JP2018053843A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
変動するコモンレール内の圧力を推定し、安定した燃料噴射量の制御を実現する。
【解決手段】
コモンレールに燃料を供給する高圧燃料ポンプと前記コモンレールに取り付けられエンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁とを制御する車両用制御装置において、前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングと、前記燃料噴射弁の動作タイミングに基づいて、前記エンジンへの噴射量が要求噴射量となるように前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正して制御する制御部を備えた。
【選択図】 図3
Description
図2中に示したように、高圧燃料ポンプ3への通電タイミング、すなわち燃料吐出量に応じて、コモンレール4ならびに高圧配管13の燃料圧力の変動幅は異なる。特に、本発明で実施例に挙げているプランジャ式の高圧燃料ポンプ3は、流量の変動が過渡的に生じるため、圧力の変動幅が大きく、圧力変動が時間とともに減衰し、一定になるまでに時間を要する。
その結果、噴射量要求Qrと実噴射量Qinjとの偏差が生じてしまう。このように、燃料噴射弁を駆動するパルス幅が同じであっても、燃料噴射弁の駆動するタイミングと高圧燃料ポンプから燃料配管に燃料を吐出するタイミングとの相対関係により燃料噴射量が異なる為、内燃機関の空燃比は一定とならない。
上記エンジン制御装置7は、これらの検出信号に基づいてエンジンの運転状態を検出しており、吸入弁ユニット30への電流制御により、高圧燃料ポンプ3吐出量Qoutを制御し、吐出圧力をコントロールしている。
さらに、各気筒のインジェクタ10での噴射パルス幅Ti(n)が制御されており、エンジン9に供給する燃料の量を制御している。なおnは気筒番号を示す。
最初に、カムBDC位置での圧力P0を圧力センサ6の値を用いて、測定する。なお、圧力センサ6の値を参照するタイミングは、カムBDC位置が望ましいが、他のタイミングでも原理的には可能であり、これを限定するものではない。
エンジンの運転状況に応じた次の噴射開始時間Ts(n)と、カムBDC位置の圧力値P0とエンジン9の要求噴射量から演算される噴射パルス幅Ti(n)が仮決めされる。なお、ステップS3以下の過程で、コモンレール4内の圧力を精度良く、検出および予測することによって、仮決めされたTi(n)を噴射パルス幅Ti’(n)として、補正することによって、 要求噴射量Qrとの偏差を小さくすることができる。
P1(t)=A*exp^[−α*ω*t]*sin(ω*(t + t0)) ・・・(1)
ただし、t0は、高圧燃料ポンプによって吐出された燃料によって増加する圧力がコモンレールまでに伝播するまでの時間である。上記圧力が伝播するまでの時間t0は予め定数値として、エンジン制御装置7に保持しておいても良いが、図4の下段に示すように、コモンレール内の圧力の微分値から圧力値が最小値になる箇所時間を例えば、エンジン始動時やアイドル時に学習し、学習値として保持することで、より高精度に圧力を推定することが可能となる。
ステップ3では、配管形状により決まる圧力脈動の周期ωを設定する。配管形状により決定する圧力脈動の周期ωは、設計段階で予め決定しても良いが、エンジン制御装置7に含まれる微分演算装置を用いて、図4の下段に示すように、コモンレール内の圧力の微分値が極大値から次の極大値となるまでの時間差から推定することで、燃料の温度や燃料性状の影響を考慮することが可能となり、より高精度に圧力を推定することが可能となる。
ステップ4では、高圧燃料ポンプ3の通電タイミングと吐出量の関係から吐出量Qoutを演算する。演算した吐出量Qoutを用いて、式(1)に用いる係数Aを演算する。具体的にはAは、式(2)で決定される。
A=Kf/Vc×Qout ・・・(2)
なお、Kfは燃料の体積弾性係数、Vcはコモンレール4および高圧配管14の体積である。
カムBDC位置での圧力値P0、仮決めされた噴射パルス幅Ti(n)および噴射タイミングTs(n)を用いて、インジェクタ10の噴射量Qinjを決め、圧力降下係数Bを演算する。また、燃料噴射弁10の噴射により、変動する圧力P2は式(4)で表すことができる。
B=Kf/Vc×Qinj ・・・(3)
P2=−B×t ・・・(4)
上記S1からS5の過程で得られたパラメータを用いて、式(5)により算出される時刻毎の圧力変動を計算する。これにより、カムのBDC位置から次のBDCまでの圧力変動を予測することが可能となる。なおこのとき、決められた周期で圧力センサ6による値が更新される場合は、その値を参照値として補正しても良い。
上記ステップS6で演算した圧力の平方根を計算し、基本となる燃料圧力および図5にしめす基本となる噴射パルス幅Tibにおける単位時間あたりのインジェクタの噴射量プロファイルからTi(n)が変化したときの噴射率プロファイルを演算し、噴射量を演算する。
なお、演算する噴射量の予測には、噴射率プロファイルを用いず、インジェクタ10に設けられた定常状態での単位時間当たりの流量Qstから噴射量を演算してもよい。
計算した予測噴射量Qpと要求噴射量Qとの差分を計算し、噴射パルス幅Ti´(n)を式(6)により決める。
Ti´(n)=Ti(n)+(Qp−Qr)/Ti(n)・・・(6)
これらの行程で得られる噴射量補正値は結局、高圧燃料ポンプの制御弁の作動タイミングに基づく燃焼行程位相ごとの吐出量と噴射量から求める補正値α1と、インジェクタの開弁開始の燃焼行程位相から求める補正値α2により噴射パルス幅を補正することであり、式(7)のような補正式を用いて、演算していることと同義である。
Ti´(n)=(1+α1+α2)×Ti(n) ・・・(7)
