JP2018059457A - 鞍乗型車両のスタータ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化すること。
【解決手段】エンジン始動時にクランクシャフト(202)に回転力を加えるスタータモータ(221)と、クランクシャフトと回転一体に設けられるプライマリドライブギア(203)と、プライマリドライブギアと噛合して回転が伝達されるプライマリドリブンギア(204)と、プライマリドリブンギアにプライマリドリブンギアダンパ(212)を介して取り付けられるクラッチハウジング(208)と、を備え、スタータモータで発生した回転力を、クラッチハウジング、プライマリドリブンギア及びプライマリドライブギアを介してクランクシャフトに伝達する構成とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、鞍乗型車両のスタータ機構に関する。
従来、エンジン始動時にクランクシャフトに駆動力を提供するスタータ機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなスタータ機構では、例えば、スタータモータ、複数のアイドルギア、ワンウェイクラッチ及びスタータギア等の多数の部品を含んで構成される。スタータモータで発生した駆動力は、複数のアイドルギア、ワンウェイクラッチ及びスタータギアを介してクランクシャフトに供給される。
特開2007−32344号公報
しかしながら、上述したスタータ機構では、スタータギア等を含む多数の構成部品を備える必要があり、構造が複雑化するという問題がある。また、これらの構成部品を配置するスペースを確保しなければならず、エンジンの寸法が車幅方向に大型化するという問題もある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化することができる鞍乗型車両のスタータ機構を提供することを目的とする。
本発明の鞍乗型車両のスタータ機構は、エンジン始動時にクランクシャフトに回転力を加えるモータと、前記クランクシャフトと回転一体に設けられるプライマリドライブギアと、前記プライマリドライブギアと噛合して回転が伝達されるプライマリドリブンギアと、前記プライマリドリブンギアにダンパ部材を介して取り付けられる回転伝達部材と、を備え、前記モータで発生した回転力を、前記回転伝達部材、前記プライマリドリブンギア及び前記プライマリドライブギアを介して前記クランクシャフトに伝達することを特徴とする。
この構成によれば、モータで発生した回転力が、回転伝達部材、プライマリドリブンギア及びプライマリドライブギアを介してクランクシャフトに伝達されることから、モータの回転力を伝達するための複数のギアを設ける必要がない。このため、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化することができる。
例えば、本発明の鞍乗型車両のスタータ機構において、前記回転伝達部品は、クラッチハウジングで構成され、前記クラッチハウジングには、前記モータからの回転力を受けるリングギアが設けられ、前記プライマリドリブンギアは、前記クラッチハウジングに前記ダンパ部材を介して回転一体に設けられる。この構成によれば、大径のクラッチハウジングがモータからの回転伝達部材を構成することから、モータからクランクシャフトに至る回転の減速比を大きく設定することができる。これにより、減速比を確保するための中間ギア(アイドルギア)を省略することができる。また、プライマリドリブンギアにダンパ部材を介して取り付けられるクラッチハウジングにモータの回転力が伝達されることから、エンジン始動時等における圧縮反力に応じた逆回転方向の力を緩和するための専用のダンパ部材を設ける必要がない。これらにより、更にスタータ機構の構造を簡素化することができる。
本発明の鞍乗型車両のスタータ機構においては、前記モータの軸方向に移動可能なスライドギアを更に備え、前記スライドギアは、前記モータの回転に伴って前記リングギアと噛合する位置に移動することが好ましい。この構成によれば、モータの回転に伴ってリングギアと噛合する位置にスライドギアを移動させることができることから、スタータ機構の作動時に限ってモータの回転力をリングギアに伝達することができる。これにより、従来のスタータ機構に必要なワンウェイクラッチを省略することができ、更にスタータ機構の構造を簡素化することができる。
本発明によれば、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化ですることが可能な鞍乗型車両のスタータ機構を提供することができる。
本実施の形態に係る自動二輪車の外観を示す左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットのクラッチカバーを外した状態の右側面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの断面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットに組み込まれるスタータモータ周辺の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る鞍乗型車両のスタータ機構をオフロードタイプの自動二輪車のスタータ機構に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係る鞍乗型車両のスタータ機構を、他のタイプの鞍乗型車両(自動二輪車や自動四輪車等)のスタータ機構に適用しても良い。
