JP2018101761A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精細な映像を提供可能な表示装置、およびその製造方法を提供する【解決手段】表示装置は、第1の画素電極と、第2の画素電極と、第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆う隔壁と、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁の上に位置し、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁と接し、第1の化合物と第2の化合物を含有する正孔注入層と、正孔注入層上の対向電極を有する。正孔注入層の隔壁上における第2の化合物の濃度は、第1の画素電極、あるいは第2の画素電極上における第2の化合物の濃度よりも小さい。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態の一つは、表示装置とその製造方法に関する。例えば、高精細な映像を提供可能な表示装置、およびその製造方法に関する。
表示装置の一例として、有機EL(Electroluminescence)表示装置が挙げられる。有機EL表示装置は、基板上に形成された複数の画素の各々に有機発光素子(以下、発光素子)を有している。各画素は画素電極を有し、その上に有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)、および画素電極に対向する対向電極が形成されることで発光素子が形成される。隣接する画素の画素電極の間には隔壁と呼ばれる絶縁膜が設けられる。画素間の距離を小さくする、すなわち、隔壁の幅を小さくすることで画素の密度を向上させることができ、高精細な有機EL表示装置を提供することができる。例えば特許文献1では、高精細な有機EL表示装置を製造するための手法が開示されている。
本発明は、高精細な映像を提供可能な表示装置、およびその製造方法を提供することを一つの目的とする。あるいは、色再現性に優れた表示装置、およびその製造方法を提供することを一つの目的とする。
本発明の実施形態の一つは表示装置である。表示装置は、第1の画素電極と、第2の画素電極と、第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆う隔壁と、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁の上に位置し、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁と接し、第1の化合物と第2の化合物を含有する正孔注入層と、正孔注入層上の対向電極を有する。正孔注入層の隔壁上における第2の化合物の濃度は、第1の画素電極、あるいは第2の画素電極上における第2の化合物の濃度よりも小さい。
本発明の実施形態の一つは表示装置である。表示装置は、第1の画素電極と、第2の画素電極と、第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆う隔壁と、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁の上に位置し、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁と接する正孔注入層と、正孔注入層上の対向電極を有する。隔壁上における正孔注入層の厚さは、第1の画素電極、あるいは第2の画素電極上における正孔注入層の厚さよりも大きい。
本発明の実施形態の一つは表示装置である。表示装置は、第1の画素電極と、第2の画素電極と、第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆い、第1の画素電極と第2の画素電極間に凹部を有する隔壁と、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁の上に位置し、第1の画素電極、第2の画素電極、および隔壁と接する正孔注入層と、正孔注入層上の対向電極を有する。凹部における正孔注入層の厚さは、第1の画素電極、あるいは第2の画素電極上における正孔注入層の厚さよりも大きい。
本発明の実施形態の一つは、表示装置の製造方法である。製造方法は、第1の画素電極の上、第2の画素電極の上、および第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆う隔壁の上に、第1の化合物と第2の化合物を有する正孔注入層を形成すること、隔壁と重なる領域において正孔注入層の第2の化合物の濃度を低減させること、および正孔注入層の上に対向電極を形成することを含む。
本発明の実施形態の一つは、表示装置の製造方法である。製造方法は、第1の画素電極の上、第2の画素電極の上、および第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆う隔壁の上に、第1の化合物と第2の化合物を有する正孔注入層を形成すること、隔壁と重なる領域において正孔注入層上に第1の化合物の溶液を滴下すること、溶液に含まれる溶媒を留去すること、および正孔注入層の上に対向電極を形成することを含む。
本発明の実施形態の一つは、表示装置の製造方法である。製造方法は、第1の画素電極と第2の画素電極を形成すること、第1の画素電極の端部と第2の画素電極の端部を覆うように隔壁を形成すること、隔壁に凹部を形成すること、凹部の側壁と底面を覆うように、第1の化合物と第2の化合物を含有する正孔注入層を形成すること、隔壁と重なる領域において正孔注入層上に第1の化合物の溶液を滴下すること、溶液に含まれる溶媒を留去すること、および正孔注入層の上に対向電極を形成することを含む。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本発明において、ある一つの膜に対してエッチングや光照射を行って複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
(第1実施形態)
図1(A)は、本発明の第1実施形態の表示装置100の模式的な断面図である。表示装置100は複数の画素102を有しており、この断面図では、そのうちの隣接する2つの画素102a、102bが示されている。図1では、画素102を支持する基板や、画素102を駆動するための各種回路は省略されている。
