JP2018058487A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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裕貴 中原
敏明 應矢
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敏明 應矢
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Abstract

【課題】左転舵輪および右転舵輪の少なくとも一方のタイヤ性能が低下した場合に、旋回性能が低下するのを抑制できる車両用操舵装置を提供する【解決手段】基本目標転舵角設定部61は、左基本目標転舵角δLO*および右基本目標転舵角δRO*を設定する。タイヤ性能演算部62L,62Rは、左転舵輪3LのコーナリングパワーCPLおよび右転舵輪3RのコーナリングパワーCPRを演算する。転舵角ゲイン設定部63L,63Rは、コーナリングパワーCPL,CPRに基づいて、左転舵角ゲインGLおよび右転舵角ゲインGRを設定する。ゲイン乗算部64Lは、左基本目標転舵角δLO*に左転舵角ゲインGLを乗算することによって左目標転舵角δL*を演算する。ゲイン乗算部64Rは、右基本目標転舵角δRO*に右転舵角ゲインGRを乗算することによって右目標転舵角δR*を演算する。【選択図】図5

Description

この発明は、左右の転舵輪を個別に転舵するための左右の転舵機構を含み、操向のために操作される操舵部材と左右の転舵機構とが機械的に結合されていない状態で、左右の転舵機構が左右の転舵モータによって個別に駆動される車両用操舵装置に関する。
自動運転に代表される高度運転支援機能を成立させるとともに、エンジンルームのレイアウトの自由度向上を目的とした、中間シャフトを使用しないステア・バイ・ワイヤシステムの有効性が評価され始めている。そして、エンジンルームのレイアウトの更なる自由度向上を図るために、下記特許文献1,2に示すように、ラックアンドピニオン機構等を含むステアリングギヤ装置を使用せず、左右の転舵輪を個別の転舵アクチュエータで制御する左右独立転舵システムが提案されている。
特開2008−174160号公報 特開2015−20586号公報
左右独立転舵システムでは、左右の転舵輪が独立して転舵されるため、少なくとも一方のタイヤ性能が低下すると、旋回性能が低下し、運転者に違和感を与える可能性がある。タイヤ性能は、空気圧低下やタイヤの摩耗によって低下する。タイヤ性能の指標には、コーナリングパワーがある。コーナリングパワーとは、タイヤの横滑り角に対するコーナリングフォースの立ち上がり勾配をいう。
この発明は、左転舵輪および右転舵輪の少なくとも一方のタイヤ性能が低下した場合に、旋回性能が低下するのを抑制できる車両用操舵装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、左転舵輪(3L)および右転舵輪(3R)を個別に転舵するための左転舵機構(5L)および右転舵機構(5R)を含み、操向のために操作される操舵部材(2)と前記左転舵機構および右転舵機構とが機械的に結合されていない状態で、前記左転舵機構および右転舵機構がそれぞれ左転舵モータ(4L)および右転舵モータ(4R)によって駆動される車両用操舵装置(1)であって、前記左転舵輪の転舵角の基本目標値である左基本目標転舵角および前記右転舵輪の転舵角の基本目標値である右基本目標転舵角を設定する基本目標転舵角設定手段(61)と、前記左転舵輪のタイヤ性能を検出する左タイヤ性能検出手段(62L)と、前記右転舵輪のタイヤ性能を検出する右タイヤ性能検出手段(62R)と、前記左タイヤ性能検出手段によって検出された前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて、前記左基本目標転舵角を修正することにより、左目標転舵角を演算する左目標転舵角演算手段(63L,64L;73L,74L)と、前記右タイヤ性能検出手段によって検出された前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて、前記右基本目標転舵角を修正することにより、右目標転舵角を演算する右目標転舵角演算手段(63R,64R;73R,74R)と、前記左目標転舵角演算手段によって演算された左目標転舵角に基づいて前記左転舵モータを制御する左転舵モータ制御手段(42L〜52L)と、前記右目標転舵角演算手段によって演算された右目標転舵角に基づいて前記右転舵モータを制御する右転舵モータ制御手段(42R〜52R)とを含む、車両用操舵装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この構成では、左転舵輪および右転舵輪の少なくとも一方のタイヤ性能が低下した場合に、旋回性能が低下するのを抑制できるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記左目標転舵角演算手段は、前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて左転舵角ゲインを設定する左転舵角ゲイン設定手段(63L)と、前記左転舵角ゲイン設定手段によって設定された左転舵角ゲインを前記左基本目標転舵角に乗算することにより、左目標転舵角を演算する手段(64L)とを含み、前記右目標転舵角演算手段は、前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて右転舵角ゲインを設定する右転舵角ゲイン設定手段(63R)と、前記右転舵角ゲイン設定手段によって設定された右転舵角ゲインを前記右基本目標転舵角に乗算することにより、右目標転舵角を演算する手段(64R)とを含む、請求項1に記載の車両用操舵装置である。
