JP2018059016A - 化学蓄熱材複合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 化学蓄熱材の化学反応に伴う蓄熱材粒子の形状変化を抑制し、なおかつ反応時の物質移動を妨げない化学蓄熱材複合物を提供する。【解決手段】 化学蓄熱材粒子表面に化学蓄熱材とは異なる成分の粒子を付着した化学蓄熱材複合物を提供する。化学蓄熱材粒子は、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含み、平均粒径が0.05〜100μmの範囲にあることが好ましく、化学蓄熱材とは異なる成分の粒子は、SiおよびAlのうち少なくとも1種の元素を含み、平均粒径が0.01〜1μmの範囲にあることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、形状安定性に優れる化学蓄熱材複合物に関する。
近年、省エネルギーの観点から各種のエネルギー利用に関する技術開発が活発に行われており、熱エネルギーの有効利用についても蓄熱等の技術開発が行われている。蓄熱技術としては、潜熱や顕熱を利用する方法が従来から検討され、実用化もされている。一方、化学蓄熱は、潜熱や顕熱を利用する方式に比べて蓄熱密度と貯蔵安定性に優れており、熱エネルギーの有効利用技術として有望視されているが、化学反応を伴うことから蓄熱材の形状が変化し易く、それが原因で繰り返し耐久性に劣るという問題があった。
この問題に対して、例えば、特許文献1、2には、化学蓄熱材を粘土鉱物に担持したり、カプセル化したりする技術が開示されている。また、特許文献3には、化学蓄熱材とシリコーンポリマーを含有する組成が開示されている。特許文献1、2の技術では、化学反応に伴う蓄熱材の形状変化は抑制されるが、反応時の物質移動や熱の移動が妨げられ反応性に劣るため、化学蓄熱材の性能としては満足できるものではなかった。また、特許文献3の技術では、シリコーンポリマーが緻密な三次元構造を形成し、化学蓄熱材の形状変化が抑制されると記述されているが、シリコーンポリマーが蓄熱材粒子をどの程度被覆しているかについてはとくに規定されておらず、やはり反応時の物質移動や熱の移動が妨げられるため、化学蓄熱材の性能としては満足できるものでは無かった。
特許文献4には、化学蓄熱材を膨張化グラファイトに担持する技術が開示されているが、担持する目的が、化学蓄熱材の熱伝導性の改善であり、化学蓄熱材の形状変化の抑制については何ら言及されていない。なお、特許文献4の技術では、化学蓄熱材は担体である膨張化グラファイトの表面に担持されている。
特許文献4には、化学蓄熱材を膨張化グラファイトに担持する技術が開示されているが、担持する目的が、化学蓄熱材の熱伝導性の改善であり、化学蓄熱材の形状変化の抑制については何ら言及されていない。なお、特許文献4の技術では、化学蓄熱材は担体である膨張化グラファイトの表面に担持されている。
本発明の目的は、化学蓄熱材の化学反応に伴う蓄熱材粒子の形状変化を抑制し、なおかつ反応時の物質移動を妨げない化学蓄熱材を開発することにある。
本発明者は、上記課題の解決へ向けて鋭意検討した結果、驚くべきことに、化学蓄熱材粒子表面に化学蓄熱材とは異なる成分の粒子を付着することで、化学蓄熱材の化学反応に伴う形状変化を抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の事項を特徴とするものである。
[1]化学蓄熱材粒子(A)の表面に該粒子とは異なる成分の粒子(B)が付着していることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
[2]粒子(A)が、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする前記[1]に記載の化学蓄熱材複合物。
[3]粒子(A)の粒径が平均粒径で0.05〜100μmの範囲にあることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の化学蓄熱材複合物。
[4]粒子(B)が、SiおよびAlのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
[5]粒子(B)の粒径が平均粒径で0.01〜1μmの範囲にあることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物を含有する樹脂組成物。
すなわち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の事項を特徴とするものである。
[1]化学蓄熱材粒子(A)の表面に該粒子とは異なる成分の粒子(B)が付着していることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
[2]粒子(A)が、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする前記[1]に記載の化学蓄熱材複合物。
[3]粒子(A)の粒径が平均粒径で0.05〜100μmの範囲にあることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の化学蓄熱材複合物。
[4]粒子(B)が、SiおよびAlのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
[5]粒子(B)の粒径が平均粒径で0.01〜1μmの範囲にあることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物を含有する樹脂組成物。
本発明の化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材粒子の表面を完全に覆うことなく異なる成分の粒子が付着しているため、反応時の物質移動をあまり妨げることなく、化学反応に伴う粒子形状の変化を抑制することができ、化学蓄熱材の繰り返し耐久性向上につながる。
本発明の化学蓄熱材複合物は、化学蓄熱材粒子(A)の表面に該粒子とは異なる成分の粒子(B)が付着していることを特徴とする。
