JP2018058899A - アスピリンの正荷電水溶性プロドラッグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アセチルサリチル酸及びその類似体の、式(1)で表される新規な正荷電プロドラッグを合成した。これらのプロドラッグの正に荷電されたアミノ基は、薬物の溶解性を大いに増大させるだけでなく、膜のホスファート頭基上の負電荷と結合し、プロドラッグを細胞質ゾルの中に押し込む。プロドラッグ、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートは、アセチルサリチル酸自体よりも〜400倍速く、エチルアセチルサリチラートよりも〜100倍速く人の皮膚を通して拡散する。
【選択図】図2
Description
1.アスピリンが薬理学的活性体で循環系に直接的に導入されるため、胃腸管内での代謝を回避できること。2.胃腸の副作用の減少。3.低減量のアスピリンでの一定の治療効果。4.減少された過量投与のリスク。5.観察を必要としない外来患者の治療。6.改善された患者のコンプライアンス率。アスピリン又はその類似体を皮膚に適用する試みがすでになされている。Burton(Burton,U.S.Pat.No.4,012,508)は皮膚科学的適応の場合の中で局所応用のためにコルチコステロイドとの併用でアスピリンを用いた。Sibalis(Sibalis,U.S.Pat.No.4,640,689)は電流を用いることによってアスピリンの透過率の増大があることを記述した。しかしながら、これらの方法によって患者(host)に治療有効血漿レベルのアスピリンを送達することは難しい。Susan Milosovichらは塩酸テストステロニル−4−ジメチルアミノブチラート(testosteronyl-4-dimethylaminobutyrate.HCl)(TSBH)を設計し、調製した。これは親油性部分及び生理学的pHではプロトン化された形態で存在する第3級アミン基を有する。彼らは、プロドラッグ(TSBH)は、薬物(TS)それ自体よりも〜60倍速く人の皮膚を通して拡散することを見出した[Susan Milosovich,et al.,J.Pharm.Sci.,82,227(1993)]。
プロドラッグの急性毒性を調査した。ラットにおける経口での酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラート及び酢酸ジメチルアミノエチルアセチルサリチラートのLD50は2.3g/kg及び2.2gである。本結果は、プロドラッグはアスピリン(LD50=1.5g/kg)よりも低毒性であることを示す。
良いプロドラッグは血漿中で薬物それ自体に戻るべきである。酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートは2つのエステル官能基を有する。一つ(アセチル)はアセチルサリチル酸それ自体からなり、一方はジエチルアミノエチルエステル(付加物)である。両方のエステル基は試験管内でヒト血漿中酵素によって速やかに切り離され得る。もしアセタート基がジエチルアミノエチルよりも早く失われるならば、プロドラッグはジエチルアミノエチルサリチラートに変化され、次いでアセチルサリチル酸の代わりにサリチル酸に変化されるだろう。酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラート及びアセチルサリチル酸は、ヒト全血中で非常に短い半減期(〜4分及び15分)を有する。どのくらいアセチルサリチル酸のプロドラッグが薬物それ自体又はジエチルアミノエチルサリチラートに変化して戻るかを測定するため、私たちはヒト全血をpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)で20倍に希釈した。ジエチルアミノエチルサリチラート、アセチルサリチル酸及びサリチル酸の累積量を特異的な高速液体クロマトグラフィー法によって測定した。ジエチルアミノエチルサリチラート対アセチルサリチル酸の割合は1対4であるという結果を示した。これは、プロドラッグの80%が薬物それ自体に変化して戻ったということを意味する。はるかに高い吸収率を有するプロドラッグのため、プロドラッグは同用量でアセチルサリチル酸それ自体よりも強い作用を有するだろう。
酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートの鎮痛、解熱及び抗炎症活性を、対照としてアスピリンを使用して試験した。式(1)で表される他の化合物を同じ方法により試験したところ、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートの結果と非常に類似した結果を有する。
酢酸溶液をマウスの腹腔内に投与したときに起こるライジング数(writhing)を数え、対照群に基づく抑制率を計算した。42匹のマウスを7つのグループ(それぞれ6匹)に分けた。アスピリン(ASA,50mg及び100mg/kg)をB1及びB2グループに投与し、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラート(DEAE−ASA,50mg及び100mg/kg)をC1及びC2グループに経口投与した。酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラート(DEAE−ASA,50mg及び100mg/kg)をD1及びD2グループに経皮投与した。Aグループは対照群である。酢酸溶液を投与する30分前に、マウスに試験化合物を投与した。結果を以下の表1に示す。
表1.アスピリン及びそのプロドラッグによるライジング抑制率
本結果は、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートはアスピリンよりも良い鎮痛活性を表すということを示す。式(1)で表される他の化合物は類似した鎮痛活性を示す。
