JP2018056388A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いMR比を実現できる磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】この磁気抵抗効果素子は、下地層と、第一の強磁性金属層と、トンネルバリア層と、第二の強磁性金属層と、がこの順に積層された積層体を有し、前記下地層は、窒化物で構成され、前記トンネルバリア層は、MgAl、ZnAl、MgO及びγ−Alからなる群から選択されるいずれかにより構成され、前記トンネルバリア層の格子定数と前記下地層がとりうる結晶構造の格子定数との格子整合度が5%以内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子に関するものである。
強磁性層と非磁性層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)素子、及び、非磁性層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)を用いたトンネル磁気抵抗(TMR)素子が知られている。一般に、TMR素子は、GMR素子と比較して素子抵抗が高いものの、TMR素子の磁気抵抗(MR)比は、GMR素子のMR比より大きい。そのため、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)用の素子として、TMR素子に注目が集まっている。
TMR素子は、電子のトンネル伝導のメカニズムの違いによって2種類に分類することができる。一つは、強磁性層間の波動関数の滲み出し効果(トンネル効果)のみを利用したTMR素子である。もう一つは、トンネル効果を生じた際にトンネルする非磁性絶縁層の特定の軌道の伝導を利用したコヒーレントトンネル(特定の波動関数の対称性を有する電子のみがトンネルする)が支配的なTMR素子である。コヒーレントトンネルが支配的なTMR素子は、トンネル効果のみを利用したTMR素子と比較して、大きいMR比が得られることが知られている。
磁気抵抗効果素子において、コヒーレントトンネル効果を得るためには、二つの強磁性金属層とトンネルバリア層が互いに結晶質であり、二つの強磁性金属層とトンネルバリア層の界面が結晶学的に連続になっている必要がある。
コヒーレントトンネル効果を得ることができるトンネルバリア層としては、MgOが広く知られている。またMgOに代わる材料の検討も進められている。例えば、特許文献1には、MgOに代わる材料としてスピネル構造を有するMgAlが報告されている。また特許文献2には、不規則化したスピネル構造を有するMgAlをトンネルバリア層に用いることが記載されている。
特許第5586028号公報 特開2013−175615号公報
国立研究開発法人物質・材料研究機構、"AtomWork"、[平成28年8月23日検索]、インターネット <URL:http://crystdb.nims.go.jp/>. Yibin Xu, Masayoshi Yamazaki, and Pierre Villars. Inorganic Materials Database for Exploring the Nature of Material. Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 11RH02.
しかしながら、これらのトンネルバリア層と強磁性層の格子整合性が良いからと言って、量産にそのまま適用できるわけではない。例えば、磁気ヘッドでは磁気抵抗効果素子の下部に磁気シールドを設置する必要がある。また、MRAMでは磁気抵抗効果素子の下部に半導体回路を設置する必要がある。すなわち、量産化にあたり材料選定に制限がかかる場合がある。このような制限を避けるために、結晶化しやすく磁気抵抗効果素子の構成元素の結晶構造に適したシード層材料を使用する方法もあるが、シード層の結晶性を確保するために膜厚を厚くする必要があるなど、量産上の課題がある。このような課題が存在する中で、トンネルバリア層を構成する材料をMgOからその他の材料に変更すると、十分なMR比が得られない場合があった。
例えば、特許文献1及び2では、トンネルバリア層と強磁性層との格子ミスマッチを低減し、MR比を高めている。しかしながら、トンネルバリア層と強磁性層との格子整合を行っても、十分なMR比が得られない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高いバイアス電圧下において従来のトンネルバリアを用いたTMR素子よりも高いMR比を生じる磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、トンネルバリア層を構成する材料の結晶の格子定数と下地層を構成する窒化物がとりうる結晶の格子定数との差が小さいほど、MR比が大きくなっていることを見出した。
これは従来の常識を覆す結果である。一般に、反応性スパッタ法によって成膜される窒化物膜はアモルファスであると言われている。そうすると、反応性スパッタ法によって成膜された下地層はアモルファスであるということになる。実際に下地層は、透過型電子顕微鏡(TEM)像や電子線回折像でも結晶性は確認されない。
下地層が完全なアモルファスであるならば、その上の層との結晶学的相関はないはずである。これに対し、検討の結果得られるMR比は、下地層との相関関係がある。この理由を推測するに、下地層は、完全に結晶化しているということではないが、完全にアモルファスでもないのではないかと考えられる。すなわち下地層は、TEMや電子顕微鏡で像を得られるほど原子が規則的に配列していないが、局所的に結晶的な部分を有していたり、結晶構造の名残を残す緩やかな規則性を有しているという描像が現実に近いのではないかと考えられる。反応性スパッタ法によって成膜される下地層はアモルファスであるとしていた現状に対して、下地層とトンネルバリア層の関係を調整するということは、磁気抵抗効果素子のMR比向上の新しい方向性を開くものである。
