JP2018060650A - 双極型電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離の抑制された双極型電極を簡易に製造し得る技術を提供すること。
【解決手段】双極型電極を、箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の一方の面に形成されている正極活物質層と、負極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の他方の面に形成されている負極活物質層と、を具備し、前記正極活物質層における前記結着剤の含有量は、前記負極活物質層における前記結着剤の含有量よりも多いものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、集電体の一方の面に正極活物質層を有し他方の面に負極活物質層を有する双極型電極に関するものである。
集電体の一方の面に正極活物質層を有し他方の面に負極活物質層を有する双極型電極は、バイポーラ型電極とも呼ばれ、従来から種々のものが知られている。
例えば特許文献1には、リチウムイオン二次電池用の双極型電極が開示されている。双極型電極においては、正極と負極とが同じ集電体を共有する。一般には、当該双極型電極を具備する電池は複数の双極型電極を具備し、かつ、各双極型電極は直列に接続される。
この種の双極型電極を製造する際には、正極又は負極を一つの集電体の両面にそれぞれ形成する。一般的な双極型電極の製造方法の一例を挙げると、特許文献1にも紹介されているように、先ず、集電体の一方の面にスラリー状の正極合材を塗布して正極合材層を形成し、集電体と正極合材層との複合体を形成する。その後、当該複合体を乾燥及びプレスすることで、正極合材層に含まれる溶剤を揮発させるとともに正極合材層の密度及び集電体に対する密着性を高めて、正極活物質層とする。次いで、集電体と正極活物質層との複合体の他方の面にスラリー状の負極合材を塗布して、正極活物質層、集電体及び負極合材層の複合体を製造する。この複合体を上記と同様に乾燥及びプレスすることで負極合材層を負極活物質層とし、正極活物質層、集電体及び負極活物質層を具備する双極型電極を製造する。
ところで、このような方法で双極型電極を製造する場合には、正極合材層のプレス工程と負極合材層のプレス工程とを別々に行う必要があるため、製造工程が煩雑でありかつ製造コストも高いという問題がある。またこの場合には、プレス工程により負極活物質層を形成する際に、予め形成されている正極活物質層に更なる負荷が加わる。当該負荷が過大であれば、例えば、正極活物質層が剥離や脱落して製造ロスが生じる可能性がある。
特許第5790848号公報
例えば、正極合材層のプレスと、負極合材層のプレスとを同時に行えば、双極型電極の製造工程を簡易にできる可能性がある。例えば特許文献1にも、正極合材層及び負極合材層のプレスをまとめて行っても良い旨の記載がある。
しかし、本発明の発明者がこのような方法で実際に双極型電極を製造したところ、正極活物質層及び/又は負極活物質層の剥離等が生じ、良好な双極型電極を製造することはできなかった。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、剥離の抑制された双極型電極を簡易に製造し得る技術を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記の剥離が生じる機構を解明すべく、更に鋭意研究を進めた。その結果、正極活物質層と負極活物質層との組成が異なることが上記の剥離の原因となり得ることに想到した。この考えに基づき、本発明の発明者は本発明を完成させた。
すなわち、本発明の双極型電極は、
箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の一方の面に形成されている正極活物質層と、負極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の他方の面に形成されている負極活物質層と、を具備し、
前記正極活物質層における前記結着剤の含有量は、前記負極活物質層における前記結着剤の含有量よりも多い、双極型電極である。
本発明の双極型電極は、簡易に製造でき、かつ、剥離の抑制されたものである。
