JP2018055664A - 画像生成システム及び画像生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の撮影画像を用いて仮想的な焦点面における対象物の高画質な合焦画像を生成することができる画像生成システムを提供する。【解決手段】複数の照明器101及びイメージセンサ102の間に位置する仮想的な焦点面における対象物の合焦画像を生成する画像生成システム10は、(b)合焦画像を構成する複数の画素の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、(c)複数の照明器101の位置の各々について、以下の(d)〜(f)を実行し、(d)焦点面上における画素の位置及び照明器の位置を結ぶ直線とイメージセンサ102の受光面との交点である対象点の位置を計算し、(e)対象点の位置に基づいて、当該照明器による撮影画像における対象点の輝度値を計算し、(f)対象点の輝度値を画素の輝度値に適用し、(g)複数の画素の各々における輝度値の適用結果を用いて、焦点面における対象物の合焦画像を生成する。【選択図】図1

Description

本開示は、レンズレス顕微鏡における、複数の光源による複数の撮影画像に基づいて仮想的な合焦面における対象物の画像を生成する技術に関する。
培養細胞を染色することなく連続的に観察したいという要求は、治療用の細胞の産生、薬効の試験等、培養細胞を医療、産業に用いる多くの分野にある。しかしながら、細胞の多くは、ほとんど無色透明であるため、透過光による光学顕微鏡での撮影では、培養細胞の立体構造がわかりにくい。
特許文献1では、細胞の断面形状を評価するために、対物レンズに平行であって、対象物に対して焦点の高さ位置が異なる多数の画像(すなわちピントを対象物の高さ方向にずらしながら撮影した多数の画像)から、対物レンズと平行でない面の合焦画像(擬似断面画像)を生成する方法を示している。
ところで、培養細胞の連続的観察は、細胞を培養するための多湿な環境を維持するためのインキュベータという限られた空間内で行われる。このような多湿な限られた空間内での観察のために、特許文献2は、レンズを用いずに微小な細胞を観察することのできるレンズレス顕微鏡を開示している。複数の異なる位置から照射する照明によって撮影された複数の画像を重ね合わせて(Ptychography)、解像度を高める方法を開示している。
特開2013−101512号公報 米国特許出願公開第2014/0133702号明細書
しかしながら、特許文献1の方法では、撮影した後に各高さ位置の画像から部分画像を切り出し、切り出された部分画像をつなぎ合わせるので、部分画像のつなぎ目に不連続が発生する。その結果、擬似断面画像の画質は、不連続により劣化する。また、不連続による画質劣化を低減するために不連続部分にぼかし処理が施されれば、擬似断面画像の鮮鋭さが低下する。
そこで、本開示は、複数の撮影画像を用いて仮想的な焦点面における対象物の高画質な合焦画像を生成することができる画像生成システム等を提供する。
本開示の一態様に係る画像生成システムは、複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、前記少なくとも1つの制御回路は、(a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、(b)前記合焦画像を構成する複数の画素の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、(c)前記複数の照明器の位置の各々について、以下の(d)〜(f)を実行し、(d)前記焦点面上における前記画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記イメージセンサの受光面との交点である対象点の位置を計算し、(e)前記イメージセンサの受光面上の前記対象点の位置に基づいて、前記照明器の位置から前記対象物が照明されているときに取得された撮影画像における前記対象点の輝度値を計算し、(f)前記対象点の輝度値を前記画素の輝度値に適用し、(g)前記複数の画素の各々における輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、(h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する。
また、本開示の一態様に係る画像生成システムは、複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、前記少なくとも1つの制御回路は、(a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、(b)複数の前記撮影画像の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、(c)前記撮影画像に対応する照明器の位置情報を取得し、(d)前記撮影画像に含まれる複数の第1画素の各々について、以下の(e)〜(f)を実行し、(e)前記イメージセンサの受光面上における前記第1画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記焦点面との交点の位置を計算し、(f)前記合焦画像を構成する複数の第2画素に含まれる、前記焦点面上の交点の位置に対応する1以上の第2画素の輝度値に、前記第1画素の輝度値を適用し、(g)前記複数の第2画素の輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、(h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。
本開示によれば、複数の撮影画像を用いて仮想的な焦点面における対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。本開示の一態様の付加的な恩恵及び有利な点は本明細書及び図面から明らかとなる。この恩恵及び/又は有利な点は、本明細書及び図面に開示した様々な態様及び特徴により個別に提供され得るものであり、その1以上を得るために全てが必要ではない。
実施の形態1に係る画像生成システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る照明器の構造の一例を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る照明器の構造の一例を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る照明器の構造の一例を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る照明器に含まれるピンホールが満たすべき大きさ条件を説明する模式図である。 実施の形態1に係る記憶部が記憶する内容の一例を示す図である。 実施の形態1に係る画像生成システムの動作の一例を示すフローチャートである。 座標と焦点面との関係の一例を示す模式図である。 実施の形態1に係る撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るリフォーカス処理部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1の変形例1に係るリフォーカス処理部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理の具体例を説明する模式図である。 実施の形態2に係る画像生成システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態2における照明位置の範囲の一例を模式的に示す図である。 レンズの焦点距離及び被写界深度の関係と、リフォーカシングする際の点光源の配置及び被写界深度の関係とを対応付けて示した模式図である。 実施の形態2に係る画像生成システムの動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2の変形例に係る画像生成システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態2の変形例に係る画像生成システムの動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る画像生成システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態3に係る胚情報テーブルの一例を示す図である。 実施の形態3に係る焦点面決定部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態3の変形例に係る画像生成システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態3の変形例に係る細胞位置判定部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態3の変形例に係る焦点面決定部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態3の変形例に係る焦点面決定部による細胞配置の決定に関する処理を示すフローチャートである。 4細胞期の胚の3次元モデルの側面図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの側面図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの平面図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの斜視図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの断面図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの断面図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの斜視図である。 4細胞期の胚の3次元モデルの断面図である。
本開示の一態様に係る合焦画像生成システムは、複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、前記少なくとも1つの制御回路は、(a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、(b)前記合焦画像を構成する複数の画素の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、(c)前記複数の照明器の位置の各々について、以下の(d)〜(f)を実行し、(d)前記焦点面上における前記画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記イメージセンサの受光面との交点である対象点の位置を計算し、(e)前記イメージセンサの受光面上の前記対象点の位置に基づいて、前記照明器の位置から前記対象物が照明されているときに取得された撮影画像における前記対象点の輝度値を計算し、(f)前記対象点の輝度値を前記画素の輝度値に適用し、(g)前記複数の画素の各々における輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、(h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する。