(1)本発明の一態様にかかる磁気抵抗効果素子は、下地層と、第一の強磁性金属層と、トンネルバリア層と、第二の強磁性金属層と、がこの順に積層された積層体を有し、前記下地層は、窒化物で構成され、前記トンネルバリア層は、MgAl、ZnAl、MgO及びγ−Alからなる群から選択されるいずれかにより構成され、前記トンネルバリア層の格子定数と前記下地層がとりうる結晶構造の格子定数との格子整合度が5%以内である。
(2)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記下地層がとりうる結晶構造が、正方晶構造である。
(3)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記トンネルバリア層がMgAlまたはZnAlであり、前記下地層がTi、V、Mo、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であってもよい。
(4)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記トンネルバリア層がMgOであり、前記下地層がTi、Nb、V、Ta及びMoからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であってもよい。
(5)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記トンネルバリア層がγ−Alであり、前記下地層がV、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であってもよい。
(6)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記下地層の電気抵抗率が200μΩ・cm以下であってもよい。
(7)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第一の強磁性金属層及び前記第二の強磁性金属層が、FeとCoの少なくも一方を主成分とする強磁性体により構成されていてもよい。
(8)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第一の強磁性金属層の厚みが3nm以下であってもよい。
(9)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記下地層の厚みが、1.0nm以上20.0nm以下であってもよい。
(10)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第二の強磁性金属層のトンネルバリア層側とは反対側の表面に、キャップ層がさらに積層されていてもよい。
(11)上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記キャップ層は、原子番号がイットリウム以上の非磁性金属により構成されていてもよい。
本発明によれば、高いMR比を生じる磁気抵抗効果素子を提供することができる。
本実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面模式図である。 スピネルの結晶構造の図である。 規則性スピネル及びスケネル構造の構成単位を示す図である。 トンネルバリア層と強磁性金属層が格子整合している部分の一例である。 トンネルバリア層3の積層方向に平行な方向を含む断面の構造模式図である。 本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子を備える磁気抵抗効果デバイスの側面模式図である。 磁気抵抗効果デバイスを積層方向から平面視した模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
「磁気抵抗効果素子」
図1は、本実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面模式図である。図1に示す磁気抵抗効果素子10は、基板11上に設けられている。図1に示す磁気抵抗効果素子10は、基板11側から下地層4、第一の強磁性金属層1、トンネルバリア層3、第二の強磁性金属層2、キャップ層5の順に積層されている。キャップ層5は必須の層ではなく、除いてもよい。
まず、磁気抵抗効果素子10を構成する各層の構成について具体的に説明する。
(第一の強磁性金属層、第二の強磁性金属層)
第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の材料として、強磁性材料、特に軟磁性材料が適用される。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの群から選択される金属を1種以上含む合金、又は、これらのから選択される1又は複数の金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金が挙げられる。具体的には、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Feが例示できる。
また第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の材料として、CoFeSiなどのホイスラー合金を用いることができる。ホイスラー合金はスピン分極率が高く、高いMR比を実現できる。ホイスラー合金は、XYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、またはCu族の遷移金属元素または貴金属元素である。Yは、Mn、V、CrまたTi族の遷移金属であり、Xの元素種をとることもできる。Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−bなどが挙げられる。
第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、強磁性材料を3nm以下とすることが好ましい。トンネルバリア層3との界面で、第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2に垂直磁気異方性を付加することができる。また、垂直磁気異方性は第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の膜厚を厚くすることによって効果が減衰するため、第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の膜厚は薄い方が好ましい。
