JP2018059178A - アルカリ土類金属の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Masaharu Suzuki
将治 鈴木
松井 克己
Katsumi Matsui
克己 松井
哲也 宇田
Tetsuya Uda
哲也 宇田
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Abstract

【課題】アルカリ土類金属が空気に曝されることを防止し、品質の劣化を抑制できるとともに、精練効率の向上及び生産量の増加を図ることができるアルカリ土類金属の製造装置及び製造方法を提供する。【解決手段】アルカリ土類金属の製造装置10は、反応器20と、反応器20内に配置され、原料を収容する容器30と、容器30を加熱するヒータ40と、反応器20に接続され、反応器20内にアルカリ土類金属に対して不活性なガスを供給する不活性ガス供給手段18と、反応器20に接続され、反応器20内を真空状態に減圧する真空発生手段16と、反応器20内において、容器30の上方に配置され、アルカリ土類金属を冷却する冷却部54を極所的に有するコレクタ50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ土類金属の製造装置及び製造方法に関する。
近年、高純度のアルカリ土類金属、特に高純度の金属カルシウムは、レアメタル及びレアアースの還元剤、合金の添加剤その他種々の用途に供され、需要が増加している。
従来、高純度カルシウムの製造方法として、ルツボに装入したカルシウムの原料を加熱して昇華させ、昇華容器内の側壁に蒸着させて第1回目の昇華精製を行い、回収した第1回目の昇華精製されたカルシウムを再度加熱して第2回目の昇華精製を行い、昇華容器内の側壁に蒸着させて高純度のカルシウムを回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第5290387号公報
しかしながら、特許文献1に記載された高純度カルシウムの製造方法は、昇華容器内の側壁にカルシウムが蒸着するので、側壁に蒸着したカルシウムを回収するために、カルシウムが空気に曝される可能性がある。カルシウム等のアルカリ土類金属は僅かな空気と接触した場合でも容易に酸化物、窒化物に反応し、品質を劣化させる。
そこで、本発明は、アルカリ土類金属が空気に曝されることを防止し、品質の劣化を抑制できるとともに、精練効率の向上及び生産量の増加を図ることができる高純度アルカリ土類金属の製造装置及び製造方法を提供することを提案することを目的とする。
本発明のアルカリ土類金属の製造装置は、反応器と、前記反応器内に配置され、アルカリ土類金属の原料を収容する容器と、前記容器を加熱するヒータと、前記反応器に接続され、前記反応器内にアルカリ土類金属に対して不活性な不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記反応器に接続され、前記反応器内を真空状態に減圧する真空発生手段と、前記反応器内において前記容器の上方に配置され、アルカリ土類金属を冷却する冷却部を局所的に有するコレクタと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、まず、不活性ガス供給手段により不活性ガスを反応器内に供給し、反応器内が不活性ガス雰囲気に置換され、原料のアルカリ土類金属の酸化反応が抑制される。
次に、真空発生手段により形成された真空状態で、ヒータにより反応器内の原料が加熱されると、沸点の低い金属から順に、すなわち、アルカリ土類金属よりも低い沸点を有す低沸点金属からアルカリ土類金属の順に、気化した金属がコレクタの局所的な冷却部で冷却される。そして、塊状のアルカリ土類金属が冷却部表面上に形成される。
そして、塊状のアルカリ土類金属をコレクタから取り外し、塊状のアルカリ土類金属から冷却部表面に接触した部分を除去することにより、高純度なアルカリ土類金属を回収す
る。
当該製造装置によれば、アルカリ土類金属の原料を当該製造装置内に収容してから製造した高純度アルカリ土類金属を回収するまで、製造装置内で高純度アルカリ土類金属が空気に曝される機会を低減し、品質の劣化を抑制した高純度アルカリ土類金属を製造することができる。また、製造した塊状のアルカリ土類金属は、空気に曝される面積が小さくなるので、回収後の品質の劣化を抑制することができる。
さらに、当該製造装置は、コレクタの冷却部表面上に塊状の高純度アルカリ土類金属を形成するように反応器内の温度状態を簡易な構成で形成し、塊状のアルカリ土類金属から一部分を除去して塊状の高純度アルカリ土類金属を回収することにより、精練効率の向上及び生産量の増加を図ることができる。