請求項3に記載の発明は、前記左目標転舵角演算手段は、前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて左転舵角修正量を設定する左転舵角修正量設定手段(73L)と、前記左転舵角修正量設定手段によって設定された左転舵角修正量を前記左基本目標転舵角に加算することにより、左目標転舵角を演算する手段(74L)とを含み、前記右目標転舵角演算手段は、前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて右転舵角修正量を設定する右転舵角修正量設定手段(73R)と、前記右転舵角修正量設定手段によって設定された右転舵角修正量を前記右基本目標転舵角に加算することにより、右目標転舵角を演算する手段(74R)とを含む、請求項1に記載の車両用操舵装置である。
請求項4に記載の発明は、前記左転舵モータに流れるq軸電流である左q軸電流を検出する左q軸電流検出手段(51L)と、前記右転舵モータに流れるq軸電流である右q軸電流を検出する右q軸電流検出手段(51R)と、前記左転舵輪の転舵角である左転舵角を検出する左転舵角検出手段(10L)と、前記右転舵輪の転舵角である右転舵角を検出する右転舵角検出手段(10R)とをさらに含み、前記左タイヤ性能検出手段は、前記左q軸電流検出手段によって検出される左q軸電流と、前記左転舵角検出手段によって検出される左転舵角とに基づいて、前記左転舵輪のタイヤ性能を演算するように構成されており、前記右タイヤ性能検出手段は、前記右q軸電流検出手段によって検出される右q軸電流と、前記右転舵角検出手段によって検出される右転舵角とに基づいて、前記右転舵輪のタイヤ性能を演算するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用操舵装置である。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための図解図である。 図2は、ECUの電気的構成例を示すブロック図である。 図3は、左転舵モータの構成を説明するための図解図である。 図4は、転舵モータ制御部の構成例を示すブロック図である。 図5は、目標転舵角設定部の構成を示すブロック図である。 図6は、操舵角θhに対する左基本目標転舵角δLO および右基本目標転舵角δRO の設定例を示すグラフである。 図7は、コーナリングパワーCPに対する左転舵角ゲインGの設定例を示すグラフである。 図8は、目標転舵角設定部の他の構成例を示すブロック図である。 図9は、コーナリングパワーCPに対する左転舵角修正量Δδの設定例を示すグラフである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための図解図であり、左右独立転舵システムが採用されたステア・バイ・ワイヤシステムの構成が示されている。
この車両用操舵装置1は、運転者が操向のために操作する操舵部材としてステアリングホイール2と、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3Rと、ステアリングホイール2の回転操作に応じて駆動される左転舵モータ4Lおよび右転舵モータ4Rと、左転舵モータ4Lの駆動力に基づいて左転舵輪3Lを転舵する左転舵機構5Lと、右転舵モータ4Rの駆動力に基づいて右転舵輪3Rを転舵する右転舵機構5Rとを備えている。左転舵モータ4Lには、左転舵モータ4Lの回転角を検出するための回転角センサ11Lが設けられている。右転舵モータ4Rには、右転舵モータ4Rの回転角を検出するための回転角センサ11Rが設けられている。
ステアリングホイール2と左転舵機構5Lおよび右転舵機構5Rとの間には、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクが左転舵機構5Lおよび右転舵機構5Rに機械的に伝達されるような機械的な結合はなく、ステアリングホイール2の操作量等に応じて左転舵モータ4Lおよび右転舵モータ4Rが駆動制御されることによって、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3Rが転舵されるようになっている。左転舵機構5Lおよび右転舵機構5Rとしては、例えば、特許文献2に開示されたサスペンション装置や、特許文献1に開示された転舵装置を用いることができる。
この実施形態では、転舵モータ4L,4Rが正転方向に回転されると、右方向に車両を換向させる方向(右転舵方向)に転舵輪3L,3Rの転舵角が変化し、転舵モータ4L,4Rが逆転方向に回転されると、左方向に車両を換向させる方向(左転舵方向)に転舵輪3L,3Rの転舵角が変化するものとする。
ステアリングホイール2は、車体側に回転可能に支持された回転シャフト6に連結されている。この回転シャフト6には、ステアリングホイール2に作用する反力トルク(操作反力)を発生する反力モータ7が設けられている。この反力モータ7は、例えば、回転シャフト6と一体の出力シャフトを有する電動モータにより構成されている。反力モータ7には、反力モータ7の回転角を検出するための回転角センサ12が設けられている。
回転シャフト6の周囲には、回転シャフト6の回転角(ステアリングホイール2の操舵角θh)を検出するための操舵角センサ8が設けられている。この実施形態では、操舵角センサ8は、回転シャフト6の中立位置(基準位置)からの回転シャフト6の正逆両方向の回転量(回転角)を検出するものであり、中立位置から右方向への回転量を例えば正の値として出力し、中立位置から左方向への回転量を例えば負の値として出力する。
