、前記インバータを制御する構成となっている。
本発明の一態様に係るモータ制御システムによれば、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことを可能としながら、さらなるモータの故障の発生を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムを模式的に示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムのモータ、インバータ、及びバッテリを模式的に示す回路図である。 本発明の第1実施形態にて、磁極位置の検出異常時に高速回転状態にあるモータの制御における時間及びモータの回転速度の関係を表したグラフを示す図である。 本発明の第1実施形態にて、磁極位置の検出異常時におけるモータの制御全体を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態にて、磁極位置の検出異常時に高速回転状態にあるモータの制御を説明するためのタイムチャートと、かかるモータの制御における時間及びモータの回転速度の関係を表したグラフとを示す図である。 本発明の第3実施形態にて、磁極位置の検出異常時におけるモータの制御全体を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3実施形態にて、図6に示したモータの制御全体のうち、中速回転状態におけるモータの回転速度の制御を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1〜第4実施形態に係るモータ制御システムについて以下に説明する。なお、以下の説明においてモータ制御システムは、ハイブリッド自動車に搭載されるものとなっており、かかるモータ制御システムにより制御されるモータは、ハイブリッド自動車の走行輪の駆動軸に接続された走行駆動モータとなっている。しかしながら、第1〜第4実施形態に基づいて実施し得る本発明のモータ制御システムにおいては、モータは、ハイブリッド自動車以外の車両、例えば、燃料電池自動車、電気自動車等の走行輪の駆動軸に接続された走行駆動モータ等であってもよい。さらに、第1及び第2実施形態に基づいて実施し得る本発明のモータ制御システムにおいては、モータは、あらゆる車両における走行駆動モータ以外のモータ、エレベータ、エアコン等のような各種機械に用いられるモータ等であってもよい。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムについて説明する。
[モータ制御システムの概略について]
最初に、モータ制御システムの概略について説明する。図1を参照すると、モータ制御システムは、ハイブリッド自動車の走行輪の駆動軸(図示せず)に接続されるモータ1と、直流電力を交流電力に変換し、かつ変換された交流電力をモータ1に供給するように構成されるインバータ2と、このインバータ2に直流電力を供給するように構成されるバッテリ3とを含んでいる。モータ制御システムはまた、インバータ2を制御可能に構成される制御装置4を含んでいる。一例として、制御装置4は、ハイブリッド自動車の駆動力の分配等を制御可能に構成されるハイブリッドシステムコントローラであるとよい。なお、本発明において、ハイブリッドシステムコントローラ、後述するモータコントローラ等のコントローラは、IC、LSI、CPU、電気回路等であるとよい。
さらに、モータ制御システムは、ハイブリッド自動車の運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作量(以下、単に「ブレーキ操作量」という)を検出可能に構成されるブレーキ操作センサ5と、ハイブリッド自動車の運転者によるアクセルペダル(図示せず)の操作量(以下、「アクセル開度」という)を検出可能に構成されるアクセル操作センサ6とをさらに含んでいる。
次に、制御装置4は、インバータ2を制御可能に構成されるインバータ制御部7と、モータ1の回転子(図示せず)の磁極位置を検出するために用いられる磁極位置検出部8と、この磁極位置検出部8からの情報に基づいて磁極位置の検出異常を検出可能に構成される異常検出部9と、モータ1の回転子の磁極位置を推定するために用いられる磁極位置推定部10とを含んでいる。さらに、制御装置4は、ブレーキ操作量を検出可能に構成されるブレーキ操作量検出部11と、アクセル開度を検出可能に構成されるアクセル開度検出部12とを含んでいる。
また、インバータ制御部7は、インバータ2を介してモータ1を制御するようになっている。詳細は後述するが、かかるインバータ制御部7は、磁極位置の検出異常時にてフェールセーフ制御を行うことができる。具体的には、インバータ制御部7は、異常検出部9からの情報に基づいて磁極位置の検出異常が検出された場合に、モータ1の回転速度に応じた制御態様にて回転速度を減少させるように、インバータ2を制御する。なお、磁極位置の検出異常は、磁極位置検出部8、後述するU相、V相、及びW相ホールセンサ16,16a,16b,16c、並びに後述するU相、V相、及びW相磁極検出線31,31a,31b,31cのうち少なくとも1つの故障等の不具合に基づくものであるとよい。
しかしながら、本発明のモータ制御システムの概略は、これに限定されず、次のようになっていてもよい。特に、モータ制御システムが、車両以外の各種機械に用いられる場合には、モータ制御システムが、バッテリの代わりに、交流電流を供給するように構成される交流電源、例えば、家庭用電源、業務用電源等を用いてもよく、この場合、モータ制御システムは、かかる交流電源からの交流電力を直流電源力に変換し、かつ変換された直流電力をインバータに供給するように構成されるコンバータをさらに含むとよい。次に、制御装置は、ハイブリッドシステムコントローラ以外のコントローラであってもよく、例えば、モータを制御するために別途設けられるモータコントローラであってもよい。インバータ制御部、磁極位置検出部、異常検出部、磁極位置推定部、ブレーキ操作量検出部、及びアクセル開度検出部の少なくとも1つが、これらの残りを設けた制御装置とは別の制御装置に設けられてもよい。
