JP2018053176A - 樹脂の分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶解液から効率的に樹脂及び触媒の分離を可能にする樹脂分離方法を、提供する。
【解決手段】(1)硬化物、半硬化物又は溶解物である、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂成分を分離する樹脂の分離方法。
(2)項(1)において、樹脂成分を分離する前の溶解液が、エポキシ樹脂を含み、全ての樹脂成分の含有率が10質量%以下の溶解液である、樹脂の分離方法。
(3)項(1)又は(2)において、溶解液が、その中に有機溶媒及び金属触媒を含む、樹脂の分離方法。
(4)項(3)において、有機溶媒及び金属触媒が、溶解液から樹脂を選択的に分離することで回収される、樹脂の分離方法。
(5)項(1)〜(4)のいずれか一項において、限外濾過膜が、樹脂膜又はセラミック膜である、樹脂の分離方法。
【選択図】なし
【解決手段】(1)硬化物、半硬化物又は溶解物である、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂成分を分離する樹脂の分離方法。
(2)項(1)において、樹脂成分を分離する前の溶解液が、エポキシ樹脂を含み、全ての樹脂成分の含有率が10質量%以下の溶解液である、樹脂の分離方法。
(3)項(1)又は(2)において、溶解液が、その中に有機溶媒及び金属触媒を含む、樹脂の分離方法。
(4)項(3)において、有機溶媒及び金属触媒が、溶解液から樹脂を選択的に分離することで回収される、樹脂の分離方法。
(5)項(1)〜(4)のいずれか一項において、限外濾過膜が、樹脂膜又はセラミック膜である、樹脂の分離方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂溶解液からの樹脂の分離方法に関する。
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
CFRPは、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて加熱することによりプリプレグを得た後、プリプレグをオートクレーブ内で加圧しながら焼成することにより製造される。また近年では、熱可塑性樹脂をマトリックスとして射出成形やスタンピング成形を用いて製造する部材(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics;CFRTP)も開発されている。
ところで、最終的な形状のCFRPを製造する過程では、プリプレグ及びCFRPの端材が大量に生じる。また、CFRPを用いた部材を廃棄する際にも、CFRPの廃材が大量に生じる。そこで、CFRP又はプリプレグから高価である炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが望まれている。
CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収するには、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する必要がある。従来、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する処理方法としては、1)500℃〜700℃程度の高温で燃焼して熱硬化性樹脂の硬化物を熱分解する方法、2)溶解液を用いて熱硬化性樹脂の硬化物を分解(解重合)及び溶解する方法、等が知られている。特に、上記2)の処理方法は、炭素繊維の損傷が少ない等の利点があり、種々の処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、リン酸、リン酸塩、有機酸、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の触媒と、アミド溶媒、アルコール溶媒、ケトン溶媒、及びエーテル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有する溶解液を用いて、エポキシ樹脂硬化物を分解及び溶解する処理方法が開示されている。
また、樹脂の溶解処理方法では、樹脂の分解を行う溶解工程と、触媒や付着した樹脂を取り除く洗浄工程がある。そのため溶解処理では、触媒や樹脂濃度の異なる溶解処理廃液が発生する。
同じ溶解液を用いて樹脂の溶解や洗浄を繰り返した場合には、溶液中の樹脂濃度が徐々に高くなるため、樹脂の分解効率や洗浄効率が低下することがわかっている。そこで、溶解廃液は定期的に蒸留を行い、樹脂および触媒残渣を取り除くことで溶媒を回収する必要あった。
溶解液から樹脂を分離する方法の1つに蒸留法がある。しかしながら、蒸留を行う溶解廃液は、溶解処理と洗浄処理、また溶解する樹脂の種類によって、触媒濃度や樹脂濃度が異なる。そのため蒸留溶媒の回収率を高めるためには、溶解液の種類ごとに蒸留条件を変更する必要があった。また、蒸留によって回収できるのは溶媒だけであり、溶液に残る触媒はすべて廃棄することから、経済的ではなかった。