また、回転シャフト6の周囲には、運転者によってステアリングホイール2に付与される操舵トルクThを検出するためのトルクセンサ9が設けられている。この実施形態では、トルクセンサ9によって検出される操舵トルクThは、右方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、左方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクの大きさが大きくなるものとする。
左転舵機構5Lの近傍には、左転舵輪3Lの転舵角δを検出するための左転舵角センサ10Lが備えられている。右転舵機構5Rの近傍には、右転舵輪3Rの転舵角δを検出するための右転舵角センサ10Rが備えられている。
操舵角センサ8、トルクセンサ9、左転舵角センサ10L、右転舵角センサ10R、回転角センサ11L,11R,12、左転舵モータ4L、右転舵モータ4Rおよび反力モータ7は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30にそれぞれ接続されている。ECU30は、左転舵モータ4L、右転舵モータ4Rおよび反力モータ7を制御する。
図2は、ECU30の電気的構成例を示すブロック図である。
ECU30は、マイクロコンピュータ31と、マイクロコンピュータ31によって制御され、左転舵モータ4Lに電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32Lと、左転舵モータ4Lに流れるモータ電流(三相電流)ILUVWを検出する電流検出部33Lとを含む。ECU30は、さらに、マイクロコンピュータ31によって制御され、右転舵モータ4Rに電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32Rと、右転舵モータ4Rに流れるモータ電流(三相電流)IRUVWを検出する電流検出部33Rとを含む。ECU30は、さらに、マイクロコンピュータ31によって制御され、反力モータ7に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)34と、反力モータ7に流れるモータ電流を検出する電流検出部35とを含む。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、左転舵モータ4Lの駆動回路32Lおよび右転舵モータ4Rの駆動回路32Rを制御するための転舵モータ制御部40と、反力モータ7の駆動回路34を制御するための反力モータ制御部80とを備えている。
左転舵モータ4Lは、例えば三相ブラシレスモータであり、図3に図解的に示すように、界磁としてのロータ100と、U相、V相およびW相のステータ巻線101,102,103を含むステータ105とを備えている。左転舵モータ4Lは、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
各相のステータ巻線101,102,103の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ100の磁極方向にd軸(磁極軸)をとり、ロータ100の回転平面内においてd軸と直角な方向にq軸(トルク軸)をとった二相回転座標系(dq座標系。実回転座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ100とともに回転する回転座標系である。dq座標系では、q軸電流のみがロータ100のトルク発生に寄与するので、d軸電流を零とし、q軸電流を所望のトルクに応じて制御すればよい。ロータ100の回転角(ロータ角(電気角))θは、U軸に対するd軸の回転角である。dq座標系は、ロータ角θに従う実回転座標系である。このロータ角θを用いることによって、UVW座標系とdq座標系との間での座標変換を行うことができる。右転舵モータ4Rおよび反力モータ7も、例えば三相ブラシレスモータからなり、左転舵モータ4Lと同様な構造を有している。
反力モータ制御部80は、トルクセンサ9によって検出される操舵トルクTh、操舵角センサ8によって検出される操舵角θh、電流検出部35によって検出されるモータ電流および回転角センサ12によって検出される回転角(ロータ角)に基づいて、反力モータ7の駆動回路34を駆動する。例えば、反力モータ制御部80は、操舵トルクThおよび操舵角θhに基づいて、反力モータ7に発生させるべき反力トルクの目標値である目標反力トルクを演算する。そして、反力モータ制御部80は、目標反力トルクに応じた反力トルクが反力モータ7から発生するように、反力モータ7の駆動回路34を駆動制御する。
転舵モータ制御部40は、操舵角センサ8によって検出される操舵角θh、左転舵角センサ10Lおよび右転舵角センサ10Rによってそれぞれ検出される左転舵角δおよび右転舵角δ、電流検出部33L,33Rによってそれぞれ検出されるモータ電流ILUVW,IRUVWならびに回転角センサ11L,11Rによってそれぞれ検出される回転角(ロータ角)θ,θに基づいて、転舵モータ4L,4Rの駆動回路32L,32Rを駆動する。
以下、転舵モータ制御部40について、詳しく説明する。
図4は、転舵モータ制御部40の構成例を示すブロック図である。
転舵モータ制御部40は、目標転舵角設定部41と、角速度演算部42L,42Rと、転舵角偏差演算部43L,43Rと、PI制御部(転舵角)44L,44Rと、角速度偏差演算部45L,45Rと、PI制御部(角速度)46L,46Rとを含む。転舵モータ制御部40は、さらに、電流偏差演算部47L,47Rと、PI制御部(電流)48L,48Rと、二相三相変換部49L,49Rと、PWM(Pulse Width Modulation)制御部50L,50Rと、三相二相変換部51L,51Rと、回転角演算部52L,52Rとを含む。
