JP2018054698A - 光学装置、撮像装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】角加速度を有する被写体を流し撮りする場合に、良好に被写体に係る像ブレを補正することができる光学装置を提供する。【解決手段】光学的に像ブレを補正する補正手段を有する撮像装置100を設ける。撮像装置が、被写体の撮像装置に対する角速度を被写体角速度として算出し、被写体角速度の履歴を保存する。撮像装置が、被写体角速度の履歴に基づいて、被写体角加速度を算出する。撮像装置が、被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時の被写体角加速度を算出し、撮影開始の指示後、露光時までの前記被写体角加速度の符号に応じて、露光時の被写体角速度を算出する。そして、撮像装置が、算出した露光時の被写体角速度に基づいて、補正手段を駆動することによって、流し撮り時の被写体に係る像ブレを補正する。【選択図】図1
Description
本発明は、光学装置、撮像装置および制御方法に関する。
カメラの撮影方法の一つとして、移動している被写体に対してカメラを合わせつつ、スローシャッタで撮影することで、主被写体を静止させながら、背景を流すことで躍動感のある写真を撮影する流し撮りがある。しかし、流し撮りは、被写体の移動速度とカメラを振る速度(以下パンニング速度)を合わせることが困難であるので、被写体が静止せずにブレ残りが生じる可能性が高い。
特許文献1は、露光前に算出した撮像装置に対する被写体の相対角速度と角速度センサから得た露光中の撮像装置の角速度とに基づき、露光中の光学系を移動させて被写体に係る像ブレ(被写体ブレ)を補正する装置を開示している。
特許文献1が開示する装置は、検出時の被写体の相対角速度が被写体ブレ補正を行う露光時に保たれていることが前提となっている。しかし、被写体として一般的な電車など、等速直線運動をしている場合でも、装置から見た角速度として計測すると加速することがある。また、被写体の相対角速度の検出タイミングと露光タイミングとの間にタイムラグが生じると、タイムラグ中の被写体の角速度変化が無視できなくなり、被写体ブレ補正を正しく行えなくなる。本発明は、被写体を流し撮りする場合に、良好に被写体に係る像ブレを補正することができる光学装置の提供を目的とする。
本発明の一実施形態の光学装置は、光学的に像ブレを補正する補正手段と、被写体の光学装置に対する角速度を被写体角速度として算出する第1の算出手段と、前記被写体角速度の履歴を保存する保存手段と、前記被写体角速度の履歴に基づいて、前記被写体角速度の変化量である被写体角加速度を算出する第2の算出手段と、前記被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時の被写体角加速度を算出し、撮影開始の指示後、露光時までの前記被写体角加速度の符号に応じて、露光時の被写体角速度を算出し、算出した露光時の被写体角速度に基づいて、前記補正手段を駆動することによって、流し撮り時の被写体に係る像ブレを補正する制御手段とを備える。
本発明の光学装置によれば、被写体を流し撮りする場合に、良好に被写体に係る像ブレを補正することができる。
(実施例1)
図1は、本実施形態の光学装置の構成例を示す図である。
図1では、光学装置として撮像装置100を例にとって説明する。なお、本実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせ全てが本発明に必須とは限らない。撮像装置100は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラといったカメラのほか、カメラ機能付き携帯電話、カメラ付きコンピュータなど、カメラ機能を備える任意の電子機器であっても良い。光学系101は、レンズ、シャッタ、絞りを有し、CPU104の制御によって被写体からの光を撮像素子102に結像させる。CPUは、Central Processing Unitの略称である。レンズには、フォーカスレンズ、ズームレンズ、シフトレンズ等が含まれる。シフトレンズは、光学的に像ブレを補正する補正手段である。撮像素子102は、光学系101を通って結像した光を画像信号に変換する。撮像素子102は、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。CCDは、Charge Coupled Deviceの略称である。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。
図1は、本実施形態の光学装置の構成例を示す図である。