表2.アスピリン及びそのプロドラッグの解熱活性
本結果から、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートは100mg/kg用量において解熱活性を示し、でアスピリンよりも良い解熱活性を示したということが分かる。本結果は、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートの経皮投与は経口投与よりも良いということを示す。式(1)で表される他の化合物は類似した解熱活性を示す。
本結果は、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートは、50mg/kgでの経口投与及び経皮投与に対して、アスピリンの抗炎症活性よりも良い抗炎症活性を表したということを示す。式(1)で表される他の化合物は類似した抗炎症活性を示す。
XがOを表すとき、上記の式(1)で表される化合物は、アセチルサリチル酸若しくはその類似体の金属塩又は有機塩基塩から、式(4)で表される化合物との反応によって調製され得る。
式(1)で表される化合物又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムは、人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するために、特に血栓症及び他の心臓血管疾患の予防、並びに癌予防に対して発展され得る。これらのシステムは、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得る。最も好ましいシステムは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有する。放出の割合を制御することによって、このシステムは、アスピリンが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、アスピリンの副作用を減少させることを可能にする。これらのシステムは手首、足首、腕、足又は体のどこでも付けることが可能である。
実験結果は、プロドラッグ、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートはアセチルサリチル酸それ自体よりも〜400倍速く、エチルアセチルサリチラートよりも〜100倍速く人の皮膚を通して拡散することを示す。生体内での、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートの無処理ヘアレスマウスの皮膚を通しての透過率は非常に高かった。アスピリンを経口投与するとき、コーティングされていないアスピリンの錠剤がサリチラート血漿レベルのピークに達するのに2時間かかり、コーティングされているアスピリンの錠剤はもっと長い。しかし、酢酸ジエチルアミノエチルアセチルサリチラートは、サリチラート血漿レベルのピークに達するのにたったの20分しかかからなかった。最も興奮させる結果は、プロドラッグを経口投与だけでなく、様々な種類の薬物治療のために経皮投与することも可能であり、たいていのアスピリンの副作用、最も著しくは胃腸障害であり、例えば、消化不良、胃十二指腸出血、胃潰瘍及び胃炎、を回避するだろうということである。
o−アセチルサリチル酸18g(0.1mol)をクロロホルム180mlに溶解した。重炭酸ナトリウム12.5g(0.15mol)を溶液に加えた。水(20ml)を撹拌しながら加えた。混合物を30分間撹拌した後、無水硫酸ナトリウムを加えた。臭化水素酸ジエチルアミノエチルブロミド(diethylaminoethyl bromide.HBr)39g(0.15mol)を混合物に加え、混合物を室温で5時間撹拌した。酢酸ナトリウム8.2g(0.1mol)を撹拌しながら反応混合物に加えた。混合物を2時間撹拌する。固形物を濾過により除去し、クロロホルム(3×50ml)で洗浄した。溶液を真空中で100mlに濃縮する。次いでヘキサン300mlを溶液に加えた。固形生成物を濾過により集め、ヘキサン(3×100ml)で洗浄した。乾燥後、目的生成物31g(91%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:300mg/ml、元素分析:C17H25NO6、分子量:339.38、計算%C:60.07、H:7.44、N:4.15、O:28.22、実測%C:60.16、H:7.42、N:4.13、O:28.29、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:1.55(t,6H)、2.08(s,3H)、2.20(s,3H)、3.28(m,4H)、3.70(m,2H)、4.68(m,2H)、6.5(b,1H)、7.17(m,1H)、7.19(m,1H)、7.45(m,1H)、7.94(m,1H)。
o−アセトキシベンゾイルクロリド19.9g(0.1mol)をクロロホルム100mlに溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン15ml及びジメチルアミノエタノール8.9gを反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌する。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。固形副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×30ml)で洗浄した。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物29g(93%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:350mg/ml、元素分析:C15H21NO6、分子量:311.33、計算%C:57.87、H:6.80、N:4.50、O:30.83、実測%C:57.82、H:6.85、N:4.48、O:30.85、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:2.09(s,3H)、2.21(s,3H)、2.90(s,6H)、3.71(m,2H)、4.69(m,2H)、6.9(b,1H)、7.18(m,1H)、7.20(m,1H)、7.47(m,1H)、7.93(m,1H)。
