JP2018058224A - 保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法、加飾樹脂成形品の製造方法、及び製造システム - Google Patents

保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法、加飾樹脂成形品の製造方法、及び製造システム Download PDF

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【課題】射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いることができ、製造コストが低減された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法の提供。【解決手段】以下の工程1〜3を順に行う、保護フィルム1付き加飾樹脂成形品の製造方法。工程1:保護フィルム1が表面に設けられた加飾シート2と、雄型40及び雌型30の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型30,40とを用意する工程、工程2:微細な凹凸形状が配置された表面と保護フィルム1とが対向するようにして、射出成形金型30,40の内部に加飾シート2を挿入する工程、工程3:射出成形金型30,40を型締めし、射出成形金型30,40内に射出樹脂3を充填して、射出樹脂3の上に加飾シート2と保護フィルム1が積層された、保護フィルム1付き加飾樹脂成形品を得る工程、を、順に行う、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法、加飾樹脂成形品の製造方法、及び製造システムに関する。
従来、自動車内装等に用いられる樹脂成形品を装飾する方法としては、(A)射出成形によって未装飾の樹脂成形品を作製後、塗装によって装飾を施す方法、(B)印刷、金属蒸着等の手段により形成された装飾層を有する加飾シートを金型内に挿入した状態で射出成形を行い、樹脂成形品の作製と同時に装飾を施す方法等が、広く採用されている。
例えば、上記(A)の方法は、製造効率がよく安価に樹脂成形品を製造できるものの、基本的に単色の意匠しか得られない。これに対して、上記(B)の方法は、木目柄、抽象柄をはじめとする豊かな意匠表現が可能である。
このため、樹脂成形品を装飾する方法において、低価格帯の製品には上記(A)の方法が採用され、高価格帯の製品には上記(B)の方法が採用されるケースが多い。また、同一形状、同一機能の部材、製品であっても、顧客のニーズ等に応じて、上記(A)の方法による廉価品と、上記(B)の方法による高意匠品の両方が提供される場合もある。
ところで、上記(A)の方法の場合、塗料の塗布適性、密着性を良好とするために、塗装前の樹脂成形品の被塗装面を、微細な凹凸形状を有する粗面として、アンカー効果を発揮できるようにすることが求められる(例えば、特許文献1を参照)。そのため、射出成形金型のうち、樹脂成形品の被塗装面となる側の金型の表面に凹凸形状を設けておく手法が用いられる。また、特許文献1に開示されているように、樹脂成形品の表面を艶消しとするために微細な凹凸形状を形成する場合や、樹脂成形品の表面の静電気を低減するために微細な凹凸形状を形成する場合もある、このような場合にも、射出成形金型の表面に凹凸形状が設けられる。
また、上記(B)の方法においても、上記(A)の方法と同様、樹脂成形品の表面を艶消しとすることなどを目的として、射出成形金型の表面に凹凸形状が設けられることがある。
一方、上記(B)の方法において、平滑な表面の樹脂成形品を製造する場合に、金型内に微細な凹凸形状や傷があると、射出成形同時加飾を行った際に加飾シートの表面に金型の凹凸形状や傷が賦型され、加飾シートに設けられた本来の意匠を損なうことになる。このため、射出成形金型の表面のうち、加飾シートと対向する表面は、研磨等の手段により平滑化されていることが一般的である。
以上のように、射出成形金型の表面には、凹凸形状を設ける必要がある場合と、凹凸形状を設けてはならない場合とがある。このため、同一形状の樹脂成形品を製造する場合にも、射出成形金型の表面に凹凸形状が形成されていないもの、凹凸形状が形成されているものの双方の射出成形金型を用意する必要があり、加飾樹脂成形品の製造コストが増大している。
特開昭61−219607号公報
本発明は、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いることで、製造コストを低減した、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法を提供することを主な目的とする。また、本発明は、当該保護フィルム付き加飾樹脂成形品から加飾樹脂成形品を製造する方法を提供する。さらに、本発明は、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いて、フィルム付き加飾樹脂成形品を製造する方法と、加飾樹脂成形品を製造する方法とを備えている、製造システムを提供することも目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の工程を順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法を採用することにより、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いることができ、製造コストを低減できることを見出した。
工程1:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
を備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 以下の工程1〜3を順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。
工程1:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
を備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。
項2. 前記射出成形金型の表面に配置された微細な凹凸形状を有する表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.5μm以上8.0μm以下である、項1に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
項3. 前記射出成形金型の表面の微細な凹凸形状が、成形品の表面に塗布する塗料の密着性を高めるため、成形品の表面の艶を低下させるため、成形品の表面の静電気を低減するため、または成形品の表面に凹凸形状に基づく立体感を付与するために設けられたものである、項1または2に記載の加飾シートの表面に設けられたものである、項1または2に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
