JP2018053088A - 樹脂組成物、及び樹脂成形体 - Google Patents

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雅之 大越
宮本 剛
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宮本  剛
守屋 博之
Hiroyuki Moriya
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Abstract

【課題】曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリオレフィンと、炭素繊維と、ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体と、を含む樹脂組成物を有する樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。
特に、熱可塑性樹脂としてポリオレフィンを含む樹脂組成物は、家電製品や自動車の各種部品、筐体等、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品に使用される。
例えば、特許文献1には、「(a)0.1〜90重量%の少なくとも1種類のポリオレフィン、(b)0.1〜50重量%の少なくとも1種類のポリアミド、(c)0.1〜15重量%の少なくとも1種類の修飾ポリオレフィン、(d)5.0〜75重量%の少なくとも1種類の強化用繊維、(e)0.1〜10重量%の少なくとも1種類の硫黄含有添加剤を含む、3mm以上の長さを有する長繊維強化ポリオレフィン構造体」が開示されている。
また、特許文献2には、「酸変性ポリオレフィン(A)ブロックおよびポリアミド(B)ブロックを有し、13C−NMRによるアミド基由来の炭素と、メチル基、メチレン基およびメチン基由来の炭素との比(α)が、0.5/99.5〜12/88であるポリマー(X)を含有してなるポリオレフィン樹脂用改質剤」が開示されている。さらに、特許文献2には、「このポリオレフィン樹脂用改質剤(K)、ポリオレフィン樹脂(D)および無機繊維(E)を含有してなる無機繊維含有ポリオレフィン樹脂組成物。」が開示されている。
また、特許文献3には、「A)炭素繊維、(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン系樹脂、及び(D)上記(A)炭素繊維が有する反応性官能基及び上記(C)酸変性ポリオレフィンが有する反応性官能基のそれぞれと反応しうる官能基を2個以上有する多官能性化合物を含む繊維強化樹脂組成物。」が開示されている。
特表2003−528956号公報 特開2014−181307号公報 特開2005−213478号公報
本発明の課題は、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと無水マレイン酸修飾ポリオレフィンとのみを含む樹脂組成物に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
請求項1に係る発明は、
ポリオレフィンと、
炭素繊維と、
ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体と、
を含む樹脂組成物。
請求項2に係る発明は、
前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体が、ポリオレフィンを主鎖とし、ポリアミドを側鎖とするグラフト共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記炭素繊維の質量に対する、前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%以上100質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項5に係る発明は、
前記炭素繊維の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上5.0mm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項7に係る発明は、
ポリオレフィンと、
炭素繊維と、
ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体と、
を含む樹脂成形体。
請求項8に係る発明は、
前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体が、ポリオレフィンを主鎖とし、ポリアミドを側鎖とするグラフト共重合体である、請求項7に記載の樹脂成形体。
請求項9に係る発明は、
前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である請求項7又は請求項8に記載の樹脂成形体。
請求項10に係る発明は、
前記炭素繊維の質量に対する、前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%以上100質量%以下である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項11に係る発明は、
前記炭素繊維の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下である請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項12に係る発明は、
前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上5.0mm以下である請求項7〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項1、又は2に係る発明によれば、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと無水マレイン酸修飾ポリオレフィンとのみを含む樹脂組成物に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、リオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部未満又は50質量部超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、炭素繊維の質量に対する、ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%未満又は100質量%超