JP2018058983A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
(A)ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、
大気雰囲気下、145℃の条件で静置するエージング処理をした後の、JIS K7160に準拠して測定される引張衝撃強さの半減期が500時間以上であり、
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる縦12.6cm、横1.3cm、厚み1.6mmの成形品の、大気雰囲気下、150℃の条件で1000時間静置するエージング処理前後における、クロロホルム不溶分の変化率が、15質量%以下である
ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
前記(A)ポリフェニレンエーテルが、温度280℃以上で熱溶融した後のポリフェニレンエーテルの転位率が、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり0.2個以下である、[1]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
前記(A)ポリフェニレンエーテルが、下記式(1)、(2)及び(3)からなる群から選ばれる1つ以上の構造のユニットを含む、[1]又は[2]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
前記(A)ポリフェニレンエーテルが、前記(A)ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、前記式(1)、(2)及び(3)からなる群から選択されるいずれかの構造のユニットを、0.01〜10.0個有する、[3]又は[4]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
前記式(2)で表される構造のユニットに対する、前記式(1)で表される構造のユニットのモル割合が、0〜30モル%である、[3]〜[5]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
前記(A)ポリフェニレンエーテルが、前記式(1)及び/又は(2)で表される構造のユニットと、前記式(3)で表される構造のユニットとを含む、[3]〜[6]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
更に、(B)縮合リン酸金属塩を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
更に、(C)酸化防止剤を含有し、
前記(C)成分の含有量が、前記(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、0.1〜4.0質量部である、[1]〜[8]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
本実施形態のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、実用上良好な耐熱性、機械物性、電気的特性を有し、長期間高温環境下に暴露された場合においても、機械物性が低下しにくい。さらに、長期間高温環境下に暴露された場合においても、表面平滑性、電気的特性の低下を抑制できる。
上記に加え、PPEの劣化を抑制できる特定の化合物を更に含有することが好ましい。
本実施形態のPPE系樹脂組成物に用いられる(A)ポリフェニレンエーテル(以下、単に「PPE」とも称す)は、下記式(4)及び/又は式(5)で表される繰り返し単位(構造のユニット)を有する単独重合体、共重合体、これらの変性物である。
その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。
なお、PPEの末端OH基濃度は、NMR測定により算出することができる。
また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは10000以上、より好ましくは14000以上であり、また、好ましくは20000以下、より好ましくは19000以下である。この分子量範囲にあることで、難燃性、流動性、フィラーとの密着性等のバランスに優れる。
本明細書において、重量平均粒子径とは、ミクロ型電磁振動ふるい器(目の開き1700μm〜46μmの10段階のメッシュ)にて30分間篩い分けし、重量累積粒度分布の50%径を計算した値をいう。
R1、R2としては、例えば、炭素数1〜30の鎖状又は環状アルキル基、アリール基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R3、R4におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜30のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
また、上記R3、R4におけるアリール基としては、例えば、炭素数6〜30のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ナフチル基、トリチル基等が挙げられる。
また、上記アルキルアミノ基におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜30のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。また、上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、オクチルアミノ基、ジオクチルアミノ基等が挙げられる。
