JP2018053384A - キッチンペーパー - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重時でも吸油性能が低下し難いキッチンペーパーを提供する。【解決手段】第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に頂点と底辺を有する三角形状であり、前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、前記第1のエンボス凹部の前記底辺と前記第2のエンボス凹部の前記頂点とが第1の直線上に並ぶ。【選択図】図1

Description

本発明は、キッチンペーパーに関する。
従来のキッチンペーパーには、エンボス加工が施されたクレープ紙等のシートが積層された積層構造を備えるものがある。このキッチンペーパーでは、油分や水分の吸収性能を付与するため、積層されたシート間に油分等を保持するための空間が設けられている。また、この種のキッチンペーパーでは、ライン上にシートのエンボスの凹凸がない部分をシート間に形成し、この部分に油分等を通過させることにより、油分等の吸収速度が高くなるようにしている。
キッチンペーパーは、エンボス加工を施して一方の面に凸部を、他方の面に該凸部に対応する凹部を形成したクレープ紙を二枚積層して形成された構造のものがある。そして、このようなキッチンペーパーにおける積層構造は、二枚のクレープ紙の凸部の頂部同士を対面させて接着したティップ トゥ ティップ(Tip To Tip)形式と、一方のクレープ紙の凸部の頂部が他方のクレープ紙の凸部ではない部分(対面する一方のクレープ紙から見て凸となっていない位置)に位置するように互い違いに凸部を位置させて接着したネステッド(Nested)形式とに分けられる。
例えば、特公平6−28951号公報(特許文献1)の図2には、ティップ トゥ ティップ(Tip To Tip)形式の積層構造を備えるキッチンタオル等の衛生紙が開示されている。また、米国特許第8409404号明細書(特許文献2)には、ネステッド(Nested)形式の積層構造を備えるキッチンペーパーが開示されている。
特公平6−28951号公報 米国特許第8409404号明細書
しかしながら、特許文献1の構造(ティップ トゥ ティップ形式の積層構造)では、食器や食材等の使用対象と接触する面積が大きく、使用時に荷重がかかるとエンボス空間(非エンボス部同士が対向する部分)が潰れやすい。そのため、キッチンペーパー内に油分等が吸収され難く、またキッチンペーパー内の空間に保持された油分等が染み出しやすい。
また、特許文献2の構造(ネステッド形式の積層構造)では、ティップ トゥ ティップ形式の積層構造と比較して、使用対象との接触面積を小さくすることはできるものの、エンボス空間が小さいため、使用時に荷重を受けた際に生じたわずかなエンボス空間の潰れでも、油分等が吸収され難くなり、また吸収した油分が染み出す問題がある。
本発明の目的は、使用時に荷重がかかっても吸収性能が低下し難いキッチンシートを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様では、第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に頂点と底辺を有する三角形状であり、前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、前記第1のエンボス凹部の前記底辺と前記第1のエンボス凹部の前記頂点とが第1の直線上に並んでいる。
本発明の第一の態様では、平面視で三角形状の第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部とが、互いに180°回転した向きに、第1のエンボス凹部における三角形の底辺と第2のエンボスにおける三角形の頂点とが同一直線上に並ぶように配置される。これにより、
第1の直線が延びる方向に見て、第1のエンボス凸部の側面に形成される壁部と第2のエンボス凸部の側面に形成される壁部(一対の壁部)間に空間を構成することができる。このような一対の壁部は、キッチンペーパー内で、比較的強度が高い部分となる。そのため、このような一対の壁部によりエンボス空間を構成することができるため、各エンボス空間が潰れ難くなる。
また、エンボス空間を構成する一対の壁部は、第1の直線が延びる方向に見たときに、千鳥状に配置されている。言い換えると、一対の壁部で構成された空間(潰れ難いエンボス空間)を直線状に交差するように配置される。このように直線上に交差するエンボス空間の配置は、構造上、潰れ難い配置になりうる。そのため、第1のシート及び第2のシート間の空間が潰れ難く、キッチンペーパーを使用する際に油分等を吸収する空間を確保することができる。
その結果、キッチンペーパーの使用時でも積層されたシート間の油分等を吸収するための空間を確保することができ、荷重による油分の保持力の低下を防ぐことができる。また、ネステッド形式の積層構造であるため、使用対象との接触面積を小さくすることができ、使用時に荷重がかかってもキッチンペーパー内の空間が潰れ難い。
また、エンボスブロック間にエンボスの凹凸がないライン状の空間(以下、ラインという)等を設けなくても吸収速度を維持することができ、エンボス空間を増やすことができるので、油分等を吸収する空間を大きくすることができる。さらに坪量や紙厚を小さくすることができ、キッチンペーパーの厚みを薄くすることができる。