また、第一の強磁性金属層1よりも保磁力を大きくするために、第二の強磁性金属層2と接する材料としてIrMn,PtMnなどの反強磁性材料を用いても良い。さらに、第二の強磁性金属層2の漏れ磁場を第一の強磁性金属層1に影響させないようにするため、シンセティック強磁性結合の構造としても良い。
第二の強磁性金属層2の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、CoとPtの積層膜を用いることが好ましい。第二の強磁性金属層2は例えば、[Co(0.24nm)/Pt(0.16nm)]/Ru(0.9nm)/[Pt(0.16nm)/Co(0.16nm)]/Ta(0.2nm)/FeB(1.0nm)とすることで、磁化の向きを垂直にすることができる。
一般的に、第一の強磁性金属層1は磁化の向きが第一の強磁性金属層1よりも容易に外部磁場やスピントルクによって可変することができるため、自由層と呼ばれる。また、第二の強磁性金属層2は、磁化の向きが固定される構造となっており、第一の強磁性金属層1は固定層と呼ばれる。
(トンネルバリア層)
トンネルバリア層3は非磁性絶縁材料からなる。トンネルバリア層3の膜厚は、一般的に3nm以下の厚さである。金属材料によってトンネルバリア層3を挟み込むと金属材料の原子が持つ電子の波動関数がトンネルバリア層3を超えて広がるため、回路上に絶縁体が存在するにも関わらず電流が流れる。磁気抵抗効果素子10は、トンネルバリア層3を強磁性金属材料(第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2)で挟み込む構造であり、挟み込んだ強磁性金属のそれぞれの磁化の向きの相対角によって抵抗値が決定される。
磁気抵抗効果素子10には、通常のトンネル効果を利用したものとトンネル時の軌道が限定されるコヒーレントトンネル効果が支配的なものがある。通常のトンネル効果では強磁性材料のスピン分極率によって磁気抵抗効果が得られるが、コヒーレントトンネルではトンネル時の軌道が限定される。そのため、コヒーレントトンネルが支配的な磁気抵抗効果素子では、強磁性金属材料のスピン分極率以上の効果が期待できる。コヒーレントトンネル効果を発現するためには、強磁性金属材料及びトンネルバリア層3が結晶化し、特定の方位で接合することが好ましい。
トンネルバリア層3は、MgAl、ZnAl、MgO及びγ−Alからなる群から選択されるいずれかにより構成されている。なお、ここで示す組成式は理論式として示しており、実際にはこの組成式から比率がずれる範囲も含まれる。例えば、酸素欠損が生じMgAl4−α(αは実数)となる場合や、MgとAlの比率が変化しMg1−βAl2+β(βは実数)となる場合等を含む。
トンネルバリア層3は、スピネル構造又は岩塩型構造を有する。MgOは岩塩型構造をとり、MgAl、ZnAl及びγ−Alはスピネル構造をとる。岩塩型構造はいわゆるNaCl型構造であり、Mgイオンと酸素イオンが交互に配列する。一方で、ここで言うスピネル構造とは、規則性スピネル構造とスケネル構造のいずれも含む概念である。
図2は、スピネル型結晶構造を模式的に示した図である。スピネル構造は、陽イオンと酸素イオンにより構成された結晶構造である。スピネル構造において陽イオンが配置される部分は、酸素が4配位するAサイトと、酸素が6配位するBサイトがある。図2において、符号Oは酸素イオン、符号AはAサイト、符号BはBサイト、符号aspinelはスピネル構造の格子定数を意味する。
スケネル構造は、スピネル構造の陽イオンが不規則化した構造である。スケネル構造は、酸素イオンの配列はスピネルとほぼ同等の最密立方格子を取っているものの、陽イオンの原子配列が乱れている。規則性スピネル構造では、酸素イオンの四面体空隙及び八面体空隙に陽イオンは規則正しく配列する。これに対し、スケネル構造では陽イオンがランダムに配置され、本来では占有されない酸素原子の四面体位置及び八面体位置に陽イオンが位置する。その結果、スケネル構造は結晶の対称性が変わり、規則性スピネル構造に対して実質的に格子定数が半減した構造となっている。
図3は、規則性スピネル及びスケネル構造の構成単位を示す図である。規則性スピネル及びスケネル構造は、図3(a)〜(e)に示す5つの構成単位を取ることが可能である。図3(a)〜(c)はFm−3mの空間群の対称性を有し、図3(d)及び(e)はF−43mの空間群の対称性を有する。スケネル構造は、これらの構造のいずれかにより構成されてもよいし、これらが混ざり合って構成されていてもよい。図3(a)〜(e)において、符号Oは酸素イオン、符号Cは陽イオンが入るサイト、符号aspinel/2はスピネル構造の格子定数の半分を意味し、スケネル構造の格子定数を意味する。陽イオンが入るサイトは、図2におけるAサイト又はBサイトのいずれかに対応する。
例えば、トンネルバリア層3がMgAlまたはZnAlからなる場合、Aサイトが非磁性の二価の陽イオンであるMgまたはZnであり、BサイトがAlとなる。トンネルバリア層3がγ―Alの場合、CサイトにAlが入り、一部が欠損する。
トンネルバリア層3の格子構造の繰返しの単位が変わると、強磁性金属層を構成する材料との電子構造(バンド構造)との組み合わせが変化し、コヒーレントトンネル効果による大きなTMRエンハンスが現れる。例えば、非磁性のスピネル材料であるMgAlの空間群はFd−3mであるが、格子定数が半減した不規則化したスピネル構造の空間群はFm−3mもしくはF−43mに変化する。
岩塩型構造、規則性スピネル構造及びスケネル構造は、全体としては立方晶に分類される。そのため、原則的にはトンネルバリア層3も立方晶の結晶構造となる。一方で、トンネルバリア層3は、単体のバルクとして存在する訳ではなく、薄膜として形成されている。またトンネルバリア層3は、単層で存在する訳ではなく、複数の層が積層された積層体の一部である。そのため、トンネルバリア層3は、立方晶が部分的に歪んだ結晶構造も取りうる。一般的に、トンネルバリア層3の立方晶からのずれはわずかであり、構造を評価する測定方法の精度に依存する。