本発明は、前述したような課題に鑑み、溶解液から効率的に樹脂及び触媒の分離を可能にする樹脂分離方法を、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)硬化物、半硬化物又は溶解物である、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂成分を分離する樹脂の分離方法。
(2)項(1)において、樹脂成分を分離する前の溶解液が、エポキシ樹脂を含み、全ての樹脂成分の含有率が10質量%以下の溶解液である、樹脂の分離方法。
(3)項(1)又は(2)において、溶解液が、その中に有機溶媒及び金属触媒を含む、樹脂の分離方法。
(4)項(3)において、有機溶媒及び金属触媒が、溶解液から樹脂を選択的に分離することで回収される、樹脂の分離方法。
(5)項(1)〜(4)のいずれか一項において、限外濾過膜が、樹脂膜又はセラミック膜である、樹脂の分離方法。
(6)項(5)において、樹脂膜又はセラミック膜の材質が、フッ素系高分子、セルロース系高分子、アルミナ、ジルコニア、酸化チタンから選ばれる、樹脂の分離方法。
(7)項(5)又は(6)において、樹脂膜又はセラミック膜の分画分子量が、1000〜5000である、樹脂の分離方法。
(1)硬化物、半硬化物又は溶解物である、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂成分を分離する樹脂の分離方法。
(2)項(1)において、樹脂成分を分離する前の溶解液が、エポキシ樹脂を含み、全ての樹脂成分の含有率が10質量%以下の溶解液である、樹脂の分離方法。
(3)項(1)又は(2)において、溶解液が、その中に有機溶媒及び金属触媒を含む、樹脂の分離方法。
(4)項(3)において、有機溶媒及び金属触媒が、溶解液から樹脂を選択的に分離することで回収される、樹脂の分離方法。
(5)項(1)〜(4)のいずれか一項において、限外濾過膜が、樹脂膜又はセラミック膜である、樹脂の分離方法。
(6)項(5)において、樹脂膜又はセラミック膜の材質が、フッ素系高分子、セルロース系高分子、アルミナ、ジルコニア、酸化チタンから選ばれる、樹脂の分離方法。
(7)項(5)又は(6)において、樹脂膜又はセラミック膜の分画分子量が、1000〜5000である、樹脂の分離方法。
本発明によれば、硬化物、半硬化物又は溶解物である、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂を選択的に分離することが可能となる。また、金属触媒はクロスフロー方式で透過するため、溶媒に加え、金属触媒も回収でき、原料ロスを低減することが可能となる。さらに、蒸留残渣と比較して濾過残渣液は、樹脂分濃度が高く、また溶媒濃度を低減し、金属触媒も回収できるため、原料ロスを低減することが可能となる。
また、クロスフロー方式で濾過を行うことにより、膜の目詰まりを生じにくいので、樹脂を高効率に分離することが可能となる。
さらに、クロスフロー方式の濾過膜の材質として、樹脂膜又はセラミック膜を用いることで、溶媒を含む反応性のある溶解液を用いた場合についても、樹脂と溶解液を分離することが可能となる。特に、酸化チタン製のフィルターを用いることで、低分子量の樹脂まで安定的に取り除くことができる。
さらに、クロスフロー方式の濾過膜の材質として、樹脂膜又はセラミック膜を用いることで、溶媒を含む反応性のある溶解液を用いた場合についても、樹脂と溶解液を分離することが可能となる。特に、酸化チタン製のフィルターを用いることで、低分子量の樹脂まで安定的に取り除くことができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書にて述べる溶解処理物は、特に限定されるものではないが、例えば熱硬化性樹脂硬化物を含む。熱硬化性樹脂硬化物としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の硬化物が挙げられる。熱硬化性樹脂硬化物は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂硬化物としては、後述する溶解液による分解効率の観点から、エポキシ樹脂硬化物及び不飽和ポリエステル樹脂硬化物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂硬化物を含むことがより好ましい。
溶解処理物は、熱硬化性樹脂硬化物のほかに、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
溶解処理物は、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、熱硬化性樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。溶解処理物には、未硬化又は半硬化の熱硬化性樹脂が含まれていてもよい。