本態様によれば、焦点面上における画素の位置及び照明器の位置を結ぶ直線とイメージセンサの受光面との交点である対象点の輝度値を、当該画素の輝度値に適用することができる。したがって、仮想的な焦点面における合焦画像の各画素に、当該画素に対応する複数の撮影画像の輝度値を反映することができ、対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。
本開示の一態様に係る合焦画像生成システムは、複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、前記少なくとも1つの制御回路は、(a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、(b)複数の前記撮影画像の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、(c)前記撮影画像に対応する照明器の位置情報を取得し、(d)前記撮影画像に含まれる複数の第1画素の各々について、以下の(e)〜(f)を実行し、(e)前記イメージセンサの受光面上における前記第1画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記焦点面との交点の位置を計算し、(f)前記合焦画像を構成する複数の第2画素に含まれる、前記焦点面上の交点の位置に対応する1以上の第2画素の輝度値に、前記第1画素の輝度値を適用し、(g)前記複数の第2画素の輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、(h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する。
本態様によれば、イメージセンサの受光面上における第1画素の位置及び照明器の位置を結ぶ直線と焦点面との交点の位置に対応する合焦画像の1以上の第2画素の輝度値に、撮影画像の第1画素の輝度値を適用することができる。したがって、撮影画像の各画素の輝度値を合焦画像の画素の輝度値に反映することができ、対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。
例えば、前記複数の照明器の各々は、光源と、前記光源と前記対象物との間に位置し、ピンホールを有する遮光板とを備え、前記光源により、前記ピンホールを介して、拡散光を前記対象物に照射してもよい。
本態様によれば、光源により、ピンホールを介して、拡散光を対象物に照射することができる。したがって、照明器から照射される光を表す複数の光線が交錯することを防ぐことができ、対象物の撮影画像の画質を向上させることができ、合焦画像の画質も向上させることができる。
例えば、前記画像生成システムは、さらに、ディスプレイを備え、前記ディスプレイは、前記少なくとも1つの制御回路により出力された前記合焦画像を表示してもよい。
本態様によれば、合焦画像を表示することができる。
例えば、さらに、前記焦点面の情報に基づいて、照明位置の範囲を決定し、前記複数の照明器のうち、前記照明位置の範囲に対応する照明器が、前記対象物に順番に照明してもよい。
本態様によれば、焦点面の情報に基づいて照明位置の範囲を決定し、決定された照明位置の範囲に対応する照明器によって対象物を順番に照明することができる。したがって、焦点面における合焦画像の生成に適した照明器を用いて対象物を撮影することができ、撮影時間を短縮することができる。
なお、これらの全般的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本開示の一態様に係る合焦画像生成システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1では、イメージセンサ上に位置する対象物に複数の照明器が順に照明し、照明する毎に対象物を撮影することで得られた複数の撮影画像を用いて、複数の照明器とイメージセンサとの間に位置する仮想的な焦点面における対象物の画像を生成する。以下において、この複数の撮影画像を用いて生成された画像を合焦画像ともいう。
[画像生成システムの構成]
図1は、実施の形態1に係る画像生成システムの機能ブロック図である。図1に示される画像生成システム10は、撮影装置100Aと、画像生成装置100Bと、記憶部120と、表示部150とを備える。画像生成システム10は、さらに、予め定められた焦点面の情報を記憶している第1記録部111と、リフォーカス処理済みの画素の情報を記録する第2記録部121と、焦点面を指定する指定情報の入力を受け付ける入力部112とを備えてもよい。
[撮影装置の構成]
まず、撮影装置100Aの構成について説明する。撮影装置100Aは、複数の照明器101と、イメージセンサ102と、撮影制御部103とを備える。撮影装置100Aは、対象物の撮影画像(photographic image)を取得する。ここでは、撮影装置100Aは、フォーカスレンズを有さない。通常、フォーカスレンズは複数のレンズ及び鏡を有し、光軸方向に一定以上の長さを有する。したがって、例えば、細胞を培養するインキュベータ内に、フォーカスレンズを有する撮影装置を配置することが、実質上、難しい。また、細胞が培養される環境は高湿度を有する。レンズ及び鏡の材料は、高湿度環境下での利用が困難である。したがって、細胞培養する環境下には、フォーカスレンズを有する撮影装置は適さない。したがって、フォーカスレンズを有さない撮影装置により、例えば、インキュベータ内部であり、かつ細胞培養する環境下においても、細胞を観察することができる。
対象物は、例えばイメージセンサ102上に配置される複数の半透明の物質である。複数の物質は3次元的に重なって位置する。物質の具体例は、細胞である。
複数の照明器101の各々は、平行光を出力する照明器、又は拡散光を出力する照明器である。複数の照明器101は、第1の照明器及び第2の照明器を含む。第1の照明器及び第2の照明器のそれぞれは、交錯しない光を照射する。すなわち、第1の照明器から照射された第1の光を表す複数の第1の光線は、互いに交わらない。また、第2の照明器から照射された第2の光を表す複数の第2の光線も、互いに交わらない。したがって、第1の照明器及び第2の照明器のどちらか一方から光を照射した場合に、第1の照明器及び第2の照明器の当該一方からの光は、イメージセンサ102に含まれる1つの画素に単一の方向から到達する。つまり、1つの画素に対して2以上の方向から光が到達しない。
以下において、このような照明を非交錯照明と呼ぶ。非交錯照明は、例えば平行光、または、点光源からの拡散光によって実現できる。複数の照明器101は、順に、光を照射する。複数の照明器101は、互いに異なる位置に配置され、互いに異なる方向から対象物に光を照射する。
イメージセンサ102は、複数の画素を有する。イメージセンサ102の各画素は、受光面に配置され、複数の照明器101から照射された光の強度を取得する。イメージセンサ102は、各画素により取得された光の強度に基づいて、撮影画像を取得する。イメージセンサ102は取得した画像を、例えば、記憶部120に出力する。
イメージセンサ102の例は、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
撮影制御部103は、複数の照明器101による光の照射及びイメージセンサ102による撮像を制御する。具体的には、撮影制御部103は、複数の照明器101が光を照射する順番、複数の照明器101が光を照射する時間間隔を制御する。撮影制御部103は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random
Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)などからなるコンピュータシステム(図示せず)により構成される。撮影制御部103の構成要素の一部又は全部の機能は、CPUがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。また、撮影制御部103の構成要素の一部又は全部の機能は、専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。
イメージセンサ102の受光面に対して互いに異なる位置に配置された複数の照明器101から照射される光は、受光面に対して異なる入射角で入射する。複数の照明器101が平行光を照射する場合は、複数の照明器101は、イメージセンサ102の受光面に対する入射角が互いに異なる平行光を照射する。平行光は、例えば図2に示すように、遮光板101Bに形成されたピンホール101Cを介してLED光源101Aから射出された光をコリメートレンズ101Dにより屈折させることにより得られる。
図3は、複数の照明器101の構造の一例を説明する模式図である。図3の複数の照明器101の例では、平行光を照射する複数の光源101Eがイメージセンサ102の受光面に対して異なる角度で固定されている。図3の例では複数の光源101Eは、イメージセンサ102を覆う半球101Fの内面に配置されている。複数の光源101Eからイメージセンサ102の受光面に到達する光の受光面への入射角は互いに異なる。
図4は、複数の照明器101の構造の別の一例を説明する模式図である。図4の複数の照明器101の例では、複数の擬似点光源101Gは、イメージセンサ102の受光面と平行な平面101H上の異なる位置に、イメージセンサ102側に向けて配置されている。複数の擬似点光源101Gからの光は、イメージセンサ102の受光面の各画素に対して、異なる方向から入射する。複数の擬似点光源101Gの各々は、例えば、LED光源101Aの近傍にピンホール101Cを有する遮光板101Bを置くことで実現される。ピンホール101Cの大きさは、イメージセンサ102の画素ピッチと、イメージセンサ102とピンホール101Cとの距離、合焦画像を生成する点のイメージセンサ102からの距離とによって制限される。
図5は、ピンホールが満たすべき大きさの条件を説明する模式図である。ここで、d1は、ピンホール101Cの直径を表す。h1は、イメージセンサ102の受光面からピンホール101Cまでの距離を表す。h2は、イメージセンサ102の受光面から合焦点101J(すなわち合焦画像中の任意の画素の焦点面上の位置にある点)までの距離を表す。d2は、ピンホール101Cから合焦点を透過してイメージセンサ102の受光面に到達する光の広がりの直径を表す。pは、イメージセンサ102の画素ピッチを表す。
