JP2018060676A - 表示装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認性が高い表示装置を提供することを一つの目的とする。
【解決手段】基板と、基板上の第1の発光素子と、基板上に位置し、第1の発光素子に隣接する第2の発光素子を有する表示装置が提供される。第1の発光素子と第2の発光素子は、第1の電極と、第1の電極上のEL層と、EL層上の第2の電極と、第2の電極上に位置し、フォトクロミック材料を含むフォトクロミック層を有する。フォトクロミック材料は、第1の発光素子と第2の発光素子間で化学構造が異なる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態の一つは、表示装置とその製造方法に関する。例えば、フォトクロミック材料を有する表示素子を複数有する表示装置、およびその製造方法に関する。
表示装置の一例として、有機EL(Electroluminescence)表示装置が挙げられる。有機EL表示装置は、基板上に形成された複数の画素内の各々に有機発光素子(以下、発光素子)を有している。発光素子は一対の電極(陰極、陽極)間に有機化合物を含む層(以下、有機層、あるいはEL層と記す)を有しており、一対の電極間に電流を供給することで駆動される。表示素子が与える色はEL層内の発光材料によって決定され、発光材料を適宜選択することによって種々の色の発光を得ることができる。異なる発光色を与える発光素子を基板上に複数配置することで、フルカラーの映像を再現することが可能となる。
発光素子の信頼性や特性を向上させるため、フォトクロミック材料を含む層(以下、フォトクロミック層と記す)を発光素子に設けることが知られている。例えば特許文献1では、基板をEL層とフォトクロミック材料で挟持するようにフォトクロミック層が設けられた発光素子が開示されている。この構造により、発光素子の視認性を向上することができる。特許文献2では、陰極と陰極上に設けられる保護膜(パッシベーション膜)の間にフォトクロミック層が設けられた発光素子が開示されている。このような構造を有する発光素子では、フォトクロミック材料の異性化による吸収特性の変化に起因し、発光素子の劣化(焼付き)を抑制することができる。
特開2014−72126号公報 特開2016−149191号公報
本発明は、視認性が高い表示装置を提供することを一つの目的とする。あるいは本発明は、高いコントラストの映像を再現することが可能な表示装置を提供することを一つの目的とする。あるいは本発明は、色純度に優れた発光素子を有し、色再現性の高い表示装置を提供することを一つの目的とする。あるいは、これらの表示装置を低コストで製造可能な方法を提供することを一つの目的とする。
本発明の実施形態の一つは、基板と、基板上の第1の発光素子と、基板上に位置し、第1の発光素子に隣接する第2の発光素子を有する表示装置である。第1の発光素子と第2の発光素子の各々は、第1の電極と、第1の電極上のEL層と、EL層上の第2の電極と、第2の電極上に位置し、フォトクロミック材料を含むフォトクロミック層を有する。第1の発光素子が有するフォトクロミック層の前記フォトクロミック材料は、第2の発光素子が有するフォトクロミック層の前記フォトクロミック材料と化学構造が異なる。
本発明の実施形態の一つは、基板と、基板上の第1の発光素子と、基板上に位置し、第1の発光素子に隣接する第2の発光素子を有する発光装置である。第1の発光素子と第2の発光素子の各々は、第1の電極と、第1の電極上のEL層と、EL層上の第2の電極と、第2の電極上に位置し、第1のフォトクロミック材料を含む第1のフォトクロミック層と、第1のフォトクロミック層上に位置し、第2のフォトクロミック材料を含む第2のフォトクロミック層を有する。第1の発光素子が有する第1のフォトクロミック材料は、第2の発光素子が有する第1のフォトクロミック材料と化学構造が異なり、第1の発光素子が有する第2のフォトクロミック材料は、第2の発光素子が有する第2のフォトクロミック材料と化学構造が異なる。
本発明の実施形態の一つは、表示装置の製造方法である。当該製造方法は、第1の画素内、および第1の画素に隣接する第2の画素内にそれぞれ第1の電極を形成すること、第1の画素の第1の電極と第2の画素の第1の電極上にEL層を形成すること、EL層上に第2の電極を形成すること、第1の画素と第2の画素に共有されるように、第2の電極上に、フォトクロミック材料を含むフォトクロミック層を形成すること、および、第1の画素と第2の画素の少なくとも一方に光照射を行い、フォトクロミック材料を異性化させることを含む。
本発明の実施形態の一つは、表示装置の製造方法である。当該製造方法は、第1の画素内、および第1の画素に隣接する第2の画素内にそれぞれ第1の電極を形成すること、第1の画素の第1の電極と第2の画素の第1の電極上にEL層を形成すること、EL層上に第2の電極を形成すること、第1の画素と第2の画素にわたって、第2の電極上に、第1のフォトクロミック材料を含む第1のフォトクロミック層を形成すること、第1の画素と第2の画素に共有されるように、第1のフォトクロミック層上に、第2のフォトクロミック材料を含む第2のフォトクロミック層を形成すること、第1の画素と第2の画素のいずれかに光照射を行い、第1のフォトクロミック材料と第2のフォトクロミック材料の一方を異性化させ、第1の画素と第2の画素の他方に光照射を行い、第1のフォトクロミック材料と第2のフォトクロミック材料の他方を異性化させることを含む。
本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置のフォトクロミック層の効果を説明する図。 本発明の実施形態の表示装置のフォトクロミック層の効果を説明する図。 本発明の実施形態の表示装置のフォトクロミック層の効果を説明する図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置のフォトクロミック層の効果を説明する図。 本発明の実施形態の表示装置の模式的斜視図。 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。 本発明の実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面模式図。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本発明において、ある一つの膜に対してエッチングや光照射を行って複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
(第1実施形態)
[1.構造]
図1は、本発明の第1実施形態の表示装置100の模式的な断面図である。表示装置100は複数の画素102を有しており、この断面図では、そのうちの三つの画素102a、102b、102cが示されている。画素102bは画素102aと画素102cに隣接する。なお図1では、画素102を支持する基板や、画素102を駆動するための各種回路は省略されている。
各画素102a、102b、102cは、第1の電極110、および第2の電極112を有している。第1の電極110は画素102a、102b、102cごとに設けられており、互いに隔壁114によって電気的に分断されている。隔壁114は第1の電極110の端部を覆い、第1の電極110の厚さに起因する凹凸を緩和する役割を有している。第2の電極112は、複数の画素102a、102b、102cにわたって設けられている。したがって、第2の電極112は複数の画素102a、102b、102cによって共有される。第1の電極110と第2の電極112の一方は陽極として機能し、他方は陰極として機能する。また、第1の電極110と第2の電極112の一方、あるいは両方を通して、画素102a、102b、102cからの発光が取り出される。以下の説明では、第1の電極110が陽極、第2の電極112が陰極として機能し、第1の電極110は光を反射し、第2の電極112を通して画素102a、102b、102cからの発光が取り出される例を用いて説明を行う。しかしながら、本発明の実施形態はこのような構造に限られない。例えば第1の電極110を陰極として用いてもよい。
各画素102a、102b、102cでは、第1の電極110と第2の電極112の間にEL層120が設けられる。EL層120の構成は任意であり、異なる機能を有する複数の層で構成することができる。図1に示した表示装置100では、各画素102a、102b、102cは、正孔注入層122、正孔輸送層124、発光層126、電子輸送層128、電子注入層130を有している。各層は単層構造を有してもよく、あるいは異なる材料の積層によって形成されていてもよい。あるいは、EL層120はこれらの層の全てを有する必要はない。また、他の機能を有する層をさらに有していてもよく、例えば正孔阻止層、電子阻止層、励起子阻止層などを含んでもよい。各画素102a、102b、102cにおいて、第1の電極110、第2の電極112、およびEL層120によって発光素子132が形成される。