溶解処理物がエポキシ樹脂硬化物を含む場合、溶解処理物は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。
溶解処理物がエポキシ樹脂硬化物を含む場合、溶解処理物は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール化合物のジグリシジルエーテル化物、アルコール化合物のジグリシジルエーテル化物、これらのアルキル置換体、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物、イソシアネート化合物等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化剤としては酸無水物が好ましい。すなわち、処理対象物は、酸無水物硬化エポキシ樹脂を含むことが好ましい。酸無水物硬化エポキシ樹脂は、分子内にエステル結合を有し、後述する処理液を用いてより効率的に分解することができる。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、クロレンディック酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、グリセロールトリストリメリテート三無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第三級アミン化合物、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前述した樹脂は、無機材料を更に含むことが好ましい。無機材料としては、炭素、ガラス、金属、金属化合物等が挙げられる。また、無機材料の形状としては、繊維、粒子、箔等が挙げられる。繊維は、不織布状であっても織布状であってもよく、織布状の場合、繊維束を織って作製したクロス材であってもよく、繊維束を一方向に配列したUD(Uni-Direction)材であってもよい。無機材料は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
溶解処理物は、無機材料の中でも、炭素繊維を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂硬化物を分解及び溶解することで、溶解処理物に含まれる炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが可能となる。炭素繊維は、アクリル樹脂を原料とするものであってもよく、ピッチを原料とするものであってもよい。
炭素繊維を含む溶解処理物は、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱することにより得られる。炭素繊維を含む溶解処理物は、熱硬化性樹脂が半硬化したBステージ状態のプリプレグであってもよく、熱硬化性樹脂が硬化したCステージ状態の硬化体(CFRP)であってもよい。
溶解液は、溶解処理物により変化させることができるが、例えば溶解処理物が前述したような熱硬化性樹脂であれば、アルカリ金属化合物とアルコール溶媒とを含有するものを用いることができる。溶解液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。
アルカリ金属化合物としては、熱硬化性樹脂硬化物を分解する触媒活性を有するものであれば特に制限されない。熱硬化性樹脂硬化物を分解する触媒活性の観点から、アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、及びこれらの水和物、アルコラート、フェノラートなどからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、2種以上を併用してもよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸等が挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、熱硬化性樹脂硬化物を効率的に分解し、かつ、分解生成物中に含まれるアルカリ金属イオンの量をより低減する観点から、アルカリ金属のリン酸塩、有機酸塩、及び水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ金属化合物の含有率は、熱硬化性樹脂硬化物の分解効率を向上させる観点から、合計量として、有機溶媒1000g中に0.01〜10.00mol、特に0.10〜5.00molの濃度で含まれていることが好ましく、0.30mol以上であることが更に好ましい。また、アルカリ金属化合物の含有率は、分解生成物の溶解性を高め、また、処理液の調製を容易にする観点から、処理液の全量に対して、5.00mol以下であることが好ましく、3.00mol以下であることがより好ましく、1.00mol以下であることが更に好ましい。