参考例の各正極及び各負極における活物質層の電極密度とプレス荷重との関係を表すグラフである。 参考例の各正極及び各負極並びに実施例の双極型電極における活物質層の電極密度とプレス荷重との関係を表すグラフである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明の双極型電極は、箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し集電体の一方の面に形成されている正極活物質層と、負極活物質と結着剤とを含有し集電体の他方の面に形成されている負極活物質層と、を具備する。
既述したように、従来の双極型電極において、製造時に正極合材層と負極合材層とに同時にプレス工程を行う場合、正極活物質層及び負極活物質層の剥離をともに抑制するのは非常に困難であった。
本発明の双極型電極においては、正極活物質層における結着剤の含有量が、負極活物質層における結着剤の含有量よりも多い。換言すると、本発明の双極型電極を製造する過程において、正極合材層における結着剤の含有量は負極合材層における結着剤の含有量よりも多い。このことによって、製造時に正極合材層と負極合材層とに同時にプレス工程を行っても、上記した正極活物質層及び負極活物質層の剥離をともに抑制することが可能である。これは以下の理由によるものと考えられる。
正極活物質層と負極活物質層とでは、要求される機能が異なるため、当然乍ら、その組成も大きく異なり、場合によっては密度や目付量も大きく異なる。そしてその結果、プレス工程において正極合材層に最適な荷重すなわちプレス圧と負極合材層に最適なプレス圧ともまた、少なからず異なると考えられる。一般には、正極活物質は負極活物質に比べて脆いか、或いは、負極活物質層に最適なプレス圧は正極活物質層に最適なプレス圧に比べて大きい。
ところが、双極型電極においては、正極活物質層及び負極活物質層は同じ集電体の表裏にそれぞれ形成されているため、プレス工程において正極合材層及び負極合材層には同じ大きさのプレス圧が作用する。このため、正極合材層と負極合材層とに各々最適なプレス圧を負荷することは極めて困難である。プレス工程におけるプレス圧が不足すると、活物質層自体の密度を充分に高め難く、或いは、活物質層と集電体との密着性が不足して、活物質層が集電体から剥離し易くなると考えられる。また、当該プレス圧が不足すると、活物質層における活物質の密度が低く、電池の容量増大を阻む要因ともなり得る。一方、プレス工程におけるプレス圧が過大であれば、活物質層自体の破損が生じる等の不具合が発生すると考えられる。
したがって、従来の双極型電極の製造時に、単に、正極合材層及び負極合材層に同時にプレス工程を行う場合には、正極合材層及び負極合材層の一方についてのみ最適なプレス圧を負荷することしかできず、他方については剥離を抑制し難かったと考えられる。
これに対して、本発明の双極型電極においては、正極活物質層における結着剤の含有量が負極活物質層における結着剤の含有量よりも多い。こうすることで、正極合材層及び負極合材層に同じプレス圧を負荷する場合にも、上記の剥離を抑制できる。その理由は明らかではないが、恐らく、本発明の双極型電極においては、結着剤がクッション材としても機能していることがその一因となっていると予想される。このため、負極合材層に適するプレス圧、つまり、正極合材層には過大と考えられるプレス圧でプレス工程を行っても、正極合材層に生じる内部応力は緩和され、正極合材層の破損等が生じ難くなると考えられる。よって、本発明の双極型電極は、正極合材層と負極合材層とを同時にプレスするという簡易な方法で製造できるにも拘わらず、正極活物質層及び負極活物質層の剥離がともに抑制される。
このように、本発明の双極型電極は、正極活物質層における結着剤の含有量を負極活物質層における結着剤の含有量よりも多くするだけで、上記の効果を奏すると考え得る。したがって、本発明においては、正極活物質層及び負極活物質層のその他の組成については特に限定しない。よって、本発明の双極型電極は、活物質の種類を問わず、種々の電池用の電極として具現化可能である。具体的な電池としては、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル金属水素化物電池を例示できる。
上記した各種の電池のなかでも、ニッケル金属水素化物電池は、負極活物質に比べて正極活物質が脆いか、或いは、負極活物質層に最適なプレス圧は正極活物質層に最適なプレス圧に比べて大きいと考えられる。このため、本発明の双極型電極は、ニッケル金属水素化物電池用の電極として、特に好ましく使用できる。