(下地層)
下地層4は、窒化物で構成される。例えば下地層4を構成する材料として、Ti、Nb、V、Hf、Ta、Mo、Ga、Zr、Al、Ceからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物等が挙げられる。
下地層4は、完全な結晶状態とアモルファスの間のような状態を有していると考えられる。下地層4は、一般に反応性スパッタ法により成膜される。反応性スパッタ法は結晶成長を行うものではないため、一般に下地層はアモルファスであると考えられていた。その一つの証明として、透過型電子顕微鏡(TEM)像や電子線回折像でも結晶性は確認されてなかった。
一方で検討の結果、下地層4とトンネルバリア層3を適切に選択すると磁気抵抗効果素子10のMR比が高まることが見出された。下地層4が完全なアモルファスであるならば、その上の層との結晶学的相関はないはずであり、下地層4が何らかの結晶性を有していると考えないと、説明がつかない現象が確認された。
透過型電子顕微鏡(TEM)像や電子線回折像は、電子線を対象に照射して、透過する電子線の強弱や干渉像を用いて、原子の空間分布を把握している。そのため、ある程度の原子が存在しないと、十分な結晶構造を確認することができない。つまり、下地層4は、TEMや電子顕微鏡で像を得られるほど原子が規則的に配列していないが、局所的に結晶的な部分を有していたり、結晶構造の名残を残す緩やかな規則性を有しているという描像を有していると考えられる。
下地層4は、導電性が高いものが好ましい。具体的には、下地層4の電気抵抗率は200μΩ・cm以下であることが好ましい。
スピントランスファートルク(STT)を利用して磁化反転を行う場合、磁気抵抗効果素子10の積層方向に電流を流す。そのため、基板11と下地層4の間に金属層を形成し、金属層を介して電流を流す場合がある。下地層4の導電性が高い材料からなれば、下地層4が電流の流れを阻害することが避けられる。
なお、下地層4の厚みが十分薄くトンネル電流を流すことができる場合や、金属配線を第一の強磁性金属層1の側面に接続する場合は、下地層4が絶縁層でもよい。
また下地層4の膜厚は1.0nm以上20.0nm以下であることが好ましい。
下地層の膜厚がこの範囲にあることによって、トンネルバリア層の結晶サイズの均一性および配向性を確実に向上させることが可能となる。また、一般的に窒化物は金属に比べて電気抵抗率が高いため、下地層として窒化物を用いる場合には窒化物の膜厚が薄い方が好ましい。窒化物の膜厚を薄くすることで磁気抵抗効果素子を含む回路の抵抗が下がり、実効的な磁気抵抗比を増大させることができる。
(キャップ層)
また第二の強磁性金属層2のトンネルバリア層3と反対側の面には、キャップ層5が形成されていることが好ましい。キャップ層5は、第二の強磁性金属層2から元素の拡散を抑制することができる。またキャップ層5は、磁気抵抗効果素子10の各層の結晶配向性にも寄与する。その結果、キャップ層5を設けることで、磁気抵抗効果素子10の第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の磁性の安定化し、磁気抵抗効果素子10を低抵抗化することができる。
キャップ層5には、導電性が高い材料を用いることが好ましい。例えば、Ru、Ta、Cu、Ag、Au等を用いることができる。またキャップ層5は、原子番号がイットリウム以上の非磁性金属により構成されていることが好ましい。当該非磁性金属によりキャップ層5が構成されていると、第二の強磁性金属層2にスピンが蓄積されやすくなり、高いMR比を実現可能となる。
キャップ層5の結晶構造は、隣接する強磁性金属層の結晶構造に合せて、fcc構造、hcp構造またはbcc構造から適宜設定することが好ましい。キャップ層5の厚みは、歪み緩和効果が得られ、さらにシャントによるMR比の低下が見られない範囲であればよく、1nm以上30nm以下が好ましい。
キャップ層5の上にスピン軌道トルク配線を形成してもよい。
ここで、スピン軌道トルク配線は、磁気抵抗効果素子10の積層方向に対して交差する方向に延在し、該スピン軌道トルク配線に磁気抵抗効果素子10の積層方向に対して直交する方向に電流を流す電源に電気的に接続され、その電源と共に、磁気抵抗効果素子10に純スピン流を注入するスピン注入手段として機能する。
スピン軌道トルク配線は、電流が流れるとスピンホール効果によって純スピン流が生成される材料からなるものである。ここで、スピンホール効果とは、材料に電流を流した場合にスピン軌道相互作用に基づき、電流の向きに直交する方向に純スピン流が誘起される現象である。
(基板)
磁気抵抗効果素子10は基板11上に形成される。基板11は、平坦性に優れた材料を用いることが好ましい。基板11は目的とする製品によって異なる。例えば、MRAMの場合、磁気抵抗効果素子の下にはSi基板で形成された回路を用いることができる。あるいは、磁気ヘッドの場合、加工しやすいAlTiC基板を用いることができる。
次いで、磁気抵抗効果素子10を構成する各層の関係性について具体的に説明する。
(トンネルバリア層と下地層との関係)
下地層4は、トンネルバリア層3の格子定数に対して下地層4がとりうる結晶構造の格子定数の格子整合度が5%以内となるように選択され、3%以内となるように選択されることが好ましい。
トンネルバリア層3に対して下地層4を選択すると、磁気抵抗効果素子10のMR比が向上する。上述のように、反応性スパッタ法によって成膜される下地層4はアモルファスと考えられていた。そのため、トンネルバリア層3の結晶構造と下地層4がとりうる結晶構造との整合性が、磁気抵抗効果素子10のMR比向上に影響を及ぼすことは、新たな発見である。
ここで、「下地層4がとりうる結晶構造」とは、下地層4を構成する材料をバルクにした際にとりうる結晶構造であり、下地層4が有していると考えられる結晶構造を意味する。上述のように、下地層4は完全な結晶状態とアモルファスの中間のような状態を有していると考えられる。そのため、下地層4の結晶構造がどのような構造であるということは明確に定義できない。一方で、現実の下地層4の結晶構造が、下地層4を構成する材料をバルクにした際にとりうる結晶構造と著しく異なっているとは考えられない。下地層4がとりうる結晶構造としては、正方晶構造がある。