また、上記アリールアミノ基におけるアリール基としては、例えば、上述と同様の基が挙げられ、具体的には、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、トリルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジメチルフェニルアミノ基、トリメチルフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、トリチルアミノ基等が挙げられる。
芳香環以外の炭素−炭素の二重結合の数は、後述の実施例に記載の条件で測定した1H−NMR法で、3.5〜5.5ppmにあらわれる、前駆体ポリフェニレンエーテルとは異なるダブレットピークから測定することができる。なお、(A)ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、芳香環以外の炭素−炭素の二重結合を0.01個以上有する場合、後述の実施例に記載の条件で測定した1H−NMRにより検出できる。
ここで、「式(3)で表される末端構造のユニットに、芳香環の不飽和二重結合以外に炭素−炭素の二重結合を実質的に有さない」とは、(A)ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、0.01個未満であることをいい、0.005個以下であることが好ましく、後述の実施例に記載の測定条件の1H−NMRの3.5〜5.5ppmに、前駆体ポリフェニレンエーテルとは異なるダブレットピークが検出されないことがより好ましい。
従来のポリフェニレンエーテルでは、熱溶融時にPPE分子内での転位反応が起こり、活性メチレンが生じることが知られている。この活性メチレンは、熱により酸化されやすく、分子の熱安定性を低下させていた。ここで、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを例に説明をする。通常は、280℃以上の温度でPPEを熱溶融させ、押出・成形加工すると、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり0.41個程度の下記式(6)に示すような転位構造が生じる。
上記転位率の範囲に調整するには、後述する変性PPEを用いることや、押出条件(例えば、滞留時間やスクリュの混練ゾーンの合計L/D等)を変更させる手法が挙げられる。
(転位率の算出方法)
上記転位率は、1H−NMRを利用して定量することにより、算出できる。
1H−NMRを測定した際、芳香環の3、5位の2Hは6.2〜6.8ppmに、転位により生じる活性化メチレンは3.85ppmに、それぞれ吸収ピークが現れる。よって、下記数式(I)により、転位率を算出することができる。
転位率(個)={(3.85ppmピークの積分値)÷(6.2〜6.8ppmピークの積分値)}×100 ・・・(I)
なお、芳香環の3、5位が水素原子以外の場合は、2位、6位のメチル基の6H(1.60〜2.40ppm)のピークを基準として求めることもできる。
ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの、式(1)及び/又は(2)で表される構造のユニット数は、より好ましくは0.1〜3.0個の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜1.0個の範囲である。
変性PPEは、例えば、前駆体ポリフェニレンエーテル(本明細書において、「前駆体PPE」と称する場合がある)と、反応性化合物とを、熱により反応させて得ることが好ましい。
前駆体PPEの単独重合体の例としては、上述のポリフェニレンエーテルと同様のものが挙げられる。前駆体PPEの共重合体と例としては、上述のポリフェニレンエーテルと同様のものが挙げられる。中でも、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体が好ましい。
前駆体PPEが下記式(7)及び/又は下記式(8)の構造のユニットを有することにより、十分に効率よく、変性ポリフェニレンエーテルを得ることができる(具体的には、変性PPEを製造するにあたって、前駆体PPEを経由することにより、式(7)及び式(8)の構造中のCH2−Y部分が選択的に開裂して後述の反応性化合物との置換反応が生じるので、変性PPEを十分に効率よく得ることができる)。また、非置換PPEから前駆体PPEを容易に合成することができるので、前駆体PPEを経由した変性PPE合成が効率的であるからである。
更に、当該前駆体PPEが、ポリフェニレンエーテル鎖中において、当該構造のユニットの合計を、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり0.1〜10個含有することが好ましい。
上記変性ポリフェニレンエーテルを得るために用いることができる反応性化合物としては、特に限定されないが、例えば、ホスホン酸類、ホスホン酸エステル類、ホスフィン酸類、ホスフィン酸エステル類、モノカルボン酸類、スルホン酸類、スルフィン酸類、カーボネート類等が挙げられる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物では、耐熱性、機械的特性、電気的特性を維持しながら、高温エージングによる機械物性の変化を抑制する観点から、(B)縮合リン酸金属塩を含むことが好ましい。本実施形態のPPE系樹脂組成物において用いることのできる(B)縮合リン酸金属塩とは、ポリリン酸、メタリン酸、ウルトラリン酸等の金属塩が挙げられる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物において用いることができる酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤として働く一次酸化防止剤と、過酸化物を分解する効果のある二次酸化防止剤のどちらも使用可能である。