第1の電極110と第2の電極112間に電位差を与えることにより、前者からは正孔が、後者からは電子がEL層120へ注入される。正孔は正孔注入層122、正孔輸送層124を経由して発光層126へ輸送される。一方、電子は電子注入層130、電子輸送層128を経由して発光層126へ輸送される。発光層126内で正孔と電子が再結合し、発光層126内に含まれる発光材料の励起状態が形成される。この励起状態が基底状態に緩和する際、励起状態と基底状態のエネルギー差に相当する波長の光が放出され、発光素子132からの発光として観測することができる。
図1では、EL層120のうち、発光層126を除く正孔注入層122、正孔輸送層124、電子輸送層128、電子注入層130は画素102a、102b、102cにわたって形成されており、これらは画素102a、102b、102cによって共有される。一方、発光層126は各画素102a、102b、102cごとに設けられている。このような構造を採用することで、画素102a、102b、102cは互いに異なる発光材料を含有する発光層(126a、126b、126c)を有することができ、これによって、互いに異なる発光色を与えることができる。例えば発光層126a、126b、126cにそれぞれ青色、緑色、赤色の発光を与える発光材料を含有させることにより、画素102a、102b、102cから三原色を取り出してフルカラー表示を行うことができる。図1に示した例では、発光層126a、126b、126cは互いに接しておらず、正孔輸送層124と電子輸送層128が隔壁114上で接しているが、発光層126a、126b、126cは隔壁114上で互いに重なるように形成されていてもよい。
図1に示す表示装置100では、発光層126を除く層は、画素102a、102b、102cにおいて同一の構造を有しているが、これらの層は画素ごとに異なる構造や厚さを有していてもよい。例えば図2に示すように、画素102a、102b、102c間で互いに正孔輸送層124の厚さが異なるように表示装置100を構成してもよい。あるいは図示しないが、正孔注入層122や電子輸送層128の厚さや積層構造が画素ごとに異なってもよい。このように表示装置100を構成することにより、発光領域である発光層126と第1の電極110あるいは第2の電極112間の距離を画素ごとに変化させることができ、これにより、各画素102において第1の電極110と第2の電極112間の光学距離を変化させることができる。その結果、第1の電極110と第2の電極112間における光の干渉効果の制御が可能となり、発光強度や発光色を制御することができる。
表示装置100は、第2の電極112上にフォトクロミック層140を有する。フォトクロミック層140は第2の電極112と接してもよい。フォトクロミック層140は画素102a、102b、102cにわたって形成することができ、この場合、フォトクロミック層140は画素102a、102b、102cによって共有される。フォトクロミック層140はフォトクロミック材料を含むことができる。フォトクロミック材料とは、フォトクロミズムを示す化合物であり、光照射によって可逆的に色(すなわち吸収特性)の変化を示す。より具体的にはフォトクロミック材料とは、特定の波長の光を吸収することで化学構造が変化して異性化し、それに伴って化合物内の共役系が変化することで光の吸収特性が変化する、換言すれば光の吸収スペクトルが変化する、化合物である。フォトクロミック材料は異性化した場合、異なる波長の光、あるいは熱エネルギーを吸収することによって元の構造へ戻ることができる。通常フォトクロミック材料は、熱力学的に安定な二つの状態(構造)をとることがでる。これらの二つの状態は可逆的な平衡状態にあり、上述したように、光や熱によって二つの状態間を遷移する。
各画素102a、102b、102cにおいてフォトクロミック層140は同一のフォトクロミック材料を含んでもよい。しかしながらフォトクロミック材料は、一部の画素では、他の画素とは異なる構造を有することができる。すなわち、フォトクロミック材料がとる二つの安定な状態は、画素ごとに任意に選択することができる。例えば図1や図2に示す例では、フォトクロミック層140内のフォトクロミック材料の化学構造は、画素102aと102c内では同一であるが、画素102b内では異なることができる。この場合、いずれの画素102a、102b、102c内においてもフォトクロミック材料の組成は同一であるが、画素102a、102c内におけるフォトクロミック材料の吸収特性は、画素102b内におけるそれとは異なる。逆に、図示していないが、フォトクロミック材料は、いずれの画素102a、102b、102cにおいても同じ化学構造を有していてもよい。
表示装置100のフォトクロミック層140の数は任意であり、例えば図3に示すように、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。図3では、三つのフォトクロミック層(第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146)が設けられた構造が示されている。この場合、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146の各々おいて、画素に依存することなく同一のフォトクロミック材料を含むことができるが、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146は互いに異なるフォトクロミック材料を含有することができる。
フォトクロミック層140が積層構造を有する場合、各フォトクロミック層142、144、146におけるフォトクロミック材料の化学構造は、画素ごとに任意に選択することができる。図3に示す例では、第1のフォトクロミック層142では、画素102a、102b、102cのいずれにおいてもフォトクロミック材料の組成は同じであるが、画素102aにおけるフォトクロミック材料の構造は画素102bと102cにおけるそれと異なる。第2のフォトクロミック層144では、画素102a、102b、102cのいずれにおいてもフォトクロミック材料の組成は同じであるが、画素102bにおけるフォトクロミック材料の構造は画素102aと102cにおけるそれと異なる。第3のフォトクロミック層146では、画素102a、102b、102cのいずれにおいてもフォトクロミック材料の組成は同じであるが、画素102cにおけるフォトクロミック材料の構造は画素102aと102cにおけるそれと異なる。このようにフォトクロミック層140を設計することにより、画素102a、102b、102cにおけるフォトクロミック層140の吸収特性を互いに異なるようにすることが可能である。この特徴は後述する。
図示していないが、フォトクロミック層140が単層構造を有し、複数の異なるフォトクロミック材料が含まれていてもよい。この場合には、吸収特性が互いに異なるようにフォトクロミック材料が選択される。
表示装置100は、フォトクロミック層140上にパッシベーション膜150を有することができる(図1乃至図3参照)。パッシベーション膜150はEL層120を覆っており、外部から水や酸素などの不純物が発光素子132へ侵入することを防ぐ機能を有しており、これにより、発光素子132の信頼性を向上させることができる。
パッシベーション膜150の構造は任意であり、例えば図1乃至3に示すような三層構造を有することができる。この場合、パッシベーション膜150は第1の層152、第2の層154、第3の層156を有することができる。例えば第1の層152と第3の層156は、例えば窒化シリコンや酸化シリコンを含む無機化合物で形成することができ、第2の層154は、例えばアクリル樹脂を含む有機化合物で形成することができる。第2の層154は、隔壁114などに起因する凹凸を吸収し、平坦な表面を与えるような厚さで形成することが可能である。
パッシベーション膜150上には、フィル材160を介して基板170を設けることができる。フィル材は接着剤としても機能する。第1の電極110の下に別途基板を設ける場合、基板170は対向基板とも呼ばれる。基板170により、発光素子132をはじめ、表示装置100が物理的に保護される。
[2.フォトクロミック層の光学特性]