図1では、光学装置として撮像装置100を例にとって説明する。なお、本実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせ全てが本発明に必須とは限らない。撮像装置100は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラといったカメラのほか、カメラ機能付き携帯電話、カメラ付きコンピュータなど、カメラ機能を備える任意の電子機器であっても良い。光学系101は、レンズ、シャッタ、絞りを有し、CPU104の制御によって被写体からの光を撮像素子102に結像させる。CPUは、Central Processing Unitの略称である。レンズには、フォーカスレンズ、ズームレンズ、シフトレンズ等が含まれる。シフトレンズは、光学的に像ブレを補正する補正手段である。撮像素子102は、光学系101を通って結像した光を画像信号に変換する。撮像素子102は、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。CCDは、Charge Coupled Deviceの略称である。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。
焦点検出回路103は、焦点検出処理を実行して、焦点距離をCPU104に出力する。角速度センサ106は、撮像装置100の移動量を表す角速度を検出し、電気信号として変換してCPU104へ伝達する。角速度センサ106は、例えばジャイロセンサである。角速度センサ106は、レンズ側に備わっているものでも、撮像装置100の本体内に備わっている場合でもどちらでもよい。
CPU104は、入力された信号や予め記憶されたプログラムに従い、撮像装置100を構成する各部を制御することで、撮像装置100の機能を実現させる。一次記憶装置105は、例えばRAMのような揮発性装置であり、一時的なデータを記憶し、CPU104の作業用に使われる。また、一次記憶装置105に記憶されている情報は、画像処理装置107で利用されたり、記録媒体108へ記録されたりもする。二次記憶装置109は、例えばEEPROMのような不揮発性記憶装置であり、撮像装置100を制御するためのプログラム(ファームウェア)や各種の設定情報を記憶し、CPU104によって利用される。EEPROMは、Electrically Erazable Programmable Read−Only Memryの略称である。
記録媒体108は、一次記憶装置105に記憶されている、撮影により得られた画像のデータなどを記録する。なお、記録媒体108は、例えば半導体メモリカードのように撮像装置100から取り外し可能であり、記録されたデータはパーソナルコンピュータなどに装着してデータを読み出すことが可能である。つまり、撮像装置100は、記録媒体108の着脱機構及び読み書き機能を有する。
表示部110は、撮影時のビューファインダー画像の表示、撮影した画像の表示、対話的な操作のためのGUI画像などの表示を行う。操作部111は、ユーザの操作を受け付けてCPU104へ入力情報を伝達する入力デバイス群であり、例えばボタン、レバー、タッチパネル等はもちろん、音声や視線などを用いた入力機器であっても良い。動きベクトル検出部112は、撮影により得られた画像を用いて動きベクトルを出力する。被写体角加速度計算部113は、一次記憶装置105に蓄積される被写体角速度の履歴を読み出し、時系列に連続的な被写体角加速度の変化量を計算する。被写体角速度は、被写体の光学装置に対する角速度である。なお、撮像装置100は、画像処理装置107が撮像画像に適用する画像処理のパターンを複数有し、パターンを撮像モードとして操作部111から設定可能である。画像処理装置107は、いわゆる現像処理と呼ばれる画像処理をはじめ、撮影モードに応じた色調の調整なども行う。なお、画像処理装置107の機能の少なくとも一部は、CPU104がソフトウェア的に実現してもよい。
図2は、撮像装置の基本構成例を示す図である。
撮像装置200とレンズ400内の構成について説明する。マイクロコンピュータCPU(以下、カメラマイコン)201は、カメラ本体200の各処理部を制御する。この例では、カメラマイコン201が、露光時の被写体角速度を算出する。メモリ202は、カメラマイコン201に接続されているRAMやROM等の記憶手段である。RAMは、Random Access Memoryの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。撮像素子203は、撮影時に被写体光を光電変換する。撮像素子203は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等である。シャッタ204は、非撮影時には撮像素子203を遮光し、撮影時には開いて撮像素子203へ光線を導く。