o−アセトキシベンゾイルクロリド19.9g(0.1mol)をクロロホルム100mlに溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン15ml及びジメチルアミノエチルメルカプタン9.3gを反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。固形副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×30ml)で洗浄した。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物28g(87%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:320mg/ml、元素分析:C15H21NO5S、分子量:327.4、計算%C:55.03、H:6.47、N:4.28、O:24.43、S:9.79、実測%C:55.02、H:6.45、N:4.35、O:24.49、S:9.69、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:2.09(s,3H)、2.21(s,3H)、2.90(s,6H)、3.31(t,2H)、3.91(m,2H)、6.9(b,1H)、7.26(m,1H)、7.28(m,1H)、7.55(m,1H)、7.94(m,1H)。
o−アセトキシベンゾイルクロリド19.9g(0.1mol)をクロロホルム100mlに溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン15ml及びジメチルアミノエチルアミン8.9gを反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。固形副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×30ml)で洗浄した。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物28g(90.2%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:350mg/ml、元素分析:C15H22N2O5、分子量:310.35、計算%C:58.05、H:7.15、N:9.03、O:25.78、実測%C:58.02、H:7.18、N:8.98、O:25.83、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:2.09(s,3H)、2.21(s,3H)、2.90(s,6H)、3.54(m,2H)、3.64(t,2H)、6.9(b,1H)、7.8(b,1H)、7.25(m,1H)、7.26(m,1H)、 7.48(m,1H)、7.92(m,1H)。
o−アセチルサリチル酸18g(0.1mol)をジクロロメタン(DCM)100mlに溶解した。混合物を0℃に冷却した。1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド20.6gを反応混合物に加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。ジエチルアミノプロピルメルカプタン14.8g(0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。固形副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×50ml)で洗浄した。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物32g(86.6%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:280mg/ml、元素分析:C18H27NO5S、分子量:369.48、計算%C:58.51、H:7.37、N:3.79、O:21.65、S:8.68、実測%C:58.53、H:7.39、N:3.75、O:21.68、S:8.65、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:1.09(t,3H)、1.56(t,6H)、2.21(s,3H)、2.27(m,2H)、3.28(m,4H)、3.31(m,2H)、3.91(m,2H)、6.8(b,1H)、7.25(m,1H)、7.26(m,1H)、7.48(m,1H)、7.92(m,1H)。