ニッケル金属水素化物電池は、ニッケル水素電池の一種であり、負極活物質として水素吸蔵合金を用いたものである。当該水素吸蔵合金と組み合わせる正極活物質としては、水酸化ニッケルを用いるのが一般的である。ニッケル金属水素化物電池の正極及び負極における反応は以下のとおりである。なお、下式中MHは水素を吸蔵した水素吸蔵合金を指し、Mは水素を脱離した水素吸蔵合金を指す。
正極:NiOOH+HO+e←→Ni(OH)+OH
負極:MH+OH←→M+HO+e
水素吸蔵合金としては、希土類や遷移金属等を含有する各種の合金が知られているが、これらの合金は、水酸化ニッケル等の正極活物質に比べて比較的大きな荷重に耐え得る。また、ニッケル金属水素化物電池の容量を十分に大きくするためには、負極における水素の吸蔵量を正極と釣り合う程度に多くする必要があると考えられ、そのためには負極活物質層中に水素吸蔵合金を高密度で存在させるのが好ましく、より具体的には負極活物質層中の水素吸蔵合金の密度を正極活物質層中の正極活物質の密度よりも大きくするのが良いと考えられる。上記したとおり、本発明の双極型電極は正極活物質層における結着剤の含有量が負極活物質層における結着剤の含有量よりも多く、製造時に正極活物質層及び負極活物質層を同時にプレスするという簡単な方法で製造し得る双極型電極であるため、このようなニッケル金属水素化物電池に特に好ましく使用できる。
なお、水素吸蔵合金としては、例えば、希土類を含有するAB型の水素吸蔵合金が知られている。AB型の水素吸蔵合金は、六方晶であるCaCu型相を主たる結晶構造とすることが知られており、希土類元素、ニオブ及びジルコニウムから選ばれるA成分と、遷移金属、Mg及びAlから選ばれるB成分とを含有するものが一般的である。より具体的には、AB型の水素吸蔵合金としては、例えばLaNiに代表されるように希土類元素を単体で用いた合金か、或いは、MmNi系水素吸蔵合金とも呼ばれる複数の希土類元素の混合物を用いた合金が実用化されている。
MmNi系水素吸蔵合金は、Mmつまりミッシュメタルと呼ばれるLa、Ce、Pr、Nd等の混合希土類元素を含有する。また、MmNiのNiの一部は、Al、Mn等の元素で置換され得る。
本発明の双極型電極は、集電体、正極活物質層及び負極活物質層を具備する。以下、必要に応じて、正極活物質層と負極活物質層とを総称して活物質層と呼ぶ場合がある。同様に、正極活物質と負極活物質とを総称して活物質と呼ぶ場合がある。
集電体は、ニッケル金属水素化物電池、リチウムイオン二次電池等の電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
本発明の双極型電極において、集電体は箔状をなす。ここで言う箔状とは、シート状、フィルム状、リボン状等を含む概念であり、厚さ1mm以下かつ幅及び長さが厚さよりも大きいものを指す。集電体の厚さは0.1μm〜500μmの範囲内であるのが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であるのがより好ましく、10μm〜50μmの範囲内であるのが更に好ましい。
正極活物質層及び負極活物質層は、集電体上において互いに逆側の面に形成される。正極活物質層及び負極活物質層の厚さや密度等は特に限定しないが、本発明の双極型電極は、上記したように、負極活物質層が正極活物質層よりも高密度である場合に特に効果的である。より具体的には、正極活物質層の密度と負極活物質層の密度との比は、1:1.1〜1:5の範囲内であるのが好ましく、1:1.5〜1:3の範囲内であるのがより好ましく、1:1.7〜1:2.0の範囲内であるのが特に好ましい。
正極活物質層の密度は、0.5〜7.0g/ccの範囲内であるのが好ましく、1.0〜5.0g/ccの範囲内であるのがより好ましく、2.0〜4.0g/ccの範囲内であるのが特に好ましい。一方、負極活物質層の密度は、1.0〜10.0g/ccの範囲内であるのが好ましく、3.5〜7.5g/ccの範囲内であるのがより好ましく、4.5〜6.5g/ccの範囲内であるのが特に好ましい。
なお、正極活物質層の密度及び負極活物質層の密度を上記の範囲内にするためには、負極活物質層の目付量を正極活物質層の目付量よりも多くするのが良い。正極活物質層の目付量と負極活物質層の目付量との比は、1:1.05〜1:3の範囲内であるのが好ましく、1:1〜1:25の範囲内であるのがより好ましく、1:1.2〜1:1.7の範囲内であるのが特に好ましい。