アルコール溶媒としては、特に制限されず、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。アルコール溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶解液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、界面活性剤等が挙げられる。
本明細書にて述べる樹脂の分離方法は、硬化物、半硬化物又は溶解物である熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過をすることである。膜処理を行うことで、有機溶媒及び金属触媒は、膜を透過して透過液に除去されるが、樹脂の多くは膜を透過せずに非透過液(濃縮液)に残る。従って、膜処理により溶解液中の樹脂を効率的かつ選択的に除去し、処理後に透過液を採取することによって、有機溶媒だけでなく金属触媒も回収することができる。
金属触媒は、アルカリ金属化合物の他、水に溶解したアルカリ金属イオンを含有していてもよい。
膜処理に供する溶解液の樹脂濃度は、特に限定されるものではないが、20質量%以下が好ましく、有機溶媒及び金属触媒の膜の透過量が高くなり、コストが低く抑えられることから10質量%以下であることが、より好ましい。
本明細書にて述べる限外濾過膜は、一般に分子の大きさに基づいて分離を行う圧力式の濾過に用いる膜であり、その性能指標は分画分子量により表現される。分画分子量は、既知の分子量を持つ標準物質を透過させて、膜の阻止率が90%に相当する分子量の目安である。分画分子量の測定に用いる標準物質としてはグルコースやラフィノース等がある。限外濾過膜の分画分子量は1000〜300000程度であり、分画分子量が300000を超えるものは、精密濾過膜と呼ばれる。
限外濾過膜は、一次側(流入側)から溶解液を流入させ、二次側(流出側)として濾過した溶解液を流出させるものであり、クロスフロー方式のものであれば、他に限定されるものではない。
通常濾過方式は、濾過すべき液体の流れが、濾過方向と同じになるデッドエンド方式と、ろ過すべき液体の流れが、濾過方向と直交するクロスフロー方式とがあるが、本願発明では、クロスフロー方式としている。これにより、濾過膜の目詰まりを減らし、メンテナンス作業を軽減することができる。
濾過装置は、複数の濾過装置を直列、並列、又はその両方で配置してもよく、処理すべき液量により、自由に選択することができる。
通常濾過方式は、濾過すべき液体の流れが、濾過方向と同じになるデッドエンド方式と、ろ過すべき液体の流れが、濾過方向と直交するクロスフロー方式とがあるが、本願発明では、クロスフロー方式としている。これにより、濾過膜の目詰まりを減らし、メンテナンス作業を軽減することができる。
濾過装置は、複数の濾過装置を直列、並列、又はその両方で配置してもよく、処理すべき液量により、自由に選択することができる。
濾過は、先に述べたように、限外ろ過膜を用いたクロスフロー方式であれば、他に限定されるものではない。
これは、限外濾過膜の孔径が0.01〜0.001μmと比較的小さく、溶解した樹脂を十分に取り除くことが可能なためである。精密濾過膜では、より孔径が大きいため、溶解した樹脂の透過割合が徐々に増えてしまう。一方、逆浸透膜(RO膜、NF膜)では、孔径が小さすぎることから、負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率が悪化しやすく、工業的プロセスに適用することが困難になってくる。
これは、限外濾過膜の孔径が0.01〜0.001μmと比較的小さく、溶解した樹脂を十分に取り除くことが可能なためである。精密濾過膜では、より孔径が大きいため、溶解した樹脂の透過割合が徐々に増えてしまう。一方、逆浸透膜(RO膜、NF膜)では、孔径が小さすぎることから、負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率が悪化しやすく、工業的プロセスに適用することが困難になってくる。
クロスフロー方式では、平均流速を0.1L/m2/h以上、20L/m2/h未満が望ましく、より望ましくは0.2L/m2/h以上15L/m2/h未満とすることが望ましく、0.5L/m2/h以上10L/m2/h未満とすることが最も望ましい。
平均流速が0.1L/m2/h以上であれば、膜のつまりが少なく、安定した樹脂分離が可能である。また、平均流速を20L/m2/h未満とすることで、濾過による分離効率を高くすることができる。膜のつまりをより低減するためには、0.2L/m2/h以上が望ましく、より好ましくは0.5L/m2/h以上が最も適している。
さらに、平均流速が15L/m2/h未満とすることで、系外に排出される樹脂の濃度をより高めることができ、より好ましくは、10L/m2/h未満とすることが望ましい。
平均流速が0.1L/m2/h以上であれば、膜のつまりが少なく、安定した樹脂分離が可能である。また、平均流速を20L/m2/h未満とすることで、濾過による分離効率を高くすることができる。膜のつまりをより低減するためには、0.2L/m2/h以上が望ましく、より好ましくは0.5L/m2/h以上が最も適している。