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、炭素繊維の含有量が、ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部未満又は200質量部超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと無水マレイン酸修飾ポリオレフィンとのみを含む樹脂組成物に比べ、平均繊維長が0.1mm以上5.0mm以下の炭素繊維を含み、かつ曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項7、又は8に係る発明によれば、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと無水マレイン酸修飾ポリオレフィンとのみを含む樹脂組成物に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項9に係る発明によれば、リオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部未満又は50質量部超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項10に係る発明によれば、炭素繊維の質量に対する、ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%未満又は100質量%超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項11に係る発明によれば、炭素繊維の含有量が、ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部未満又は200質量部超えである場合に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項12に係る発明によれば、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと無水マレイン酸修飾ポリオレフィンとのみを含む樹脂組成物に比べ、平均繊維長が0.1mm以上5.0mm以下の炭素繊維を含み、かつ曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が提供される。
マイクロドロップレット法を用いられる試験の模式図である。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の一例である実施形態について説明する。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体(以下、「特定共重合体」とも称する)と、を含む。
近年では、機械的強度に優れた樹脂成形体を得るために、母材(マトリックス)としてのポリオレフィンと強化繊維とを含む樹脂組成物が用いられている。
このような樹脂組成物では、強化繊維とポリオレフィンとの親和性が低いと、この両者の界面に空間が生じ、かかる界面における密着性が低下することがある。
特に、樹脂組成物中の強化繊維として炭素繊維を用いた場合には、ガラス繊維等に比べ高い機械的強度を求められるが、炭素繊維表面の水酸基、カルボキシル基など熱可塑性樹脂との接着に寄与する極性基が、ガラス繊維に比べて少ないため、炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面における密着性は低下する。その結果、機械的強度、特に曲げ弾性率は、炭素繊維の配合の割に高まり難い。特に、繰り返し曲げる負荷を加えた場合、炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面での剥離が進行しやすいため、初期からの曲げ弾性率の低下は大きくなる傾向がある。
そこで、本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、特定共重合体(ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体)と、の3成分を含ませる。
この構成とすることで、曲げ弾性率に優れる樹脂成形体が得られる。このような効果が得られる作用については明確ではないが、以下のように推測される。
本実施形態に係る樹脂組成物から樹脂成形体を得る際、かかる樹脂組成物を熱溶融混合すると、特定共重合体は、分子内に含まれるポリオレフィン部が母材としてのポリオレフィンと相溶して、樹脂組成物中で分散することとなる。
この状態の中で、特定共重合体が炭素繊維と接触すると、特定共重合体の分子内に含まれるポリアミド部と炭素繊維の表面に僅かながら存在する極性基とが親和力(引力及び水素結合)にて複数の箇所で物理的に接着する。また、一般的にポリオレフィンとポリアミドとは相溶性が低いため、特定共重合体は、分子内に含まれるポリアミド部と母材としてのポリオレフィンとの斥力により、炭素繊維との接触頻度が上がる。その結果として、特定共重合体の炭素繊維に対する接着量や接着面積が上がる。このように、炭素繊維の周囲に特定共重合体による被覆層が形成される。
そして、被覆層を形成する特定共重合体は、分子内に含まれるポリオレフィン部が母材としてのポリオレフィンとも相溶していることで、引力と斥力とが平衡状態が形成され、特定共重合体による被覆層は、薄く、かつ均一に近い状態で形成されることとなる。特に、炭素繊維の表面に存在するカルボキシ基と特定共重合体の分子内に含まれるポリアミド(そのアミド結合)との親和性が高いため、炭素繊維の周囲には特定共重合体による被覆層が形成され易く、薄膜で且つ均一性に優れる被覆層になると考えられる。
なお、被覆層は炭素繊維の周囲全体を被覆していることが好ましいが、一部被覆されていない部分があってもよい。
以上のことから、炭素繊維とポリオレフィンとの界面の密着性が高まり、機械的強度、特に曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られると推測される。
ここで、本実施形態に係る樹脂組成物及びそれにより得られる樹脂成形体は、樹脂組成物(例えばペレット)の製造のときの熱溶融混練、及び射出成型により、炭素繊維の周囲に特定共重合体による被覆層が形成された構造を有することが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物において、特定共重合体による被覆層の厚さは、5nm以上700nm以下であり、曲げ弾性率の更なる向上の点から、10nm以上650nm以下が好ましい。被覆層の厚みを5nm以上とすると、曲げ弾性率が向上し、被覆層の厚みを700nm以下とすると、被覆層を介した炭素繊維とポリオレフィンとの界面が脆弱となることを抑え、曲げ弾性率の低下が抑制される。