本発明の第二の態様では、さらに他の前記第1のエンボス凹部の前記底辺と他の前記第2のエンボス凹部の前記頂点が、前記第1の直線と平行な第2の直線上に並んでおり、他の前記第2のエンボス凹部は、前記第1の直線上の前記第1のエンボス凹部と対向し、かつ前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で配置されている。
他の第1のエンボス凹部及び他の第2のエンボス凹部は、上述した第1の直線上に並ぶ第1のエンボス凹部及び第2のエンボス凹部と同じエンボス構造を備える。
本発明の第二の態様でも、第一の態様と同様に、平面視で他の第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部とが、互いに180°回転した向きに、他の第1のエンボス凹部における三角形の底辺と他の第2のエンボスにおける三角形の頂点とが同一直線上に並ぶように配置される。
これにより、他の第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部の間でも、第2の直線が延びる方向に見て強度が高い部分(他の第1のエンボス凸部の壁部と他の第2のエンボス凸部の壁部からなる一対の壁部)と油分等を吸収する部分(該一対の壁部間に構成されたエンボス空間)とを直線状にバランスよく配置することができる。そのため、エンボス空間が潰れ難くなる。
また、エンボス空間を構成する一対の壁部も、第2の直線が延びる方向に見て、千鳥状に配置されているため、強度が高い部分を直線状にバランス良く配置することができ、エンボス空間がさらに潰れ難くなる。そのため、使用時の荷重による油分の保持力の低下を防ぐことができる。
その上で、第二の態様では、他の第2のエンボス凹部が、第1の直線上の第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で該第1のエンボス凹部と対向するように配置されている。この場合、他の第1のエンボス凹部は、第1の直線上の第2のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で該第2のエンボス凹部と対向するように配置される。
このような配置により、エンボス空間を構成する一対の壁部は、第1の直線と直交する方向に見て、千鳥状に配置される。この構成により、一対の壁部で構成されたエンボス空間を直線状に交差するように配置することができる。そのため、潰れ難いエンボス空間を潰れ難い配置で第1の直線及び第2の直線が並ぶ方向にも直線状に構成することができる。その結果、第二の態様によれば、キッチンペーパー全体でエンボス空間を潰れ難くすることができ、荷重による油分等の保持力の低下を確実に防ぐことができる。
本発明の第三の態様では、前記三角形は、正三角形になっている。各エンボス凹部の形状を平面視で正三角形状にすることにより、エンボス自体の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを確実に得られる。
本発明の第四の態様では、前記第1のエンボス凸部及び前記第2のエンボス凸部の壁部
がテーパになっている。このようなテーパ構造にすることにより、一対の壁部の断面形状が第1の直線と直交する方向に沿って交差するエンボス凸部を配置することができる。荷重に対してさらに潰れ難いエンボス空間をバランスよく配置することができる。
本発明の第五の態様では、エンボス凹部の密度が13〜24個/cmになっている。ここで、エンボス空間の密度は、積層されたシートの面積に対するエンボス凹部の個数を意味する。各エンボス凹部をこのような密度の範囲にすることにより、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを確実に得られる。
なお、本明細書において、三角形状には、三角形の頂点が角部を構成する形状だけでなく、該頂点が曲線状に丸みを帯びた形状も含まれる。
本発明の一態様によれば、使用時に荷重がかかっても吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを提供することができる。
本発明の実施形態に係るキッチンペーパーを示す図である。 図1の一部(P1部分)を拡大した図である。 図2のA−A線断面の斜視図である。 図2のB−B線断面の斜視図である。 図2のC−C線断面の斜視図である。 荷重時の減衰試験の方法を説明する図である。 油吸収性能の測定方法を説明する図である。 比較例1に係るキッチンペーパーを示す図である。 図9の一部(P2部分)を拡大した図である。 図10のD−D線断面の斜視図である。 図11のE−E線断面の斜視図である。 図10のF−F線断面の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るキッチンペーパーを示す図である。図2は、図1の一部(P1部分)を拡大した図である。さらに、図3は、図2のA−A線断面の斜視図である。
図1〜図3において、符号1は本実施形態に係るキッチンペーパーである。キッチンペーパー1は、エンボス加工された2枚のクレープ紙3、5がネステッド形式で積層されたキッチンペーパーである。
クレープ紙3には、複数のエンボス凸部7A(エンボス凹部7Bと対応するエンボス凸部)と該エンボス凸部7Aに対応する複数のエンボス凹部7Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部7Bは、平面視で正三角形状を呈している。
エンボス凹部7Bは、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙3に押し付けることにより、クレープ紙3上に複数のエンボス凸部7Aが形成され、該エンボス凸部7Aに対応するエンボス凹部として形成される。