このとき、ピンホール101Cから射出された光は、合焦点101Jを通過してイメージセンサ102の受光面の1点に到達することが理想である。すなわち、ピンホール101Cから射出された光は、合焦点101Jを通過してイメージセンサ102の1画素にのみ到達することが望ましい。したがって、d2がイメージセンサの画素ピッチpを超えない大きさであることが望ましい。つまり、以下の式1に示すようにd2<pが非交錯照明を実現するための条件である。
d1が満たすべき条件は、この式1を変形することにより以下の式2のように表すことができる。
例えば、画素ピッチpが0.001mmであり、イメージセンサ102の受光面からピンホール101Cまでの距離h1が2mm、イメージセンサ102から合焦点101Jまでの距離h2が0.1mmである場合、ピンホールの直径d1は0.19mm未満であることが望ましい。
[画像生成装置の構成]
次に、画像生成装置100Bの構成について説明する。画像生成装置100Bは、少なくとも1つの制御回路によって実現される。図1に示すように、画像生成装置100Bは、焦点面決定部110と、リフォーカス処理部130と、画像生成部140とを備える。
焦点面決定部110は、例えば制御回路又はプロセッサによって実現され、複数の照明器101及びイメージセンサ102の間に位置する仮想的な焦点面を決定する。具体的には、焦点面決定部110は、例えば、第1記録部111に記録された予め定められた焦点面の情報に基づいて焦点面を決定する。また例えば、焦点面決定部110は、入力部112を介して外部から入力された情報に従って焦点面を決定してもよい。
記憶部120は、例えば半導体メモリ又はハードディスクドライブ等によって実現され、イメージセンサ102で撮影された画像を、当該撮影に用いられた照明器の位置情報とともに記憶する。
図6は、記憶部120が記憶する内容の一例を示す。撮影部100によって撮影された画像ファイルごとに、当該画像ファイルの取得時に用いられた照明器の位置情報が記憶されている。図6の例では、照明器の位置情報は、イメージセンサ102に対する相対的な位置を示す。以下において、この照明器の位置情報を照明位置情報とも呼ぶ。照明位置情報は、画像ファイルのファイルIDとともに記憶されており、画像データとファイルIDを介して結合されている。なお、照明位置情報は、画像ファイルの一部(例えばヘッダ情報)に記録されてもよい。
リフォーカス処理部130は、例えば制御回路又はプロセッサによって実現され、複数の画像と、複数の照明器101の位置情報と、仮想的な焦点面の情報とから、当該焦点面における合焦画像を構成する画素ごとの光の強度を計算する。このリフォーカス処理の詳細は後述する。
画像生成部140は、例えば制御回路又はプロセッサによって実現され、リフォーカス処理部130で計算された画素ごとの輝度値から焦点面における合焦画像を生成する。
表示部150は、ディスプレイによって実現され、画像生成部140で生成された合焦画像を表示する。
[画像生成システムの動作]
次に、以上のように構成された画像生成システム10の動作について説明する。図7は、実施の形態1に係る画像生成システム10の動作の一例を示すフローチャートである。図8は、座標と焦点面との関係の一例を示す模式図である。
(ステップS1100)
まず、撮影部100は、複数の照明器101を順に用いて対象物を照明し、当該対象物の複数の画像を撮影する。具体的には、撮影部100は、複数の照明器101のそれぞれが対象物を照明するたびに、イメージセンサ102の受光面に到達した光の強度を記録することにより、対象物の画像を取得する。取得された画像は、撮影時に対象物を照明していた照明器の位置情報とともに記憶部120で記憶される。ここでは、複数の照明器101の位置は、イメージセンサ102に対して固定されており、複数の照明器101の各々の位置情報は予め定められている。撮影処理の詳細は後述する。
(ステップS1200)
焦点面決定部110は、焦点面を決定する。具体的には、焦点面決定部110は、イメージセンサ102に対する焦点面の位置及び傾き(角度)を決定する。例えば、焦点面決定部110は、第1記録部111に記憶される予め定められた焦点面の情報に基づいて焦点面を決定してもよい。または、焦点面決定部110は、入力部112によりユーザから受け付けられた、焦点面を指定する指定情報に基づいて、焦点面を決定してもよい。
焦点面は、合焦画像が生成される仮想的な面に相当する。つまり、焦点面における対象物の合焦画像に含まれる複数の画素は、焦点面上の複数の点に一対一で対応する。
例えば、焦点面決定部110は、焦点面の角度及び位置を用いて焦点面を決定する。焦点面の角度及び位置は、例えば図8に示すxyz空間によって定義される。
図8において、xy平面は、イメージセンサ102の受光面と一致する。z軸は、イメージセンサ102の受光面に直交する。このとき、焦点面の角度は、イメージセンサ102の受光面の中心を原点とするxyz空間においてx軸及びy軸に対する角度で定義される。焦点面の位置は、焦点面の中心点の座標で定義される。
(ステップS1300)
リフォーカス処理部130は、複数の撮像画像と、複数の照明器101の位置情報と、焦点面の情報とに基づいて、リフォーカス処理を行い、焦点面上の各点の輝度を求める。リフォーカス処理の詳細は後述する。
(ステップS1400)
画像生成部140は、ステップS1300で行われたリフォーカス処理の結果に基づきディスプレイ等に出力可能な画像データを生成する。画像生成部140は、生成された画像データを表示部150に出力する。
(ステップS1500)
表示部150は、ステップS1400で生成された画像を表示する。
[撮影処理]
ここでステップS1100の撮影部100の動作の詳細を説明する。図9は、撮影装置100Aの動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS1110)
撮影制御部103は、予め定められた複数の照明位置、または図示しない外部入力によって指定された複数の照明位置のリスト(以下、照明位置リストという)を参照して、各照明位置から照明された対象物の撮影が終了したか否かを判定する。
ここで、照明位置リストに含まれるすべての照明位置からの照明による撮影が終了している場合(ステップS1110においてyes)、ステップS1200へ進む。一方、照明位置リスト内のいずれかの照明位置からの照明による撮影が終了していない場合(ステップS1110においてno)、ステップS1120へ進む。
(ステップS1120)
撮影制御部103は、照明位置リストに含まれる複数の照明位置の中から、まだ照明が行われていない照明位置を選択し、複数の照明器101へ制御信号を出力する。照明位置リストにおいて、各照明位置は、例えば、照明位置ごとに割り当てられた番号によって示される。あるいは、各照明位置は、例えば、図8に示すxyz空間における座標値によって示される。照明位置の選択は、例えば、リストの昇順に行われる。
(ステップS1130)
複数の照明器101は、ステップS1120で撮影制御部103より出力された制御信号に従って、対象物への照明を開始する。つまり、ステップS1120で選択された照明位置にある照明器が光の照射を開始する。
(ステップS1140)
照明器によって対象物が照明されている間に、イメージセンサ102は、当該照明器から対象物を透過した光によって形成される画像を取得する。
(ステップS1150)
その後、撮影制御部103は、複数の照明器101へ制御信号を出力して、対象物への照明を停止する。なお、照明の停止は、撮影制御部103からの制御信号に従って行われなくてもよい。例えば、複数の照明器101は、照明を開始してからの時間長を計時して、計時した時間長が予め定められた時間長を超えたら照明を能動的に停止してもよい。あるいはステップS1140でイメージセンサ102が画像の取得を終了した後に、イメージセンサ102は、照明を停止するための制御信号を複数の照明器101に出力してもよい。
(ステップS1160)
次いで、撮影制御部103は、ステップS1140で取得された画像と、ステップS1130で用いられた照明器の位置情報を記憶部120へ出力する。そして、記憶部120は、画像データと照明位置の情報とを対応付けて記憶する。ステップS1160の後、ステップS1110へ戻る。
ステップS1110からステップS1160までの処理が繰り返されることで、照明位置リストに含まれるすべての照明位置の照明器から順次対象物に光が照射され、対象物に光が照射されるたびに画像を取得する。
[リフォーカス処理]
さらに、ステップS1300のリフォーカス処理部130の動作の詳細を説明する。図10は、実施の形態1に係るリフォーカス処理部130の動作の一例を示すフローチャートである。図11〜図15は、リフォーカス処理の計算方法の具体例を説明する模式図である。
以下に、図11〜図15を参照しながら、図10の各ステップについて説明する。
(ステップS1310)
リフォーカス処理部130は、ステップS1200で決定された焦点面の情報を焦点面決定部110から取得する。
焦点面の情報は、例えば、焦点面の中心の座標値と、焦点面の傾きを示す値とを含む。焦点面の傾きは、例えば、焦点面及びxz平面の交線とx軸とが成す角度によって表される。また例えば、焦点面の傾きは、焦点面及びyz平面の交線とy軸とが成す角度によって表される。焦点面の中心の座標値は、合焦画像の中心の画素に対応する焦点面上の点の座標値である。
図11は、撮影部100及び対象物1000の、xz平面における断面図の一例を示す。対象物1000は、照明器101a、101b及びイメージセンサ102の間に位置し、かつイメージセンサ102上に位置する。リフォーカス処理部130は、焦点面1100の情報を取得する。
(ステップS1320)
リフォーカス処理部130は、合焦画像に含まれる全画素についてリフォーカス処理が終了したか否かを判定する。ここでは、リフォーカス処理とは、ステップS1320からステップS1390までの処理を意味する。
合焦画像に含まれる全画素についてリフォーカス処理が終了している場合(ステップS1320においてyes)、リフォーカス処理部130は、リフォーカス処理を終了する(ステップS1400へ進む)。
合焦画像に含まれるいずれかの画素についてリフォーカス処理が終了していない場合(ステップS1320においてno)、リフォーカス処理部130は、リフォーカス処理を続行する(ステップS1330へ進む)。
合焦画像は、複数の画素を含む。合焦画像に含まれる複数の画素は、焦点面上の複数の点に一対一で対応する。図12は、合焦画像に含まれる複数の画素に対応する、焦点面1100上の複数の点1102a〜1102eを示す。なお、図12に示す焦点面1100上の複数の点1102a〜1102eは、対象物1000上の点であったが、焦点面1100上の複数の点1102a〜1102eが対象物1000上あるいは対象物1000を通過する面上の点でなくても良い。対象物1000上あるいは対象物1000を通過する面上の点以外の点が合焦画像の画素に対応してもよい。
(ステップS1330)
リフォーカス処理部130は、合焦画像に含まれる複数の画素の中から1つの画素を選択する。ここで選択される1つの画素は、合焦画像に含まれる複数の画素のうち、リフォーカス処理がまだ実行されていない画素である。なお、合焦画像の画素値の初期値は0である。