粒子(A)の表面には、粒子(B)が個々独立して粒子(A)の表面に粒子(A)の表面を完全に覆うことなく、粒子(A)と反応する物質が流通できる空間部が存在する状態で付着している。粒子(B)の付着は、粒子(A)の表面だけでなく空間部が存在すれば粒子(A)に付着した粒子(B)の表面に層状に反応時の物質移動を妨げない範囲で付着させても良い。
化学蓄熱材とは、可逆的な化学反応により吸熱と発熱を行う物質のことを指す。本発明の化学蓄熱材としては、とくに限定はされないが、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムのように脱水と水和により吸熱と発熱を行うものが好ましい。これらに、塩化リチウム等の金属塩を添加したものやNi等の異種金属元素を導入して、蓄熱操作温度や蓄熱密度を制御したものも用いることができる。これらのうち、本発明の化学蓄熱材粒子(A)としては、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。この中でも、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムが価格や入手のし易さの観点からより好ましい。
粒子(A)の表面には、粒子(B)が個々独立して粒子(A)の表面に粒子(A)の表面を完全に覆うことなく、粒子(A)と反応する物質が流通できる空間部が存在する状態で付着している。粒子(B)の付着は、粒子(A)の表面だけでなく空間部が存在すれば粒子(A)に付着した粒子(B)の表面に層状に反応時の物質移動を妨げない範囲で付着させても良い。
化学蓄熱材とは、可逆的な化学反応により吸熱と発熱を行う物質のことを指す。本発明の化学蓄熱材としては、とくに限定はされないが、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムのように脱水と水和により吸熱と発熱を行うものが好ましい。これらに、塩化リチウム等の金属塩を添加したものやNi等の異種金属元素を導入して、蓄熱操作温度や蓄熱密度を制御したものも用いることができる。これらのうち、本発明の化学蓄熱材粒子(A)としては、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。この中でも、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムが価格や入手のし易さの観点からより好ましい。
化学蓄熱材粒子(A)の形状は、とくに限定はされず、球状、棒状、板状、鱗片状、針状、繊維状、中空状、角状、塊状のものなどを用いることができる。
化学蓄熱材粒子(A)は、レーザー回折法で測定した平均粒径が0.05〜100μmの範囲にあることが好ましい。粒子(A)の平均粒径が0.05μmを下回ると、嵩高くなり取扱いが難しくなるとともに、蓄熱密度の低下を招く。100μmを上回ると、表面積が小さく、化学反応の効率が低下する。粒子(A)の平均粒径は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましく、0.5〜10μmの範囲にあることがより好ましい。
化学蓄熱材粒子(A)の平均粒径は、レーザー回折法で測定する。
本発明の化学蓄熱材複合物を構成する粒子(B)の成分としては、有機系、無機系、カーボン系などのいずれでも良いが、化学蓄熱材を高温、例えば300℃を超える温度で取り扱うことから、無機系あるいはカーボン系のものであることが好ましく、化学蓄熱材との親和性が高くより強固に付着できることから無機系のものであることがより好ましい。無機系の中でも、Si、およびAlのうち少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。更には、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよびそれらの複合酸化物から選ばれることが好ましい。また、粒子(B)は単一成分から構成されても、複数の成分から構成されても良い。また、化学反応時の熱の移動を促進するため、粒子(B)は熱伝導性が高いものが好ましい。
粒子(B)の形状は、とくに限定はされず、球状、半球状、塊状、角状、板状、鱗片状、棒状、針状、繊維状のものなどを用いることができ、これらのうち、球状、半球状、塊状が、化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応性の両立の観点から好ましい。
粒子(B)の平均粒径は0.01〜1μmの範囲にあることが好ましい。粒子(B)が球状の場合は、その直径が粒径を意味するが、球状以外の形状の場合は、最も長い辺の長さが粒径を意味する。粒子(B)の平均粒径は、電子顕微鏡を用いて測定する。粒子(B)の平均粒径が0.01μmを下回ると、化学蓄熱材複合物の形状安定性を高める効果が小さくなり、1μmを上回ると化学蓄熱材複合物の反応時の物質移動が妨げられ反応性が小さくなる場合がある。粒子(B)の平均粒径は、0.05〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。なお、粒子(B)の平均粒径は化学蓄熱材粒子(A)の平均粒径よりも小さい。
本発明の化学蓄熱材複合物は、粒子(A)、粒子(B)がともに金属化合物から選ばれることが好ましい。この場合、粒子(A)を構成する金属成分の含有量(MA)と粒子(B)を構成する金属成分の含有量(MB)の比、MB/MAが各金属の原子数濃度比で0.1〜5の範囲にあることが好ましい。それぞれ、複数の金属成分からなる場合はこれらの合算値とする。原子数濃度比が0.1より小さいと化学蓄熱材複合物の形状安定性を高める効果が小さく、原子数濃度比が5より大きいと化学蓄熱材複合物の反応性が低下する。原子数濃度比は0.5〜3であることが好ましく、0.8〜2.5であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが更に好ましい。原子数濃度比は、エネルギー分散型X線分析(EDS)で測定する。