一方、クレープ紙5には、複数のエンボス凸部9Aと該エンボス凸部9Aに対応する複数のエンボス凹部9Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部9Bは、平面視で正三角形状を呈している。
エンボス凹部9Bは、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙5に押し付けることにより、クレープ紙5上に複数のエンボス凸部9Aが形成され、該エンボス凸部9Aに対応するエンボス凹部として形成される。
なお、図3に示すように、キッチンペーパー1のクレープ紙5側に形成されているエンボス凸部9A(対応するエンボス凹部9B)は、クレープ紙3の下にあるため、図1、図2では、破線で示している。
クレープ紙3、5の坪量は、15〜30g/mである。坪量は、JIS P 8124(1998)を基準とする。クレープ紙3、5の坪量をこの範囲に調整すると、紙面に水や油などの液体が触れた際に、十分な液拡散性が得られ、特に高い吸水性能が得られる。またこの範囲内の坪量では、キッチンペーパーとして使用時の柔軟性、追従性が得られる。
クレープ紙3、5には、原紙の原料がパルプを主材とするものである。パルプ組成は、キッチンペーパーにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
パルプ組成は、例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを適宜の比率で使用することができる。特に、針葉樹パルプを広葉樹パルプと比較してより多い組成のパルプ組成であることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、50:50〜80:20であるのが好ましい。
図2〜図5に示すように、クレープ紙3のエンボス凸部7Aは、クレープ紙5の非エンボス部13(エンボス凸部9Aが設けられていない部分)に対向して配置されている。一方、クレープ紙5のエンボス凸部9Aは、クレープ紙3の非エンボス部11(エンボス凸部7Aが設けられていない部分)に対向して配置されている。
さらに、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部は、クレープ紙5の非エンボス部13に対して、図示しない接着剤により接着されている。これにより、クレープ紙3、5間でネステッド形式の積層構造が形成されている。
なお、本例のように、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部13とを接着させることにより、2枚のクレープ紙の接着部分を一方のクレープ紙(クレープ紙3)側にバランスよく配置することができる。そのため、接着剤による吸収性能の低下を少なくすることができる。
なお、接着剤には、積層構造を有するキッチンペーパーに採用される公知の接着剤を用いることができる。このような接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系接着剤等がある。
また、本実施形態に係るキッチンペーパーは、公知のスチールラバー式のエンボス付与方法によりエンボスが形成されたクレープ紙を貼り合わせて製造することができる。
なお、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部13とを接着する代わりに、クレープ紙5のエンボス凸部9Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部11とを接着してもよい。また、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部13とを接着し、さらにクレープ紙5のエンボス凸部9Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部11とを接着してもよい。
本例では、図2及び図5に示すように、エンボス凹部9B(エンボス凸部9Aに対応するエンボス凹部)がエンボス凹部7Bに対して平面視で180°回転した形でエンボス凹部7B、7B間に配置されている。そして、エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bは、エンボス凹部7Bの底辺B1とエンボス凹部9Bの頂点T2が仮想の直線L1上に並ぶように配置されている。
このとき、隣り合うエンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bとは、エンボス凸部7Aの壁部7Cとエンボス凸部9Aの壁部9Cが略平行に対向するように配置されている。
また、隣り合うエンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bは、正三角形が凸となる方向が互いに180°反対側に向くように配置されている。この場合、エンボス凹部7Bの頂点T1とエンボス凹部9Bの底辺B2は、直線L1と平行な図示しない直線上に配置される。
エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bをこのように配置することにより、図2及び図5(図2のC−C線断面)に示されるように、エンボス凸部7Aの壁部7Cとエンボス凸部9Aの壁部9C(一対の壁部)間によって空間S1(S11〜S14)を構成することができる。これにより、強度が高い部分(一対の壁部7C、9C)により油分等を吸収するエンボス空間(空間S1)を構成することができるため、各エンボス空間(空間S11〜S14)が潰れ難くなる。
