JP2018062261A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間の概念を考慮して走行経路の候補を算出する場合に、走行経路の候補の数を極力少なくして演算時間を短くすることにより、その扱いを容易にする。【解決手段】車両制御装置10のパターン候補作成部88は、速度パターン取得部84で取得した速度パターンと、制約条件設定部86で設定された制約条件とを用いて、複数の挙動パターン候補を作成する。評価処理部90は、パターン候補作成部88で作成された各挙動パターン候補により特定される車両状態を評価する。パターン選択部94は、評価処理部90で算出された評価値Qに基づいて、各挙動パターン候補の中から所望の挙動パターンを選択する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の走行軌道を逐次生成すると共に、この走行軌道に基づいて前記車両を制御する車両制御装置に関する。
従来から、車両の走行軌道を逐次生成すると共に、この走行軌道に基づいて前記車両を制御する車両制御装置が知られている。例えば、複数の走行経路の候補を生成し、生成した各走行経路の候補から選択した最適な走行経路に基づいて走行軌道を生成する技術が種々開発されている。
特許文献1には、自車両の速度やヨーレート等の走行状態情報に基づき、自車両の走行領域内で自車両が移動可能となる進路である自車両可能進路を複数本算出し、安全度情報に基づいて、安全度が最も高い自車両可能進路を最適自車両進路として選択することが記載されている。
特許第4623057号公報(段落[0019]、[0021]、[0038]〜[0055]等)
ところで、車両ダイナミクス(車両運動モデル)を考慮して走行軌道を生成すれば、走行軌道に沿って車両を追従させることが可能となる。この場合、走行軌道の生成に際しては、時間の概念(速度)を考慮して車両が通る幾何学的な直線又は曲線を示す走行経路の候補を作成し、作成した走行経路の候補から最適な走行経路を選択し、選択した走行経路を用いて、各時点での車両状態を含む走行軌道を生成することになる。
この場合、速度の時系列パターン(速度パターン)の数と、操舵角の時系列パターンの数との掛け算が走行経路の候補の総数となるため、車両の軌道長が長くなる程、その組み合わせは膨大な数となり、演算時間が長くなる。また、走行経路の幾何的な形状に着目すると、同一形状でも速度パターンが異なれば、異なる走行経路の候補となるため、無駄が多くなってしまう。
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、時間の概念を考慮して走行経路の候補を算出する場合に、走行経路の候補の数を極力少なくして演算時間を短くすることにより、その扱いを容易にする車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両制御装置は、車両の走行軌道を逐次生成すると共に、前記走行軌道に基づいて前記車両を制御する車両制御装置であって、前記車両の目標速度の時系列を示す速度パターンを取得する速度パターン取得部と、前記車両の車幅方向の挙動に相関する制御量の制約条件を設定する制約条件設定部と、前記速度パターン取得部で取得された前記速度パターン及び前記制約条件設定部で設定された前記制約条件を用いて前記制御量の時系列プロットである挙動パターン候補を複数作成するパターン候補作成部と、前記パターン候補作成部で作成された前記各挙動パターン候補により特定される車両状態を評価する評価処理部と、前記評価処理部での前記各車両状態に対する評価結果に基づいて前記各挙動パターン候補の中から時点毎の前記制御量の組み合わせを示す挙動パターンを選択するパターン選択部と、前記パターン選択部で選択された前記挙動パターンに基づいて前記走行軌道を生成する走行軌道生成部とを備える。
このように、本発明では、前記速度パターン(時間の概念)を考慮して、前記各挙動パターン候補(に応じた走行経路の候補)を作成する場合、前記車幅方向の挙動(車両運動モデル、車両ダイナミクス)に基づく前記制約条件(車両運動限界)を考慮して前記各挙動パターン候補を作成する。これにより、前記制約条件を満たす挙動パターン候補のみ作成されるので、前記各挙動パターン候補の数を少なくすることができる。この結果、前記パターン候補作成部での前記各挙動パターン候補(前記走行経路の候補)の演算時間を短くすることができる。
また、前記パターン選択部では、前記評価結果に基づいて、前記各挙動パターン候補の中から前記挙動パターンを絞り込む。これにより、前記走行軌道生成部では、全ての挙動パターン候補を対象として前記走行軌道の生成に最適な挙動パターンを探索することが不要となる。この結果、前記走行軌道生成部における前記走行軌道の演算時間を短くすることができると共に、前記時間の概念及び前記車両ダイナミクスが考慮された前記走行軌道に前記車両を追従させることが可能となる。
しかも、前記速度パターンが前記車両の目標速度の時系列であるため、加速に必要な長さの足りない走行経路や、カーブを前記車両がオーバーランするような走行経路に応じた挙動パターン候補が作成されることを回避することができる。これにより、全ての挙動パターン候補について前記速度パターンが同じであっても、車線に沿って前記車両が走行するという目的に対して、必要十分な挙動パターン候補を作成することが可能となる。
このように、本発明では、前記時間の概念を考慮して前記挙動パターン候補を算出する場合に、前記挙動パターン候補(前記走行経路の候補)の数が極力少なくなって、演算時間が短くなり、その扱いが容易になる。
また、前記パターン候補作成部は、同一の時点で前記制御量が異なるサブグループを少なくとも1つ含む複数の前記挙動パターン候補を作成すればよい。これにより、前記各挙動パターン候補の中から前記走行軌道に最適な挙動パターンを選択することが可能となる。