例えば、図1に示した第2記録部121に、合焦画像のうちすでにリフォーカス処理が実行された画素の情報が記憶されている。後述するステップS1390の処理の後、リフォーカス処理部130は、第2記録部121にリフォーカス処理した画素の情報を記録する。リフォーカス処理部130は、第2記録部121に記録された画素の情報を参照して、リフォーカス処理がまだ実行されていない画素を選択する。以下、図13に示すように、点1102aに対応する画素が選択された場合について説明する。また、点1102aに対応する画素を選択画素とも表記する。
(ステップS1340)
リフォーカス処理部130は、すべての照明位置に対する加算処理が終了しているか否かを判定する。
ここで、すべての照明位置に対する加算処理が終了している場合(ステップS1340においてyes)、リフォーカス処理部130の処理は、ステップS1320に戻る。
一方、いずれかの照明位置に対する加算処理が終了していない場合(ステップS1340においてno)、リフォーカス処理部130は加算処理を続行する(ステップS1350に進む)。ここで、加算処理とは、ステップS1340からステップS1390までの処理を意味する。
(ステップS1350)
リフォーカス処理部130は、撮影に用いたすべての照明位置の中からまだ加算処理が終了していない照明位置を選択する。
(ステップS1360)
リフォーカス処理部130は、選択された照明位置と焦点面における選択画素の位置とを通る直線が、イメージセンサ102の受光面と交差する点の位置を計算する。
図14は、照明器101aの位置と選択画素に対応する点1102aとを通る直線1200と、イメージセンサ102の受光面との交点1103aを示す。以下において、交点1103aを、加算処理を行う対象の点である対象点とも表記する。ここで、図14に示す照明器101aの位置は、例えば、図4に示す複数の擬似点光源101Gのいずれか1つの光源の位置、または、図3に示す複数の平行光の光源101Eのうちの1つの光源の位置に対応する。より具体的には、図14に示す照明器101aは、光源101Eの表面に直行し、かつ、点1102aを通る直線と、光源101Eの平面との交点である。
イメージセンサ102の受光面上の対象点は、例えば、図8に示すxy平面上の座標値で表される。
(ステップS1370)
リフォーカス処理部130は、選択された照明位置に対応する画像を記憶部120から取得する。つまり、リフォーカス処理部130は、選択された照明位置にある照明器を用いて撮影された画像を記憶部120から取得する。具体的には、リフォーカス処理部130は、図6に示した照明位置情報と画像との対応関係に従って、記憶部120に記憶された画像を取得する。例えば、リフォーカス処理部130は、図13に示す照明器101aの位置に対応する画像を取得する。
(ステップS1380)
リフォーカス処理部130は、ステップS1360で計算されたイメージセンサ102上の対象点の撮影画像中の位置を決定する。具体的には、リフォーカス処理部130は、撮影画像の画素の配列を基準に撮影画像における対象点の位置を決定する。
撮影画像における対象点の位置が複数の画素の中間位置である場合、リフォーカス処理部130は、対象点の位置に隣接する複数の画素の輝度値を用いて補間処理を行うことにより、撮影画像における対象点の輝度値を計算する。具体的には、リフォーカス処理部130は、例えば、対象点に隣接する複数の画素(例えば4画素)のそれぞれの画素と対象点との距離を求め、対象点と各画素との距離の比を各画素の輝度値に乗じて加算することで、撮影画像における対象点の輝度値を求める。
図15は、ステップS1380における対象点の輝度値の計算を説明するための模式図である。図15において、対象点に隣接する4つの画素A〜画素Dと対象点との距離は、それぞれ、a、b、c、及びdと表されている。この場合、対象点の輝度値Ltは、以下の式3で求められる。
ここで、La、Lb、Lc及びLdは、それぞれ、画素A、画素B、画素C及び画素Dの輝度値を表す。
(ステップS1390)
リフォーカス処理部130は、合焦画像上の選択画素の輝度値にステップS1390で計算した対象点の輝度値を加算する。
ステップS1340からステップS1390までの処理を繰り返すことにより、全ての照明位置について、撮影された画像中の対象点の輝度値が選択画素の輝度値に加算された結果が、選択画素の輝度値として計算される。
このような加算処理によって、焦点面上の各点について、当該点を透過した複数の方向からの光によって形成された複数の画像が合焦画像の1つの画素に重ねられる。
図14において、照明器101aから照射された光は、選択画素に対応する焦点面1100上の点1102aを透過してイメージセンサ102の受光面上の対象点(交点1103a)に到達する。したがって、照明器101aによって撮影された画像中の対象点(交点1103a)の位置には、焦点面1100上の点1102aにおける画像が含まれている。
また、図14において、照明器101bから照射された光は、選択画素に対応する焦点面1100上の点1102aを透過してイメージセンサ102の受光面上の対象点(交点1103b)に到達する。したがって、照明器101bによって撮影された画像中の対象点(交点1103b)の位置には、焦点面1100上の点1102aにおける画像が含まれている。
このような対象点(交点1103a)における画像(輝度値)及び対象点(交点1103b)における画像(輝度値)が加算されることにより、複数の方向からの光によって形成された複数の画像が合焦画像の選択画素に重ねられる。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像生成システムによれば、焦点面上における画素の位置及び照明器の位置を結ぶ直線とイメージセンサ102の受光面との交点である対象点の輝度値を、当該画素の輝度値に適用することができる。したがって、仮想的な焦点面における合焦画像の各画素に、当該画素に対応する複数の撮影画像の輝度値を反映することができ、対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。上記実施の形態1では、図10のステップS1350で照明位置が選択されたが、本変形例では、撮影画像が選択される。以下に、実施の形態1の変形例1について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図16は、実施の形態1の変形例1に係るリフォーカス処理部の動作の一例を示すフローチャートである。図16では、図10におけるステップS1340〜ステップS1390の代わりに、ステップS1341〜ステップS1390が実行される。なお、図16において、図10と実質的に同一のステップについては同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図16において、撮影画像のすべてが加算処理に使用された場合(ステップS1341においてyes)は、ステップS1320へ戻る。一方、撮影画像のいずれかが加算処理に使用されていない場合(ステップS1341においてno)は、ステップS1351へ進む。リフォーカス処理部130は、記憶部120に記憶された撮影画像のうち1つを選択する(ステップS1351)。ここでは、加算処理にまだ使用されていない撮影画像が選択される。
リフォーカス処理部130は、ステップS1351で選択された撮影画像に対応する照明位置情報を記憶部120から取得する(ステップS1359)。その後は、ステップS1370で画像を取得する動作がない以外は図9に示した動作と同様である。
以上のように、本変形例に係る画像生成システムによれば、照明位置の選択を撮影画像の選択に代えても、実施の形態1と同様に、合焦画像の各画素に、当該画素に対応する複数の撮影画像の輝度値を適用することができ、対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について説明する。上記実施の形態1では、図10のステップS1320及びステップS1330で、合焦画像内の画素が順に選択されたが、本変形例では、撮影画像内の画素が順に選択される。つまり、本変形例では、先に撮影画像内の画素が選択され、その選択された画素に対応する焦点面上の点が後で決定される点が上記実施の形態1と異なる。このように決定された焦点面上の点に対応する合焦画像内の画素に、撮影画像内の選択された画素の輝度値が反映される。以下に、実施の形態1の変形例2について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図17は、実施の形態1の変形例2に係るリフォーカス処理部の動作の一例を示すフローチャートである。図17において、図10と実質的に同一のステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
(ステップS1322)
リフォーカス処理部130は、ステップS1100で撮影した画像のすべてについてリフォーカス処理が終了したかどうかを判定する。リフォーカス処理とは、ステップS1322からステップS1392までの処理を意味する。すべての画像についてすでにリフォーカス処理が終了している場合(ステップS1322においてyes)は、リフォーカス処理部130は、ステップS1400へ進む。ステップS1100で撮影した画像のいずれかについてリフォーカス処理が終了していない場合(ステップS1322においてno)は、ステップS1332へ進む。
(ステップS1332)
リフォーカス処理部130は、記憶部120に記憶されている、ステップS1100で撮影された画像の中から、1つの撮影画像を選択する(ステップS1332)。ここで選択される1つの撮影画像は、リフォーカス処理がまだ行われていない画像である。以下において、ステップS1332で選択された1つの画像を選択画像という。
(ステップS1333)
リフォーカス処理部130は、選択画像に対応する照明位置情報を取得する。例えば、リフォーカス処理部130は、図6に示した画像と照明位置情報との対応関係を参照して照明位置情報を取得する。ここでは、照明器101aの位置情報が取得された場合について説明する。
(ステップS1342)
リフォーカス処理部130は、選択画像の全画素に対して、加算処理が終了したかを判定する(ステップS1342)。ここで、選択画像の全画素について加算処理が終了している場合(ステップs1342においてyes)は、加算処理を終了してステップS1322へ戻る。一方、選択画像のいずれかの画素について加算処理が終了していない場合(ステップS1342においてno)は、ステップS3152へ進む。加算処理とは、ステップS1342からステップS1392までの処理を意味する。
(ステップS1352)
リフォーカス処理部130は、選択画像中の1つの画素を選択する。ここで選択される1つの画素は、加算処理がまだ行われていない画素である。
図18に、選択画像に含まれる複数の画素に対応する受光面上の複数の点1302a〜1302eを示す。ここでは、図19に示すように、受光面上の点1302aに対応する画素を選択画像から選択した場合について説明する。なお、以後、ステップS1352で選択された画素を加算画素とも表記する。