また、エンボス空間を構成する一対の壁部7C、9Cは、直線L1に沿って、千鳥状に配置されている。すなわち、一対の壁部7C、9Cで構成された空間S1(潰れ難いエンボス空間)を直線状に交差するように配置することができる。そのため、クレープ紙3、5間の空間が潰れ難く、キッチンペーパーを使用する際に油分等を吸収する空間を確保することができる。
したがって、本例のキッチンペーパーでは、使用時の荷重によりエンボス空間が潰れ難く、荷重による吸収性能の低下(例えば、油分を吸収する前にエンボス空間が潰れて油分等が吸収できない場合、油分等が吸収された後に油分等が保持されたエンボス空間が潰れて油分等が染み出す場合、エンボス空間が潰れて油分等の吸収速度が低下する場合等)を防ぐことができる。
また、キッチンペーパー1では、上述のようにネステッド形式の積層構造が採用されている。そのため、使用対象との接触面積を小さくすることができ、キッチンペーパー内の空間を潰れ難くすることができる。また、ライン等を設けなくても吸収速度を維持することができるため、エンボス空間を増やすことができ、キッチンペーパー内の油分等を吸収する空間を大きくすることができる。さらに坪量や紙厚を小さくすることができるので、キッチンペーパーの厚みを薄くすることができる。
なお、キッチンペーパー1は、本発明のキッチンペーパーの一例であり、クレープ紙3、5は、本発明における第1のシート及び第2のシートの一例であり、エンボス凸部7A及びエンボス凹部7Bは、本発明における第1のエンボス凸部及び第1のエンボス凹部の一例であり、エンボス凸部9A及びエンボス凹部9Bは、本発明における第2のエンボス凸部及び第2のエンボス凸部の一例である。
キッチンペーパー1は、さらに、図1〜図3に示すように、クレープ紙3に、複数のエンボス凸部17Aと該エンボス凸部17Aに対応する複数のエンボス凹部17Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部17Bは、エンボス凹部7Bと同様に、平面視で正三角形状を呈している。
エンボス凹部17Bは、エンボス凹部7Bと同様に、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙3に押し付けることにより、クレープ紙3上に複数のエンボス凸部17Aが形成され、該エンボス凸部17Aに対応するエンボス凹部として形成される。
一方、クレープ紙5には、複数のエンボス凸部19Aと該エンボス凸部19Aに対応する複数のエンボス凹部19Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部19Bは、エンボス凹部9Bと同様に、平面視で正三角形状を呈している。
エンボス凹部19Bは、エンボス凹部9Bと同様に、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙5に押し付けることにより、クレープ紙5上に複数のエンボス凸部19Aが形成され、該エンボス凸部19Aに対応するエンボス凹部として形成される。
なお、エンボス凸部9A(対応するエンボス凹部9B)と同様に、クレープ紙5に形成されたエンボス凸部19Aは、クレープ紙3の下にあるので、図1、図2では、破線で示している。
図1〜図5に示すように、クレープ紙3のエンボス凸部17Aは、クレープ紙5の非エンボス部23(エンボス凸部19Aが形成されない部分)に対向して配置されている。また、クレープ紙5のエンボス凸部19Aは、クレープ紙3の非エンボス部21(エンボス凸部17Aが形成されない部分)に対向して配置されている。
さらに、クレープ紙3のエンボス凸部17Aとクレープ紙5の非エンボス部23は、図示しない接着剤により接着されている。これにより、クレープ紙3、5間でネステッド形式の積層構造が形成されている。
クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部23を接着させることにより、2枚のクレープ紙の接着部分を一方のクレープ紙(クレープ紙3)側にバランスよく配置することができる。そのため、接着剤による吸収性能の低下を少なくすることができる。
なお、クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部23とを接着する代わりに、クレープ紙5のエンボス凸部19Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部21とを接着してもよい。また、クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部23とを接着し、さらにクレープ紙5のエンボス凸部19Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部21とを接着してもよい。
なお、接着剤には、上述のエンボス凸部9Aの頂部と非エンボス部13を接着する接着剤と同じ接着剤を用いることができる。
本例では、図2に示すように、エンボス凹部19Bがエンボス凹部17Bに対して平面視で180°回転した形でエンボス凹部17B、17B間に配置されている。そして、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bは、エンボス凹部17Bの底辺B3とエンボス凹部9Bの頂点T4が仮想の直線L2上に並ぶように配置されている。