図1(A)は、本発明の第1実施形態の表示装置100の模式的な断面図である。表示装置100は複数の画素102を有しており、この断面図では、そのうちの隣接する2つの画素102a、102bが示されている。図1では、画素102を支持する基板や、画素102を駆動するための各種回路は省略されている。
各画素102a、102bは、それぞれ画素電極110を有している。ここで画素102a、102bが有する画素電極110をそれぞれ第1の画素電極110a、第2の画素電極110bと呼ぶ。第1の画素電極110aと第2の画素電極110bは互いに隔壁(リブ、あるいはバンクとも呼ばれる)114によって電気的に分断されている。隔壁114は第1の画素電極110aと第2の画素電極110bの端部を覆い、第1の画素電極110aと第2の画素電極110bに起因する凹凸を緩和する役割を有している。画素102a、102bはさらに対向電極112を有している。対向電極112は画素102a、102bにわたって設けられる。したがって、対向電極112は複数の画素102a、102bによって共有される。画素電極110と対向電極112の一方は陽極として機能し、他方は陰極として機能する。また、画素電極110と対向電極112の一方、あるいは両方を通して、画素102からの発光が取り出される。以下の説明では、画素電極110が陽極、対向電極112が陰極として機能し、画素電極110は光を反射し、対向電極112を通して画素102からの発光が取り出される例を用いて説明を行う。しかしながら、本発明の実施形態はこのような構造に限られない。例えば画素電極110を陰極として用いてもよい。
各画素102a、102bの画素電極110と対向電極112の間にEL層120が設けられる。EL層120の構成は任意であるが、画素電極110、対向電極112からそれぞれ正孔、電子が注入され、EL層120内部で正孔と電子の再結合が行われるように設計される。したがって典型的なEL層120は、図1(A)に示すように、画素電極110側から、画素電極110に接する正孔注入層122、正孔輸送層124、発光層126、電子輸送層128、電子注入層130を有している。図示しないが、各層は単層構造を有してもよく、あるいは異なる材料の積層によって形成されていてもよい。EL層120はこれらの層の全てを有する必要はない。また、他の機能を有する層をさらに有していてもよく、例えば正孔阻止層、電子阻止層、励起子阻止層などを含んでもよい。各画素102a、102bにおいて、画素電極110、対向電極112、およびEL層120によって発光素子132が形成される。
画素電極110と対向電極112間に電位差を与えることにより、前者からは正孔が、後者からは電子がEL層120へ注入される。正孔は正孔注入層122、正孔輸送層124を経由して発光層126へ輸送される。一方、電子は電子注入層130、電子輸送層128を経由して発光層126へ輸送される。発光層126内で正孔と電子が再結合し、発光層126に含まれる発光材料の励起状態が形成される。この励起状態が基底状態に緩和する際、励起状態と基底状態のエネルギー差に相当する波長の光が放出され、発光素子132からの発光として観測することができる。
正孔注入層122は、図1(A)に示すように、画素電極110と隔壁114の上に、画素電極110と隔壁114と接するように設けられる。正孔注入層122は二つの化合物(第1の化合物、第2の化合物)を含むことができる。第1の化合物は正孔輸送性を有する化合物であり、酸化電位が比較的低く、容易に電子を放出する電子供与性化合物である。典型的には芳香族アミン誘導体、芳香族カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フタロシアニン誘導体などが挙げられる。第1の化合物は高分子でも良く、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体などが例示される。
第2の化合物は、第1の化合物から電子を受け取ることが可能な化合物であり、電子受容性の高い化合物である。すなわち、第2の化合物は第1の化合物に対して電子受容性を示し、このため第1の化合物と第2の化合物によって電荷移動錯体が形成される。なお、電荷移動錯体の形成は平衡反応であり、混合された第1の化合物と第2の化合物の一部が電荷移動錯体を形成する。正孔注入層122内において、第2の化合物の濃度(モル濃度)は第1の化合物の濃度よりも小さくてもよい。第2の化合物としては、例えばピリジンやピラジン、トリアジン、ジアゾール、トリアゾールなどの電子欠如型ヘテロ芳香環を基本骨格とする化合物が挙げられる。具体的には、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体や、これらの誘導体にベンゼン環が1つ、あるいは複数融合したヘテロ縮合芳香化合物などが挙げられる。第2の化合物は有機化合物に限られず、第1の化合物と混合されることによって電荷移動錯体を形成することが可能な無機化合物から選択することができる。例えば酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化タンタルなどの遷移金属酸化物が挙げられる。
第1の化合物と第2の化合物の濃度は、正孔注入層122内において一定である必要は無い。例えば図1(A)に示すように、隔壁114と重なる領域122bでは、他の領域(例えば、画素電極110と重なる、あるいは接する領域)122aと比較して第2の化合物の濃度([C2])が小さくなるよう、正孔注入層122を形成することができる。この場合、領域122aから領域122bにかけて[C2]は非連続に変化してもよく、連続的に変化してもよい。例えば図1(A)、(B)に模式的に示すように、画素電極110の表面に平行な方向をx方向とすると、x方向で[C2]が連続的に変化し、領域122bにおいて[C2]の最低値が存在するように、正孔注入層122を構成することができる。この場合、図1(B)の曲線aで示すように、領域122aでは[C2]は一定でもよく、あるいは曲線bで表されるように、領域122aにおいて[C2]はピークを有していてもよい。[C2]が領域122aと領域122b間で連続的に変化する場合、領域122aと領域122b間の境界は明確には観測されない。