この場合、前記パターン候補作成部は、早い時点ほど前記制御量を示す点数が多く、遅い時点ほど点数が少ない2つ以上の前記サブグループを含む複数の前記挙動パターン候補を作成すればよい。これにより、無駄な前記挙動パターン候補の探索を回避しつつ、多数の前記挙動パターン候補の中から前記挙動パターンを絞り込むことができるので、さらなる演算時間の短縮化が可能となる。
さらに、前記評価処理部は、早い時点から遅い時点に向かって、前記サブグループの中から、前記制御量に応じた車両状態の算出と、算出した前記車両状態の評価値の算出とを、1つずつ順次行い、前記パターン選択部は、前記評価値に基づいて前記挙動パターンを選択する。この場合でも、前記評価値に基づいて、多数の前記挙動パターン候補の中から前記挙動パターンを絞り込むことで、演算時間の短縮化を図ることができる。
また、前記パターン選択部は、前記評価値が相対的に高い車両状態に応じた挙動パターン候補を前記挙動パターンとして選択すればよい。これにより、前記時間の概念及び前記車両ダイナミクスが考慮された最適な前記挙動パターンを選択することができる。
また、前記パターン候補作成部は、前記サブグループ内における同一の時点での前記制御量が等間隔となるように前記各挙動パターン候補を作成すれば、前記走行軌道を精度良く生成することが可能となる。
この場合、前記パターン候補作成部は、前記制御量が0の時系列プロットを含むように前記各挙動パターン候補を作成することで、前記評価処理部での評価処理を0に収束させることが可能となる。
また、前記評価処理部は、前記車両が走行しようとするレーンとの位置関係に基づいて、前記各車両状態を評価すれば、評価処理を効率よく行うことができる。
本発明に係る車両制御装置によれば、時間の概念を考慮して挙動パターン候補を算出する場合に、挙動パターン候補の数が極力少なくなって、演算時間が短くなり、その扱いが容易になる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す中期軌道生成部の機能ブロック図である。 図2の機能ブロック図に関する動作説明に供されるフローチャートである。 本実施形態での走行経路の探索の概念図である。 速度パターンを示す図である。 自車両の運動モデルを示す概略図である。 操舵角速度の時間変化を示す図である。 操舵角の時間変化を示す図である。 走行経路候補を示す概略図である。 重み付けマップを示す図である。 挙動パターンを示す図である。
以下、本発明に係る車両制御装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[車両制御装置10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置10の構成を示すブロック図である。車両制御装置10は、車両120(図4、図6及び図9)に組み込まれており、且つ、車両120の自動運転又は自動運転支援を実行可能に構成される。車両制御装置10は、制御システム12と、入力装置と、出力装置とを備える。入力装置及び出力装置は、それぞれ、制御システム12に通信線を介して接続されている。
入力装置は、外界センサ14と、ナビゲーション装置16と、車両センサ18と、通信装置20と、自動運転スイッチ22と、操作デバイス24に接続された操作検出センサ26とを備える。
出力装置は、図示しない車輪を駆動する駆動力装置28と、前記車輪を操舵する操舵装置30と、前記車輪を制動する制動装置32とを備える。
<入力装置の具体的構成>
外界センサ14は、車両120の外界状態を示す情報(以下、外界情報)を取得する複数のカメラ33と複数のレーダ34を備え、取得した外界情報を制御システム12に出力する。外界センサ14は、さらに、複数のLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging;光検出と測距)装置を備えてもよい。
ナビゲーション装置16は、車両120の現在位置を検出可能な衛星測位装置と、ユーザインタフェース(例えば、タッチパネル式のディスプレイ、スピーカ及びマイク)とを含んで構成される。ナビゲーション装置16は、車両120の現在位置又はユーザによる指定位置に基づいて、指定した目的地までの経路を算出し、制御システム12に出力する。ナビゲーション装置16により算出された経路は、経路情報として記憶装置40の経路情報記憶部44に記憶される。
車両センサ18は、車両120の速度(車速)を検出する速度センサ、加速度を検出する加速度センサ、横Gを検出する横Gセンサ、垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、向き・方位を検出する方位センサ、勾配を検出する勾配センサを含み、各センサからの検出信号を制御システム12に出力する。これらの検出信号は、自車状態情報Ivhとして記憶装置40の自車状態情報記憶部46に記憶される。
通信装置20は、路側機、他車、及びサーバを含む外部装置と通信可能に構成されており、例えば、交通機器に関わる情報、他車に関わる情報、プローブ情報又は最新の地図情報を送受信する。なお、地図情報は、ナビゲーション装置16に記憶されると共に、地図情報として記憶装置40の地図情報記憶部42にも記憶される。
操作デバイス24は、アクセルペダル、ステアリングホイール(ハンドル)、ブレーキペダル、シフトレバー、及び方向指示レバーを含んで構成される。操作デバイス24には、ドライバによる操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。
操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込量(アクセル開度)、ハンドル操作量(操舵量)、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を車両制御部60に出力する。