目標転舵角設定部41は、操舵角θh、転舵角δ,δおよび三相二相変換部51L,51Rによって得られるq軸検出電流ILq,IRqに基づいて、左転舵輪3Lの目標転舵角である左目標転舵角δ と、右転舵輪3Rの目標転舵角である右目標転舵角δ とを設定する。目標転舵角設定部41の詳細については、後述する。
角速度演算部42Lは、左転舵角センサ10Lによって検出される左転舵角δを時間微分することによって、左転舵角δの角速度(左転舵角速度)ωを演算する。角速度演算部42Rは、右転舵角センサ10Rによって検出される右転舵角δを時間微分することによって、右転舵角δの角速度(右転舵角速度)ωを演算する。
転舵角偏差演算部43Lは、目標転舵角設定部41によって設定される左目標転舵角δ と、左転舵角センサ10Lによって検出される左転舵角δとの偏差(δ −δ)を演算する。転舵角偏差演算部43Rは、目標転舵角設定部41によって設定される右目標転舵角δ と、右転舵角センサ10Rによって検出される右転舵角δとの偏差(δ −δ)を演算する。
PI制御部44Lは、転舵角偏差演算部43Lによって演算される左転舵角偏差(δ −δ)に対するPI演算を行なうことにより、左転舵角速度の目標値である左目標転舵角速度ω を演算する。PI制御部44Rは、転舵角偏差演算部43Rによって演算される右転舵角偏差(δ −δ)に対するPI演算を行なうことにより、右転舵角速度の目標値である右目標転舵角速度ω を演算する。
角速度偏差演算部45Lは、PI制御部44Lによって演算される左目標転舵角速度ω と、角速度演算部42Lによって演算される左転舵角速度ωとの偏差(ω −ω)を演算する。角速度偏差演算部45Rは、PI制御部44Rによって演算される右目標転舵角速度ω と、角速度演算部42Rによって演算される右転舵角速度ωとの偏差(ω −ω)を演算する。
PI制御部46Lは、角速度偏差演算部45Lによって演算される左転舵角速度偏差(ω −ω)に対するPI演算を行なうことにより、左転舵モータ4Lに流すべき二相電流の目標値である目標電流を演算する。具体的には、PI制御部46Lは、目標d軸電流ILd および目標q軸電流ILq (以下、これらを総称するときには「左目標二相電流ILdq 」という。)を演算する。さらに具体的には、PI制御部46Lは、PI演算結果を目標q軸電流ILq として設定する一方で、目標d軸電流ILd を零に設定する。PI制御部46Lによって演算される左目標二相電流ILdq は、電流偏差演算部47Lに与えられる。
PI制御部46Rは、角速度偏差演算部45Rによって演算される右転舵角速度偏差(ω −ω)に対するPI演算を行なうことにより、右転舵モータ4Rに流すべき二相電流の目標値である目標電流を演算する。具体的には、PI制御部46Rは、目標d軸電流IRd および目標q軸電流IRq (以下、これらを総称するときには「右目標二相電流IRdq 」という。)を演算する。さらに具体的には、PI制御部46Rは、PI演算結果を目標q軸電流IRq として設定するとともに、目標d軸電流IRd を零に設定する。PI制御部46Rによって演算される右目標二相電流IRdq は、電流偏差演算部47Rに与えられる。
回転角演算部52Lは、回転角センサ11Lの出力信号に基づいて、左転舵モータ4Lのロータの回転角(ロータ角θ)を演算する。三相二相変換部51Lは、電流検出部33Lによって検出されるUVW座標系の三相検出電流ILUVW(U相電流ILU、V相電流ILVおよびW相電流ILW)を、dq座標系の二相検出電流ILdq(以下総称するときには「二相検出電流ILdq」という。)に変換する。二相検出電流ILdqは、d軸検出電流ILdおよびq軸検出電流ILqからなる。これが電流偏差演算部47Lに与えられる。q軸検出電流ILqは、目標転舵角設定部41にも与えられる。三相二相変換部51Lにおける座標変換には、回転角演算部52Lによって演算されたロータ角θが用いられる。
回転角演算部52Rは、回転角センサ11Rの出力信号に基づいて、右転舵モータ4Rのロータの回転角(ロータ角θ)を演算する。三相二相変換部51Rは、電流検出部33Rによって検出されるUVW座標系の三相検出電流IRUVW(U相電流IRU、V相電流IRVおよびW相電流IRW)を、dq座標系の二相検出電流IRdq(以下総称するときには「二相検出電流IRdq」という。)に変換する。二相検出電流IRdqは、d軸検出電流IRdおよびq軸検出電流IRqからなる。これらが電流偏差演算部47Rに与えられる。q軸検出電流IRqは、目標転舵角設定部41にも与えられる。三相二相変換部51Rにおける座標変換には、回転角演算部52Rによって演算されたロータ角θが用いられる。
電流偏差演算部47Lは、PI制御部46Lによって演算される左目標二相電流ILdq と、三相二相変換部51Lによって演算される二相検出電流ILdqとの偏差を演算する。より具体的には、電流偏差演算部47Lは、目標d軸電流ILd に対するd軸検出電流ILdの偏差および目標q軸電流ILq に対するq軸検出電流ILqの偏差を演算する。これらの偏差は、PI制御部48Lに与えられる。
電流偏差演算部47Rは、PI制御部46Rによって演算される右目標二相電流IRdq と、三相二相変換部51Rによって演算される二相検出電流IRdqとの偏差を演算する。より具体的には、電流偏差演算部47Rは、目標d軸電流IRd に対するd軸検出電流IRdの偏差および目標q軸電流IRq に対するq軸検出電流IRqの偏差を演算する。これらの偏差は、PI制御部48Rに与えられる。