すなわち、酸化防止剤を用いることにより、ポリフェニレンエーテルが長時間高温にさらされた際に、末端メチル基、側鎖メチル基等において生じ得るラジカルを捕捉することができ(一次酸化防止剤)、又は当該ラジカルにより末端メチル基、側鎖メチル基等に生じた過酸化物を分解することができ(二次酸化防止剤)、それ故に、ポリフェニレンエーテルの酸化架橋を防止することができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキレイテッドビスフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤の具体例としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物には、耐熱性や成形流動性を調整する目的等で、(D)スチレン系樹脂を配合することが可能である。(D)スチレン系樹脂は、特に限定されず、公知のものを用いることができ、スチレン系化合物の単独重合体;スチレン系化合物、及びスチレン系化合物と共重合可能な化合物を、ゴム質重合体存在又は非存在下に重合して得られる重合体;等が挙げられる。
上記ゴム強化ポリスチレンにおいて、スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物及びスチレン系化合物と共重合可能な化合物の合計量100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下である。
上記ゴム質重合体としては、以下に限定されないが、例えば、共役ジエン系ゴム、共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、エチレン−プロピレン共重合体系ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらを部分的に又はほぼ完全に水素添加したゴム成分等が挙げられる。
ここで、HIPSを構成するゴム質重合体のゴム粒子の形態として、サラミ構造(複数細胞構造)、ポリスチレンコア(単一細胞構造)の2種が挙げられる。
上記「サラミ構造」とは、ポリスチレンマトリックス中に、ゴム粒子(サラミソーセージ断面状)が分散しており、薄肉の外郭層を有する当該ゴム粒子相の中に複数のポリスチレン粒子が蜂の巣状に内蔵された構造である。
上記「ポリスチレンコア」とは、ポリスチレンマトリックス中に単一細胞構造からなるゴム粒子が分散したコアシェル構造である。
本実施形態の樹脂組成物には、耐衝撃性を向上させる目的等から、更に(E)エラストマー成分(本明細書において、「(E)エラストマー」と称する場合がある)を配合することが可能である。
本実施形態のPPE系樹脂組成物は、更には、樹脂組成物の耐熱性、機械物性並びに成形品の表面外観及び耐熱エージング特性等を著しく低下させない範囲において、上記(B)成分以外の酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
本実施形態のPPE系樹脂組成物中の上記その他の成分の含有量は、例えば、樹脂組成物(100質量%)に対して、各々が0.001〜3質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1.5質量%であり、さらにより好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲内である。十分な添加効果発現の観点から、0.001質量%以上であることが好ましく、十分な成形品外観及び物性保持の観点から、3質量%以下であることが好ましい。
(A)成分、(D)成分、(E)成分を含むことにより、耐熱性、成形性、耐衝撃性のバランスが良い樹脂組成物が得られる。(A)成分としては、変性PPEが好ましく、上記前駆体PPEや、式(1)及び式(2)の上記X1が、
(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分等は、上述の通りである。
本実施形態のPPE系樹脂組成物の物性について記載する。
本実施形態のPPE系樹脂組成物は、高温エージング後の機械物性に優れる観点から、大気雰囲気下、145℃の条件で静置するエージング処理をした後の、JIS K 7160に準拠して測定される引張衝撃強さの半減期が、500時間以上でることが好ましく、550時間以上であることがより好ましく、600時間以上であることがさらに好ましい。
なお、引張衝撃強さの半減期は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物は、縦12.6cm、横1.3cm、厚み1.6mmの成形品の、150℃の条件で1000時間静置するエージング処理前後における、クロロホルム不溶分の変化率が、15質量%以下であることが好ましく、14質量%以下であることがより好ましく、12質量%以下であることが更に好ましく、また、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。
なお、「クロロホルム不溶分の変化率」とは、次の方法で算出した値をいう。