本発明の製造装置において、前記コレクタは冷却部を底部又は下端部に有することが好ましい。
本発明によれば、コレクタの冷却部表面から下方に延びる塊状の高純度アルカリ土類金属が形成されるので、精練効率の向上及び生産量の増加を容易に図ることができる。
本発明の製造装置において、前記ヒータは前記容器の側方に配置され、前記冷却部は前記ヒータの位置より上方に配置されることが好ましい。
本発明によれば、アルカリ土類金属を収容する容器から冷却部に向かって温度が低くなる温度分布の温度差を大きくすることができる。従って、本発明によれば、冷却部表面上に塊状の高純度アルカリ土類金属を形成する反応器内の温度分布を簡易な構成で形成し、塊状の高純度アルカリ土類金属の生産量のさらなる増加を図ることができる。
本発明の製造装置において、前記コレクタと前記ヒータとの相対的位置関係を変化させる駆動装置を備えていることが好ましい。
本発明によれば、塊状のアルカリ土類金属をより大きくできるヒータから冷却部までの距離に設定するように、コレクタとヒータとの相対的位置関係を変化させることができるので、高純度アルカリ土類金属の生産量の増加を図ることができる。
さらに、アルカリ土類金属の塊状化の進行に従い、コレクタの位置をヒータから離すように移動させ、冷却部表面に形成される塊状のアルカリ土類金属をより大きくし、高純度アルカリ土類金属の生産量の増加を図ることができる。
本発明の製造装置において、前記コレクタは、外側管と、冷媒を前記冷却部に供給可能な冷媒供給管路が内部に設けられた内側管とからなる筒状二重管構造を有することが好ましい。
本発明によれば、外側管による断熱効果が生じ、冷却部に供給される冷媒の温度上昇を抑制できるので、冷却部の冷却効率をより向上させ、気化したアルカリ土類金属を冷却部表面に形成される塊状のアルカリ土類金属をより大きくし、高純度アルカリ土類金属の生産量の増加を図ることができる。
本発明の製造装置において、前記冷媒供給管路の前記冷媒の吐出側開口は、前記冷却部近傍に、前記冷媒を前記冷却部に吐出可能に配置され、前記冷却部の前記内側管側表面は凹凸構造を有することが好ましい。
本発明によれば、冷却部の内側管側表面における冷媒との接触面積を増加させ、吐出側開口から吐出した冷媒により冷却部の冷却効率をより向上させ、気化したアルカリ土類金属を冷却部表面に形成される塊状のアルカリ土類金属をより大きくし、高純度アルカリ土類金属の生産量のさらなる増加を図ることができる。
また、本発明のアルカリ土類金属の製造方法は、アルカリ土類金属に対して不活性な不活性ガスを反応器内に供給し、不活性ガス雰囲気を形成する準備工程と、反応器内を真空状態に減圧し、反応器内に配置された容器に収容されたアルカリ土類金属の原料を加熱して原料からアルカリ土類金属を気化させる加熱工程と、前記容器の上方に配置されたコレクタにおいて局所的に設けられた冷却部を冷却することによって、前記加熱工程により前記原料から気化したアルカリ土類金属を前記コレクタの前記冷却部の表面に塊状のアルカリ土類金属を形成する形成工程と、前記塊状のアルカリ土類金属を回収する回収工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、製造装置内でアルカリ土類金属が空気に曝されることを防止して、品質の劣化を抑制した、冷却部表面に形成される塊状のアルカリ土類金属を製造することができるとともに、アルカリ土類金属の精練効率の向上及び生産量の増加を図ることができる。
本実施形態に係るアルカリ土類金属の製造装置の概要図。 他の実施形態のコレクタの中心軸を含むコレクタの長手方向端面概要図。 本実施形態のコレクタの冷却部を説明する図。 アルカリ土類金属の製造方法の実施例を説明する図。
[製造装置]
図1に示されるように、本実施形態のアルカリ土類金属の製造装置10は、反応器20と、ヒータ40とを備える、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属を精練する装置である。尚、本実施形態の製造装置10は、カルシウムを精練する装置として説明するが、カルシウムに限定されず、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属を精練することができる。
反応器20は、略有底円筒状の反応器本体22と、上蓋部24とから構成され、鉛直方向に沿って立設される。反応器20は、精製されたカルシウム原料を収容する有底円筒状の容器30と、有底筒状のコレクタ50とを、内部に備える。