被覆層の厚さは、次の方法により測定された値である。測定対象物を液体窒素中で破断させ、電子顕微鏡(Keyence社製VE−9800)を用いて、その断面を観察する。その断面において、炭素繊維の周囲に被覆する被覆層の厚みを100箇所計測し、その平均値として算出する。
なお、被覆層の確認は、上記断面観察により実施する。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の各成分の詳細について説明する。
−ポリオレフィン(A)−
ポリオレフィンは、樹脂組成物の母材であり、炭素繊維により強化される樹脂成分である。
ポリオレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、オレフィンに由来する繰り返し単位を含む樹脂であって、樹脂全体に対し30質量%)以下であれば、オレフィン以外の単量体に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
ポリオレフィンは、オレフィン(必要に応じて、オレフィン以外の単量体)の付加重合によって得られる。
また、ポリオレフィンを得るための、オレフィン及びオレフィン以外の単量体は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、ポリオレフィンは、コポリマーであってもよいし、ホモポリマーであってよい。また、ポリオレフィンは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
ここで、オレフィンとしては、直鎖状又は分岐状の脂肪族オレフィン、脂環式オレフィンが挙げられる。
脂肪族オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げられる。
また、脂環式オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
中でも、コストの点から、α−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレンがより好ましく、特にプロピレンが好ましい。
また、オレフィン以外の単量体としては、公知の付加重合性化合物から選択される。
付加重合性化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩等のスチレン類;(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン類;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類;等が挙げられる。
好適なポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブテン、ポリイソブチレン、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等が挙げられる。
中でも、オレフィンに由来する繰り返し単位のみを含む樹脂であることが好ましく、特に、コストの点から、ポリプロピレンが好ましい。
ポリオレフィンの分子量は、特に限定されず、樹脂の種類、成形条件や樹脂成形体に用途等に応じて決定すればよい。例えば、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、1万以上30万以下の範囲が好ましく、1万以上20万以下の範囲がより好ましい。
また、ポリオレフィンのガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)は、上記分子量と同様、特に限定されず、樹脂の種類、成形条件や樹脂成形体に用途等に応じて決定すればよい。例えば、ポリオレフィンの融点(Tm)は、100℃以上300℃以下の範囲が好ましく、150℃以上250℃以下の範囲がより好ましい。
なお、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)及び融点(Tm)は、以下のようにして測定された値を示す。
即ち、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、以下の条件で行う。GPC装置としては高温GPCシステム「HLC−8321GPC/HT」、溶離液としてo−ジクロロベンゼンを用いる。ポリオレフィンを一旦高温(140℃以上150℃以下の温度)でo−ジクロロベンゼンに溶融・ろ過し、ろ液を測定試料とする。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、RI検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成する。
また、ポリオレフィンの融点(Tm)は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
ポリオレフィンの含有量は、樹脂成形体の用途等に応じて、決定すればよいが、例えば、樹脂組成物の全質量に対して、5質量%以上95質量%以下が好ましく、10質量%以上95質量%以下がより好ましく、20質量%以上95質量%以下が更に好ましい。
−炭素繊維−
炭素繊維としては、公知の炭素繊維が用いられ、PAN系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維のいずれもが用いられる。
炭素繊維は、公知の表面処理が施されたものであってもよい。
炭素繊維の表面処理としては、例えば、酸化処理、サイジング処理が挙げられる。
炭素繊維の形態は、特に限定されず、樹脂成形体の用途等に応じて選択すればよい。炭素繊維の形態としては、例えば、多数の単繊維から構成される繊維束、繊維束を集束したもの、繊維を二次元又は三次元に織った織物等が挙げられる。
炭素繊維の繊維径、繊維長等は、特に限定されず、樹脂成形体の用途等に応じて選択すればよい。
ただし、炭素繊維の繊維長が短くても、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られるため、炭素繊維の平均繊維長は、0.1mm以上5.0mm以下(好ましくは0.2mm以上2.0mm以下)であってもよい。
また、炭素繊維の平均直径は、例えば、5.0μm以上10.0μm以下(好ましくは6.0μm以上8.0μm以下)であってもよい。
なお、炭素繊維の繊維長が短くなると、炭素繊維の樹脂強化能が低下する傾向がある。特に、近年のリサイクル化の要望により、炭素繊維で強化された樹脂成形体を粉砕して再利用することも進められており、樹脂成形体の粉砕時に炭素繊維の繊維長が短くなることが多い。また、樹脂組成物を製造するときの熱溶融混練時に炭素繊維の繊維長が短くなることもある。そのため、繊維長が短くなった炭素繊維を含む樹脂組成物により樹脂成形体を成形すると、機械的強度、特に曲げ弾性率が低下する傾向が高くなる。