縦12.6cm、横1.3cm、厚み1.6mmの成形品を作製する。その後、1)エージング前の該成形品の下端から1cm×1cm×1.6mmを切り出し、凍結粉砕後、篩にかけることにより目の開き500μmは通過するが目の開き355μmは通過しない粒子を採取する。これを200mg測り取り、クロロホルム40mL中で6時間超音波振動を与え、可溶分と不溶分とを吸引濾過で分離させる。得られた残渣(不溶分)を100℃で2時間真空乾燥した後、乾燥残渣の質量を測定する。この値を「初期の残渣量」とする。また、2)150℃で1000時間静置するエージング処理を行った成形品についても、1)の方法と同様の方法に従って、切り出しから乾燥までを行った後の残渣の質量を測定する。この値を「エージング後の残渣量」とする。そして、1)、2)で得られた値から、下記数式(II)によりクロロホルム不溶化分の変化率(質量%)を計算する。
クロロホルム不溶分の変化率(質量%)={[エージング後の残渣量(mg)−初期の残渣量(mg)]/[200−初期の残差量(mg)]}×100 ・・・(II)
なお、上記荷重たわみ温度は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物は、上記(A)成分、さらに、任意の上記(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、その他の成分を、溶融混練の条件を適宜調節して、溶融混練することにより製造することができる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物の製造方法では、種々の溶融混練機や混練押出機等を用いることができる。溶融混練機や混練押出機としては、公知の混練機を用いることができ、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の多軸押出機等の押出機;ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等の加熱溶融混練機;等が挙げられる。中でも、二軸押出機が好ましい。
なお、滞留時間は、押出機の第一原料供給口から黒色マスターバッチを0.5g添加した瞬間を測定開始とし、押出機のダイから、着色されたストランドが出てきた瞬間までの時間を計測して求めることができる。
酸素濃度は、原料貯蔵ホッパー内を十分に窒素置換して、原料貯蔵ホッパーから押出機原料投入口までの、フィードライン中での空気の出入りがないように密閉した上で、窒素フィード量の調節、ガス抜き口の開度を調節すること等により、調整することができる。
本実施形態のPPE系樹脂組成物からなる成形品は、上述のPPE系樹脂組成物を成形することにより得ることができる。
(1)荷重たわみ温度(DTUL)
得られた樹脂組成物のペレットを、90℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した。乾燥後の樹脂組成物を、ISO物性試験片金型を備え付けた射出成形機(東芝機械社製、IS−80EPN)により、シリンダー温度330℃、金型温度120℃、射出圧力50MPa(ゲージ圧)、射出速度200mm/sec、射出時間/冷却時間=20sec/20secに設定し、ISO3167、多目的試験片A型のダンベル成形片を成形した。得られた成形片を切断して作製した80mm×10mm×4mmの試験片を用いて、ISO75に準拠し、フラットワイズ法、1.82MPaで荷重たわみ温度(℃)を測定した。
評価基準として、120℃以上であれば、耐熱性が高いと判断した。
上記(1)の成形において、ダンベル成形片を完全に充填させずにショートショット(ISOダンベル金型に射出し、デッド側に5mm以内の隙間が空くように成形した状態)で成形し、完全に充填していないデッド側掴み部分を目視で観察して、成形片表面の状態を評価した。
成形片表面に、シルバーや微細なガスの抜け痕による表面荒れ、曇り感等の不具合の見られる場合を「×」(不良)、見られない場合を「○」(良好)と判定した。
得られた樹脂組成物のペレットを、スクリューインライン型射出成形機(東芝機械(株)社製、製品名「EC75SXII射出成形機」)に供給し、シリンダー温度240〜320℃、金型温度40℃〜120℃の条件でJIS K7139 A型の多目的試験片を成形した。この多目的試験片から試験片を切り出し、ISO 179に準じて23℃の温度条件下でノッチ付きシャルピー衝撃強さ(kJ/cm2)を評価した。測定値が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると判断した。
(4−1)エージング後の引張衝撃強さの半減期
得られた樹脂組成物ペレットを、スクリューインライン型射出成形機(東芝機械(株)社製、製品名「EC75SXII射出成形機」)に供給し、シリンダー温度240〜320℃、金型温度40℃〜120℃の条件で、JIS K7160 4型、3mm厚みの試験片を成形した。この試験片の引張衝撃強さを、JIS K7160に準じ、30gのクロスヘッドを用いて、23℃の温度条件下で測定した(エージング前の引張衝撃強さ)。
エージング前の引張衝撃強さを初期値として、設定温度145℃の熱風オーブン中に試験片を静置し、50時間おきに試験片を5本ずつ取り出し、JIS K7160に準じて23℃の温度条件下で引張衝撃強さを測定した(エージング後の引張衝撃強さ)。
エージング前の引張衝撃強さに対する、エージング後の引張衝撃強さの物性保持率を下記数式(III)により求め、物性保持率が50%になった時の時間を、半減期とした。
物性保持率(%)={(エージング後の引張衝撃強さ)÷(エージング前の引張衝撃強さ)}×100 ・・・(III)
評価基準として、半減期が500時間以上であれば、耐熱エージング性が高いと判断した。
得られた樹脂組成物のペレットから、縦10cm、横4.8cm、厚み4.0mmの平板成形品を作製し、エージング処理前、及び150℃で500時間静置するエージング処理後のそれぞれにおいて、平板成形品の縦横の中心1cm角内の5か所の視野(1か所の視野は0.15mm×0.15mm)の表面平均粗さRaを測定し、その平均値を「エージング処理前のRaの平均値」及び「エージング処理後のRaの平均値」とした。