[モータの詳細について]
図1及び図2を参照してモータ1の詳細について説明する。図2に示すように、モータ1は、U相、V相、及びW相コイル13a,13b,13cを有する3相モータ1となっている。これらU相、V相、及びW相コイル13a〜13cは、スター結線によって電気的に接続されている。しかしながら、U相、V相、及びW相コイルは、デルタ結線によって電気的に接続することもできる。
U相、V相、及びW相コイル13a,13b,13cはまた、それぞれ、U相、V相、及びW相モータ線14a,14b,14cによってインバータ2に接続されている。特に、各モータ線14a〜14cはハードワイヤであるとよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、U相、V相、及びW相モータ線の少なくとも1つは、基板等の電気部品上のパターン配線等とすることもできる。なお、図1においては、便宜上、U相、V相、及びW相モータ線14a〜14cを、符号14を付した1本の実線により示す。
これらU相、V相、及びW相モータ線14a,14b,14c上には、それぞれ、U相、V相、及びW相電流センサ15a,15b,15cが配置されている。U相、V相、及びW相電流センサ15a〜15cはまた、それぞれ、U相、V相、及びW相モータ線14a〜14cを流れる電流を検出可能に構成されている。なお、図1においては、U相、V相、及びW相電流センサ15a〜15cを、符号15を付すと共に「電流センサ」と表記した1つのブロックによって示す。
モータ1は、U相、V相、及びW相コイル13a,13b,13cにそれぞれ対応するU相、V相、及びW相ホールセンサ16a,16b,16cをさらに有している。U相、V相、及びW相ホールセンサ16a〜16cは、モータ1の回転子(図示せず)の磁極位置を検出可能とするように構成されている。なお、図1においては、U相、V相、及びW相ホールセンサ16a〜16cを、符号16を付すと共に「ホールセンサ」として表記した1つのブロックによって示す。
[インバータの詳細について]
図1及び図2を参照してインバータ2の詳細について説明する。図2に示すように、インバータ2は、U相モータ線14aを介してモータ1のU相コイル13aに電気的に接続されるU相高電位側及び低電位側回路17a,18aと、V相モータ線14bを介してモータ1のV相コイル13bに電気的に接続されるV相高電位側及び低電位側回路17b,18bと、W相モータ線14cを介してモータ1のW相コイル13cに電気的に接続されるW相高電位側及び低電位側回路17c,18cとを有している。また、U相、V相、及びW相高電位側回路17a〜17cは、高電位側バッテリ線19によってバッテリ3の陽極に電気的に接続されている。U相、V相、及びW相低電位側回路18a〜18cは、低電位側バッテリ線20によってバッテリ3の陰極に電気的に接続されている。特に、各バッテリ線19,20はハードワイヤであるとよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、高電位側及び低電位側バッテリ線の少なくとも1つは、基板等の電気部品上のパターン配線等とすることもできる。
かかるインバータ2は、それぞれU相、V相、及びW相高電位側回路17a,17b,17c上に配置されるU相、V相、及びW相高電位側スイッチング要素21a,21b,21cを有している。U相、V相、及びW相高電位側スイッチング要素21a〜21cは、それぞれ、U相、V相、及びW相高電位側回路17a〜17cの通電をオンの状態とオフの状態とに切り換え可能に構成されている。
インバータ2はまた、それぞれU相、V相、及びW相低電位側回路18a,18b,18c上に配置されるU相、V相、及びW相低電位側スイッチング要素22a,22b,22cを有している。U相、V相、及びW相低電位側スイッチング要素22a〜22cは、それぞれ、U相、V相、及びW相低電位側回路18a〜18cの通電をオンの状態とオフの状態とに切り換え可能に構成されている。
具体的には、各スイッチング要素21a〜21c,22a〜22cは、互いに並列に接続されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)21a1〜21c1,22a1〜22c1及びダイオード21a2〜21c2,22a2〜22c2を有しているとよい。各IGBT21a1〜21c1,22a1〜22c1は、それを配置した回路17a〜17c,18a〜18cの通電をオン状態とオフ状態とを切り換え可能とするように構成されている。また、各ダイオード21a2〜21c2,22a2〜22c2の極性は、それを配置した回路17a〜17c,18a〜18cを流れる直流電流に対して逆向きにするように配向されている。
しかしながら、本発明のインバータは、これに限定されず、次のようになっていてもよい。インバータのスイッチング要素を配置した回路の通電がオン状態とオフ状態とに切り換え可能となれば、スイッチング要素は、IGBTの代わりに、バイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、GTO(Gate Turn-Off thyristor)等を用いて構成されてもよい。
[各構成要素の接続関係について]