自動運転スイッチ22は、例えば、インストルメントパネルに設けられ、ドライバを含むユーザが、マニュアル操作により、非自動運転モード(手動運転モード)と自動運転モードとを切り替えるための押しボタンスイッチである。
この実施形態では、自動運転スイッチ22が押される度に、自動運転モードと非自動運転モードとが切り替わるように設定されている。これに代わって、ドライバの自動運転意思確認の確実化のために、例えば、2度押しで非自動運転モードから自動運転モードに切り替わり、1度押しで自動運転モードから非自動運転モードに切り替わるように設定することもできる。
自動運転モードは、ドライバが、操作デバイス24(具体的には、アクセルペダル、ステアリングホイール及びブレーキペダル)の操作を行わない状態で、車両120が制御システム12による制御下に走行する運転モードである。換言すれば、自動運転モードは、制御システム12が、逐次決定される行動計画(短期的には、後述する短期軌道St)に基づいて、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32の一部又は全部を制御する運転モードである。
なお、自動運転モード中に、ドライバが、操作デバイス24の操作を開始した場合には、自動運転モードは自動的に解除され、非自動運転モード(手動運転モード)に切り替わる。
<出力装置の具体的構成>
駆動力装置28は、駆動力ECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)と、エンジン・駆動モータを含む駆動源とから構成される。駆動力装置28は、車両制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車両120が走行するための走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介し、或いは直接に車輪に伝達する。
操舵装置30は、EPS(電動パワーステアリングシステム)ECUと、EPS装置とから構成される。操舵装置30は、車両制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車輪(操舵輪)の向きを変更する。
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであって、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータとから構成される。制動装置32は、車両制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車輪を制動する。
<制御システム12の構成>
制御システム12は、1つ又は複数のECUにより構成され、各種機能実現部の他、記憶装置40等を備える。なお、機能実現部は、この実施形態では、CPU(中央処理ユニット)が記憶装置40に記憶されているプログラムを実行することにより機能が実現されるソフトウエア機能部であるが、集積回路等からなるハードウエア機能部により実現することもできる。
制御システム12は、記憶装置40及び車両制御部60の他、外界認識部52と、認識結果受信部53と、局所環境マップ生成部54と、統括制御部70と、長期軌道生成部71と、中期軌道生成部72と、短期軌道生成部73とを含んで構成される。ここで、統括制御部70は、認識結果受信部53、局所環境マップ生成部54、長期軌道生成部71、中期軌道生成部72、及び短期軌道生成部73のタスク同期を制御することで、各部の統括制御を行う。
外界認識部52は、車両制御部60からの自車状態情報Ivhを参照した上で、外界センサ14からの外界情報(画像情報を含む)に基づき、車両120の両側のレーンマーク(白線)を認識すると共に、停止線までの距離、走行可能領域を含む「静的」な外界認識情報を生成する。また、外界認識部52は、外界センサ14からの外界情報に基づき、障害物(駐停車車両を含む)、交通参加者(人、他車両)、及び信号機の灯色{青(緑)、黄(オレンジ)、赤}等の「動的」な外界認識情報を生成する。
外界認識部52は、それぞれ生成した静的及び動的な外界認識情報(以下、まとめて「外界認識情報Ipr」ともいう)を認識結果受信部53に出力(送信)する。これと併せて、外界認識情報Iprは、記憶装置40の外界認識情報記憶部45に記憶される。
認識結果受信部53は、演算指令Aaに応答して、所定の演算周期Toc(基準周期又は基準演算周期)内に受信した外界認識情報Iprを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。ここで、演算周期Tocは、制御システム12の内部での基準の演算周期であり、例えば、数10ms程度の値に設定されている。
局所環境マップ生成部54は、統括制御部70からの演算指令Abに応答して、自車状態情報Ivh及び外界認識情報Iprを参照し、演算周期Toc内に局所環境マップ情報Iemを生成して、更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。すなわち、制御の開始時には、局所環境マップ情報Iemが生成されるまでに、演算周期2×Tocを要する。
概略的に言えば、局所環境マップ情報Iemは、外界認識情報Iprに対して自車状態情報Ivhを合成した情報である。局所環境マップ情報Iemは、記憶装置40の局所環境マップ情報記憶部47に記憶される。
長期軌道生成部71は、統括制御部70からの演算指令Acに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち静的な成分のみ利用)、自車状態情報Ivh、及び地図情報記憶部42に記憶されている道路地図(カーブの曲率等)を参照して、相対的に最も長い演算周期(例えば、9×Toc)で長期軌道Ltを生成する。そして、長期軌道生成部71は、生成した長期軌道Ltを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。なお、長期軌道Ltは、軌道情報Itとして記憶装置40の軌道情報記憶部48に記憶される。