正極活物質層及び負極活物質層の組成は、本発明の双極型電極を用いる電池の種類に応じて適宜決定すれば良いが、既述したように結着剤については正極活物質層における結着剤の含有量が負極活物質層における結着剤の含有量よりも多くなるようにする必要がある。なお、ここで言う結着剤の含有量とは、各活物質層全体における結着剤の総量を指すのではなく、各活物質層における結着剤の割合を指し、質量百分率で表すことができる。
各活物質層に含有される結着剤の種類及び量は、各活物質層に含有される活物質の種類及び量、並びに導電助剤及び増粘剤に代表される添加剤の種類及び量に応じて適宜決定すれば良い。また、正極活物質層に含有される結着剤と負極活物質層に含有される結着剤とは、同じものであっても良いし異なるものであっても良い。正極活物質層及び負極活物質層に同じ結着剤を用いる場合には、本発明の双極型電極の効果が特に顕著に発揮される。本発明の双極型電極に用いられる結着剤について以下に説明する。
結着剤は、正極活物質、負極活物質等を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。
結着剤としては、電池用の正極又は負極に使用されるものを選択すれば良い。
例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸やメタクリル酸などのモノマー単位を含むアクリル系樹脂を例示することができる。また、結着剤として、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基、スルホ基、シラノール基、アミノ基、水酸基、リン酸基が例示される。親水基を有するポリマーの具体例として、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸などの分子中にカルボキシル基を含むポリマー、又は、ポリ(p−スチレンスルホン酸)などのスルホ基を含むポリマーを挙げることができる。
ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸とビニルスルホン酸との共重合体など、カルボキシル基及び/又はスルホ基を多く含むポリマーは水溶性となる。親水基を有するポリマーは、水溶性ポリマーであることが好ましく、化学構造でいうと、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含むポリマーが好ましい。
各活物質層における結着剤の含有量は特に限定されないが、強いて挙げるとすると、正極活物質層であれば0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、2〜8質量%の範囲内がより好ましく、4〜6質量%の範囲内が特に好ましい。正極活物質層における結着剤の含有量が過少であれば、既述したように、プレス工程に由来する正極活物質層の剥離等が生じるおそれがある。また、正極活物質層における結着剤の含有量が過多であれば、正極活物質層が含有し得る正極活物質の量が相対的に少なくなり、正極のエネルギー密度が不足する場合があるために、好ましくない。
負極活物質層についても同様に、結着剤の含有量を強いて挙げるとすると、0.1質量%〜10質量%の範囲内が好ましく、0.5質量%〜5質量%の範囲内がより好ましく、1質量%〜3質量%の範囲内が特に好ましい。負極活物質層における結着剤の含有量が過少であれば、負極活物質層の剥離等が生じるおそれがある。また、負極活物質層における結着剤の含有量が過多であれば、負極のエネルギー密度が不足するおそれがあるだけでなく、それに釣り合うように正極活物質層における結着剤の含有量を更に多くする必要があり、正極活物質層における正極活物質の含有量が不足するおそれがあるために、好ましくない。
なお、正極活物質層における結着剤の含有量と、負極活物質層における結着剤の含有量との比は、1.1:1〜5:1の範囲内であるのが好ましく、1.5:1〜4:1の範囲内であるのがより好ましく、2:1〜3:1の範囲内であるのが特に好ましい。
本発明の双極型電極がニッケル金属水素化物電池用の双極型電極である場合、正極活物質層に含まれる正極活物質としては、水酸化ニッケルに代表されるニッケル酸化化合物等、公知のものを採用できる。また、負極活物質としては、既述したAB型の水素吸蔵合金に代表される公知のものを採用できる。
本発明の双極型電極をリチウムイオン二次電池に代表されるその他の電池に使用する場合についても同様に、正極活物質及び負極活物質については特に限定されず、公知のものを採用できる。