また格子整合度は、以下のように定義される。
上記式(1)において、Aはトンネルバリア層3の格子定数であり、Bは下地層4がとりうる結晶構造の格子定数である。nは、正整数又は1/正整数である。トンネルバリア層3がスピネル構造の場合、Aは図2のaspinelに対応し、トンネルバリア層3がスケネル構造の場合、Aは図3のaspinel/2に対応する。
トンネルバリア層3がMgAlまたはZnAlの場合、下地層4はTi、V、Mo、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることが好ましく、V、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることがより好ましい。また下地層4が導電性を有するという観点からは、下地層4は、V又はAlのいずれかを含む窒化物であることがさらに好ましい。
トンネルバリア層3がMgOの場合、下地層4はTi、Nb、V、Ta及びMoからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることが好ましく、Ti、V、Ta及びMoからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることがより好ましい。また下地層4が導電性を有するという観点からは、下地層4は、Ti、Nb、V及びTaからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることがさらに好ましい。
トンネルバリア層3がγ−Alの場合、下地層4はV、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物であることが好ましく、下地層4はGaまたはAlのいずれかを含む窒化物であることが好ましい。また下地層4が導電性を有するという観点からは、下地層4は、窒化アルミニウム(AlN)であることがさらに好ましい。
(トンネルバリア層と第一の強磁性金属層及び第二の強磁性金属層との関係)
トンネルバリア層3は、第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2とも格子整合していることが好ましい。第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2は、トンネルバリア層3と隣接しており、トンネルバリア層3の結晶構造に与える影響が大きい。
トンネルバリア層3は、第一の強磁性金属層1と第二の強磁性金属層2の両方と格子整合している格子整合部分が部分的に存在することが好ましい。一般的には、トンネルバリア層3は、第一の強磁性金属層1と第二の強磁性金属層2の両方と全てが格子整合している方が良い。しかしながら、全てが格子整合しているとトンネルバリア層3を通過する際のスピン偏極した電子がお互いに干渉し、トンネルバリア層3を電子が通過しにくくなる。
格子整合している格子整合部分が部分的に存在すると、格子整合していない部分でトンネルバリア層3を通過する際のスピン偏極した電子の干渉が適度に切断され、スピン偏極した電子がトンネルバリア層3を通過しやすくなる。トンネルバリア層3全体の体積に対する、トンネルバリア層3における格子整合部分の体積比は70〜95%であることが好ましい。トンネルバリア層3における格子整合部分の体積比が70%以下である場合には、コヒーレントトンネルの効果が減少するためにMR比が減少してしまう。また、トンネルバリア層3における格子整合部分の体積比が95%を超える場合には、トンネルバリア層3を通過する際のスピン偏極した電子がお互いに干渉する効果を弱められず、スピン偏極した電子がトンネルバリア層3を通過する効果の増大が観測されない。
トンネルバリア層3全体の体積における格子整合部分(格子整合部)の体積比は、例えば、TEM像から見積られる。まず、トンネルバリア層3と第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の一部分をフーリエ変換して電子線回折像を得る。フーリエ変換して得られた電子線回折像において、積層方向以外の電子線回折スポットを除去する。その図を逆フーリエ変換すると積層方向のみの情報を有する像が得られる。この逆フーリエ像における格子線において、トンネルバリア層3が第一の強磁性金属層1および第二の強磁性金属層2の両方に連続的に繋がっている部分を格子整合部とする。また、格子線において、トンネルバリア層3が第一の強磁性金属層1および第二の強磁性金属層2のうちの少なくとも一方に連続的に繋がっていないか、格子線が検出されない部分を格子不整合部とする。
格子整合部は、逆フーリエ像における格子線において、第一の強磁性金属層1からトンネルバリア層3を介して第二の強磁性金属層2まで連続的に繋がっているため、TEM像から格子整合部の幅(L)を計測できる。一方、同様に、格子不整合部は逆フーリエ像における格子線において、連続的に繋がっていないため、TEM像から格子不整合部の幅(L)を計測できる。格子整合部の幅(L)を分子とし、格子整合部分の幅(L)と格子整合されていない部分の幅(L)の和を分母とすることで、トンネルバリア層全体の体積に対する格子整合部の体積比が求められる。なお、TEM像は断面像であるが、奥行きを含んだ情報を含んでいる。よって、TEM像から見積られた領域は体積に比例すると考えることができる。
図4はトンネルバリア層と強磁性金属層が格子整合している部分の一例である。図4(a)は高分解能の断面TEM像の例であり、図4(b)は電子線回折像において積層方向以外の電子線回折スポットを除去した後に逆フーリエ変換を行って得られ像の例である。図4(b)では積層方向と垂直な成分は除去され、積層方向に格子線が観測できる。トンネルバリア層と強磁性金属層が界面で途切れることなく、連続的に繋がっていることを示している。