o−アセチルサリチル酸18g(0.1mol)をアセトニトリル100mlに溶解した。O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート32.1g及びトリエチルアミン30mlを反応混合物に加えた。ジメチルアミノプロピルアミン13.1gを反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。酢酸エチル250mlを反応混合物に加え、混合物を水(3×100ml)で洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。ヘキサン(200ml)を加えた。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物32g(90.8%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:280mg/ml、元素分析:C18H28N2O5、分子量:352.43、計算%C:61.34、H:8.01、N:7.95、O:22.70、実測%C:61.25、H:8.05、N:7.96、O:22.74、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ: 1.56(t,6H)、2.03(m,2H)、2.09(s,3H)、2.21(s,3H)、3.24(m,2H)、3.20(m,2H)、3.24(m,2H)、6.9(b,1H)、7.8(b,1H)、7.25(m,1H)、7.26(m,1H)、7.48(m,1H)、7.92(m,1H)。
o−アセチルサリチル酸ナトリウム20.3g(0.1mol)をクロロホルム180mlに懸濁した。臭化水素酸ジプロピルアミノエチルブロミド28.8g(0.1mol)を混合物に加え、混合物を室温で5時間撹拌した。酢酸ナトリウム8.2g(0.1mol)を撹拌しながら反応混合物に加えた。混合物を2時間撹拌する。固形物を濾過により除去し、クロロホルム(3×50ml)で洗浄した。溶液を真空中で100mlに濃縮する。次いでヘキサン300mlを溶液に加えた。固形生成物を濾過により集め、ヘキサン(3×100ml)で洗浄した。乾燥後、目的生成物30g(81.6%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:300mg/ml、元素分析:C17H25NO6、分子量:367.44、計算%C:62.11、H:7.96、N:3.81、O:26.13、実測%C:62.07、H:7.99、N:3.78、O:26.17、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:0.97(t,6H)、1.77(m,4H)、2.20(s,3H)、3.25(m,4H)、3.70(m,2H)、4.69(m,2H)、6.8(b,1H)、7.17(m,1H)、7.19(m,1H)、7.45(m,1H)、7.94(m,1H)。
高分子結合トリエチルアミン(3mmol/g、100〜200mesh)60gをクロロホルム180mlに懸濁した。o−アセチルサリチル酸18g(0.1mol)を撹拌しながら混合物に加えた。臭化水素酸ジプロピルアミノエチルブロミド43g(0.15mol)を混合物に加え、混合物を室温で5時間撹拌した。高分子を濾過により除去し、テトラヒドロフラン(3×50ml)で洗浄した。酢酸ナトリウム8.2g(0.1mol)を撹拌しながら反応混合物に加えた。混合物を2時間撹拌する。固形物を濾過により除去し、クロロホルム(3×50ml)で洗浄した。溶液を真空中で100mlに濃縮する。次いでヘキサン300mlを溶液に加えた。固形生成物を濾過により集め、ヘキサン(3×100ml)で洗浄した。乾燥後、目的生成物31g(91%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:300mg/ml、元素分析:C17H25NO6、分子量:339.38、計算%C:60.07、H:7.44、N:4.15、O:28.22、実測%C:60.16、H:7.42、N:4.13、O:28.29、1H-NMR(400MHz,CDCL3):デルタ:1.55(t,6H)、2.08(s,3H)、2.20(s,3H)、3.28(m,4H)、3.70(m,2H)、4.68(m,2H)、6.5(b,1H)、7.17(m,1H)、7.19(m,1H)、7.45(m,1H)、7.94(m,1H)。
1.下式(1)で表される化合物。
2.上記1に記載の式(1)で表される化合物を調製する方法。
4.身体の一部に(溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で)経皮投与して、式(1)で表される化合物又は少なくとも上記1に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の治療有効血漿レベルを送達することにより、人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療する方法。
6.式(1)で表される化合物又は少なくとも上記1に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、アクネ又は他の皮膚病を治療するために、溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与され得る化合物又は組成物。
7.式(1)で表される化合物又は少なくとも上記1に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、喘息を治療するために、口若しくは鼻又は体の他の部分を通してスプレーすることにより投与される化合物又は組成物。
8.人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための、特に血栓症及び他の心臓血管疾患を予防するための、並びに癌予防のための、式(1)で表される化合物又は少なくとも上記1に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムであって、かつ、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得、かつ、最も好ましくは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有し、放出の割合を制御することによって、アスピリンが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、アスピリンの副作用を減少させることを可能にするシステム。