項4. 項1〜3のいずれかの保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法に次いで、前記保護フィルム付き加飾樹脂成形品の保護フィルムを剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
項5. 以下の工程1A〜工程3Aを順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法Aと、
工程1A:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2A:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3A:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
以下の工程1B〜工程3Bを順に備える、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品の製造方法Bと、
工程1B:加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2B:前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3B:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートが積層され、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品を得る工程
を備えており、
製造方法Aと製造方法Bにおいて、共通の前記射出成形金型を用いる、製造システム。
項6. 以下の工程1A〜工程3Aを順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法Aと、
工程1A:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2A:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3A:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
以下の工程1C及び工程2Cを順に備える、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品の製造方法Cと、
工程1C:雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型を用意する工程
工程2C:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品を得る工程
を備えており、
製造方法Aと製造方法Cにおいて、共通の前記射出成形金型を用いる、製造システム。
項7. 前記工程2Cの後、前記樹脂成形品の表面を塗装する工程3Cをさらに備える、項6に記載の製造システム。
本発明によれば、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いることができ、製造コストが低減された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該保護フィルム付き加飾樹脂成形品から加飾樹脂成形品を製造する方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いた、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を製造する方法と、加飾樹脂成形品を製造する方法とを備えている、製造システムを提供することもできる。
本発明の加飾樹脂成形品の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の製造方法に用いる保護フィルム付き加飾シートの略図的断面図である。 本発明の製造方法によって得られる保護フィルム付き加飾樹脂成形品の略図的断面図である。 本発明の製造方法によって得られる加飾樹脂成形品の略図的断面図である。
本発明の保護フィルム付きの加飾樹脂成形品の製造方法は、以下の工程1〜3を備えていることを特徴としている。
工程1:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
本発明の保護フィルム付きの加飾樹脂成形品の製造方法は、このような構成を備えていることにより、射出成形金型の表面の凹凸形状の有無によらずに、共通の射出成形金型を用いることができ、製造コストを低減することができる。さらに、本発明によれば、当該保護フィルム付き加飾樹脂成形品から保護フィルムを剥離することにより、加飾樹脂成形品を製造することができる。当該加飾樹脂成形品の表面は、射出成形時に保護フィルムによって保護されていたため、射出成形金型の凹凸形状が加飾樹脂成形品の表面に賦形されず、平坦面や所望の凹凸形状とすることができる。以下、図1〜図7を参照しながら、本発明の保護フィルム付きの加飾樹脂成形品の製造方法、加飾樹脂成形品の製造方法、さらに、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を製造する方法と、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品を製造する方法とを、共通の射出成形金型を用いて行う、本発明の製造システムについて、詳述する。
なお、本発明の保護フィルム付き加飾樹脂成形品10の製造に使用される、保護フィルム付き加飾シートの積層構造、各層の組成の具体例については、工程1〜工程3の説明の後に詳述する。また、本明細書において、数値範囲については、「以上」、「以下」と明記している箇所を除き、「〜」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2〜15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
(工程1)
本発明の保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法の工程1においては、例えば図1に示されるように、保護フィルム1が表面に設けられた加飾シート2(保護フィルム付き加飾シート)と、雄型40及び雌型30の少なくとも一方の表面Mに、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する。図1〜4においては、雌型30側が成形品の表面側、雄型40側が成形品の裏面側となる場合を想定し、雌型30の内側表面Mに微細な凹凸形状が配置された図を示している。なお、成形品の形状によっては雄型40型が成形品の表面側、雌型30側が成形品の裏面側となり、雄型40の内側表面に微細な凹凸形状を配置する態様であってもよい。
本発明で用いる射出成形金型の表面Mの微細な凹凸形状は、例えば、成形品の表面に塗布する塗料の密着性を高めるため、成形品の表面の艶を低下させるため、成形品の表面の静電気を低減するため、または成形品の表面に凹凸形状に基づく立体感を付与するために設けられたものである。