正極活物質の形状、及び、負極活物質の形状は特に限定されないが、強いて言えば、正極活物質であれば平均粒子径が1〜100μmの範囲内が好ましく、5〜50μmの範囲内がより好ましい。負極活物質であれば、平均粒子径が1〜100μmの範囲内が好ましく、10〜50μmの範囲がより好ましい。なお、本明細書でいう平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合の平均粒子径D50を指す。
本発明の双極型電極における正極活物質及び負極活物質の種類やその量は特に限定しないが、活物質層には、活物質が活物質層全体の質量に対して、60〜99質量%で含まれるのが好ましく、80〜98質量%で含まれるのがより好ましい。活物質層における活物質の含有量が多ければ、エネルギー密度の高い電極を得ることができる。
双極型電極における活物質と結着剤との含有比は、上記したプレス工程時のプレス圧や電池の容量等に応じて適宜設定すれば良いが、あえて好ましい範囲を挙げるとすると、活物質と結着剤との質量比は1:0.005〜1:0.3であるのが好ましい。活物質と結着剤との質量比がこの範囲内であれば、結着剤によって活物質を集電体に強固に繋ぎ止めることができ、かつ、電極のエネルギー密度も十分に高くできる。
正極の容量Pと負極の容量Nとの比であるN/Pは、例えばリチウムイオン二次電池であれば、1.0〜2.0の範囲内であるのが好ましく、1.1〜1.8の範囲であるのがより好ましく、1.2〜1.5の範囲であるのが特に好ましい。又、例えばニッケル金属水素化物電池であれば、当該N/Pは1.0〜3.0の範囲であるのが好ましく、1.1〜2.8の範囲であるのがより好ましく、1.2〜2.0の範囲であるのが特に好ましい。
その他、本発明の双極型電極における正極活物質層及び負極活物質層は、導電助剤、増粘剤及び分散剤等の添加剤を含み得る。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。
導電助剤は化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、及び各種金属粒子等が例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて正極活物質層に添加することができる。
導電助剤の形状は特に制限されないが、その役割からみて、導電助剤の平均粒子径は小さいほうが好ましい。導電助剤の好ましい平均粒子径として50μm以下が例示され、より好ましい平均粒子径として0.01〜10μmの範囲が例示される。
導電助剤の配合量は特に限定されないが、あえて範囲を挙げるとすると、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
箔状の集電体の表面に正極活物質層及び負極活物質層を形成するには、先ず、集電体の表面に正極合材層及び/又は負極合材層を形成する。正極合材層及び負極合材のどちらか一方を先に形成しても良いし、或いは、両方を同時に形成しても良い。
一例を挙げると、先ず、集電体の一方の面にスラリー状の正極合材を塗布して、正極合材層を形成する。当該スラリーは、活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤等のその他の添加剤を混合したものであり、負極合材についても同様である。スラリー用の溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。
次いで、正極合材層を有する集電体を乾燥し、正極合材層に含まれる溶剤等の揮発成分を除去する。その後、集電体の他方の面にスラリー状の負極合材を塗布して負極合材層を形成し、同様に乾燥させる。その後、正極合材層と集電体と負極合材層との複合体をプレスし圧縮して、各活物質層の密度を高めて、正極活物質層及び負極活物質層とする。
正極合材及び負極合材の塗布方法としては、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用い得る。
乾燥は、加熱、送風及び/又は減圧雰囲気下で行うのが良く、その温度や時間等は特に問わない。正極合材層及び負極合材層を同時に形成する場合には、両者を同時に乾燥しても良い。乾燥後、必要に応じて、正極合材層、集電体及び負極合材層の複合体を加熱しても良い。加熱温度及び時間は、結着剤及び活物質の機能を損なわないような温度及び時間を適宜設定すれば良い。なお、加熱は複合体のプレスと同時に行っても良いし、当該プレス後に行っても良い。加熱することで、活物質層中の活物質及び導電助剤と結着剤の密着性を高めたり、活物質層と集電体との密着性を高めたりできる利点がある。