図5はトンネルバリア層3の積層方向に平行な方向を含む断面の構造模式図である。図5に示すように、トンネルバリア層3の格子整合している部分の膜面に対して平行方向の大きさ(幅:Lc)は、いずれの部分でも30nm以下であることが好ましい。30nmはおよそ第一の強磁性金属層1及び第二の強磁性金属層2の材料であるCoFe合金の格子定数の約10倍であり、コヒーレントトンネルの前後においてトンネルする方向と垂直な方向のスピン偏極電子の相互干渉が格子定数の約10倍程度を目途に増強されると考えることができる。
(素子の形状、寸法)
磁気抵抗効果素子10を構成する第一の強磁性金属層1、トンネルバリア層3及び第二の強磁性金属層2からなる積層体は柱状の形状である。積層体を平面視した形状は、円形、四角形、三角形、多角形等の種々の形状をとることができるが、対称性の面から円形であることが好ましい。すなわち、積層体は円柱状であることが好ましい。
積層体が円柱状である場合、平面視の直径が80nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。直径が80nm以下であると、強磁性金属層中にドメイン構造ができにくくなり、強磁性金属層におけるスピン分極と異なる成分を考慮する必要が無くなる。さらに、30nm以下であると、強磁性金属層中に単一ドメイン構造となり、磁化反転速度や確率が改善する。また小型化された磁気抵抗効果素子において、特に低抵抗化の要望が強い。
(使用時の構成)
図6は、本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子を備える磁気抵抗効果デバイスの側面模式図である。また図7は、磁気抵抗効果デバイスを積層方向から平面視した模式図である。磁気抵抗効果デバイス20は、図1に示すキャップ層6の第二の強磁性金属層2と反対側の面には、電極層12が形成されている。下地層4は導電性を有し、電極層12と交差して配設されている。下地層4と電極層12の間には、電源13と電圧計14が設けられている。下地層4と電源13及び電圧計14はコンタクト電極15により接続されている。電源13により下地層4と電極層12に電圧を印加することにより、第一の強磁性金属層1、トンネルバリア層3及び第二の強磁性金属層2からなる積層体の積層方向に電流が流れる。この際の印加電圧は電圧計14でモニターされる。
(評価方法)
磁気抵抗効果素子の評価方法について、図6と図7を例に説明する。上述のように、図7に示すように電源13と電圧計14を配置し、一定の電流、あるいは、一定の電圧を磁気抵抗効果素子に印可する。電圧、あるいは電流を外部から磁場を掃引しながら測定することによって、磁気抵抗効果素子の抵抗変化が観測される。
MR比は、一般的に以下の式で表される。
MR比(%)=(RAP−R)/R×100
は第一の強磁性金属層1と第二の強磁性金属層2の磁化の向きが平行の場合の抵抗であり、RAPは第一の強磁性金属層1と第二の強磁性金属2の磁化の向きが反平行の場合の抵抗である。
(その他)
本実施形態では、磁気抵抗効果素子10として、第一の強磁性金属層1を磁化自由層とし、第二の強磁性金属層2を磁化固定層としている、いわゆるトップピン構造の例を挙げたが、磁気抵抗効果素子10の構造は特に限定されるものではない。
磁化固定層は複数の層で構成されるのが通常なので、第一の強磁性金属層1を磁化固定層としてしまうと、下地層4とトンネルバリア層3との間に多くの層を挟むことにより、下地層4がトンネルバリア層3に与える影響が小さくなってしまう。これに対して、トップピン構造の場合には、第一の強磁性金属層1の保磁力は小さくなるが、下地層4とトンネルバリア層3との間に単層である磁化自由層を挟むだけであり、下地層4がトンネルバリア層3に与える影響が大きくなる。そのため、磁気抵抗効果素子10のMR比をより増大することが可能である。磁気抵抗効果素子10の構造は、第一の強磁性金属層1が磁化固定層とされ、第二の強磁性金属層2が磁化自由層とされている、いわゆるボトムピン構造であってもよい。
磁気センサとして磁気抵抗効果素子を活用するためには、外部磁場に対して抵抗変化が線形に変化することが好ましい。一般的な強磁性層の積層膜では磁化の方向が形状異方性によって積層面内に向きやすい。この場合、例えば外部から磁場を印可して、第一の強磁性金属層1と第二の強磁性金属層2の磁化の向きを直交させることによって外部磁場に対して抵抗変化を線形に変化させる。但し、この場合、磁気抵抗効果素子の近くに磁場を印可させる機構が必要となるため、集積を行う上で望ましくない。強磁性金属層自体が垂直な磁気異方性を持っている場合、外部から磁場を印可するなどの方法が必要なく、集積を行う上で有利である。
本実施形態を用いた磁気抵抗効果素子は磁気センサやMRAMなどのメモリとして使用することが可能である。特に、従来の磁気センサで利用されているバイアス電圧よりも高いバイアス電圧で使用する製品において、本実施形態は効果的である。
(製造方法)
磁気抵抗効果素子10を構成する下地層4、第一の強磁性金属層1、トンネルバリア層3、第二の強磁性金属層2およびキャップ層5は、例えば、マグネトロンスパッタ装置を用いて形成される。
下地層4は公知の方法で作製することができる。例えば、スパッタガスとしてArと窒素とを含む混合ガスを用いた反応性スパッタ法により作製することができる。
トンネルバリア層3は公知の方法で作製することができる。例えば、第一の強磁性金属層1上に金属薄膜をスパッタし、プラズマ酸化あるいは酸素導入による自然酸化を行い、その後の熱処理によって形成される。成膜法としてはマグネトロンスパッタ法のほか、蒸着法、レーザアブレーション法、MBE法など通常の薄膜作製法を用いることもできる。
第一の強磁性金属層1、第二の強磁性金属層2、キャップ層5は、それぞれ公知の方法で作製きる。
下地層4、第一の強磁性金属層1、トンネルバリア層3、第二の強磁性金属層2およびキャップ層5は、この順で成膜して積層する。得られた積層膜は、アニール処理することが好ましい。反応性スパッタで形成した層は、アモルファスであり結晶化する必要がある。例えば、強磁性金属層としてCo−Fe−Bを用いる場合は、Bの一部がアニール処理により抜けて結晶化する。
アニール処理して製造した磁気抵抗効果素子10は、アニール処理しないで製造した磁気抵抗効果素子10と比較して、MR比が向上する。アニール処理によって、下地層4が部分的に結晶化し、これによりトンネルバリア層3のトンネルバリア層の結晶サイズの均一性および配向性が向上するためであると考えられる。