2−2.前記陰イオンが、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、アセチルサリチラート、オキサラート、シトラート、又はサリチラートである、上記1−2に記載の化合物。
4−2.上記1−2に記載の式(1)で表される化合物を調製する方法であって、アセチルサリチル酸を、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テト
ラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、及びベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートからなる群から選択される化合物と反応し、次いで、上記3−2に記載の式(3)で表される化合物と反応させることを特徴とする方法。
7−2.経口投与又は経皮投与される、上記6−2に記載の医薬組成物。
8−2.前記アスピリン治療可能な状態が、疼痛、熱、子癇前症、心臓発作、川崎病、術後血栓塞栓症、不安定狭心症、急性小児胃腸炎、大動脈冠状動脈バイパス移植閉塞、慢性心房細動における血栓塞栓性合併症、白内障、血小板凝集、トロンボキサン抑制、冠状動脈形成術後狭窄の再発、糖尿病、糖尿病誘発性合併症、血液透析シャント血栓症の発生、1型膜性増殖性糸球体腎炎患者における腎機能低下又は末期腎不全の発生、末梢閉塞性動脈疾患の進行、大腸癌又は直腸癌の予防、及び人工心臓弁患者における動脈塞栓性合併症からなる群から選択される、上記6−2に記載の医薬組成物。
9−2.身体の一部に溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、上記6−2に記載の医薬組成物。
10−2.前記疼痛を局所的に治療するための、炎症部位に投与される、上記8−2に記載の医薬組成物。
11−2.前記疼痛が、頭痛、歯痛、筋肉痛、又は炎症性疼痛である、上記10−2に記載の医薬組成物。
13−2.前記皮膚病が、アクネである、上記12−2に記載の医薬組成物。
14−2.溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、上記12−2に記載の医薬組成物。
16−2.前記体の部分が、口又は鼻である、上記15−2に記載の医薬組成物。
18−2.包帯又はパッチである、上記17−2に記載の経皮治療応用システム。
19−2.活性物質貯蔵庫であり、皮膚に面する透過性底面を有する、上記17−2に記載の経皮治療応用システム。
〔1〕下式(1)で表される化合物。
〔2〕前記低級アルキル基が、CH3、C2H5、又はC3H7である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕前記陰イオンが、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、アセチルサリチラート、オキサラート、シトラート、又はサリチラートである、前記〔1〕に記載の化合物。
〔4〕前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を調製する方法であって、アセチルサリチル酸又は下式(2)で表される化合物(2)を、下式(3)で表される化合物(3)と反応させることを特徴とする方法。
〔5〕前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を調製する方法であって、アセチルサリチル酸を、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ
メチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、及びベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ
ホスファートからなる群から選択される化合物と反応し、次いで、前記〔4〕に記載の式(3)で表される化合物と反応させることを特徴とする方法。
〔6〕前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を調製する方法であって、下式(4)で表される化合物(4)を、アセチルサリチル酸の金属塩、有機塩基塩、又は下式(5)で表される化合物(5)と反応させることを特徴とする方法。
〔7〕人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための、前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含むことを特徴とする医薬組成物。
〔8〕経口投与又は経皮投与される、前記〔7〕に記載の医薬組成物。
〔9〕前記アスピリン治療可能な状態が、疼痛、熱、子癇前症、心臓発作、川崎病、術後血栓塞栓症、不安定狭心症、急性小児胃腸炎、大動脈冠状動脈バイパス移植閉塞、慢性心房細動における血栓塞栓性合併症、白内障、血小板凝集、トロンボキサン抑制、冠状動脈形成術後狭窄の再発、糖尿病、糖尿病誘発性合併症、血液透析シャント血栓症の発生、1型膜性増殖性糸球体腎炎患者における腎機能低下又は末期腎不全の発生、末梢閉塞性動脈疾患の進行、大腸癌又は直腸癌の予防、及び人工心臓弁患者における動脈塞栓性合併症からなる群から選択される、前記〔7〕に記載の医薬組成物。
〔10〕身体の一部に溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、前記〔7〕に記載の医薬組成物。