図1及び図2を参照して各構成要素の接続関係について説明する。図2に示すように、制御装置4のインバータ制御部7は、それぞれ、3つのインバータ接続ライン(破線により示す)23a,23b,23cによってU相、V相、及びW相高電位側スイッチング要素21a,21b,21cのIGBT21a1,21b1,21c1に電気的に接続されている。なお、図1においては、便宜上、これらのインバータ接続ライン23a〜23cを、符号23を付した1本の破線によって示す。
インバータ制御部7はまた、それぞれ、3つのインバータ接続ライン(破線により示す)24a,24b,24cによってU相、V相、及びW相低電位側スイッチング要素22a,22b,22cのIGBT22a1,22b1,22c1に接続されている。なお、図1においては、これらのインバータ接続ライン24a〜24cを、符号24を付した1本の破線によって示す。
図1に示すように、かかるインバータ制御部7は、それぞれ、5つの制御装置接続ライン(破線により示す)25〜29によって磁極位置検出部8、異常検出部9、磁極位置推定部10、ブレーキ操作量検出部11、及びアクセル開度検出部12に電気的に接続されている。磁極位置検出部8は、制御装置接続ライン(破線により示す)30によって異常検出部9と電気的に接続されている。図2に示すように、磁極位置検出部8は、それぞれ、3つのホールセンサ接続ライン(破線により示す)31a,31b,31cによってU相、V相、及びW相ホールセンサ16a,16b,16cと電気的に接続されている。なお、図1においては、便宜上、これらのホールセンサ接続ライン31a〜31cを、符号31を付した1本の破線によって示す。
磁極位置推定部10は、それぞれ、3つの電流センサ接続ライン(破線により示す)32a,32b,32cによってU相、V相、及びW相電流センサ15a,15b,15cに電気的に接続されている。なお、図1においては、便宜上、これらの電流センサ接続ライン32a〜32cを、符号32を付した1本の破線によって示す。
ブレーキ操作量検出部11は、ブレーキ操作センサ接続ライン(破線により示す)33によってブレーキ操作センサ5に電気的に接続されている。アクセル開度検出部12は、アクセル操作センサ接続ライン(破線により示す)34によってアクセル操作センサ6に電気的に接続されている。
一例として、インバータ接続ライン23,23a〜23c,24,24a〜24c,ホールセンサ接続ライン31,電流センサ接続ライン32,32a〜32c、ブレーキ操作センサ接続ライン33、及びアクセル操作センサ接続ライン34は、ハードワイヤになっているとよい。また、制御装置接続ライン25〜30は、制御装置内におけるデータのやりとり、演算処理等によって得られるようになっているとよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、これら接続ラインのそれぞれは、無線接続手段、又はCAN(Controller Area Network)通信等に用いられるハードワイヤ、基板等の電気部品上のパターン配線等の有線接続手段によって得られるようになっていてもよい。
[インバータ制御部の詳細について]
図1〜図3を参照してインバータ制御部7の詳細について説明する。なお、図3において、グラフの横軸tは時間を示し、グラフの縦軸Rはモータ1の回転速度を示す。
インバータ制御部7は、高電位側及び低電位側スイッチング要素21a〜21c,22a〜22cのオン及びオフを切り換え可能とするように制御する構成となっている。インバータ制御部7はまた、後述する異常検出情報を異常検出部9から受け取ることによって、磁極位置の検出異常が検出されたと判断するように構成されている。
異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出されていない状態でモータ1が通常に回転している場合(以下、「通常回転の場合」という)、インバータ制御部7は、後述する磁極位置検出情報に基づいて、モータ1の回転速度を算出するように構成されている。通常回転の場合、インバータ制御部7は、磁極位置検出情報とそれから算出されたモータ1の回転速度とに基づいて、モータ1の回転速度を調節するように上述のスイッチング要素21a〜21c,22a〜22cの切換を制御可能とする構成になっている。その一方で、異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出された状態でモータ1が回転している場合、インバータ制御部7は、磁極位置推定部10からの後述する磁極位置推定情報に基づいて、モータ1の回転速度を算出するように構成されている。さらに、磁極位置の検出異常時において、インバータ制御部7は、以下のようなフェールセーフ制御を行う。
インバータ制御部7は、異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出され、かつモータ1の回転速度が第1の閾値よりも大きい場合(以下、「磁極異常高速回転の場合」という)に、第1の接続状態又は第2の接続状態を継続するように、インバータ2を制御する(以下、かかる制御を「高速回転制御」という)。第1の接続状態においては、すべての高電位側スイッチング要素21a〜21cをオンにすると共にすべての低電位側スイッチング要素22a〜22cをオフにする。第2の接続状態においては、すべての高電位側スイッチング要素21a〜21cをオフにすると共にすべての低電位側スイッチング要素22a〜22cをオンにする。一例として、第1の閾値は、実験、適合等によって設定され、さらに、第1の閾値は、後述する磁気位置推定部10によって推測される磁極位置と実際の磁極位置との誤差が許容される値よりも大きくなるものと予測される回転速度の値であるとよい。具体的には、第1の閾値は、約7000rpm以上かつ約8000rpm以下であるとよい。しかしながら、本発明における第1の閾値は、かかる範囲に限定されず、モータの回転によってモータに誘起電圧が発生するような回転速度の下限値以下に定めることもできる。