アニール処理としては、Arなどの不活性雰囲気中で、300℃以上500℃以下の温度で、5分以上100分以下の時間加熱した後、2kOe以上10kOe以下の磁場を印加した状態で、100℃以上500℃以下の温度で、1時間以上10時間以下の時間加熱することが好ましい。
(下地層の格子定数の決定)
下地層の格子定数は非特許文献1のサイトを用いて求めた。なお、非特許文献1のサイトは非特許文献2に基づいて作成されている。本実施例の窒化物を用いた下地層はアモルファス構造であり、結晶構造解析ができない。トンネルバリア層と下地層の結晶格子の関係を検証するために、非特許文献1のサイトよりそれぞれの窒化物において、結晶構造がNaCl構造であり、空間群がFm−3mである結果の格子定数を表1とした。
(トンネルバリア層の格子定数の決定)
トンネルバリア層の構造分析として、結晶構造と格子定数を評価した。
結晶構造は、透過型電子線を用いた電子回折像によって評価した。MgO以外のスピネル材料を用いた場合、この手法によってバリア層の構造を調べたところ、規則スピネル構造で現れる{022}面からの反射がない場合は、このバリア層は立方晶の陽イオンが不規則化したスピネル構造(スケネル構造)であるとした。
トンネルバリア層の格子定数は4軸X線回折装置を用いて評価を行った。格子定数の評価において、実施例のトンネルバリア層の膜厚では格子定数を決定することが困難である。
そのため予備的測定として、格子定数を求めるために熱酸化膜付きSi基板上にトンネルバリア層(厚み100nm)を形成した基板を用いた。熱酸化膜付きSi基板は表面がアモルファスのSiOxであり、トンネルバリア層を形成する際の影響を受けにくい。また、トンネルバリア層(厚み100nm)は基板による格子歪みの影響が十分緩和される膜厚であり、十分な構造解析のためのX線強度を得ることができる膜厚である。
さらに、実施例では下地層/第一の強磁性金属層/トンネルバリア層の順に形成する。この場合、下地層の結晶格子の影響は第一の強磁性金属層を介してトンネルバリア層に影響を及ぼす。したがって、第一の強磁性金属層が下地層からの結晶格子の影響を受けないと、トンネルバリア層に影響を及ぼさない。本実施例では少なくとも第一の強磁性金属層の膜厚を10nm以下とし、下地層の結晶格子の影響を第一の強磁性金属層を介してトンネルバリア層に影響させる膜厚とした。具体的には、トンネルバリア層の膜厚を5nmとした。
したがって、実施例で得られる膜厚は予備的測定と完全に一致しないが、下地層からの影響と膜厚が異なる以外の条件は一致させており、予備的測定から求めた格子定数を実施例で得られた格子定数と見なすことができる。トンネルバリア層はMgOの場合は岩塩型構造、その他のMgAl、ZnAl及びγ―Alの場合はスケネル構造として格子定数を求めた。
表1に示す格子定数の結果から、下地層とトンネルバリア層の格子整合度を求めた。その結果を表2に示す。
次いで、実際に磁気抵抗効果素子を作製し、磁気抵抗効果素子のMR比を測定した。実際のMR比の測定は、上記のトンネルバリア層と下地層の組合せのうち一部を行った。
(実施例1)
トンネルバリア層をMgOとし、下地層をTiNとする磁気抵抗効果素子を作製した。以下、具体的に実施例1の磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する。
熱酸化珪素膜が設けられた基板11上に、マグネトロンスパッタ法を用いて各層を成膜した。先ず、基板の上面に、下地層としてTiNを40nm成膜した。その後、CMP法を用いて下地層を研磨し、下地層が10nm程度となるようにした。下地層は、ターゲットとしてTiNターゲットを使用し、スパッタガスとしてArと窒素とを体積比1対1で含む混合ガスを用いた反応性スパッタ法により形成した。その後、下地層上に第一の強磁性金属層としてCo74Fe26を5nm、トンネルバリア層としてMgOを8.5nm成膜した。
そしてトンネルバリア層上に、第二の強磁性金属層7としてCoFe 7nm/Ru 0.8nm/CoFe 10nm/IrMn 12nmを順に形成した。さらに、キャップ層5としてRu 3nm/Ta 5nmを形成した。
上記積層膜をアニール装置に設置し、Ar中で450℃の温度で10分処理した後、8kOeを印加した状態で280℃の温度で6時間処理した。
次に図6、7に示す構成の素子を作製した。まず、キャップ層5の上に、電極層12を形成した。次いで、電極層12の90度回転した向きになるように電子線描画を用いてフォトレジストの形成を行った。イオンミリング法によってフォトレジスト下以外の部分を削り取り、基板である熱酸化珪素膜を露出させ、下地層4の形状を形成した。さらに、下地層4の形状の括れた部分に、電子線描画を用いて80nmの円柱状になる様にフォトレジストを形成し、イオンミリング法によってフォトレジスト下以外の部分を削り取り、下地層4を露出させた。その後、SiOxを絶縁層としてイオンミリングによって削られた部分に形成した。80nmの円柱状のフォトレジストはここで除去した。図6、7のコンタクト電極15の部分だけ、フォトレジストが形成されないようにし、イオンミリング法によって絶縁層を除去し、下地層4を露出させた。その後、Auを形成し、コンタクト電極15を形成した。
(トンネルバリア層の構造分析)
トンネルバリア層の構造解析は透過型電子線を用いた電子回折像によって評価した。この手法によってバリア層の構造を調べたところ、空間群Pm3mの対称性に起因した指数付けを行うことができ、このトンネルバリア層はNaCl構造からなることがわかった。
(実施例2)
下地層をMoNとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(比較例1)
下地層をCeNとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(比較例2)
下地層をCuとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(実施例3)