本発明で用いる射出成形金型において、微細な凹凸形状が配置された表面Mの中心線平均粗さ(Ra)としては、成形品の表面に付与する機能に応じて適宜設定されている。例えば、射出成形金型の表面の微細な凹凸形状が、成形品の表面に塗布する塗料の密着性を高めるために設けられたものであれば、当該中心線平均粗さ(Ra)として、例えば0.5〜8.0μm程度が挙げられる。なお、当該中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601:2001の規定に準拠し、射出成形金型の表面(微細な凹凸形状が配置された部分)について、測定した値である。
(工程2)
工程2においては、工程1の後、射出成形金型の微細な凹凸形状が配置された表面Mと、保護フィルム1とが対向するようにして、射出成形金型の内部に、保護フィルム付き加飾シートを挿入する。なお、図2に示されるように、工程2と工程3との間に、射出成形金型内で保護フィルム付き加飾シートを予備成形してもよい。また、保護フィルム付き加飾シートの予備成形は、射出成形金型外で行ってもよい。
予備成形を行う工程は、保護フィルム付き加飾シートを加熱した後、真空成形する工程を備えることが好ましい。このような予備成形により、射出成形金型が複雑な形状を備える場合にも、保護フィルム付き加飾シートの形状を射出成形金型の形状に好適に成形することができる。
加飾シート2を予備成形する場合の加熱温度、または工程3の前に保護フィルム付き加飾シートを加熱する温度は、保護フィルム1のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常はガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、保護フィルム1として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に70〜130℃程度である。あまり複雑でない形状の射出成形金型を用いる場合は、保護フィルム付き加飾シートを予備成形する工程や、工程3の前に保護フィルム付き加飾シートを加熱する工程を省略し、後述する工程3において、射出樹脂の熱と圧力によって保護フィルム付き加飾シートを射出成形金型の形状に成形してもよい。
(工程3)
工程3においては、例えば図3〜図4に示されるように、射出成形金型を型締めし、射出成形金型内に射出樹脂3を充填して、射出樹脂3の上に加飾シート2と保護フィルム1が積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る。すなわち、工程3においては、流動状態の射出樹脂3を射出成形金型内に射出し、保護フィルム付き加飾シートと射出樹脂3とを一体化させる。射出樹脂3が熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融によって流動状態にして、また、射出樹脂3が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の液状組成物を室温又は適宜加熱して流動状態で射出して、冷却して固化させる。これによって、保護フィルム付き加飾シートが、樹脂成形体と一体化して貼り付き、必要により保護フィルム付き加飾シートのうち樹脂成形体の周囲の余白部分を除去するトリミング工程を経て、保護フィルム付き加飾樹脂成形品が得られる。なお、トリミング工程は後述するように保護フィルム1を剥離した後に行ってもよい。
射出樹脂3の加熱温度は、射出樹脂の種類によるが、通常180〜320℃程度である。
射出樹脂3は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。射出樹脂3は、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよいが、通常、熱可塑性樹脂が用いられる。また、射出樹脂3は、透明または半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
工程3の後、保護フィルム付き加飾樹脂成形品から保護フィルム1を除去する。すなわち、工程3において充填された射出樹脂3が冷却などによって硬化して得られた保護フィルム付き加飾樹脂成形を射出成形金型から取り出した後、保護フィルム1を加飾樹脂成形品の表面(例えば、後述の表面保護層21)から剥離し、必要により加飾シート1のうち樹脂成形体の周囲の余白部分を除去するトリミング工程を経て、本発明の加飾樹脂成形品が得られる。
本発明の加飾樹脂成形品は、自動車等の車両の内装材又は外装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
(製造システム)
さらに、本発明においては、上記の保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法Aと、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品の製造方法B及び/または表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品の製造方法Cとを備える、以下の製造システムを提供することができる。すなわち、本発明の製造システムにおいては、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型を、共通する射出成形金型として用いて、製造方法Aによる上記の保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造と、製造方法Bによる表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品の製造及び/または製造方法Cによる表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品の製造を行うことができる。
(製造方法A)
製造方法Aは、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法であり、以下の工程1A〜工程3Aを順に備えている。なお、工程1A〜工程3Aは、前述の工程1〜3に対応している。
工程1A:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2A:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3A:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
(製造方法B)
また、製造方法Bは、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品の製造方法であり、以下の工程1B〜工程3Bを順に備えている。
工程1B:加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