このような第1及び第2の接続状態では、モータ1の回転にブレーキが掛かる。その結果、図3にて実線L1により示すように、第1又は第2の接続状態では、モータ1の回転速度は時間の経過に従って減少することとなる。
また、インバータ制御部7は、異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出され、かつモータ1の回転速度が第1の閾値以下である場合(以下、「磁極異常中低速回転の場合」という)に、磁極位置推定部10からの後述する磁極位置推定情報に基づいて調節される減少率にて回転速度を低下させるように、インバータ2を制御する(以下、かかる制御を「中低速回転制御」という)。すなわち、かかる中低速回転制御においては、センサレス制御によってモータ1の回転速度が低下するようになっている。
具体的には、中低速回転制御において、磁極位置推定情報から算出された回転速度に応じてその減少率を調節し、調節した減少率にて回転速度を減少させるとよい。かかる減少率は、モータ1の回転の急制動を防止するように調節されるとよい。例えば、減少率は、モータ1の回転の急制動を防止するように、磁極位置推定情報から最初に算出された回転速度に合わせた一定の値とすることができる。また、減少率は、モータ1の回転の急制動を防止するように、回転速度の低下に従って高くなるように調節することもできる。なお、中低速回転制御においては、後述する第3実施形態のように、磁極位置推定情報とブレーキ操作量情報とアクセル開度情報とのいずれかに基づいてモータ1の回転速度を変化させるように、インバータ2を制御することもできる。さらに、中低速回転制御を継続すると、モータ1の回転を停止させることができる。
[磁極位置検出部の詳細について]
図1及び図2を参照して磁極位置検出部8の詳細について説明する。磁極位置検出部8は、それぞれU相、V相、及びW相ホールセンサ16a〜16cから送られる信号等である磁極検出情報を受け取ることができるようになっている。かかる磁極位置検出部8は、磁極検出情報に基づいてモータ1の回転子の磁極位置を算出するようになっている。さらに、磁極位置検出部8は、算出した回転子の磁極位置に関する信号等である磁極位置検出情報を、インバータ制御部7及び異常検出部9にそれぞれ送るようになっている。
[異常検出部の詳細について]
図1を参照して異常検出部9の詳細について説明する。異常検出部9は、磁極位置検出部8から送られる磁極位置検出情報を受け取ることができるようになっている。かかる異常検出部9は、磁極位置検出情報に基づいて磁極位置の検出異常を検出するようになっている。例えば、異常検出部9は、予め定められた通常の磁極位置検出情報と、磁極位置検出部8から送られた磁極位置検出情報との比較を行い、かかる比較にて、これらの磁極位置検出情報間に所定の許容範囲を超える相違が生じた場合に、磁極位置の検出異常を検出するようになっているとよい。磁極位置の検出異常が検出された場合、異常検出部9は、磁極位置の検出異常を検出した旨の信号等である異常検出情報を、インバータ制御部7に送るようになっている。
[磁極位置推定部の詳細について]
図1及び図2を参照して磁極位置推定部10の詳細について説明する。磁極位置推定部10は、U相、V相、及びW相電流センサ15a〜15cから送られる信号等の出力電流情報を受け取ることができるようになっている。かかる電流検出情報は、モータ1のU相、V相、及びW相からの出力電流値を含んでいる。また、磁極位置推定部10は、インバータ制御部7から送られる信号等である指令電圧情報を受け取ることができるようになっている。かかる指令電圧情報は、インバータ制御部7からインバータ2を介してモータ1に送られる指令電圧値を含んでいる。さらに、磁極位置推定部10は、出力電流情報の出力電流値と指令電圧情報の指令電圧値とに基づいて、モータ1の回転子の磁極位置を推定するように構成されている。磁極位置推定部10はまた、推定された磁極位置に関する信号等である磁極位置推定情報を、インバータ制御部7に送るようになっている。
[ブレーキ操作量検出部及びアクセル開度検出部について]
図1を参照してブレーキ操作量検出部11及びアクセル開度検出部12の詳細について説明する。ブレーキ操作量検出部11は、ブレーキ操作センサ5から送られる信号等であるブレーキ操作量情報を受け取るように構成されている。なお、ブレーキ操作量情報は、ブレーキ操作量に応じてモータ1の回転速度を減少させる情報を含んでいるとよく、さらに、ブレーキ操作量情報は、ブレーキ操作量と、ディスクブレーキ等の摩擦ブレーキによって車速の減少をさせる制動、及び追突の回避、車間距離の調節等のための自動ブレーキ制御の少なくとも一方とに応じてモータ1の回転速度を減少させる情報を含んでいてもよい。ブレーキ操作量検出部11はまた、ブレーキ操作量情報をインバータ制御部7に送るように構成されている。アクセル開度検出部12は、アクセル操作センサ6から送られる信号等であるアクセル開度情報を受け取るように構成されている。アクセル開度検出部12はまた、アクセル開度情報をインバータ制御部7に送るように構成されている。
[モータの制御方法について]
図4を参照して、本実施形態に係るモータ1の制御方法について説明する。通常状態において、インバータ制御部7は、磁極位置検出部8により算出されるモータ1の回転速度を用いて実際の回転速度を判断する(ステップS1)。次に、インバータ制御部7が、磁極位置の検出異常が発生したか否かを判定する(ステップS2)。
磁極位置の検出異常が発生していないと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、通常状態における制御を継続する(ステップS1)。その一方で、磁極位置の検出異常が発生したと判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、磁極位置推定部10により推定されるモータ1の回転速度を用いて実際の回転速度を判断する(ステップS3)。インバータ制御部7は、このように推定された回転速度が第1の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS4)。