反応器本体22は上端に径方向外側に張り出した環状のフランジ26aを有する。上蓋部24はフランジ26a上に載置される環状のフランジ26bを有する。反応器20は、フランジ26aの内径より大きい内径と、フランジ26aの外径より小さい外径を有する環状の耐熱ガスケット14aにより、フランジ26aを有する反応器本体22とフランジ26bを有する上蓋部24との間が封止されている。
上蓋部24には、反応器20より小径の有底筒状のコレクタ50が昇降可能に貫通した開口が設けられ、上蓋部24の開口はガスケット14bによりコレクタ50との間が封止されている。
また、上蓋部24には、図示しない真空ポンプ等の真空発生装置と真空発生装置に接続する真空発生管路とから構成される真空発生手段16と、図示しないアルゴンガス供給源
とアルゴンガス供給源に接続する不活性ガス供給管路とから構成される不活性ガス供給手段18が接続されている。尚、真空発生手段16及び不活性ガス供給手段18の製造装置10に対する接続位置は、上蓋部24に限定されず、反応器本体22に接続するように変更してもよい。
また、本実施形態では、不活性ガス供給手段18を介して供給される不活性ガスとしてアルゴンガスが用いられるが、アルカリ土類金属との反応により品質劣化を防止する観点から、窒素以外の不活性ガス、例えばヘリウムガスを用いることができる。
容器30は、有底円筒状の部材であり、反応器20内の下方に配置され、カルシウム原料を収容する部材である。
ヒータ40は、容器30の側方に配置され、容器30を加熱する部材、例えばSiCヒータである。本実施形態では、ヒータを反応器20の外部に配置したが、容器30を加熱することができれば、例えば、反応器本体22の側内面と側外面との間に内在するように配置を変更してもよい。
コレクタ50は、反応器20内において、反応器20の内側面から離間して配置される部材であり、反応器20よりも小径な有底円筒状で、底部に冷却部54と、側外面から延出する複数枚の環状の板状部材56とを備える部材である。尚、本実施形態では、冷却部54をコレクタ50の底部に設けたが、冷却部は、コレクタ50内の他の領域より低温であり局所的であれば、コレクタ50の底部に限定されず、例えばコレクタ50の側面又は下端部に設けてもよい。
また、コレクタ50は、反応器20外部に配置された、例えばアクチュエータ等の図示しない駆動装置に連結され、駆動装置を駆動することにより反応器20内の上方から下方の容器30近傍までの間を鉛直方向に昇降可能な部材である。
尚、駆動装置は、反応器20内における所定位置にコレクタ50を配置する装置であるが、ヒータ40とコレクタ50との相対的位置関係を、冷却部54の表面から下方に塊状のアルカリ土類金属を形成できる所望の位置関係に設定できれば、駆動装置をヒータ40に連結することにより、ヒータ40を鉛直方向に昇降可能な部材に形成してもよい。
コレクタ50は、コレクタ50の中心軸を含む内側管50aと、内側管50aの外周を包囲する外側管50bとからなる筒状二重管構造を有する部材である。コレクタ50は、外側管50bの内壁で囲まれた内部領域を真空状態に形成することにより、コレクタ50の側外面における断熱効率を向上させ、冷却部54に供給される冷媒の温度上昇を抑制し、冷却部54表面におけるアルカリ土類金属の冷却効果を向上させる。
コレクタ50は、図1に示されるように、コレクタ50外表面である底部表面が平面である有底円筒状の部材である。コレクタ50の形状は、例えば、コレクタ50外表面である底部表面が半球面である有底円筒状、中央部付近から下端部に向かって先細る円錐状、コレクタ50の中心軸を含む長手方向端面が図2に示されるような有底テーパ状等に形成してもよい。
また、コレクタ50には、コレクタ50外部から内部に貫通して冷却部54近傍まで延びる、冷媒をコレクタ50内部に供給可能な制御弁を備えた冷媒供給管路52と、供給された冷媒をコレクタ50外部に排出可能な図示しない制御弁を備えた冷媒排出管路53とが設けられている。冷媒供給管路52及び冷媒排出管路53に空気を流通させることにより、コレクタ50の底部に設けられた冷却部54が冷却される。尚、冷媒は、空気に限定
されず、水等の流体を用いてもよい。
冷媒供給管路52を流通する冷媒の吐出側開口52aは、図1に示されるように、冷却部54の上方近傍に、例えば、冷却部54の内側管表面に対して垂直方向に、冷媒を冷却部54に吐出可能に配置されている。