本実施の形態に係る自動二輪車全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、図面においては、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印RR、車両左方を矢印L、車両右方を矢印Rでそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車1は、自動二輪車1の各構成を搭載する鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム2を備えている。車体フレーム2のメインフレーム21は、車体フレーム2の前端に位置するヘッドパイプ22から後方に向けて左右に分岐し、車体後方に向かって斜め下方に傾斜して延在している。左右のメインフレーム21の後端からは、左右一対のボディフレームが下方に向って延在している。また、ヘッドパイプ22から略下方に延びるダウンチューブ23は、車体下部においてロアフレーム24として左右に分岐している。左右のロアフレーム24はさらに下方に延びた後、車体後方に向かって曲げられており、その後端が左右のボディフレーム25の下端部と連結されている。
車体フレーム2の前端には、ヘッドパイプ22に設けられたステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトの上端にはハンドルバー32が結合されており、ハンドルバー32の両端にはグリップ33が装着されている。ハンドルバー32の左前方にはクラッチレバー34が配置されており、ハンドルバー32の右前方には前輪3用のブレーキレバー(不図示)が配置されている。フロントフォーク31の下部には、前輪3が回転可能に支持されている。前輪3には、前輪用のブレーキを構成するブレーキディスク35が設けられている。
車体フレーム2のボディフレーム25には、スイングアーム41が上下方向に揺動可能に連結されており、車体フレーム2とスイングアーム41との間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアーム41の後部には、後輪4が回転可能に支持されている。後輪4の左側には、リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)43が設けられており、チェーン44によってエンジンの動力が後輪4に伝達されるよう構成されている。後輪4の右側には、後輪用のブレーキを構成するブレーキディスク(不図示)が設けられている。
車体フレーム2のメインフレーム21、ダウンチューブ23、ロアフレーム24及びボディフレーム25により略囲まれる空間の下方寄りの位置には、駆動源となる水冷式のエンジンユニット10が搭載されている。エンジンユニット10の前方には放熱器であるラジエータ5が配置されており、エンジンユニット10の後方には空気中の粉塵を分離して捕集するフィルタを備えたエアクリーナボックス6が配置されている。また、エンジンユニット10の上方には燃料が格納される燃料タンク7が配置されており、燃料タンク7の後方には座部となるシート8が配置されている。シート8の下方にはフットレスト81が設けられている。車体左側のフットレスト81の前方にはシフトペダル82が設けられており、車体右側のフットレスト81の前方には後輪4用のブレーキペダル(不図示)が設けられている。
エンジンユニット10は、後述するクランクシャフト202(図4参照)の回転軸を車幅方向に対して平行に配置した横置きクランク式の4ストローク(4サイクル)単気筒エンジンと、トランスミッション(変速機)と、スタータ機構とからなる。エンジンユニット10には、エアクリーナボックス6、インテークパイプ等を通じて空気が取り込まれ、燃料噴射装置にて空気と燃料とが混合されて燃焼室に供給される。燃焼後の燃焼ガスは、エンジンユニット10の右側面において後方に延出されたエキゾーストパイプ(不図示)を経てマフラ101から排気ガスとして排出される。
ところで、一般的な自動二輪車に搭載されるスタータ機構では、スタータモータ、トルクリミッタ、複数のスタータアイドルギア、スタータワンウェイクラッチ及びスタータクラッチギア等の多数の部品を含んで構成される。このようなスタータ機構では、スタータモータで発生した駆動力は、トルクリミッタ、複数のスタータアイドルギア、スタータワンウェイクラッチ及びスタータクラッチギアを介してクランクシャフトに供給される。
このようなスタータ機構において、スタータアイドルギア等を含む多数の構成部品を備える必要があり、構造が複雑化してしまう。また、これらの構成部品を配置するスペースを確保することが要求される。さらに、エンジン始動時における圧縮反力に応じた逆回転方向の力(以下、適宜「エンジン始動時の反力」という)が、スタータアイドルギアやスタータモータに伝達され、これらの構成部品の耐久性に悪影響を与える事態も発生し得る。