PI制御部48Lは、電流偏差演算部47Lによって演算される左モータ電流偏差に対するPI演算を行なうことにより、左転舵モータ4Lに印加すべき左目標二相電圧VLdq (目標d軸電圧VLd および目標q軸電圧VLq )を生成する。この左目標二相電圧VLdq は、二相三相変換部49Lに与えられる。PI制御部48Rは、電流偏差演算部47Rによって演算される右モータ電流偏差に対するPI演算を行なうことにより、右転舵モータ4Rに印加すべき右目標二相電圧VRdq (目標d軸電圧VRd および目標q軸電圧VRLq )を生成する。この右目標二相電圧VRdq は、二相三相変換部49Rに与えられる。
二相三相変換部49Lは、左目標二相電圧VLdq を左目標三相電圧VLUVW に変換する。この座標変換には、回転角演算部52Lによって演算されたロータ角θが用いられる。左目標三相電圧VLUVW は、目標U相電圧VLU 、目標V相電圧VLV および目標W相電圧VLW からなる。この左目標三相電圧VLUVW は、PWM制御部50Lに与えられる。
二相三相変換部49Rは、右目標二相電圧VRdq を右目標三相電圧VRUVW に変換する。この座標変換には、回転角演算部52Rによって演算されたロータ角θが用いられる。右目標三相電圧VRUVW は、目標U相電圧VRU 、目標V相電圧VRV および目標W相電圧VRW からなる。この右目標三相電圧VRUVW は、PWM制御部50Rに与えられる。
PWM制御部50Lは、目標U相電圧VLU 、目標V相電圧VLV および目標W相電圧VLW にそれぞれ対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路32Lに供給する。これにより、左目標三相電圧VLUVW に相当する電圧が左転舵モータ4Lの各相のステータ巻線に印可されることになる。PWM制御部50Rは、目標U相電圧VRU 、目標V相電圧VRV および目標W相電圧VRW にそれぞれ対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路32Rに供給する。これにより、右目標三相電圧VRUVW に相当する電圧が右転舵モータ4Rの各相のステータ巻線に印可されることになる。
転舵角偏差演算部43LおよびPI制御部44Lは、角度フィードバック制御手段を構成している。この角度フィードバック制御手段の働きによって、左転舵輪3Lの転舵角δが、目標転舵角設定部41によって設定される左目標転舵角δ に近づくように制御される。また、角速度偏差演算部45LおよびPI制御部46Lは、角速度フィードバック制御手段を構成している。この角速度フィードバック制御手段の働きによって、左転舵角速度ωが、PI制御部44Lによって演算される左目標転舵角速度ω に近づくように制御される。また、電流偏差演算部47LおよびPI制御部48Lは、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、左転舵モータ4Lに流れる二相電流ILdqが、PI制御部46Lによって演算される左目標二相電流ILdq に近づくように制御される。
同様に、転舵角偏差演算部43RおよびPI制御部44Rは、角度フィードバック制御手段を構成している。この角度フィードバック制御手段の働きによって、右転舵輪3Rの転舵角δが、目標転舵角設定部41によって設定される右目標転舵角δ に近づくように制御される。また、角速度偏差演算部45RおよびPI制御部46Rは、角速度フィードバック制御手段を構成している。この角速度フィードバック制御手段の働きによって、右転舵角速度ωが、PI制御部44Rによって演算される右目標転舵角速度ω に近づくように制御される。また、電流偏差演算部47RおよびPI制御部48Rは、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、右転舵モータ4Rに流れる二相電流IRdqが、PI制御部46Rによって演算される右目標二相電流IRdq に近づくように制御される。
次に、目標転舵角設定部41について、詳しく説明する。
図5は、目標転舵角設定部41の構成例を示すブロック図である。
目標転舵角設定部41は、基本目標転舵角設定部61と、タイヤ性能演算部(タイヤ性能検出手段)62L,62Rと、転舵角ゲイン設定部63L,63Rと、ゲイン乗算部64L,64Rとを含む。
基本目標転舵角設定部61は、操舵角センサ8によって検出される操舵角θhに基づいて、左基本目標転舵角δLO および右基本目標転舵角δRO を設定する。操舵角θhに対する左基本目標転舵角δLO および右基本目標転舵角δRO の設定例は図6に示されている。左基本目標転舵角δLO および右基本目標転舵角δRO は、操舵角θhが正のとき(右操舵時)には正の値とされ、操舵角θhが負のとき(左操舵時)には負の値とされる。
右操舵時には、右転舵輪3Rが内輪となり、左転舵輪3Lが外輪となる。右操舵時には、内輪側の右転舵輪3Rの転舵角の絶対値を外輪側の左転舵輪3Lの転舵角の絶対値よりも大きくするために、右基本目標転舵角δRO の絶対値は、左基本目標転舵角δLO の絶対値に比べて大きくなるように設定されている。この実施形態では、操舵角θhが正のときには、左基本目標転舵角δLO の絶対値は、操舵角θhが大きくなるほど一次関数的に大きくなるように設定されている。これに対して、右基本目標転舵角δRO の絶対値は、操舵角θhが大きくなるほど二次関数的に大きくなるように設定されている。