冷却部54は、ヒータ40の位置より上方に位置するように設けられている。尚、本実施形態の冷却部54は、冷却部54と冷媒との接触面積を増加させて冷却部54の冷却効率を向上させるために、冷媒供給管路52側に凹凸構造を備えるように形成されている。冷却部54の凹凸構造は、例えば、図3に示されるように、2つの凸条54a,54bが冷媒供給管路52側の冷却部54の表面の中心で直交するように形成されてもよい。
反応器20の内部領域に露出する冷却部54の表面は、平面状に形成されている。当該冷却部54の表面の形状は、冷却部54表面から下方に延びるように塊状のアルカリ土類金属が形成できれば、平面状に限定されず、例えば、半球状、円錐状、湾曲面を有する凸形状等に形成されてもよい。
板状部材56は、反応器20内の上方に位置するように、コレクタ50の側外面から延出する環状部材である。板状部材56の枚数に制限はなく、1枚又は複数枚いずれでもよい。
反応器20、容器30、コレクタ50の材料として、ニッケル合金(例えばインコネル(登録商標))、モリブデン、チタン、窒化チタン、窒化珪素、白金、それらを主成分とする合金等が挙げられる。尚、反応器20等の材料として、耐熱性、高温での耐久性、機械加工性、回収するカルシウムの純度に対する影響の観点から、モリブデン、チタン、窒化チタン、白金、それらを主成分とする合金が好ましい。また、反応器20、容器30、コレクタ50の材料として、チタン等を表面コーティングしたSUS材又はSS材を使用してもよい。尚、反応器20、容器30、コレクタ50の材料は、同一の材料に限定されず、異なる材料であってもよい。
本実施形態では、反応器20は、装置のコンパクト化の観点から、鉛直方向に沿って立設された円筒状の部材であることが好ましいが、コレクタ50の冷却部54が反応器20内でヒータ40の位置より上方に配置されれば、鉛直方向に立設される円筒状部材に限定されず、例えば鉛直方向に立設される矩形筒状、L字状部材等の複雑な形状の反応器に形成されてもよい。
[アルカリ土類金属の製造方法]
次に、本実施形態のアルカリ土類金属の製造方法を説明する。
(準備工程)
まず、カルシウムの原料を充填した容器30を、反応器20内の下部に装入した後、反応器本体22の開口を閉塞するように上蓋部24を載置して、反応器20を封止する。そして、反応器20を製造装置10に装置し、真空発生手段16及び不活性ガス供給手段18を接続する。
次に、真空発生手段16により反応器20内を真空状態に減圧した後、不活性ガス供給手段18を介してアルゴンガスを供給して、反応器20内をアルゴンガス雰囲気にするアルゴンガス置換を行う。その後、アルゴンガス置換を2回繰り返す。
そして、アルゴンガス置換の後、真空発生手段16により反応器20内を真空状態、例
えば50[Pa]に減圧した後、コレクタ50内の冷媒供給管路52に冷媒として空冷用空気を供給し、コレクタ50の冷却部54の冷却を開始し、コレクタ50の冷却部54の表面温度がカルシウムの融点以下の冷却状態を維持する。
(加熱・塊状物形成工程)
ヒータ40による容器30の加熱を開始し、容器30内の原料をカルシウムの沸点にまで真空状態を維持しながら加熱する。ヒータ40は、例えば、5[℃/min]の昇温速度で反応器20の下部を加熱し、原料からカルシウムを気化させる。
コレクタ50の冷却部54の冷却状態は継続しているので、原料から気化したカルシウムはコレクタ50の冷却部54により冷却され、コレクタ50底部の冷却部54表面から下方に延びるようにカルシウムの塊状物Dが形成される。
特に、鉛直方向に沿って立設された反応器20内において、容器30が反応器20内の下方に設けられることによって、容器30内の原料を加熱した場合、容器30からコレクタ50の冷却部54までの一定距離を確保できる。従って、冷却部54での冷却効果が高まり、反応器20内は、圧力一定の真空状態で、高温の反応器20内下方と低温の反応器内20上方の温度差を大きくすることができるので、より高純度のカルシウムとして、冷却部54表面から下方に延びるカルシウムの塊状物Dを形成することができる。
容器30内の原料の温度がカルシウムの沸点まで到達した後、当該温度の状態を所定時間、例えば6時間保持し、その後、ヒータ40による原料の加熱を停止する。反応器20内の圧力が非真空状態になるまで、不活性ガス供給手段18を介してアルゴンガスを反応器20に供給するとともに、冷媒供給管路52への冷媒供給を終了し、冷却部54の冷却を終了する。尚、本実施形態では、ヒータ40による原料加熱を停止した後、アルゴンガスを反応器20に供給したが、原料加熱とアルゴンガス供給の順番を変更してもよい。