本発明者は、エンジンで発生した駆動力を伝達する経路と、スタータモータが発生した駆動力をクランクシャフトに伝達する経路とが別々に存在することが上記課題の要因であることに着目した。また、スタータモータで発生した駆動力の伝達経路上には、エンジン始動時の反力を緩和(吸収)する構成部材(例えば、ダンパ部材)が必要とされるのに対し、エンジンで発生した駆動力の伝達経路上にそのような構成部材が存在することに着目し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の骨子は、スタータモータで発生した駆動力の伝達経路として、エンジンで発生した駆動力の伝達経路を逆方向から利用し、クランクシャフトに伝達することである。具体的には、クランクシャフトに回転力を加えるモータと、クランクシャフトと回転一体に設けられるプライマリドライブギアと、プライマリドライブギアと噛合して回転が伝達されるプライマリドリブンギアと、プライマリドリブンギアにダンパ部材を介して取り付けられる回転伝達部材と、を備え、モータで発生した回転力を、回転伝達部材、プライマリドリブンギア及びプライマリドライブギアを介してクランクシャフトに伝達することである。
この構成によれば、スタータモータで発生した回転力が、回転伝達部材、プライマリドリブンギア及びプライマリドライブギアを介してクランクシャフトに伝達されることから、モータの回転力を伝達するための複数のアイドルギア等の構成部品を設ける必要がない。また、回転伝達部材がプライマリドリブンギアにダンパ部材を介して取り付けられることから、回転伝達部材からダンパ部材を介してプライマリドリブンギアに回転力が伝達される。これにより、エンジン始動時の反力をダンパ部材で緩和することができる。この結果、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化でき、且つ、構成部品の耐久性を向上することができる。
以下、本実施の形態に係るスタータ機構を備えたエンジンユニット10の構成について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンユニット10の左側面図である。図3は、本実施の形態に係るエンジンユニット10のクラッチカバーを外した状態の右側面図である。図4は、本実施の形態に係るエンジンユニット10の断面図である。図4においては、後述するクランクシャフト202及びカウンタシャフト204を通る断面を示している。また、図4においては、説明の便宜上、後述するモータユニット220を示している。
図2及び図3に示すように、エンジンユニット10においては、クランクケース110上に略筒状に構成されたシリンダ120が配置され、シリンダ120にはシリンダヘッド130及びヘッドカバー140が取り付けられている。クランクケース110は、車幅方向に垂直な平面において左右に分割される右クランクケース110Rと左クランクケース110Lとで構成されている。
クランクケース110の左側面にはマグネトカバー150が取り付けられている。また、クランクケース110の右側面にはクラッチカバー160が取り付けられている(図4参照)。クラッチカバー160は、クランクケース110の右側面に設けられたクラッチケース111の端面に取り付けられる。クラッチケース111は、その左方側に配置されるクランクケース110(例えば、ミッションケース)よりも上方に突出して設けられている。
図2及び図3に示すように、シリンダ120の後方側であって、クランクケース110(より具体的には、クラッチケース111の左方側に配置されるクランクケース110)の上面には、スタータ機構の筐体を構成するスタータケース112が設けられている。スタータケース112は、後述するモータユニット220を収容するモータユニット収容部112aと、後述する駆動ユニット230を収容する駆動ユニット収容部112bとから構成される。モータユニット収容部112aは、駆動ユニット収容部112bよりもシリンダ120側に配置されている。なお、説明の便宜上、図2ではモータユニット220を構成するスタータモータ221及びピニオンギア225を破線で示し、図3ではこれらに加え、駆動ユニット230を構成するプランジャ219及びアーム220を破線で示している。
図4に示すように、右クランクケース110Rと左クランクケース110Lとの間には、クランク室201が形成される。クランク室201には、回転軸が車幅方向に対して平行に配置されるように、クランクシャフト202が回転可能に支持されている。クランクシャフト202の一端(右端)には、プライマリドライブギア203が取り付けられている。プライマリドライブギア203は、クランクシャフト202と回転一体に設けられている。プライマリドライブギア203は、その一部が右クランクケース110Rの外側(右方側)に配置され、クラッチケース111内に収容されている。
また、クランクケース110には、カウンタシャフト204が回転可能に支持されている。カウンタシャフト204は、クランクシャフト202の車両後方側に配置されている。カウンタシャフト204の一端(右端)は、クランクケース110よりも右方側に突出して配置されている。カウンタシャフト204の一端部(右端部)は、クラッチケース111とクラッチカバー160との間に形成される空間に収容されている。