トンネルバリア層をMgAlとし、下地層をTiNとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。バリア層の構造を調べたところ、規則スピネル構造で現れる{022}面や{111}面からの反射がないことが判明し、このトンネルバリア層は立方晶の陽イオンが不規則化したスピネル構造(スケネル構造)からなることがわかった。
(実施例4)
下地層をVNとした点以外は実施例3と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(比較例3)
下地層をTaNとした点以外は実施例3と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(実施例5)
トンネルバリア層をZnAlとし、下地層をTiNとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。バリア層の構造を調べたところ、規則スピネル構造で現れる{022}面からの反射がないことが判明し、このトンネルバリア層は立方晶の陽イオンが不規則化したスピネル構造(スケネル構造)からなることがわかった。
(実施例6)
下地層をVNとした点以外は実施例5と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(比較例4)
下地層をTaNとした点以外は実施例5と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
(実施例7)
トンネルバリア層をγ―Alとし、下地層をVNとした点以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。バリア層の構造を調べたところ、規則スピネル構造で現れる{022}面からの反射がないことが判明し、このトンネルバリア層は立方晶の陽イオンが不規則化したスピネル構造(スケネル構造)からなることがわかった。
(比較例5)
下地層をTaNとした点以外は実施例7と同様に磁気抵抗効果素子を作製した。
上述の評価方法に準じて、得られた磁気抵抗効果素子の面積抵抗値(RA)及びMR比を測定した。そして、測定されたMR比と格子整合度の関係を表3に示す。
なお、RAは、印加されるバイアス電圧を磁気抵抗効果素子の積層方向に流れた電流で割ることで得られる抵抗値を、各層が接合される面の面積で割り、単位面積における抵抗値に規格化したものであり、単位はΩ・μmである。印加するバイアス電圧及び磁気抵抗効果素子の積層方向に流れる電流値を電圧計及び電流計で計測し、求めることができる。
実施例1〜3及び比較例1を比較すると格子整合度が高くなると、MR比が向上していることが分かる。なお、実施例2のTaNは電気抵抗率が135μΩ・cmであり、導電性が低いため、MR比が低下した。また実施例3〜7に示すように、トンネルバリア層を変更しても格子整合度とMR比は同様の関係があることが分かる。すなわち、上記表1において格子整合度が5%以下であれば高いMR比を実現することができ、格子整合度が3%以下であれば非常に高いMR比を実現することができることが分かる。
1…第一の強磁性金属層、2…第二の強磁性金属層、3…トンネルバリア層、4…下地層、5…キャップ層、10…磁気抵抗効果素子、11…基板、12…電極層、13…電源、14…電圧計、15…コンタクト電極、20…磁気抵抗効果デバイス

Claims (11)

  1. 下地層と、
    第一の強磁性金属層と、
    トンネルバリア層と、
    第二の強磁性金属層と、がこの順に積層された積層体を有し、
    前記下地層は、窒化物で構成され、
    前記トンネルバリア層は、MgAl、ZnAl、MgO及びγ−Alからなる群から選択されるいずれかにより構成され、
    前記トンネルバリア層の格子定数と前記下地層がとりうる結晶構造の格子定数との格子整合度が5%以内である、磁気抵抗効果素子。
  2. 前記下地層がとりうる結晶構造が、正方晶構造である請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記トンネルバリア層がMgAlまたはZnAlであり、
    前記下地層がTi、V、Mo、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物である請求項1又は2のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記トンネルバリア層がMgOであり、
    前記下地層がTi、Nb、V、Ta及びMoからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物である請求項1又は2のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記トンネルバリア層がγ−Alであり、
    前記下地層がV、Ga及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物である請求項1又は2のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記下地層の電気抵抗率が200μΩ・cm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第一の強磁性金属層及び前記第二の強磁性金属層が、FeとCoの少なくも一方を主成分とする強磁性体により構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第一の強磁性金属層の厚みが3nm以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記下地層の厚みが1.0nm以上20.0nm以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第二の強磁性金属層のトンネルバリア層側とは反対側の表面に、キャップ層がさらに積層されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記キャップ層は、原子番号がイットリウム以上の非磁性金属により構成されている請求項10に記載の磁気抵抗効果素子。
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