尚、コレクタ50の材料が高温で酸化するTi等である場合、酸化物(例えば、Tiの場合、酸化チタン)を生成してコレクタ50が劣化するので、酸化を防止するために、冷媒供給管路52を利用して、アルゴン、窒素等の不活性ガスをコレクタ50内部に供給し、冷媒排出管路53の制御弁を閉止して、コレクタ50内部を不活性ガス雰囲気にする。また、冷媒供給管路52を利用せず、当該不活性ガスを供給する管路をコレクタ50に接続し、不活性ガスをコレクタ50内部に供給し、コレクタ50内部を不活性ガス雰囲気にしてもよい。
(回収工程)
例えば、ハンマーその他の道具を用いてカルシウムの塊状物Dに衝撃を与える等の機械的作用により、冷却部54表面から下方に延びるように形成されたカルシウムの塊状物Dをコレクタ50から取り外し、精練されたカルシウムの塊状物Dを回収する。コレクタ50が図2に示されるようにテーパ状に形成されている場合、ハンマー等を用いてカルシウムの塊状物Dに衝撃を与えると、容易にカルシウムの塊状物Dを容易に回収できる。
さらに、コレクタ50は反応器20内の上部から容器30近傍までの間を、図示しない駆動装置により昇降可能な部材である。高純度カルシウムの塊状化の進行に従い、コレクタ50の位置を上方に移動させ、冷却部54表面から下方に延びる塊状の高純度カルシウムをより大きくし、高純度カルシウムの生産量の増加を図ることができる。
また、原料の加熱から精練された高純度カルシウムの回収まで、高純度カルシウムを空気に曝すことなく製造装置10内で高純度カルシウムを製造でき、酸化物、窒化物の生成を防止し、品質の劣化を抑制できる。
[実施例1]
内径130[mm]、全長650[mm]で材質インコネルの反応器20と、内径118[mm]、深さ300[mm]で材質窒化チタンの容器30と、頂部外径60[mm]、底部外径50[mm]、全長463[mm]で材質窒化チタンのコレクタ50’と、反応器20の外部で容器30の周囲に配置されたSiCヒータのヒータ40と備えた製造装置10’(図4)を用いて、表1に示される組成のカルシウム原料から高純度のカルシウムを製造した。
まず、反応器20内の下部に、表1に示された原料2000[g]を充填した容器30を装入した。
次に、上蓋部24を反応器本体22に載置して反応器20を封止した。そして、反応器20内を50[Pa]に減圧した後、アルゴンガスを供給して、反応器20内をアルゴンガス雰囲気に置換し、同様の置換作業を2回繰り返した。
次に、反応器20内を真空状態(50[Pa])に減圧した後、コレクタ50’内の冷媒供給管路52に空冷用空気を供給し、コレクタ50’の冷却部54の冷却を開始し、冷却部54の表面温度を300[℃]に維持した。
次に、SiCヒータ40を起動し、容器30内の原料をカルシウムの沸点(798[℃];100[Pa]での沸点)にまで、5[℃/min]の昇温速度で加熱した。その結果、コレクタ50の冷却部54表面から下方に延びる高純度カルシウム塊状物を形成した。
容器30内の原料の温度がカルシウムの沸点まで到達した後、当該温度の状態を6時間保持し、その後、ヒータ40による原料の加熱を停止した。その後、反応器20内が非真空状態(0.1[MPa])になるまでアルゴンガスを反応器20内に供給してアルゴンガス雰囲気を形成するとともに、空冷用空気の供給を停止することでコレクタ50’の冷却を終了した。また、冷媒供給管路52を利用してコレクタ50’内部にアルゴンガスを供給し、冷媒排出管路の制御弁を閉止して、コレクタ50’内部をアルゴンガス雰囲気にした。コレクタ50’の冷却部54表面から下方に延びるように大型化した高純度カルシウム塊状物Dの形成を終了した。
この結果、純度99.9[wt%]のカルシウムを1964[g]回収することができた。尚、コレクタ50は反応器20の側内面から離間して配置されているので、形成された高純度カルシウムの塊状物が反応器20の側内面に蒸着することを防止できた。また、原料の加熱から高純度カルシウムの回収まで、カルシウムを空気に曝すことなく製造装置10内で高純度カルシウムの塊状物を製造でき、酸化物、窒化物を生成せずに、品質の劣化を抑制できた。
また、図4に示されるように、カルシウムよりも低い沸点を有する低沸点金属であるマグネシウムの濃度が高い板状部材付着物Mが、板状部材56周囲に付着した。これは、原料中に含まれるカルシウムよりも低い沸点を有する低沸点金属であるマグネシウム等の蒸気圧がカルシウムの蒸気圧よりも高いので、低沸点金属が上方の板状部材に付着したものと推測される。板状部材付着物Mの形成することにより、原料から低沸点金属であるマグネシウムを分離し、精練効率をより向上させたカルシウムの塊状物を生成して回収することができる。
尚、塊状物から高純度カルシウムの窒化物を生成し、蛍光体の原料として用いた場合、