クランクケース110内に配置されるカウンタシャフト204の外周面には、複数のドライブギア205が設けられている。ドライブギア205は、運転者のミッション操作により選択されたギアがカウンタシャフト204と一体回転可能に構成される。一方、クランクケース110から右方側に突出したカウンタシャフト204には、ベアリング204aを介してプライマリドリブンギア206が取り付けられている。プライマリドリブンギア206は、クラッチケース111内に収容され、プライマリドライブギア203と噛合する位置に配置されている。
プライマリドリブンギア206の右方側には、クラッチユニット207が配置されている。クラッチユニット207は、クラッチケース111とクラッチカバー160との間に形成される空間に収容される。クラッチユニット207は、クラッチハウジング208と、クラッチディスク209と、プレッシャープレート210と、カウンタシャフト204に固定されたフライホイール211とを含んで構成される。クラッチユニット207においては、運転者のクラッチレバー34に対する操作に応じてプレッシャープレート210がクラッチディスク209に押し付けられることで、クラッチハウジング208の回転がフライホイール211を介してカウンタシャフト204に伝達可能に構成されている。
クラッチユニット207において、クラッチハウジング208は、クランクケース110に最も近い側に配置されている。クラッチハウジング208は、カウンタシャフト204と直交する方向に延在する円盤形状を有している。クラッチハウジング208のクランクケース110側の面には、複数のボス208aが突出して設けられている。これらのボス208aは、例えば、クラッチハウジング208の左側面からクランクケース110側に突出する円柱形状を有している。なお、図4では、複数のボス208aのうち、一つのボス208aのみを示している。
ボス208aは、プライマリドリブンギア206に形成された開口部206a内に収容されている。ボス208aとプライマリドリブンギア206との間には、プライマリドリブンギアダンパ(以下、単に「ギアダンパ」という)212が配置されている。例えば、ギアダンパ212は、ゴム等の弾性部材で構成される。ギアダンパ212は、概して円環形状を有し、その内径がボス208aの外径よりも僅かに小さく、その外径がプライマリドリブンギア206の開口部206aの内径よりも僅かに大きく構成されている。ギアダンパ212を介してプライマリドリブンギア206の開口部206aに複数のボス208aが取り付けられることで、クラッチハウジング208とプライマリドリブンギア206とが一体的に回転可能に構成されている。言い換えると、プライマリドリブンギア206は、クラッチハウジング208に浮動支持されている。
また、クラッチハウジング208の外周部には、クラッチハウジングリングギア(以下、単に「リングギア」という)213が取り付けられている。リングギア213は、クラッチハウジング208の径方向に突出するようにクラッチハウジング208の外周部に固定されている。リングギア213は、クラッチハウジング208と一体的に回転可能に構成されている。
スタータケース112は、図3に示すように、クラッチユニット207の上方側に配置されている。図4においては、説明の便宜上、スタータケース112内に収容されるモータユニット220を車両後方側にずらした位置に示している。ここで、スタータケース112内の構成について、図5Aを参照して説明する。図5は本実施の形態に係るエンジンユニット10に組み込まれるモータ221周辺の断面図である。図5に示すように、スタータケース112は、モータユニット収容部112a及び駆動ユニット収容部112bを有し、前者にはモータユニット220が収容され、後者には駆動ユニット230が収容される。
モータユニット220は、スタータモータ(以下、単に「モータ」という)221と、減速装置222と、出力軸223と、係合部224と、ピニオンギア225とを含んで構成されている。モータ221は、図示しないバッテリから電力供給を受けて回転力を発生させる。減速装置222は、モータ221の回転力を減速する。出力軸223は、減速装置222を介して伝達された回転力に応じて回転する。係合部224及びピニオンギア225は、出力軸223の外周を軸方向に移動可能に出力軸223に取り付けられている。
ピニオンギア225は、モータ221と同軸になるようにモータユニット220に配置されている。また、ピニオンギア225は、側面視にて、リングギア213の上方側であって、リングギア213と重複する位置に配置されている(図3参照)。詳細について後述するように、ピニオンギア225は、モータ221の駆動時にリングギア213と噛合する位置に移動する一方、モータ221の非駆動時にリングギア213と噛合する位置から退避可能に構成されている。
駆動ユニット230は、ソレノイド231と、プランジャ232と、アーム233とを含んで構成されている。ソレノイド231は、コイルへの通電に応じてプランジャ232を左方側に吸引して移動させる。ソレノイド231は、モータ221が駆動されたタイミングで作動し、プランジャ232を移動させるための電磁力を発生させる。