図1(A)では、EL層120のうち、発光層126を除く正孔注入層122、正孔輸送層124、電子輸送層128、電子注入層130は画素102a、102bにわたって形成されており、これらは画素102a、102bによって共有される。一方、発光層126は各画素102a、102bごとに独立して設けられている。このような構造を採用することで、画素102a、102bは互いに異なる発光材料を含有する発光層(126a、126b)を有することができ、これによって、互いに異なる発光色を与えることができる。例えば連続する3つの画素102の発光層126にそれぞれ青色、緑色、赤色の発光を与える発光材料を含有させることにより、3つの画素102から三原色を取り出してフルカラー表示を行うことができる。図1(A)に示した例では、発光層126aと126bは互いに接しておらず、正孔輸送層124と電子輸送層128が隔壁114上で接しているが、発光層126aと126bは隔壁114上で互いに重なるように形成されていてもよい。
図1(A)に示す表示装置100では、発光層126を除く層は、画素102a、102bにおいて同一の構造を有しているが、これらの層は画素102ごとに異なる構造や厚さを有していてもよい。図示しないが、例えば画素102a、102b間で互いに正孔輸送層124や電子輸送層128、発光層126の厚さが異なるように表示装置100を構成してもよい。このように表示装置100を構成することにより、発光領域である発光層126と画素電極110あるいは対向電極112間の距離を画素ごとに変化させることができ、これにより、各画素102において画素電極110と対向電極112間の光学距離を変化させることができる。その結果、画素電極110と対向電極112間における光の干渉効果の制御が可能となり、発光強度や発光色を制御することができる。
表示装置100では、図1(B)に示すように、画素102a、102bが共通の発光層126を有していてもよい。この場合、発光層126は画素102a、102b間で連続して形成され、画素102a、102bに共有される。このような構成を有する場合、画素102ごとに発光層126を形成する必要がなく、製造工程を簡素化することができる。また、発光層126を白色発光を与えるように構成し、図示しないカラーフィルタを用いて各画素102からの発光色を制御することで、フルカラー表示を実現することができる。
正孔注入層122の領域122aと領域122bでは、厚さが互いに異なってもよい。例えば図2に示すように、領域122b、すなわち、正孔注入層122のうち隔壁114と重なる領域の厚さは、画素電極110と重なる領域の厚さと比較して大きくてもよい。また、正孔注入層122は隔壁114の上で凸部を有してもよい。
表示装置100を駆動する際、各画素102は独立に制御される。具体的には、表示装置100の駆動中、複数の画素102に共有される対向電極112に対しては一定電位が与えられる。一方、選択された画素102(例えば図3(A)では画素102a)では、映像信号に対応する電位がトランジスタなどのスイッチング素子を介して第1の画素電極110aに印加される。第1の画素電極110aと対向電極112間の電位差が発光素子132の閾値を超えると、第1の画素電極110aからは正孔が、対向電極112からは電子がEL層120へ注入される。注入された正孔(図中白丸)と電子(図中黒丸)がEL層120内に輸送されることによって、EL層120内に電流が流れる。ここで流れる電流は空間電荷制限電流と呼ばれるものであり、第1の画素電極110aから対向電極112に向かって、画素電極110の表面に対して垂直な方向に流れる。注入された正孔と電子は発光層126内で再結合し、発光に至る(矢印140)。
空間電荷制限電流の大きさは膜厚(ここでは、EL層の厚さ)の3乗に反比例する。したがって、空間電荷制限電流はEL層120内を画素電極110の表面に平行な方向に流れることはできず、この方向に流れる電流にはオーム則が適用される。EL層120を構成する各層は、通常、絶縁膜と見做せる程度の導電性しか持たない。したがって、EL層120内では、画素電極110の表面に平行な方向に流れるオーム電流は無視することができる。したがって、注入された正孔と電子は隣接する画素へ輸送されることはなく、選択された画素102において選択的に発光が生じる。
しかしながら、EL層120を構成する層の全て、あるいは一部の導電性を増大させると、オーム電流を無視することができなくなる。特に表示装置の高精細化のために隔壁114の幅を減少させ、隣接する画素102間の距離が小さくなる場合、オーム電流の影響を無視することができなくなる。例えば図3(A)に示すように、正孔注入層122の導電性が高い場合、画素102aに注入されたホールの一部が隔壁114上の正孔注入層122内を経由して隣接する画素102bへ輸送される。その結果、画素102aのみを選択した場合でも、隣接する画素102bで再結合が生じ、発光層126bが発光する(矢印142)。このような現象はクロストークとも呼ばれ、選択した画素102a以外の画素102bからの発光が混合されるため、映像の輪郭がぼやける、あるいは発光色の色純度の低下が生じ、表示装置が表現可能な色域が減少する。その結果、表示される画像の品質が低下する。
EL表示装置の消費電力を低下させる一つの方法が、EL層120の各層の導電性を向上させ、発光素子132の駆動電圧を下げることである。EL層120の各層のうち、導電性を向上することが最も容易なのが正孔注入層122であり、例えば正孔注入層122内に電荷移動錯体を形成させてキャリア濃度を増大させることで、導電性を大幅に増大させることができる。導電性の高い正孔注入層122を用いることで、EL表示装置の消費電力を低下させることはできるものの、上述した理由のため、クロストークの発生が誘発される。
しかしながら本実施形態の表示装置100では、第1の化合物と第2の化合物の電荷移動錯体の形成に起因して正孔注入層122の導電性は増大しているものの、画素電極110と重なる領域122aと比較して隔壁114と重なる領域122bにおいて第2の化合物の濃度が低い。このため、正孔注入層122の領域122bではキャリア濃度が低く、導電性が小さい。したがって、第1の画素電極110aから注入された正孔が隣接する画素102へ輸送されることが防止され、クロストークが発生しない(図3(B))。その結果、本実施形態を適用することで、色再現性に優れた高精細な表示装置を提供することが可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100の正孔注入層122の形成方法を図4を用いて説明する。第1実施形態で述べた構成と同様の構成に関しては、説明を割愛することがある。
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100の正孔注入層122の形成方法を図4を用いて説明する。第1実施形態で述べた構成と同様の構成に関しては、説明を割愛することがある。