工程2B:前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
工程3B:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートが積層され、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品を得る工程
製造方法Bにおいては、保護フィルムが表面に設けられた加飾シートの代わりに、保護フィルム1が表面に設けられていない加飾シート2を用いること以外は、製造方法Aと同様である。製造方法Bにおいては、保護フィルム1が表面に設けられていない加飾シート2を用いるため、射出成形金型の表面に配置された微細な凹凸形状が、加飾樹脂成形品の表面に賦形されるため、加飾樹脂成形品の表面は、微細な凹凸形状を備えている。
(製造方法C)
また、製造方法Cは、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品の製造方法であり、以下の工程1C及び工程2Cを順に備えている。
工程1C:雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型を用意する工程
工程2C:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品を得る工程
製造方法Cにおいては、加飾シートを用いないこと以外は、製造方法A,Bと同様である。製造方法Cにおいては、加飾シートを用いないため、射出成形金型の表面に配置された微細な凹凸形状が、樹脂成形品の表面に賦形され、樹脂成形品の表面は、微細な凹凸形状を備えている。ただし、製造方法Cで得られる樹脂成形品は、加飾シートによる加飾がなされていない。
製造方法Cにおいては、工程2Cの後、得られた樹脂成形品の表面を塗装する工程3Cをさらに備えていてもよい。工程2Cで得られた樹脂成形品の表面は、微細な凹凸形状を備えているため、工程3Cの塗装で形成される塗膜は、当該凹凸形状によるアンカー効果によって、樹脂成形品の表面に密着することができる。
製造方法Bによって製造される加飾樹脂成形品、及び製造方法Cによって製造される樹脂成形品の表面の凹凸形状は、例えば、成形品の表面に塗布する塗料の密着性を高めるため、成形品の表面の艶を低下させるため、成形品の表面の静電気を低減するため、または成形品の表面に凹凸形状に基づく立体感を付与するための凹凸形状である。従って、製造方法Bによって製造される加飾樹脂成形品及び製造方法Cによって製造される樹脂成形品の表面は、例えば、前述の中心線平均粗さ(Ra)を備えている。
本発明の製造システムを採用することにより、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型を共通する射出成形金型として用いて、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造と、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品及び/又は樹脂成形品の製造を行うことができる。前述の通り、保護フィルム付き加飾樹脂成形品からは、保護フィルムを剥離することにより、平坦面や所望の凹凸形状を有する加飾樹脂成形品を製造することができるため、本発明によれば、同一の製造システム内において、平坦面または所望の凹凸形状を有する加飾樹脂成形品の製造と、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品及び/又は樹脂成形品の製造の両者を行うことができる。従って、射出成形金型を複数種類用意する必要が無いだけでなく、共通する製造ラインで両加飾シートを製造することが可能となる。
[保護フィルム付き加飾シート]
本発明において、加飾樹脂成形品の製造に使用される、保護フィルム1が表面に設けられた加飾シート2の積層構造、各層の組成の具体例は、以下の通りである。
保護フィルム付き加飾シートの積層構造
保護フィルム付き加飾シートは、図5に示されるように、保護フィルム1と加飾シート2とが積層された構造を備えており、加飾シート2は、例えば、意匠層23を備えている。加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐薬品性を向上させることなどを目的として、加飾シート2の保護フィルム1側の表面には、表面保護層21が必要に応じて設けられていてもよい。また、表面保護層21の密着性を高めることなどの目的として、表面保護層21の意匠層23側には、プライマー層22が必要に応じて隣接していてもよい。さらに、加飾シート2と射出樹脂3の接着性を高めることなどを目的として、加飾シート2の保護フィルム1とは反対側の表面には、接着層24が必要に応じて設けられていてよい。加飾シート2には、さらに他の層が1層以上含まれていてもよい。以下、保護フィルム1と、加飾シート2に設けられる代表的な層について説明する。
なお、本発明で用いられる加飾シート2は、保護フィルム1側の表面が平坦面であってもよいし、所望の凹凸形状を備えていてもよい。加飾シート2の表面に凹凸形状を形成する方法としては、複数の盛上げ部を形成する方法や、エンボス加工などによって形成する方法が挙げられる。一般的に表面に凹凸形状を備える加飾シート2を射出成形に用いた場合、射出成形時の熱や圧力によって凹凸形状が平坦化してしまいやすいが、保護フィルム1を備えた保護フィルム付き加飾シートを用いる本発明の製造方法では、保護フィルム1がクッションとしての機能を果たし、凹凸形状を維持しやすいという効果も期待できる。
[保護フィルム1]
保護フィルム1は、微細な凹凸形状を備える射出成形金型から加飾シート2の表面を保護する機能を発揮する層である。保護フィルム1としては、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルシートを用いることが、耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点で好ましい。ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
本発明の加飾シート2の保護フィルム1側の表面が凹凸形状を備えていている場合、射出成形時の熱圧による当該凹凸形状を好適に保護する観点から、保護フィルム1は、当該凹凸形状の凹部を埋めていることが好ましい。
保護フィルム1の厚みは、通常10〜150μmであり、30〜100μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。また、保護フィルム1としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
[離型層]
保護フィルム1と加飾シート2と剥離性を高めることなどを目的として、これらの層間に、必要に応じて離型層(図示しない)を設けてもよい。離型層は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。