撮像装置200とレンズ400内の構成について説明する。マイクロコンピュータCPU(以下、カメラマイコン)201は、カメラ本体200の各処理部を制御する。この例では、カメラマイコン201が、露光時の被写体角速度を算出する。メモリ202は、カメラマイコン201に接続されているRAMやROM等の記憶手段である。RAMは、Random Access Memoryの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。撮像素子203は、撮影時に被写体光を光電変換する。撮像素子203は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等である。シャッタ204は、非撮影時には撮像素子203を遮光し、撮影時には開いて撮像素子203へ光線を導く。
ハーフミラー205は、非撮影時にレンズ400より入射する光の一部を反射し、ピント板206に結像させる。表示素子207は、焦点検出対象の点(AF測距点)を表示する。表示素子207は、例えば、PN液晶等である。表示素子207は、光学ファインダーを覗いたときに、どの位置で焦点検出(AF)しているかをユーザに示す。測光センサ208は、撮像素子を使用することにより測光を行う。ペンタプリズム209は、ピント板206の被写体像を測光センサ208及び光学ファインダーに導く。測光センサ208は、ペンタプリズムを介してピント板206に結像された被写体像を斜めの位置から見込んでいる。
AFミラー211は、レンズ400から入射し、ハーフミラー205を通過した光線の一部を焦点検出回路210内のAFセンサに導く。焦点検出回路210は、図1の焦点検出回路103に対応する。焦点検出回路210は、AFミラー211を介して入射した光線に基づいて、焦点検出(測距)を行う。APU212は、測光センサ208専用の制御部である。APU212は、図1中の画像処理装置107、動きベクトル検出部112を備える。メモリ213は、APU212に接続されているRAMやROM等の記憶手段である。この例では、APU212のように測光センサ専用の制御部を用意したが、カメラマイコン201が、APU212が行う処理を実行するようにしても良い。
LPU401は、マイクロコンピュータCPUでありレンズ400内の各部を制御する。LPU401は、被写体との距離情報、後述する角速度情報等をカメラマイコン201に送信する。角速度センサ402は、レンズ400の移動量を表す角速度を検出し、角速度情報を電気信号として変換してLPU401へ伝達する。角速度センサ402は、例えばジャイロセンサである。LPU401は、CPU201との通信によって得られる被写体角速度に基づいて、シフトレンズの駆動量を算出し、この駆動量に基づいてシフトレンズを駆動することで、被写体に係る像ブレ(被写体ブレ)を補正する。これにより、撮影者のパンニング動作が被写体の動きに対してずれている場合でも被写体ブレを抑えつつ背景を流すことができる機能(流し撮りアシスト機能)が実現される。
図3は、流し撮りモード時の撮像装置の動作処理の例を説明するフローチャートである。
本実施例では、被写体は等速直線運動を行っているものとする。ステップS301において、カメラマイコン201が、撮影者がレリーズスイッチを半押ししたか(SW1がONとなったか)を判断する。SW1がONとなっていない場合は、処理がS301に戻る。SW1がONとなった場合は、処理がステップS302以降に進み、流し撮りアシスト動作が開始される。
本実施例では、被写体は等速直線運動を行っているものとする。ステップS301において、カメラマイコン201が、撮影者がレリーズスイッチを半押ししたか(SW1がONとなったか)を判断する。SW1がONとなっていない場合は、処理がS301に戻る。SW1がONとなった場合は、処理がステップS302以降に進み、流し撮りアシスト動作が開始される。
ステップS302において、カメラマイコン201が、撮像素子203、もしくは測光センサ208上でベクトル検出を行い、被写体を抽出する。ミラーアップ撮影時には撮像素子203が、ミラーダウン撮影時には測光センサ208が用いられる。カメラマイコン201またはAPU212内にある動きベクトル検出部が、撮像素子203もしくは測光センサ208で得られた画像から動きベクトルを検出する。カメラマイコン201は、検出された動きベクトルを用いて被写体エリアを決定することで、被写体を抽出される。動きベクトルから被写体エリアを決定する手法については、テンプレートマッチング等様々な手法が提案されているので、説明を省略する。