図4(A)に示すように、第1の画素電極110a、第2の画素電極110b、および隔壁114の上に、これらに接するように正孔注入層122を形成する。正孔注入層122は第1実施形態で述べた材料を含むことができる。正孔注入層122の形成は、インクジェット法や印刷法、ディップコーティング法、スピンコーティング法などの湿式成膜法、あるいは蒸着法を用いて行うことができる。湿式成膜法を適用する場合には、第1の化合物と第2の化合物を含む懸濁液、あるいは溶液を第1の画素電極110a、第2の画素電極110b、および隔壁114の上に塗布し、その後懸濁液や溶液に含まれる溶媒を減圧下、あるいは常圧下、除去すればよい。蒸着法を適用する場合、第1の化合物と第2の化合物を共蒸着することで正孔注入層122を形成することができる。
次に、隔壁114と重なる領域において、第1の化合物を含む溶液、あるいは懸濁液を正孔注入層122上に滴下する(図4(A))。この溶液、あるいは懸濁液には、第2の化合物が含まれなくてもよい。すなわち、この溶液や懸濁液は第1の化合物と溶媒からなっていてもよい。滴下は、インクジェット法を適用して行えばよい。滴下された液滴150中に含まれる溶媒により、隔壁114と重なる領域の正孔注入層122の一部が溶解し、液滴150に含まれている第1の化合物、液滴150の滴下前に正孔注入層122に含まれていた第1の化合物と第2の化合物が隔壁114の上で混ざりあう(図4(B)中の点線の楕円で示した領域)。これに伴い、隔壁114上では正孔注入層122の厚さが大きくなる。すなわち、隔壁114上で、正孔注入層122の体積が部分的に増大する。
この後、液滴150に含まれる溶媒を留去する(図4(C))。これにより、隔壁114上における正孔注入層122の領域122bでは、第2の材料が第1の材料中に再度拡散する。同時に、隔壁114上における正孔注入層122の厚さがと体積が増大する。しかしながら第2の化合物の量は変わらないため、隔壁114上において、第2の化合物の濃度が、液滴150の滴下前よりも低下する。
液滴150の滴下は、インクジェット法を適用して行えばよい。インクジェットによる液滴150の滴下は、例えば表示装置100の上面拡大図である図5(A)に示すように、液滴150の隣接する着弾領域154(すなわち、連続して吐出される二つの液滴の着弾領域)が互いに重なり、着弾領域154が繋がりながら各画素電極110を囲むように行ってもよい。あるいは、図5(B)に示すように、画素電極110の配列に対して一方向のみに着弾領域154が形成されるように行ってもよい。あるいは図6に示すように、着弾領域154が互いに重ならず、不連続に液滴150が滴下されるように行ってもよい。
なお、上述した溶液や懸濁液に含まれる化合物は、第1の化合物に限られず、第1の化合物とは異なる材料を使用することも可能である。この場合、正孔輸送性を有する化合物でも、電子輸送性を有する化合物を用いても良い。また、第2の化合物と電荷移動錯体を形成しない材料を用いても良い。
以上の方法により、第1実施形態で述べたように、第2の化合物の濃度が異なる2つの領域122a、122bを有する正孔注入層122を形成することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100とは構造が異なる表示装置160、162、164に関し、図7を用いて説明する。第1、第2実施形態と同様の構成に関しては説明を割愛することがある。
本実施形態では、第1実施形態で述べた表示装置100とは構造が異なる表示装置160、162、164に関し、図7を用いて説明する。第1、第2実施形態と同様の構成に関しては説明を割愛することがある。
図7(A)、図7(B)、図7(C)にそれぞれ示す表示装置160、162、164は、隔壁114の形状が異なる点において表示装置100と異なる。具体的には、図7(A)、図7(B)、図7(C)に示すように、表示装置160の隔壁114は凹部152を有している。凹部152には領域122bが形成され、この領域では領域122aと比較して第2の化合物の濃度が低い。また、凹部152における正孔注入層122の厚さは、領域122aの厚さよりも大きくてもよい。領域122bの上面は、図7(A)に示すように平坦でもよく、図7(B)に示すように凹部有していてもよく、あるいは図7(C)に示すように、凸部を有していてもよい。
表示装置100と同様、隣接する画素間でキャリア濃度が低くなるように正孔注入層122を構成することにより、クロストークの発生を防止することができる。その結果、優れた色再現性を示す高精細な表示装置を提供することができる。
図7(A)、図7(B)、図7(C)に示す隔壁114は、多諧調マスク(グレイトーンマスク、あるいはハーフトーンマスク)を用いた露光プロセスを経由することで形成することができる。具体的には図8(A)に示すように、例えば感光性高分子を第1の画素電極110a、第2の画素電極110bを覆うように形成して隔壁114を形成する。その後、透光部168、遮光部172、および半透光部170を有するフォトマスク166を隔壁114上に設置する。透光部168は第1の画素電極110aや第2の画素電極110bと重なり、発光素子132が形成される領域と重なるように、フォトマスク166を設置する。一方、半透光部170は、凹部152を形成する領域と重なるように、フォトマスク166を設置する。
この状態で露光を行うと(図8(A))、第1の画素電極110aや第2の画素電極110bと重なる領域は完全に露光され、凹部152を形成する領域は中間露光され、これ以外の領域は露光されない。露光の程度により感光性高分子の溶解度の変化が異なるので、ポジ型の感光性高分子を用いた場合、露光後に現像を行うことで完全に露光された部分は感光性高分子が除去され、未露光の部分では感光性高分子の厚さはほとんど変わらない。一方、中間露光された部分では一部の感光性高分子が残存する結果、膜厚が減少する。膜厚が減少した部分が凹部152に相当する(図8(B))。
その後、第2実施形態で述べた方法と同様に、第1の画素電極110a、第2の画素電極110b、および隔壁114を覆い、かつ、これらと接するように正孔注入層122を形成する。正孔注入層122は、凹部152の側壁や底面を覆うように形成する。その後、第1の化合物を含む溶液、あるいは懸濁液の液滴150を隔壁114上の正孔注入層122上に滴下し、第2の化合物の濃度が低い領域122bを隔壁114上に形成すればよい(図8(C))。
(第4実施形態)