離型層の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μm程度である。
[意匠層23]
加飾樹脂成形品に装飾性を付与する場合、加飾シートには、例えば、意匠層23が設けられる。意匠層23は、着色剤、バインダー樹脂、及び溶剤又は分散媒を含む印刷インキを用いて形成されたものであってもよいし、金属薄膜によって形成されたものであってもよい。
着色剤としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、錫、チタン、リン化鉄、銅、金、銀、真鍮等の金属、合金、又は金属化合物の鱗片状箔粉からなるメタリック顔料;マイカ状酸化鉄、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、二酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料;アルミン酸ストロンチウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸バリウム、硫化亜鉛、硫化カルシウム等の蛍光顔料;二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色無機顔料;カーボンブラック、マグネタイト型四酸化三鉄などの黒色顔料;亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛等の無機顔料;イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む)等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、意匠層23の形成に用いられる印刷インキのバインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、意匠層23の形成に用いられる印刷インキの溶剤又は分散媒としては、特に制限されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等が挙げられる。これらの溶剤又は分散媒は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、意匠層23の形成に使用される印刷インキには、必要に応じて、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、滑剤等が含まれていてもよい。
意匠層23は、意匠層23に隣接する層の上に、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の公知の印刷法によって形成することができる。
意匠層23が金属薄膜によって形成されている場合、金属としては、スズ、インジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、亜鉛、及びこれらのうち少なくとも1種を含む合金などが挙げられる。また、金属薄膜は、これらの金属を用いた、真空蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより形成できる。特に、真空蒸着法は、低コスト、被蒸着体へのダメージが少ないという点で好ましい。蒸着の条件は、用いる金属の溶融温度又は蒸発温度に応じて適宜設定すればよい。また、上記の形成方法以外に、上記の金属を含むペーストを塗工する方法、上記の金属を用いためっき法などを用いることもできる。
また、意匠層23は、単色(所謂、全面ベタ)であってもよいし、柄状に形成されていてもよい。意匠層23は、半透明であってもよい。
意匠層23の厚さについては、特に制限されないが、印刷インキの場合、例えば、1〜40μm、好ましくは3〜30μmが挙げられ、金属薄膜の場合、好ましくは100nm以下、より好ましくは40〜60nm程度が挙げられる。
[表面保護層21]
表面保護層21は、加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐薬品性などを高めるために、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、加飾シート2に設けられる層である。
表面保護層21を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加飾シートの耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、表面保護層21を形成する樹脂は、加飾シート2の用途に応じて適宜選択することができる。表面保護層21は、例えば電離放射線硬化性樹脂1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。
表面保護層21の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層21の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
加飾シート2において、表面保護層21は、硬化または半硬化したものであってもよいし、未硬化であってもよい。なお、表面保護層21が未硬化、半硬化である場合には、加飾シート2と射出樹脂3とを一体化した後に、表面保護層21を硬化する工程を行う。
表面保護層21の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層21を、電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。
[プライマー層22]
プライマー層22は、表面保護層21とその下(保護フィルム1とは反対側)に位置する層との密着性を高めるために、必要に応じて設けられる層である。
プライマー層22の形成に用いられる樹脂としては、特に制限されず、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
プライマー層22の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
[接着層24]
接着層24は、加飾シート2と射出樹脂3との接着性を向上させることなどを目的として、意匠層23の裏面(保護フィルム1とは反対側)に必要に応じて設けられる層である。
接着層24を形成する樹脂としては、これらの層間の接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層24の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度、さらに好ましくは1〜8μm程度が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材層としてABS樹脂フィルム(厚み200μm)を用い、当該基材層上にアクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて木目柄の意匠層(厚み5μm)をグラビア印刷により形成した。次いで、意匠層上にアクリルポリオール及びヘキサメチレンジイソシアネートを含む2液硬化型のプライマー層用樹脂組成物を塗布し、乾燥させてプライマー層(厚み2μm)を形成した。次いで、プライマー層上にウレタンアクリレート系樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電子線を照射して表面保護層(厚み10μm)を形成した。表面保護層は平滑であり、高い光沢を有するものであった。次いで、表面保護層上にポリエチレン樹脂を押出し製膜して保護フィルム(厚み60μm)を積層することにより、保護フィルム付き加飾シートを作製した。