以上の通り本実施例の車両用制御装置(ECU7)は、コモンレール4に燃料を供給する高圧燃料ポンプ3とコモンレール4に取り付けられエンジン9に燃料を噴射する燃料噴射弁10とを制御する。そして、車両用制御装置(ECU7)は高圧燃料ポンプ3が有する電磁弁(ソレノイド式吸入弁ユニット30)の動作タイミングと、燃料噴射弁10の動作タイミングに基づいて、エンジン9への噴射量が要求噴射量となるように燃料噴射弁10の噴射パルス幅を補正して制御する制御部を備えている。
図4には、本発明による圧力脈動予測手法と、従来法による圧力予測結果を示す。従来手法では、高圧燃料ポンプ3の吐出量Qoutとインジェクタの噴射量Qinjのみを考慮して、コモンレール4内の圧力を予測している。そのため、高圧燃料ポンプ3の燃料吐出やインジェクタ10の燃料噴射がない場合には、推定される圧力値は更新されない。そのため、次時刻々と変動する圧力の予測は困難となり、高圧燃料ポンプ3が吐出している間のみ圧力が上昇するという予測結果となる。結果、高圧燃料ポンプの吐出が完了すると同時に、一定の圧力として予測され、実圧力と予測圧力の結果には偏差が生じてしまう。
Claims (8)
- コモンレールに燃料を供給する高圧燃料ポンプと前記コモンレールに取り付けられエンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁とを制御する車両用制御装置において、
前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングと、前記燃料噴射弁の動作タイミングに基づいて、前記エンジンへの噴射量が要求噴射量となるように前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正して制御する制御部を備えた車両用制御装置。 - エンジンの運転状態を検出するエンジン運転状態検出部と、
前記エンジン運転状態検出部により検出された前記エンジンの運転状態を用いて、前記エンジンの燃焼に適切な必要燃料量を演算する必要燃料量演算部と、
前記エンジンのクランク角度を検出するクランク角度検出部と、
前記必要燃料量より、燃料噴射弁の噴射時間と前記燃料噴射弁の開弁開始の燃焼行程位相を演算する燃焼行程位相演算部と、
高圧燃料ポンプの制御弁の作動タイミングに基づき燃焼行程位相ごとの吐出量を演算する吐出量演算部と、
前記吐出量演算部により演算された前記高圧燃料ポンプの吐出量から求める補正値と、前記燃焼行程位相演算部により演算された前記燃料噴射弁の開弁開始の燃焼行程位相から求める補正値と、により前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正する噴射パルス幅補正部を備えたエンジン制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記高圧燃料ポンプは前記電磁弁を動作させるポンプ用ソレノイドを有するとともに、前記燃料噴射弁は弁体を動作させる燃料噴射弁用ソレノイドを有し、
前記電磁弁の動作タイミングは前記ポンプ用ソレノイドの通電タイミングであり、前記燃料噴射弁の動作タイミングは前記燃料噴射弁用ソレノイドの通電タイミングである車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記燃料噴射弁の動作タイミングは前記燃料噴射弁が開弁開始するタイミングである車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御部は、前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングと、前記燃料噴射弁の動作タイミングに基づいて、前記コモンレールの圧力を推定し、推定した前記コモンレールの圧力に基づいて前記エンジンへの噴射量が要求噴射量となるように前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正して制御する車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記高圧燃料ポンプは、回転運動の動力をプランジャの直動運動に変換するカムによって駆動され、
前記制御部は、前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングと、前記燃料噴射弁の動作タイミングと、前記カムの下死点位置での前記コモンレールの圧力値を用いて、前記コモンレールの圧力を推定するエンジン制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御部は、前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングに基づく前記高圧燃料ポンプの吐出量と、前記燃料噴射弁の動作タイミングに基づく前記燃料噴射弁の噴射量に基づいて、前記エンジンへの噴射量が要求噴射量となるように前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正して制御する車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記制御部は、前記高圧燃料ポンプが有する電磁弁の動作タイミングから求めた前記高圧燃料ポンプの吐出量に基づく圧力変動と、前記燃料噴射弁の動作タイミングから求めた前記燃料噴射弁の噴射量に基づく圧力変動と、に基づいて、前記コモンレールの圧力を推定し、推定した前記コモンレールの圧力に基づいて前記エンジンへの噴射量が要求噴射量となるように前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を補正して制御する車両用制御装置。
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2017
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