この場合、隣り合うエンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bとは、エンボス凸部17Aの壁部17Cとエンボス凸部19Aの壁部19Cが略平行に対向するように配置されている。また、隣り合うエンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bは、正三角形が凸となる方向が互いに180°反対側に向くように配置されている。この場合、エンボス凹部17Bの頂点T3とエンボス凹部19Bの底辺B4は、直線L2と平行な図示しない直線上に配置される。
図4に示すように、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bをこのように配置することにより、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bの間にも、一対の壁部17C、19C(強度が高い部分)により空間S2(油分等を吸収するエンボス空間)を構成することができるため、各エンボス空間(空間S21〜S24)が潰れ難くなる。また、エンボス空間を構成する一対の壁部17C、19Cも、直線L2上で千鳥状に配置されているため、クレープ紙3、5間の空間が潰れ難く、キッチンペーパーを使用する際に油分等を吸収する空間を確保することができる。
また、図2及び図3に示すように、直線L2上のエンボス凹部17Bが直線L1上のエンボス凹部9Bに対して、平面視で180°回転した形で対向して配置されている。一方、直線L2上のエンボス凹部19Bは、直線L1上のエンボス凹部7Bに対して、平面視で180°回転した形で配置されている。
具体的には、図2及び図5では、直線L1上のエンボス凹部7Bと直線L2上のエンボス凹部19Bとは、正三角形の頂点T1と頂点T4が向き合うように配置されている。一方、直線L1上のエンボス凹部9Bと直線L2上のエンボス凹部17Bとは、正三角形の底辺B2と底辺B3が平行に向き合うように配置されている。
このとき、エンボス空間を構成する一対の壁部7C、9Cと一対の壁部17C、19Cは、Y方向(直線L1と直交する方向)に見たときに、千鳥状に配置されている。すなわち、一対の壁部7C、9Cで構成された空間S1、S2(潰れ難いエンボス空間)が直線状に交差するように配置されている。そのため、潰れ難いエンボス空間を潰れ難い配置でY方向にも構成することができるため、キッチンペーパー全体でエンボス空間が潰れ難くなるため、荷重による吸収性能の低下を確実に防ぐことができる。
なお、本例では、平面視の形状が正三角形のエンボス凹部を採用したが、例えば、正三角形状でない三角形のエンボス凹部を採用してもよい。三角形状の構造物は、一般に強度が高くなることが知られており、平面視三角形状のエンボス凹部を採用することにより、エンボス凹部に対応するエンボス凸部の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーが得られる。
なお、平面視三角形状のうち、エンボス凸部の強度を高くすることができるエンボス凹部の形状としては、好ましくは、本例で採用した正三角形である。各エンボス凹部の形状を平面視で正三角形状にすることにより、エンボス自体の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを確実に得られる。
なお、エンボス凸部17A及びエンボス凹部17Bは、本発明における他の第1のエンボス凸部及び他の第1のエンボス凹部の一例であり、エンボス凸部19A及びエンボス凹部19Bは、本発明における他の第2のエンボス凸部及び他の第2のエンボス凹部の一例である。
さらに、図3〜図5に示すように、エンボス凸部7Aの壁部7Cは、エンボス凹部7Bの底部から開口部に向かって傾斜するテーパで形成されている。また、壁部7Cとクレープ紙3の境界部は、図示しない曲面になっている。一方、エンボス凸部9Aの壁部9Cは、エンボス凹部9Bの底部から開口部に向かって傾斜するテーパで形成されている。また、壁部9Cとクレープ紙5の境界部も図示しない曲面になっている。壁部7Cと壁部9Cとは、図5に示すように、断面が略平行四辺形を呈する空間S1を構成する。
また、エンボス凸部17Aの壁部17Cは、エンボス凹部17Bの底部から開口部に向かって傾斜するテーパで形成されている。また、壁部17Cとクレープ紙3の境界部は、図示しない曲面になっている。一方、エンボス凸部19Aの壁部19Cは、エンボス凹部19Bの底部から開口部に向かって傾斜するテーパで形成されている。また、壁部19Cとクレープ紙5の境界部も図示しない曲面になっている。壁部17Cと壁部19Cとは、図4に示すように、断面が略平行四辺形を呈する空間S2を構成する。
なお、エンボス凸部7A、17Aの壁部7C、17Cにおいて、テーパの角度はクレープ紙3に対して45°〜90°の範囲にすることができる。また、エンボス凸部9A、19Aの壁部9C、19Cにおいて、テーパの角度はクレープ紙5に対して45°〜90°の範囲にすることができる。
このとき、空間S1を構成する一対の壁部7C、9Cと空間S2を構成する一対の壁部17Cと19Cとは、Y方向に見たときに、略平行四辺形の空間が交差するように配置されている。この構成により、潰れ難いエンボス空間をさらに潰れ難い配置でY方向に構成することができる。一対の壁部をこのようなテーパ構造にすることにより、荷重に対してさらに潰れ難いエンボス空間をキッチンペーパー全体に配置することができる。
なお、壁部7C、壁部9C、壁部17Cおよび壁部19Cは、本発明における第1のエンボス凸部の壁部、第2のエンボス凸部の壁部、他の第1のエンボス凸部の壁部および他の第2のエンボス凸部の壁部の一例である。