さらに、平均流速が15L/m2/h未満とすることで、系外に排出される樹脂の濃度をより高めることができ、より好ましくは、10L/m2/h未満とすることが望ましい。
クロスフロー方式の、濾過圧力は、特に限定されるものではないが、0.1bar以上、10bar未満が望ましく、より望ましくは0.5bar以上8bar未満とすることが望ましく、1bar以上6bar未満とすることが最も望ましい。
濾過圧力が0.1bar以上であれば処理量が高くなり、分離効率が向上する。濾過圧力を10bar未満とすることで、膜表面のケーク層形成による膜のつまりを低減することができる。分離効率をより向上させるためには、0.5bar以上が望ましく、より好ましくは1bar以上が最も適している。
さらに、濾過圧力を8bar未満とすることで、より膜のつまりを低減することができ、より好ましくは、6bar未満とすることが望ましい。
濾過圧力が0.1bar以上であれば処理量が高くなり、分離効率が向上する。濾過圧力を10bar未満とすることで、膜表面のケーク層形成による膜のつまりを低減することができる。分離効率をより向上させるためには、0.5bar以上が望ましく、より好ましくは1bar以上が最も適している。
さらに、濾過圧力を8bar未満とすることで、より膜のつまりを低減することができ、より好ましくは、6bar未満とすることが望ましい。
限外濾過膜の分離では、分画分子量は5000以下が望ましく、より望ましくは3000以下で、もっとも望ましいのは1000程度である。分画分子量を5000以下とすることで、溶解液に溶解することが可能となる5000程度の樹脂を分離することが可能となる。溶解処理が進行することで、溶解液に溶解している樹脂の分解も進行することから分画分子量を3000以下とすることで、多少分解が進行した樹脂も除去することが可能である。さらに、分画分子量を1000以下とすることで、最小分子量の樹脂まで分離することが可能となる。
尚、限外濾過ではないが、分画分子量が100以下であれば負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率も徐々に悪くなることから、メンテナンスが困難になってくる。
尚、限外濾過ではないが、分画分子量が100以下であれば負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率も徐々に悪くなることから、メンテナンスが困難になってくる。
溶解法による樹脂の溶解では、反応性の高い溶解液を使用することから、化学的に安定な分離膜を使用することが必要である。樹脂膜の材料としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースなど耐薬品性に優れるものが望ましい。また、セラミック膜の材料としては、アルミナ、チタニア(酸化チタン)、ジルコニアなどが好ましい。さらに分画分子量が5000以下にすることができ、より分離効率が良いことから酸化チタンがもっとも好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ベンジルアルコール1200mlに乾燥した水酸化ナトリウムを24g投入し、窒素ガスを100mL/minでバブリングしながら190℃まで加熱し、樹脂を溶解するための事前調整液(樹脂分を含まない溶解液)の作製を行った。また、事前調整液のナトリウム濃度を中和滴定で測定したところ、0.5mol/kgであった。
溶解物には、10mm×40mmの大きさに切断したT300のトレカ(登録商標)プリプレグ(東レ株式会社製)を用いた。
前工程で作製した事前調整液1200mlとプリプレグ280gを混合し、溶解処理を行った。具体的には、常温(25℃)から60℃まで30分かけて加熱し、60℃で2時間保持した後、2.5時間かけて190℃にまで加熱した。その後190℃で2時間保持し、冷却を行った。
その後、吸引濾過を行い、溶解液1100mlを得た。また、得られた溶解液10mlを220℃で3時間乾燥させ、乾燥前後の質量変化量を、乾燥前に測定しておいた試料の総質量で割り、溶解液中の樹脂濃度を測定した。この結果、樹脂濃度は10質量%であった。
次に、分画分子量1000を有する酸化チタン製の膜を用いて、操作圧力6barとして、クロスフロー方式にて循環させて溶解液の膜処理を行った。溶解液1000mlを膜処理に供し、透過液が700ml得られたところで処理を終了した。
(実施例1)
ベンジルアルコール1200mlに乾燥した水酸化ナトリウムを24g投入し、窒素ガスを100mL/minでバブリングしながら190℃まで加熱し、樹脂を溶解するための事前調整液(樹脂分を含まない溶解液)の作製を行った。また、事前調整液のナトリウム濃度を中和滴定で測定したところ、0.5mol/kgであった。
溶解物には、10mm×40mmの大きさに切断したT300のトレカ(登録商標)プリプレグ(東レ株式会社製)を用いた。