図4乃至図6を用い、図3に示す表示装置100の特性をフォトクロミック層140を用いて制御する例を説明する。ここでは、表示装置100のフォトクロミック層140は第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を有し、画素102a、102b、102cにはそれぞれ、青色、緑色、赤色の発光を与える発光層126a、126b、126cが設けられるとして説明を行う。ただしこの場合でも、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146の積層順は図3に示した順に限られず、任意の順で積層することができる。
図4(A)、図5(A)、図6(A)に、画素102a、102b、102cに設けられる発光素子132の発光特性をそれぞれ示す。これらの図に示すように、画素102a、102b、102cに設けられる発光素子132の発光層126a、126b、126cから、青色領域(例えば450nm付近)、緑色領域(例えば550nm付近)、赤色領域(例えば700nm付近)にピークを有する光が得られる。
図4(B)、図5(B)、図6(B)はそれぞれ、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146内に含まれるフォトクロミック材料の吸収スペクトル変化の模式図である。図4(B)に示すように、第1のフォトクロミック層142は、光照射前には緑から赤色領域(例えば550nmから700nm)には吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、例えば紫外領域(例えば350nm付近)に吸収を有する(吸収(a))。この領域の波長の光を照射することにより異性化が進行し、吸収スペクトルは徐々に変化する。すなわち、照射前に観測される吸収が徐々に低下し、緑色から赤色領域に新たな吸収が現れ、その吸収強度が徐々に増大する(吸収(b))。
第2のフォトクロミック層144は、図5(B)に示すように、光照射前には緑色領域には吸収を持ない、あるいは吸収ピークを示さず、例えば紫外領域に吸収を有する(吸収(c))。この吸収波長の光を照射することにより異性化が進行し、吸収スペクトルは徐々に変化する。すなわち、照射前に観測される吸収が徐々に低下し、青色と赤色領域に新たな吸収が現れ、その吸収強度が徐々に増大する(吸収(d))。
第3のフォトクロミック層146は、図6(B)に示すように、光照射前には赤色領域に吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、例えば紫外領域に吸収を有する(吸収(e))。この吸収波長の光を照射することにより異性化が進行し、吸収スペクトルは徐々に変化する。すなわち、照射前に観測される吸収が徐々に低下し、青色と緑色領域(例えば400nmから600nm)に新たな吸収が現れ、その吸収強度が徐々に増大する(吸収(f))。
吸収(b)と画素102a内の発光層126aが与える発光スペクトル(図4(A))を重ねた模式図を図4(C)に示す。図4(C)に示すように、発光の一部が吸収(b)と重なっている(斜線部分)。このため、発光層126aからの発光の一部は異性化後のフォトクロミック材料によって吸収される。この場合、発光層126aからの発光のうち、長波長側の発光が吸収される。その結果、図4(D)に示すように、発光スペクトルのうち長波長側が除去され、画素102aからの発光ピークは短波長側へシフトし、同時に発光スペクトルの幅が小さくなる。このため画素102aは、色純度に優れた青色発光を与えることができる。
このように、異性化前には緑から赤の領域には吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、異性化後に緑から赤色の領域に吸収を与え、かつ青色の領域には吸収を与えない、あるいは吸収ピークを示さないフォトクロミック材料を第1のフォトクロミック層142に用い、青色発光を与える画素102aにおいて選択的に第1のフォトクロミック層142に対して光異性化を行うことで、画素102aからの発光のうち長波長側の発光を除去することができる。その結果、青色に発光する画素102aの色純度を向上させることができる。この場合、緑色の発光、赤色の発光を与える画素102bや102cでは、第1のフォトクロミック層142に対して光照射を行わないので、画素102b、102cからの発光は第1のフォトクロミック層142を透過することができる。したがって、画素102bや102c上に第1のフォトクロミック層142が形成されていても、これらの画素からの発光には大きな影響を与えることがなく、発光効率の低下を避けることができる。
同様に吸収(d)と画素102b内の発光層126bが与える発光スペクトル(図5(A))を重ねた模式図を図5(C)に示す。図5(C)に示すように、発光の一部が吸収(d)と重なっている(斜線部分)。このため、発光層126bからの発光の一部は異性化後のフォトクロミック材料によって吸収される。この場合、発光層126bからの発光のうち、長波長側と短波長側の発光が吸収される。その結果、図5(D)に示すように、発光スペクトルのうち短波長側と長波長側が除去され、画素102bからの発光スペクトルの幅が小さくなる。このため、色純度に優れた緑発光を与えることができる。
このように、異性化前には青色領域や赤色領域には吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、異性化後に青色領域や赤色領域に吸収を与え、かつ緑色の領域には吸収を与えない、あるいは吸収ピークを示さないフォトクロミック材料を第2のフォトクロミック層144に用い、緑色発光を与える画素102bにおいて選択的にこのフォトクロミック材料に対して光異性化を行うことで、画素102bからの発光のうち短波長側と長波長側の発光を除去することができる。その結果、緑色に発光する画素102bの色純度を向上させることができる。この場合、青色の発光、赤色の発光を与える画素102aや102cでは、第2のフォトクロミック層144に対して光照射を行わないので、画素102a、102cからの発光は第2のフォトクロミック層144を透過することができる。したがって、画素102aや102c上に第2のフォトクロミック層144が形成されていても、これらの画素からの発光には大きな影響を与えることがなく、発光効率の低下を避けることができる。
同様に吸収(f)と画素102c内の発光層126cが与える発光スペクトル(図6(A))を重ねた模式図を図6(C)に示す。図6(C)に示すように、発光の一部が吸収(f)と重なっている(斜線部分)。このため、発光層126cからの発光の一部は異性化後のフォトクロミック材料によって吸収される。この場合、発光層126cからの発光のうち、短波長領域の発光が吸収される。その結果、図6(D)に示すように、発光スペクトルのうち短波長側が除去され、画素102cからの発光ピークは長波長側へシフトし、同時に発光スペクトルの幅が小さくなる。このため、色純度に優れた赤色発光を与えることができる。
このように、異性化前には青から緑色領域には吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、異性化後に青から緑色領域に吸収を与え、かつ赤色の領域には吸収を与えない、あるいは吸収ピークを示さないフォトクロミック材料を第3のフォトクロミック層146に用い、赤色発光を与える画素102cにおいて選択的にこのフォトクロミック材料に対して光異性化を行うことで、画素102cからの発光のうち長波長側の発光を除去することができる。その結果、赤色に発光する画素102cの色純度を向上させることができる。この場合、青色の発光、緑色の発光を与える画素102aや102bでは、第3のフォトクロミック層146に対して光照射を行わないので、画素102a、102bからの発光は第3のフォトクロミック層146を透過することができる。したがって、画素102aや102b上に第3のフォトクロミック層146が形成されていても、これらの画素からの発光には大きな影響を与えることがなく、発光効率の低下を避けることができる。
フォトクロミック層140の構造は、上記のような特性を与える組み合わせに限られない。フォトクロミック層140は、含有するフォトクロミック材料が光異性化後に可視光領域の一部において吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、他の領域に吸収を有する、あるいは吸収ピークを有していれば良い。例えば、光異性化後に赤色、青色、緑色の領域のうちの一つ、あるいは二つにおいて吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さず、他の領域に吸収を有する、あるいは吸収ピークを有していればよい。また、光異性化前には、他の領域において吸収を持たない、あるいは吸収ピークを示さないことが好ましい。フォトクロミック層140が複数の層で構成される場合、各層に含まれるフォトクロミック材料の吸収波長は互いに異なることが好ましい。