中期軌道生成部72は、統括制御部70からの演算指令Adに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち、動的な成分及び静的な成分の両方を利用)、自車状態情報Ivh、及び長期軌道Ltを参照して、相対的に中位の演算周期(例えば、3×Toc)で中期軌道Mtを生成する。そして、中期軌道生成部72は、生成した中期軌道Mtを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。なお、中期軌道Mtは、長期軌道Ltと同様に、軌道情報Irとして、軌道情報記憶部48に記憶される。
短期軌道生成部73は、統括制御部70からの演算指令Aeに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち、動的な成分及び静的な成分の両方を利用)、自車状態情報Ivh、長期軌道Lt、及び中期軌道Mtを参照し、相対的に最も短い演算周期(例えば、Toc)で短期軌道Stを生成する。そして、短期軌道生成部73は、生成した短期軌道Stを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70及び車両制御部60に同時に出力する。なお、短期軌道Stは、長期軌道Lt及び中期軌道Mtと同様に、軌道情報Irとして、軌道情報記憶部48に記憶される。
なお、長期軌道Ltは、例えば10秒間程度の走行時間における軌道を示し、乗り心地・快適性を優先した軌道である。また、短期軌道Stは、例えば1秒間程度の走行時間における軌道を示し、車両ダイナミクスの実現及び安全性の確保を優先した軌道である。中期軌道Mtは、例えば5秒間程度の走行時間における軌道を示し、長期軌道Lt及び短期軌道Stに対する中間的な軌道である。
短期軌道Stは、短周期Ts(=Toc)毎の、車両120の目標挙動を示すデータセットに相当する。短期軌道Stは、例えば、縦方向(X軸)の位置x、横方向(Y軸)の位置y、姿勢角θ、速度v、加速度va、曲率ρ、ヨーレートγ、操舵角δstをデータ単位とする軌道点列(x,y,θ,v,va,ρ,γ,δst)である。また、長期軌道Lt又は中期軌道Mtは、周期がそれぞれ異なるものの、短期軌道Stと同様に定義されたデータセットである。
車両制御部60は、短期軌道St(軌道点列)にて特定される挙動に従って車両120が走行可能となる車両制御値Cvhを決定し、得られた車両制御値Cvhを駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32に出力する。
[中期軌道生成部72の構成及び動作]
この実施形態における車両制御装置10は、以上のように構成される。続いて、中期軌道生成部72の構成及び動作について、図2〜図11を参照しながら詳細に説明する。
<中期軌道生成部72の機能ブロック図>
図2は、図1に示す中期軌道生成部72の機能ブロック図である。中期軌道生成部72は、経路候補(挙動パターン候補)を生成し、生成した経路候補から所望の経路(挙動パターン)を選択する走行経路生成部80と、所望の経路を用いて出力軌道(ここでは、走行軌道としての中期軌道Mt)を生成する出力軌道生成部82(走行軌道生成部)とを備える。
走行経路生成部80は、局所環境マップ情報Iem、自車状態情報Ivh及び上位階層軌道(具体的には、長期軌道Lt)を用いて、車両120が通過すべき点列(x,y)の候補(つまり、経路候補)を生成し、生成した点列(x,y)の候補の中から最適な点列(x,y)(つまり、所望の経路)を選択する。すなわち、走行経路生成部80は、車両120が通る幾何学的な直線や曲線を表わした、時間の概念のない経路の点列(x,y)を生成する。そして、走行経路生成部80は、速度パターン取得部84、制約条件設定部86、パターン候補作成部88、評価処理部90、重み付けテーブル92及びパターン選択部94を含んで構成される。
速度パターン取得部84は、長期軌道Ltに含まれる、車両120の目標速度の時系列を示す速度パターン(図5)を取得する。制約条件設定部86は、車両120の車幅方向(Y方向)の挙動に相関する制御量の制約条件を設定する。この場合、制御量としては、例えば、上述の操舵角δst、左右の車輪に対する制動力又は駆動力、車両120が4WS(4 Wheel Steering)の車両であるときの後輪の操舵角、がある。
パターン候補作成部88は、速度パターン取得部84で取得された速度パターンと、制約条件設定部86で設定された制約条件とを用いて、制御量(操舵角δst又は操舵角速度dδst/dt)の時系列プロットを示す挙動パターン候補を複数作成する。なお、挙動パターン候補は、走行経路の候補(経路候補)に応じた制御量の時系列プロットである。
評価処理部90は、重み付けテーブル92(図10)を参照することにより、パターン候補作成部88で作成された複数の挙動パターン候補により特定される車両状態を評価する。この場合、車両状態としては、例えば、車両120の位置x、y、姿勢角θz、ヨーレートγがある。パターン選択部94は、評価処理部90での各車両状態に対する評価結果に基づいて、複数の挙動パターン候補の中から、時点毎の制御量の組み合わせに応じた所望の挙動パターンを選択する。なお、挙動パターンは、所望の走行経路に応じた時点毎の制御量の組み合わせである。
一方、出力軌道生成部82は、走行経路生成部80により生成された挙動パターン(に応じた経路)の他、局所環境マップ情報Iem、自車状態情報Ivh及び長期軌道Ltを用いて、中期軌道Mtを生成する。すなわち、出力軌道生成部82は、時点毎に車両120がどのような状態であるのかを記述した走行軌道を、中期軌道Mtとして生成する。出力軌道生成部82は、軌道作成部96、評価部98及び出力軌道決定部100を含んで構成される。