前工程で作製した事前調整液1200mlとプリプレグ280gを混合し、溶解処理を行った。具体的には、常温(25℃)から60℃まで30分かけて加熱し、60℃で2時間保持した後、2.5時間かけて190℃にまで加熱した。その後190℃で2時間保持し、冷却を行った。
その後、吸引濾過を行い、溶解液1100mlを得た。また、得られた溶解液10mlを220℃で3時間乾燥させ、乾燥前後の質量変化量を、乾燥前に測定しておいた試料の総質量で割り、溶解液中の樹脂濃度を測定した。この結果、樹脂濃度は10質量%であった。
次に、分画分子量1000を有する酸化チタン製の膜を用いて、操作圧力6barとして、クロスフロー方式にて循環させて溶解液の膜処理を行った。溶解液1000mlを膜処理に供し、透過液が700ml得られたところで処理を終了した。
(溶解性評価)
膜処理で得られた透過液500mlにプリプレグ50gを混合し、溶解性の評価を行った。評価では、ベンジルアルコールの入ったビーカ(50ml)に溶解試験後の炭素繊維1gを投入し、スパチュラで攪拌したのち、吸引濾過を行った。その後、純水の入ったビーカ(50ml)に洗浄後の炭素繊維を投入し、スパチュラで攪拌したのち、再度吸引濾過を行った。その後、乾燥機で220℃ 30分間炭素繊維を乾燥させた。
溶解評価を行った結果を表1に示す。乾燥させた炭素繊維を顕微鏡で観察したところ、樹脂残りは観察されず、溶解処理が良好であることを確認した。
膜処理で得られた透過液500mlにプリプレグ50gを混合し、溶解性の評価を行った。評価では、ベンジルアルコールの入ったビーカ(50ml)に溶解試験後の炭素繊維1gを投入し、スパチュラで攪拌したのち、吸引濾過を行った。その後、純水の入ったビーカ(50ml)に洗浄後の炭素繊維を投入し、スパチュラで攪拌したのち、再度吸引濾過を行った。その後、乾燥機で220℃ 30分間炭素繊維を乾燥させた。
溶解評価を行った結果を表1に示す。乾燥させた炭素繊維を顕微鏡で観察したところ、樹脂残りは観察されず、溶解処理が良好であることを確認した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で事前調整液1200mlにプリプレグ140gを混合し、溶解処理を行い、樹脂濃度が5質量%となる溶解液を得た。分画分子量1000を有する酸化チタン製の膜を用いて、膜処理を行い、700mlの透過液を得た。その後、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。実施例1と同様、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察されず、溶解処理が良好であった。
実施例1と同様の方法で事前調整液1200mlにプリプレグ140gを混合し、溶解処理を行い、樹脂濃度が5質量%となる溶解液を得た。分画分子量1000を有する酸化チタン製の膜を用いて、膜処理を行い、700mlの透過液を得た。その後、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。実施例1と同様、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察されず、溶解処理が良好であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法を用いて、樹脂濃度10質量%の溶解液を作製した。分画分子量3000を有するポリフッ化ビニリデン製の膜を用いて、膜処理を行い、700mlの透過液を得た。その後、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察されなかったことから、分画分子量3000のポリフッ化ビニリデン膜を用いた場合でも樹脂の分離が可能であることが実証された。
実施例1と同様の方法を用いて、樹脂濃度10質量%の溶解液を作製した。分画分子量3000を有するポリフッ化ビニリデン製の膜を用いて、膜処理を行い、700mlの透過液を得た。その後、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察されなかったことから、分画分子量3000のポリフッ化ビニリデン膜を用いた場合でも樹脂の分離が可能であることが実証された。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で事前調整液1200mlにプリプレグ560gを混合し、溶解処理を行い、樹脂濃度が20質量%となる溶解液を得た。次に分画分子量500000を有するポリフッ化ビニリデン膜(精密濾過膜)を用いて、クロスフロー方式で膜処理を行った。操作圧力は6barとした。透過液の樹脂濃度を実施例と同様の方法で測定した結果、原液と同等であり、膜処理前後で溶液中の樹脂濃度にほとんど変化はなかった。この結果から、分画分子量500000の膜では、樹脂の分離ができないことが分かった。
また、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。比較例1では、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察された。これは、透過液中に含まれる樹脂残留物によりプリプレグの樹脂の分解が阻害され、樹脂残りが生じたと考えられる。