被写体が抽出されなかった場合、被写体角速度の算出が行えないので、流し撮りアシスト機能が実行されない。この場合には、後述するステップS309においてシフトレンズを駆動しない通常の撮影に切り替えることが可能である。
次に、ステップS303において、カメラマイコン201が、角速度センサ402によって検出された撮像装置の角速度情報を取得する。続いて、ステップS304において、カメラマイコン201が、被写体角速度の算出を行う第1の算出手段として機能する。図4に示す主点を中心とした被写体角速度が算出される。
図4は、被写体角速度の算出を説明する図である。
被写体がt秒の間に点Aから点Bへ移動したことに応じて、センサ上に結像した前記被写体像が、点Cから点Dへと移動する。点Cと点Dとの距離をd[pixel]、焦点距離をf[mm]、センサの画素ピッチをp[μm/pixel]とした時、像面上の被写体の角速度ω[rad/sec]は、以下の式で表わすことができる。
被写体がt秒の間に点Aから点Bへ移動したことに応じて、センサ上に結像した前記被写体像が、点Cから点Dへと移動する。点Cと点Dとの距離をd[pixel]、焦点距離をf[mm]、センサの画素ピッチをp[μm/pixel]とした時、像面上の被写体の角速度ω[rad/sec]は、以下の式で表わすことができる。
撮影者が、撮像装置をパンニングしていた場合、像面上の被写体の角速度ωは、被写体自身の角速度(被写体角速度)ωsからパンニング角速度ωpを減算したものとなっている。
したがって、カメラマイコン201は、角速度センサ402で検出された撮像装置200のパンニング角速度ωpから、以下の式により被写体角速度ωsを算出する。
図3の説明に戻る。ステップS305において、カメラマイコン201が、ステップS304で求めた被写体角速度を、履歴としてメモリ202またはメモリ213に保存する。カメラマイコン201は、撮像素子203で撮像された画像より被写体角速度を求めた場合はメモリ202を、測光センサ208で得られた画像から被写体角速度を求めた場合はメモリ213を使うものとする。なお、本実施例では、上記のようなメモリの使い分けとしたが、実施形態によって自由に変更が可能である。ステップS306において、カメラマイコン201が、レリーズスイッチが全押しされたか(SW2がONになったか)を判断する。SW2がONになった場合は、処理がステップS307へと進み、カメラマイコン201が露光動作を開始する。続いて、ステップS307において、カメラマイコン201が、露光時の被写体角速度の予測を行う。
図5は、被写体の角速度と角加速度の例を示す図である。
被写体が等速直線運動をしている場合でも、撮像装置から見た角速度として計算すると加速する。したがって、SW2が押された時点での被写体角速度と露光時の被写体角速度は異なっている。そこで、図3のステップS307では、SW2が押された時点での被写体角速度と、露光までのタイムラグと、ステップS305で保存した被写体角速度の履歴より、露光時の被写体角速度を予測する。この処理の詳細に関しては後述する。
被写体が等速直線運動をしている場合でも、撮像装置から見た角速度として計算すると加速する。したがって、SW2が押された時点での被写体角速度と露光時の被写体角速度は異なっている。そこで、図3のステップS307では、SW2が押された時点での被写体角速度と、露光までのタイムラグと、ステップS305で保存した被写体角速度の履歴より、露光時の被写体角速度を予測する。この処理の詳細に関しては後述する。
次に、図3のステップS308において、カメラマイコン201が、シャッタ204を制御し、シャッタ走行を開始する。そして、ステップS309において、カメラマイコン201が、光学系101のシフトレンズを動作させ、流し撮りアシスト機能を実行する。ステップS310において、カメラマイコン201が、設定した露光時間が経過したかを判断する。露光時間が経過していない場合は、処理がステップS309に戻る。露光時間が経過した場合は、処理を終了する。
図6は、図3のステップS307における露光時の被写体角速度の予測処理を説明するフローチャートである。
ステップS601において、カメラマイコン201が、メモリ202またはメモリ213に保存した被写体角速度の履歴を読み出す。続いて、ステップS602において、カメラマイコン201が、ステップS601で読み出した被写体角速度の履歴に基づいて、被写体角加速度の変化量を求める。まず、カメラマイコン201が、被写体角速度の変化量である被写体角加速度を算出する第2の算出手段として機能する。ある時点での被写体角速度をωnとすると、被写体角加速度ωanは、以下の式で算出することができる。カメラマイコン201は、算出した被写体角加速度に基づいて、時系列に連続的な被写体角加速度の変化量を求める。
