JP2018056185A - エッチング液および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカの析出を抑制するエッチング液および基板処理方法を提供する。【解決手段】本実施形態によるエッチング液は、水とリン酸を有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩と、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明による実施形態は、エッチング液および基板処理方法に関する。
半導体デバイスの製造工程において、エッチング処理はパターン形成のための重要な工程であり、基板上に形成されたシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜のうちシリコン酸化膜を残してシリコン窒化膜を選択的にエッチング除去する処理が要求されている。このようなシリコン窒化膜の選択的なエッチング処理を実行する手法として、高温(140℃〜180℃)のリン酸水溶液をエッチング液として使用するプロセスが知られている。
高温のリン酸水溶液を使用するプロセスでは、例えば、高温のリン酸水溶液を貯留した処理槽に、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が形成された基板を浸漬して、シリコン窒化膜の選択的なエッチング処理を行う。
しかし、従来は、リン酸処理中にシリカ濃度が飽和してしまい、シリカ(SiO)が析出するといった問題があった。
特開2012−33561号公報
シリカの析出を抑制するエッチング液および基板処理方法を提供する。
本実施形態によるエッチング液は、水とリン酸を有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩と、を含有する。
第1の実施形態による窒化膜エッチング液の作用の一例を説明するための説明図である。 第1の実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。 図4Aは、図3に続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図であり、図4Bは、図4Aに続く基板処理方法を示す断面図であり、図4Cは、図4Bに続く基板処理方法を示す断面図であり、図4Dは、図4Cに続く基板処理方法を示す断面図である。 図4Dに続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。 図5に続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。 第1の実施形態の第1の実験例において、シリカ析出量を模式的に示す断面図である。 第1の実施形態の第1の実験例を示すグラフである。 第1の実施形態の第2の実験例を示すグラフである。 第1の実施形態の第3の実験例を示す第1のグラフである。 第1の実施形態の第3の実験例を示す第2のグラフである。 第2の実施形態による基板処理方法に用いることができる基板処理装置の一例を示す図である。 第2の実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
(窒化膜エッチング液)
第1の実施形態の窒化膜エッチング液は、窒化膜すなわちシリコン窒化膜(SiN)のエッチングに用いられるものである。例えば、第1の実施形態の窒化膜エッチング液は、窒化膜と窒化膜以外の膜とが設けられた基板から、窒化膜を選択的に除去するために用いることができる。窒化膜以外の膜は、シリコン酸化膜(SiO)であってもよいが、これに限定されない。
第1の実施形態の窒化膜エッチング液は、水(HO)とリン酸(HPO)とを含有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩と、を含有する。
リン酸を含有することで、窒化膜エッチング液は、加熱にともなってエッチング速度の確保に好適な高温になることができる。また、水を含有することで、窒化膜エッチング液は、高温に加熱された水を水素イオンと水酸化物イオンとに解離させ、解離された水素イオンと水酸化物イオンとをエッチャントとして窒化膜をエッチングすることができる。また、リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩を含有することで、窒化膜エッチング液は、リン酸水溶液中にイオンの状態で有機化合物の塩を存在させることができる。イオンの状態で存在することで、有機化合物の塩は、窒化膜のエッチングで生じたオルトケイ酸と反応して、オルトケイ酸の重合反応を抑制することができる。オルトケイ酸の重合反応を抑制することで、シリカの析出を抑制できる。