プランジャ232は、ソレノイド231によって発生される電磁力及びプランジャスプリング232aの弾性力に応じて左右方向に移動可能に構成される。アーム233は、概して前後方向に延在して配置される。プランジャスプリング232aは、例えば、コイルばねで構成され、ソレノイド231による吸引から放された場合にプランジャ232を右方側に押し出す弾性力を付与する。
アーム233は、モータユニット収容部112aと駆動ユニット収容部112bとの間に配置される回動軸233aを支点として回動可能に支持されている。アーム233の一端部233b(図5Aに示す上端部)は、モータユニット220の減速装置222と係合部224との間に連結される。一方、アーム233の他端部233c(図5Aに示す下端部)は、プランジャ232の先端部に連結される。プランジャ232の左右移動に応じてアーム233は、回動可能に構成されている。
ここで、このようなスタータ機構における動作について説明する。なお、図5Aでは、モータ221が駆動されていない状態(非駆動状態)を示している。すなわち、図5Aでは、運転車によりエンジン始動等の操作がされていない状態(例えば、通常走行状態やアイドリング状態)を示している。一方、図5Bでは、エンジン始動時等でモータ221が駆動された状態(駆動状態)を示している。
図5Aに示すように、モータ221の非駆動状態では、駆動ユニット230のソレノイド231が作動しておらず、プランジャ232が右方側に突出した状態となっている。これに伴い、アーム233は、車両前後方向に延在した状態となっている。このため、モータユニット220の係合部224及びピニオンギア225は、モータ221寄りの位置に配置された状態となっている。このとき、ピニオンギア225は、リングギア213と噛合する位置から左方側に退避している。
一方、図5Aに示すモータ221の非駆動状態から、モータ221が駆動されると、モータ221の回転に応じて駆動ユニット230のソレノイド231が作動される。ソレノイド231の作動に伴い、プランジャ232が左方側に吸引される(図5B参照)。このプランジャ232の移動により、アーム233の後端部233c(図5に示す下端部)が左方側に引っ張られる。これにより、回転軸233aを回転支点としてアーム233が回動する。アーム233が回動すると、その前端部233b(図5に示す上端部)が右方側に移動する。これに伴い、モータユニット220の係合部224及びピニオンギア225が右方側に押し出され、ピニオンギア225がリングギア213に噛合する位置に移動する。これにより、ピニオンギア225とリングギア213とが噛合した状態となる。
以下、上記構成を有するエンジンユニット10における動力伝達経路について説明する。ここでは、通常走行時における動力伝達経路と、エンジン始動時における動力伝達経路について説明する。本実施の形態に係るエンジンユニット10では、前者の動力伝達経路と、後者の動力伝達経路とに共通の構成部品を使用している。
通常走行時においては、燃焼ガスの燃焼に伴ってクランクシャフト202が回転すると、これに応じてプライマリドライブギア203が回転する。これに伴い、プライマリドリブンギア206が回転すると、ボス208aを介して連結されたクラッチハウジング208が回転する。クラッチレバー34の操作に応じてクラッチハウジング208の回転がフライホイール211に伝達され、フライホイール211が固定されたカウンタシャフト204が回転する。カウンタシャフト204の回転に伴い、運転者により選択されたドライブギア205が回転する。ドライブギア205の回転がチェーン44、ドライブスプロケット43を介して後輪4に伝達される。このようにしてクランクシャフト202の駆動力が後輪4に伝達される。
一方、エンジン始動時においては、運転者からの指示に応じてモータ221が駆動される。このモータ221の回転に伴って、上述のようにソレノイド231が作動する。ソレノイド231の作動に伴うプランジャ232の移動及びアーム233の回動に応じ、係合部224及びピニオンギア225が右方側に押し出される。これにより、ピニオンギア225がリングギア213と噛合し、減速装置222により減速された出力軸223の回転がリングギア213に伝達される。これに伴い、リングギア213が固定されたクラッチハウジング208が回転すると、ギアダンパ212を介して連結されたプライマリドリブンギア206が一体的に回転する。プライマリドリブンギアギア206の回転に応じてプライマリドライブギア203が回転すると、これに応じてクランクシャフト202が回転する。このようにしてモータ221の駆動力がクランクシャフト202に伝達される。
以上説明したように、本実施の形態に係るスタータ機構においては、モータ221で発生した回転力が、回転伝達部材としてのクラッチハウジング208、プライマリドリブンギア206及びプライマリドライブギア203を介してクランクシャフト202に伝達されることから、モータ221の回転力を伝達するための複数のアイドルギア等の構成部品を設ける必要がない。このため、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化することができる。