左操舵時には、左転舵輪3Lが内輪となり、右転舵輪3Rが外輪となる。左操舵時には、内輪側の左転舵輪3Lの転舵角の絶対値を外輪側の右転舵輪3Rの転舵角の絶対値よりも大きくするために、左基本目標転舵角δLO の絶対値は、右基本目標転舵角δRO の絶対値に比べて大きくなるように設定されている。この実施形態では、操舵角θhが負のときには、右基本目標転舵角δRO の絶対値は、操舵角θhの絶対値が大きくなるほど一次関数的に大きくなるように設定されている。これに対して、左基本目標転舵角δLO の絶対値は、操舵角θhの絶対値が大きくなるほど二次関数的に大きくなるように設定されている。このように、本実施形態では、公知のアッカーマン・ジャントー理論に基づいて、左右の基本目標転舵角δLO ,δRO が設定されている。
図5に戻り、タイヤ性能演算部62Lは、左転舵輪3Lのタイヤ性能を演算する。この実施形態では、タイヤ性能演算部62Lは、左転舵輪3LのコーナリングパワーCPを左転舵輪3Lのタイヤ性能として演算する。コーナリングパワーとは、タイヤの横滑り角に対するコーナリングフォースの立ち上がり勾配をいう。
具体的には、タイヤ性能演算部62Lは、転舵角センサ10Lによって検出される左転舵角δと三相二相変換部51Lによって演算されるq軸検出電流ILqとを例えば所定の演算周期毎に取得する。そして、取得した左転舵角δの絶対値|δ|が所定範囲内であるときには、次式(1)に基づいて、左転舵輪3LのコーナリングパワーCPを演算して、不揮発性メモリに記憶する。
CP=|ILq/δ| …(1)
例えば、タイヤの摩耗や空気圧の低下により、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下すると、左転舵角δに対するq軸検出電流ILdqの比の絶対値|ILq/δ|が小さくなり、コーナリングパワーCPも小さくなる。
タイヤ性能演算部62Lは、例えば車両が所定距離を走行する期間毎に、その期間内において不揮発性メモリに記憶されたコーナリングパワーCPの平均値を演算し、得られた平均値を最新のコーナリングパワーCPとして転舵角ゲイン設定部63Lに設定する。
転舵角ゲイン設定部63Lは、タイヤ性能演算部62Lによって設定されたコーナリングパワーCPに基づいて左転舵角ゲインGを設定する。コーナリングパワーCPに対する左転舵角ゲインGの設定例は図7に示されている。左転舵角ゲインGの最小値は、1である。コーナリングパワーCPが所定値A(A>0)以上である場合には、左転舵角ゲインGは最小値の1に設定される。コーナリングパワーCPが0からAまでの範囲である場合には、左転舵角ゲインGは、コーナリングパワーCPが小さくなるほど大きくなるように設定される。
ゲイン乗算部64Lは、基本目標転舵角設定部61によって設定された左基本目標転舵角δLO に、転舵角ゲイン設定部63Lによって設定された左転舵角ゲインGを乗算することによって、左目標転舵角δ を演算する。したがって、左基本目標転舵角δLO が同じであるとすると、左目標転舵角δ の絶対値は、コーナリングパワーCPが小さくなるほど、つまり、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下するほど大きくなる。つまり、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下すると、左目標転舵角δ の絶対値が増加するように修正されるので、旋回性能が低下するのを抑制することができる。これにより、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下した場合でも、旋回性能が悪化するのを抑制できる。
タイヤ性能演算部62Rは、右転舵輪3Rのタイヤ性能を演算する。具体的には、タイヤ性能演算部62Rは、転舵角センサ10Rによって検出される右転舵角δと三相二相変換部51Rによって演算されるq軸検出電流IRqとを例えば所定の演算周期毎に取得する。そして、取得した右転舵角δの絶対値|δ|が所定範囲内であるときには、次式(2)に基づいて、右転舵輪3RのコーナリングパワーCPを演算して、不揮発性メモリに記憶する。
CP=|IRq/δ| …(2)
タイヤ性能演算部62Rは、例えば車両が所定距離を走行する期間毎に、その期間内において不揮発性メモリに記憶されたコーナリングパワーCPの平均値を演算し、得られた平均値を最新のコーナリングパワーCPとして転舵角ゲイン設定部63Rに設定する。
転舵角ゲイン設定部63Rは、タイヤ性能演算部62Rによって設定されたコーナリングパワーCPに基づいて右転舵角ゲインGを設定する。コーナリングパワーCPに対する右転舵角ゲインGの設定例は前述の図7と同じである。
ゲイン乗算部64Rは、基本目標転舵角設定部61によって設定された右基本目標転舵角δRO に、転舵角ゲイン設定部63Rによって設定された右転舵角ゲインGを乗算することによって、右目標転舵角δ を演算する。したがって、右基本目標転舵角δRO が同じであるとすると、右目標転舵角δ の絶対値は、コーナリングパワーCPが小さくなるほど、つまり、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下するほど大きくなる。つまり、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下すると、右目標転舵角δ の絶対値が増加するように修正されるので、旋回性能が低下するのを抑制することができる。これにより、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下した場合でも、旋回性能が悪化するのを抑制できる。
図8は、目標転舵角設定部41の他の構成例を示すブロック図である。図8において、前述の図5の各部に対応する部分には、図5と同じ符号を付して示す。
目標転舵角設定部41は、基本目標転舵角設定部61と、タイヤ性能演算部62L,62Rと、転舵角修正量設定部73L,73Rと、修正量加算部74L,74Rとを含む。