軌道作成部96は、パターン選択部94が選択した挙動パターンに応じた経路に対して、所望の速度パターン(図5)を合成することにより、軌道候補の集合体を作成する。評価部98は、例えば、軌道候補と上位階層軌道(長期軌道Lt)との偏差や、軌道候補と外界認識情報Iprとの偏差を算出し、算出した偏差に基づく評価値を算出することにより、軌道候補を評価する。出力軌道決定部100は、1つ又は複数の軌道候補の中から評価結果が最も優れた(評価値が最大である)軌道候補を選択し、選択した軌道候補を中期軌道Mtとして出力する。
<中期軌道生成部72の動作>
続いて、中期軌道生成部72の動作について、図3のフローチャート及び図4〜図11を参照しながら詳細に説明する。
図4は、仮想空間122上における車両120において、軌道候補を生成する場合を図示した概念図である。この仮想空間122は、車両120の位置を示す始点124を原点Oとするローカル座標系によって定義される平面空間である。仮想空間122上のX軸は、車両120の進行方向(つまり、車長方向)に相当する。また、Y軸は、X軸に直交する座標軸であって、車両120の車幅方向に相当する。
図4は、車両120が現在位置である始点124からΔt1秒後に複数の経由点126のうちの1つに到達し、Δt2秒後に1つの経由点126から複数の経由点128のうちの1つに到達し、Δt3秒後に1つの経由点128から複数の経由点130のうちの1つに到達することを示している。
この場合、車両120と複数の経由点126とを結ぶ矢印は、現在位置からΔt1秒後に車両120が到達可能な軌道候補を示す。また、1つの経由点126と複数の経由点128とを結ぶ矢印は、Δt2秒後に車両120が到達可能な軌道候補を示す。さらに、1つの経由点128と複数の経由点130とを結ぶ矢印は、Δt3秒後に車両120が到達可能な軌道候補を示す。従って、始点124から、車両120が辿る矢印の先の各経由点126〜130を結ぶことにより、中期軌道Mtを生成することが可能となる。
図3のフローチャートは、最適な中期軌道Mtを生成するための中期軌道生成部72内の処理内容を図示したものである。
ステップS1において、速度パターン取得部84は、長期軌道Ltの中から速度パターンを抽出する。速度パターンは、図5に示すように、車両120の目標速度の時系列を示すものであり、上位階層軌道(長期軌道Lt)の理想的な速度パターンである。
ステップS2において、制約条件設定部86は、車両120の車幅方向(Y方向)の挙動に相関する制御量(例えば、操舵角δst、操舵角速度dδst/dt)の制約条件を設定する。
図6は、ステップS2以降の処理に適用される車両120の運動モデル(車両モデル)を示す。この車両モデルでは、車両120の左右の前輪142f及び後輪142rを、原点O(始点124)からX軸に沿って距離lf、lrの位置にある擬似的な前輪144f及び後輪144rに置き換えている。
この場合、運転者がステアリングホイールを左に切ることにより、前輪144fの操舵角δstがX軸に対して反時計方向にStrだけ変化すると、車両120の姿勢角θは、原点Oを中心に反時計方向に変化する。なお、前輪144fには、左右の前輪142fにそれぞれ作用する力Ffを合成したY軸方向の力2Ffが作用する。また、後輪144rには、左右の後輪142rにそれぞれ作用する力Frを合成したY軸方向の力2Frが作用する。また、図6には、車両120の速度vの方向も図示されている。
ここで、制約条件設定部86は、車両120の横Gのリミット値と、速度パターン中の各時点での速度とに基づいて、操舵角Strのリミット値Strl(Str≦|Strl|)と、操舵角速度dδst/dt(以下、操舵角速度Strrともいう。)のリミット値Strrl(Strr≦|Strrl|)とを算出する。
図7は、時点0からΔt秒後までの操舵角速度Strrの時間変化を示す図である。図8は、時点0からΔt秒後までの操舵角Strの時間変化を示す図である。図8中、Str0は、時点0での操舵角Str(初期操舵角Str0)を示す。なお、図8において、操舵角Strの正方向は、ステアリングホイールの時計方向(右方向)への回転を示し、操舵角Strの負方向は、ステアリングホイールの反時計方向(左方向)への回転を示す。
制約条件設定部86は、リミット値Strl、Strrlを設定することにより、これらのリミット値Strl、Strrlを超えるような経路及び中期軌道Mtが中期軌道生成部72内で生成されることを防止する。
ステップS3において、パターン候補作成部88は、図5の速度パターンと、図7及び図8のリミット値Strl、Strrlとに基づいて、複数の挙動パターン候補(に応じた経路候補)を作成する。
具体的に、パターン候補作成部88は、時点0からΔt秒までの時間帯において、正のリミット値+Strrlと負のリミット値−Strrlとの間を、等間隔に所定数(例えば、20点)サンプリングした操舵角速度Strrと、Strr=0との合計で21点(21パターン)の操舵角速度Strrのサブグループを設定する。次に、パターン候補作成部88は、図8において、正のリミット値+Strlと負のリミット値−Strlとの間で、21パターンの操舵角速度Strrに応じた操舵角Strの時間変化を示す直線を、初期操舵角Str0からΔt秒の時点まで引く。
次に、パターン候補作成部88は、下記の(1)式及び(2)式により、21パターンの操舵角速度Strr及び操舵角Strについて、Δt秒後の車両120の状態、すなわち、位置x、y、姿勢角θ及びヨーレートγ(以下、ヨーレートyawrともいう。)を算出する。
Figure 2018062261
Figure 2018062261
なお、(1)式及び(2)式において、括弧内のtは、任意の時点t(=T+Δt)を示す。この場合、Tは、初期操舵角Str0の時点をいい、図7及び図8の例では、T=0である。また、velは、車両120の速度であり、αは車両120のギア比、Wは、任意の定数を示す。