また、クラッチハウジング208は、ダンパ部材としてのギアダンパ212を介してプライマリドリブンギア206に取り付けられている。このため、クラッチハウジング208からギアダンパ212を介してプライマリドリブンギア206に回転力が伝達される。これにより、例えば、エンジン始動時の反力(クランクシャフト202からスタータ機構側へ作用する反力)をギアダンパ212で緩和することができる。この結果、このエンジン始動時の反力がスタータ機構の構成部品に伝達されるのを抑制でき、構成部品の耐久性を向上することができる。
特に、本実施の形態に係るスタータ機構においては、モータ221の回転力を伝達する回転伝達部品がクラッチハウジング208で構成される。そして、クラッチハウジング208には、モータ221からの回転力を受けるリングギア213が設けられ、プライマリドリブンギア206は、クラッチハウジング208にギアダンパ212を介して回転一体に設けられる。この構成によれば、大径のクラッチハウジング208を用いてモータ221からの回転力を伝達できることから、モータ221からクランクシャフト202に至る回転の減速比を大きく設定することができる。これにより、減速比を確保するための中間ギア(アイドルギア)を省略することができる。また、従来からプライマリドリブンギア206に配置されるギアダンパ212を利用することから、エンジン始動時の反力を緩和するための専用のダンパ部材を設ける必要がない。これらにより、更にスタータ機構の構造を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態に係るスタータ機構においては、モータ221の軸方向に移動可能なスライドギアとしてのピニオンギア225を更に備え、ピニオンギア225は、モータ221の回転に伴ってリングギア213と噛合する位置に移動する。これにより、モータ221の回転に伴ってリングギア213と噛合する位置にピニオンギア225を移動させることができることから、スタータ機構の作動時に限ってモータ221の回転力をリングギア213に伝達することができる。これにより、従来のスタータ機構に必要なワンウェイクラッチを省略することができ、更にスタータ機構の構造を簡素化することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態おいては、エンジン始動時の反力の力を緩和するダンパ部材としてプライマリドリブンギアダンパ212を使用する場合について説明している。しかしながら、このようなダンパ部材を構成する部材については、プライマリドリブンギアダンパ212に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、エンジン始動時の反力を緩和することを条件としてスプリング等を使用してもよい。このように変更した場合でも、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る鞍乗型車両のスタータ機構は、エンジンの車幅方向の寸法をコンパクト化すると共に構造を簡素化でき、且つ、構成部品の耐久性を向上することができ、エンジンのコンパクトが要請される任意の鞍乗型車両のエンジンに有用である。
1 自動二輪車
10 エンジンユニット
110 クランクケース
111 クラッチケース
112 スタータケース
112a モータユニット収容部
112b 駆動ユニット収容部
120 シリンダ
130 シリンダヘッド
160 クラッチカバー
202 クランクシャフト
203 プライマリドライブギア
204 カウンタシャフト
206 プライマリドリブンギア
207 クラッチユニット
208 クラッチハウジング
212 プライマリドリブンギアダンパ(ギアダンパ)
213 クラッチハウジングリングギア(リングギア)
220 モータユニット
221 スタータモータ(モータ)
225 ピニオンギア
230 駆動ユニット
231 ソレノイド
232 プランジャ
233 アーム

Claims (3)

  1. エンジン始動時にクランクシャフトに回転力を加えるモータと、
    前記クランクシャフトと回転一体に設けられるプライマリドライブギアと、
    前記プライマリドライブギアと噛合して回転が伝達されるプライマリドリブンギアと、
    前記プライマリドリブンギアにダンパ部材を介して取り付けられる回転伝達部材と、を備え、
    前記モータで発生した回転力を、前記回転伝達部材、前記プライマリドリブンギア及び前記プライマリドライブギアを介して前記クランクシャフトに伝達することを特徴とする鞍乗型車両のスタータ機構。
  2. 前記回転伝達部品は、クラッチハウジングで構成され、前記クラッチハウジングには、前記モータからの回転力を受けるリングギアが設けられ、
    前記プライマリドリブンギアは、前記クラッチハウジングに前記ダンパ部材を介して回転一体に設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のスタータ機構。
  3. 前記モータの軸方向に移動可能スライドギアを更に備え、
    前記スライドギアは、前記モータの回転に伴って前記リングギアと噛合する位置に移動することを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両のスタータ機構。
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