ステップS601において、カメラマイコン201が、メモリ202またはメモリ213に保存した被写体角速度の履歴を読み出す。続いて、ステップS602において、カメラマイコン201が、ステップS601で読み出した被写体角速度の履歴に基づいて、被写体角加速度の変化量を求める。まず、カメラマイコン201が、被写体角速度の変化量である被写体角加速度を算出する第2の算出手段として機能する。ある時点での被写体角速度をωnとすると、被写体角加速度ωanは、以下の式で算出することができる。カメラマイコン201は、算出した被写体角加速度に基づいて、時系列に連続的な被写体角加速度の変化量を求める。
次に、ステップS603において、カメラマイコン201が、ステップS602で求めた被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時における被写体角加速度を予測する。被写体角加速度の予測方法としては、任意の履歴から線形的に近似する方法や、予め一般化した所定の近似式をメモリ202もしくはメモリ213に登録しておいて読み出す方法等、実施形態により様々な手法を取ってもよい。本実施例では、N点での最小二乗法により近似する方法を採用する。履歴として使用する角加速度は、増加傾向にある加速度のみを使用する。露光時の被写体角加速度をωa、時刻をtとすると、予測近似式は、以下のようになる。
次に、ステップS604において、カメラマイコン201が、露光時までに被写体角加速度の符号が逆転するかを判断する。被写体角加速度の符号が逆転する場合、被写体角速度としては、最大速になるまで緩やかに加速し、最大速に達した後、徐々に減速していくという推移になるので、線形的な近似では予測誤差が大きく出る可能性がある。したがって、露光時に被写体角加速度の符号が逆転すると判断された場合は、処理がステップS605へ進む。
次に、ステップS605において、カメラマイコン201が、ステップS603で求めた被写体角加速度の予測式を用いて、被写体角加速度が0になるまでの時間t0を求める。式5のωaに対して0を代入した時のtが、被写体角速度が0になるt0、すなわち、被写体角速度が最も大きくなるまでの時間である。
次に、ステップS606において、カメラマイコン201が、ステップS605で求めたt0を用いて、レリーズからt0秒後の被写体角速度を計算する。レリーズからt0秒後まで、被写体角速度としては緩やかに加速する。t0秒後の被写体角速度ωt0、式5のa、角加速度が0になるまでの時間t0、最新の角速度の履歴ωnとすると、ωt0は以下のように表わすことができる。
ステップS607において、カメラマイコン201が、露光時の被写体角速度を計算する。ステップS605で求めたt0から露光開始まで、被写体角速度は減速する。露光時の被写体角速度ω、式6のωt0、式5のa、レリーズから露光開始までの時間tr、角加速度が0になるまでの時間t0、レリーズタイムラグtlagとすると、以下のように表わすことができる。
また、ステップS608においては、カメラマイコン201が、ステップS602で読み出した被写体角速度の履歴を用いて、露光時の被写体角速度の予測を行う。ステップS608が実行されるのは、ステップS604において、被写体角加速度の符号が露光時までに逆転しないと判断された場合であるので、被写体角速度は露光時までのタイムラグ中も常に加速、もしくは減速すると考えられる。そこでステップS608では、露光時の被写体角速度を、ステップS602で読み出した履歴を用いて線形的に近似する。この時、近似するために使用する被写体角速度のサンプル数は、実施形態により様々に変更してもよいものとする。露光時の被写体角速度をω、最新の被写体角速度の履歴をωn、最新から2つ目の被写体角速度をωn−1、露光までのタイムラグをtlag、角速度のサンプリング時間をtfとすると、角速度予測式は以下のように求めることができる。
なお、被写体角速度の履歴の中からN点を使って近似する場合、露光時の被写体角速度ω、露光時の時刻をtとすると、以下の一般式で求めることができる。この時使用する角速度の履歴数Nは、角加速度が増加傾向にある範囲のみを使用するものとする。