本実施形態では、表示装置100の製造方法に関して説明する。第1から第3実施形態と同様の構成については、説明を割愛することがある。
本実施形態では、表示装置100の製造方法に関して説明する。第1から第3実施形態と同様の構成については、説明を割愛することがある。
図9は、表示装置100の模式的な斜視図である。表示装置100は行方向と列方向に配置される複数の画素102とそれによって構成される表示領域200、走査線駆動回路202、データ線駆動回路204を基板104の一方の面(上面)に有している。表示装置100はさらに、表示領域200を覆う対向基板106を有する。外部回路(図示せず)からの各種信号は、基板104上に設けられた端子206に接続されるフレキシブルプリント回路(FPC)などのコネクタ(図示せず)を経由して走査線駆動回路202やデータ線駆動回路204に入力され、これらの信号に基づいて各画素102が制御される。
走査線駆動回路202、データ線駆動回路204のいずれか、あるいは両方は、基板104の上に直接形成される必要はなく、基板104とは異なる基板(半導体基板など)上に形成された駆動回路を基板104やコネクタ上に設け、これらの駆動回路によって各画素102を制御してもよい。図9では、基板104上に形成された走査線駆動回路202が対向基板106に覆われ、一方、データ線駆動回路204は別基板に形成された後に基板104上に搭載される例が示されている。
基板104と対向基板106は、ガラス基板などの可撓性を持たない基板でもよく、可撓性を有する基板でもよい。対向基板106の替わりに、樹脂フィルム、円偏光板などの光学フィルムを貼り合せてもよい。画素102はマトリクス状に設けられるが、配列には特に制限はなく、ストライプ配列、デルタ配列などを採用することができる。
図10に、連続して設けられる三つの画素102a、102b、102cを含む、表示装置100の断面模式図を示す。
複数の画素102a、102b、102cを含む画素102の各々は、アンダーコート210を介して基板104上にトランジスタ220、トランジスタ220と電気的に接続される発光素子132、付加容量250などの素子を有する。図10では、各画素102に一つのトランジスタ220と一つの付加容量250が設けられる例が示されているが、各画素102は複数のトランジスタや複数の容量素子を有してもよい。発光素子132には、第1実施形態で述べた構造を適用することができる。以下、表示装置100の断面模式図を参照し、表示装置100の製造方法を述べる。
[1.トランジスタ]
図11(A)に示すように、まず基板104上にアンダーコート210を形成する。基板104は、トランジスタ220など、表示領域200に含まれる半導体素子や発光素子132などを支持する機能を有する。基板104はガラスや石英、プラスチック、金属、セラミックなどを含むことができる。
図11(A)に示すように、まず基板104上にアンダーコート210を形成する。基板104は、トランジスタ220など、表示領域200に含まれる半導体素子や発光素子132などを支持する機能を有する。基板104はガラスや石英、プラスチック、金属、セラミックなどを含むことができる。
表示装置100に可撓性を付与する場合、基板104上に基材を形成する。この場合、基板104は支持基板、あるいはキャリア基板とも呼ばれる。基材は可撓性を有する絶縁膜であり、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボナートに例示される高分子材料から選択される材料を含むことができる。基材は、例えば印刷法やインクジェット法、スピンコート法、ディップコーティング法などの湿式成膜法、あるいはラミネート法などを適用して形成することができる。
アンダーコート210は基板104(および基材)からアルカリ金属などの不純物がトランジスタ220などへ拡散することを防ぐ機能を有する膜であり、窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などのケイ素含有無機絶縁体を含むことができる。アンダーコート210は化学気相成長法(CVD法)やスパッタリング法などを適用して単層、あるいは積層構造を有するように形成することができる。
次に半導体膜222を形成する(図11(A))。半導体膜222は例えばケイ素などの14族元素を含むことができる。あるいは半導体膜222は酸化物半導体を含んでもよい。酸化物半導体としては、インジウムやガリウムなどの第13族元素を含むことができ、例えばインジウムとガリウムの混合酸化物(IGO)が挙げられる。酸化物半導体を用いる場合、半導体膜222はさらに12族元素を含んでもよく、一例としてインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む混合酸化物(IGZO)が挙げられる。半導体膜222の結晶性に限定はなく、半導体膜222は単結晶、多結晶、微結晶、あるいはアモルファスのいずれの結晶状態を含んでもよい。
半導体膜222がケイ素を含む場合、半導体膜222は、シランガスなどを原料として用い、CVD法によって形成すればよい。得られるアモルファスシリコンに対して加熱処理、あるいはレーザなどの光を照射することで結晶化を行ってもよい。半導体膜222が酸化物半導体を含む場合、スパッタリング法などを利用して形成することができる。
次に半導体膜222を覆うようにゲート絶縁膜224を形成する(図11(A))。ゲート絶縁膜224は単層構造、積層構造のいずれの構造を有していてもよく、ケイ素含有無機絶縁体を含み、CVD法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。
引き続き、ゲート絶縁膜224上にゲート電極226をスパッタリング法やCVD法を用いて形成する(図11(B))。ゲート電極226はチタンやアルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、タンタルなどの金属やその合金などを用い、単層、あるいは積層構造を有するように形成することができる。例えばチタンやタングステン、モリブデンなどの比較的高い融点を有する金属でアルミニウムや銅などの導電性の高い金属を挟持する構造を採用することができる。
次にゲート電極226上に層間膜228を形成する(図11(B))。層間膜228は単層構造、積層構造のいずれの構造を有していてもよく、ケイ素を含有する無機絶縁体を含むことができ、CVD法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。積層構造を有する場合、例えば有機化合物を含む層を形成したのち、無機化合物を含む層を積層してもよい。図示しないが、半導体膜222に対して適宜ドーピングを行い、ソース/ドレイン領域や低濃度不純物領域などを形成してもよい。