本発明の化学蓄熱材複合物の製造方法としては、溶媒中で化学蓄熱材粒子(A)と粒子(B)の成分を混合する方法、金属アルコキシドを用いたゾルゲル法のように、溶媒中で粒子(A)の表面に粒子(B)を形成する方法、粒子(A)に粒子(B)の成分をスプレー等でコーティングして付着する方法、あるいは粒子(A)と粒子(B)の成分をボールミルやミキサー等で機械的に混合する方法などが挙げられる。これらのうち、ゾルゲル法が均一な粒子が精度高く得られるため好ましい。
本発明の化学蓄熱材複合物は、シランカップリング剤などで表面処理されていても良い。
本発明の化学蓄熱材複合物に、熱伝導性粒子を共存して用いると、化学反応時の熱の移動が促進されるため好ましい。熱伝導性粒子としては、例えば、黒鉛、炭素繊維、CNT、セルロースナノファイバーや各種の無機系粒子、例えば、窒化ホウ素、アルミナ、シリカなどが挙げられる。
本発明の化学蓄熱材複合物は、樹脂と混合した樹脂組成物として、成形体や塗料のような形で用いるとハンドリング性が向上するため好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂としては、とくに限定はされないが、各種の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂等のゴム系樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、EVA樹脂、EVOH樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂、PMMA等のアクリル樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、SBC樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、液晶ポリマー、PPS、PEEK、PPE、ポリサルフォン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定はされないが、一軸あるいは多軸の混練機、ラボプラストミル、ニーダーやダイナミックミキサー等のバッチ式ミキサー、ロール混練機等で樹脂とフィラーを所定の配合で混練する方法や、溶媒を用いて、溶解あるいは懸濁した状態で混合する方法等が用いられる。
本発明の樹脂組成物は、圧縮成形等でペレット状の成形品として用いたり、塗料のような形態で用いたりすることができる。本発明の樹脂組成物を構成する樹脂は、化学蓄熱材を高温、例えば300℃を超える温度で処理する際に一部あるいは全部が分解し除去されることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で化学蓄熱材複合物以外の添加物が含まれていても良い。このような添加物としては、難燃剤、耐衝撃性改善剤、補強剤、耐候性改善剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料等が使用可能である。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はもとよりこれらの例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、評価は以下のように行った。
(1)形状安定性
化学蓄熱材複合物を空気中700℃で4時間加熱し脱水後、水中で24時間攪拌し水和したものをろ取して100℃で12時間真空乾燥した際の形状変化を観察した。前記処理前後で形状にほとんど変化が見られなかった場合を「○」、形状変化が著しく見られた場合を「×」とした。なお、形状観察は、目視と走査型電子顕微鏡(SEM)観察の両面で行った。
(1)形状安定性
化学蓄熱材複合物を空気中700℃で4時間加熱し脱水後、水中で24時間攪拌し水和したものをろ取して100℃で12時間真空乾燥した際の形状変化を観察した。前記処理前後で形状にほとんど変化が見られなかった場合を「○」、形状変化が著しく見られた場合を「×」とした。なお、形状観察は、目視と走査型電子顕微鏡(SEM)観察の両面で行った。
(2)反応率
熱重量測定で、化学蓄熱材複合物を空気中室温から600℃まで5℃/分で昇温した際の200〜600℃間の重量減少分を見積った。前記「形状安定性」評価前の試料の重量減少分を(D0)とし、評価後の試料の重量減少分を(D1)とした際に下記計算式で反応率を算出した。
反応率(%)=(D1/D0)*100
熱重量測定で、化学蓄熱材複合物を空気中室温から600℃まで5℃/分で昇温した際の200〜600℃間の重量減少分を見積った。前記「形状安定性」評価前の試料の重量減少分を(D0)とし、評価後の試料の重量減少分を(D1)とした際に下記計算式で反応率を算出した。
反応率(%)=(D1/D0)*100
[実施例1]
エタノール中で水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)とテトラエトキシシランをアンモニア水とともに混合した後、室温にて24時間攪拌し、白色のスラリーを得た。溶質をろ取した後、80℃で12時間真空乾燥して、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))に酸化Si(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.2μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分Siと粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比(Si/Mg比)は1.5であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
エタノール中で水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)とテトラエトキシシランをアンモニア水とともに混合した後、室温にて24時間攪拌し、白色のスラリーを得た。溶質をろ取した後、80℃で12時間真空乾燥して、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))に酸化Si(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.2μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分Siと粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比(Si/Mg比)は1.5であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