そして、エージング処理前のRaの平均値に対するエージング処理後のRaの平均値の割合(エージング処理後のRaの平均値/エージング処理前のRaの平均値)が、0.9〜1.1の範囲であれば「○」(良好)、範囲外であれば「×」(不良)、と判断した。
得られた樹脂組成物のペレットから、縦10cm、横4.8cm、厚み4.0mmの平板成形品を作製し、150℃で500時間静置するエージング処理後の500Vでの比較トラッキング指数(CTI)をJIS C2134法で測定し、合格であれば「○」(良好)、不合格であれば「×」(不良)と判断した。
得られた樹脂組成物から、縦12.6cm、横1.3cm、厚み1.6mmの成形品を作製した。その後、1)エージング前の該成形品の下端から1cm×1cm×1.6mmを切り出し、凍結粉砕後、篩にかけることにより目の開き500μmは通過するが目の開き355μmは通過しない粒子を採取した。これを200mg測り取り、クロロホルム40mL中で6時間超音波振動を与え、可溶分と不溶分とを吸引濾過で分離させた。得られた残渣(不溶分)を100℃で2時間真空乾燥した後、乾燥残渣の質量を測定した。この値を「初期の残渣量」とした。また、2)150℃で1000時間静置するエージング処理を行った成形品についても、1)の方法と同様の方法に従って、切り出しから乾燥までを行った後の残渣の質量を測定した。この値を「エージング後の残渣量」とした。そして、1)、2)で得られた値から、下記数式(II)によりクロロホルム不溶分の変化率(質量%)を計算した。
クロロホルム不溶分の変化率(質量%)={[エージング後の残渣量(mg)−初期の残渣量(mg)]/[200−初期の残差量(mg)]}×100 ・・・(II)
得られた樹脂組成物のペレットをクロロホルムに溶解させ、ガラスフィルターでろ過し、ろ液を採取した。このろ液に、クロロホルムの3倍量のアセトンを徐々に添加し、ポリフェニレンエーテル成分を沈殿させ、ろ過によりろ物を回収した。このろ物を乾燥後、1H−NMRを測定し、下記数式(I)により、転位率を算出した。
転位率(個)={(3.85ppmピークの積分値)÷(6.2〜6.8ppmピークの積分値)}×100 ・・・(I)
(7−1)メチル基への付加量
末端メチル基、及び側鎖メチル基への付加量の合計は、1H−NMRの2.8〜3.6ppmに現れる反応性化合物の付加したメチレンのピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより得られ、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの末端メチル基及び側鎖メチル基への付加量(個)が求められる。
また、末端メチル基への付加量に対する側鎖メチル基への付加量の割合は、31P−NMRにて、主鎖メチル基付加物由来の36〜45ppmのピークの積分値に対する、側鎖メチル基付加物由来の30〜36ppmのピークの積分値を割り出すことより求められる。
装置 :JEOL―ECA500
観測核 :1H
観測周波数 :500.16MHz
測定法 :Single−Plus
パルス幅 :7μsec
待ち時間 :5秒
積算回数 :512回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :5w%
化学シフト基準:TMS 0.00ppm
装置 :JEOL RESONANCE ECS400
観測核 :31P
観測周波数 :161.8MHz
パルス幅 :45°
待ち時間 :5秒
積算回数 :10,000回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :20w/v%
化学シフト基準:85%リン酸水溶液(外部基準)0ppm
13C−NMRにて、146.4ppm(OH基に反応性化合物が付加して形成されたエーテル結合の酸素原子に隣接した炭素)のピークの積分値[A]、145.4ppm(OH基に隣接した炭素)の積分値[B]を用いて、下記数式(IV)で求めることができる。
ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの反応性化合物の末端OH基への付加数(個)=(前駆体ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの末端OHの数)×{[A]/([A]+[B])} ・・・(IV)
装置 :Bruker Biospin Avance 600
観測核 :13C
観測周波数 :150.9MHz
測定法 :逆ゲートデカップリング法
パルス幅 :30°
待ち時間 :10秒
積算回数 :2,000回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :20w/v%
化学シフト基準:TMS 0ppm
<ポリフェニレンエーテル>
(PPE−1)
前駆体ポリフェニレンエーテルPPE−1を次の製造方法で製造した。
重合槽底部に酸素含有ガス導入のためのスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフルを備え、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた40リットルのジャケット付き重合槽に、0.5L/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、4.57gの酸化第二銅、24.18gの47質量%臭化水素水溶液、11.00gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、62.72gのジ−n−ブチルアミン、149.92gのブチルジメチルアミン、20.65kgのトルエン、及び3.12kgの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ重合槽の内温が25℃になるまで撹拌した。次に、重合槽へ32.8NL/分の速度で乾燥空気をスパージャーより導入し始め、重合を開始した。乾燥空気を140分間通気し、重合混合物を得た。なお、重合中は内温が40℃になるようコントロールした。乾燥空気の通気を停止し、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の2.5質量%水溶液を10kg添加した。70℃で150分間、重合混合物を撹拌し、その後20分静置し、液−液分離により有機相と水相とを分離した。