また、本実施の形態では、エンボス凹部の密度を13〜24個/cmにすることができる。これを、エンボス凹部の面積率(平面視のキッチンペーパーの面積に対する第1及び第2のエンボス凹部の面積の合計)に換算すると、約7.2〜13.2%になる。各エンボス凹部をこのような密度の範囲にすることにより、油分等を吸収する空間を可能な限り増やすことができ、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを確実に得られる。
なお、本発明に係るキッチンペーパー1の主たる製品態様は、帯状で適宜の間隔で分断用のミシン目線が配されたものを紙管に巻き付けたロール状のもの、或いは、ピックアップ式、ポップアップ式等と称される、枚葉のキッチンペーパーが折畳み積層されたものが例示できるが、これらの製品態様が限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、実施例を参照しながら、説明する。具体的には、本発明の実施形態に係るキッチンペーパー(実施例1、実施例2)、及び市販のキッチンペーパーとエンボス構造が同じキッチンペーパーの試作品(比較例1)を用いて、本発明の効果を確認した。
[実施例1]
実施例1には、図1〜図5に示すネステッド形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。
実施例1では、まず、図1〜図3に示すクレープ紙3、5の単位エンボスが正三角形状のエンボスパターン(エンボス凸部7A、17A、及びエンボス凸部9A、19A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをそれぞれクレープ紙3、5に型押して、エンボス凸部7A、17Aに対応するエンボス凹部7B、17Bが形成されたクレープ紙3、およびエンボス凸部9A、19Aに対応するエンボス凹部9B、19Bが形成されたクレープ紙5を作製した。
なお、クレープ紙3、5には、原紙の繊維原料がパルプ100質量%のものを用いた。また、クレープ紙3、5には、坪量が21.2g/m、紙厚が121μmのものを用いた。
これらのクレープ紙3、5を、図1〜3に示すように、エンボス凸部7A、17Aの頂部と非エンボス部11、21が対向し、エンボス凸部9A、19Aの頂部と非エンボス部13、23が対向するように位置を合わせながら積層した。また、エンボス凸部9Aと非エンボス部13は、図示しない接着剤により接着した。得られたものはネステッド形式の積層構造を有し、これを実施例1のキッチンペーパーとした。
なお、実施例1では、X方向(凸エンボスロールの軸心方向)に並ぶエンボス凹部7Bは、中心C1間の距離が3.9mmとなるように配置されている。また、Y方向(凸エンボスロールの回転方向)に並ぶエンボス凹部7Bは、中心C1間の距離が4.5mmとなるように配置されている。また、X方向に並ぶエンボス凹部9Bは、中心C2間の距離が3.9mmとなるように配置されている。また、Y方向に並ぶエンボス凹部9Bは、中心C2間の距離が4.5mmとなるように配置されている。
なお、実施例1では、後述する比較例1のようなラインは設けられていない。実施例1に関するその他の条件は、表1に示す。
[実施例2]
実施例2にも、実施例1と同様に、ネステッド形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。
実施例2では、X方向に並ぶエンボス凹部7Bは、中心C1間の距離が4.8mmとなるように配置されている。また、Y方向に並ぶエンボス凹部7Bは、中心C1間の距離が4.7mmとなるように配置されている。また、X方向に並ぶエンボス凹部9Bは、中心C2間の距離が4.8mmとなるように配置されている。また、Y方向に並ぶエンボス凹部9Bは、中心C2間の距離が4.7mmとなるように配置されている。
なお、実施例2でも、後述する比較例1のようなラインは設けられていない。実施例2に関するその他の条件は、表1に示す。
[比較例1]
比較例1には、図8〜図12に示すティップ トゥ ティップ形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。なお、図8〜図12では、図1〜図5に対応する符号に100を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
比較例1では、まず図8〜図12に示すクレープ紙103、105の単位エンボスが略正方形のエンボスパターン(エンボス凸部107A、117A、エンボス凸部109A、119A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをそれぞれクレープ紙103、105に型押しすることにより、クレープ紙103には、エンボス凸部107A、117Aと該エンボス凸部107A、117Aに対応するエンボス凹部107B、117Bとが表裏に複数形成される。また、クレープ紙105には、エンボス凸部109A、119Aと該エンボス凸部109A、119Aに対応するエンボス凹部109B、119Bとが表裏に複数形成される。
なお、クレープ紙103、105には、実施例1のクレープ紙3、5と同じ条件の原紙を用いた。
これらのエンボス加工されたクレープ紙103、105を、図8〜図12に示すように、エンボス凸部107A、117Aの頂部とエンボス凸部109A、119Aの頂部が対向し、非エンボス部111、121とクレープ紙105の非エンボス部113、123とが対向するように位置を合わせながら積層した。また、エンボス凸部107A、117Aの頂部とエンボス凸部109A、119Aの頂部とは、実施例1で用いた接着剤と同じ接着剤により接着した。