(ステップS1372)
リフォーカス処理部130は、図19に示すように、受光面上の点1302aと照明器101aの位置とを結ぶ直線と焦点面1100とが交差する交点1303aの位置を計算する。以下において、交点1303aを加算点とも表記する。
(ステップS1382)
リフォーカス処理部130は、受光面上の点1302aに対応する選択画像内の加算画素の輝度値を、焦点面上の加算点(交点1303a)に対応する合焦画像内の1以上の画素の輝度値に加算する。
例えば、合焦画像において、交点1303aの位置がどの画素(整数画素)の位置とも一致しない場合、リフォーカス処理部130は、合焦画像において交点1303aに隣接する複数の画素に加算するための輝度値をそれぞれ計算する。具体的には、リフォーカス処理部130は、合焦画像の画素の配列を基準に、ステップS1372で計算された焦点面上の加算点(交点1303a)に対応する合焦画像内の位置を決定する。
例えば、図20のように、合焦画像において4つの画素(画素A〜画素D)に囲まれた位置が加算点の位置として決定される。この場合、リフォーカス処理部130は、合焦画像において加算点に隣接する各画素(画素A〜画素D)と加算点との距離を計算する。リフォーカス処理部130は、計算された距離と加算画素の輝度値とを用いて、加算点に隣接する各画素に加算するための輝度値を計算する。例えば、リフォーカス処理部130は、合焦画像内において加算点に隣接する画素と加算点との距離が相対的に大きい画素ほど輝度値が相対的に大きくなるように、各画素に加算するための輝度値を計算する。具体的には、リフォーカス処理部130は、例えば画素Aに加算するための輝度値Laを、以下の式4に従って計算する。
ここで、aは、合焦画像における画素Aと加算点との間の距離である。bは、合焦画像における画素Bと加算点との間の距離である。cは、合焦画像における画素Cと加算点との間の距離である。dは、画素Dと加算点との間の距離である。Lは、撮影画像に含まれる加算画素の輝度値である。
(ステップS1392)
リフォーカス処理部130は、合焦画像中の1以上の画素の輝度値に、ステップS1382で計算された輝度値を加算する。
ステップS1342からステップS3192までの処理を繰り返すことで、選択画像中のすべての画素の輝度値を合焦画像の画素の輝度値に反映させることができる。
さらに、ステップS1322からステップS1392を繰り返すことですべての撮影画像中のすべての画素について加算処理が行われ、焦点面における合焦画像を生成することができる。
図17のフローチャートについて各ステップの具体例を図21を参照しながら説明する。ここでは、イメージセンサ102及び焦点面等が以下の条件を満たす場合について説明する。イメージセンサ102の受光面の長辺(すなわちx軸と平行な辺)の長さが6mmであり、受光面の短辺(すなわちy軸と平行な辺)の長さが4mmである。焦点面のx軸に対する傾きが30度である。焦点面のy軸に対する傾きが0度である。焦点面の面積は、イメージセンサ102の受光面の面積と同じである。すなわち、焦点面は、6mm×4mmの矩形の平面である。焦点面の一方の短辺は、図18のようにyz平面上にあり、y軸に平行に延びている。焦点面の他方の短辺は、xy平面上にあり、x座標が約5.2mmの位置でy軸と平行に延びている。焦点面の中心の座標(x,y,z)は、(2.6,2,1.5)である。
ここで、ステップS1332で画像が選択され、ステップS1333で画像に対応する照明位置(7.5,2,10)が取得され、ステップS1352で加算画素(1.7,2,0)が選択されたとする。この場合、ステップS1372において、加算画素(1.7,2,0)と照明位置(7.5,2.0,10)とを通る直線と焦点面との交点である加算点の座標(2.6,2,1.5)が計算される。そして、ステップS1382において、合焦画像における加算点の近傍の画素の輝度値に、加算画素の輝度値が分配されて加算される。
以上のように、本変形例に係る画像生成システムによれば、イメージセンサ102の受光面上における第1画素の位置及び照明器の位置を結ぶ直線と焦点面との交点の位置に対応する合焦画像の1以上の第2画素の輝度値に、撮影画像の第1画素の輝度値を適用することができる。したがって、撮影画像の各画素の輝度値を合焦画像の画素の輝度値に反映することができ、対象物の高画質な合焦画像を生成することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、決定された焦点面に応じて適応的に照明位置を決定し、決定された照明位置にある照明器を用いて対象物を撮影する点が実施の形態1と異なる。以下に、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
[画像生成システムの構成]
図22は、実施の形態2に係る画像生成システム20の機能的な構成を示すブロック図である。図22において、図1と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像生成システム20は、撮影装置200Aと、画像生成装置200Bと、記憶部120と、表示部150とを備える。
[撮像装置の構成]
撮影装置200Aは、複数の照明器101と、画素ごとに光の強度を記録するイメージセンサ102と、撮影制御部203とを備える。
撮影制御部203は、後述する照明範囲決定部211から取得した照明範囲情報に従って、複数の照明器101及びイメージセンサ102の動作を制御する。具体的には、撮影制御部203は、異なる位置にある複数の照明器101から光を順に照射させる。そして、複数の照明器101のいずれかから光が照射されるたびに、イメージセンサ102に対象物の画像を撮影させる。
撮影制御部203は、実施の形態1の撮影制御部103と同様に、例えば、CPU、RAM、ROMなどからなるコンピュータシステム(図示せず)により構成されてもよい。撮影制御部203の構成要素の一部又は全部の機能は、CPUがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。また、撮影制御部203の構成要素の一部又は全部の機能は、専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。
[画像生成装置の構成]
画像生成装置200Bは、焦点面決定部210と、照明範囲決定部211と、リフォーカス処理部130と、画像生成部140とを備える。
焦点面決定部210は、例えば制御回路又はプロセッサによって実現され、複数の照明器101及びイメージセンサ102の間に位置する仮想的な焦点面を決定する。具体的には、焦点面決定部210は、予め定められた焦点面の情報に基づいて焦点面を決定する。また例えば、焦点面決定部210は、外部から入力された情報に従って焦点面を決定してもよい。
照明範囲決定部211は、焦点面決定部210によって決定された焦点面に対応する照明位置を決定する。ここで、図23及び図24を参照しながら照明位置の決定の具体例を説明する。
図23は、実施の形態2における照明位置の決定方法を模式的に示した説明図である。図24は、レンズの焦点距離及び被写界深度の関係と、リフォーカシングする際の点光源の配置及び被写界深度の関係とを対応付けて示した模式図である。図24の(a)は、レンズの焦点距離及び被写界深度の関係を示し、図24の(b)は、リフォーカシングする際の点光源の配置及び被写界深度の関係を示す。
図24において、fは、レンズの焦点距離を示す。sは、被写体距離を示す。tは、レンズから結像面までの距離を示す。Fは、F値を示す。εは、焦点深度の1/2を示す。δは、許容錯乱円直径を示す。snは、近点距離を示す。sfは、遠点距離を示す。Dnは、前方被写界深度を示す。Dfは、後方被写界深度を示す。
リフォーカシングによる被写界深度は照明位置の分布範囲の広さによって決定される。図24の(b)において、点線で示す照明位置の分布範囲は、図24の(a)のレンズ径に対応する。図24の(a)に示したレンズの場合には、被写体(Subject)表面で反射された光はレンズを通過して焦点面(Focal Plane)で結像する。被写界深度(Depth of Field)は、前方被写界深度Dnと後方被写界深度Dfの和である。本開示では、透過光の撮影でのリフォーカシングであるため、図24の(a)の被写体の位置に相当するのが焦点面である。図24の(b)において、イメージセンサは焦点面よりも左側に位置する。本実施の形態では、点光源の配列より図中右側には実際には何も無いが、許容錯乱円として、イメージセンサの画素ピッチを設定することで、被写界深度を計算しうる。
例えば、図23に示した、焦点面の合焦画像を生成するために必要な照明位置の範囲は、図24に示すように、焦点面に平行に設置されたレンズの大きさに対応する。レンズを用いると、焦点位置に置かれた被写体を観測するために、被写体から5mmの距離に置かれた直径10mmのレンズ径が必要な場合の照明位置の範囲は、次のような円で表される。つまり、照明位置の範囲は、図23のように焦点面に平行で、焦点面からの距離が5mm、焦点面の中心を通る焦点面の法線と焦点面に平行な平面との交点を中心とした直径10mmの円で表される。実際の点光源の配置平面あるいは曲面(例えば、図3に示した曲面や、図4に示した平面)に、この照明位置の範囲を写像した領域内に配置された照明器の位置が、焦点面決定部210によって決定された焦点面に適した照明位置となる。
[画像生成システムの動作]
次に、上述のように構成される画像生成システム20の動作について説明する。
図25は、実施の形態2に係る画像生成システム20の動作の一例を示すフローチャートである。図25において、図7と実質的に同一のステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図25に示されるように、まず、焦点面決定部210は、焦点面を決定する(ステップS1200)。
照明範囲決定部211は、ステップS1200で決定された焦点面に対応する照明位置の範囲を決定する(ステップS2200)。
撮影装置200Aは、複数の照明器101のうち、ステップS2200で決定された照明位置の範囲に対応する照明器を順に用いて、対象物を照明する。そして、撮影装置200Aは、照明器が対象物を照明するたびに、イメージセンサ102の受光面に到達した光の強度を記録することにより、対象物の画像を取得する。取得された画像は、撮影時に対象物を照明していた照明器の位置情報とともに記憶部120で記憶される(ステップS2300)。具体的には、撮影装置200Aの撮影制御部203は、ステップS2200で決定された照明位置の範囲に基づいて、複数の照明器101の中から、決定された照明位置の範囲に含まれる2以上の照明器を選択する。そして、撮影制御部203は、予め定められた順番で、選択された2以上の照明器に光を照射させ、イメージセンサ102に撮影させる。撮影装置200Aが、対象物に対する照明と、対象物の撮影とを繰り返すことにより、決定された照明位置の範囲内の照明器を用いて、対象物の画像を取得する。これ以降の動作は、基本的に実施の形態1の図7と同様であるので説明を省略する。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像生成システムによれば、焦点面の情報に基づいて照明位置の範囲を決定し、決定された照明位置の範囲に対応する照明器によって対象物を順番に照明することができる。したがって、焦点面における合焦画像の生成に適した照明器を用いて対象物を撮影することができ、撮影時間を短縮することができる。