図6を参照して説明したように、カメラマイコン201は、撮影開始の指示後(レリーズ後)、露光時までの被写体角加速度の符号に応じて、露光時の被写体角速度を算出する。カメラマイコン201は、被写体角加速度の符号が逆転するか否かに応じて、露光時の被写体角速度の算出方法を切り替える。そして、カメラマイコン201は、露光時の被写体角速度に基づいてシフトレンズを駆動することによって、流し撮り時の被写体に係る像ブレを補正する。上述した例では、近似式の求め方として、最小二乗法を用いたが、実施形態によって様々な近似式を用いても良い。ステップS607またはステップS608により、露光時の被写体角速度が決定すると、露光時の被写体角速度計算処理を完了し、メインルーチンへ戻ってステップS308以降の処理へと進む。以上のように、露光時の被写体角加速度の予測結果を用いて、被写体角加速度の予測方法を切り替えることで、より正確に露光時の被写体角速度を予測することができる。
(実施例2)
実施例1は、対象とする被写体が等速直線運動を行っていることが前提である。しかし、被写体は、実際には加速や減速をしながら移動する場合がある。被写体が不規則な速度で運動を行っている場合であっても、角速度予測に使用する履歴の範囲を限定することで、等速直線運動を行っている場合と同じ予測を行うことができる。ただし、被写体が不規則な速度で運動している場合には、等速直線運動を行っている時とは異なり、被写体角速度が等速になる場合があるため、その判別をする必要がある。一方で、被写体が不規則な運動を行う場合、流し撮りアシスト機能による像ブレ補正が、被写体の移動と逆方向に働いてしまう場合がある。例えば、被写体が途中まで一定方向で移動していたのが、切り返して逆方向に移動する場合が挙げられる。この場合についても判別を行う必要がある。
実施例1は、対象とする被写体が等速直線運動を行っていることが前提である。しかし、被写体は、実際には加速や減速をしながら移動する場合がある。被写体が不規則な速度で運動を行っている場合であっても、角速度予測に使用する履歴の範囲を限定することで、等速直線運動を行っている場合と同じ予測を行うことができる。ただし、被写体が不規則な速度で運動している場合には、等速直線運動を行っている時とは異なり、被写体角速度が等速になる場合があるため、その判別をする必要がある。一方で、被写体が不規則な運動を行う場合、流し撮りアシスト機能による像ブレ補正が、被写体の移動と逆方向に働いてしまう場合がある。例えば、被写体が途中まで一定方向で移動していたのが、切り返して逆方向に移動する場合が挙げられる。この場合についても判別を行う必要がある。
図7は、実施例2における露光時の被写体角速度の予測処理を説明するフローチャートである。
実施例1との違いは、図3におけるステップS307での処理のみであるため、他の処理の説明は省略する。ステップS701において、ステップS601と同様に、カメラマイコン201が、メモリ202またはメモリ213に保存した被写体角速度の履歴を読み出す。続いて、ステップS702において、カメラマイコン201が、被写体角速度の履歴の中で、符号が切り変わる履歴があるかを判断する。
実施例1との違いは、図3におけるステップS307での処理のみであるため、他の処理の説明は省略する。ステップS701において、ステップS601と同様に、カメラマイコン201が、メモリ202またはメモリ213に保存した被写体角速度の履歴を読み出す。続いて、ステップS702において、カメラマイコン201が、被写体角速度の履歴の中で、符号が切り変わる履歴があるかを判断する。
図8は、被写体がある方向から切り返して逆方向に移動する場合の被写体角速度を示す図である。
被写体がある方向から切り返す運動の中で、特徴的な点は、切り返しを行う瞬間に一度角速度が0になり、角速度の符号が反転して運動し始める点である。このような動きを行うことが分かっている被写体に対しては、流し撮りアシスト機能による補正が適切に働かない場合がある。そこで、図7のステップS702では、カメラマイコン201は、ステップS701で読み出した履歴の中で、被写体角速度の符号が反転しているものが無いかを判断することで、被写体が切り返すような動きをしていないかを判断する。ステップS702において、符号が反転している履歴がない場合は、カメラマイコン201は、被写体が一定方向にのみ移動していると判断して、処理がステップS704に進む。符号が反転している履歴がある場合には、処理がステップS703へ進む。
被写体がある方向から切り返す運動の中で、特徴的な点は、切り返しを行う瞬間に一度角速度が0になり、角速度の符号が反転して運動し始める点である。このような動きを行うことが分かっている被写体に対しては、流し撮りアシスト機能による補正が適切に働かない場合がある。そこで、図7のステップS702では、カメラマイコン201は、ステップS701で読み出した履歴の中で、被写体角速度の符号が反転しているものが無いかを判断することで、被写体が切り返すような動きをしていないかを判断する。ステップS702において、符号が反転している履歴がない場合は、カメラマイコン201は、被写体が一定方向にのみ移動していると判断して、処理がステップS704に進む。符号が反転している履歴がある場合には、処理がステップS703へ進む。