得られたキッチンペーパー101の表面(クレープ紙103側)には、エンボス凸部107A、117Aに対応するエンボス凹部107B、119Bが形成される。一方、キッチンペーパー101の裏面(クレープ紙105側)には、エンボス凸部109A、119Aに対応するエンボス凹部109B、119Bが形成される。得られたものはティップ トゥ ティップ形式の積層構造を有し、これを比較例1のキッチンペーパーとした。
比較例1のキッチンペーパーでは、各エンボス凸部の平面視の形状が略正方形である。また、比較例1では、図9に示すようにエンボスブロックBL1間にラインLN1が設けられている。
なお、比較例1では、エンボス凹部107Bの中心C101間の距離が2.6mmとなるように配置されている。また、エンボス凹部117Bの中心C102間の距離も2.6mmとなるように配置されている。さらに直線L101上に並ぶエンボス凹部107Bと直線L101との間に直線L102を挟むもう一つの直線L101上に並ぶエンボス凹部107Bのとの距離も、2.6mmとなっている。
比較例1に関するその他の条件は、表1に示す。
これらの実施例1、実施例2、比較例1について、荷重時の減衰性、及び荷重時の油吸収性を測定した。各測定方法は、下記のとおりである。
[原紙]
<坪量>
試験で使用する原紙の坪量は(g/m)は、JISP8124(1998)により算出する。
<紙厚>
原紙の紙厚(μm/1枚)を測定する。原紙の紙厚の測定方法は、原紙をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。
測定の具体的な手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろし、そのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにする。この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、厚みの測定値は、測定を10回行って得られる平均値とする。
[荷重時の減衰試験]
まず、実施例1、実施例2、比較例1の試験片として、2枚のクレープ紙を1組にしてそれぞれ12cm×12cmの寸法に裁断した試験片を用意する。試験片は、図6に示すように、裁断した試験片を10組重ね、その上にプラスチック製の板(約12cm×12cm、厚み0.8mm、重さ14.1g)を載せ、図6の左側に示すようにJIS1級金尺を用いて試験片の高さを測定する。測定箇所は、プラスチック製の板の上端とし、測定値を試験片の高さとする。このときの試験片の高さを、初期厚みとする。
初期厚みを測定した後、試験片に載せたプラスチック製の板の上に、さらに錘186g(約12cm×12cm、厚み12mm)を載せ、図6の右側に示すようにJIS1級金尺を用いて試験片の高さを測定する。測定箇所は、初期厚みと同様に、プラスチック製の板の上端とし、測定値を試験片の高さとする。このときの試験片の高さを、荷重時の厚みとする。
測定した初期厚みと荷重時の厚みとから荷重時の減衰率(潰れ率)を算出する。荷重時の減衰率は、下記式より算出する。
・荷重時の減衰率(%)=(初期厚み−荷重時の厚み)÷初期厚み×100
なお、荷重時の減衰率は、1回の測定で得られた初期厚みおよび荷重時の厚みから算出した。実施例1、実施例2、比較例1における初期厚み(mm)、荷重時の厚み(mm)及び荷重時の減衰率(%)を、参考までに表1に示す。
[油吸収性の測定]
油吸収性の試験方法は、荷重時の減衰試験と同様に、試験片を12cm×12cmに裁断する。電子天秤(株式会社エー・アンド・デイ製のHR300等)を用いて、図7に示すプラスチック製のシート(約12cm×12cm、厚み0.2mm、重さ2.7g、材質ポリプロピレン)、試験片、錘(直径約82mm、厚み10mm、重さ59g、材質アクリル)、下紙(コピー用紙を約12cm×12cmに裁断したものを5枚)の各重量を測定する。測定後、プラスチック製のシートの上に試験片を載せ、試験片の中央に錘を載せる。なお、錘には厚み方向に貫通する孔が設けられている。孔の直径は、約12mmである。
その後、ピペット(Thermo scientific社製、FinnpetteF2、 0.5〜5ml)で2.3ml(約2.0g)の油(常温のサラダ油)(日清オイリオグループ株式会社製の日清サラダ油)を錘の孔から滴下する。このとき滴下位置(エンボス部)は、図7に示すように試験片の中心位置に固定しておく。
滴下2分後、錘を取り除き、重量を測定する。その後、プラスチック製のシートを取り除き重量を測定する。そして、試験片の重量を測定し、下紙に置きなおしてから、さらに5分後、試験片の重量(最終保持した油量)、下紙の油量(保持できなかった油量)を測定する。
実施例1、実施例2、比較例2において、図7に示すように試験片吸油量(g)、裏抜け量(g)、戻り量(g)、滴下油量(g)、試験片最終保持量(g)、最終裏抜け量(g)、裏抜け総量(g)、滴下油量に対する試験片吸油量(%)、裏抜け量(%)、戻り量(%)、試験片最終保持量(%)、最終裏抜け量(%)、裏抜け総量(%)を測定し、表1に示した。
試験片吸油量(g)等の各項目は、下記に列挙する式により算出した。
・試験片吸油量(g)=滴下2分後の試験片重量−試験片重量
・裏抜け量(g)=滴下2分後のプラスチック製のシート重量−プラスチック製のシート重量
・戻り量(g)=滴下2分後の錘重量−錘重量
・滴下油量(g)=試験片吸油量+裏抜け量+戻り量
・試験片最終保持量(g)=5分後の試験片重量−試験片重量
・最終裏抜け量(g)=5分後の下紙の重量−下紙の重量
・裏抜け総量(g)=裏抜け量+最終裏抜け量
・試験片吸油量(%)=試験片吸油量÷滴下油量×100
・裏抜け量(%)=裏抜け量÷滴下油量×100
・戻り量(%)=戻り量÷滴下油量×100