得られた保護フィルム付き加飾シートを、保護フィルム側が雌型側を向くように射出成形金型中に供給し、シートの外周をクランプで固定した。なお、射出成形金型として、射出成形によって未装飾の樹脂成形品を作製後、塗装によって装飾を施す方法に用いられるものを用いた。当該射出成形金型の雌型の内表面には、微細な凹凸形状(中心線平均粗さ(Ra)=2.0μm)が配置されている。次いで、約350℃に加熱した熱盤を用い、保護フィルム付き加飾シートの表面温度が約100℃となるまで約8秒間加熱し、射出成形金型内に設けられた真空孔より真空引きを行い、金型形状に保護フィルム付き加飾シートを沿わせて予備成形を行った。次に、射出成形金型を型締めし、透明ABS樹脂を射出して射出成形を行った。型を開いて加飾樹脂成形品を取り出し、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得た。次に、保護フィルム付き加飾樹脂成形品から保護フィルムを剥離して、加飾樹脂成形品を得た。得られた加飾樹脂成形品の表面には、射出成形金型内に設けられた微細な凹凸形状が賦形されておらず、平坦な表面と高い光沢を有していた。
1 保護フィルム
2 加飾シート
3 射出樹脂
10 保護フィルム付き加飾樹脂成形品
11 加飾樹脂成形品
21 表面保護層
22 プライマー層
23 意匠層
24 接着層
30 射出成形金型の雌型
40 射出成形金型の雄型
M 微細な凹凸形状

Claims (7)

  1. 以下の工程1〜3を順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。
    工程1:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
    工程2:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
    工程3:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
    を備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記射出成形金型の表面に配置された微細な凹凸形状を有する表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.5μm以上8.0μm以下である、請求項1に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記射出成形金型の表面の微細な凹凸形状が、成形品の表面に塗布する塗料の密着性を高めるため、成形品の表面の艶を低下させるため、成形品の表面の静電気を低減するため、または成形品の表面に凹凸形状に基づく立体感を付与するために設けられたものである、請求項1または2に記載の加飾シートの表面に設けられたものである、請求項1または2に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法に次いで、前記保護フィルム付き加飾樹脂成形品の保護フィルムを剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
  5. 以下の工程1A〜工程3Aを順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法Aと、
    工程1A:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
    工程2A:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
    工程3A:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
    以下の工程1B〜工程3Bを順に備える、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品の製造方法Bと、
    工程1B:加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
    工程2B:前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
    工程3B:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートが積層され、表面に微細な凹凸形状を備える加飾樹脂成形品を得る工程
    を備えており、
    製造方法Aと製造方法Bにおいて、共通の前記射出成形金型を用いる、製造システム。
  6. 以下の工程1A〜工程3Aを順に備える、保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法Aと、
    工程1A:保護フィルムが表面に設けられた加飾シートと、雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型とを用意する工程
    工程2A:前記微細な凹凸形状が配置された表面と前記保護フィルムとが対向するようにして、前記射出成形金型の内部に前記加飾シートを挿入する工程
    工程3A:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、射出樹脂の上に加飾シートと保護フィルムが積層された、保護フィルム付き加飾樹脂成形品を得る工程
    以下の工程1C及び工程2Cを順に備える、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品の製造方法Cと、
    工程1C:雄型及び雌型の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸形状が配置された射出成形金型を用意する工程
    工程2C:前記射出成形金型を型締めし、前記射出成形金型内に射出樹脂を充填して、表面に微細な凹凸形状を備える樹脂成形品を得る工程
    を備えており、
    製造方法Aと製造方法Cにおいて、共通の前記射出成形金型を用いる、製造システム。
  7. 前記工程2Cの後、前記樹脂成形品の表面を塗装する工程3Cをさらに備える、請求項6に記載の製造システム。
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