ステップS703において、カメラマイコン201が、流し撮りアシスト機能を実行しない設定に切り替える。流し撮りアシスト機能による補正が適切に働かないことを防ぐためである。これにより、流し撮り時の被写体に係る像ブレの補正が行われなくなる。続いて、S704において、カメラマイコン201が、ステップS701で読み出した被写体角速度が一定であるかを判断する。被写体が等速直線運動を行っている場合、被写体角速度は、図5に示す軌跡に従って変化するが、被写体が等速直線運動を行っていない場合は、被写体角速度が一定になる場合がある。したがって、カメラマイコン201は、ステップS701で読み出した被写体角加速度ωの履歴のうち、N点における被写体角速度の変化率が、閾値th以下である時に、被写体は等角速度運動を行っていると判断する。そして、処理がステップS705に進む。
変化率をα、ステップS701で読み出した角速度をω、使用する履歴の数をN、閾値をthとすると、αは以下の式10で表現される。
したがって、この時のαが閾値th以下である場合に、カメラマイコン201は、被写体が等角速度運動をしていると判断する。なお、使用する履歴の数Nや閾値thは、実施形態により、様々に変更を行ってもよい。
ステップS705において、カメラマイコン201が、露光時の被写体角速度を決定する。ステップS704で被写体角速度が一定であると判断されているので、カメラマイコン201は、被写体角速度の予測は行わない。本実施形態では、カメラマイコン201は、露光時の被写体角速度ωの算出に、以下の式11に示すように、ステップS704で使用した角速度の履歴N個の平均値を用いる。
なお、本実施形態では、角速度の履歴の平均値を用いたが、実施形態によっては、履歴の最新の被写体角速度を露光時の被写体角速度として用いてもよい。
ステップS702で被写体角速度が変化していると判断された場合、処理がステップS706へ進む。ステップS706乃至ステップS712までの処理は、実施例1におけるステップS602乃至ステップS608と同様の処理であるので、ここでの説明は割愛する。
ステップS702で被写体角速度が変化していると判断された場合、処理がステップS706へ進む。ステップS706乃至ステップS712までの処理は、実施例1におけるステップS602乃至ステップS608と同様の処理であるので、ここでの説明は割愛する。
ステップS705、ステップS711、ステップS712の処理のいずれかにより、露光時の被写体角速度が決定すると、露光時の被写体角速度予測処理が完了し、メインルーチンへと戻って、ステップS308以降の処理に進む。以上のように、被写体が等角速度運動を行っているかを判断することで、等速直線運動を行わない被写体であっても、より正確に露光時の被写体角速度を予測することができる。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 撮像装置
104 CPU
104 CPU
Claims (11)
- 光学的に像ブレを補正する補正手段と、
被写体の光学装置に対する角速度を被写体角速度として算出する第1の算出手段と、
前記被写体角速度の履歴を保存する保存手段と、
前記被写体角速度の履歴に基づいて、前記被写体角速度の変化量である被写体角加速度を算出する第2の算出手段と、
前記被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時の被写体角加速度を算出し、撮影開始の指示後、露光時までの前記被写体角加速度の符号に応じて、露光時の被写体角速度を算出し、算出した露光時の被写体角速度に基づいて、前記補正手段を駆動することによって、流し撮り時の被写体に係る像ブレを補正する制御手段とを備える
ことを特徴とする光学装置。 - 前記制御手段は、所定の近似式を用いて、前記露光時の被写体角加速度を算出し、
前記制御手段は、撮影開始の指示後、露光時までに前記被写体角加速度の符号が逆転するか否かに応じて、前記露光時の被写体角速度の算出方法を切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記露光時までに前記被写体角加速度の符号が逆転しない場合は、前記保存された履歴に基づいて、線形的に前記露光時の被写体角速度を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記露光時までに前記被写体角加速度の符号が逆転しない場合は、前記保存された履歴のうち、角加速度が増加傾向にある角速度の範囲を用いて、最小二乗法による近似により、前記露光時の被写体角速度を