有機化合物の塩が可溶なリン酸水溶液の温度は、例えば150℃以上であり、好ましくは、150℃〜200℃、より好ましくは、150℃〜180℃、さらに好ましくは、150℃〜170℃である。
窒化膜エッチング液の含水率は、0重量%より大きく15重量%以下であることが好ましい。窒化膜エッチング液の含水率を15重量%以下とすることで、リン酸の濃度を高くすることができる。リン酸の濃度を高くすることで、窒化膜エッチング液の温度を150℃以上になり易くすることができる。リン酸の濃度は、80重量%以上であることが好ましい。
窒化膜エッチング液が含有する有機化合物の塩は、好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物である。
Figure 2018056185
Figure 2018056185
一般式(1)および一般式(2)において、R〜Rは有機基であり、aは、1〜4の整数であり、Xa−はf価のアニオンである。fは、1〜4の整数である。
一般式(1)の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド(C12ClN)(以下、TMACともいう)、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(C14ClNO)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド(C16ClNO)、トリエチルメチルアンモニウムクロリド(C18ClN)、テトラエチルアンモニウムクロリド(C20ClN)、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド(C1518ClN)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(C1016ClN)、トリメチルフェニルアンモニウムクロリド(C14ClN)等を挙げることができる。
一般式(2)の具体例としては、テトラエチルホスホニウムブロミド(C20BrP)、テトラフェニルホスホニウムブロミド(C2420BrP)、テトラフェニルホスホニウムクロリド(C2420ClP)、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(C2522ClP)等を挙げることができる。
図1は、第1の実施形態による窒化膜エッチング液の作用の一例を説明するための説明図である。窒化膜エッチング液によってシリコン窒化膜をエッチングすることで、図1に示すように、窒化膜エッチング液中にオルトケイ酸(Si(OH))が生成される(ステップS1)。
もし、窒化膜エッチング液が一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物のいずれも含有していない場合、シラノール基を介したオルトケイ酸同士の重合反応すなわち脱水縮合が促進して、シリカ二量体((HO)Si−O−Si(OH))が生成される(ステップS2B)。そして、シリカ二量体が重合することで、シリカポリマーが析出してしまう。
これに対して、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する第1の実施形態の窒化膜エッチング液によれば、当該化合物が、例えば図1にAで表す1価のカチオンとして窒化膜エッチング液中に存在することができる。そして、カチオンAが、シラノール基の水素を置換することができる(ステップS2A)。これにより、オルトケイ酸の脱水縮合を抑制することができる。
したがって、窒化膜エッチング液が一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含有することで、シリカの析出を抑制することができる。
なお、高温のリン酸中では、式(3)に示すように、有機化合物の塩のホフマン分解が生じることが想定される。
Figure 2018056185
ホフマン分解が生じた場合、図1のカチオン(A)が少なくなることで、窒化膜エッチング液のシリカ析出抑制機能が低減する虞がある。このため、有機化合物の塩は、150℃以上のリン酸水溶液に分解し難いことが好ましい。例えば、有機化合物の塩は、一般式(1)および一般式(2)のR〜Rを有機基の一例であるメチル基またはフェニル基とした化合物から選択される少なくとも1種類の化合物であってもよい。
また、既述したように、窒化膜エッチング液中の水は、高温において水素イオンと水酸化物イオンとに解離することで、窒化膜のエッチャントとして機能する。もし、有機化合物の塩がリン酸水溶液中において3.5より大きい水和数を有するカチオンになる場合、カチオンがリン酸水溶液中の水による配位を受けやすくなる。カチオンに水が配位すると、エッチャントとして機能する水が減少することで、窒化膜のエッチング速度を確保することが困難となる。また、式(4)に示すように、シリカの析出は水の生成を伴う平衡反応である。
Figure 2018056185