回転速度が第1の閾値よりも大きいと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、インバータ2を第1又は第2の接続状態とするように高速回転制御を行う(ステップS5)。その後、インバータ制御部7は、回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS4)。その一方で、回転速度が第1の閾値以下であると判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、磁極位置推定部10により推定される回転速度に基づいて調節される減少率にて回転速度を減少させるように中低速回転制御を行う(ステップS6)。さらに、インバータ制御部7は、回転速度が実質的にゼロになったか否かを判定する。すなわち、インバータ制御部7は、モータ1の回転が停止したか否かを判定する(ステップS7)。
モータ1の回転が停止していないと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、モータ1の回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS4)。その一方で、モータ1の回転が停止したと判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、モータ1の制御を終了する。
以上、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、インバータ制御部7がインバータ2を第1又は第2の接続状態とするように高速回転制御を行うことによって、モータ1の回転にはブレーキが掛かる。そのため、モータ1の回転速度が第1の閾値よりも大きくなるような高速回転状態、特に、高電位側及び低電位側スイッチング要素21a〜21c,22a〜22cの少なくとも1つの耐圧を超える誘起電圧がモータ1にて発生するような高速回転状態で、磁極位置の検出異常が検出された場合であっても、モータ1の誘起電圧が上記耐圧以下となるように、モータ1を迅速に減速させることができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことを可能としながら、さらなるモータ1の故障の発生を低減することができる。
磁極位置推定部10により推定される磁極位置の精度は、モータ1の回転速度の減少に従って向上するので、回転速度が第1の閾値以下となるようなモータ1の中低速回転状態では、上述の高速回転状態と比較して、磁極位置推定部10により推定される磁極位置の精度が高くなる。これに対して、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、モータ1の中低速回転状態にて、インバータ制御部7が上述の中低速回転制御を行うので、このような磁極位置に基づいて回転速度を効率的に減少させることができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るモータ制御システムについて説明する。なお、本実施形態に係るモータ制御システム及びモータ制御方法は、インバータ制御部の高速回転制御を除いて、第1実施形態に係るものと同様になっている。以下、本実施形態に係るインバータ制御部の高速回転制御について説明する。
[インバータ制御部の高速回転制御について]
図1及び図5を参照して、インバータ制御部7の高速回転制御について説明する。なお、図5においては、タイムチャート及びグラフの横軸tは時間を示し、タイムチャートの縦軸は、第1の接続状態(符号C1により示す)又は第2の接続状態(符号C2により示す)と第3の接続状態(符号C3により示す)との切換を示すためのものであり、グラフの縦軸Rはモータ1の回転速度を示す。
高速回転制御について、磁極異常高速回転の場合に、インバータ制御部7は、第1又は第2の接続状態と第3の接続状態とを切り換えることを繰り返すように、インバータ2を制御する。第3の接続状態においては、高電位側スイッチング要素21a〜21cの一部及びこれらの一部に対応する低電位側スイッチング要素22a〜22cの一部をそれぞれオン及びオフにし、かつ高電位側スイッチング要素21a〜21cの残部及びこれらの残部に対応する低電位側スイッチング要素22a〜22cの残部をそれぞれオフ及びオンにする。このような第3の接続状態では、モータ1の回転にブレーキは掛からずに、モータ1が慣性により回転する。なお、第3の接続状態における具体的な6通りのスイッチングパターンP1〜P6については、下記表1に示す。
Figure 2018064314
かかる図5のタイムチャートにて実線L2により示すように、第1又は第2の接続状態と第3の接続状態とは周期Tにて繰り返して切り換わるようになっている。1回の周期Tにおいて、第1又は第2の接続状態は前期継続時間T1の間維持され、かつ第3の接続状態は後期継続時間T2の間維持される。周期Tは、前期継続時間T1と後期継続時間T2との和であるとよい。前期及び後期継続時間T1,T2は、調節可能になっているとよく、特に、ハイブリッド自動車の使用状態に合わせて調節可能になっていると好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、前期及び後期継続時間の少なくとも一方が一定であってもよい。さらに、図5のグラフにて実線L3により示すように、第1又は第2の接続状態では、モータ1の回転速度は時間の経過に従って減少し、かつ第3の接続状態では、モータ1の回転速度はほぼ一定となる。