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について説明する。本変形例では、予め取得されたパイロット画像を用いて対象領域を決定し、当該対象領域に基づいて照明位置の範囲を決定する点が実施の形態2と異なる。以下に、実施の形態2の変形例について、実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
[画像生成システムの構成]
図26は、実施の形態2の変形例に係る画像生成システム30の機能的な構成を示すブロック図である。図26において、図22と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像生成システム30は、撮影装置200Aと、画像生成装置300Bと、記憶部320と、表示部150とを備える。
撮影装置200Aは、複数の照明器101と、イメージセンサ102と、撮影制御部203とを備える。本変形例では、撮影装置200Aは、決定された照明位置の範囲に対応する照明器を順に用いて対象物を撮影する前に、予め定められた照明器を用いて対象物を撮影することによりパイロット画像を取得する。パイロット画像は、記憶部320に記憶され、表示部150に表示される。 画像生成装置300Bは、焦点面決定部210と、照明範囲決定部311と、対象領域決定部312と、処理範囲切り出し部313と、リフォーカス処理部230と、画像生成部140とを備える。
対象領域決定部312は、外部入力によって指定された領域又は予め定められた方法で指定された領域に基づいて、パイロット画像内の対象領域を決定する。
照明範囲決定部311は、焦点面決定部210によって決定された焦点面及び対象領域決定部312によって決定された対象領域に基づいて、照明位置の範囲を決定する。
記憶部320は、イメージセンサ102で撮影された画像を、当該画像の撮影に用いられた照明器の位置情報とともに記憶する。さらに、記憶部320は、予め定められた照明器で照明された際に撮影された画像をパイロット画像として記憶する。このパイロット画像は、対象領域決定部212に出力される。
処理範囲切り出し部313は、対象領域決定部312によって決定された対象領域に対応する領域を、記憶部320に記憶された複数の画像からそれぞれ切り出す。そして、処理範囲切り出し部313は、切り出した画像を照明位置情報とともにリフォーカス処理部230へ出力する。
[画像生成システムの動作]
次に、上述のように構成される画像生成システム30の動作について説明する。
図27は、画像生成システム30の動作の一例を示すフローチャートである。図27に示されるように、まず、撮影部200の撮影制御部203は、予め定められた照明器(例えば、座標(0,0)の位置にある照明器を用いて対象物を照明し、イメージセンサ102の受光面に到達した光の強度を検知することによりパイロット画像を取得する。パイロット画像は、記憶部320に記憶される(ステップS2010)。記憶部320は、ステップS2010で撮影されたパイロット画像を表示部150に出力し、表示部150はパイロット画像を表示する(ステップS2020)。
ユーザは、ステップS2020で表示されたパイロット画像に対して、合焦画像を生成したい領域を指定する。対象領域決定部212は、ユーザから指定された領域に基づいて、対象領域を決定する(ステップS2030)。
なお、本変形例では、パイロット画像を表示し、ユーザからパイロット画像に対する領域の指定入力を受けたが、これに限定されない。例えば、対象領域決定部312は、パイロット画像において対象物の認識処理を行い、認識結果に基づいて対象領域が決定されてもよい。対象物の認識処理は、例えば、予め定められた色や輪郭などの特徴に基づいて行われる。対象物の認識処理によって複数の領域が抽出された場合には、対象領域決定部312は、例えば画像中の領域の位置に基づいて、抽出された複数の領域の中から少なくとも1つの領域が対象領域として選択されてもよいし、抽出された複数の領域のすべてを対象領域として決定してもよい。
焦点面決定部210は、焦点面を決定する(ステップS2100)。照明範囲決定部311は、ステップS2030で決定された対象領域と、ステップS2100で決定された焦点面とに基づいて、照明位置の範囲を決定する(ステップS2210)。具体的には、照明範囲決定部211は、図23における焦点面の中心の代わりに対象領域の中心を用いて、照明位置の範囲を決定する。以降のステップは、図18と実質的に同一であるので説明を省略する。
[効果]
以上のように、本変形例に係る画像生成システム30によれば、焦点面に加えて対象領域に基づいて照明位置の範囲を決定することができ、さらに撮影時間を短縮することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、対象物の状態に基づいて焦点面を決定する点が実施の形態1と異なる。例えば、本実施の形態では、受精卵や初期胚のように、対象物の状態が培養時間に応じて変化する場合に、培養時間に対応する対象物の状態に基づいて、焦点面の数及び角度を決定する。以下に、実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
[画像生成システムの構成]
図28は、実施の形態3に係る画像生成システム40の機能的な構成を示すブロック図である。図28において、図1と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像生成システム40は、撮影装置100Aと、画像生成装置400Bと、記憶部120と、表示部150とを備える。画像生成装置400Bは、焦点面決定部410と、胚情報テーブル420と、計時部430と、リフォーカス処理部130と、画像生成部140とを備える。
胚情報テーブル420には、培養時間と、当該培養時間に対応する胚の状態及び焦点面の情報とが記録されている。図29は胚情報テーブル420の一例を示す。図29の例では、胚情報テーブル420には、培養時間ごとに胚の状態と焦点面の数とが記録されている。
計時部430は、対象物の培養を開始した時刻からの経過時間(つまり培養時間)を計測する。
焦点面決定部410は、計時部430により計測された培養時間に対応する焦点面の数を胚情報テーブル420から取得する。そして、焦点面決定部410は、イメージセンサ102と複数の照明器101との間に、取得した数と同数の焦点面を決定する。具体的には、焦点面決定部410は、外部入力された角度、あるいは予め定められた角度で傾いた焦点面を、胚情報テーブル420から得られた数だけ決定する。対象物が初期胚の場合、例えば、互いに平行な複数の焦点面が決定される。初期胚の大きさは、約100μmであるので、100μmの高さを胚情報テーブル420から得られた数と同数の焦点面で等分するように焦点面の間の距離が決定される。例えば、焦点面の数が2である場合、2つの焦点面の間の距離は33μmと決定される。
[画像生成システムの動作]
次に、上述のように構成される画像生成システム40の動作について説明する。
画像生成システム40の動作は、実施の形態1の図7と、ステップS1200の焦点面を決定する動作を除いて実質的に同一であるので、ステップS1200の詳細のみを説明し、他の動作については説明を省略する。
図30は、実施の形態3に係る焦点面決定部410の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、焦点面決定部410は、計時部430から培養時間を取得する(ステップS1210)。次いで、焦点面決定部410は、胚情報テーブル420を参照して、ステップS1210で取得した培養時間に対応する焦点面の数を取得する(ステップS1220)。焦点面決定部410は、ステップS1220で取得した焦点面の数に基づいて、各焦点面の中心の高さ(すなわち図8のように定義されたxyz空間におけるz座標値)を決定する(ステップS1230)。本実施の形態では、複数の焦点面の各々における合焦画像を生成する際には、ユーザのわかり易さを考慮して、すべての焦点面は平行に配置される。なお、複数の焦点面の角度、配置はこの限りではない。
さらに、焦点面決定部410は、図示しない入力手段を介して入力された焦点面の傾きの情報、または予め定められた焦点面の傾きの情報に基づいて、焦点面のx軸に対する角度とy軸に対する角度とを決定する(ステップS1240)。ステップS1230で決定された焦点面の中心位置を回転中心として、ステップS1240で決定された角度で各焦点面を傾けて仮想的に配置することにより、焦点面を決定する(ステップS1250)。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像生成システム40によれば、対象物の状態に応じて焦点面の数を決定することができ、対象物の観察に適した合焦画像を生成することが可能となる。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3の変形例では、まず、イメージセンサの受光面に平行な焦点面において合焦画像を生成し、生成された合焦画像における対象物(例えば細胞)の立体的配置に応じて、他の焦点面を自動的に決定する点が上記実施の形態3と異なる。以下に、実施の形態3の変形例について、実施の形態3と異なる点を中心に説明する。
図31は、実施の形態3の変形例に係る画像生成システム50の機能的な構成を示すブロック図である。なお、図31では、撮影装置100Aは、図28と同じであるので、その記載を省略している。また、図31において、図28と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像生成装置500Bは、焦点面決定部510と、胚情報テーブル420と、計時部430と、リフォーカス処理部530と、画像生成部540とを備える。焦点面決定部510は、水平面決定部511と、細胞位置判定部513と、位置傾き決定部514とを備える。
画像生成装置500Bは、焦点面決定部510と、胚情報テーブル420と、計時部430と、リフォーカス処理部530と、画像生成部540とを備える。焦点面決定部510は、水平面決定部511と、細胞位置判定部513と、位置傾き決定部514とを備える。
水平面決定部511は、胚情報テーブル420を参照して、計時部430から取得した培養時間に対応する焦点面の数を決定する。水平面決定部511は、決定された焦点面の数を元に、焦点面の位置と傾きとを決定するために用いる、イメージセンサ102の受光面に平行な水平面の数と当該水平面のz軸上の位置とを決定する。