複合体のプレスは、正極合材層及び負極合材層が形成された集電体に所定の荷重を負荷して各合材層を所定の密度になるまで圧縮できれば良い。当該プレスはロールプレス機等の既知のプレス装置によって行えば良い。複合体のプレスに用いるプレス装置は一段式、多段式等その構造及びプレス様式を問わず、合材層に必要とされる荷重、密度及び圧縮量等に応じて適宜選択すれば良い。
本発明の双極型電極を具備する電池は、本発明の双極型電極と電解質層とを具備する。電解質層は、例えばポリマー電解質等、それ自体が層をなし得るものであっても良いし、或いは、セパレータに電解液を保持させたものであっても良い。
セパレータとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
例えば本発明の双極型電極を具備する電池がニッケル金属水素化物電池であれば、電解液としてアルカリ電解液が用いられる。アルカリ電解液としては、KOH、NaOH、LiOHから選ばれるアルカリ塩の溶液を例示でき、具体的には、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化リチウム水溶液が例示される。これらのアルカリ電解液は、単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。
また、例えば本発明の双極型電極を具備する電池がリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であれば、電解液として、金属塩が非水溶媒に溶解した非水電解液が用いられる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
金属塩としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
本発明の双極型電極は、正極及び負極の複合体であり、複数の双極型電極が直列に接続されて電池を構成するのが好ましい。つまり、本発明の双極型電極を具備する電池において、双極型電極は複数配設されるのが好ましい。
本発明の双極型電極を複数具備する電池において、各双極型電極は、正極活物質層、集電体、負極活物質層が同じ向きに配列するように積層される。そして当該電池においては、隣り合う双極型電極の間に電解質層が介在する。つまり、当該電池においては、ある双極型電極の正極活物質層とそれに隣り合う双極型電極の負極活物質層とが対面し、その間に電解質層が介在する。具体的には、当該電池を構成する各構成要素は、集電体→正極活物質層→電解質層→負極活物質層→集電体→正極活物質層→電解質層→負極活物質層→集電体の順に配列して電極体を構成する。電極体における配列方向の一端側に位置し正極活物質層が形成された集電体は、集電用リードによって電池の外部に通じる正極端子に接続される。電極体における配列方向の他端側に位置し負極活物質層が形成された集電体は、他の集電用リードによって電池の外部に通じる負極端子に接続される。上記の電極体において、一の双極型電極の集電体、当該双極型電極の正極活物質層、電解質層、隣の双極型電極の負極活物質層、及び、当該双極型電極の集電体が、単セルを構成する。つまり上に例示する電極体は、直列に接続された2つの単セルを有すると言える。なお、当該電極体においては、短絡防止のため、隣り合う集電体同士は絶縁層によって隔離される。
電極体に含まれる絶縁層は、隣り合う集電体同士の電気的な接続を遮断し得る程度の絶縁性を有すれば良く、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ゴム等、公知の絶縁体を例示できる。
電極体は、双極型電極及び電解質層を重ねた積層型、又は、双極型電極及び電解質層の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。又、電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、参考例、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例等によって限定されるものではない。
(参考例)
<双極型電極の製造>
・準備工程