このため、多くの水がカチオンに配位してしまうと、シリカの析出が促進されるように平衡が傾いてしまう。すなわち、有機化合物の塩がリン酸水溶液中において3.5より大きい水和数を有するカチオンになる場合、多くの水がカチオンに配位することで、式(4)に示す平衡反応が右に傾いてしまい、シリカが析出し易くなってしまう。
したがって、窒化膜のエッチング速度とシリカの析出抑制とをより効果的に両立させる観点から、有機化合物の塩は、リン酸水溶液中において水和数が3.5以下のカチオンになる元素を含むことが好ましい。
以上説明したように、第1の実施形態の窒化膜エッチング液によれば、シリカの析出を抑制できる。
(基板処理方法)
次に、上述の窒化膜エッチング液を適用した第1の実施形態の基板処理方法について説明する。図2は、第1の実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。
先ず、図2に示すように、基板の前処理を行う(ステップS21)。基板は、例えば、半導体基板すなわちSiO基板である。基板は、半導体基板以外の基板であってもよい。前処理は、例えば、基板の洗浄および乾燥を含んでもよい。
図3は、第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。前処理を行った後、図3に示すように、基板1上に第1膜2を成膜する(図2のステップS22)。第1膜2は、例えば、シリコン酸化膜(SiO)である。第1膜2は、シリコン酸化膜以外の膜であってもよい。
第1膜2を成膜した後、図2に示すように、第1膜2のパターニングを行う(ステップS23)。図4Aは、図3に続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。第1膜2のパターニングにおいては、先ず、図4Aに示すように、第1膜2上にレジスト3を塗布する。
図4Bは、図4Aに続く基板処理方法を示す断面図である。第1膜2上にレジスト3を塗布した後、図4Bに示すように、レジスト3を露光および現像することで、レジスト3に所定のパターンを形成する。
図4Cは、図4Bに続く基板処理方法を示す断面図である。レジスト3の露光および現像の後、図4Cに示すように、レジスト3をマスクとして第1膜2のエッチングを行う。
図4Dは、図4Cに続く基板処理方法を示す断面図である。第1膜2のエッチングの後、図4Dに示すように、第1膜2からレジスト3を剥離する。これにより、第1膜2のパターニングが完了する。
図5は、図4Dに続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。第1膜2のパターニングの後、図5に示すように、第1膜2上および基板1上にシリコン窒化膜4(SiN)を成膜する(図2のステップS24)。
図6は、図5に続く第1の実施形態による基板処理方法を示す断面図である。シリコン窒化膜4の成膜後、図6に示すように、第1の実施形態の窒化膜エッチング液を用いてシリコン窒化膜4のウェットエッチング処理を行う(図2のステップS25)。ウェットエッチング処理においては、150℃〜160℃に加熱した窒化膜エッチング液を処理槽内に供給し、シリコン窒化膜4を有する基板1を、処理槽内に供給した窒化膜エッチング液に接触させ、基板1からシリコン窒化膜4を除去する。
シリコン窒化膜4のウェットエッチング処理の後、図2に示すように、基板1を純水でリンスする(ステップS26)。
基板1のリンスの後、基板1を乾燥する(ステップS27)。
第1の実施形態の基板処理方法によれば、第1の実施形態の窒化膜エッチング液を用いることで、第1膜2からシリコン窒化膜4を選択的に除去する際に、シリカの析出を抑制することができる。シリカの析出を抑制することで、シリコン窒化膜4のウェットエッチング処理を製造プロセスに含む製品(例えば、半導体デバイス)の歩留まりを向上させることができる。
(第1の実験例)
次に、第1の実施形態の第1の実験例について説明する。図7は、第1の実施形態の第1の実験例において、シリカ析出量を模式的に示す断面図である。
第1の実験例では、リン酸を85重量%含有するリン酸水溶液に、有機化合物の塩の一例として、TMACを添加して窒化膜エッチング液を得た。そして、加熱した窒化膜エッチング液中に、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とが形成された半導体基板を一定時間浸漬させた。浸漬後、半導体基板を純水でリンスし、乾燥させたうえで、半導体基板をSEMで観察した。そして、図7に示すように、シリコン窒化膜の除去によって形成されたシリコン酸化膜20の凹部201の内壁に析出したシリカ6のシリカ析出量を算出した。また、比較例として、有機化合物の塩を含有しない窒化膜エッチング液を用いて、TMACを含有する窒化膜エッチング液の場合と同一の条件で半導体基板を処理したうえで、シリカ析出量を算出した。これら2つの半導体基板のシリカ析出量の算出結果を図8に示す。