このような光学特性を有するフォトクロミック層140を用いることにより、画素102からの発光の色純度を向上させ、高い色再現性を実現することができる。また、外光の一部がフォトクロミック層140によって吸収されるため、表示装置100における外光の反射を抑制することができる。このため、表示装置100上に再現される映像の視認性が向上し、コントラストの高い、高品質な画像を提供することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100と異なる構造を有する表示装置180、182、184、186について説明する。第1実施形態と同様の構造に関しては説明を省略することがある。
図7(A)に表示装置180の断面模式図を示す。表示装置180は、フォトクロミック層140がパッシベーション膜150の上に設けられている点で表示装置100と異なる。したがって、フォトクロミック層140はパッシベーション膜150とフィル材160の間に位置する。
図7(B)に示す表示装置182では、フォトクロミック層140は三層構造を有しており、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を含む点で表示装置180と異なる。この場合も、フォトクロミック層140はパッシベーション膜150とフィル材160の間に位置する。
図8(A)に表示装置184の断面模式図を示す。表示装置184は、フォトクロミック層140がフィル材160の上に設けられている点で表示装置180と異なる。したがって、フォトクロミック層140はフィル材160と基板170の間に位置する。
図8(B)に示す表示装置186では、フォトクロミック層140は三層構造を有しており、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を含む点で表示装置184と異なる。この場合も、フォトクロミック層140はフィル材160と基板170の間に位置する。
このような構造では、パッシベーション膜150によって発光素子132が保護されているため、フォトクロミック層140をインクジェット法や印刷法、スピンコート法などの湿式成膜法を適用して形成しても、発光素子132に悪影響を及ぼすことがない。したがって、低コストで高信頼性の表示装置を提供することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態で述べた表示装置100、180、182、184、186と異なる構造を有する表示装置190について説明する。第1、第2実施形態と同様の構造に関しては説明を省略することがある。
[1.構造]
表示装置190は、複数の画素102に含まれるEL層120のうち、発光層126の構造が同一であり、かつ、白色の発光を与えるようにEL層120構成される点で表示装置100、180、182、184、186と異なる。より具体的には、図9に示すように、画素102a、102b、102cにおいて発光層126は同一の構造を有する。この場合、発光層126は画素102a、102b、102cにわたって形成することができ、画素102a、102b、102cによって共有される。発光層126は、例えば青色、緑色、赤色をそれぞれ与える三つの発光層が積層された構造を有してもよい。あるいは、青色を与える発光層と黄色を与える発光層が積層された構造を有してもよい。あるいは、青緑色を与える発光層と赤色を与える発光層が積層された構造を有してもよい。なお、発光層126以外の層は、隣接する画素102間で異なる構造を有していてもよい。
フォトクロミック層140は、表示装置100のように単一の層で構成されてもよく、あるいは図9に示すように複数のフォトクロミック層(例えば第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146)を含んでもよい。
[2.フォトクロミック層の光学特性]
表示装置190のフォトクロミック層140の光学特性について、図10を用いて説明する。ここでは、、表示装置190のフォトクロミック層140は第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を有し、画素102a、102b、102cからそれぞれ、青色、緑色、赤色の発光を取り出すとして説明を行う。
図10(A)には、左から順に、画素102a、102b、102cに含まれる発光層126が与える発光スペクトルを示す。上述したように、発光層126は画素102a、102b、102cで同一の構造を有しており、白色の発光を与える。したがって、これらのスペクトルの形状は同一であり、幅は広く、可視光領域のほぼ全体をカバーする。
図10(B)には、左から順に、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146内に含まれるフォトクロミック材料の、光異性化前後の吸収スペクトルの模式図である。これらの図は図4(B)、5(B)、6(B)に対応するため、説明は割愛する。
図10(C)は、発光層126の発光スペクトルと、第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146内に含まれるフォトクロミック材料の光異性化後の吸収スペクトルをそれぞれ重ねたものである。
図10(C)の左側の図に着目すると、発光スペクトルは緑色から赤色領域の吸収(b)と重なっており、このため、画素102aからの発光のうち緑色から赤色領域の発光強度が低下する。その結果、画素102aからは主に青色の発光が得られる。図10(C)の真中の図に着目すると、発光スペクトルは青色と赤色領域の吸収(d)と重なっており、このため、画素102bからの発光のうち青色と赤色領域の発光強度が低下する。その結果、画素102bからは主に緑色の発光が得られる。同様に、図10(C)の右側の図に着目すると、発光スペクトルは青色から緑色領域の吸収(f)と重なっており、このため、画素102cからの発光のうち青色から緑色領域の発光強度が低下する。その結果、画素102cからは主に赤色の発光が得られる。
したがって、図10(D)に示すように、画素102a、102b、102cからそれぞれ青色、緑色、赤色の発光を得ることができる。このため、発光層126はいずれの画素102においても白色を与えるが、カラーフィルタを用いることなく、異なる画素から異なる発光色を得ることが可能となり、これによってフルカラー表示を実現することができる。換言すると、フォトクロミック層140はカラーフィルタと同様の機能を発現することができる。
図9に示すように、フォトクロミック層140は第2の電極112の近傍に設けることができる。通常、全画素102において白色発光する発光素子を用い、カラーフィルタを用いてフルカラー表示を行う場合、カラーフィルタは基板170近傍に設けられる(例えば、フィル材160と基板170の間)。このため、カラーフィルタはパッシベーション膜150やフィル材160を介し、発光領域、すなわち発光層126の上に設けられる。したがって、カラーフィルタと発光層126間の距離が大きいため、視野角が大きい場合には発光層126からの発光の一部が隣接する画素上のカラーフィルタを介して観測される。その結果、いわゆる色ずれと呼ばれる現象が生じ、表示品質の低下を招く。
しかしながら表示装置190では、フォトクロミック層140は第2の電極112と接するように設けることができる。このため、発光領域とフォトクロミック層140間の距離が小さく、色ずれの発生を効果的に抑制することができる。その結果、本実施形態を適用することにより、表示品質の高い表示装置を提供することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、本発明の表示装置100の製造方法に関して説明する。第1乃至第3実施形態と同様の構成については、説明を割愛することがある。
図11は、表示装置100の模式的な斜視図である。表示装置100は行方向と列方向に配置される複数の画素102とそれによって構成される表示領域200、走査線駆動回路202、データ線駆動回路204を基板104の一方の面(上面)に有している。基板170は表示領域200を覆う。外部回路(図示せず)からの各種信号は、基板104上に設けられた端子206に接続されるフレキシブルプリント回路(FPC)などのコネクタを経由して走査線駆動回路202やデータ線駆動回路204に入力され、これらの信号に基づいて各画素102が制御される。