細胞位置判定部513は、画像生成部540が生成した受光面に平行な水平面における合焦画像と、3次元モデルから生成される断面画像とを比較し、比較結果から3次元座標上での細胞の配置を判定する。
ここで、細胞位置判定部513の詳細な構成について図32を参照しながら説明する。
図32は、細胞位置判定部513の詳細な機能構成を示すブロック図である。細胞位置判定部513は、3Dモデルデータベース(DB)521と、回転処理部522と、2D化処理部523と、比較部524と、記憶部525とを備える。
3Dモデルデータベース521は、対象物の状態(ここでは初期胚の各細胞期における3次元モデル)を保持している。初期胚の3次元モデルは、球状の胚膜中に、細胞期に対応する数の略球状の細胞が内包されている状態を示す。
回転処理部522は、3Dモデルデータベース521に保持された3次元モデルを予め定められた角度で回転する。
2D化処理部523は、回転処理部522が回転した3次元モデルを用いて、水平面決定部511で決定された水平面における断面画像を生成する。
比較部524は、画像生成部540が生成した水平面における合焦画像と、2D化処理部523が3次元モデルから生成した断面画像とを比較する。この比較は、回転処理部522における回転角度を変えながら繰り返される。その結果、合焦画像と断面画像との差異を示す値が予め定められた閾値よりも小さくなる回転角度が求められる。
記憶部525は、比較部524が比較した2つの画像の差異を示す値が閾値よりも小さくなる、回転処理部522での回転角度を記憶する。
位置傾き決定部514は、細胞位置判定部513が判定した、3次元座標上での細胞の配置と、水平面決定部511が決定した焦点面の数とに基づいて、各焦点面の中心点のz軸上での位置と、各焦点面のx軸及びy軸に対する傾きの値を決定する。
リフォーカス処理部530は、撮影部100によって撮影された複数の画像より、水平面決定部511によって決定された平面または位置傾き決定部514によって決定された焦点面に対するリフォーカシング処理を行う。
画像生成部540は、リフォーカス処理部530が生成した各画素の輝度値を用いて合焦画像を生成する。
[画像生成システムの動作]
次に、上述のように構成される画像生成システム50の動作について説明する。
画像生成システム50の動作は、実施の形態1の図7と、ステップS1200を除いて実質的に同一であるので、ステップS1200の詳細のみを説明し、他の動作については説明を省略する。
図33は、実施の形態3の変形例に係る焦点面決定部510の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、焦点面決定部510の水平面決定部511は、計時部430から培養時間を取得する(ステップS1210)。次いで、水平面決定部511は、胚情報テーブル420を参照して、ステップS1210で取得した培養時間に対応する焦点面の数を取得する(ステップS1220)。水平面決定部511は、ステップS1220で取得した焦点面の数と同数の水平面の各々のz軸位置を決定する(ステップS1231)。本変形例では、3次元モデルから生成される複数の断面画像を、複数の水平面における合焦画像と比較することで、画像生成システム50が出力する合焦画像のための焦点面の角度が決定される。図29に示した胚情報テーブルでは、焦点面の数として、前核期胚及び2細胞期胚については、1が記録されている。そこで、ステップS1231では、胚情報テーブル420を参照して得られた焦点面の数と同数の水平面のz軸位置を決定する。
なお、水平面の数は、焦点面の数と一致しなくてもよい。この場合、胚情報テーブル420には、焦点面の数に加えて、細胞の配置を判定するための水平面の数が記録されればよい。また、実施の形態2の変形例のように、パイロット画像を取得し、パイロット画像の状態に基づいて水平面の数を決定してもよい。
水平面のz軸位置は、例えば、初期胚の大きさが直径約100μmであるので、100μmの高さが胚情報テーブル420から得られた数と同数の水平面で等分されるように決定される。胚は培養液中に沈んでおり、イメージセンサ102の受光面上に接触している。したがって、例えば水平面の数が2つである場合、2つの水平面のz軸位置は、33μm及び66μmである。
リフォーカス処理部530は、ステップS1231で決定されたz軸位置における水平面に対してリフォーカス処理を行う。画像生成部540は、リフォーカス処理部530が計算した各画素の輝度値を用いて合焦画像を生成する(ステップS1232)。
細胞位置判定部513は、ステップS1232で生成された合焦画像を、初期胚の3次元モデルから生成された断面画像と比較することで、細胞の配置と初期胚の観察に適した細胞の配置(以下、基準位置という)からの初期胚の回転角度とを決定する(ステップS1241)。ステップS1241の詳細は後述する。
位置傾き決定部514は、ステップS1241で決定された細胞の配置と回転角度とに基づいて、焦点面が基準位置での水平面に合致するよう、焦点面の角度を決定する(ステップS1242)。例えば、ステップS1241で判定された回転角度の逆向きの回転角度で、撮影時の座標での水平面を回転して得られる平面の角度を焦点面の角度として決定する。
続いて、位置傾き決定部514は、ステップS1220で水平面決定部511が取得した数と同数の焦点面のz軸上の位置を決定する。z軸位置は、例えば、対象物全体のz軸方向の大きさを等分するように決定される。
位置傾き決定部514は、ステップS1242で決定された角度とz軸位置とを用いてすべての焦点面を決定する(ステップS1250)。
本変形例では、すべての焦点面は、互いに平行であるものとして説明したが、異なる角度で配置されてもよい。例えば、複数の焦点面は、ある座標点を中心に点対称に配置されてもよい。イメージセンサ直上からの撮影結果から、イメージセンサの受光面上の胚の中心点を決定し、胚の直径が約100μmであるため、イメージセンサの受光面上の胚の中心点からz軸方向に50μmの高さの位置を回転中心として用いて焦点面が配置されてもよい。
次に、図33のステップS1241の詳細について、図34を参照しながら説明する。図34は、実施の形態3の変形例に係る焦点面決定部510による細胞配置の決定に関する処理を示すフローチャートである。
細胞位置判定部513の回転処理部522は、水平面決定部511より初期胚の状態、水平面の数、水平面のz軸位置の情報を取得する(ステップS12411)。回転処理部522は、3Dモデルデータベース521に保持されるモデルのうち、ステップS12411で取得した胚の状態の情報に対応する3次元モデルのすべてに対して、比較処理を行ったか否かを判定する(ステップS12412)。比較処理は、ステップS12413からステップS12418までの一連の処理を指す。
ここで、胚の状態の情報に対応する3次元モデルのすべてに対して比較処理が行われた場合(ステップS12412においてyes)、ステップS1242に進む。一方、胚の状態の情報に対応する3次元モデルのいずれかに対してまだ比較処理が行われていない場合(ステップS12412においてno)、ステップS12413に進む。
ステップS12411で取得した胚の状態の情報に対応する3次元モデルのうちの1つが選択される(ステップS12413)。ここで選択される3次元モデルは、まだ比較処理が行われていないものである。
3次元モデルは、胚の状態ごとに、胚の中の細胞の配置を3次元で表現する。3次元モデルは、回転可能な状態で保持され、回転していない基準位置は、xy平面すなわち受光面に平行な平面における細胞の断面が細胞の観察に最も適した断面になるように、設定されている。図35A〜図35Dは、4細胞期の胚の3次元モデルの一例を示す。図35A〜図35Dの3次元モデルでは、z軸方向における低い位置で2つの細胞(第1細胞3501及び第2細胞3502)が並び、高い位置で2つの細胞(第3細胞3503及び第4細胞3504)が並ぶ。第1細胞3501及び第2細胞3502の中心点をつなぐ直線と第3細胞3503及び第4細胞3504の中心点をつなぐ直線とは、xy平面上に写像した場合に直交する。3次元モデルを俯瞰すると図35Dのようになる。
図36A及び図36Bは、図35Aの断面線XXVIIIおよび図35Bの断面線XXIXにおける3次元モデルの断面図である。xy平面と平行な面上に並ぶ2つの細胞のペアがz軸方向に2層になっている。この例では、第1細胞3501及び第2細胞3502の中心点を通る直線と、第3細胞3503及び第4細胞3504の中心点を通る直線とは、ねじれの位置にある。図35A〜図36Bは、基準位置における3次元モデルを示している。つまり、第1細胞3501及び第2細胞3502がxy平面と平行な平面上に並び、第3細胞3503及び第4細胞3504がxy平面と平行な平面上に並ぶ位置を基準位置としている。
次に、回転処理部522は、予め定められた回転角度のすべてに対して、ステップS12413で選択した3次元モデルの断面画像とステップS1232で生成された水平面における合焦画像とを比較したか否かを判定する(ステップS12414)。ここで、回転角度のすべてに対して比較が行われた場合(ステップS12414においてyes)は、ステップS12412へ戻る。一方、予め定められた回転角度のいずれかに対して比較が行われていない場合(ステップS12414においてno)は、ステップS12415に進む。
回転処理部522は、予め定められた回転角度のうち、比較処理が行われていない回転角度で、ステップS12413で選択した3次元モデルを回転する(ステップS12415)。
2D化処理部523は、ステップS12415で回転された3次元モデルをステップS1231で決定された1つ以上の平面における断面画像を生成する(ステップS12416)。図37は、図35Dに示した基準位置における3次元モデルを、x軸に平行で胚の中心を通る軸を回転中心に回転させた結果を示す3次元モデルの斜視図である。図中に破線で示す平面において断面画像が生成される。図38に示すように、断面画像では、左下の細胞の輪郭は明瞭であり、z軸上で最も高い位置にある細胞は写らず、中間の2つの細胞の輪郭はボケている。2D化処理部523は、回転された3次元モデルに対して、指定された平面と被写界深度とに基づき、断面画像を生成する。ここで用いられる被写界深度は、画像生成システム50の被写界深度と等しい。
比較部524は、ステップS1232で生成された水平面における合焦画像とステップS12416で生成された断面画像とを比較し、その差異を示す値が、記憶部525に記憶されている値より小さいか否かを判定する(ステップS12417)。ここで、差異を示す値が記憶部525に記憶されている値以上である場合(ステップS12417においてno)、ステップS12414に戻る。一方、差異を示す値が記憶部525に記憶されている値未満である場合(ステップS12417においてyes)、ステップS12418に進む。なお、記憶部525には、初期値として、例えば差異を示す値の上限値が予め記憶されている。