次に、層間膜228とゲート絶縁膜224に対してエッチングを行い、半導体膜222に達する開口230を形成する(図11(C))。開口230は、例えばフッ素含有炭化水素を含むガス中でプラズマエッチングを行うことで形成することができる。
次に開口230を覆うように金属膜を形成し、エッチングを行って成形することで、ソース/ドレイン電極232を形成する(図12(A))。金属膜はゲート電極226と同様、単層構造、積層構造のいずれの構造を有することができ、ゲート電極226で使用可能な金属や合金を含むことができる。以上の工程により、トランジスタ220が形成される。本実施形態では、トランジスタ220はトップゲート型のトランジスタとして図示されているが、トランジスタ220の構造に限定はなく、トランジスタ220はボトムゲート型トランジスタ、ゲート電極226を複数有するマルチゲート型トランジスタ、半導体膜222の上下を二つのゲート電極226で挟持する構造を有するデュアルゲート型トランジスタでもよい。また、ソース/ドレイン電極232と半導体膜222との上下関係にも制約はない。
[2.付加容量、発光素子]
次に平坦化膜240を、トランジスタ220を覆うように形成する(図12(A))。平坦化膜240は、トランジスタ220などに起因する凹凸や傾斜を吸収し、平坦な面を与える機能を有する。平坦化膜240は有機絶縁体で形成することができる。有機絶縁体としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリシロキサンなどの高分子材料が挙げられる。平坦化膜240は、上述した湿式成膜法などによって形成することができる。
次に平坦化膜240を、トランジスタ220を覆うように形成する(図12(A))。平坦化膜240は、トランジスタ220などに起因する凹凸や傾斜を吸収し、平坦な面を与える機能を有する。平坦化膜240は有機絶縁体で形成することができる。有機絶縁体としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリシロキサンなどの高分子材料が挙げられる。平坦化膜240は、上述した湿式成膜法などによって形成することができる。
その後平坦化膜240に対してエッチングを行い、トランジスタ220のソース/ドレイン電極232の一方を露出する開口242が設けられる(図12(B))。そしてこの開口242を覆い、トランジスタ220のソース/ドレイン電極232の一方と接するように接続電極244を形成する(図12(C))。接続電極244には、インジウム―スズ酸化物(ITO)やインジウム―亜鉛酸化物(IZO)などの可視光を透過可能な導電性酸化物を用い、スパッタリング法などを用いて形成することができる。なお、接続電極244の形成は任意であるが、接続電極244を設けることにより、引き続くプロセスにおいてソース/ドレイン電極232表面の劣化を防ぎ、ソース/ドレイン電極232と画素電極110間の電気的接続においてコンタクト抵抗の発生を抑制することができる。
引き続き、平坦化膜240上に金属膜を形成し、エッチングを行って金属膜を形成し、付加容量250の一方の電極252を形成する(図13(A)))。ここで用いる導電層は、ソース/ドレイン電極232の形成に用いる導電層と同様、単層構造、積層構造、いずれの構造を有してもよく、例えばモリブデン/アルミニウム/モリブデンの三層構造を採用することができる。
引き続き、平坦化膜240、および電極252上には絶縁膜254が形成される(図13(A))。絶縁膜254はトランジスタ220に対する保護膜として機能するだけでなく、付加容量250における誘電体としても機能する。したがって、誘電率の比較的高い材料を用いることが好ましい。例えば窒化ケイ素や窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などを用い、CVD法やスパッタリング法を適用して絶縁膜254を形成することができる。絶縁膜254には開口256、258が設けられる(図13(A))。前者は、のちに形成される画素電極110と接続電極244との電気的接続ために設けられる。後者は、隔壁114形成後の熱処理等を通じて、平坦化膜240から脱離する水やガスを、隔壁114を通じて引き抜くための開口である。
次に図13(B)に示すように、開口256を覆うように画素電極110を形成する。画素電極110と絶縁膜254、電極252によって付加容量250が形成される。付加容量250を設けることで、トランジスタ220のゲート電極226の電位をより長期間保持することができる。
発光素子132からの発光を対向電極112から取り出す場合、画素電極110は可視光を反射するように構成される。この場合、画素電極110は、銀やアルミニウムなどの反射率の高い金属やその合金を用いる。あるいはこれらの金属や合金を含む膜上に、透光性を有する導電性酸化物の膜を形成する。導電酸化物としてはITOやIZOなどが挙げられる。発光素子132からの発光の一部を画素電極110から取り出す場合には、ITOやIZOを用いて画素電極110を形成すればよい。
次に、画素電極110の端部を覆うように、隔壁114を形成する(図13(B))。隔壁114により、画素電極110などに起因する段差を吸収し、かつ、隣接する画素102間を互いに電気的に絶縁することができる。隔壁114はエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを用い、湿式成膜法で形成することができる。
次に発光素子132のEL層120、および対向電極112を、画素電極110と隔壁114を覆うように形成する。具体的には、まず、第2実施形態で述べた方法にしたがって、正孔注入層122を画素電極110と隔壁114を覆うように形成する(図14(A))。その後、隔壁114と重なる領域において正孔注入層122上に第1の化合物の溶液、あるいは懸濁液の液滴150を滴下し、液滴150中の溶媒を留去することにより、正孔注入層122に領域122aと122bを形成する(図14(B))。
正孔注入層122上にはさらに、正孔輸送層124が設けられる(図15)。正孔輸送層124は正孔注入層122に注入された正孔を発光層126へ輸送する機能を有し、第1の化合物と同様あるいは類似する材料を用いることができる。例えば、第1の化合物と比較して、最高占有分子軌道(HOMO)順位が深いが、その差が約0.5eVあるいはそれ以下の材料を用いることができる。