基本目標転舵角設定部61は、図5の基本目標転舵角設定部61と同様な動作により、左基本目標転舵角δLO および右基本目標転舵角δRO を設定する。タイヤ性能演算部62Lは、図5のタイヤ性能演算部62Lと同様な動作により、左転舵輪3LのコーナリングパワーCPを求めて、転舵角修正量設定部73Lに設定する。タイヤ性能演算部62Rは、図5のタイヤ性能演算部62Rと同様な動作により、右転舵輪RのコーナリングパワーCPを求めて、転舵角修正量設定部73Rに設定する。
転舵角修正量設定部73Lは、タイヤ性能演算部62Lによって設定されたコーナリングパワーCPと操舵角θhとに基づいて左転舵角修正量Δδを設定する。コーナリングパワーCPに対する左転舵角修正量Δδの設定例は図9に示されている。操舵角θhが零である場合およびコーナリングパワーCPが所定値A(A>0)以上のときには、左転舵角修正量Δδは零に設定される。
操舵角θhが正の値である場合には、左転舵角修正量Δδは零以上の値をとり、コーナリングパワーCPが0から所定値Aまでの範囲においては、左転舵角修正量Δδは、コーナリングパワーCPが小さくなるほど大きくなるように設定される。また、左転舵角修正量Δδは、操舵角θhが大きくなるほど大きくなるように設定される。
操舵角θhが負の値である場合には、左転舵角修正量Δδは零以下の値をとり、コーナリングパワーCPが0から所定値Aまでの範囲においては、左転舵角修正量Δδの絶対値は、コーナリングパワーCPが小さくなるほど大きくなるように設定される。また、左転舵角修正量Δδは、操舵角θhの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定される。
修正量加算部74Lは、基本目標転舵角設定部61によって設定された左基本目標転舵角δLO に、転舵角修正量設定部73Lによって設定された左転舵角修正量Δδを加算することによって、左目標転舵角δ を演算する。したがって、左基本目標転舵角δLO が同じであるとすると、左目標転舵角δ の絶対値は、コーナリングパワーCPが小さくなるほど、つまり、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下するほど大きくなる。つまり、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下すると、左目標転舵角δ の絶対値が増加するように修正されるので、旋回性能が低下するのを抑制することができる。これにより、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下した場合でも、操舵感が悪化するのを抑制できる。
転舵角修正量設定部73Rは、タイヤ性能演算部62Rによって設定されたコーナリングパワーCPに操舵角θhとに基づいて右転舵角修正量Δδを設定する。コーナリングパワーCPに対する右転舵角修正量Δδの設定例は前述の図9と同じである。
修正量加算部74Rは、基本目標転舵角設定部61によって設定された右基本目標転舵角δRO に、転舵角修正量設定部73Rによって設定された右転舵角修正量Δδを加算することによって、右目標転舵角δ を演算する。したがって、右基本目標転舵角δRO が同じであるとすると、右目標転舵角δ の絶対値は、コーナリングパワーCPが小さくなるほど、つまり、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下するほど大きくなる。つまり、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下すると、右目標転舵角δ の絶対値が増加するように修正されるので、旋回性能が低下するのを抑制することができる。これにより、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下した場合でも、操舵感が悪化するのを抑制できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前記式(1),(2)に代えて、次式(1A),(2A)を用いてもよい。
CP=|ILq/δ|/B …(1A)
CP=|IRq/δ|/B …(2A)
前記式(1A)においてBは、左転舵輪3Lのタイヤ性能が低下していないときの左転舵角δに対するq軸検出電流ILqの比の絶対値|ILq/δ|であり、予め設定されている。また、前記式(2A)においてBは、右転舵輪3Rのタイヤ性能が低下していないときの右転舵角δに対するq軸検出電流IRqの比の絶対値|IRq/δ|であり、予め設定されている。
また、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3RのコーナリングパワーCPおよびCPは、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3Rにタイヤの摩耗度を検出する摩耗度センサをそれぞれ取り付けておき、これらの摩耗度センサによって検出されるタイヤの摩耗度に基づいて設定するようにしてもよい。具体的には、コーナリングパワーCPは左タイヤの摩耗度が高いほど小さくなるように設定され、コーナリングパワーCPは右タイヤの摩耗度が高いほど小さくなるように設定される。
また、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3RのコーナリングパワーCPおよびCPは、左転舵輪3Lおよび右転舵輪3Rにタイヤの空気圧を検出する空気圧センサをそれぞれ取り付けておき、これらの空気圧センサによって検出されるタイヤの空気圧に基づいて設定するようにしてもよい。具体的には、コーナリングパワーCPは左タイヤの空気圧が低いほど小さくなるように設定され、コーナリングパワーCPは右タイヤの空気圧が低いほど小さくなるように設定される。