・試験片最終保持量(%)=最終保持量÷滴下油量×100
・最終裏抜け量(%)=最終裏抜け量÷滴下油量×100
・裏抜け総量(%)=裏抜け総量÷滴下油量×100
なお、試験片吸油量(g)、裏抜け量(g)、戻り量(g)、滴下油量(g)、試験片最終保持量(g)、最終裏抜け量(g)、裏抜け総量(g)の各測定値は、測定を3回行って得られる平均値とする。これらの試験片吸油量(g)等から、試験片吸油量(%)、裏抜け量(%)、戻り量(%)、試験片最終保持量(%)、最終裏抜け量(%)、裏抜け総量(%)を算出した。
[荷重時の減衰率の比較]
表1から荷重時の減衰試験の結果を比較すると、実施例1、2では、荷重前の厚みが、比較例1より薄くなっている。これに対して、荷重時の減衰率(潰れ率)は、比較例1より小さくなっている。この結果は、実施例1、2が荷重に対して潰れ難いことを示している。
[油吸収性の比較]
表1から油吸収性の結果を比較すると、実施例1、2では、滴下油量に対する試験片の吸油量、および最終保持量のいずれも、比較例1に対して高くなっている。また、滴下油量に対する試験片の戻り量は、比較例1に対して低くなっている。これらの結果は、実施例1の油保持性能が高いことを示している。
また、実施例1、2では、滴下油量に対する裏抜け量、最終裏抜け量、裏抜け総量のいずれも、比較例1に対して低くなっている。この結果は、実施例1、2では油の裏抜けがし難い(染み出し難い)ことを示している。
[積層構造の比較]
実施例1、2と比較例1との積層構造について比較すると、まずティップ トゥ ティップ形式の積層構造を有する比較例1に対して、実施例1、2はネステッド形式の積層構造を有するため、潰れ難くなっている(図3、図11参照)。これは、上述の荷重時の減衰試験の結果からも裏付けられている。
また、図2と図9を比較すると、実施例1、2では、直線L1が延びる方向に見たときに、一対の壁部7C、9Cで構成された空間S1(S11〜S14)が千鳥状に配置されている。これに対して比較例1では、直線L101が延びる方向に見たときに一対の壁部107C、109Cで構成された空間S101(S111〜S112)が千鳥状に配置されていない。
また、実施例1、2では、直線L1、L2が並ぶ方向(直線L1と直交する方向)に見たときに、壁部7C、9Cで構成された空間S1〜S2が千鳥状に配置されている。これに対して比較例1では、直線L101、L102が並ぶ方向(直線L101と直交する方向)に見たときに一対の壁部107C、107C(一対の壁部109C、109C)で構成された空間S101、S102は千鳥状に配置されていない。
さらに、図2〜図5と図9〜12を比較すると、実施例1、2では、一対の壁部7C、9Cで構成された空間S1と空間S2は断面形状がY方向に向かって交差するように配置されている。これに対して、比較例1では、一対の壁部107C、107C(一対の壁部109C、109C)で構成された空間S101〜S102は、Y方向に向かって同じ形状で配置されている。
このように、実施例1、2はと比較例1とでは、エンボス凸部間に構成されるエンボス空間の配置が異なり、実施例1、2はエンボス空間が潰れ難い構成になっている。
また、実施例1、2では、比較例1に対してエンボス凹部の密度を増やすことができるため、さらにエンボス空間が潰れ難くすることができる。
以上の結果から、本発明のキッチンペーパーは、紙厚を薄くすることができ、吸油速度を速くすることができるネステッド形式の利点を維持しながら、潰れ難く、使用時の油吸収性能に優れていることが判る。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 キッチンペーパー
3、5 クレープ紙
7A、9A、17A、19A エンボス凸部
7B、9B、17B、19B エンボス凹部
7C、9C、17C、19C 壁部
B1、B2、B3、B4 底辺
T1、T2、T3、T4 頂点
L1、L2 直線

Claims (5)

  1. 第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、
    前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に頂点と底辺を有する三角形状であり、
    前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、
    前記第1のエンボス凹部の前記底辺と前記第2のエンボス凹部の前記頂点とが第1の直線上に並ぶことを特徴とするキッチンペーパー。
  2. 他の前記第1のエンボス凹部の前記底辺と他の前記第2のエンボス凹部の前記頂点が、前記第1の直線と平行な第2の直線上に並んでおり、
    前記他の第2のエンボス凹部は、前記第1の直線上の前記第1のエンボス凹部と対向し、かつ前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で配置されている、請求項1に記載のキッチンペーパー。
  3. 前記三角形は、正三角形である、請求項1または2に記載のキッチンペーパー。
  4. 前記第1のエンボス凸部及び前記第2のエンボス凸部の壁部がテーパになっている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキッチンペーパー。
  5. エンボス凹部の密度が、13〜24個/cmである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキッチンペーパー。
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