なお、走査線駆動回路202、データ線駆動回路204のいずれか、あるいは両方は、基板104の上に直接形成される必要はなく、基板104とは異なる基板(半導体基板など)上に形成された駆動回路を基板104やコネクタ上に設け、これらの駆動回路によって各画素102を制御してもよい。図11では、基板104上に形成された走査線駆動回路202が基板170に覆われ、一方、データ線駆動回路204は別基板に形成された後に基板104上に搭載される例が示されている。
基板104と基板170とはガラス基板などの可撓性を持たない基板でもよく、あるいは、可撓性を有する基板でもよい。基板170の替わりに、樹脂フィルム、円偏光板などの光学フィルムを貼り合せる構造にしてもよい。画素102はマトリクス状に設けられるが、配列には特に制限はなく、ストライプ配列、デルタ配列などを採用することができる。
図12に、連続して設けられる三つの画素102a、102b、102cを含む、表示装置100の断面模式図を示す。
複数の画素102a、102b、102cを含む画素102の各々は、下地膜210を介して基板104上にトランジスタ220、トランジスタ220と電気的に接続される発光素子132、補助容量250などの素子を有する。図12では、各画素102それぞれに一つのトランジスタ220と一つの補助容量250が設けられる例が示されているが、各画素102は複数のトランジスタや複数の容量素子を有してもよい。発光素子132の構造は、第1実施形態で述べたものと同様である。以下、表示装置100の断面模式図を参照し、表示装置100の製造方法を述べる。
[1.トランジスタ]
図13(A)に示すように、まず基板104上に下地膜210を形成する。基板104は、トランジスタ220など、表示領域200に含まれる半導体素子や発光素子132などを支持する機能を有する。したがって基板104には、この上に形成される各種素子のプロセスの温度に対する耐熱性とプロセスで使用される薬品に対する化学的安定性を有する材料を使用すればよい。具体的には、基板104はガラスや石英、プラスチック、金属、セラミックなどを含むことができる。
表示装置100に可撓性を付与する場合、基板104上に基材を形成する。この場合、基板104は支持基板とも呼ばれる。基材は可撓性を有する絶縁膜であり、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボナートに例示される高分子材料から選択される材料を含むことができる。基材は、例えば印刷法やインクジェット法、スピンコート法、ディップコーティング法などの湿式成膜法、あるいはラミネート法などを適用して形成することができる。
下地膜210は基板104(および基材)からアルカリ金属などの不純物がトランジスタ220などへ拡散することを防ぐ機能を有する膜であり、窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの無機絶縁体を含むことができる。下地膜210は化学気相成長法(CVD法)やスパッタリング法などを適用して単層、あるいは積層構造を有するように形成することができる。下地膜210中の不純物濃度が小さい場合、下地膜210は設けない、あるいは基板104の一部だけを覆うように形成してもよい。
次に半導体膜222を形成する(図13(A))。半導体膜222は例えばケイ素などの14族元素を含むことができる。あるいは半導体膜222は酸化物半導体を含んでもよい。酸化物半導体としては、インジウムやガリウムなどの第13族元素を含むことができ、例えばインジウムとガリウムの混合酸化物(IGO)が挙げられる。酸化物半導体を用いる場合、半導体膜222はさらに12族元素を含んでもよく、一例としてインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む混合酸化物(IGZO)が挙げられる。半導体膜222の結晶性に限定はなく、半導体膜222は単結晶、多結晶、微結晶、あるいはアモルファスのいずれの結晶状態を含んでもよい。
半導体膜222がケイ素を含む場合、半導体膜222は、シランガスなどを原料として用い、CVD法によって形成すればよい。得られるアモルファスシリコンに対して加熱処理、あるいはレーザなどの光を照射することで結晶化を行ってもよい。半導体膜222が酸化物半導体を含む場合、スパッタリング法などを利用して形成することができる。
次に半導体膜222を覆うようにゲート絶縁膜224を形成する(図13(A))。ゲート絶縁膜224は単層構造、積層構造のいずれの構造を有していてもよく、下地膜210と同様の手法で形成することができる。
引き続き、ゲート絶縁膜224上にゲート電極226をスパッタリング法やCVD法を用いて形成する(図13(B))。ゲート電極226はチタンやアルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、タンタルなどの金属やその合金などを用い、単層、あるいは積層構造を有するように形成することができる。例えばチタンやタングステン、モリブデンなどの比較的高い融点を有する金属でアルミニウムや銅などの導電性の高い金属を挟持する構造を採用することができる。
次にゲート電極226上に層間膜228を形成する(図13(B))。層間膜228は単層構造、積層構造のいずれの構造を有していてもよく、窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの無機絶縁体を含むことができ、下地膜210と同様の手法で形成することができる。積層構造を有する場合、例えば有機化合物を含む層を形成したのち、無機化合物を含む層を積層してもよい。こののち、半導体膜222に対してドーピングを行い、ソース/ドレイン領域を形成してもよい。
次に、層間膜228とゲート絶縁膜224に対してエッチングを行い、半導体膜222に達する開口230を形成する(図13(C))。開口230は、例えばフッ素含有炭化水素を含むガス中でプラズマエッチングを行うことで形成することができる。
次に開口230を覆うように金属膜を形成し、エッチングを行って成形することで、ソース/ドレイン電極232を形成する(図14(A))。金属膜はゲート電極226と同様、単層構造、積層構造のいずれの構造を有することができ、ゲート電極226の形成と同様の手法を用いて形成することができる。以上の工程により、トランジスタ220が形成される。本実施形態では、トランジスタ220はトップゲート型のトランジスタとして図示されているが、トランジスタ220の構造に限定はなく、トランジスタ220はボトムゲート型トランジスタ、ゲート電極226を複数有するマルチゲート型トランジスタ、半導体膜222の上下を二つのゲート電極226で挟持する構造を有するデュアルゲート型トランジスタでもよい。また、ソース/ドレイン電極232と半導体膜222との上下関係にも制約はない。
[2.補助容量、発光素子]
次に平坦化膜240を、トランジスタ220を覆うように形成する(図14(A))。平坦化膜240は、トランジスタ220などに起因する凹凸や傾斜を吸収し、平坦な面を与える機能を有する。平坦化膜240は有機絶縁体で形成することができる。有機絶縁体としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリシロキサンなどの高分子材料が挙げられる。平坦化膜240は、上述した湿式成膜法などによって形成することができる。
その後平坦化膜240に対してエッチングを行い、トランジスタ220のソース/ドレイン電極232の一方を露出する開口242が設けられる(図14(B))。そしてこの開口242を覆い、トランジスタ220のソース/ドレイン電極232の一方と接するように接続電極244を形成する(図14(C))。接続電極244には、インジウム―スズ酸化物(ITO)やインジウム―亜鉛酸化物(IZO)などの可視光を透過可能な導電性酸化物を用い、スパッタリング法などを用いて形成することができる。なお、接続電極244の形成は任意であるが、接続電極244を設けることにより、引き続くプロセスにおいてソース/ドレイン電極232表面の劣化を防ぎ、ソース/ドレイン電極232と第1の電極110間の電気的接続においてコンタクト抵抗の発生を抑制することができる。
引き続き、平坦化膜240上に金属膜を形成し、エッチングを行って金属膜を形成し、補助容量250の一方の電極252を形成する(図15(A)))。ここで用いる導電層は、ソース/ドレイン電極232の形成に用いる導電層と同様、単層構造、積層構造、いずれの構造を有してもよく、例えばモリブデン/アルミニウム/モリブデンの三層構造を採用することができる。