実施例1と同様の方法で事前調整液1200mlにプリプレグ560gを混合し、溶解処理を行い、樹脂濃度が20質量%となる溶解液を得た。次に分画分子量500000を有するポリフッ化ビニリデン膜(精密濾過膜)を用いて、クロスフロー方式で膜処理を行った。操作圧力は6barとした。透過液の樹脂濃度を実施例と同様の方法で測定した結果、原液と同等であり、膜処理前後で溶液中の樹脂濃度にほとんど変化はなかった。この結果から、分画分子量500000の膜では、樹脂の分離ができないことが分かった。
また、透過液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。比較例1では、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察された。これは、透過液中に含まれる樹脂残留物によりプリプレグの樹脂の分解が阻害され、樹脂残りが生じたと考えられる。
(比較例2)
実施例1と同等の樹脂濃度10質量%の溶解液を用い、分画分子量3000を有する酸化チタン膜を用いて、デッドエンド方式で膜処理を行った。操作圧力は6barとした。
この場合、濾過開始直後から膜の流路閉塞が始まり、5分後にはほとんど透過液が得られなかった。以上の結果から、デッドエンド方式では樹脂の分離が困難であることが分かる。
また、比較例2では溶解評価に必要な液量が採取できなかったため、その後の評価は中止した。
実施例1と同等の樹脂濃度10質量%の溶解液を用い、分画分子量3000を有する酸化チタン膜を用いて、デッドエンド方式で膜処理を行った。操作圧力は6barとした。
この場合、濾過開始直後から膜の流路閉塞が始まり、5分後にはほとんど透過液が得られなかった。以上の結果から、デッドエンド方式では樹脂の分離が困難であることが分かる。
また、比較例2では溶解評価に必要な液量が採取できなかったため、その後の評価は中止した。
(比較例3)
実施例1と同等の樹脂濃度10質量%の溶解液を用い、蒸留による樹脂の分離を行った。
この場合、蒸留によって回収できる液量が650mlに留まり、実施例で700mlの液量が得られた膜処理に比べると、回収効率に劣ることが分かる。
また、蒸留により回収した溶液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。比較例3では、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察された。これは、蒸留により回収した溶液中に触媒が含まれておらず、プリプレグ中に含まれる樹脂の分解反応が起こらなかったため、樹脂残りが生じたと考えられる。
実施例1と同等の樹脂濃度10質量%の溶解液を用い、蒸留による樹脂の分離を行った。
この場合、蒸留によって回収できる液量が650mlに留まり、実施例で700mlの液量が得られた膜処理に比べると、回収効率に劣ることが分かる。
また、蒸留により回収した溶液500mlに50gのプリプレグを混合し、溶解性の評価を行った。その結果を表1に示す。比較例3では、乾燥後の炭素繊維に樹脂残りが観察された。これは、蒸留により回収した溶液中に触媒が含まれておらず、プリプレグ中に含まれる樹脂の分解反応が起こらなかったため、樹脂残りが生じたと考えられる。
Claims (7)
- 硬化物、半硬化物又は溶解物である熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む溶解液を、クロスフロー方式の限外濾過膜で濾過することにより、溶解液から樹脂成分を分離する樹脂の分離方法。
- 請求項1において、樹脂成分を分離する前の溶解液が、エポキシ樹脂を含み、全ての樹脂成分の含有率が10質量%以下の溶解液である、樹脂の分離方法。
- 請求項1又は2において、溶解液が、その中に有機溶媒及び金属触媒を含む、樹脂の分離方法。
- 請求項3において、有機溶媒及び金属触媒が、溶解液から樹脂を選択的に分離することで回収される、樹脂の分離方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、限外濾過膜が、樹脂膜又はセラミック膜である、樹脂の分離方法。
- 請求項5において、樹脂膜又はセラミック膜の材質が、フッ素系高分子、セルロース系高分子、アルミナ、ジルコニア、酸化チタンから選ばれる、樹脂の分離方法。
- 請求項5又は6において、樹脂膜又はセラミック膜の分画分子量が1000〜5000である、樹脂の分離方法。
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- 2016-09-30 JP JP2016193543A patent/JP2018053176A/ja active Pending
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