引き続き、正孔輸送層124上に発光層126を形成する(図15)。各発光層126a、126b、126cは、単一の化合物で形成されていてもよく、あるいは、いわゆるホスト―ドープ型の構成を有していもよい。ホスト―ドープ型の場合、ホスト材料としては、例えばスチルベン誘導体、アントラセン誘導体などの縮合芳香族化合物、カルバゾール誘導体、ベンゾキノリノールを基本骨格として有する配位子を含む金属錯体、芳香族アミン、フェナントロリン誘導体などの含窒素ヘテロ芳香族化合物などを用いることができる。ドーパントとしては、クマリン誘導体、ピラン誘導体、キノクリドン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、アントラセン誘導体などの蛍光材料、あるいはイリジウム系オルトメタル錯体などの燐光材料を用いることができる。発光層126a、126b、126cをそれぞれ単一の化合物で構成する場合、上述したホスト材料を用いることができる。
発光層126上には電子輸送層128、電子注入層130が順次形成される(図15)。電子輸送層128には、還元されやすい(電子受容性の)化合物を用いることができる。換言すると、最低非占有分子軌道(LUMO)準位の浅い化合物を用いることができる。例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムなどのベンゾキノリノールを基本骨格として有する配位子を含有する金属錯体、オキサジアゾールやチアゾールを有する配位子を含有する金属錯体などが挙げられる。これらの金属錯体以外にも、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを用いることができる。
電子注入層130には、対向電極112から電子輸送層128への電子注入を促進する化合物を用いることができる。例えば電子輸送層128に用いることが可能な化合物と、リチウムやマグネシウムなどの電子供与性化合物との混合物を用いることができる。あるいは、フッ化リチウムやフッ化カルシウムなどの無機化合物を用いてもよい。正孔注入層122と同様、EL層120中に含まれる各層は、湿式成膜法、あるいは蒸着法を適用して形成することができる。
その後、電子注入層130上に対向電極112が形成される(図15)。発光素子132からの発光の一部を画素電極110から取り出す場合には、対向電極112として、アルミニウムやマグネシウム、銀などの金属やこれらの合金を用いればよい。逆に発光素子132からの発光を対向電極112から取り出す場合には、対向電極112として、ITOなどの透光性を有する導電性酸化物などを用いればよい。あるいは、上述した金属を可視光が透過する程度の厚さで形成することができる。この場合、さらに透光性を有する導電性酸化物を積層してもよい。以上の工程により、付加容量250と発光素子132が形成される。
[3.パッシベーション膜、およびその他の構成]
発光素子132を形成したのち、任意の構成として、パッシベーション膜180を形成する。パッシベーション膜180は、発光素子132を物理的に保護するとともに、外部から水や酸素などの不純物が発光素子132に侵入することを防ぐ機能を有する。パッシベーション膜180の構造に限定はないが、例えば図16に示すように、3つの層が積層された構造を有することができる。この場合、まず第1の層182を対向電極112上に形成する。第1の層182は、例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの無機材料を含むことができ、CVD法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。
発光素子132を形成したのち、任意の構成として、パッシベーション膜180を形成する。パッシベーション膜180は、発光素子132を物理的に保護するとともに、外部から水や酸素などの不純物が発光素子132に侵入することを防ぐ機能を有する。パッシベーション膜180の構造に限定はないが、例えば図16に示すように、3つの層が積層された構造を有することができる。この場合、まず第1の層182を対向電極112上に形成する。第1の層182は、例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの無機材料を含むことができ、CVD法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。
引き続き第2の層184を形成する。第2の層184は、アクリル樹脂やポリシロキサン、ポリイミド、ポリエステルなどを含む有機樹脂を含有することができる。また、図16に示すように、隔壁114に起因する凹凸を吸収するよう、また、平坦な面を与えるような厚さで形成してもよい。第2の層184は、インクジェット法などの湿式成膜法によって形成することができる。あるいは、上記高分子材料の原料となるオリゴマーを減圧下で霧状あるいはガス状にし、これを第1の層182に吹き付けて、その後オリゴマーを重合することによって第2の層184を形成してもよい。
その後、第3の層186を形成する。第3の層186は、第1の層182と同様の構造を有し、同様の方法で形成することができる。以上のプロセスにより、パッシベーション膜180が形成される。
その後、フィル材190を介して対向基板106を固定し、図10に示した表示装置100が得られる。フィル材190はポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの高分子材料を含むことができ、印刷法やラミネート法などを適用して形成することができる。フィル材190に乾燥剤が含まれていてもよい。対向基板106は基板104と同様の材料を含むことができる。表示装置100に可撓性を付与する場合には、対向基板106には、上述した高分子材料に加え、ポリオレフィン、ポリイミドなどの高分子材料を適用することも可能である。この場合、上述したように、基板104上に基材を形成し、その上にトランジスタ220や発光素子132などの素子が形成される。その後、基板104と基材の界面にレーザなどの光を照射して基板104と基材間の接着性を低下させ、引き続き物理的に基板104を剥離することで可撓性の表示装置100を得ることができる。