以上、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、第1実施形態に係るものにより得られる効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、インバータ制御部7が上述の高速回転制御を行うので、上述のようなモータ1の高速回転状態で、磁極位置の検出異常が検出された場合であっても、モータ1の回転にブレーキを掛ける第1又は第2の接続状態と、モータ1の回転にブレーキを掛けない第3の接続状態とが周期的に切り替わるので、モータ1を迅速かつ段階的に減速させることができる。その結果、ハイブリッド自動車において望まれないモータ1の回転の急制動を防止することができる。特に、モータ1がハイブリッド自動車の走行輪の駆動軸に接続される走行駆動モータ1として用いられる場合に、迅速かつ段階的なモータ1の減速によって、ハイブリッド自動車の急制動を防止することができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係るモータ制御システムについて説明する。なお、本実施形態に係るモータ制御システムは、インバータ制御部が、中低速回転制御の代わりに、後述する中速回転制御及び低速回転制御を行う点を除いて、第1実施形態に係るものと同様になっている。以下、本実施形態に係るインバータ制御部の中速及び低速回転制御並びにモータの制御方法について説明する。
[インバータ制御部の中速及び低速回転制御について]
図1を参照してインバータ制御部7の中速及び低速回転制御について説明する。インバータ制御部7は、異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出され、かつモータ1の回転速度が第1の閾値以下であると共に第2の閾値よりも大きい場合(以下、「磁極異常中速回転の場合」という)に、磁極位置推定情報とブレーキ操作量情報とアクセル開度情報とのいずれかに基づく回転速度の変化率にて回転速度を変化させるように、インバータ2を制御する(以下、かかる制御を「中速回転制御」という)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、中速回転制御では、磁極位置推定情報と、ブレーキ操作量情報及びアクセル開度情報のいずれか一方とに基づいてモータの回転速度を変化させてもよい。
また、第2の閾値は第1の閾値よりも小さくなっている。一例として、第2の閾値は、約500rpm以上かつ約1000rpm以下であるとよい。しかしながら、本発明における第2の閾値は、かかる範囲に限定されず、ハイブリッド自動車の徐行速度の上限値、例えば、時速約10kmとなるような回転速度とすることもできる。
中速回転制御についてさらに具体的に述べると、磁極異常中速回転の場合にブレーキが操作された状態では、インバータ制御部7は、ブレーキ操作量情報に基づいて指示される減少率にて回転速度を減少させるように、インバータ2を制御する。このとき、ブレーキ操作量情報に基づいて指示される減少率は、所定の上限値を超えないように定められると好ましく、例えば、かかる上限値は、ハイブリッド自動車にて望まれない急制動を防ぐように定められると好ましい。
磁極異常中速回転の場合にアクセルが操作された状態では、インバータ制御部7は、アクセル開度情報に基づいて指示される回転速度の変化率にてモータ1の回転速度を変化させるように、インバータ2を制御する。このとき、回転速度が所定の上限値を超えないように定められると好ましく、例えば、かかる上限値は第1の閾値とすることができる。
磁極異常中速回転の場合にブレーキ及びアクセルが操作されていない状態では、インバータ制御部7は、第1実施形態における中低速回転制御と同様に、インバータ2を制御する。なお、中速回転制御において、ブレーキ及びアクセルが同時に操作された場合には、ブレーキ操作量に基づいた中速回転制御が優先的に行われる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ブレーキ及びアクセルが同時に操作された場合には、アクセル開度に基づいた中速回転制御が優先的に行われてもよい。
次に、インバータ制御部7は、異常検出部9によって磁極位置の検出異常が検出され、かつモータ1の回転速度が第2の閾値以下である場合(以下、「磁極異常低速回転の場合」という)に、インバータ2の動作を停止する(以下、かかる制御を「低速回転制御」という)。低速回転制御においては、モータ1は惰性により回転することとなり、その結果、モータ1の回転速度が減少する。さらに、低速回転制御を継続すると、モータ1の回転を停止することができる。
[モータの制御方法について]
図6及び図7を参照して本実施形態に係るモータ1の制御方法について説明する。図6に示すように、通常状態にて、インバータ制御部7は、磁極位置検出部8により算出されるモータ1の回転速度を用いて実際の回転速度を判断する(ステップS11)。次に、インバータ制御部7が、磁極位置の検出異常が発生したか否かを判定する(ステップS12)。
磁極位置の検出異常が発生していないと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、通常状態における制御を継続する(ステップS11)。その一方で、磁極位置の検出異常が発生したと判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、磁極位置推定部10により推定されるモータ1の回転速度を用いて実際の回転速度を判断する(ステップS13)。インバータ制御部7は、このように推定された回転速度が第1の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS14)。