得られた有機相を連続的にメタノールと接触させ攪拌しながら固形化しポリフェニレンエーテルスラリー溶液を得た。このスラリー溶液を小松ゼノア(株)製のディスインテグレーター(商品名)にて1mm格子スリットを用い湿式粉砕をおこない、粉砕されたスラリー溶液を連続的にヤングフィルター型真空濾過器に供給しながら固液分離し、ヤングフィルター型真空ろ過器上で乾燥後のポリフェニレンエーテル重量に対し3倍量のメタノールにてリンス洗浄した後、ポリフェニレンエーテル粒子を乾燥した。湿式粉砕後のスラリー溶液中のポリフェニレンエーテル粒子は1700μmより大きな粒子は0重量%であり、重量平均粒径は220μmであった。
上記の製造方法で得られた、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(PPE−1)は、還元粘度=0.38dL/g、数平均分子量15300、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの末端OH基の数:0.72個、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりのN,N−ジブチルアミノメチル基の数:0.43個であった。
なお、還元粘度は、0.5g/dLクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管で測定した。
前駆体ポリフェニレンエーテルPPE−2を次の製造方法で製造した。
攪拌機、温度計、コンデンサー及び反応器の底部まで届いた酸素導入管を備えた容量10Lのジャケット付き反応器にキシレン2.9kg、メタノール905g、2,6−ジメチルフェノール1.0kg(8.2モル)を仕込み均一な液とした後、水酸化ナトリウム26.2g(655ミリモル)をメタノール175gに溶かした溶液を加え、次いで塩化マンガン四水和物810mg(4.1ミリモル)とモノエタノールアミン20g(328ミリモル)を窒素雰囲気下、50℃、1時間混合した予備混合物20.8gを加えた。更にエチレングリコール20.4g(329ミリモル)及びジ−n−ブチルアミン10.6g(82ミリモル)を加えた。内容物を激しくかきまぜながらこれに酸素を200Nml/分の速さで吹き込み、反応温度を40℃に保ち3時間反応させた後、酸素を80Nml/分、反応温度30℃に降温し、反応開始から5時間経過した時点で酸素供給を停止した。反応混合物600gを抜き出し、メタノール280gを加え、析出した重合体を吸引濾過した後、メタノール1Lで2回洗浄し吸引濾過した。得られた重合体を、ピロリン酸ナトリウム2.9g及びハイドロサルファイトナトリウム1.9gをイオン交換水500mlに溶かした溶液中に分散させ、攪拌下80℃で10分間処理した。吸引濾過して得られた重合体をイオン交換水1Lで2回洗浄、吸引濾過した。湿った重合体を150℃で5時間減圧乾燥し、110gの粉末状のポリフェニレンエーテルを得た。
上記の製造方法で得られた、前駆体ポリフェニレンエーテル(PPE−2)は、還元粘度=0.47dL/g、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの末端OH基の数:0.72個、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりのN,N−ジブチルアミノメチル基の数:3.6個であった。
まず、ブロモ化ポリフェニレンエーテルを次の製造方法で製造した。
(PPE−1)100質量部を10Lのジャケット付き反応器に入れ、クロロホルム2.0Lを加えて、室温、窒素雰囲気下5分間撹拌した。その後、N−ブロモスクシンイミドを15.0質量部、アゾビスイソブチロニトリルを2.0質量部を投入し、還流させながら8時間反応させた。この反応液を室温に冷却後、n−ヘキサンを3L投入し、ブロモ化ポリフェニレンエーテルを固化させ、スラリーを得た。このスラリー溶液を小松ゼノア(株)製のディスインテグレーター(商品名)にて1mm格子スリットを用いて湿式粉砕を行い、粉砕されたスラリー溶液を連続的にヤングフィルター型真空濾過器に供給しながら固液分離し、ヤングフィルター型真空ろ過器上で乾燥後のポリフェニレンエーテル重量に対し3倍量のメタノールにてリンス洗浄した後、ポリフェニレンエーテル粒子を乾燥した。
上記の製造方法で得られたブロモ化ポリフェニレンエーテルは、側鎖メチル基及び末端メチル基のみブロモ化されたものであり、ブロモ化率は、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり4.3個であった。
上記ブロモ化ポリフェニレンエーテル100質量部、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(株式会社三光製)500質量部を10Lのジャケット付き反応器に入れ、160℃で24時間撹拌し、反応させた。この反応液を室温に冷却し、2Lのメタノールを加えて反応物を固化させスラリー状にした。このスラリーをろ過し、得られたパウダーを4時間真空乾燥し、ポリフェニレンエーテル(PPE−3)のパウダーを得た。