引き続き、平坦化膜240、および電極252上には絶縁膜254が形成される(図15(A))。絶縁膜254はトランジスタ220に対する保護膜として機能するだけでなく、補助容量250における誘電体としても機能する。したがって、誘電率の比較的高い材料を用いることが好ましい。例えば窒化ケイ素や窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などを用い、CVD法やスパッタリング法を適用して絶縁膜254を形成することができる。絶縁膜254には開口256、258が設けられる(図15(A))。前者は、のちに形成される第1の電極110と接続電極244との電気的接続ために設けられる。後者は、隔壁114形成後の熱処理等を通じて、平坦化膜240から脱離する水やガスを、隔壁114を通じて引き抜くための開口である。
次に図15(B)に示すように、開口256を覆うように第1の電極110を形成する。第1の電極110と絶縁膜254、電極252によって補助容量250が形成される。補助容量250を設けることで、トランジスタ220のゲート電極226の電位をより長期間保持することができる。
発光素子132からの発光を第2の電極112から取り出す場合、第1の電極110は可視光を反射するように構成される。この場合、第1の電極は、銀やアルミニウムなどの反射率の高い金属やその合金を用いる。あるいはこれらの金属や合金を含む膜上に、透光性を有する導電性酸化物の膜を形成する。導電酸化物としてはITOやIZOなどが挙げられる。発光素子132からの発光の一部を第1の電極110から取り出す場合には、ITOやIZOを用いて第1の電極110を形成すればよい。
次に、第1の電極110の端部を覆うように、隔壁114を形成する(図15(B))。隔壁114により、第1の電極110などに起因する段差を吸収し、かつ、隣接する画素102の第1の電極110を互いに電気的に絶縁することができる。隔壁114はエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを用い、湿式成膜法で形成することができる。
次に発光素子132のEL層120、および第2の電極112を、第1の電極110と隔壁114を覆うように形成する。具体的には、まず、正孔注入層122を第1の電極110と隔壁114を覆うように形成する(図16(A))。正孔注入層122にはホールが注入しやすい、すなわち酸化されやすい(電子供与性の)化合物を用いることができる。換言すると最高占有分子軌道(HOMO)準位の浅い化合物を用いることができる。例えばベンジジン誘導体やトリアリールアミンなどの芳香族アミン、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体などを用いることができる。あるいは、ポリチオフェンやポリアニリン誘導体を用いることができ、例えば一例としてポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などが挙げられる。あるいは、上述した芳香族アミンやカルバゾール誘導体、あるいは芳香族炭化水素などの電子供与性化合物と電子受容体との混合物を用いてもよい。電子受容体としては、例えば酸化バナジウムや酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物や、含窒素ヘテロ芳香族化合物、シアノ基などの強い電子吸引機を有するヘテロ芳香族化合物などが挙げられる。
正孔注入層122上にはさらに、正孔輸送層124が設けられる(図16(A))。正孔輸送層124は正孔注入層122に注入された正孔を発光層126へ輸送する機能を有し、正孔注入層122で使用可能な材料と同様あるいは類似する材料を用いることができる。例えば、正孔注入層122と比較して、HOMO順位が深いが、その差が約0.5eVあるいはそれ以下の材料を用いることができる。
正孔注入層122、正孔輸送層124はいずれも単層構造を有してもよく、積層構造を有してもよい。例えば画素102ごとに正孔輸送層124の厚さを変化させてもよい(図2参照)。この場合、例えば厚さの大きい正孔輸送層124を有する画素102では、複数の化合物が積層された積層された正孔輸送層124を設け、厚さの小さい正孔輸送層124を有する画素102では、正孔輸送層124が単層構造を有するようにしてもよい。正孔注入層122や正孔輸送層124は、湿式成膜法で形成してもよく、蒸着法などの乾式成膜法で形成してもよい。
引き続き、正孔輸送層124上に発光層126を形成する(図16(B))。本実施形態では、連続する画素102a、102b、102c間で異なる構造、あるいは異なる材料を含む発光層126a、126b、126cが形成される。この場合、メタルマスクを用い、対応する画素102a、102b、102cにそれぞれの発光層126a、126b、126cに含まれる材料を蒸着によって堆積させればよい。あるいはインクジェット法を用いて発光層126a、126b、126cを形成してもよい。
各発光層126a、126b、126cは、単一の化合物で形成されていてもよく、あるいはいわゆるホスト―ドープ型の構成を有していもよい。ホスト―ドープ型の場合、ホスト材料としては、例えばスチルベン誘導体、アントラセン誘導体などの縮合芳香族化合物、カルバゾール誘導体、ベンゾキノリノールを基本骨格として有する配位子を含む金属錯体、芳香族アミン、フェナントロリン誘導体などの含窒素ヘテロ芳香族化合物などを用いることができる。ドーパントとしては、クマリン誘導体、ピラン誘導体、キノクリドン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、アントラセン誘導体などの蛍光材料、あるいはイリジウム系オルトメタル錯体などの燐光材料を用いることができる。発光層126a、126b、126cを単一の化合物で構成する場合、上述したホスト材料を用いることができる。
発光層126上には電子輸送層128、電子注入層130が順次形成される(図17(A))。電子輸送層128には、還元されやすい(電子受容性の)化合物を用いることができる。換言すると、最低非占有分子軌道(LUMO)準位の浅い化合物を用いることができる。例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムなどのベンゾキノリノールを基本骨格として有する配位子を含有する金属錯体、オキサジアゾールやチアゾールを有する配位子を含有する金属錯体などが挙げられる。これらの金属錯体以外にも、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを用いることができる。
電子注入層130には、第2の電極112から電子輸送層128への電子注入を促進する化合物を用いることができる。例えば電子輸送層128に用いることが可能な化合物と、リチウムやマグネシウムなどの電子供与性化合物との混合物を用いることができる。あるいは、フッ化リチウムやフッ化カルシウムなどの無機化合物を用いてもよい。電子輸送層128や電子注入層130も、湿式成膜法、あるいは乾式成膜法を適用して形成することができる。
その後、電子注入層130上に第2の電極112が形成される(図17(A))。発光素子132からの発光の一部を第1の電極110から取り出す場合には、第2の電極112として、アルミニウムやマグネシウム、銀などの金属やこれらの合金を用いればよい。逆に発光素子132からの発光を第2の電極112から取り出す場合には、第2の電極112として、ITOなどの透光性を有する導電性酸化物などを用いればよい。あるいは、上述した金属を可視光が透過する程度の厚さで形成することができる。この場合、さらに透光性を有する導電性酸化物を積層してもよい。以上の工程により、補助容量250と発光素子132が形成される。
[3.フォトクロミック層]
次に、第2の電極112上にフォトクロミック層140を形成する。ここでは、フォトクロミック層140が第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を有する例を説明する。
まず、第1のフォトクロミック層142を第2の電極112と接するように形成する(図17(B))。第1のフォトクロミック層142は湿式成膜法、あるいは乾式成膜法によって形成することができる。この時、第1のフォトクロミック層142は、複数の画素102にわたって形成することができる。換言すると、第1のフォトクロミック層142を画素102ごとに個別に形成せず、複数の画素102と重なるように形成することができる。