正極活物質として平均粒子径15μmの水酸化ニッケル(II)、導電助剤として平均粒子径5μmの金属コバルト、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース、及び、結着剤としてアクリル系樹脂を用いて正極合材を調製した。なお、Ni(OH)としては、表面をコバルトでコートしたものを用いた。
具体的には、正極活物質89.3質量部及び導電助剤5.0質量部を、プラネタリミキサによって回転数10rpmで10分間混合した。次いで、0.7質量部の増粘剤を適量の蒸留水に溶解させた水溶液をこの混合物に加えて、更に回転数40rpmで60分間混合した。次いで、この混合物に5.0質量部の結着剤を加えて回転数20rpmで30分間混合した。その後、この混合物に更に適量の蒸留水を加えて粘度を調整し、スラリー状の正極合材とした。
なお、正極活物質層における結着剤の含有量は、正極合材の固形分における結着剤の量と言い換えることができる。当該参考例においては、蒸留水以外の成分が当該固形分に相当する。以下の負極活物質層における結着剤の含有量についても同様である。
負極活物質として平均粒子径20μmのAB型の水素吸蔵合金、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース、及び、結着剤として正極合材と同じアクリル系樹脂を用いて負極合材を調製した。なお、水素吸蔵合金としてはA成分としてLa、Ce、Nd、Pr及びSmを含有するミッシュメタルを含み、B成分としてNi、Co、Mn、Mg、Al及びFeを含むものを用いた。
具体的には、負極活物質97.3質量部、及び、0.7質量部の増粘剤を適量の蒸留水に溶解させた水溶液を、プラネタリミキサによって回転数40rpmで60分間混合した。次いで、この混合物に2.0質量部の結着剤を加えて更に回転数20rpmで30分間混合した。その後、この混合物に更に適量の蒸留水を加えて粘度を調整し、スラリー状の負極合材とした。
・合材層形成工程
集電体として厚さ10μmのニッケル箔を用い、コーターを用いて当該集電体上に正極合材スラリーを塗布して、正極合材層と集電体との複合体とした。同様に、他の集電体上に負極合材スラリーを塗布して負極合材層と集電体との複合体とした。以上の工程で、正極合材層と集電体との複合体である正極複合体と、負極合材層と集電体との複合体である負極複合体と、の2つの複合体を製造した。
・プレス工程
上記の合材層形成工程で製造した正極複合体及び負極複合体を、100℃で2時間減圧乾燥した。その後、乾燥後の正極複合体及び負極複合体を、別々にロールプレス機にてプレスして、集電体上に正極活物質層が形成された参考例の正極、及び、集電体上に負極活物質層が形成された参考例の負極を、それぞれ製造した。より具体的には、正極複合体及び負極複合体をそれぞれ7個ずつ準備し、負極複合体については、ロールプレス機による荷重つまりプレス荷重が、7kN、12.5kN、17.5kN、20kN、26kN、又は、28kNとなるようプレスした。また正極複合体については、当該プレス荷重が9.5kN、16kN、20.5kN、24kN、27.5kN、又は、32kNとなるようプレスした。
なお、各正極複合体における正極活物質層の目付量は38mg/cmであり、各負極複合体における負極活物質層の目付量は60mg/cmであった。
上記プレス工程で得られた各正極及び負極について、それぞれの活物質層の電極密度(g/cc)を測定した。電極密度は、活物質層の密度と言い換えることもでき、活物質層全体の質量を活物質層の見かけの体積で除した値である。当該見掛けの体積とは、空隙も含んだ活物質層の体積を指し、市販の容積測定器で測定可能である。各活物質層の電極密度とプレス荷重との関係を図1に示す。なお、乾燥後かつプレス前の正極複合体及び負極複合体についても活物質層の電極密度を測定した。この活物質層の電極密度をプレス荷重0kNとして図1に併記した。
図1に示すように、負極については、電極密度5.5g/cc付近までプレス荷重が増加すると電極密度も増加した。しかしそれ以上は、プレス荷重が増加しても電極密度はほぼ変わらなかった。つまり、参考例の負極は、電極密度5.5g/ccとなったときに限界まで高密度化されたとみなし得る。このときの電極密度を限界密度と呼び、電極を当該限界密度にまで圧縮するのに必要な荷重の最小値を限界荷重と呼ぶ。
参考例の負極の限界密度は5.5g/ccであり、限界荷重は25kN程度であると考えられる。