記憶部525は、合焦画像と断面画像との差異を示す値と、ステップS12415における3次元モデルの回転に用いた回転角度とを記憶する(ステップS12418)。つまり、記憶部525に記憶されている値は、ステップS1232で生成された水平面における合焦画像とステップS12416で生成された断面画像との差異を示す値に更新される。その後、ステップS12414へ戻る。
ステップS12414からステップS12418までの比較処理を繰り返すことで、ステップS1232で生成された合焦画像(すなわち撮影画像から生成された水平面における合焦画像)が、基準位置からどれだけ回転された3次元モデルの断面画像に近いかを求めることができる。
[効果]
以上のように、本変形例に係る画像生成システム50によれば、対象物である初期胚における細胞の配置に応じて、焦点面の位置及び角度を決定することができる。したがって、初期胚の観察に適した合焦画像を生成することができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る画像生成システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
なお、上記実施の形態3およびその変形例では、計時部430は、培養開始からの経過時間を培養時間として計測していたが、受精後の経過時間を計測してもよい。この場合、胚情報テーブルは、培養時間ではなく、受精からの経過時間の情報を持てばよい。
本開示は、培養中の細胞あるいは胚等の細胞塊の画像を生成する装置に広く利用可能であり、インキュベータ内で対象物を撮像する際に有用である。
10、20、30、40、50 画像生成システム
100A、200A 撮影装置
100B、200B、300B、400B、500B 画像生成装置
101 複数の照明器
101a、101b 照明器
101A LED光源
101B 遮光板
101C ピンホール
101D コリメートレンズ
101E 光源
101F 半球
101G 擬似点光源
101H 平面
101J 合焦点
102 イメージセンサ
103、203 撮影制御部
110、210、410、510 焦点面決定部
111 第1記録部
112 入力部
120、320、525 記憶部
121 第2記録部
130、230、530 リフォーカス処理部
140、540 画像生成部
150 表示部
211、311 照明範囲決定部
212、312 対象領域決定部
213、313 処理範囲切り出し部
420 胚情報テーブル
430 計時部
511 水平面決定部
513 細胞位置判定部
514 位置傾き決定部
521 3Dモデルデータベース
522 回転処理部
523 2D化処理部
524 比較部
1000 対象物
1100 焦点面
1102a、1102b、1102c、1102d、1102e、1302a、1302b、1302c、1302d、1302e 点
1103a、1103b 交点
1303a 交点
3501、3502、3503、3504 細胞

Claims (9)

  1. 複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、
    前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、
    前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、
    前記少なくとも1つの制御回路は、
    (a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、
    (b)前記合焦画像を構成する複数の画素の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、
    (c)前記複数の照明器の位置の各々について、以下の(d)〜(f)を実行し、
    (d)前記焦点面上における前記画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記イメージセンサの受光面との交点である対象点の位置を計算し、
    (e)前記イメージセンサの受光面上の前記対象点の位置に基づいて、前記照明器の位置から前記対象物が照明されているときに取得された撮影画像における前記対象点の輝度値を計算し、
    (f)前記対象点の輝度値を前記画素の輝度値に適用し、
    (g)前記複数の画素の各々における輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、
    (h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する、
    画像生成システム。
  2. 複数の照明器と、対象物が載置されるイメージセンサと、少なくとも1つの制御回路とを備え、前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における前記対象物の合焦画像を生成する画像生成システムであって、
    前記複数の照明器は、前記対象物を順番に照明し、
    前記イメージセンサは、前記複数の照明器が前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、
    前記少なくとも1つの制御回路は、
    (a)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、
    (b)複数の前記撮影画像の各々について、以下の(c)〜(f)を実行し、
    (c)前記撮影画像に対応する照明器の位置情報を取得し、
    (d)前記撮影画像に含まれる複数の第1画素の各々について、以下の(e)〜(f)を実行し、
    (e)前記イメージセンサの受光面上における前記第1画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記焦点面との交点の位置を計算し、
    (f)前記合焦画像を構成する複数の第2画素に含まれる、前記焦点面上の交点の位置に対応する1以上の第2画素の輝度値に、前記第1画素の輝度値を適用し、
    (g)前記複数の第2画素の輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、
    (h)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力する、
    画像生成システム。
  3. 前記複数の照明器の各々は、
    光源と、
    前記光源と前記対象物との間に位置し、ピンホールを有する遮光板とを備え、
    前記光源により、前記ピンホールを介して、拡散光を前記対象物に照射する、
    請求項1又は2に記載の画像生成システム。
  4. 前記画像生成システムは、さらに、ディスプレイを備え、
    前記ディスプレイは、前記少なくとも1つの制御回路により出力された前記合焦画像を表示する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像生成システム。
  5. さらに、
    前記焦点面の情報に基づいて、照明位置の範囲を決定し、
    前記複数の照明器のうち、前記照明位置の範囲に対応する照明器が、前記対象物に順番に照明する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像生成システム。
  6. 複数の照明器及びイメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における合焦画像であって前記イメージセンサ上に位置する対象物の合焦画像を生成する画像生成方法であって、
    (b1)前記複数の照明器により前記対象物を順番に照明して撮影された複数の前記対象物の撮影画像を取得し、
    (b2)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、
    (b3)前記合焦画像を構成する複数の画素の各々について、以下の(b4)〜(b7)を実行し、
    (b4)前記複数の照明器の位置の各々について、以下の(b5)〜(b7)を実行し、
    (b5)前記焦点面上における前記画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記イメージセンサの受光面との交点である対象点の位置を計算し、
    (b6)前記イメージセンサの受光面上の前記対象点の位置に基づいて、前記照明器の位置から前記対象物が照明されているときに取得された撮影画像における前記対象点の輝度値を計算し、
    (b7)前記対象点の輝度値を前記画素の輝度値に適用し、
    (b8)前記複数の画素の各々における輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、
    (b9)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力し、
    前記(b1)〜(b9)の少なくとも1つは制御回路により実行される、
    画像生成方法。
  7. 複数の照明器及びイメージセンサの間に位置する仮想的な焦点面における合焦画像であって前記イメージセンサ上に位置する対象物の合焦画像を生成する画像生成方法であって、
    (b1)前記複数の照明器により前記対象物を順番に照明して撮影された複数の前記対象物の撮影画像を取得し、
    (b2)前記複数の照明器及び前記イメージセンサの間に位置する前記焦点面の情報を取得し、
    (b3)前記複数の撮影画像の各々について、以下の(b4)〜(b7)を実行し、
    (b4)前記撮影画像に対応する照明器の位置情報を取得し、
    (b5)前記撮影画像に含まれる複数の第1画素の各々について、以下の(b6)〜(b7)を実行し、
    (b6)前記イメージセンサの受光面上における前記第1画素の位置及び前記照明器の位置を結ぶ直線と前記焦点面との交点の位置を計算し、
    (b7)前記合焦画像を構成する複数の第2画素に含まれる、前記焦点面上の交点の位置に対応する1以上の第2画素の輝度値に、前記第1画素の輝度値を適用し、
    (b8)前記複数の第2画素の輝度値の適用結果を用いて、前記焦点面における前記対象物の合焦画像を生成し、
    (b9)前記生成した前記対象物の合焦画像を出力し、
    前記(b1)〜(b9)の少なくとも1つは制御回路により実行される、
    画像生成方法。
  8. さらに、
    (a1)前記複数の照明器により、前記イメージセンサ上に位置する前記対象物を順番に照明し、
    (a2)前記イメージセンサにより、前記複数の照明器により前記対象物を照明する毎に、前記対象物の撮影画像を取得し、
    前記(b1)では、前記イメージセンサにより取得された複数の前記対象物の撮影画像を取得する、
    請求項6又は7に記載の画像生成方法。
  9. 前記対象物は細胞である、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像生成方法。
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