従って、パターン候補作成部88は、上記(1)式及び(2)式によって車両120の状態を求めることにより、時間の概念及び車両ダイナミクスを考慮した21パターンの挙動パターン候補を作成することができる。従って、パターン候補作成部88は、21パターンの挙動パターン候補から点列(x,y)を生成し、生成した点列(x,y)を用いて、時点0からΔt秒後までの21パターンの経路候補146を作成することができる。
図9は、パターン候補作成部88により作成された経路候補146を示す図である。図9では、21パターンの経路候補146のうち、代表的に、Str=0での経路候補146を含む、合計で9個の経路候補146を図示している。
ステップS4において、評価処理部90は、時点T(=0)での車線148(レーン)に対する車両120のY軸方向の偏差Δy0と、姿勢角θの偏差Δθ0とを算出する。次に、評価処理部90は、重み付けテーブル92を参照して、各偏差Δy0、Δθ0に応じた評価関数の重みWyを決定する。図10は、重み付けテーブル92を示す各偏差Δy、Δθ及び重みWyの3次元マップの一例である。
ステップS5において、評価処理部90は、21パターンの挙動パターン候補について、Δt秒後の偏差Δy、Δθを算出する。次に、評価処理部90は、算出した21パターンのY軸方向の偏差Δyについて、最大値Δymax及び最小値Δyminを特定すると共に、算出した21パターンの姿勢角θの偏差Δθについて、最大値Δθmax及び最小値Δθminを特定する。
ステップS6において、評価処理部90は、下記の(3)式により、21パターンの挙動パターン候補に対する評価値Qを算出する。
Figure 2018062261
ステップS7において、パターン選択部94は、各評価値Qに基づいて、21パターンの挙動パターン候補の中から、所望の挙動パターンを選択する。この場合、パターン選択部94は、評価値Qが相対的に高い上位の車両状態を示す挙動パターン候補を所望の挙動パターンとして選択する。例えば、時点0からΔt秒後のサブグループを構成する21個のサンプリングについて、評価値Qが高いものから順に上位5個(、3個又は1個)のサンプリングを抽出し、抽出したサンプリングに応じた挙動パターン候補を所望の挙動パターン(所望の経路)として選択する。
ステップS8において、走行経路生成部80は、経路の生成処理を終了すべきか否かを判定する。Δt秒以降の経路生成処理が必要である場合(ステップS8:NO)、走行経路生成部80は、ステップS2に戻り、ステップS2〜S7の処理を繰り返し実行する。従って、走行経路生成部80は、経路の生成が完了するまで、ステップS2〜S8の処理を繰り返し行う。
この結果、図11に示すように、時点0からΔt1秒、Δt2秒、Δt3秒、Δt4秒、Δt5秒と経過する毎に、挙動パターン候補(経路候補146)が作成され、パターン選択部94によって選択された経路候補146を時点0からΔt5秒まで繋ぎ合わせたものが所望の経路150として出力軌道生成部82に出力される。なお、前述のように、経路候補146が挙動パターン候補に応じた経路であると共に、経路150が挙動パターンに応じた経路であるが、図11では、説明の便宜上、操舵角Strの時間変化を示す直線に対して、経路候補146及び経路150の参照符号を付けている。
ここでは、図11について、より詳しく説明する。
時点0からΔt1秒までの時間帯においては、図3のステップS2〜S8の処理によって、前述のように、時点t0での1つの初期操舵角Str0に基づき得られた21パターンの経路候補146の中から、5つの経路候補146が経路150の一部として選択される。この場合、Δt1秒での21個のサンプリングのサブグループに対しては、「t=T+Δt」を用いた上記(1)式及び(2)式は、T=0、Δt=Δt1に置換して適用される。
また、Δt1秒からΔt2秒までの時間帯では、初期操舵角Str0は、Δt1秒で選択された5つの経路候補146の点(経由点)での操舵角となる。そのため、図3のステップS2〜S8の処理では、5つの経路候補146に応じた初期操舵角Str0のそれぞれについて、Δt1秒からΔt2秒までの操舵角の時間変化を示す直線が引かれ、それぞれの直線に応じた経路候補146に対して評価処理や経路150の選択処理が行われる。この結果、Δt2秒後には、Δt1秒での5つの初期操舵角Str0(に応じた点)に対して、それぞれ、評価値Qが上位の5つの経路候補146が経路150の一部として選択される。この場合、Δt2秒での複数個のサンプリングのサブグループに対して、ステップS2〜S8の処理では、「t=T+Δt」を用いた(1)式及び(2)式は、T=Δt1、Δt=Δt2に置換して適用される。
以下同様に、Δt2秒からΔt3秒までの時間帯では、初期操舵角Str0は、Δt2秒で選択された5つの経路候補146の点での操舵角となる。この場合も、5つの経路候補146に応じた初期操舵角Str0のそれぞれについて、Δt2秒からΔt3秒までの操舵角の時間変化を示す直線が引かれ、それぞれの直線に応じた経路候補146に対して評価処理や経路150の選択処理が行われる。この結果、Δt3秒後には、Δt2秒での5つの初期操舵角Str0に対して、それぞれ、評価値Qが上位の3つの経路候補146が経路150の一部として選択される。この場合、「t=T+Δt」を用いた(1)式及び(2)式は、T=Δt2、Δt=Δt3に置換して適用される。
また、Δt3秒からΔt4秒までの時間帯では、初期操舵角Str0は、Δt3秒で選択された3つの経路候補146の点での操舵角となる。この場合も、3つの経路候補146に応じた初期操舵角Str0のそれぞれについて、Δt3秒からΔt4秒までの操舵角の時間変化を示す直線が引かれ、それぞれの直線に応じた経路候補146に対して評価処理や経路150の選択処理が行われる。この結果、Δt4秒後には、Δt3秒での3つの初期操舵角Str0に対して、それぞれ、評価値Qが上位の3つの経路候補146が経路150の一部として選択される。この場合、「t=T+Δt」を用いた(1)式及び(2)式は、T=Δt3、Δt=Δt4に置換して適用される。