図8は、第1の実施形態の第1の実験例を示すグラフである。図8には、TMACを添加した第1の実施形態の窒化膜エッチング液(「添加有り」)を用いた場合のシリカ析出量のグラフと、TMACを添加しない比較例の窒化膜エッチング液(「添加無し」)を用いた場合のシリカ析出量のグラフとが示されている。
図8に示すように、第1の実験例によれば、TMACを添加した第1の実施形態の窒化膜エッチング液を用いることで、TMACを添加しない比較例の窒化膜エッチング液を用いる場合と比較して、シリカの析出量を抑制できることが分かった。これは、リン酸水溶液中に存在するTMACのカチオンが、図1に示すようにシラノールの重合反応を抑制したことよるものと推定される。TMAC以外の有機化合物の塩を添加する場合も、リン酸水溶液中でカチオンの状態で存在することで、TMACと同様の効果を奏することが推認される。
(第2の実験例)
次に、第1の実施形態の第2の実験例について説明する。第2の実験例では、有機化合物の塩として、試料No.1〜No.11の11種類の試料を用意した。各試料は、以下の通りである。
No.1:TMAC
No.2:ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
No.3:トリメチルフェニルアンモニウムクロリド
No.4:テトラフェニルホスホニウムブロミド
No.5:テトラフェニルホスホニウムクロリド
No.6:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド
No.7:(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド
No.8:ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド
No.9:トリエチルメチルアンモニウムクロリド
No.10:ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド
No.11:テトラエチルホスホニウムブロミド
第2の実験例では、リン酸の濃度が85重量%のリン酸水溶液に対して、試料No.1〜No.11の各試料のそれぞれを0.1M添加して11種類の窒化膜エッチング液を得た。そして、各窒化膜エッチング液を160℃で15分間加熱し、加熱前の試料の濃度と加熱後の試料の濃度とを比較した。
第2の実験例において、試料の濃度の測定には、試料の構造に応じて試料を分析可能な分析計を用いた。具体的には、試料No.1を添加した窒化膜エッチング液ついては、イオンクロマトグラフィ質量分析計(IC−MS)を用いて試料の濃度を測定した。試料No.9および試料No.11を添加した窒化膜エッチング液ついては、液体クロマトグラフィ質量分析計(LC−MS)を用いて試料の濃度を測定した。試料No.2〜試料No.8および試料No.10を添加した窒化膜エッチング液ついては、紫外可視分光光度計を用いて試料の濃度を測定した。試料の濃度の測定結果を図9に示す。
図9は、第1の実施形態の第2の実験例を示すグラフである。図9に示すように、第2の実験例によれば、試料No.1〜No.6が、加熱されたリン酸水溶液中で少なくとも15分間分解し難いこと、すなわち、15分間の熱リン酸耐性を有することが確認された。試料No.1〜No.6は、一般式(1)または一般式(2)のR〜Rをメチル基またはフェニル基とした化合物である。
(第3の実験例)
次に、第1の実施形態の第3の実験例について説明する。第3の実験例では、実験例2において、15分間の加熱によって分解し難いことが確認された試料の中から、試料No.1〜No.3および試料No.5を選択した。そして、選択された各試料のそれぞれを添加した窒化膜エッチング液について、加熱時間を180分以上に延長し、加熱の過程で時間経過に応じた試料の濃度変化を測定した。試料No.1の濃度変化の測定結果を図10に示し、試料No.2、試料No.3および試料No.5の濃度変化の測定結果を図11に示す。なお、試料No.2、試料No.3および試料No.5を添加した窒化膜エッチング液の濃度変化の測定において、加熱の処理時間によっては、同じ試料について複数回の測定を行った。このため、図11において、複数回の測定を行った処理時間については、同じ試料についての複数の測定結果がプロットされている。
図10および図11に示すように、第3の実験例によれば、試料No.1〜No.3および試料No.5のいずれを添加した窒化膜エッチング液においても、180分の加熱時間の中で、濃度が0.1M近辺から変動しなかった。このため、試料No.1〜No.3および試料No.5を添加した窒化膜エッチング液について、180分間の熱リン酸耐性を有することが確認された。
(第2の実施形態)
(基板処理装置10)