しかし、炭素繊維を含む樹脂成形体を粉砕し、炭素繊維が短繊維化されたリサイクル品を原料として使用したり、熱溶融混練時に炭素繊維が短繊維化しても、本実施形態に係る樹脂組成物は、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られるため有用である。
ここで、炭素繊維の平均繊維長の測定方法は、次の通りである。炭素繊維を光学顕微鏡によって倍率100で観察し、炭素繊維の長さを測定する。そして、この測定を炭素繊維100個について行い、その平均値を炭素繊維の平均繊維長とする。
一方、炭素繊維の平均直径の測定方法は、次の通りである。炭素繊維の長さ方向に直交する断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)によって倍率100倍で観察し、炭素繊維の直径を測定する。そして、この測定を炭素繊維100個について行い、その平均値を炭素繊維の平均直径とする。
炭素繊維としては、市販品を用いてもよい。
PAN系炭素繊維の市販品としては、東レ(株)製の「トレカ(登録商標)」、東邦テナックス(株)製の「テナックス」、三菱レイヨン(株)製の「パイロフィル(登録商標)」等が挙げられる。その他、PAN系炭素繊維の市販品としては、Hexcel社製、Cytec社製,Dow−Aksa社製、台湾プラスチック社製,SGL社製の市販品も挙げられる。
ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱レイヨン(株)製の「ダイリアード(登録商標)」、日本グラファイトファイバー(株)製の「GRANOC」、(株)クレハ製の「クレカ」等が挙げられる。その他、ピッチ系炭素繊維の市販品としては、大阪ガスケミカル(株)製、Cytec社製の市販品も挙げられる。
なお、炭素繊維は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維の含有量は、ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下であること好ましく、1質量部以上180質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上150質量部以下であることが更に好ましい。
炭素繊維がポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上含まれることで、樹脂組成物の強化が図られ、また、炭素繊維の含有量を、ポリオレフィン100質量部に対し200質量部以下とすることで、樹脂成形体を得る際の成形性が良好になる。
なお、炭素繊維以外の強化繊維を用いる場合、強化繊維の全質量に対して80質量%以上を炭素繊維とすることが好ましい。
ここで、以降、ポリオレフィン100質量部に対する含有量(質量部)は、「phr(per hundred resin)と略記することがある。
この略記を使用した場合、上記炭素繊維の含有量は、0.1phr以上200phr以下となる。
−特定共重合体(ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体)−
特定共重合体は、ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体である。
特定共重合体は、ポリオレフィンにポリアミドをグラフト重合したグラフト共重合体、ポリオレフィンとポリアミドとをブロック重合したブロック共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、曲げ弾性率が向上する観点から、ポリオレフィンにポリアミドをグラフト重合したグラフト共重合体(つまり、ポリオレフィンを主鎖とし、ポリアミドを側鎖とするグラフト共重合体)が好ましい。
特定共重合体において、ポリオレフィンとしては、母材としてのポリオレフィンと同様なものが挙げられる。ポリオレフィンは、曲げ弾性率の更なる向上の観点から、母材としてのポリオレフィンと同種のものを用いることが好ましい。つまり、例えば、母材としてのポリオレフィンとしてポリプロピレンを用いる場合、特定共重合体のポリオレフィン部はポリプロピレン部であることが好ましい。
一方、ポリアミドとしては、ジカルボン酸とジアミンとを共縮重合したもの、ラクタムを開環重縮合したもの、が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、フタル酸、等が挙げられ、中でも、アジピン酸、テレフタル酸が好ましい。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン等が挙げられ、中でも、ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム等が挙げられ、中でも、ε−カプロラクタムが好ましい。
ポリアミドとしては、炭素繊維との親和性(接着性)の点、樹脂成形体の成形性の点から、ε−カプロラクタムを開環重縮合したポリアミド(PA6)、6.6ナイロン、6.10ナイロン、1〜12ナイロン、芳香族ナイロンで知られるMXD,HT−1m、6−Tナイロン、ポリアミノトリアゾール、ポリベンツイミダゾール、ポリオキサジアゾール、ポリアミドイミド、ピペラジン系ポリイミドであることが好ましく、中でも、6.6ナイロンが好ましい。
特定共重合体において、ポリプロピレンとポリアミドとの共重合比(ポリプロピレン/ポリアミド)は、質量比で30/70以上99/1以下が好ましく、40/60以上99/1以下がより好ましく、50/50以上99/1以下が更に好ましい。
特定共重合体の分子量は、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、特定共重合体の重量平均分子量は、1000以上100万以下の範囲が好ましく、10000以上10万以下の範囲がより好ましい。
また、特定共重合体のガラス転移温度又は溶融温度(融点)は、上記分子量と同様、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、特定共重合体の融点(Tm)は、100℃以上250℃以下の範囲が好ましく、150℃以上250℃以下の範囲がより好ましい。
特定共重合体の含有量は、ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上30質量部以下であることが更に好ましい。
特定共重合体の含有量が上記の範囲であることで、炭素繊維との親和性が高まり、曲げ弾性率の向上が図られる。