さらに、Δt4秒からΔt5秒までの時間帯では、初期操舵角Str0は、Δt4秒で選択された3つの経路候補146の点での操舵角となる。この場合も、3つの経路候補146に応じた初期操舵角Str0のそれぞれについて、Δt4秒からΔt5秒までの操舵角の時間変化を示す直線が引かれ、それぞれの直線に応じた経路候補146に対して評価処理や経路150の選択処理が行われる。この結果、Δt5秒後には、Δt4秒での3つの初期操舵角Str0に対して、それぞれ、評価値Qが上位の1つの経路候補146が経路150の一部として選択される。この場合、「t=T+Δt」を用いた(1)式及び(2)式は、T=Δt4、Δt=Δt5に置換して適用される。
以上のように、図11の例では、操舵角Str及び操舵角速度Strrをパラメータとし、速度vel及び時点t(時点0、Δt1秒、Δt2秒、Δt3秒、Δt4秒、Δt5秒の離散時間)を固定値として、経路候補146及び経路150の探索を行う。この場合、時点0からΔt5秒までの時間帯において、5×5×3×3×1の組み合わせで合計225パターンの経路150が選択される。なお、図11では、図示の簡略化のため、Δt1秒以降、経路候補146及び経路150の一部のみ図示している。
また、図11の例では、早い時点でのサンプリング数は多くなる一方で、遅い時点でのサンプリング数は少なくなるように、時間が経過するほど経路候補146の数が少なくなるように設定されている。これにより、走行経路生成部80内での処理負荷が軽減される。なお、図11では、時点0からΔt5秒までの時間間隔を等間隔にしているが、時点0付近の早い時点を短い間隔とし、遅い時点を粗い間隔とすることも可能である。
ステップS9において、軌道作成部96は、パターン選択部94から入力された経路150に速度パターンを合成して、軌道候補(中期軌道Mtの候補)の集合体を作成する。ステップS10において、評価部98は、軌道候補と長期軌道Ltとの偏差や、軌道候補と外界認識情報Iprとの偏差を算出し、算出した偏差に基づく評価値を算出する。ステップS11において、出力軌道決定部100は、1つ又は複数の軌道候補の中から最大の評価値を示す軌道候補を選択し、選択した軌道候補を中期軌道Mtとして出力する。
[この車両制御装置10による効果]
以上のように、車両制御装置10は、[1]車両120の中期軌道Mtを逐次生成すると共に中期軌道Mtに基づいて車両120を制御する装置であって、[2]車両120の目標速度の時系列を示す速度パターンを取得する速度パターン取得部84と、[3]車両120の車幅方向(Y軸方向)の挙動に相関する制御量(操舵角Str、操舵角速度Strr)の制約条件(リミット値Strl、Strrl)を設定する制約条件設定部86と、[4]速度パターン取得部84で取得された速度パターン及び制約条件設定部86で設定された制約条件を用いて制御量の時系列プロットである挙動パターン候補(経路候補146)を複数作成するパターン候補作成部88と、[5]パターン候補作成部88で作成された各経路候補146により特定される車両状態を評価する評価処理部90と、[6]評価処理部90での各車両状態に対する評価結果に基づいて各挙動パターン候補(経路候補146)の中から時点毎の制御量の組み合わせを示す挙動パターン(経路150)を選択するパターン選択部94と、[7]パターン選択部94で選択された経路150に基づいて中期軌道Mtを生成する出力軌道生成部82とを備える。
このように、本実施形態では、速度パターン(時間の概念)を考慮して各挙動パターン候補を作成する場合、Y軸方向の挙動(車両120の運動モデル、車両ダイナミクス)に基づく制約条件(車両運動限界)を考慮して各挙動パターン候補を作成する。これにより、制約条件を満たす挙動パターン候補のみ作成されるので、各挙動パターン候補の数を少なくすることができる。この結果、パターン候補作成部88での各挙動パターン候補の演算時間を短くすることができる。
また、パターン選択部94では、評価結果に基づいて、各挙動パターン候補の中から挙動パターンを絞り込む。これにより、出力軌道生成部82では、全ての挙動パターン候補を対象として中期軌道Mtの生成に最適な挙動パターンを探索することが不要となる。この結果、出力軌道生成部82における中期軌道Mtの演算時間を短くすることができると共に、時間の概念及び車両ダイナミクスが考慮された中期軌道Mtに車両120を追従させることが可能となる。
しかも、速度パターンが車両120の目標速度の時系列であるため、加速に必要な長さの足りない走行経路や、カーブを車両120がオーバーランするような走行経路に応じた挙動パターン候補が作成されることを回避することができる。これにより、全ての挙動パターン候補について速度パターンが同じであっても、車線148に沿って走行するという目的に対して、必要十分な挙動パターン候補を作成することが可能となる。
このように、本実施形態では、時間の概念を考慮して挙動パターン候補を算出する場合に、挙動パターン候補の数が極力少なくなって、演算時間が短くなり、その扱いが容易になる。
また、パターン候補作成部88は、同一の時点で制御量が異なるサブグループを少なくとも1つ含む複数の挙動パターン候補を作成すればよい。これにより、各挙動パターン候補の中から中期軌道Mtに最適な挙動パターンを選択することが可能となる。
この場合、パターン候補作成部88は、早い時点ほど制御量を示す点数(サンプリング数)が多く、遅い時点ほど点数が少ない2つ以上のサブグループを含む複数の挙動パターン候補を作成すればよい。これにより、無駄な挙動パターン候補の探索を回避しつつ、多数の挙動パターン候補の中から挙動パターンを絞り込むことができるので、さらなる演算時間の短縮化が可能となる。