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記露光時までに前記被写体角加速度の符号が逆転する場合は、前記近似式を用いて、被写体角加速度が0になる時の被写体角速度を求め、当該被写体角速度と、撮影開始の指示から露光開始までの時間とに基づいて、前記露光時の被写体角速度を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記保存された履歴のうち、前記被写体角速度の符号が変わる履歴があるかを判断し、前記被写体角速度の符号が変わる履歴がある場合に、前記流し撮り時の被写体に係る像ブレの補正を行わないように設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、
前記被写体角速度の符号が変わる履歴がない場合に、前記保存された履歴に基づいて、前記被写体角速度が一定であるかを判断し、
前記被写体角速度が一定でない場合に、前記被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時の被写体角加速度を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記被写体角速度が一定である場合に、前記保存された履歴の平均値を前記露光時の被写体角速度として算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。 - 前記制御手段は、前記被写体角速度が一定である場合に、前記保存された履歴に含まれる最新の被写体角速度を前記露光時の被写体角速度として算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学装置として機能する撮像装置。
- 光学的に像ブレを補正する補正手段を備える光学装置の制御方法であって、
被写体の光学装置に対する角速度を被写体角速度として算出する工程と、
前記被写体角速度の履歴を記憶手段に保存する工程と、
前記被写体角速度の履歴に基づいて、前記被写体角速度の変化量である被写体角加速度を算出する工程と、
前記被写体角加速度の変化量に基づいて、露光時の被写体角加速度を算出し、撮影開始の指示後、露光時までの前記被写体角加速度の符号に応じて、露光時の被写体角速度を算出し、算出した露光時の被写体角速度に基づいて、前記補正手段を駆動することによって、流し撮り時の被写体に係る像ブレを補正する工程とを有する
ことを特徴とする制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016187257A JP2018054698A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 光学装置、撮像装置および制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016187257A JP2018054698A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 光学装置、撮像装置および制御方法 |
Publications (1)
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JP2018054698A true JP2018054698A (ja) | 2018-04-05 |
Family
ID=61833057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016187257A Pending JP2018054698A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 光学装置、撮像装置および制御方法 |
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JP (1) | JP2018054698A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7451152B2 (ja) | 2019-11-26 | 2024-03-18 | キヤノン株式会社 | 撮像装置、制御方法及びコンピュータプログラム |
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2016
- 2016-09-26 JP JP2016187257A patent/JP2018054698A/ja active Pending
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