回転速度が第1の閾値よりも大きいと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、インバータ2を第1又は第2の接続状態とするように高速回転制御を行う(ステップS15)。その後、インバータ制御部7は、回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。その一方で、回転速度が第1の閾値以下であると判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、モータ1の回転速度が第2の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS16)。
回転速度が第2の閾値よりも大きいと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、後述するように中速回転制御を行う(ステップS17)。その後、インバータ制御部7は、モータ1の回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。その一方で、回転速度が第2の閾値以下であると判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、インバータ2の動作を停止するように低速回転制御を行う(ステップ18)。さらに、インバータ制御部7は、モータ1の回転速度が実質的にゼロになったか否かを判定する。すなわち、インバータ制御部7は、モータ1の回転が停止したか否かを判定する(ステップS19)。
モータ1の回転が停止していないと判定された場合(NO)、インバータ制御部7は、回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。その一方で、モータ1の回転が停止したと判定された場合(YES)、インバータ制御部7は、モータ1の制御を終了する。
さらに、図7を参照して中速回転制御を説明すると、インバータ制御部7は、ブレーキが操作されたか否かを判定する(ステップS21)。
ブレーキが操作されていない場合(NO)、インバータ制御部7は、アクセルが操作されたか否かを判定する(ステップS22)。アクセルが操作されていない場合(NO)、インバータ制御部7は、回転速度を、磁極位置推定情報から算出された回転速度に基づいて調節される減少率にて減少させる(ステップ23)。その後、インバータ制御部7は、モータ1の回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。アクセルが操作された場合(YES)、回転速度を、アクセル開度情報に基づいて指示されるモータ1の回転速度の増加率にて増加させる(ステップS24)。その後、インバータ制御部7は、回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。
その一方で、ブレーキが操作された場合(YES)、インバータ制御部7は、回転速度を、ブレーキ操作量情報に基づいて指示される減少率にて減少させる(ステップS25)。その後、インバータ制御部7は、回転速度が第1の閾値以下であるか否かを再び判定する(ステップS14)。
以上、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、第1実施形態におけるインバータ制御部7の中低速回転制御の代わりに、以下の効果を得ることできる点を除いて、第1実施形態に係るものと同様の効果を得ることができる。
本実施形態に係るモータ制御システムによれば、モータ1の回転速度が第2の閾値以下となるような低速回転状態、特に、モータ1の回転がハイブリッド自動車の徐行速度となるような低速回転状態にて、インバータ制御部7が、インバータ2の動作を停止するように低速回転制御を行うので、モータ1の回転速度を効率的に減少させることができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことができる。
磁極位置推定部10により推定される磁極位置の精度は、モータ1の回転速度の減少に従って向上するので、回転速度が第1の閾値以下であると共に第2の閾値よりも大きくなるような中速回転状態では、上述の高速回転状態と比較して、磁極位置推定部10により推定される磁極位置の精度が高くなる。これに対して、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、インバータ制御部7が、中速回転状態にて上述の中速回転制御を行うので、精度の高い磁極位置に基づいてモータ1の回転速度を効率的に減少させることができる。
また、ハイブリッド自動車の走行駆動に用いられるモータ1の中速回転状態では、上述の高速及び低速回転状態と比較して、運転者により意図されるブレーキ操作量の影響を受け易くなっている。これに対して、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、インバータ制御部7が、このような中速回転状態にてブレーキ操作量に基づいて中速回転制御を行うので、運転者の意図を反映させながらモータ1の回転速度を効率的に減少させることができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことができる。