その後、フォトマスク260を第1のフォトクロミック層142上に設置する。フォトマスク260は、光異性化を行う画素(図17(B)では画素102b)に対応する位置に透光部を有し、それ以外の領域は非透光性を有する。その後、第1のフォトクロミック層142中に含まれるフォトクロミック材料の吸収波長に相当する波長の光を照射し、異性化を行う。これにより、光照射された領域、すなわち、画素102b内におけるフォトクロミック材料は、他の領域のフォトクロミック材料と異なる光学特性を有することができる(図18(A))。
同様に、図18(B)に示すように、第2のフォトクロミック層144を第1のフォトクロミック層142上に湿式成膜法、あるいは乾式成膜法を適用して形成し、光異性化を行う画素(図18(B)では画素102c)に対応する位置に透光部を有するフォトマスク260を設置する。その後、第2のフォトクロミック層144中に含まれるフォトクロミック材料の吸収波長に相当する波長の光を照射し、異性化を行う。これにより、光照射された領域、すなわち、画素102c内におけるフォトクロミック材料は、他の領域のフォトクロミック材料と異なる光学特性を有することができる(図19(A))。同様の操作を繰り返すことで、第3のフォトクロミック層146を形成することができる。第3のフォトクロミック層146においても、光照射された領域(図19(B)では画素102a)内におけるフォトクロミック材料は、他の領域のフォトクロミック材料と異なる光学特性を有することができる。
図17(B)から図19(B)では、一つのフォトクロミック層を形成したのちに露光を行い、これらのプロセスを繰り返す例を示しているが、複数のフォトクロミック層を連続的に形成したのちに、露光プロセスを連続的に行ってもよい。例えば第1のフォトクロミック層142、第2のフォトクロミック層144、第3のフォトクロミック層146を形成し、その後これらの層を順次露光してもよい。
各フォトクロミック層142、144、146の厚さには限定はなく、例えば1μm以上2000μm以下、50μm以上1000μm以下、100μm以上、500μm以下とすることができる。
フォトクロミック層140で用いることができるフォトクロミック材料には特に限定はなく、例えばアゾベンゼン誘導体、スピロピラン誘導体、フルギド誘導体、スチルベン誘導体、ジアリールエテン、アリールアリールエテン、アリールベンゾチエニルエテン、ビオロゲン誘導体、二つのイミダゾール骨格がシクロファンでリンクされたパラシクロファン誘導体などが挙げられる。以下にこれらの化合物の具体的な構造と異性化の反応式を示す。ただし、本発明の実施形態で使用可能なフォトクロミック材料はこれらに限られることはなく、第1、第3実施形態で述べたような光学特性を有するフォトクロミック材料を用いればよい。
アゾベンゼン誘導体の場合、以下に示す式(1)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
スピロピラン誘導体の場合、以下に示す式(2)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
フルギド誘導体の場合、以下に示す式(3)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
ジアリールエテンの場合、以下に示す式(4)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
アリールアリールエテンの場合、以下に示す式(5)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
アリールベンゾチエニルエテンの場合、以下に示す式(6)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
パラシクロファン誘導体の場合、以下に示す式(7)に従って異性化が進行し、フォトクロミズムを示す。
上記式(1)乃至(7)において、R、R、R、R、Rは置換基であり、水素、アルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、エステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基などから独立して選択される。式(1)や(7)のように、ベンゼン環上の置換基の置換位置を指定していない場合、これらの置換基はベンゼン環に複数導入されていてもよい。
フォトクロミック層140で用いられる化合物は、第1実施形態、および第3実施形態で述べたように、各画素102からの発光をどのように制御するかによって適宜選択すればよい。例えば以下の構造を有するジアリールエテンは異性化後に青色を呈するため、青色発光を与える画素102a内において光異性化を行う第1のフォトクロミック層142に使用することができる。
例えば以下の構造を有するジアリールエテンは異性化後に緑色を呈するため、青色発光を与える画素102b内において光異性化を行う第2のフォトクロミック層144に使用することができる。
例えば以下の構造を有するジアリールエテンは異性化後に赤色を呈するため、赤色発光を与える画素102c内において光異性化を行う第3のフォトクロミック層146に使用することができる。

[4.パッシベーション膜、およびその他の構成]
フォトクロミック層140を形成したのち、パッシベーション膜150を形成する。具体的には図20に示すように、まず第1の層152をフォトクロミック層140上に形成する。第1の層152は、例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの無機材料を含むことができ、下地膜210と同様の手法で形成することができる。
引き続き第2の層154を形成する。第2の層154は、アクリル樹脂やポリシロキサン、ポリイミド、ポリエステルなどを含む有機樹脂を含有することができる。また、図20に示すように、隔壁114に起因する凹凸を吸収するよう、また、平坦な面を与えるような厚さで形成してもよい。第2の層154は、インクジェット法などの湿式成膜法によって形成することができる。あるいは、上記高分子材料の原料となるオリゴマーを減圧下で霧状あるいはガス状にし、これを第1の層152に吹き付けて、その後オリゴマーを重合することによって第2の層154を形成してもよい。
その後、第3の層156を形成する。第3の層156は、第1の層152と同様の構造を有し、同様の方法で形成することができる。以上のプロセスにより、パッシベーション膜150が形成される。
その後、フィル材160を介して基板170を固定する。フィル材160はポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの高分子材料を含むことができ、印刷法やラミネート法などを適用して形成することができる。フィル材160に乾燥剤が含まれていてもよい。基板170は基板104と同様の材料を含むことができる。表示装置100に可撓性を付与する場合には、基板170には、上述した高分子材料に加え、ポリオレフィン、ポリイミドなどの高分子材料を適用することも可能である。この場合、上述したように、基板104上に基材を形成し、その上にトランジスタ220や発光素子132などの素子が形成される。その後、基板104と基材の界面にレーザなどの光を照射して基板104と基材間の接着性を低下させ、引き続き物理的に基板104を剥離することで可撓性の表示装置100を得ることができる。
本実施形態では、フォトクロミック層140は第2の電極112上に堆積する例を述べたが、基板170上にフォトクロミック層140を湿式成膜法、あるいは乾式成膜法を用いて形成し、その後フォトクロミック層140を基板114と基板170で挟むように、基板170を基板114上に固定してもよい。この場合、フォトクロミック層140は基板170上に直接形成してもよく、絶縁膜を介して基板170上に形成してもよい。
図示しないが、上述したように、基板170を用いず、偏光板(円偏光板)を形成してもよい。あるいは、基板170の上、あるいは下に偏光板を設けてもよい。