また、前述の実施形態では、左転舵角センサ10Lによって左転舵角δを検出しているが、左転舵モータ4Lの回転角を検出するための回転角センサ11Lの出力信号に基づいて、左転舵角δを演算するようにしてもよい。同様に、前述の実施形態では、右転舵角センサ10Rによって右転舵角δを検出しているが、右転舵モータ4Rの回転角を検出するための回転角センサ11Rの出力信号に基づいて、右転舵角δを演算するようにしてもよい。このようにすると、左転舵角センサ10Lおよび右転舵角センサ10Rを省略できる。
また、左転舵モータ4Lを制御するためのECUと、右転舵モータ4Rを制御するためのECUと、反力モータ7を制御するためのECUとが、それぞれ独立して設けられていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…車両用操舵装置、2…ステアリングホイール、3L…左転舵輪、3R…右転舵輪、4L…左転舵モータ、4R…右転舵モータ、5L…左転舵機構、5R…右転舵機構、30…ECU、31…マイクロコンピュータ、40…転舵モータ制御部、41…目標転舵角設定部、61…基本目標転舵角設定部、62L,62R…タイヤ性能演算部、63L,63R…転舵角ゲイン設定部、64L,64R…ゲイン乗算部、73L,73R…転舵角修正量設定部、74L,74R…修正量加算部

Claims (4)

  1. 左転舵輪および右転舵輪を個別に転舵するための左転舵機構および右転舵機構を含み、操向のために操作される操舵部材と前記左転舵機構および右転舵機構とが機械的に結合されていない状態で、前記左転舵機構および右転舵機構がそれぞれ左転舵モータおよび右転舵モータによって駆動される車両用操舵装置であって、
    前記左転舵輪の転舵角の基本目標値である左基本目標転舵角および前記右転舵輪の転舵角の基本目標値である右基本目標転舵角を設定する基本目標転舵角設定手段と、
    前記左転舵輪のタイヤ性能を検出する左タイヤ性能検出手段と、
    前記右転舵輪のタイヤ性能を検出する右タイヤ性能検出手段と、
    前記左タイヤ性能検出手段によって検出された前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて、前記左基本目標転舵角を修正することにより、左目標転舵角を演算する左目標転舵角演算手段と、
    前記右タイヤ性能検出手段によって検出された前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて、前記右基本目標転舵角を修正することにより、右目標転舵角を演算する右目標転舵角演算手段と、
    前記左目標転舵角演算手段によって演算された左目標転舵角に基づいて前記左転舵モータを制御する左転舵モータ制御手段と、
    前記右目標転舵角演算手段によって演算された右目標転舵角に基づいて前記右転舵モータを制御する右転舵モータ制御手段とを含む、車両用操舵装置。
  2. 前記左目標転舵角演算手段は、
    前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて左転舵角ゲインを設定する左転舵角ゲイン設定手段と、
    前記左転舵角ゲイン設定手段によって設定された左転舵角ゲインを前記左基本目標転舵角に乗算することにより、左目標転舵角を演算する手段とを含み、
    前記右目標転舵角演算手段は、
    前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて右転舵角ゲインを設定する右転舵角ゲイン設定手段と、
    前記右転舵角ゲイン設定手段によって設定された右転舵角ゲインを前記右基本目標転舵角に乗算することにより、右目標転舵角を演算する手段とを含む、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記左目標転舵角演算手段は、
    前記左転舵輪のタイヤ性能に基づいて左転舵角修正量を設定する左転舵角修正量設定手段と、
    前記左転舵角修正量設定手段によって設定された左転舵角修正量を前記左基本目標転舵角に加算することにより、左目標転舵角を演算する手段とを含み、
    前記右目標転舵角演算手段は、
    前記右転舵輪のタイヤ性能に基づいて右転舵角修正量を設定する右転舵角修正量設定手段と、
    前記右転舵角修正量設定手段によって設定された右転舵角修正量を前記右基本目標転舵角に加算することにより、右目標転舵角を演算する手段とを含む、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記左転舵モータに流れるq軸電流である左q軸電流を検出する左q軸電流検出手段と、
    前記右転舵モータに流れるq軸電流である右q軸電流を検出する右q軸電流検出手段と、
    前記左転舵輪の転舵角である左転舵角を検出する左転舵角検出手段と、
    前記右転舵輪の転舵角である右転舵角を検出する右転舵角検出手段とをさらに含み、
    前記左タイヤ性能検出手段は、前記左q軸電流検出手段によって検出される左q軸電流と、前記左転舵角検出手段によって検出される左転舵角とに基づいて、前記左転舵輪のタイヤ性能を演算するように構成されており、
    前記右タイヤ性能検出手段は、前記右q軸電流検出手段によって検出される右q軸電流と、前記右転舵角検出手段によって検出される右転舵角とに基づいて、前記右転舵輪のタイヤ性能を演算するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
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