得られたポリフェニレンエーテル(PPE−3)は、31P−NMR(single plus法)及び1H−NMRにて同定することができ、反応性化合物のメチル基への付加量は、1H−NMRの2.8〜3.6ppmに現れるピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより得られ、ポリフェニレンエーテル鎖中のモノマー100ユニットあたり、下記の化学式(9)、(10)の構造を合わせて4.0個含むことを確認した。
更に、末端水酸基への付加量を前述の通り13C−NMRにて測定したが、化学式(11)の構造は確認できなかった。
また、化学式(10)に対する化学式(9)の割合は、31P−NMRにて、化学式(10)由来の38〜42ppmのピークの積分値に対する、化学式(9)由来の34〜36ppmのピークの積分値を割り出すことより求められ、570モル%であることが分かった。
・9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA)(株式会社三光製)
・ホスホン酸ジオクチル(城北化学製)
(B−1)ヘキサメタリン酸ナトリウム (ユニオン(株)社製)
(B−2)メタリン酸マグネシウム(太平化学産業製)
(B−3)メタリン酸カリウム(太平化学産業製)
(B−4)トリポリリン酸ナトリウム(太洋化学工業製)
(B−5)ポリリン酸アンモニウム(商品名「テラージュ」、チッソ(株)製)
(C−1)
リン系酸化防止剤(化学名:3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、アデカ社製、商品名:アデカスタブPEP−36〔登録商標〕)
(C−2)
リン系酸化防止剤(化学名:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、BASF社製、商品名:Irgafos168〔登録商標〕)
(D−1)
ゼネラルパーパスポリスチレン(旭化成ケミカルズ社製、商品名:ポリスチレン680〔登録商標〕)
(E−1)
重量平均分子量71200であって、結合スチレン量32質量%のポリスチレンブロックと水素添加率98%の水添ブタジエンブロックとを有する三型タイプの水添ブロック共重合体を用いた。
実施例、比較例では、表1に示す組成で、二軸押出機(コペリオン社製 ZSK―40MC)の第1原料供給口から各成分をフィードし、バレル温度320℃、その他、表1に示す押出条件で、樹脂組成物のペレットを得た。スクリュの回転数は、目的の滞留時間になるよう、任意に設定した。樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- (A)ポリフェニレンエーテルを含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、
大気雰囲気下、145℃の条件で静置するエージング処理をした後の、JIS K7160に準拠して測定される引張衝撃強さの半減期が500時間以上であり、
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる縦12.6cm、横1.3cm、厚み1.6mmの成形品の、大気雰囲気下、150℃の条件で1000時間静置するエージング処理前後における、クロロホルム不溶分の変化率が、15質量%以下である
ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 - 前記(A)ポリフェニレンエーテルが、温度280℃以上で熱溶融した後のポリフェニレンエーテルの転位率が、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり0.2個以下である、請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 前記(A)ポリフェニレンエーテルが、下記式(1)、(2)及び(3)からなる群から選ばれる1つ以上の構造のユニットを含む、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 前記(A)ポリフェニレンエーテルが、前記(A)ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、前記式(1)、(2)及び(3)からなる群から選択されるいずれかの構造のユニットを、0.01〜10.0個有する、請求項3又は4に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 前記式(2)で表される構造のユニットに対する、前記式(1)で表される構造のユニットのモル割合が、0〜30モル%である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 前記(A)ポリフェニレンエーテルが、前記式(1)及び/又は(2)で表される構造のユニットと、前記式(3)で表される構造のユニットとを含む、請求項3〜6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 更に、(B)縮合リン酸金属塩を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 更に、(C)酸化防止剤を含有し、
前記(C)成分の含有量が、前記(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、0.1〜4.0質量部である、請求項1〜8のいずれかに1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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