〔11〕前記疼痛を局所的に治療するための、炎症部位に投与される、前記〔9〕に記載の医薬組成物。
〔12〕前記疼痛が、頭痛、歯痛、筋肉痛、又は炎症性疼痛である、前記〔11〕に記載の医薬組成物。
〔13〕前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む、皮膚病を治療するための医薬組成物。
〔14〕前記皮膚病が、アクネである、前記〔13〕に記載の医薬組成物。
〔15〕溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、前記〔13〕に記載の医薬組成物。
〔16〕前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を活性成分として含む医薬組成物であって、喘息を治療するための、体の部分を通してスプレーすることにより投与されることを特徴とする医薬組成物。
〔17〕前記体の部分が、口又は鼻である、前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔18〕人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための、前記〔1〕に記載の式(1)で表される化合物を含むマトリックス層及び非透過性支持層からなることを特徴とする経皮治療応用システム。
〔19〕包帯又はパッチである、前記〔18〕に記載の経皮治療応用システム。
〔20〕活性物質貯蔵庫であり、皮膚に面する透過性底面を有する、前記〔18〕に記載の経皮治療応用システム。
〔1'〕人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための経皮投与用医薬組成物であって、
を含む、前記経皮投与用医薬組成物。
〔2'〕人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための経皮投与用医薬組成物であって、
を含み、前記活性成分が150mg/kg以下の用量で患者に投与されるように用いられる、前記経皮投与用医薬組成物。
〔3'〕前記アスピリン治療可能な状態が、疼痛、熱、子癇前症、心臓発作、川崎病、術後血栓塞栓症、不安定狭心症、急性小児胃腸炎、大動脈冠状動脈バイパス移植閉塞、慢性心房細動における血栓塞栓性合併症、白内障、血小板凝集、トロンボキサン抑制、冠状動脈形成術後狭窄の再発、糖尿病、糖尿病誘発性合併症、血液透析シャント血栓症の発生、1型膜性増殖性糸球体腎炎患者における腎機能低下又は末期腎不全の発生、末梢閉塞性動脈疾患の進行、大腸癌又は直腸癌の予防、及び人工心臓弁患者における動脈塞栓性合併症からなる群から選択される、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の医薬組成物。
〔4'〕身体の一部に溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の医薬組成物。
〔5'〕前記疼痛を局所的に治療するための、炎症部位に投与される、前記〔4'〕に記載の医薬組成物。
〔6'〕前記疼痛が、頭痛、歯痛、筋肉痛、又は炎症性疼痛である、前記〔5'〕に記載の医薬組成物。
〔7'〕前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の化合物のいずれかを活性成分として含む、皮膚病を治療するための経皮投与用医薬組成物。
〔8'〕前記皮膚病が、アクネである、前記〔7'〕に記載の医薬組成物。
〔9'〕溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与される、前記〔7'〕に記載の医薬組成物。
〔10'〕前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の化合物のいずれかを活性成分として含む、喘息を治療するための医薬組成物であって、体の部分を通してスプレーすることにより投与される、前記医薬組成物。
〔11'〕前記体の部分が、口又は鼻である、前記〔10'〕に記載の医薬組成物。
〔12'〕人又は動物において、アスピリン治療可能な状態を治療するための、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の化合物のいずれかを含むマトリックス層及び非透過性支持層からなることを特徴とする経皮治療応用システム。
〔13'〕包帯又はパッチである、前記〔12'〕に記載の経皮治療応用システム。
〔14'〕活性物質貯蔵庫であり、皮膚に面する透過性底面を有する、前記〔12'〕に記載の経皮治療応用システム。
〔15'〕前記化合物が、
ジエチルアミノエチルアセチルサリチラート酢酸塩、
ジメチルアミノエチルアセチルサリチラート酢酸塩、
S−ジメチルアミノエチルアセチルチオサリチラート酢酸塩、
N−ジメチルアミノエチルアセチルサリチルアミド酢酸塩、
S−ジエチルアミノプロピルアセチルチオサリチラート酢酸塩
N−ジエチルアミノプロピルアセチルサリチルアミド酢酸塩、及び
ジプロピルアミノエチルアセチルサリチラート酢酸塩
から選択される、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の医薬組成物。
〔16'〕スプレーとして製剤化される、前記〔4'〕又は〔9'〕に記載の医薬組成物。
〔17'〕ホスファート緩衝液、水及びイソプロパノールから選択される医薬的に許容され得る担体を更に含む、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の医薬組成物。
〔18'〕前記化合物が、
である、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の医薬組成物。
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