特定共重合体の含有量は、炭素繊維との親和性を効果的に発現させる点から、前述した炭素繊維の含有量と比例させることが好ましい。
炭素繊維の質量に対する特定共重合体の含有量としては、0.1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
炭素繊維の質量に対する特定共重合体の含有量が、0.1質量%以上であると炭素繊維と特定共重合体との親和性が高まり易く、100質量%以下であると樹脂流動性が向上する。
ここで、特定共重合体と炭素繊維との密着性は、例えば、界面せん断強度といった指標にて評価される。
界面せん断強度は、マイクロドロップレット法を用いて測定される。ここで、図1に示す試験の模式図を用いて、マイクロドロップレット法について説明する。
マイクロドロップレット法とは、単繊維fに液体樹脂を塗布し、ドロップレットD(樹脂粒、樹脂玉とも呼ばれる)をつけ、このドロップレットDを固定した後に、矢印方向に単繊維fの引き抜き試験を行うことで、両者の界面接着性を評価する方法である。
そして、この試験を元に、下記式を用いて、界面せん断強度(τ)が算出される。

式中、τは界面せん断強度を表し、Fは引抜荷重を表し、dは単繊維の繊維径を表し、Lはドロップレット長を表す。
算出された界面せん断強度(τ)の値が大きいほど、炭素繊維と特定共重合体との密着性が高いことを示し、この値が大きな炭素繊維及び特定共重合体の組み合わせを選択することにより、より高い曲げ弾性率を有する樹脂成形体が形成される、といった指標ともなる。
−ポリアミド−
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の他、ポリアミドを含んでもよい。
ポリアミドとしては、特定共重合体で用いるポリアミドと同様なものが挙げられる。
ポリアミドの分子量は、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、ポリアミドの重量平均分子量は、1万以上30万以下の範囲が好ましく、1万以上10万以下の範囲がより好ましい。
また、ポリアミドのガラス転移温度又は溶融温度は、上記分子量と同様、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、ポリアミドの融点(Tm)は、100℃以上400℃以下の範囲が好ましく、150℃以上350℃以下の範囲がより好ましい。
ポリアミドの含有量は、曲げ弾性率の向上の点から、ポリオレフィン100質量部に対し1質量部以上50質量部以下であること好ましく、5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
炭素繊維の質量に対するポリアミドの含有量としては、曲げ弾性率の向上の点から、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
−その他の成分−
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の他、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、加熱された際の垂れ(ドリップ)防止剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、炭素繊維以外の補強剤(タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)等の周知の添加剤が挙げられる。
その他の成分は、例えば、ポリオレフィン100質量部に対し0質量部以上10質量部以下がよく、0質量部以上5質量部以下がより好ましい。ここで、「0質量部」とはその他の成分を含まない形態を意味する。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
溶融混練の際の温度(シリンダ温度)としては、樹脂組成物を構成する樹脂成分の融点等に応じて、決定すればよい。
特に、本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、特定共重合体(ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体)と、を溶融混練する工程を含む製造方法により得られることが好ましい。ポリオレフィンと、炭素繊維と、特定共重合体と、相溶化剤と、を一括して溶融混練すると、炭素繊維の周囲に特定共重合体による被覆層が薄く且つ均一に近い状態で形成され易くなり、曲げ弾性率が高まる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、特定共重合体(ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体)と、を含む。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
なお、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を調製しておき、この樹脂組成物を成形して得られたものであってもよいし、炭素繊維以外の成分を含む組成物を調製し、成形時に、かかる組成物と炭素繊維とを混合して得られたものであってもよい。
成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば180℃以上300℃以下であり、好ましくは200℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば30℃以上100℃以下であり、30℃以上60℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX300、住友機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
特に、本実施形態に係る樹脂成形体は、強化繊維として炭素繊維を適用しているため、より機械的強度に優れた樹脂成形体となることから、金属部品への代替用途に好適となる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜18、比較例1〜5]
表1〜表3に従った成分(表中の数値は部数を示す)を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にて、下記の混練条件、および表1〜表3に示す溶融混練温度(シリンダ温度)で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
−混練条件−
・スクリュー径:φ58mm
・回転数:300rpm
・吐出ノズル径:1mm
得られたペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にて、表1〜表3に示す射出成形温度(シリンダ温度)、金型温度50℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応)(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、D2試験片(長さ60mm、幅60mm、厚み2mm)と、を成形した。
また、得られたペレットを600℃で2時間焼成し、残留した炭素繊維の平均繊維長を前述の方法で測定したところ、平均繊維長は0.7mmであった。
[評価]
得られた2種の試験片を用いて、以下のような評価を行った。
評価結果を表1〜表3に示す。
−曲げ弾性率−
得られたISO多目的ダンベル試験片について、万能試験装置(島津製作所社製、オートグラフAG−Xplus)を用いて、ISO178に準拠する方法で、曲げ弾性率を測定した。
−引張り弾性率、伸び−
得られたISO多目的ダンベル試験片について、評価装置(島津製作所製、精密万能試験機オートグラフAG−IS 5kN)を用いてISO527に準拠する方法で、引張り弾性率、及び伸びについて測定した。
−荷重たわみ温度(HDT)−
得られたISO多目的ダンベル試験片について、HDT測定装置(東洋精機(株)製、HDT−3)を用いて、ISO178曲げ試験に準拠する方法で、1.8MPaの荷重における荷重たわみ温度(℃)を測定した。
−寸法変化率−
得られたD2試験片を、28℃、31%RHの条件下で24hr放置し、試験片のTD方向及びMD方向のそれぞれについて、放置前後での試験片の寸法変化率(%)を測定した。
なお、寸法変化は、顕微測長装置(オリンパス製、STM6−LM)により測定した。
−被覆層の有無−
得られたD2試験片を用いて、既述の方法に従って、特定共重合体によるによる被覆層の有無を確認した。
なお、表1〜表3の材料種の詳細は、以下の通りである。
−熱可塑性樹脂−
・ポリプロピレン(ノバテック(登録商標)PP MA3、日本ポリプロ(株)製)
・ポリエチレン(ウルトゼックス20100J、(株)プライムポリマー製)
・EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(41X 三井デユポン(株)製)
−強化繊維−
・炭素繊維(表面処理有、チョップド炭素繊維トレカ(登録商標)、東レ(株)製、平均繊維長20mm、平均直径7μm)
・炭素繊維(表面処理無、上記チョップド炭素繊維トレカ(登録商標)を溶媒浸漬し、サイジング剤を除去したもの)
−特定共重合体−
・PE/PA6:アポリヤLP1(アポリヤ(登録商標)LP1、アルケマ社製:ポリオレフィンとしてポリエチレンにポリアミドとしてPA6をグラフト重合したグラフト共重合体
・PE/PA9:アポリヤLP91(アポリヤ(登録商標)LP91、アルケマ社製:ポリオレフィンとしてポリエチレンにポリアミドとしてPA9をグラフト重合したグラフト共重合体
−ポリアミド−
・PA6(ナイロン6、ザイテル(登録商標)7331J、Dupont社製)
・PA66(ナイロン66、101L、Dupont社製)
−芳香族PA(芳香族ポリアミド)−
・PA6T(ナイロン6T、GENESTAR PA6T、東洋紡製)
−相溶化剤−
・無水マレイン酸修飾ポリプロピレン(ユーメックス(登録商標)110TS、三洋化成工業(株)製
・無水マレイン酸修飾ポリエチレン(モディックM142、三菱化学(株)製)
・無水マレイン酸修飾EVA:無水マレイン酸修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(モディックA543、三菱化学(株)製)
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、曲げ弾性率に優れた樹脂成形体が得られることがわかる。
また、本実施例では、比較例に比べ、引張り弾性率にも優れた樹脂成形体が得られることがわかる。

Claims (12)

  1. ポリオレフィンと、
    炭素繊維と、
    ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体と、
    を含む樹脂組成物。
  2. 前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体が、ポリオレフィンを主鎖とし、ポリアミドを側鎖とするグラフト共重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記炭素繊維の質量に対する、前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%以上100質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記炭素繊維の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上5.0mm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. ポリオレフィンと、
    炭素繊維と、
    ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体と、
    を含む樹脂成形体。
  8. 前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体が、ポリオレフィンを主鎖とし、ポリアミドを側鎖とするグラフト共重合体である請求項7に記載の樹脂成形体。
  9. 前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である請求項7又は請求項8に記載の樹脂成形体。
  10. 前記炭素繊維の質量に対する、前記ポリオレフィン及びポリアミドの共重合体の含有量が、0.1質量%以上100質量%以下である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  11. 前記炭素繊維の含有量が、前記ポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下である請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  12. 前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上5.0mm以下である請求項7〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
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