Fe、Co、Niが低濃度、例えば20ppm以下の品質が要求されるが、表1及び表2に示されるように、当該品質を満たすことができた。
[実施例2]
実施例2として、実施例1と同じ製造装置1を使用して、粒状ストロンチウム3500[g]を精練した。実施例2は、SiCヒータ40を起動し、容器30内の原料をストロンチウムの沸点(717[℃];100[Pa]での沸点)にまで、5[℃/min]の昇温速度で加熱した以外は実施例1と同様に、コレクタ50’の冷却部54表面から下方に延びる高純度ストロンチウム塊状物を形成した。原料と高純度ストロンチウム塊状物である回収物の成分を表3及び表4に示す。
表3に示されるように、純度99.8[wt%]のストロンチウムを2240[g]回収することができた。実施例2においても、表3及び表4に示されるように、原料の加熱から高純度ストロンチウムの回収まで、ストロンチウムを空気に曝すことなく製造装置10内で高純度ストロンチウムの塊状物を製造でき、酸化物、窒化物を生成せずに、品質の劣化を抑制できた。
尚、高純度ストロンチウムについても、Fe、Co、Niが低濃度、例えば20ppm以下の品質が要求されるが、表3及び表4に示されるように、当該品質を満たすことができた。
10,10’…製造装置、16…真空発生手段、18…不活性ガス供給手段、20…反応器、30…容器、40…ヒータ、50,50’…コレクタ、50a…内側管、50b…外側管、52…冷却媒体管路、52a…冷媒の吐出側開口、53…冷媒排出管路、54…冷却部、56…板状部材,D…塊状物,M…板状部材付着物。

Claims (7)

  1. 反応器と、
    前記反応器内に配置され、アルカリ土類金属の原料を収容する容器と、
    前記容器を加熱するヒータと、
    前記反応器に接続され、前記反応器内にアルカリ土類金属に対して不活性な不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    前記反応器に接続され、前記反応器内を真空状態に減圧する真空発生手段と、
    前記反応器内において前記容器の上方に配置され、アルカリ土類金属を冷却する冷却部を局所的に有するコレクタと、を備えることを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  2. 請求項1記載のアルカリ土類金属の製造装置であって、
    前記コレクタは冷却部を底部又は下端部に有することを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  3. 請求項1又は2記載のアルカリ土類金属の製造装置であって、
    前記ヒータは前記容器の側方に配置され、前記冷却部は前記ヒータの位置より上方に配置されることを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  4. 請求項3記載のアルカリ土類金属の製造装置であって、
    前記コレクタと前記ヒータとの相対的位置関係を変化させる駆動装置を備えていることを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルカリ土類金属の製造装置であって、
    前記コレクタは、外側管と、冷媒を前記冷却部に供給可能な冷媒供給管路が内部に設けられた内側管とからなる筒状二重管構造を有することを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  6. 請求項5記載のアルカリ土類金属の製造装置であって、
    前記冷媒供給管路の前記冷媒の吐出側開口は、前記冷却部近傍に、前記冷媒を前記冷却部に吐出可能に配置され、
    前記冷却部の内側管側表面は凹凸構造を有することを特徴とするアルカリ土類金属の製造装置。
  7. アルカリ土類金属に対して不活性な不活性ガスを反応器内に供給し、不活性ガス雰囲気を形成する準備工程と、
    反応器内を真空状態に減圧し、反応器内に配置された容器に収容されたアルカリ土類金属の原料を加熱して原料からアルカリ土類金属を気化させる加熱工程と、
    前記容器の上方に配置されたコレクタにおいて局所的に設けられた冷却部を冷却することによって、前記加熱工程により前記原料から気化したアルカリ土類金属を前記コレクタの前記冷却部の表面に塊状のアルカリ土類金属を形成する形成工程と、
    前記塊状のアルカリ土類金属を回収する回収工程と、を備えることを特徴とするアルカリ土類金属の製造方法。
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