エタノール中で水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)とテトラエトキシシランおよびアルミニウム−トリ(sec−ブトキシド)をアンモニア水とともに混合した後、室温にて24時間攪拌し、白色のスラリーを得た。溶質をろ取した後、80℃で12時間真空乾燥し、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))にSiとAlの酸化物(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.05μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分SiとAlの合計と粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比((Si+Al)/Mg比)は1.2であった。SiとAlの原子数濃度比(Si/Al比)は3であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
エタノール中で水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)とテトラエトキシシランおよびアルミニウム−トリ(sec−ブトキシド)をアンモニア水とともに混合した後、室温にて24時間攪拌し、白色のスラリーを得た。溶質をろ取した後、80℃で12時間真空乾燥し、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))にSiとAlの酸化物(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.05μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分SiとAlの合計と粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比((Si+Al)/Mg比)は1.2であった。SiとAlの原子数濃度比(Si/Al比)は3であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
水酸化マグネシウムに対するテトラエトキシシランとアンモニア水の量を変えたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))に酸化Si(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.3μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分Siと粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比(Si/Mg比)は2.5であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
水酸化マグネシウムに対するテトラエトキシシランとアンモニア水の量を変えたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、水酸化マグネシウム(化学蓄熱材粒子(A))に酸化Si(粒子(B))が付着した粒子を得た。SEM観察の結果、粒子(B)は球状で平均粒径は0.3μmであった。EDSの結果、粒子(B)を構成する金属成分Siと粒子(A)を構成する金属成分Mgの原子数濃度比(Si/Mg比)は2.5であった。該化学蓄熱材複合物の形状安定性と反応率の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)に粒子(B)を付着しなかったものを用いて形状安定性を評価した。その結果、目視により粉体の凝固が観察され、またSEMにおいても粒子形状の変化と凝集が観察された。
水酸化マグネシウム(平均粒径1μm)に粒子(B)を付着しなかったものを用いて形状安定性を評価した。その結果、目視により粉体の凝固が観察され、またSEMにおいても粒子形状の変化と凝集が観察された。
各実施例と比較例を比較すると、本発明の化学蓄熱材複合物は、形状安定性に優れ、かつ反応率も高いことがわかり、反応時の物質移動をあまり妨げることなく、化学反応に伴う粒子形状の変化を抑制できることがわかる。実施例3は、実施例1、2に比べて、粒子(B)の粒径が大きく、付着量も多いため、形状安定性には優れるものの、反応率の低下が見られた。
本発明の化学蓄熱材複合物は、工場や自動車等で発生する余剰排熱の有効利用や太陽熱エネルギーの有効利用など熱エネルギーの有効利用技術としての活用が可能である。
Claims (6)
- 化学蓄熱材粒子(A)の表面に該粒子とは異なる成分の粒子(B)が付着していることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
- 粒子(A)が、MgおよびCaのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の化学蓄熱材複合物。
- 粒子(A)の粒径が平均粒径で0.05〜100μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の化学蓄熱材複合物。
- 粒子(B)が、SiおよびAlのうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
- 粒子(B)の粒径が平均粒径で0.01〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の化学蓄熱材複合物を含有する樹脂組成物。
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