上述したように、カラーフィルタと同様の機能を発現するフォトクロミック層140は、複数の画素102にわたって形成することができ、各画素102におけるフォトクロミック層140の光学特性の制御は、フォトマスクを用いる光照射によって行うことができる。通常、表示装置にカラーフィルタを設置する場合、カラーフィルタが設けられる基板170を表示領域200を介して基板104上に固定する。したがって、解像度が高く、画素102のサイズが小さくなると、画素とカラーフィルタとの位置合わせが困難となり、歩留まりの低下を招きやすい。一方、フォトマスクを用いる光照射は高い位置精度で光照射が可能であり、このため、各画素102に対応する位置において、フォトクロミック材料を確実に光異性化させることができる。したがって、高解像度の表示装置であっても、フォトクロミック層140の光学特性を画素102ごとに精密に制御することが容易であり、高品質の画像を再現可能な表示装置を低コストで提供することができる。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本明細書においては、開示例として主にEL表示装置の場合を例示したが、他の適用例として、その他の自発光型表示装置、液晶表示装置、あるいは電気泳動素子などを有する電子ペーパ型表示装置など、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100:表示装置、102:画素、102a:画素、102b:画素、102c:画素、104:基板、110:第1の電極、112:第2の電極、114:隔壁、120:EL層、122:正孔注入層、124:正孔輸送層、126:発光層、126a:発光層、126b:発光層、126c:発光層、128:電子輸送層、130:電子注入層、132:発光素子、140:フォトクロミック層、142:第1のフォトクロミック層、144:第2のフォトクロミック層、146:第3のフォトクロミック層、150:パッシベーション膜、152:第1の層、154:第2の層、156:第3の層、160:フィル材、170:基板、180:表示装置、182:表示装置、184:表示装置、186:表示装置、190:表示装置、200:表示領域、202:走査線駆動回路、204:データ線駆動回路、206:端子、210:下地膜、220:トランジスタ、222:半導体膜、224:ゲート絶縁膜、226:ゲート電極、228:層間膜、230:開口、232:ソース/ドレイン電極、240:平坦化膜、242:開口、244:接続電極、250:補助容量、252:電極、254:絶縁膜、256:開口、258:開口、260:フォトマスク

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板上の第1の発光素子と、
    前記基板上に位置し、前記第1の発光素子に隣接する第2の発光素子を有し、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々は、
    第1の電極と、
    前記第1の電極上のEL層と、
    前記EL層上の第2の電極と、
    前記第2の電極上に位置し、フォトクロミック材料を含むフォトクロミック層を有し、
    前記第1の発光素子が有する前記フォトクロミック層の前記フォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記フォトクロミック層の前記フォトクロミック材料と化学構造が異なる表示装置。
  2. 前記第1の発光素子が有する前記フォトクロミック層の前記フォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記フォトクロミック層の前記フォトクロミック材料と組成が同一である、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第1の発光素子が有する前記フォトクロミック層と前記第2の発光素子が有する前記フォトクロミック層とは、光の吸収特性が異なる、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記フォトクロミック層は、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子にわたって配置される、請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記第1の発光素子が有する前記フォトクロミック層は、前記第2の発光素子が発光する光の一部を吸収する、請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記フォトクロミック層上にパッシベーション膜をさらに有する、請求項1に記載の表示装置。
  7. 前記第2の電極と前記フォトクロミック層との間に、前記EL層を覆うパッシベーション膜をさらに有し、
    前記パッシベーション膜は無機膜を含む、請求項1に記載の表示装置。
  8. 基板と、
    前記基板上の第1の発光素子と、
    前記基板上に位置し、前記第1の発光素子に隣接する第2の発光素子を有し、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々は、
    第1の電極と、
    前記第1の電極上のEL層と、
    前記EL層上の第2の電極と、
    前記第2の電極上に位置し、第1のフォトクロミック材料を含む第1のフォトクロミック層と、
    前記第1のフォトクロミック層上に位置し、第2のフォトクロミック材料を含む第2のフォトクロミック層を有し、
    前記第1の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料と化学構造が異なり、
    前記第1の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料と化学構造が異なる表示装置。
  9. 前記第1の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料と組成が同一であり、
    前記第1の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料は、前記第2の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料と組成が同一である、請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記第1の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料と前記第2の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック材料とは、光の吸収特性が異なり、
    前記第1の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料と前記第2の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック材料とは、光の吸収特性が異なる、請求項8に記載の表示装置。
  11. 前記第1のフォトクロミック層と第2のフォトクロミック層は、前記第1の発光素子から前記第2の発光素子にわたって配置される、請求項8に記載の表示装置。
  12. 前記第1の発光素子が有する前記第1のフォトクロミック層は、前記第2の発光素子が発光する光の一部を吸収し、
    前記第2の発光素子が有する前記第2のフォトクロミック層は、記第1の発光素子が発光する光の一部を吸収する、請求項8に記載の表示装置。
  13. 前記第2のフォトクロミック層上にパッシベーション膜をさらに有する、請求項8に記載の表示装置。
  14. 前記第2の電極と前記第1のフォトクロミック層との間に、前記EL層を覆うパッシベーション膜をさらに有し、
    前記パッシベーション膜は無機膜を含む、請求項8に記載の表示装置。
  15. 第1の画素内、および前記第1の画素に隣接する第2の画素内にそれぞれ第1の電極を形成し、
    前記第1の画素の前記第1の電極と前記第2の画素の前記第1の電極上にEL層を形成し、
    前記EL層上に第2の電極を形成し、
    前記第1の画素と前記第2の画素にわたって、前記第2の電極上に、フォトクロミック材料を含むフォトクロミック層を形成し、
    前記第1の画素と前記第2の画素の少なくとも一方に光照射を行い、前記フォトクロミック材料を異性化させることを含む、表示装置の製造方法。
  16. 前記フォトクロミック材料は、前記異性化の後、吸収特性が異なるように構成される、請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記フォトクロミック材料は、前記異性化の後、前記第2の画素からの発光の一部を吸収するように構成される、請求項15に記載の製造方法。
  18. 前記フォトクロミック層上にパッシベーション膜を形成することをさらに含む、請求項15に記載の製造方法。
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