図示しないが、上述したように、対向基板106を用いず、偏光板(円偏光板)を形成してもよい。あるいは、対向基板106の上、あるいは下に偏光板を設けてもよい。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本明細書においては、開示例として主にEL表示装置の場合を例示したが、他の適用例として、その他の自発光型表示装置、液晶表示装置、あるいは電気泳動素子などを有する電子ペーパ型表示装置など、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100:表示装置、102:画素、102a:画素、102b:画素、102c:画素、104:基板、106:対向基板、110:画素電極、110a:第1の画素電極、110b:第2の画素電極、112:対向電極、114:隔壁、120:EL層、122:正孔注入層、122a:領域、122b:領域、124:正孔輸送層、126:発光層、126a:発光層、126b:発光層、126c:発光層、128:電子輸送層、130:電子注入層、132:発光素子、140:矢印、142:矢印、150:液滴、152:凹部、160:表示装置、162:表示装置、164:表示装置、166:フォトマスク、168:透光部、170:半透光部、172:遮光部、180:パッシベーション膜、182:第1の層、184:第2の層、186:第3の層、190:フィル材、200:表示領域、202:走査線駆動回路、204:データ線駆動回路、206:端子、210:アンダーコート、220:トランジスタ、222:半導体膜、224:ゲート絶縁膜、226:ゲート電極、228:層間膜、230:開口、232:ドレイン電極、240:平坦化膜、242:開口、244:接続電極、250:付加容量、252:電極、254:絶縁膜、256:開口、258:開口
Claims (17)
- 第1の画素電極と、
第2の画素電極と、
前記第1の画素電極の端部と前記第2の画素電極の端部を覆う隔壁と、
前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁の上に位置し、前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁と接し、第1の化合物と第2の化合物を含有する正孔注入層と、
前記正孔注入層上の対向電極を有し、
前記正孔注入層の前記隔壁上における前記第2の化合物の濃度は、前記第1の画素電極、あるいは前記第2の画素電極上における前記第2の化合物の濃度よりも小さい表示装置。 - 前記第2の化合物は、前記第1の化合物に対して電子受容性を示す、請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物と前記第2の化合物は、電荷移動錯体を形成するように選択される、請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物は正孔輸送性を示す、請求項1に記載の表示装置。
- 第1の画素電極と、
第2の画素電極と、
前記第1の画素電極の端部と前記第2の画素電極の端部を覆う隔壁と、
前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁の上に位置し、前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁と接する正孔注入層と、
前記正孔注入層上の対向電極を有し、
前記隔壁上における前記正孔注入層の厚さは、前記第1の画素電極、あるいは前記第2の画素電極上における前記正孔注入層の厚さよりも大きい表示装置。 - 前記正孔注入層は、前記隔壁上に凸部と有する、請求項5に記載の表示装置。
- 前記正孔注入層は第1の化合物と第2の化合物を含有し、
前記隔壁上における前記第2の化合物の濃度は、前記第1の画素電極、あるいは前記第2の画素電極上における前記第2の化合物よりも小さい、請求項5に記載の表示装置。 - 前記第2の化合物は、前記第1の化合物に対して電子受容性を示す、請求項7に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物と前記第2の化合物は、電荷移動錯体を形成するように選択される、請求項7に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物は正孔輸送性を示す、請求項7に記載の表示装置。
- 第1の画素電極と、
第2の画素電極と、
前記第1の画素電極の端部と前記第2の画素電極の端部を覆い、前記第1の画素電極と前記第2の画素電極間に凹部を有する隔壁と、
前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁の上に位置し、前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、および前記隔壁と接する正孔注入層と、
前記正孔注入層上の対向電極を有し、
前記凹部における前記正孔注入層の厚さは、前記第1の画素電極、あるいは前記第2の画素電極上における前記正孔注入層の厚さよりも大きい表示装置。 - 前記正孔注入層は、前記隔壁の前記凹部上において凹部を有する、請求項11に記載の表示装置。
- 前記正孔注入層は、前記隔壁の前記凹部上において凸部を有する、請求項11に記載の表示装置。
- 前記正孔注入層は第1の化合物と第2の化合物を含有し、
前記隔壁上における前記第2の化合物の濃度は、前記第1の画素電極、あるいは前記第2の画素電極上における前記第2の化合物よりも小さい、請求項11に記載の表示装置。 - 前記第2の化合物は、前記第1の化合物に対して電子受容性を示す、請求項14に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物と前記第2の化合物は、電荷移動錯体を形成するように選択される、請求項14に記載の表示装置。
- 前記第1の化合物は正孔輸送性を示す、請求項14に記載の表示装置。
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WO2022059094A1 (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-24 | シャープ株式会社 | 表示装置の製造方法および表示装置 |
WO2022085097A1 (ja) * | 2020-10-21 | 2022-04-28 | シャープ株式会社 | 表示装置およびその製造方法 |
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2016
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