さらに、ハイブリッド自動車の走行駆動に用いられるモータ1の中速回転状態では、上述の高速及び低速回転状態と比較して、運転者により意図されるアクセル開度の影響を受け易くなっている。これに対して、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、インバータ制御部7が、このような中速回転状態にてアクセル開度に基づいて中速回転制御を行うので、運転者の意図を反映させながらモータ1の回転速度を効率的に減少させることができる。よって、磁極位置の検出異常時におけるフェールセーフ制御を効率的に行うことができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係るモータ制御システムについて説明する。本実施形態に係るモータ制御システム及びモータ制御方法は、インバータ制御部7の高速回転制御を第2実施形態と同様に行う点除いて、第3実施形態に係るものと同様である。そのため、本実施形態に係るモータ制御システムによれば、第2及び第3実施形態に係るものと同様の効果を得ることができる。
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
1 モータ
2 インバータ
4 制御装置
7 インバータ制御部
8 磁極位置検出部
9 異常検出部
10 磁極位置推定部
11 ブレーキ操作量検出部
12 アクセル開度検出部
13a U相コイル
13b V相コイル
13c W相コイル
17a U相高電位側回路
17b V相高電位側回路
17c W相高電位側回路
18a U相低電位側回路
18b V相低電位側回路
18c W相低電位側回路
21a U相高電位側スイッチング要素
21b V相高電位側スイッチング要素
21c W相高電位側スイッチング要素
22a U相低電位側スイッチング要素
22b V相低電位側スイッチング要素
22c W相低電位側スイッチング要素
t 横軸
C1〜C3 第1〜第3の接続状態
R 縦軸
T 周期
T1 前期継続時間
T2 後期継続時間
L1,L2,L3 実線
S1〜S7,S11〜S19,S21〜S25 ステップ

Claims (6)

  1. 3相のモータと、
    直流電力を交流電力に変換し、かつ前記交流電力を前記モータに供給するように構成されるインバータと、
    前記モータの回転子の磁極位置を検出するように構成される磁極位置検出部と、
    前記磁極位置検出部から得られる情報に基づいて磁極位置の検出異常を検出するように構成される異常検出部と、
    前記インバータを制御するように構成されるインバータ制御部と
    を備え、
    前記インバータが、前記モータの各相にそれぞれ高電位側及び低電位側スイッチング要素を介して接続される高電位側及び低電位側回路を有する、モータ制御システムであって、
    さらに、前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が第1の閾値よりも大きい場合に、前記高電位側スイッチング要素のすべてをオンにすると共に前記低電位側スイッチング要素のすべてをオフにする第1の接続状態、又は前記高電位側スイッチング要素のすべてをオフにすると共に前記低電位側スイッチング要素のすべてをオンにする第2の接続状態をもたらすように、前記インバータを制御する構成となっている、モータ制御システム。
  2. 前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が前記第1の閾値よりも大きい場合に、前記第1又は第2の接続状態と、前記モータの3相のうち一部に接続される前記高電位側及び低電位側スイッチング要素をそれぞれオン及びオフにし、かつ前記モータの3相のうち残部に接続される前記高電位側及び低電位側スイッチング要素をそれぞれオフ及びオンにする第3の接続状態とを切り換えることを繰り返すように、前記インバータを制御する構成となっている、請求項1に記載のモータ制御システム。
  3. 前記モータに送られる指令電圧及び前記モータからの出力電流に基づいて前記磁極位置を推定するように構成される磁極位置推定部をさらに備え、
    前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が前記第1の閾値以下である場合に、前記磁極位置推定部により推定された磁極位置に基づいて調節される減少率にて前記モータの回転速度を低下させるように、前記インバータを制御する構成となっている、請求項1又は2に記載のモータ制御システム。
  4. 前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合に、前記インバータをその動作を停止するように制御する構成となっている、請求項1又は2に記載のモータ制御システム。
  5. 前記モータに送られる指令電圧及び前記モータからの出力電流に基づいて前記磁極位置を推定するように構成される磁極位置推定部をさらに備え、
    前記モータは車両の走行輪の駆動軸に接続されており、
    前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が前記第1の閾値以下であると共に前記第2の閾値よりも大きい場合に、前記車両のブレーキが操作された状態ではブレーキ操作量に基づいて得られる減少率にて前記回転速度を低下させるように、前記インバータを制御する構成となっている、請求項4に記載のモータ制御システム。
  6. 前記モータに送られる指令電圧及び前記モータからの出力電流に基づいて前記磁極位置を推定するように構成される磁極位置推定部をさらに備え、
    前記モータは車両の走行輪の駆動軸に接続されており、
    前記インバータ制御部は、前記異常検出部によって前記磁極位置の検出異常が検出され、かつ前記モータの回転速度が前記第1の閾値以下であると共に前記第2の閾値よりも大きい場合に、前記車両のアクセルが操作された状態ではアクセル開度に基づいて得られる変化率にて前記回転速度を変化させるように、前記インバータを制御する構成となっている、請求項4に記載のモータ制御システム。
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