次に、第2の実施形態について説明する。図12は、第2の実施形態による基板処理方法に用いることができる基板処理装置10の一例を示す図である。基板処理装置10は、第1の実施形態の図5に示す第1膜2とシリコン窒化膜4とが形成された基板1を浸漬してシリコン窒化膜4を選択的に除去するウェットエッチング処理装置として用いることができる。
図12に示すように、基板処理装置10は、処理槽11と、循環路12と、加熱部13と、投入部14とを備えている。また、基板処理装置10は、ポンプ15と、フィルタ16と、中間タンク17とを備えている。
処理槽11は、内槽111と外槽112とを備えている。内槽111は、上端開口111aを有する箱形状に形成されている。内槽111は、内部に窒化膜エッチング液7が供給される。内槽111は、供給された窒化膜エッチング液7を貯留する。また、内槽111は、貯留した窒化膜エッチング液7中に基板1を浸漬すなわち接触させる。窒化膜エッチング液7中に浸漬されることで、基板1のシリコン窒化膜4は、窒化膜エッチング液7中に溶解して除去される。なお、窒化膜エッチング液7中への基板1の浸漬は、図示しない基板の保持機構や基板の昇降機構を用いて行ってもよい。外槽112は、内槽111の上端部分を全周にわたって包囲する。外槽112は、内槽111の上端開口111aを包囲する上端開口112aを有する。外槽112は、内槽111の上端開口111aからオーバーフローした窒化膜エッチング液7を回収する。処理槽11は、複数枚の基板1を同時に処理するバッチ式の処理槽であってもよい。
循環路12は、外槽112の底部と内槽111の底部とを流体連通して、処理槽11に対して窒化膜エッチング液7を循環させる。循環路12は、シリコン窒化膜4の除去後に内槽111からオーバーフローして外槽112に貯留された窒化膜エッチング液7を、内槽111に還流する。還流の過程で、窒化膜エッチング液7は、加熱部13、投入部14およびフィルタ16によって、再びシリコン窒化膜4を除去できるように処理される。
ポンプ15は、循環路12に設けられている。ポンプ15は、外槽112に貯留された窒化膜エッチング液7を吸引することで、窒化膜エッチング液7を処理槽11から循環路12に導入する。そして、ポンプ15は、循環路12を通じて、処理槽11から導入された窒化膜エッチング液7を内槽111に還流させる。
中間タンク17は、ポンプ15の上流において循環路12に設けられている。中間タンク17は、還流される窒化膜エッチング液7を一時的に貯留する。
投入部14は、中間タンク17に面するように設けられている。投入部14は、中間タンク17に貯留された窒化膜エッチング液7に、第1の実施形態で説明した有機化合物の塩71を投入すなわち添加する。投入部14の具体的な態様は特に限定されず、例えば、有機化合物の塩71の量を秤量する秤量槽と、秤量された有機化合物の塩71を投入する投入バルブとを備えていてもよい。また、中間タンク17は、ポンプ15の下流に設けられていてもよい。また、投入部14は、外槽112に貯留された窒化膜エッチング液7に有機化合物の塩71を投入し得るように、外槽112の上部開口112aに面する位置に設けられていてもよい。この場合、中間タンク17は省略されてよい。
有機化合物の塩71が投入される前のリン酸水溶液70は、供給バルブ19から内槽111に供給される。内槽111に供給されたリン酸水溶液70は、内槽111からオーバーフローして外槽112に回収された後、外槽112に連通する循環路12を経由して中間タンク17に貯留される。そして、中間タンク17に貯留されたリン酸水溶液70は、投入部14から投入された有機化合物の塩71と混合することで窒化膜エッチング液7になる。あるいは、リン酸水溶液70は、既に内槽111に貯留されている窒化膜エッチング液7と混合する。なお、供給バルブ19は、外槽112にリン酸水溶液70を供給するように設置されても良く、循環路12の経路内または、中間タンク17にリン酸水溶液70を供給するように設置されても良い。
フィルタ16は、中間タンク17およびポンプ15の下流において循環路12に設けられている。フィルタ16は、リン酸溶液3を濾過することで、リン酸溶液3中の異物(不溶な物質)を取り除く。なお、フィルタ16は中間タンク17あるいはポンプ15の上流に設置されても良い。
加熱部13は、フィルタ16の下流かつ処理槽11の近傍において循環路12に設けられている。加熱部13は、窒化膜エッチング液7を所定の温度まで加熱する。加熱部13で加熱された窒化膜エッチング液7は、内槽111に設けられた吐出部113によって内槽111の内部に吐出される。また、加熱部13は、フィルタ16の上流において循環路12に設けられても良い。
(基板処理方法)
次に、第2の実施形態の基板処理方法について説明する。図13は、第2の実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。以下の基板処理方法では、図2のウェットエッチング処理工程(ステップS25)の一例について説明する。なお、図2の初期状態において、処理槽11には窒化膜エッチング液7が貯留されていないものとする。