これに対して、正極の電極密度は3.0g/cc以上には増加しなかった。つまり参考例の正極の限界密度は3.0g/ccであった。また、参考例の正極の限界荷重は18kN程度であると考えられる。正極の限界密度及び限界荷重は、負極の限界密度及び限界荷重に比べると遙かに小さい。このため、双極型電極を製造する際に、正極の限界荷重で正極及び負極に同時にプレス工程を行うと、負極の密度は限界密度に到達しないと予想される。一方、負極の限界荷重で正極及び負極に同時にプレス工程を行うと、正極の密度は限界密度に到達するものの、正極に必要以上に大きな荷重が作用する。
なお、参考例の正極活物質層における結着剤の量は5.0質量%であり、負極活物質層における結着剤の量である2.0質量%よりも多い。このために、参考例の正極は、参考例の負極の限界荷重25kNを負荷されたにも拘わらず形状を維持したものと考えられる。参考例の正極は多くの結着剤を含有するために、結着剤のクッション機能によりプレス工程時の負荷が緩衝されたと推測できる。或いは、更に、正極活物質層が多くの結着剤を含有することで、正極活物質や導電助剤等の結着剤以外の成分が結着剤によって集電体に強固に繋ぎ止められたとも推測できる。
(実施例)
合材層形成工程において、同じ集電体の一方の面に正極合材層を塗布し、他方の面に負極合材層を塗布して正極合材層、集電体及び負極合材層の複合体を製造したこと、及び、プレス工程において、当該複合体を乾燥し、負極の限界荷重である25kNで同時にロールプレスしたこと以外は、参考例の正極の製造方法及び負極の製造方法と概略同じ方法で、実施例の双極型電極を製造した。
実施例の双極型電極は、同じ集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成されたものである。集電体は上記した参考例における正極の集電体及び負極の集電体と同じであり、正極活物質層は参考例の正極の正極活物質層と同じであり、負極活物質層は参考例の負極の負極活物質層と同じである。
上記した参考例と同様に、実施例の正極活物質層における結着剤の量は5.0質量%であり、負極活物質層における結着剤の量である2.0質量%よりも多い。そして、実施例の双極型電極における正極は、負極の限界荷重25kNを負荷されたにも拘わらず剥離等無く、形状を維持した。
双極型電極の正極活物質層及び負極活物質層の電極密度を参考例と同様に測定した。正極活物質層及び負極活物質層の電極密度とプレス荷重との関係を、既述した参考例の正極活物質層及び負極活物質層における電極密度とプレス荷重との関係とともに図2に示す。
図2に示すように、実施例の双極型電極における正極活物質層及び負極活物質層はともに限界密度にまで圧縮された。既述したように、このとき実施例の双極型電極においては、正極活物質層及び負極活物質層の剥離は生じなかった。
(比較例)
準備工程において正極合材に配合した結着剤の量を2.0質量部としたこと以外は、実施例と概略同じ方法で比較例の双極型電極を製造した。
比較例の双極型電極は、正極活物質層における結着剤の含有量と負極活物質層における結着剤の含有量とが同程度であったこと以外は、実施例の双極型電極と同じである。
比較例の双極型電極は、実施例同様に、プレス工程における荷重を25kNとして製造した。しかし比較例の双極型電極は、実施例の双極型電極とは異なり、プレス工程において正極活物質層が集電体から剥離した。これは、正極活物質層における結着剤の量が不足したために、正極の限界荷重を大きく超える負極の限界荷重に正極活物質層が耐えられなかったためと考えられる。この結果から、正極活物質層における結着剤の含有量を負極活物質層における結着剤の含有量よりも多くすることで、双極型電極に生じる剥離等の不具合を抑制し得ることが裏付けられる。

Claims (3)

  1. 箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の一方の面に形成されている正極活物質層と、負極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の他方の面に形成されている負極活物質層と、を具備し、
    前記正極活物質層における前記結着剤の含有量は、前記負極活物質層における前記結着剤の含有量よりも多い、双極型電極。
  2. 前記正極活物質層及び前記負極活物質層は、同じ結着剤を含有する、請求項1に記載の双極型電極。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の双極型電極を具備する、ニッケル金属水素化物電池。
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