さらに、評価処理部90は、早い時点から遅い時点に向かって、サブグループの中から、(1)式及び(2)式を用いた制御量に応じた車両状態の算出と、算出した車両状態についての重み付けテーブル92及び(3)式を用いた評価値Qの算出とを、1つずつ順次行い、パターン選択部94は、評価値Qに基づいて挙動パターンを選択する。この場合でも、評価値Qに基づいて、多数の挙動パターン候補の中から挙動パターンを絞り込むことで、演算時間の短縮化を図ることができる。
また、パターン選択部94は、評価値Qが相対的に高い車両状態に応じた挙動パターン候補を挙動パターンとして選択する。これにより、時間の概念及び車両ダイナミクスが考慮された最適な挙動パターンを選択することができる。
さらに、パターン候補作成部88は、サブグループ内における同一の時点での制御量が等間隔となるように各挙動パターン候補を作成すればよい。これにより、中期軌道Mtを精度良く生成することが可能となる。
この場合、パターン候補作成部88は、制御量が0の時系列プロットを含むように各挙動パターン候補を作成することで、評価処理部90での評価処理を0に収束させることが可能となる。
また、評価処理部90は、車両120が走行しようとする車線148との位置関係に基づいて、各車両状態を評価すれば、評価処理を効率よく行うことができる。
[補足]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記の説明では、制御量が操舵角Str、操舵角速度Strrである場合について説明した。本実施形態では、制御量は、車両120の車幅方向(Y方向)の挙動に相関するものであればよいので、左右の前輪142f及び後輪142rに対する制動力又は駆動力、4WSの車両120にあっては左右の後輪142rの操舵角を制御量としてもよい。
10…車両制御装置 12…制御システム
14…外界センサ 16…ナビゲーション装置
18…車両センサ 20…通信装置
22…自動運転スイッチ 24…操作デバイス
26…操作検出センサ 28…駆動力装置
30…操舵装置 32…制動装置
40…記憶装置 52…外界認識部
54…局所環境マップ生成部 60…車両制御部
70…統括制御部 71…長期軌道生成部
72…中期軌道生成部 73…短期軌道生成部
80…走行経路生成部 82…出力軌道生成部
84…速度パターン取得部 86…制約条件設定部
88…パターン候補作成部 90…評価処理部
92…重み付けテーブル 94…パターン選択部
96…軌道作成部 98…評価部
100…出力軌道決定部 120…車両
122…仮想空間 124…始点
126〜130…経由点 142f、144f…前輪
142r、144r…後輪 146…経路候補
148…車線 150…経路

Claims (8)

  1. 車両の走行軌道を逐次生成すると共に、前記走行軌道に基づいて前記車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車両の目標速度の時系列を示す速度パターンを取得する速度パターン取得部と、
    前記車両の車幅方向の挙動に相関する制御量の制約条件を設定する制約条件設定部と、
    前記速度パターン取得部で取得された前記速度パターン、及び、前記制約条件設定部で設定された前記制約条件を用いて、前記制御量の時系列プロットである挙動パターン候補を複数作成するパターン候補作成部と、
    前記パターン候補作成部で作成された前記各挙動パターン候補により特定される車両状態を評価する評価処理部と、
    前記評価処理部での前記各車両状態に対する評価結果に基づいて、前記各挙動パターン候補の中から、時点毎の前記制御量の組み合わせを示す挙動パターンを選択するパターン選択部と、
    前記パターン選択部で選択された前記挙動パターンに基づいて前記走行軌道を生成する走行軌道生成部と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記パターン候補作成部は、同一の時点で前記制御量が異なるサブグループを少なくとも1つ含む複数の前記挙動パターン候補を作成することを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両制御装置において、
    前記パターン候補作成部は、早い時点ほど前記制御量を示す点数が多く、遅い時点ほど点数が少ない2つ以上の前記サブグループを含む複数の前記挙動パターン候補を作成することを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両制御装置において、
    前記評価処理部は、早い時点から遅い時点に向かって、前記サブグループの中から、前記制御量に応じた車両状態の算出と、算出した前記車両状態の評価値の算出とを、1つずつ順次行い、
    前記パターン選択部は、前記評価値に基づいて前記挙動パターンを選択することを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両制御装置において、
    前記パターン選択部は、前記評価値が相対的に高い車両状態に応じた挙動パターン候補を前記挙動パターンとして選択することを特徴とする車両制御装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    前記パターン候補作成部は、前記サブグループ内における同一の時点での前記制御量が等間隔となるように前記各挙動パターン候補を作成することを特徴とする車両制御装置。
  7. 請求項6に記載の車両制御装置において、
    前記パターン候補作成部は、前記制御量が0の時系列プロットを含むように前記各挙動パターン候補を作成することを特徴とする車両制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    前記評価処理部は、前記車両が走行しようとするレーンとの位置関係に基づいて、前記各車両状態を評価することを特徴とする車両制御装置。
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