そして、初期状態から、先ず、基板処理装置10の供給バルブ19は、処理槽11の内槽111内にリン酸水溶液70を供給する(ステップS251)。内槽111内に供給されたリン酸水溶液70は、内槽111からオーバーフローして外槽112に貯留される。外槽112に貯留されたリン酸水溶液70は、ポンプ15の吸引力によって循環路12上の中間タンク17内に導入される。中間タンク17内に導入されたリン酸水溶液70は、中間タンク17内に一時的に貯留される。供給バルブ19は、外槽112にリン酸水溶液70を供給するように設置されても良く、循環路12の経路内または、中間タンク17にリン酸水溶液70を供給するように設置されても良い。
次いで、投入部14は、中間タンク17内に貯留されたリン酸水溶液70に対して、有機化合物の塩71を添加する(ステップS252)。これにより、窒化膜エッチング液7が生成される。このとき、投入部14は、中間タンク17内に設置された濃度計171の検出結果に基づいて、窒化膜エッチング液7中における有機化合物の塩71の濃度が所定濃度(mol/L)となるように、有機化合物の塩71を添加してもよい。
次いで、フィルタ16は、窒化膜エッチング液7から異物を除去する(ステップS253)。
次いで、加熱部13は、異物が除去された窒化膜エッチング液7を加熱する(ステップS254)。
次いで、ポンプ15は、加熱された窒化膜エッチング液7を処理槽11内に供給する(ステップS255)。
次いで、処理槽11において、加熱された窒化膜エッチング液7中に基板1を浸漬することで、シリコン窒化膜4のウェットエッチング処理を行う(ステップS256)。このとき、窒化膜エッチング液7は、基板2に形成されたシリコン窒化膜4に接触して、シリコン窒化膜4を選択的に除去する。ウェットエッチング処理に用いられた窒化膜エッチング液7は、内槽111からオーバーフローして外槽112に貯留される。
次いで、ポンプ15は、外槽112に貯留された窒化膜エッチング液7を吸引し、循環路12を通じて還流する(ステップS257)。還流の過程で、窒化膜エッチング液7に対して、有機化合物の塩71の添加(ステップS252)と、異物の除去(ステップS253)と、加熱(ステップS254)と、処理槽11内への供給(ステップS255)とが再度行われる。このようなリン酸水溶液70または窒化膜エッチング液7の循環にともなう窒化膜エッチング液7への各種の処理は、ウェットエッチング処理の所要時間の間繰り返してよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、有機化合物の塩71を含有する窒化膜エッチング液7を用いて基板1に形成されたシリコン窒化膜4をエッチングすることで、エッチングにともなうシリカの析出を抑制できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 基板
11 処理槽
4 シリコン窒化膜

Claims (7)

  1. 水とリン酸を有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩と、を含有するエッチング液。
  2. 前記有機化合物の塩は、液温150℃以上の前記リン酸水溶液に可溶である請求項1記載のエッチング液。
  3. 前記有機化合物の塩は、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含む請求項1に記載のエッチング液。
    Figure 2018056185
    Figure 2018056185
    (一般式(1)および一般式(2)において、R〜Rは有機基であり、aは、1〜4の整数であり、Xa−はf価のアニオンである。)
  4. 前記一般式(1)および前記一般式(2)において、R〜Rはメチル基またはフェニル基である請求項3に記載のエッチング液。
  5. 前記リン酸の含水率は、15重量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング液。
  6. 前記有機化合物の塩は、リン酸水溶液中において水和数が3.5以下のカチオンになる元素を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のエッチング液。
  7. 水とリン酸を有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩を含有するエッチング液を150℃以上に加熱し、
    窒化膜を有する基板を、前記エッチング液に接触させ、前記基板から前記窒化膜を除去する基板処理方法。
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